JP4350130B2 - 熱現像によるフレキソ印刷版の製造方法 - Google Patents

熱現像によるフレキソ印刷版の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱現像によるフレキソ印刷版の製造方法に関し、この製造方法において、画像様に露光した印刷要素が加熱とレリーフ形成層の軟化した、架橋していない部分の除去によって現像され、そして使用されたフレキソ印刷要素が、スチレン/ブタジエンブロックコポリマーを可塑剤との混合物として含み、及び1,2−結合の状態で存在するブタジエンの割合が、ブロックコポリマーに対して15〜50質量%である。
フレキソ印刷版体の製造に最も広く用いられている方法には、写真技術により製造されたマスクまたはデジタル製造されたマスクを介して、光重合性レリーフ形成層を、UV/VIS照射に画像様に露光させることが含まれる。更なる処理工程では、露光層を適当な溶媒または溶媒混合物で処理し、光重合可能層の非露光、未重合部分を除去し、露光後の重合部分を残し、そして印刷版のレリーフを形成する。
しかしながら、ウォッシュアウト工程は比較的長時間を要する。更に、重合層成分は溶解しないが、ウォッシュアウト組成物中で膨潤する。このため、ウォッシュアウト後、印刷への使用前に、印刷版体を丁寧に乾燥しなければならない。この乾燥工程は数時間を必要とする。
特許文献1(EP−A525206)は、ブタジエンブロックのビニル含有量が20〜50%である、少なくとも50質量%のSBSブロックコポリマーを含む露光性フレキソ印刷要素を開示している。通常の方法で光に露光させた後、これを、テトラクロロエチレン/ブタジエン混合物を使用して現像している。
溶媒による現像以外には、特許文献2(US3264103)、特許文献3(US5175072)、特許文献4(WO96/14603)、特許文献5(WO01/88615)又は特許文献6(EP−A1239329)により熱現像が提案されている。
熱現像は溶媒を使用しない。このかわりに、画像様の露光後に、レリーフ形成層を吸収材料と接触させ、そして加熱する。吸収材料は、例えば多孔質不織布、例えばナイロン、ポリエステル、セルロースまたは無機材料を含む。加熱の結果として、レリーフ形成層の未重合部分が液化し、不織布により吸収される。次いで飽和した不織布を除去する。
液化した材料の除去用の吸収材料を使用する代わりに、特許文献7(WO01/90818)は、代替案として露光後のフレキソ印刷要素を加熱空気または液体流により加圧下に処理し、未重合部分を除去することを提案している。
熱現像を行うために適する装置は、特許文献8(EP−A469735)及び特許文献9(WO01/18604)により提案されており、Cyrel(登録商標)Fastの名称で市販されている。
特許文献10(EP−A468745)では、熱現像用のフレキソ印刷要素用の好ましい材料としてエラストマー性ポリウレタンが提案されている。同公報では、溶媒による現像用の数種類の市販のフレキソ印刷要素も、熱現像に原則としては好ましいとしている。
特許文献11(WO01/88615(公報))では、溶媒による現像用とされている市販のフレキソ印刷要素は熱現像には適さないことが多いことが記載され、その代わりとして所定の動的機械特性を有するレリーフ形成層を含むフレキソ印刷要素を提案している。特許文献11(WO01/88615)の実施例では、73質量%のバインダ及び12質量%のポリウレタンオイルを含むフレキソ印刷要素が、熱現像用に使用されている。バインダは、2種の異なるSISブロックコポリマーである。
EP−A525206 US3264103 US5175072 WO96/14603 WO01/88615 EP−A1239329 WO01/90818 EP−A469735 WO01/18604 EP−A468745 WO01/88615
フレキソ印刷版を製造するために、熱現像は基本的に適しているにもかかわらず、熱現像は、今日まで、溶媒を使用した現像に代えられることがなかった。特に、一定品質を有する高解像力(high-resolution)を有する版(plate)の製造、およびレリーフ高さの高い版の製造においては、今日においても問題を有している。
高品質なフレキソ印刷版の実質的な質的基準は、レリーフ基体の均一性と清潔さ、及び要素縁(element edge)の鮮明さであり、レリーフ基体は、正確に形成されるべきであり、そして溶融残留物を有しないものであるべきである。この目的において、重合していない材料が、可能な限り液体化されることが、重合していない材料を効果的及び完全に除去するために必要である。印刷レリーフ上に残っている析出物は、解像力を低下させ、及び/又はにじんだ、低品質の印刷画像をもたらす。
ここで、当業者は典型的なジレンマに陥る。一つは、除去すべき材料の良好な液化(溶融)は当然に高温下で促進される。粘度が低いほど、液化した重合材料はより簡単かつ迅速に不織布に吸収される。しかし、基体の寸法安定性が高い温度を被ることとなり、この点が不利になる。更に印刷版には、不織布上で押圧される間に、所定の機械的付加が施される。高い温度と機械的付加の組み合せが、印刷レリーフを相当に損傷し得る。例えば、レリーフ要素が基体上に十分に固定されていなければ、レリーフ要素は、歪められ、又は引き裂かれ得る。この作用は、当然、微細なレリーフ要素の場合に最も明白になる。しばしば、フレキソ印刷要素は、熱現像の場合には、ネガティブなラチチュード(exposure latitude)を有し、これに対して、溶媒を使用した現像の場合には、ラチチュードはなお、アクティブである。ネガティブなラチチュードは、実質的に望ましくない。
SISブロックコポリマーに基づいたフレキソ印刷要素は市販されている。しかしながら、これらは、しばしば比較的柔軟である。レリーフ層が比較的硬い硬度を有する、使用のためのフレキソ印刷要素は、SISバインダを使用して得ることが困難である。更に、SISポリマーに基づいたフレキソ印刷要素は、高い表面粘着性を有し、そして、オゾンによる亀裂発生(cracking)を回避するための添加剤として抗オゾン化物質を有しており、亀裂は、UV印刷インキの硬化の間、UVエミッターの近傍で起こるものである。しかしながら、使用した抗オゾン化物質は、例えば、パラフィン蝋であり、これは、水性インキのインキ転写に不利に影響する。
バインダ(バインダー)としてSBSブロックコポリマーを含んでいるフレキソ印刷版は、種々の用途に、より適切である。これらは、より粘着性が低く、UV保護剤を必要とせず、及び、高い硬度のレリーフ層が直ちに得られる。しかしながら、今日まで、SBSブロックコポリマーに基づいた通常のフレキソ印刷要素を、十分に熱現像に付することはできなかった。例えば、通常のSBSブロックコポリマーを含むフレキソ印刷要素は、熱現像にネガティブなラチチュードを有している。
本発明の目的は、SBSゴムに基づいたフレキソ印刷版が得られる、熱現像を使用してフレキソ印刷要素を製造するための方法を提供することにある。特に、使用されるSBS−ベースのフレキソ印刷要素が、ネガティブなラチチュードを有しているべきではなく、及び熱現像の後、後に要素縁に溶融残留物を残さずに鮮明な縁を有する要素であるべきである。
発明者は、この目的は、使用された出発材料として、少なくとも、
