JP6243716B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、フレキソ印刷版材に好適な感光性樹脂組成物に関する。
フレキソ印刷版は、一般に弾性のあるゴムや感光性樹脂製の凸版を貼り付け、液状インキを用いて印刷する凸版印刷版の一種で、粗面あるいは曲面にも印刷可能である点で優れている。そのため、包装材、雑誌、段ボール、ラベル、ビンなど広範囲の材料に好ましく用いられている。
フレキソ印刷版の古典的な作製方法としては、ゴムを型に流し込んで固化させる方法、ゴム版を手彫刻する方法などがあったが、これら方法では高精度のフレキソ印刷版を作製することは困難であった。
そこで近年では、高精度のフレキソ印刷版を作製するために、主として硬化性の樹脂、単量体等を含む感光性樹脂組成物を用いたフレキソ印刷版材の検討が進められてきている。このようなフレキソ印刷版材からフレキソ印刷版を製造する方法としては、例えば、まず支持体と反対側の保護フィルム面上に、印刷したい文字・図・絵・模様などの画像が描かれたネガフィルムを密着させ、次いで該ネガフィルムを密着させた側から活性エネルギー線を照射することにより、ネガフィルムの画像が描かれた部分を透過した活性エネルギー線の作用で硬化性樹脂組成物層の特定部分を選択的に硬化させて溶剤に不溶化させた後、ネガフィルム及び保護フィルムを取り除いて、硬化性樹脂組成物層のうち、活性エネルギー線が照射されず硬化していない部分を溶剤を用いて除去すること(現像工程)によって画像となる部分(画像版面)を形成し、フレキソ印刷版を得ることができる(例えば、非特許文献1参照)。
上述のとおり、フレキソ印刷版に用いる刷版材は、硬化した後、弾性を有することが求められる。そのため、その刷版材組成物としては、例えば、エラストマーと単量体とを組み合わせた組成物の検討が行われている。例えば、エラストマー、単量体及び活性エネルギー線重合開始剤を含む感光性樹脂組成物が検討されている(例えば、特許文献1、2参照)。このような組成物にフレキソ印刷版に必要とされる柔軟性を付与するためには、可塑剤を添加する方法が考えられる。しかし、この可塑剤が印刷用のインクに含まれる溶剤等に対して耐性がない場合、その性能に悪影響を与える場合がある。そこで、主として可塑剤の役割をになう液状ジエン系ゴムを添加した組成物の検討も進められている(例えば、特許文献3、4参照)。
一方、近年、フレキソ版を作製するにあたっては、より効率的な作製が求められており、硬化速度の向上、また組成物の保存安定性の向上が求められている。また、活性エネルギー線で硬化させる観点から、十分に高い活性エネルギー線透過性も求められている。更に、高品質の印字を達成する上では、フレキソ印刷版の硬化部はより高硬度になることも重要である。
特公昭51−43374号公報 特開平2−108632号公報 特許第2635461号公報 特開2000−155418号公報
「感光性樹脂の基礎と実用」、赤松 清監修、株式会社シーエムシー、2001年発行、152〜160頁
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、透明性及び保存安定性に優れ、活性エネルギー線による硬化速度が大きいだけでなく、硬化部が高硬度であり、フレキソ印刷版に好適な印刷版材を製造できる感光性樹脂組成物を提供する。
本発明者らが、鋭意検討を行った結果、特定の液状ジエン系ゴムと、ブロック共重合体、(メタ)アクリレート単量体及び活性エネルギー線重合開始剤とを特定の割合で含む感光性樹脂組成物は、透明性及び保存安定性に優れるだけでなく、活性エネルギー線で硬化する際の硬化速度が大きく、しかも硬化部の硬度が高く、フレキソ印刷版に好適な印刷版材を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下〔1〕及び〔2〕に関する。
〔1〕芳香族ビニル化合物単位からなる重合体ブロックa1を少なくとも1個、及び共役ジエン単位からなる重合体ブロックa2を少なくとも1個含有する固形のブロック共重合体(A)100質量部に対して、液状ジエン系ゴム(B)5〜100質量部、(メタ)アクリレート単量体(C)1〜50質量部、及び活性エネルギー線重合開始剤(D)0.1〜20質量部を含有する感光性樹脂組成物であり、
前記液状ジエン系ゴム(B)の38℃で測定した溶融粘度が0.1〜3,000Pa・sの範囲にあり、かつ該液状ジエン系ゴム(B)の製造に用いる重合触媒に由来する触媒残渣量が、金属換算で0〜200ppmの範囲である感光性樹脂組成物。
〔2〕上記〔1〕に記載の感光性樹脂組成物を構成成分とするフレキソ印刷版材。
本発明によれば、透明性及び保存安定性に優れるだけでなく、活性エネルギー線で硬化する際の硬化速度が大きく、しかも硬化部が高硬度である感光性樹脂組成物を得ることができる。この感光性樹脂組成物はフレキソ印刷版材に好適に使用できる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」と「メタクリレート」との総称であり、「(メタ)アクリル」は「アクリル」と「メタクリル」との総称であり、「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイル」と「メタクリロイル」との総称である。
[ブロック共重合体(A)]
本発明の感光性樹脂組成物で用いるブロック共重合体(A)は、芳香族ビニル化合物単位からなる重合体ブロックa1と、共役ジエン単位からなる重合体ブロックa2とを、それぞれ少なくとも1個含有する固形のブロック共重合体である。本明細書において固形のブロック共重合体とは、38℃における溶融粘度が3,000Pa・sを超え、固形状で取り扱うことができるブロック共重合体をいう。
上記重合体ブロックa1において、芳香族ビニル化合物単位は芳香族ビニル化合物を重合することにより形成されるが、この芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、モノフルオロスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、ビニルナフタレン、及びビニルアントラセンなどが挙げられる。これら芳香族ビニル化合物の中でも、スチレンが好ましい。これら芳香族ビニル化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記重合体ブロックa1は、本発明の目的及び効果の妨げにならない限り、芳香族ビニル化合物単位以外の不飽和単量体単位が含まれていてもよい。不飽和単量体単位は不飽和単量体を重合することにより形成されるが、この不飽和単量体としては、例えば、1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、ブタジエン、イソプレン、メチルビニルエーテル、メタクリル酸メチル、酢酸ビニルなどが挙げられる。これら不飽和単量体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合体ブロックa1中の芳香族ビニル化合物単位の含有量は、80質量%以上100質量%以下であることが好ましく、90質量%以上100質量%以下であることが好ましい。また、重合体ブロックa1が、芳香族ビニル化合物単位のみで構成されていることも好ましい態様の一つである。
重合体ブロックa1中の芳香族ビニル化合物単位以外の不飽和単量体単位の含有量は、0質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
上記重合体ブロックa2において、共役ジエン単位は共役ジエンを重合することにより形成されるが、この共役ジエンとしては、例えばブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、及び1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。これら共役ジエンの中でも、硬化後の硬度及びゴム弾性の点では、ブタジエン、及びイソプレンが好ましく、イソプレンがより好ましい。これら共役ジエンは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記重合体ブロックa2は、本発明の目的及び効果の妨げにならない限り、共役ジエン単位以外の不飽和単量体単位が含まれていてもよい。不飽和単量体単位は不飽和単量体を重合することにより形成されるが、この不飽和単量体としては、例えば、1−ブテン、ペンテン、ヘキセン等のアルケン、スチレン等の芳香族ビニル化合物、メチルビニルエーテル、酢酸ビニル等のビニル化合物、メタクリル酸メチルなどが挙げられる。これら不飽和単量体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合体ブロックa2中の共役ジエン単位の含有量は、80質量%以上100質量%以下であることが好ましく、90質量%以上100質量%以下であることが好ましい。また、重合体ブロックa2が、共役ジエン単位のみで構成されていることも好ましい態様の一つである。
重合体ブロックa2中の共役ジエン単位以外の不飽和単量体単位の含有量は、0質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
また、重合体ブロックa2が2種以上の共役ジエン(例えばブタジエンとイソプレン)から形成されている場合は、それらの結合形態は、完全交互、ランダム、テーパー、一部ブロック状、又はそれら2種以上の組み合わせであってもよい。
上記ブロック共重合体(A)は、少なくとも1つの重合体ブロックa1と少なくとも1つの重合体ブロックa2とを有していれば、これらを含む重合体ブロックの結合形式は限定されず、直鎖状、分岐状、放射状、又はそれらの2つ以上が組み合わさった結合形式のいずれであってもよい。これら結合形式の中でも、重合体ブロックa1と重合体ブロックa2の結合形式は直鎖状であることが好ましい。上記ブロック共重合体の結合形式としては、(重合体ブロックa1)−(重合体ブロックa2)のジブロック共重合体、(重合体ブロックa1)−(重合体ブロックa2)−(重合体ブロックa1)のトリブロック共重合体、(重合体ブロックa1)−(重合体ブロックa2)−(重合体ブロックa1)−(重合体ブロックa2)のテトラブロック共重合体、(重合体ブロックa1)−(重合体ブロックa2)−(重合体ブロックa1)−(重合体ブロックa2)−(重合体ブロックa1)のペンタブロック共重合体などが挙げられる。これら結合形式の中でも、硬化後の柔軟性やゴム弾性等の観点からは、(重合体ブロックa1)−(重合体ブロックa2)のジブロック共重合体、(重合体ブロックa1)−(重合体ブロックa2)−(重合体ブロックa1)のトリブロック共重合体が好ましい。
上記ブロック共重合体(A)における芳香族ビニル化合物単位の含有量は、ブロック共重合体(A)が固形である範囲であれば特に制限されるものではないが、硬化後の柔軟性やゴム弾性などの点から、10〜60質量%の範囲にあることが好ましく、10〜40質量%の範囲内であることがより好ましい。また、上記ブロック共重合体(A)における共役ジエン単位の含有量は、硬化後の柔軟性やゴム弾性などの点から、40〜90質量%の範囲にあることが好ましく、60〜90質量%の範囲内であることがより好ましい。なお、ブロック共重合体(A)における芳香族ビニル化合物単位及び共役ジエン単位の含有量は、1H−NMRスペクトルから求めることができる。
上記ブロック共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、ブロック共重合体(A)が固形である範囲であれば特に制限されるものではないが、硬化後の柔軟性やゴム弾性及び耐衝撃性などの観点からは、好ましくは20,000〜1,000,000であり、より好ましくは25,000〜500,000である。なお、本明細書における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定から求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