・寸法安定な基体、
・少なくとも、少なくとも1種のエラストマー性バインダ、エチレン不飽和のモノマー、可塑剤及び光開始剤を含む、少なくとも1層の光重合可能なレリーフ形成層、
を積層状態で含む光重合可能なフレキソ印刷要素を使用し、
少なくとも以下の工程
(a)光重合可能なレリーフ形成層を化学線で画像様に露光する工程、
(b)露光したフレキソ印刷要素を40〜200℃の温度に加熱する工程、
(c)レリーフ形成層の軟化した未重合部分を除去して印刷レリーフを形成する工程、
を含み、
エラストマー性バインダが、80000〜250000g/モルの分子量Mw及び、バインダに対して15〜35質量%のスチレンを有する、少なくとも1種のスチレン/ブタジエンブロックコポリマーであり、1,2−結合の形態で存在するブタジエンの部分がバインダに対して少なくとも20質量%であり、そして、スチレン/ブタジエンブロックコポリマーの量が、レリーフ形成層の全成分に対して30〜50質量%であり、可塑剤の量が、レリーフ形成層の全成分に対して25〜50質量%である、熱現像によるフレキソ印刷版を製造するための方法によって達成されることを見出した。
驚くべきことに、この新規な方法により、優秀な品質のフレキソ印刷版が得られることがわかった。レリーフ要素上に残留物を残すことなく、またレリーフ要素が損傷を受けることなく、この優れた方法で、重合していない材料が熱的に除去される。60ライン/cmのスクリーンスペースの微細スクリーンでも、エラーなしに形成される。本方法の過程において、要素への熱負荷は非常に低く、このため通常のPETフィルムを使用しても良好な結果が得られる。本発明に従って使用されるフレキソ印刷要素のラチチュードは、ネガティブではない。
本発明に関して、以下に詳細に説明する。
本発明の方法において出発材料として用いられる光重合可能なフレキソ印刷要素のための適切な寸法安定な基体の例は、スチール、アルミニウム、銅またはニッケル等の金属製のシート、フィルム、円錐形スリーブ、円筒形スリーブ、またはポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタラート(PEN)、ポリブチレンテレフタラート、ポリアミド、ポリカーボネート等のプラスチック製のシート、フィルム、円錐形スリーブ、円筒形スリーブ、および必要に応じて織布グラスファイバー繊維等の不織布、および例えば、グラスファイバーとプラスチック等の複合材料から成るシート、フィルム、円錐形スリーブ、円筒形スリーブが用いられる。適切な寸法安定な基体は、特に、例えばポリエステルフィルム、特にPET、PENフィルム、または可撓性金属版、例えば薄層金属シート又はスチール製金属泊、好ましくはステンレス鋼、磁化可能ばね鋼、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、ニッケル、クロム、又は銅製の、寸法安定な基体フィルムである。
フレキソ印刷要素は、更に少なくとも1層の光重合性(光重合可能な)レリーフ形成層を含む。光重合性レリーフ形成層は基体上に直接施して良い。しかしながら、他の層、例えば、接着促進層及び/または弾力性下層等が基板とレリーフ形成層の間に存在してもよい。
光重合可能なレリーフ形成層は、少なくとも1層のエラストマー性バインダ、エチレン性不飽和モノマー、可塑剤、光開始剤または光開始剤システムおよび必要に応じて他の成分を含む。
本発明に従って使用されるエラストマー性バインダは、スチレン/ブタジエンブロックコポリマーである。これらは、各場合において、複数のスチレン及びブタジエンブロックが交互に配置されている2−ブロックコポリマー、3−ブロックコポリマー又は多ブロックコポリマーで良い。これらは、線状、分岐、又は星状ブロックコポリマーで良い。本発明に従って使用されるブロックコポリマーは、好ましくはスチレン/ブタジエン/スチレン3ブロックコポリマーである。SBS3−ブロックコポリマー、特に市販されているものは、製造の結果、少量の2−ブロックコポリマーも含んで良い。これは3−ブロックコポリマーという用語に含まれる。
ブタジエンブロック中のブタジエン単位は、1,4−結合した単位、及び1,2−結合した単位の両方を有する。1,2−結合した形態で存在するブタジエン単位の割合は、バインダに対して、少なくとも15質量%である。より少ない場合、通常、十分な熱現像はもはや達成されず、そして、特に、フレキソ印刷要素のラチチュードは、不十分である。原則として、全てのブタジエン単位が1,2−結合で良い。しかしながら、実際的な理由により、全てが1,2−結合ブロックのものを得ることは困難である。1,2−結合した単位の割合は少なくとも20質量%であることが好ましい。
スチレン/ブタジエンブロックコポリマーの質量平均分子量Mwは、80000〜250000、好ましくは120000〜180000g/モルである。より高い分子量の場合、通常、もはや良好な熱現像性が達成されず、及び、より低い分子量の場合、もはや良好な印刷特性を有するレリーフ層は得られない。バインダのスチレン含有量は、バインダに対して、15〜35、好ましくは20〜25、特に好ましくは、25〜35質量%である。
バインダに1,2−結合したポリブタジエン単位を多く含むということは、ラチチュードがネガティブにならないことを確実にする。分子量とスチレン含有量が同等で、しかし、1,2−結合したポリブタジエン単位の含有量が低いスチレン/ブタジエンブロックコポリマーを使用した場合、ネガティブなラチチュードを有するフレキソ印刷版が得られる。従って、フレキソ印刷版、又は少なくとも高品質のフレキソ印刷版は、熱現像によっては製造することができない。
スチレン/ブタジエンブロックコポリマーを製造する方法は、ポリマー、特に1,2−結合又は1,4−結合の方位へのブタジエンの組み込みを制御する技術として当業者に公知である。これは、例えば、溶媒を選択することによって行なわれる。組み込みは、イオン化溶媒において1,2−位、及び選択的に、非イオン化溶媒において1,4−位で行なわれることが好ましい。ビニル含有量が高いスチレン/ブタジエンブロックコポリマーは、例えば、Kraton(登録商標)の名称で市販されている。
当然、複数のスチレン/ブタジエンブロックコポリマーの混合物を使用することも可能である。ビニル含有量が高いスチレン/ブタジエンブロックコポリマー又は複数のコポリマーの量は、30〜50、好ましくは35〜50、特に好ましくは37〜49質量%である。
ビニルリッチなスチレン/ブタジエンブロックコポリマーに加え、レリーフ形成層は、任意に1層以上の第2のバインダを有しても良い。このような第2のバインダは、結果として得られる印刷版の特性を正確に制御するために、当業者が使用することができる。例えば、印刷版の弾性、又はインク受容性(acceptance)が影響され得る。更に、第2のバインダによって、結果として得られた過度に高い異方性を補正することができる。
レリーフ形成層に不利な影響を与えなければ、第2のバインダの選択は、原則として限定されない。適切な第2のバインダの例は、エチレン/ポロピレン/ジエンターポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルアセテートコポリマー、ニトリルゴム、天然ゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、スチレン/ジエンブロックコポリマー、水素化スチレン/ジエンブロックコポリマー、ポリビニルブチラール又はスチレン/ブタジエン乳濁コポリマーを含む。
この新しい方法を行うために、第2のバインダとして適当なものは、特に、スチレン/ブタジエンブロックコポリマーであり、これは、分子量及び/又はスチレン含有量及び/又はビニル部分に関して上記に定義した以外のものが考慮される。特に、これらは、15質量%未満の1,2−結合したブタジエン単位を含むスチレン/ブタジエンブロックコポリマーであって良い。特に好ましい第2のバインダは、2−ブロックコポリマー、例えば、150000〜300000g/モルの分子量Mwを有し、及びスチレン含有量が5〜15質量%のものである。このようなブロックコポリマーを使用することにより、異方性は特に効果的に補正され得る。
第2のバインダの量は、印刷版の所望の特性に従い、当業者によって決定される。通常、しかしながら、層の全成分に対して20質量%、好ましくは15質量%を超えるべきではない。いずれにおいても、その使用量は、ビニルリッチなスチレン/ブタジエンブロックコポリマーを含む種類の第1バインダの量よりも少ない。
レリーフ形成層中の第1及び第2バインダの全量は、併せて65質量%を超えるべきではない。この全量は、通常、30〜65質量%である。これより量が多い場合、通常、良好な熱現像性はもはや達成されず、及び更に得られたフレキソ印刷要素の異方性は非常に高くなる。より量が少ない場合、良好なレリーフ層はもはや得られない。量は、好ましくは35〜60、特に好ましくは40〜55質量%である。
レリーフ形成層は、更に、少なくとも1種の可塑剤を含む。良好な熱現像性は、本発明に従って使用されたバインダと可塑剤とを組み合わせるによって達成される。
使用した可塑剤の量は、25〜50質量%である。可塑剤の量がより少い場合、通常、良好な熱現像性が達成されず、及び、可塑剤の量がより多い場合、良好な印刷特性を有するレリーフ層はもはや得ることができない。その量は、好ましくは30〜50、特に好ましくは35〜45質量%である。
可塑剤の最適な量は、各場合において使用したバインダのメルトフローインデックスによって影響され得る。バインダが比較的高いメルトフローインデックスを有している場合、可塑剤の量は、通常、下限の近くになる。バインダが比較的低いメルトフローインデックスを有している場合、通常、幾分か多い量の可塑剤が望ましい。各場合においてスチレンが30質量%のSBSブロックコポリマーの場合、0.5〜1のメルトフローインデックス(DINENISO1133に従い、200℃/5kgで測定)で、可塑剤の量が35〜40質量%であることが望ましく、そして、約6のメルトフローインデックスにおいて通常、25〜30質量%が十分なものになる。
適する可塑剤の例は、特に、高沸点パラフィン油、ナフテン油もしくは芳香族鉱油等の変性または非変性天然油及び天然樹脂、オリゴスチレン、高沸点エステル、オリゴマー状のスチレン/ブタジエンコポリマー、オリゴマー状のα−メチルスチレン/p−メチルスチレンコポリマー、液体オリゴブタジエン、特に分子量500〜5000g/モルの液体オリゴブタジエン、または液体オリゴマー状のアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、またはオリゴマー状のエチレン/プロピレン/ジエンコポリマー等の、合成オリゴマーまたは樹脂を含む。
ビニルリッチなポリブタジエンオイルが好ましく、特に、組み込まれたブタジエン単位の少なくとも40質量%が1,2−結合していることが好ましい。更に、高沸点脂肪族エステル及び鉱油及び高沸点の実質的にパラフィン及び/又はナフテン性の鉱油が特に好ましい。例えば、パラフィンを基材とする溶媒化合物および特定油がShell Catenex S および Shell Catenex PHとして市販されている。鉱油の場合、当業者は芳香族成分が非常に少量残存していてもよい工業用の白油と、芳香族成分を実質的に含まない医療用の白油を区別して用いる。これらは、例えばShell Risella(工業用白油)、およびShell Ondina(医療用白油)の名称で市販されている。
この新規な方法を行なうために、少なくとも1種のポリブタジエンオイルを含む、少なくとも2種の異なる可塑剤が使用される。特に好ましくは、この混合物は、更に、少なくとも1種の鉱油、特に実質的にパラフィン及び/又はナフテン鉱油を含む。
2種の異なる鉱油と2種の異なるポリブタジエンオイルの混合物を使用することも当然可能である。2グループの可塑剤の質量比は、好ましくは3:1〜1:3、好ましくは2:1〜1:2である。
新規な方法を行うために、レリーフ形成層中の全ビニル含有量、すなわち、バインダ中の1,2−結合したブタジエン及び可塑剤の量は、レリーフ形成層の全成分に対して合わせて少なくとも20質量%である。
光重合性レリーフ形成層は、公知の方法で重合性(重合可能な)化合物又はモノマーを更に含む。モノマーはオレフィン/(メタ)アクリラートコポリマーと相溶性を有することが必要であり、少なくとも1個の重合性のエチレン性不飽和二重結合を有することが必要である。アクリル酸又はメタアクリル酸と、単官能性または多官能性アルコール、アミン、アミノアルコールまたはヒドロキシエーテルとのエステル又はアミド、並びにヒドロキシエステル、フマル酸エステル、マレイン酸エステルまたはアリル化合物が極めて望ましいことがわかっている。
適するモノマーの例はブチルアクリラート、2−エチルヘキシルアクリラート、ラウリルアクリラート、1,4−ブタンジオールジアクリラート、1,6−ヘキサンジオールジアクリラート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリラート、1,9−ノナンジオールジアクリラート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリラート、ジオクチルフマラート、およびN−ドデシルマレイミドである。レリーフ形成層中のモノマーの、全成分に対する量は、通常4.9〜30質量%、好ましくは4.9〜20質量%である。
更に光重合性レリーフ形成層(光重合可能なレリーフ形成層)は、原則的に公知手法により光開始剤または光開始剤組成物を含む。適する開始剤の例は、ベンゾイン又はベンゾイン誘導体、例えばメチルベンゾインまたはベンゾインエーテル、ベンジル誘導体、例えばベンジルケタール、アシルアリールホスフィンオキシド、アシルアリールホスフィン酸エステル、多核キノリン又はベンゾフェノンである。レリーフ形成層中の光開始剤の量は、レリーフ形成層中の全成分の量に対して、通常0.1〜5質量%である。
レリーフ形成層は必要に応じて他の成分、例えば熱重合阻害剤、染料、顔料、光互変性添加剤または酸化防止剤を含んでもよい。しかしながら、通常はこの層の全成分の合計に対して10質量%以下、好ましくは5質量%以下が用いられるべきである。
光重合性レリーフ形成層は、同一、ほぼ同一、または異なる組成を有する複数の光重合性層を重ねた状態で含んでもよい。複数層構造では、印刷版の典型的なフレキソ印刷特性、例えば硬度または弾性に影響を与えることなく、印刷版の表面の特性、例えばインク転写を変更することが可能であるという利点を有する。最良の印刷物を得るために、表面特性と層特性を相互に独立して変化させることができる。