上記ブロック共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)は、1.0〜8.0が好ましく、1.0〜5.0がより好ましく、1.0〜3.0が更に好ましい。Mw/Mnが前記範囲内であると、ブロック共重合体(A)の粘度のばらつきが小さく、より好ましい。
上記ブロック共重合体(A)の重合体ブロックa2のガラス転移温度(Tg)は、共役ジエン単位のビニル含量、共役ジエンの種類、共役ジエン以外の単量体に由来する単位の含量などによって変化し得るが、−100〜30℃が好ましく、−100〜25℃がより好ましく、−100〜20℃が更に好ましい。Tgが上記範囲であると、本発明の感光性樹脂組成物の硬化後の柔軟性が良好となる。
重合体ブロックa2における共役ジエン単位の結合形態は特に制限されず、例えば、ブタジエンの場合は、1,2−結合、1,4−結合のいずれであってもよく、イソプレンの場合は1,2−結合、3,4−結合、1,4−結合のいずれであってもよい。本発明の感光性樹脂組成物の取り扱い性や硬化速度及び硬化後の柔軟性などの点では、ビニル含有量は1〜80%が好ましく、5〜75%がより好ましい。なお、ビニル含有量とは、共役ジエン単位のうち1,4−結合以外の結合形態で結合している単位を意味し、例えば、ブタジエンの場合は、そのブタジエン単位全体の中で、1,2−結合で形成されている単位の含有量、イソプレンの場合はそのイソプレン単位全体の中で、1,2−結合及び3,4−結合で形成されている単位の含有量を意味する。
上記ブロック共重合体(A)は、本発明の主旨を損なわない限り、分子鎖中及び/又は分子末端に、カルボキシル基、水酸基、酸無水物基、アミノ基、エポキシ基などの官能基の1種又は2種以上を有していてもよい。
上記ブロック共重合体(A)の製造方法は特に制限されず、例えば、アルキルリチウム化合物を開始剤として、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の重合反応に不活性な有機溶媒中で、芳香族ビニル化合物、共役ジエンを逐次アニオン重合して、各重合体ブロックを形成し、更に必要に応じてカップリング反応等を行うことにより製造できる。
[液状ジエン系ゴム(B)]
本発明の感光性樹脂組成物で用いる液状ジエン系ゴム(B)とは、液状のジエン系重合体をいい、38℃で測定したその溶融粘度が0.1〜3,000Pa・sの範囲にある物をいう。
上記液状ジエン系ゴム(B)としては、共役ジエン(b1)を後述の方法で重合して得られる重合体が好ましい。本発明の感光性樹脂組成物に液状ジエン系ゴム(B)を含ませることにより、接着力及びピール強度が向上する傾向にあり、また通常の可塑剤と比較して外部への移行性(ブリードアウト)が低く、優れた低移行性能を示す感光性樹脂組成物を得ることができる。
共役ジエン(b1)としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−ブタジエン、2−フェニル−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、1,3,7−オクタトリエン、ミルセン、及びクロロプレンなどが挙げられる。これら共役ジエンの中でも、ブタジエン、及びイソプレンが好ましい。これら共役ジエンは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液状ジエン系ゴム(B)は、上記共役ジエン(b1)に加え、芳香族ビニル化合物(b2)を共重合したものであってもよい。芳香族ビニル化合物(b2)としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−t−ブチルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、N,N−ジエチル−4−アミノエチルスチレン、ビニルピリジン、4−メトキシスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、及びジビニルベンゼンなどが挙げられる。これら芳香族ビニル化合物の中では、スチレン、α−メチルスチレン、及び4−メチルスチレンが好ましい。
液状ジエン系ゴム(B)における、共役ジエン(b1)単位及び芳香族ビニル化合物(b2)単位の合計に対する芳香族ビニル化合物(b2)単位の割合は、本発明の感光性樹脂組成物の取り扱い性や硬化後の硬度等の観点から、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。
液状ジエン系ゴム(B)は、例えば、溶液重合法等により製造できる。
上記溶液重合法としては、公知又は公知に準ずる方法を適用できる。例えば、溶媒中で、チーグラー系触媒、メタロセン系触媒、アニオン重合可能な活性金属又は活性金属化合物などの重合触媒を使用して、必要に応じて極性化合物の存在下で、共役ジエン(b1)を含む単量体を重合する。これらの中でも、重合触媒としては、アニオン重合可能な活性金属又は活性金属化合物が好ましく用いられる。
アニオン重合可能な活性金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属;ランタン、ネオジム等のランタノイド系希土類金属等が挙げられる。
アニオン重合可能な活性金属の中でもアルカリ金属及びアルカリ土類金属が好ましく、アルカリ金属がより好ましい。
アニオン重合可能な活性金属化合物としては、有機アルカリ金属化合物が好ましい。
有機アルカリ金属化合物としては、例えば、メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウム等の有機モノリチウム化合物;ジリチオメタン、ジリチオナフタレン、1,4−ジリチオブタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,3,5−トリリチオベンゼン等の多官能性有機リチウム化合物;ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレン等が挙げられる。これら有機アルカリ金属化合物の中でも有機リチウム化合物が好ましい。
上記有機アルカリ金属化合物は、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、及びジベンジルアミンなどの第2級アミンと反応させて、有機アルカリ金属アミドとして使用することもできる。
上記重合触媒の使用量は、液状ジエン系ゴム(B)の溶融粘度、分子量などに応じて適宜設定できるが、共役ジエン(b1)を含む全単量体100質量部に対して、通常0.01〜3質量部の量で使用される。
上記溶媒としては、例えば、n−ブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などを使用することができる。
上記極性化合物は、アニオン重合において、通常、反応を失活させず、共役ジエン単位の結合形態を調整するため用いられる。極性化合物としては、例えば、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル化合物;テトラメチルエチレンジアミン、トリメチルアミン等の3級アミン;アルカリ金属アルコキシド、ホスフィン化合物などが挙げられる。極性化合物は、重合触媒に対して、通常0.01〜1000モルの量で使用される。
溶液重合の温度は、通常−80〜150℃の範囲、好ましくは0〜100℃の範囲、より好ましくは10〜90℃の範囲である。重合様式は回分式あるいは連続式のいずれでもよい。
重合反応は、重合停止剤の添加により停止できる。重合停止剤としては、例えば、メタノール、イソプロパノール等のアルコールが挙げられる。得られた重合反応液をメタノール等の貧溶媒に注いで、液状ジエン系ゴム(B)を析出させるか、重合反応液を水で洗浄し、分離後、乾燥することにより液状ジエン系ゴム(B)を単離できる。
液状ジエン系ゴム(B)は種々の官能基により変性された変性液状ジエン系ゴムとして用いてもよい。官能基としては、例えばアミノ基、アミド基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、アルコキシシリル基、水酸基、エポキシ基、エーテル基、カルボキシル基、カルボニル基、メルカプト基、イソシアネート基、ニトリル基、酸無水物基、及び(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。
変性液状ジエン系ゴムの製造方法としては、例えば、重合停止剤を添加する前に、重合活性末端と反応し得る四塩化錫、ジブチル錫クロリド、テトラクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、2,4−トリレンジイソシアネート等のカップリング剤や、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、N−ビニルピロリドン、N−メチルピロリドン、4−ジメチルアミノベンジリデンアニリン、ジメチルイミダゾリジノン等の重合末端変性化合物、又は特開2011−132298号公報に記載のその他の変性化合物を添加し、未変性の液状ジエン系ゴムに付加する方法が挙げられる。
また、単離後の未変性の液状ジエン系ゴムに無水マレイン酸等をグラフト反応させることにより、変性液状ジエン系ゴムを製造することができる。
また、後述する(メタ)アクリレート単量体(C)に対する相容性等の観点から、単離後の未変性の液状ジエン系ゴムに不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸誘導体を変性化合物として付加するグラフト反応により製造された変性液状ジエン系ゴムは、本発明では好ましく用いられる。
変性化合物を、未変性の液状ジエン系ゴムに付加させる方法は特に限定されず、例えば、未変性の液状ジエン系ゴム中に不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体、更に必要に応じてラジカル触媒を加えて、有機溶媒の存在下又は非存在下に、加熱する方法を採用することができる。
上記不飽和カルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸が挙げられる。
また、上記不飽和カルボン酸誘導体としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸無水物、マレイン酸エステル、フマル酸エステル、イタコン酸エステル、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボン酸エステル、マレイン酸アミド、フマル酸アミド、イタコン酸アミドなどの不飽和カルボン酸アミド、マレイン酸イミド、イタコン酸イミドなどの不飽和カルボン酸イミドなどが挙げられる。
これらの中でも、経済性等の観点から、無水マレイン酸を変性化合物として用い、未変性の液状ジエン系ゴムに無水マレイン酸を付加して得られた無水マレイン酸変性液状ジエン系ゴムが好ましく、感光性樹脂組成物を硬化させた硬化物の硬度等の力学特性を充分に発揮させる観点から、無水マレイン酸変性液状ポリブタジエン、無水マレイン酸変性液状ポリイソプレンがより好ましい。
また、(メタ)アクリレート単量体(C)との相容性を改善する等の観点から、無水不飽和カルボン酸変性液状ジエン系ゴムを得た後に、更にアルコール等の水酸基含有化合物、アンモニア、アミン等のアミノ基含有化合物などを反応させて、不飽和カルボン酸エステル変性液状ジエンゴム、不飽和カルボン酸アミド変性液状ジエン系ゴム、又は不飽和カルボン酸イミド変性液状ジエンゴムを製造して、これを変性液状ジエン系ゴムとして用いてもよい。また、水酸基含有化合物として水酸基含有(メタ)アクリレートを用い、(メタ)アクリロイル基変性液状ジエン系ゴムを作製し、この(メタ)アクリロイル基変性液状ジエン系ゴムを変性液状ジエン系ゴムとして、本発明における液状ジエン系ゴム(B)として用いてもよい。