レリーフ層の表面がレリーフ層の下部よりも硬い場合が、しばしば印刷に有利である。この技術の当業者が、上部層の組成の場合では、開示した範囲の下限付近に可塑剤の含有量を設定する傾向を有し、そしてバインダ含有量の場合では、上限付近に設定する傾向を有し、下部層の組成の場合では、この逆での傾向を有することが望ましい。例えば、上部層は、25〜30質量%の可塑剤を含んで良く、そして下部層は、40〜50質量%を含んで良い。このような硬い上部層は、存在する場合には、一般には、0.1mm以下の厚さを有し、好ましくは0.01〜0.1mmの厚さを有するが、これにより本発明が限定されるものではない。
しかしながら、頂部層(top layer)は、熱現像の過程において、逆効果を有さないならば、新規な組成とは異なる組成も有することができる。
フレキソ印刷要素は、レリーフ形成層に加え、任意に別の層を含んで良い。
このような層の例は、別の処方(formulation)を含むエラストマー性下部層を含み、この層は、基体とレリーフ形成層又は複数のレリーフ形成層との間に存在するものである。このような下部層により、実際の印刷レリーフ層の特性に影響を与えることなく、フレキソ印刷版の機械的特性を変更することができる。
フレキソ印刷要素の寸法安定な基体の下方側、すなわち基体のレリーフ形成層とは反対側の面に存在する弾性支持体は、同じ目的を果たす。
更なる実施例では、例えば、支持体を頂部に存在する層に結合させる、又は異なる層を互いに結合させる粘着促進層を含む。
レリーフ形成層(複数枚の場合を含む)の厚さは、フレキソ印刷版の所望の目的に従い、この技術の当業者によって決定され、そして、この厚さは、通常0.5〜7mm、好ましくは0.5〜5mm、特に好ましくは0.6〜2.5mmである。
光重合可能なフレキソ印刷要素は、更に光に対して透明な非粘着性頂部層を有して良い。このような頂部は、剥離層(release layer)として知られている。剥離層は、フレキソ印刷要素が使用される前に存在する、何れの保護フィルムでも、剥離を容易にし、そして従って、レリーフ形成層が損傷されることを回避する。これらは、更に画像形成用の写真の写真ネガティブの保持および除去を容易にする。剥離層は、強力な層を形成するポリマーと、これに含まれる全添加剤により形成される。強力層(strong film)の形成に適するポリマーの例は、ポリアミド、完全または部分的に加水分解された酢酸ポリビニル又はポリエチレンオキシド/酢酸ビニルグラフトコポリマーである。一般に、剥離層は0.2〜25μm、特に2〜20μmの厚さである。
出発材料として使用されるフレキソ印刷要素は、必要により保護フィルム、例えばPET保護フィルムにより損傷から保護され得る。保護フィルムは、各場合においてフレキソ印刷要素の各最上層、すなわち通常は剥離層上に配置される。光重合性フレキソ印刷要素が保護層(保護フィルム)を有する場合、保護層は、新規方法が行われる前に剥離する必要がある。
新規のフレキソ印刷要素の製造法には特異な点はなく、原則的に、当業者により公知の方法、例えば成分を混練し、押出を使用して加圧して層を形成し、及び支持層とカバーシートとの間でカレンダリングを行い、又は溶解した層の成分を、通常は剥離層又は寸法安定な支持体に覆われた保護層上に成形(cast)することによって行われる。この製造は、好ましくは、押出(extrusion)及び支持層と保護層との間のカレンダリングによって行なわれる。
好ましい実施の形態では、スチレン/ブタジエンブロックコポリマー、又は全てのバインダは、最初に可塑剤の一部と、適切な攪拌装置内で加工され、均質な材料を与える。得られた材料は、次に、第2段階において、層の他の成分、及び可塑剤の残りの部分と共に押出成形機内で更に加工される。従って、有利なことに、より多くの可塑剤が、短い長さの押出成形機に亘って導入することもでき、そして更に可塑剤の特に均一な導入が達成できる。これに加え、押出成形機内のホットゾーン内における、重合性材料の滞留時間は減少される。この処理手順は、鉱油に基づいた可塑剤の使用に特に有用であることが分かった。鉱油とポリブタジエンオイルを含む好ましい混合物が使用された場合、鉱油は、ブロックコポリマーに予め導入されることが好ましく、これに対してポリブタジエンオイルが後まで加えられないことが好ましい。事前混合を含む上述した処理手順は、この製造が、押出成形機の低いキャパシティーユーティリゼーションと押出成形機内の低い熱負荷で行なうことができるという有利な点も有する。
上記に開示したフレキソ印刷要素は、写真マスク(photographic mask)を使用した通常の画像化(imaging)を意図している。本発明の更なる実施の形態では、フレキソ印刷要素は、デジタル的に画像形成可能なフレキソ印刷要素であっても良い。これは、透明な剥離層の上に存在して良いが、しかし、デジタル画像形成可能層の存在下に剥離層がない場合も可能である。
デジタル的に画像形成可能な層は、好ましくは、IR融蝕層、インクジェット層及びサーモグラフィック層からなる群から選ばれる。
IR融蝕層又はマスクは、化学線の波長に不透明であり、そして、通常、フィルムを形成する熱的に分解するバインダ、及び少なくとも1種のIR融蝕層、例えばカーボンブラックを含む。カーボンブラックは、層が不透明であることを確実にする。適当なバインダは、例えば、有機媒体に溶解性であるポリアミド、又はニトロセルロースの両バインダ、及び水性媒体に溶解性のバインダ、例えば、ポリビニルアルコール又はポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールグラフトコポリマーである。IRレーザーを使用して、IR融蝕層にマスクが記憶され、すなわち、層は、レーザーが当てられた部分が分解し、除去される。化学線での画像様の露光が、結果として得られたマスクを介して行なわれ得る。IR融蝕マスクを使用したフレキソ印刷要素の画像形成の例は、例えば、EP−A654150又はEP−A1069475に開示されている。
インクジェット層の場合、インクジェットインクを使用して記憶可能な透明層、例えばゼラチン層が施される。この層は、不透明なインクを用いたインクジェットプリンターを使用して印刷することができる。例は、EP−A1072953に開示されている。
サーモグラフ層は、熱の影響下に黒くなる物質を含んだ透明層である。このような層は、例えば、バインダ及び無機又は有機シルバーソルトを含み、及び熱印刷ヘッドを有するプリンターを使用して画像形成が可能である。例は、EP−A1070989に開示されている。
デジタル的に画像形成可能な層は、例えば、EP−A654151に開示されているような剥離層(peel-off layer)である。
好ましい実施の形態では、デジタル的に画像形成可能な層は水溶性であるか、又は主に水性溶媒混合物に溶解性である。
デジタル的に画像形成可能な層は、原則として公知の方法で、光重合化能な層又はリリース層上に成形(cast)することができる。
新規な方法を実施するために、フレキソ印刷要素は、開始材料として使用される。フレキソ印刷要素が、保護層を含む場合、保護層は最初に剥離される。最初の工程段階においてフレキソ印刷要素が画像様に露光され、そして更なる工程段階で、熱的に現像される。