上記水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが挙げられるが、中でも2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
この変性液状ジエン系ゴムにおいて、官能基が導入される位置については重合体末端であってもよく、重合体鎖の側鎖であってもよい。また上記官能基は1種又は2種以上で組み合わせて用いることもできる。
上記液状ジエン系ゴム(B)は、その製造に用いる重合触媒に由来する触媒残渣量が金属換算で0〜200ppmの範囲にあることに特徴がある。例えば、液状ジエン系ゴム(B)を製造するための重合触媒として有機リチウム化合物等の有機アルカリ金属化合物を用いた場合には、触媒残渣量の基準となる金属は、リチウム等のアルカリ金属になる。触媒残渣量が上記範囲にあることにより、本発明の感光性樹脂組成物の透明性及び保存安定性に優れるだけでなく、硬化の際の硬化速度が大きく、硬化部が高硬度であるフレキソ印刷版材を製造できる。液状ジエン系ゴム(B)の製造に用いる重合触媒に由来する触媒残渣量としては、金属換算で、好ましくは0〜150ppm、より好ましくは0〜120ppmである。なお、触媒残渣量は、例えば偏光ゼーマン原子吸光分光光度計を用いることにより測定できる。
液状ジエン系ゴムの触媒残渣量をこのような特定の範囲とする方法としては、重合後の液状ジエン系ゴム(B)を精製し、触媒残渣を十分に除去する方法などが挙げられる。液状ジエン系ゴム(B)を精製する方法としては、水若しくは温水、又はメタノール、アセトンなどに代表される有機溶媒、若しくは超臨界流体二酸化炭素による洗浄が好ましい。洗浄回数としては、経済的な観点から1〜20回が好ましく、1〜10回がより好ましい。また、洗浄温度としては、20〜100℃が好ましく、40〜90℃がより好ましい。また、重合反応前に、重合の阻害を行うような不純物を蒸留や吸着剤により除去し、単量体の純度を高めた後に重合を行うことによっても、必要な重合触媒量が少なくてすむため、触媒残渣量を低減することができる。
上記液状ジエン系ゴム(B)の38℃で測定した溶融粘度は0.1〜3,000Pa・sの範囲にあり、好ましくは0.1〜2,500Pa・sの範囲、より好ましくは0.2〜2,000Pa・sの範囲である。液状ジエン系ゴム(B)の溶融粘度が前記範囲内であると、得られる感光性樹脂組成物のブリードアウトが低下する傾向にある。なお、本発明において液状ジエン系ゴム(B)の溶融粘度は、後述する実施例に記載した方法で求めた値である。
液状ジエン系ゴム(B)の重量平均分子量(Mw)は1,000〜100,000が好ましく、2,000〜90,000がより好ましく、3,000〜80,000が更に好ましく、3,000〜70,000がより更に好ましい。上記液状ジエン系ゴム(B)のMwが前記範囲内であると、本発明の感光性樹脂組成物のブリードアウトが低下する傾向にある。
本発明においては、Mwが異なる2種以上の液状ジエン系ゴム(B)を組み合わせて用いてもよい。
液状ジエン系ゴム(B)の分子量分布(Mw/Mn)は、1.0〜8.0が好ましく、1.0〜5.0がより好ましく、1.0〜3.0が更に好ましい。Mw/Mnが前記範囲内であると、得られる重合体(B)の粘度のばらつきが小さく、より好ましい。
液状ジエン系ゴム(B)のガラス転移温度(Tg)は、共役ジエン(b1)に由来する単位のビニル含量、共役ジエン(b1)の種類、共役ジエン以外の単量体に由来する単位の含量などによって変化し得るが、−100〜30℃が好ましく、−100〜25℃がより好ましく、−100〜20℃が更に好ましい。Tgが上記範囲であると、感光性樹脂組成物の取り扱い性や硬化後のゴム弾性が良好となる。液状ジエン系ゴム(B)のビニル含量は99質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物において、ブロック共重合体(A)100質量部に対する液状ジエン系ゴム(B)の含有量は、5〜150質量部であり、5〜140質量部が好ましく、5〜130質量部がより好ましく、5〜120質量部が更に好ましい。液状ジエン系ゴム(B)の含有量が上記範囲内であると、感光性樹脂組成物の取り扱い性や硬化速度及び硬化後のゴム弾性が良好となる。
[(メタ)アクリレート単量体(C)]
本発明の感光性樹脂組成物には、(メタ)アクリレート単量体(C)が含まれる。これら(メタ)アクリレート単量体としては、後述する活性エネルギー線重合開始剤(D)の存在下で活性エネルギー線によって硬化させることができる限り特に制限はない。上記(メタ)アクリレート単量体(C)としては、単官能(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレート、3官能以上の多価(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等のアルキルモノ(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環式モノ(メタ)アクリレート;ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等のジシクロペンテニル基含有モノ(メタ)アクリレート;フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート等のアリールモノ(メタ)アクリレート;フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のフェノキシ基含有モノ(メタ)アクリレート;ブチルエトキシ(メタ)アクリレート、ブチルエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキルモノ(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノ(メタ)アクリレート;N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有モノ(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有モノ(メタ)アクリレート;メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシジアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート;テトラフロロプロピル(メタ)アクリレート、へプタデカフロロデシル(メタ)アクリレート等のフッ素基含有モノ(メタ)アクリレート;ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、モルフォリン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等のエステル基含有ジオール骨格を有するジ(メタ)アクリレート;ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等の脂環式ジ(メタ)アクリレート;ヒドロキシプロピルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールビス(ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート)、プロポキシ化ビスフェノールAビス(ヒドロキシフロロピル(メタ)アクリレート)などが挙げられる。
3官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のトリメチロールプロパン型多価(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、モノヒドロキシペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のペンタエリスリトール型多価(メタ)アクリレート;トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート等のイソシアヌレート型多価(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
上記(メタ)アクリレート単量体(C)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物において、ブロック共重合体(A)100質量部に対する(メタ)アクリレート単量体(C)の含有量は、1〜50質量部であり、5〜50質量部が好ましく、5〜40質量部がより好ましく、5〜30質量部が更に好ましい。(メタ)アクリレート単量体(C)の含有量が上記範囲内であると、感光性樹脂組成物の硬化速度が大きくなり、硬化後のゴム弾性及び硬度が高くなる。
[活性エネルギー線重合開始剤(D)]
本発明の感光性樹脂組成物には、活性エネルギー線重合開始剤(D)が含まれる。活性エネルギー性重合体開始剤(D)が含まれることにより、活性エネルギー線が本発明の感光性樹脂組成物に照射されると、(メタ)アクリレート単量体(C)などが硬化され、フレキソ印刷版材などを好適に作製できる。使用される活性エネルギー線としては、電磁波、粒子線及びこれらの組み合わせが挙げられる。電磁波としては紫外線(UV)、可視光線、赤外線、γ線、X線などが挙げられ、粒子線としては電子線(EB)、α線などが挙げられる。これら活性エネルギー線の中でも、紫外線(UV)及び電子線(EB)が好ましい。
活性エネルギー線として紫外線(UV)によって硬化を行う場合には、活性エネルギー線重合開始剤(D)として、光重合開始剤を用いることが好ましく、ラジカル系光重合開始剤を用いることがより好ましい。
ラジカル系光重合開始剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−[4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン、2−(ジメチルアミノ)−2−〔(4−メチルフェニル)メチル〕−1−〔4−(4−モルホリニル)フェニル〕−1−ブタノン、カンファーキノン、ベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテルなどのケトン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドなどのアシルホスフィンオキサイド類;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウムなどのチタノセン類;1,2−オクタンジオン−1−〔4−(フェニルチオ)−2−(0−ベンゾイルオキシム)〕、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(0−アセチルオキシム)などのオキシムエステル類; オキシフェニル酢酸2−〔2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ〕エチルエステル、オキシフェニル酢酸2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルなどのオキシフェニル酢酸エステル類などが挙げられる。これらラジカル系光開始剤の中でも、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのケトン類、及び2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドなどのアシルホスフィンオキサイド類が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物において、ブロック共重合体(A)100質量部に対する、活性エネルギー線重合開始剤(D)の含有量は、0.1〜20質量部であり、0.5〜20質量部が好ましく、1.0〜20質量部がより好ましく、1.0〜15質量部が更に好ましく、1.0〜10質量部がより更に好ましい。活性エネルギー線重合開始剤(D)の含有量が前記範囲内であると、硬化速度や硬化物の外観及び力学物性の点で好ましい。