工程段階(a)で、光重合化能なレリーフ形成層が、最初に、化学線に画像様に露光される。画像様の露光は、原則として公知の方法で行うことができる。
通常の方法の工程段階(a)において、写真マスク(photographic mask)は、画像形成のために、レリーフ形成層の頂部に配置される。次に、フレキソ印刷要素は、頂部に配置されたマスクを介して、化学線によって露光される。
適切な化学線、すなわち、化学的に活性な光は特にUVA又はUV/VIS放射(radiation)として公知である。露光の結果、光重合可能な層は、カバーされていない部分が架橋される。トラブルのない方法で、頂部上に写真のネガティブを配置可能にするために、露光は、真空フィルム又は真空印刷フレームを使用して、又はガラスシート下に公知の方法で行われる。
寸法安定な支持体が、透明な場合、フレキソ印刷要素は、工程段階(a)において、背部から任意に化学線に露光することができる。このような工程を使用して、レリーフの高さが決定され、そして、これは、レリーフ要素のより良好な固定(anchoring)に貢献する。
新規な方法の工程(b)及び(c)において、画像様に露光されたフレキソ印刷要素は熱現像される。この2工程は、連続して行うことができ、又は同時に行なうことができる。
工程段階(b)において、フレキソ印刷要素は、加熱され、レリーフ形勢層の未重合部分が、軟化、液化又は溶解する。ポリマー、可塑剤、モノマー、光開始剤、及び任意に他の添加剤を含む材料に関して、この技術の当業者は、溶解という用語は、純粋な低分子量の物質の場合のように正確には定義できないことを認識している。ここで意味することは、材料の粘性は、工程(c)において、材料が不織布に吸収され得るか又は他の方法で除去され得る範囲に低減されるべきであるということである。
工程(b)において、フレキソ印刷要素は、最初に、短い時間で1回以上加熱され、この加熱は、層の未重合部分を純分な範囲で液化するのに十分高く、しかし層の重合部分を損傷することのない温度で行なわれる。通常、40〜200℃の温度がこの目的に必要とされる。フレキソ印刷要素は、80〜170℃に加熱されることが好ましい。
加熱は、熱源での放射、例えばIRエミッターを使用して行われる。他の例には、加熱浴中への浸漬、熱空気もしくは液体流による加熱、又はフレキソ印刷要素の加熱面への接触があるが、本発明における加熱はこれらに限定されない。複数の方法を組み合わせて使用してもよい。フレキソ印刷要素は前面から加熱されることが好ましい。従って、レリーフ形成層の表面は、表面の下方に位置する層部分よりも一般には高温である。
工程(c)では、レリーフ形成層の軟化した未重合部分を除去する。重合部分は基体上に残り印刷レリーフを形成する。
工程(c)は、例えば加熱されたレリーフ形成層を吸収材料と接触させることにより行われる。加熱されて液化したレリーフ形成層の未重合部分は吸収材料により吸収される。極めて効率的な吸収を行うためには、吸収材料とフレキソ印刷要素表面とを非常に密に接触させるとよい。例えば、吸収材料を表面に配置し、加圧してもよい。吸収材料が重合材料と飽和した後に、吸収材料を未だ暖かいフレキソ印刷版体から再度除去する。軟化した材料をできる限り完全に除去するため、液化した全材料が除去されるまで新しい吸収材料を使用してこの処理を繰り返すことが通常は望ましいと考えられる。使用に適する吸収材料は、適当な多孔質材料、例えばナイロン、ポリエステルまたはセルロースの不織布である。工程(c)における操作の詳細については、WO01/88615、第15頁5行〜第17頁2行に記載されており、同公報は参考のため本明細書に組み込まれるものである。
工程(b)と(c)は、引き続いて行なうことが可能であるが、しかし通常は実質的に同時に行なわれる。層は加熱の間、不織布でカバーして良く、そして通常、フレキソ印刷要素の望ましくない冷却を避けるために、及び従って、重合材料の不完全な除去を避けるために、工程(c)の間、熱を供給することが必要である。
工程段階(c)の代替の実施例において、この除去は、加熱されたフレキソ印刷版を加圧下に熱い空気又は液体流で加工(処理)することにより行なわれる。例えば、フレキソ印刷要素においてその頂部から加圧下の蒸気の噴流を向けることができる。最初に、熱い蒸気の流れは、フレキソ印刷要素の加熱を確実にし、そしてフレキソ印刷要素の未重合部分の軟化を確実にする。噴流の機械的エネルギーは、液化した材料の、重合部分からの分離を確実にする。更なる詳細はWO01/90818、第3頁、5行〜16行に開示されている。
熱現像によって得られた印刷版は、任意に後処理することもできる。例えば、印刷版を、後に化学線に均一に露光させることもできる。更に、Br2溶液の使用による、又はUV−C光に露光させることによる、原則として公知の方法で、印刷版表面を非粘着性にできる。
デジタル画像形成層を有するフレキソ印刷要素を用いた新規方法は、上記方法に非常に類似している。写真マスクを用いる代わりに、工程(a)で、それぞれの場合に必要とされる技術によりデジタル画像形成層に画像化され、これによりマスクがレリーフ形成層上に、いわゆる現場(in situ)で形成される。
IR融蝕マスクを用いることにより、IR融蝕層が、IRレーザーの補助により、所望の画像(image)に従い、部分的に除去される。これらの部分は、次いで架橋に付され、レリーフ要素が形成されるが、この段階ではむき出しである。インクジェット層またはサーモグラフィック層を用い、デジタル画像形成可能層の露光により架橋されるべきでない部分がインクジェットプリンターまたはサーモグラフィックプリンターで印刷される。
デジタル画像形成層からマスクを形成した後、写真マスクを用いて化学線の露光を行う。露光用の真空焼き枠は必要ない。空気中で、平面台を用いた放射により露光を行うと好ましい。
露光したフレキソ印刷要素は、デジタル画像形成層またはこの残留部分を含んだ状態で熱現像に用いられる。
好ましい実施の形態において、デジタル画像形成層は工程(b)の処理工程上流で除去される。デジタル画像形成層を予め除去することにより、熱現像における時間が節約され、かつ熱処理装置のマスク層の成分による汚染が回避される。デジタル画像形成層は、例えば剥離、または適する溶媒を使用した分離により除去される。特に好ましい実施の形態において、水溶性または少なくとも水膨潤性(water-swellable)のデジタル画像形成層が用いられる。画像形成と化学線露光の後、デジタル画像形成層またはその残留物を水または主に水性溶媒を用いて分離することができる。任意に、丁寧な機械的処理、例えばブラッシングを付加的に行い、分離を促進することができる。本発明に従って使用されるスチレン/ブタジエンブロックコポリマーは、有機溶媒または溶媒混合物にのみ可溶であるため、レリーフ形成層の未重合部分は溶解せず、重合部分も膨潤しない。従って、この方法により予備処理を施したフレキソ印刷要素は、この後に乾燥が必要なく、直接加工可能である。
新規のフレキソ印刷要素は、熱的に現像されるだけでなく、ウォッシュアウト媒体による従来の方法によっても現像できる。従来の現像においては、フレキソ印刷要素の画像様の露光の後、露光したフレキソ印刷要素を有機溶媒又は溶媒混合物を用いた公知方法により現像する。この多様な使用の可能性は、製造者と使用者の両方にとって経済的に有利となる。