[その他の成分]
本発明の感光性樹脂組成物は、その特性を損なわない範囲で、硬化促進剤、粘着付与剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、軟化剤、消泡剤、顔料、染料、有機充填剤、香料などの添加剤を添加してもよい。
上記酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート、トリエチレングリコール−ビス−〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等のフェノール系酸化防止剤;ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)などのイオウ系酸化防止剤;オクチル化ジフェニルアミンなどのアミン系酸化防止剤;トリス(2,4−ジターシャルブチルフェニル)ホスファイトなどのホスファイト系酸化防止剤;などが挙げられる。これら酸化防止剤の中でも、フェノール系酸化防止剤が好ましい。上記酸化防止剤は、ブロック共重合体(A)100質量部に対して、通常0.5〜5質量部、好ましくは1〜3質量部の量で用いられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、上述のブロック共重合体(A)、液状ジエン系ゴム(B)、(メタ)アクリレート単量体(C)、活性エネルギー線重合開始剤(D)及び必要に応じて添加されるその他の添加剤を、例えばニーダーなどを用いて混練して製造できる。
本発明の感光性樹脂組成物を硬化して、刷版材を作製する方法は、特に制限されないが、例えば、上述した電子線(EB)、紫外線(UV)等の活性エネルギー線を発生可能な種々の装置から、活性エネルギー線を感光性樹脂組成物に照射することにより、刷版材を作製できる。
電子線(EB)を用いる場合には、線源として例えばタングステンフィラメントが挙げられる。電子線(EB)により硬化物を作製する際には、加速電圧としては通常0.1〜10MeV、照射線量としては通常1〜500kGyの範囲が好適である。
紫外線(UV)を用いる場合には、線源として例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、紫外線用水銀灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ジルコニウムランプ、蛍光灯、自然光に含まれる紫外線などが挙げられる。紫外線(UV)により硬化物を作製する際には、放射波長が200nm〜450nmのランプが好適である。
なお、活性エネルギー線の感光性樹脂組成物への照射時間は、エネルギーの大きさによっても異なるが、0.5〜300秒の範囲が好ましい。
[フレキソ印刷版材]
本発明の感光性樹脂組成物は、特にフレキソ印刷版材の構成成分として有効に用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物を構成成分とするフレキソ印刷版材を作製する方法としては、例えば本発明の感光性樹脂組成物を溶融状態でプレス成形、押出成形又はカレンダー成形等することにより支持体上に厚さ200μm〜20mm程度に成形する方法が好適に用いられる。支持体としては、プラスチックシート、ゴムシート、発泡オレフィンシート、発泡ゴムシート、発泡ウレタンシート、金属シートなどが挙げられる。また、必要に応じて、これらの支持体と本発明の感光性樹脂組成物とを接着させるために、接着剤を用いることも可能である。また、必要に応じて、本発明の感光性樹脂組成物が空気中の酸素の影響を受けるのを防止するために、該感光性樹脂組成物層の表面にポリエチレンテレフタレートフィルムなどの保護フィルムを適宜設けることもできる。
本発明の感光性樹脂組成物を構成成分とするフレキソ印刷版材からフレキソ印刷版を得る方法としては、例えば次のような手順が挙げられる。すなわち、表面の保護フィルムがある場合にはそれを取り除いた後、本発明の感光性樹脂組成物からなる層に印刷したい文字・図・絵・模様などの画像が描かれたネガフィルムを密着させ、次いで該ネガフィルムを密着させた側から活性エネルギー線を照射することにより、ネガフィルムの画像が描かれた部分を透過した活性エネルギー線の作用で感光性樹脂組成物層の特定部分を選択的に硬化させて、溶剤に対して不溶化させる。その後、ネガフィルムを取り除いて、感光性樹脂組成物層のうち、未硬化部分を溶剤で除去することによって画像となる部分を形成し、フレキソ印刷版を得ることができる。
未硬化部分の除去に用い得る溶剤としては、例えば、テトラクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、酢酸エステル、リモネン、デカヒドロナフタレンなどが挙げられる。更にこれら溶剤に必要に応じてアルコールを混合した溶剤も用いることができる。このアルコールとしては、例えば、n−ブタノール、1−ペンタノール、及びベンジルアルコールなどを混合した混合アルコールが挙げられる。
また、未硬化部分を溶剤により除去する方法としては、例えば、ノズルから溶剤を噴霧させて洗い流す方法、溶剤とブラシを併用して洗い流して除去する方法などが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物を構成成分とするフレキソ印刷版材は、未硬化版(活性エネルギー線を照射する前のフレキソ印刷版材)を保管したり輸送したりする際の変形が小さい。また、活性エネルギー線の照射により、シャープな画像版面が得られるフレキソ印刷版を製造でき、表面に凹凸がある段ボールや再生紙などの質の悪い被印刷体への印刷において、インキの転写性に優れた良好な印刷品質を有する。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本実施例及び比較例において使用した各成分は以下のとおりである。