更に、本発明に従う新規のフレキソ印刷要素は、直接的なレーザー彫刻(laser engraving)によるフレキソ印刷版の製造のための出発材料としても使用可能である。デジタル画像形成層を有していないフレキソ印刷要素が、この目的のために使用される。この要素は第1の処理工程で、化学線により均一に、すなわち上部にマスクを配置せずに架橋される。この後、印刷レリーフは、均一に架橋したレリーフ形成層にCO2レーザーにより直接彫刻することができる。架橋層は、レーザーが照射する部分において熱的に分解する。フレキソ印刷版を製造するための直接的なレーザー彫刻技術についての更なる詳細は、例えばEP−A136254およびUS5259311に記載されている。
この新規な方法により、フレキソ印刷版が、熱現像により、今日まで知られていない品質で得られる。スクリーン、ライン、及び微細スクリプト等の微細なポジティブ要素が鮮明(crisply)に形成される。ラチチュードはポジティブである。この方法のために使用されたフレキソ印刷要素は、比較的温度の低い押出成形により特に経済的に製造される。これらは、更に他の適応にも適当である。
本発明を説明する実施例
使用するフレキソ印刷要素の製造(通常の方法)
この新規な方法のために使用されたフレキソ印刷要素は、通常の方法によって製造される。以下の実施例において、光重合可能な材料が押出され、スロットダイから排出され、そして支持体層とカバー要素との間でカレンダーにかけられた。この方法は、EP−B084851に詳細に記載されている。
以下に記載した実施例において、PETカバーシートからなるカバー要素が、リリースで被覆されたが、リリース層は、厚さが約3μmであり、約80質量%のポリアミド(Macromelt(登録商標)6900、Henkelより)及び約20質量%のスチレンアクリラートコポリマー(Joncryl(登録商標)586、Johnson Pplymer Inc.より)を含んでいた。リリース層は、カバーシートが剥離された後に光重合可能材料の上に残る。リリース層は、加工(処理)の間、写真ネガティブの粘着を防止し、そして、加工機がモノマー及び他の反応成分と直接接触することを防止する。
使用した押出装置は、処理量が30kg/hのツインスクリュー押出成形機(ZSK53,Werner&Pfleiderer)であった。カレンダーは、90℃に加熱された2個のカレンダーロールの間で行なわれ、基体は、上部カレンダーロールを通り、そしてカバー要素は下部カレンダーロールを通った。
得られたサンドイッチ複合物は、サクションベルト上を通され、冷却され、そして最終的な状態に転化された。
使用した光重合可能な材料の組成、製造パラメーター、及び基体及びカバー要素の詳細は、それぞれの実施例に記載されている。
フレキソ印刷要素の画像様露光
画像様の露光の前に、背面を通しての均一な露光が、実施例に記載されたタイムスパンで行なわれた。
フレキソ印刷要素の画像様の露光が、UV光を使用し、通常の一般的な方法で、ネガティブを介して、各場合に記載した保持時間で行なわれたが、光重合可能な印刷版のカバーシートは画像様の露光の前に除去されている。写真ネガティブが頂部に配置された後、画像様の露光が真空フィルムを通して行なわれたが、真空フィルムは、約200mbarの圧力で、写真ネガティブをフレキソ印刷要素上に均一に固定し、そして露光の間、酸素含有量を低減するものである。
画像様露光及び背面からの均一な露光に使用された露光装置は、nyloflex(登録商標)FIII露光装置(BASF Drucksysteme GmbH,Stuttgart)であった。
フレキソ印刷要素の現像
a)現像溶液を使用してのフレキソ印刷要素の現像
洗浄媒体を使用した画像様に露光したフレキソ印刷要素の現像を、フレキソ印刷版用の市販の洗浄媒体(nylosolv(登録商標)II,BASF Drucksysteme GmbH)を使用して行なったが、この洗浄は、同様に市販の洗浄装置(nyloflex(登録商標) continuous−flow waterFIII,BASF Drucksysteme GmbH)にて行なった。
現像溶液を使用しての現像工程の後、まだ膨潤しているフレキソ印刷要素が、回転乾燥機(through-circulation dryer)内で、60℃で乾燥されが、この乾燥は、印刷工程のために必要とされる層厚さに達するまで行なわれた。この工程は、印刷版の組成に依存して、2〜3時間を要した。
b)フレキソ印刷要素の熱現像
画像様に露光したフレキソ印刷要素の熱現像が、WO01/88615に開示された方法と同様の方法で、FAST1000TDeProcessor(DuPont Cyrel(登録商標))の型の市販の加工装置を使用して行なわれた。ここで、画像様に露光した印刷版は、23℃に加熱されたドラム上にクランプされた。ドラムが完全に回転する間に、印刷版は最初に、赤外線エミッターの補助により表面から加熱された。同時に運ばれた不織布が、加熱されたロールを使用して、加熱されたフレキソ印刷版に押し付けられ、そして、フレキソ印刷版の加熱された未重合の部分を除去した。ドラム回転は1サイクルと定義される。加熱された不織布搬送ロールの温度は、163℃であった。数回転の間に、IR露光の強度、及び不織布のフレキソ印刷版に対する接触圧は、徐々に全体で約40%低減された。版は、実施例中に記載した加工サイクルを数回行なった後、取り外された。
現像したフレキソ印刷要素の後処理
現像処理の後、最初に、以下に記載したフレキソ印刷要素を、nyloflex(登録商標)FIII露光装置(BASF Drucksysteme GmbH, Stuttgart)を使用して、UVA光に10分間均一に露光させた。後処理は、印刷版の残っている反応成分を化学的に転化するように作用する。
次に、印刷版の表面は、UVA露光装置内で10分間後処理された。これにより、非粘着印刷表面が得られた。
ラチチュードの決定
画像用に使用した試験ネガティブは、ポジティブ要素(隆起した画像要素)とネガティブ要素(固体領域に囲まれた非印刷部分)を含んでいた。印刷版を完全に加工した後、画像要素は、適正に形成されたという評価を得るために、所定の限定基準を満たす必要がある。以下の表に、ラチチュード(exposure latitude)を決定するために使用した画像要素について、この要素の寸法と限定要素と共に記載した。
Figure 0004350130
画像露光は、8枚の試験ネガティブを使用して行なわれた。4分の露光時間から開始して、印刷版を、試験ネガティブを通して各場合に露光時間を2分づつ増加させて露光(露光)させた、すなわち、全体で4、6、8、10、12、14、16、及び18分の段階で露光させた。各画像要素のために、露光時間が決定されたが、この露光時間は、形成が最初に適正になる(ポジティブ要素)又は限定基準がちょうど満たされる(ネガティブ要素)ものである。
露光下限(LEL)は、全ポジティブ要素の露光時間の最大値であり、そして、露光上限(UEL)は、全ネガティブ要素の露光時間の最小値である。ラチチュード(ELAT)は、差UEL−LELである。非常に大きなポジティブラチチュードが望ましい。
異方性ファクターの決定
フレキソ印刷要素は、当方性の挙動をとるべきであり、すなわち、機械的特性及び印刷特性は、印刷プレスにおいて、フレキソ印刷要素の方向に対して独立しているべきである。異方性の程度の測定基準は、異方性ファクターAF:
AF=σMD(125%)/σTD(125%) if σMD(125%)>σTD(125%)
AF=σTD(125%)/σMD(125%) if σTD(125%)>σMD(125%)
(但し、σMD(125%)=125%の伸びでの押出方向の抗張力(tensile stress)、σTD(125%)=125%の伸びでの押出方向に対して横方向の抗張力(tensile stress))である。
この定義において、AFは常に≧1である。理想的な値の1からの偏りが、フレキソ印刷要素の異方性の尺度となる。抗張力は、Zwick Z2.5/TN1S(Zwick GmbH&Co.KG)型のテンシルテスターを使用して決定された。
異方性ファクターが、AF≦1.2の条件を満たす場合には、フレキソ印刷要素は実際には、実質的に等方性であると考えられる。
使用した出発材料
Kraton(登録商標)D−1192: SBS ブロックコポリマー(Kraton Polymers)、Mw≒150000g/モル、10%のSB2ブロック部、30%のスチレン単位、42%の1,4−ブタジエン単位、28%の1,2−ブタジエン単位
Kraton(登録商標)D−4150: 33%の液体パラフィンを含むSBS ブロックコポリマー(Kraton Polymers)、Mw≒170000g/モル、17%のSB2ブロック部、31%のスチレン単位、62%の1,4−ブタジエン単位、7%の1,2−ブタジエン単位
Kraton(登録商標)D−1102: SBS ブロックコポリマー(Kraton Polymers)、Mw≒125000g/モル、17%のSB2ブロック部、30%のスチレン単位、63%の1,4−ブタジエン単位、7%の1,2−ブタジエン単位
Kraton(登録商標)D−1161: SIS ブロックコポリマー(Kraton Polymers)、Mw≒210000g/モル、17%のSB2ブロック部、15%のスチレン単位、78%の1,4−イソプレン単位、7%の4,3−イソプレン単位
Kraton(登録商標)DX−1000: SB ブロックコポリマー(Kraton Polymers)、Mw≒230000g/モル、100%のSB2ブロック部、9%のスチレン単位、84%の1,4−ブタジエン単位、7%の1,2−ブタジエン単位
Nisso(登録商標)PBB−1000 オリゴマー性ポリブタジエンオイル(Nippon Soda)、MN≒1050g/モル,15%の1,4−ブタジエン単位、85%の1,2−ブタジエン単位
Lithene(登録商標)PH オリゴマー性ポリブタジエンオイル(Chemetall)、MN≒2600g/モル,55%の1,4−ブタジエン単位、45%の1,2−ブタジエン単位
Ondina(登録商標)934 医療用ホワイトオイル(Shell)
Laromer(登録商標)HDDA 1,6−ヘキサンジオールジアクリラート(BASF)
HDDMA 1,6−ヘキサンジオールジメタクリラート(Rohm GmbH&Co.KG)
Lucirin(登録商標)BDK ベンジルジメチルケタル(BASF)
Kerobit(登録商標)TBK 2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレソール(Raschig)
実施例1
最初に、Diosna攪拌器(シュレッダー付V25型、Dierks&Sohne GmbHより)内の、67質量%のKratonD−1192及び33質量%のOndina934から予備化合物が製造された。ビニルリッチなSBSブロックコポリマー及び鉱油可塑剤を含むこの化合物が、KratonD−1192化合物とされる。
上述した押出工程の後、以下の組成/構成のフレキソ印刷要素が製造された。
Figure 0004350130
得られた薄板(laminate)は、60×40cmの寸法の少なくとも10枚の板に転化され、そして次の加工の前に、22℃で1週間、光から遠ざけて保存した。
実施例2
以下の組成/構成のフレキソ印刷要素が、押出成形工程を使用して、実施例1に類似して製造された。
Figure 0004350130
得られた薄板は、60×40cmの寸法の少なくとも10枚の板に転化され、そして次の加工の前に、22℃で1週間、光から遠ざけて保存した。
実施例C3(比較例)
バインダ含有量が非常に高い
以下の組成/構成のフレキソ印刷要素が、押出成形工程を使用して、実施例1に類似して製造された。
Figure 0004350130
得られた薄板は、60×40cmの寸法の少なくとも10枚の板に転化され、そして次の加工の前に、22℃で1週間、光から遠ざけて保存した。異方性ファクターが4.2と非常に高いため、フレキソ印刷要素は、実際には印刷には不適当であった。
実施例C4(比較例)
バインダ含有量が非常に高い
以下の組成/構成のフレキソ印刷要素が、押出成形工程を使用して、実施例1に類似して製造された。
Figure 0004350130
得られた薄板は、60×40cmの寸法の少なくとも10枚の板に転化され、そして次の加工の前に、22℃で1週間、光から遠ざけて保存した。異方性ファクターが1.4と非常に高いため、フレキソ印刷要素は、実際には印刷にはあまり適当ではなかった。
実施例C5(比較例)
バインダ含有量が非常に低い
以下の組成/構成のフレキソ印刷要素が、押出成形工程を使用して、実施例1に類似して製造された。
Figure 0004350130
得られた薄板は、60×40cmの寸法の少なくとも10枚の板に転化され、そして次の加工の前に、22℃で1週間、光から遠ざけて保存した。
実施例C6(比較例)
バインダ含有量が非常に高い
以下の組成/構成のフレキソ印刷要素が、押出成形工程を使用して、実施例1に類似して製造された。
Figure 0004350130
得られた薄板は、60×40cmの寸法の少なくとも10枚の板に転化され、そして次の加工の前に、22℃で1週間、光から遠ざけて保存した。
実施例C7(比較例)
SISに基づいたバインダ
以下の組成/構成のフレキソ印刷要素が、押出成形工程を使用して、実施例1に類似して製造された。
Figure 0004350130
得られた薄板は、60×40cmの寸法の少なくとも10枚の板に転化され、そして次の加工の前に、22℃で1週間、光から遠ざけて保存した。
実施例1−A
最適洗浄速度と均一な予備露光時間を決定するために、実施例1からのフレキソ印刷要素を、従来技術に従う通常の方法を使用して試験した。
この目的のために、フレキソ印刷要素の約20×10cmの区分を、最初に、現像液内で、予備露光なしに洗浄装置を使用して異なる洗浄速度で洗浄し、そして乾燥させた。
レリーフ高さが800μmでの洗浄速度vOPT(mm/min)が決定された。これは、1140μmの印刷版厚さにおいて、必要とされるレリーフ高さが700μmに100μmの安全マージンを加えたものに相当する。
試験されるべき版の、新しい版を、分割した領域を背面から予備露光させて製造したが、分割領域では露光時間を増加させている。評価される予備露光時間、及び試験されるべき印刷版上のこれらの配置を以下の図に示す。
Figure 0004350130
予備露光された印刷版が現像液内で洗浄され、そして必要とされる1140μmの層厚さが得られるまで乾燥された後、レリーフ高さを予備露光時間に対してプロットすることにより、所望の700μmのレリーフ高さが得られる予備露光時間が決定された。
この方法で決定された予備露光時間のための値及び洗浄速度を使用し、上述した試験ネガティブを使用して、実施例1からのフレキソ印刷要素を予備露光し、画像様に露光し、乾燥させ、及び試験基準を使用して評価した。
実施例2−A及び比較例C3−A〜C7−A
実施例2及び比較例C3〜C7からのフレキソ印刷要素を、テストネガティブを使用して画像様に露光し、洗浄し、乾燥し、そして実施例1−Aと類似の方法で評価した。全実施例及び比較例について、評価の結果を以下の表1に示した。
Figure 0004350130
実施例1−B、2−B及び比較例C3−B〜C7−B
実施例1及び2及び比較例C3〜C7からのフレキソ印刷要素を上述のように熱的に加工した。全実施例について、使用した加工パラメーター及び評価の結果を表2に示した。
Figure 0004350130
表1に示したように、全フレキソ印刷要素は、現像液を使用した通常の加工に適切であった。類似した加工条件下において、十分に大きなラチチュードを有するフレキソ印刷要素が得られた。
しかしながら、熱加工(表2、参照)において、新規のフレキソ印刷要素のみがラチチュード≧0の印刷要素を与える。このような印刷要素は、画像様に露光させた後に問題を起こすことなく、熱的に現像可能である。比較例において、ラチチュードはネガティブである。このことは、このようなフレキソ印刷要素は、ポジティブ要素の正確な形成に不可欠である露光時間において、既にネガティブ要素に減少したレリーフ深さを有することを意味する。このことは、印刷において、印刷インクの急速な詰まり(clogging)をもたらし、そしてこのために、特に、比較的長い印刷過程で、低品質のにじんだ印刷画像をもたらし、及びトナー値(tonal value)がより増加することになる。時々、印刷工程を止め、そして版を洗浄する必要がある。
比較例C5−B及びC6−Bにおいて、18分の画像様露光の範囲では、ポジティブ要素の正確な形成は不可能であった。印刷において、このような印刷版は、不明確で、印刷画像に破損(break)のある低品質の印刷コピーをもたらすが、特にトナー値が低い範囲のスクリーン、および微細なライン要素、例えば小さなスクリプトの場合にそうである。
C7−Bは、SIS版を使用しては、ポジティブなラチチュードは得ることができないことを示している。

Claims (15)

  1. 出発材料として、少なくとも、
    ・寸法安定な基体、
    ・少なくとも、エラストマー性バインダ、エチレン不飽和のモノマー、可塑剤及び光開始剤を含む、少なくとも1層の光重合可能なレリーフ形成層、
    を積層状態で含む光重合可能なフレキソ印刷要素を使用し、
    少なくとも以下の工程、
    (a)光重合可能なレリーフ形成層を化学線で画像様に露光する工程、
    (b)露光したフレキソ印刷要素を40〜200℃の温度に加熱する工程、
    (c)レリーフ形成層の軟化した未重合部分を除去して印刷レリーフを形成する工
    を含む、熱現像によるフレキソ印刷版の製造方法において、
    エラストマー性バインダが、80000〜250000g/モルの分子量Mw、及びバインダに対して15〜35質量%のスチレンを有する、少なくとも1種のスチレン/ブタジエンブロックコポリマーであり、1,2−結合形態で存在するブタジエンの部分がバインダに対して少なくとも15質量%であり、そして、スチレン/ブタジエンブロックコポリマーの量が、レリーフ形成層の全成分に対して35〜50質量%であり、可塑剤の量が、レリーフ形成層の全成分に対して25〜50質量%であることを特徴とする熱現像によるフレキソ印刷版の製造方法。
  2. 可塑剤の量が、レリーフ形成層の全成分に対して30〜45質量%であり、及びスチレン/ブタジエンブロックコポリマーがレリーフ形成層の全成分に対して35〜50質量%であることを特徴とする請求項1に記載の熱現像によるフレキソ印刷版の製造方法。
  3. ポリマー中に1,2−結合で存在するブタジエン部分が、バインダに対して少なくとも20質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱現像によるフレキソ印刷版の製造方法。
  4. 可塑剤が、少なくとも1種のポリブタジエンオイルを含む可塑剤の混合物であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の熱現像によるフレキソ印刷版の製造方法。
  5. 可塑剤が、更に少なくとも1種の鉱油を含むことを特徴とする請求項4に記載の熱現像によるフレキソ印刷版の製造方法。
  6. ブタジエンオイル中に少なくとも40質量%のブタジエン単位が、1,2−結合で導入されることを特徴とする請求項4又は5に記載の熱現像によるフレキソ印刷版の製造方法。
  7. レリーフ形成層が、追加的に、少なくとも1種の第二のバインダを20質量%以下で含むことを特徴とする請求項1又は6に記載の熱現像によるフレキソ印刷版の製造方法。
  8. 画像様の露光(a)が、フレキソ印刷要素の上にマスクを配置し、この配置されたマスクを介して露光することにより行なわれることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の熱現像によるフレキソ印刷版の製造方法。
  9. フレキソ印刷要素が、更に、デジタル画像形成可能層を有し、工程(a)が、デジタル画像形成可能層への画像の書き込みと、これにより現場製造されたマスクを介しての露光により行われることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の熱現像によるフレキソ印刷版の製造方法。
  10. デジタル画像形成可能マスクが、IR融蝕マスク、インクジェットマスク及びサーモグラフィックマスクからなる群から選択されることを特徴とする請求項9に記載の熱現像によるフレキソ印刷版の製造方法。
  11. デジタル画像形成可能層又はその残余部分が、工程(b)の前にレリーフ形成層から除去されることを特徴とする請求項9又は10に記載の熱現像によるフレキソ印刷版の製造方法。
  12. デジタル画像形成可能層が水溶性であり、デジタル画像形成可能層又はその残余部分が、工程(b)の前に水又は水を主成分とする溶媒により除去される請求項11に記載の熱現像によるフレキソ印刷版の製造方法。
  13. 軟化した未重合部分の除去を、フレキソ印刷要素を吸収材料と接触させることにより行うことを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載の熱現像によるフレキソ印刷版の製造方法。
  14. 軟化した未重合部分の除去を、圧下に加熱空気または液体流を用いてフレキソ印刷要素を処理することにより行うことを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載の熱現像によるフレキソ印刷版の製造方法。
  15. 工程(b)における温度が60〜160℃であることを特徴とする請求項1〜14の何れか1項に記載の熱現像によるフレキソ印刷版の製造方法。
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