<ブロック共重合体(A)>
後述の製造例1、2のトリブロック共重合体(A−1)、(A−2)
<液状ジエン系ゴム(B)>
後述の製造例3〜17の液状ジエン系ゴム(B−1)〜(B−15)
<(メタ)アクリレート単量体(C)>
2官能アクリレート 1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)
2官能メタクリレート 1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート(HDDMA)
単官能メタクリレート 2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)
<活性エネルギー線重合開始剤(D)>
光ラジカル重合開始剤 2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(商品名 DAROCUR 1173:BASF社製)
<任意成分>
2,6−ジt−ブチル−4−メチルフェノール (BHT,本州化学工業株式会社製)
製造例1:固形のポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン トリブロック共重合体(A−1)の製造
十分に乾燥した耐圧容器を窒素置換し、この耐圧容器に、シクロヘキサン2020g、テトラヒドロフラン(THF)12.0g及びs−ブチルリチウム(10.5質量%シクロヘキサン溶液)4.6gを仕込み、70℃に昇温した後、撹拌条件下、重合温度を70℃となるように制御しながら、スチレン66.3gを加えて1時間重合した後、続けてイソプレン531.2gを加えて1時間重合し、更にスチレン66.3gを加え、1時間重合した。その後、メタノールを添加して重合反応を停止させ、重合溶液2695gを得た。耐圧容器中のこの重合溶液を60℃の温水で洗浄後、70℃で12時間真空乾燥することにより、固形のポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン トリブロック共重合体(A−1)を得た。得られたトリブロック共重合体(A−1)の重量平均分子量(Mw)は136,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.27であり、ガラス転移温度は−13℃であった。
製造例2:固形のポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン トリブロック共重合体(A−2)の製造
十分に乾燥した耐圧容器を窒素置換し、この耐圧容器に、シクロヘキサン1400g、テトラヒドロフラン(THF)8.6g及びs−ブチルリチウム(10.5質量%シクロヘキサン溶液)4.6gを仕込み、70℃に昇温した後、撹拌条件下、重合温度を70℃となるように制御しながら、スチレン59.5gを加えて1時間重合した後、続けてブタジエン434.5gを加えて1時間重合し、更にスチレン59.5gを加え、1時間重合した。その後、メタノールを添加して重合反応を停止させ、重合溶液1966gを得た。耐圧容器中のこの重合溶液を60℃の温水で洗浄後、70℃で12時間真空乾燥することにより、固形のポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン トリブロック共重合体(A−2)を得た。得られたトリブロック共重合体(A−2)の重量平均分子量(Mw)は128,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.29であり、ガラス転移温度は−58℃であった。
製造例3:液状ポリイソプレン(B−1)の製造
十分に乾燥した耐圧容器を窒素置換し、この耐圧容器に、ヘキサン600g、及びn−ブチルリチウム(17質量%ヘキサン溶液)44.9gを仕込み、70℃に昇温した後、撹拌条件下、重合温度を70℃となるように制御しながら、イソプレン2050gを加えて1時間重合した(重合工程)。その後、メタノールを添加して重合反応を停止させ、重合溶液2695gを得た。耐圧容器中のこの重合溶液に、60℃の温水を、重合溶液/温水 体積比=2/1となるように添加し、30分撹拌した後30分静置し、重合溶液相と水相とが分離していることを確認した後、水相を除去した(以下、この操作を洗浄操作(1)という。)。この洗浄操作(1)を更に繰り返し、全体で洗浄操作(1)を4回行った。洗浄操作を経た重合液を、70℃で12時間真空乾燥することにより、液状ポリイソプレン(B−1)を得た。得られた液状ポリイソプレン(B−1)の物性を表1に示す。
製造例4:液状ポリイソプレン(B−2)の製造
上記洗浄操作(1)を3回とする以外は製造例3と同様の重合、洗浄操作、乾燥を行い、液状ポリイソプレン(B−2)を得た。得られた液状ポリイソプレン(B−2)の物性を表1に示す。
製造例5:液状ポリイソプレン(B−3)の製造
十分に乾燥した耐圧容器を窒素置換し、この耐圧容器に、ヘキサン600g、及びn−ブチルリチウム(17質量%ヘキサン溶液)13.9gを仕込み、70℃に昇温した後、撹拌条件下、重合温度を70℃となるように制御しながら、イソプレン1370gを加えて1時間重合した。その後、メタノールを添加して重合反応を停止させ、重合溶液1980gを得た(重合工程)。その後製造例3に記載の洗浄操作(1)を3回行った。洗浄操作を経た重合液を、70℃で12時間真空乾燥することにより、液状ポリイソプレン(B−3)を得た。得られた液状ポリイソプレン(B−3)の物性を表1に示す。
製造例6:液状ポリイソプレン(B−4)の製造
上記洗浄操作(1)を2回とする以外は製造例5と同様の重合、洗浄操作、乾燥を行い、液状ポリイソプレン(B−4)を得た。得られた液状ポリイソプレン(B−4)の物性を表1に示す。
製造例7:液状ポリイソプレン(B−5)の製造
十分に乾燥した耐圧容器を窒素置換し、この耐圧容器に、ヘキサン600g、及びn−ブチルリチウム(17質量%ヘキサン溶液)95.7gを仕込み、70℃に昇温した後、撹拌条件下、重合温度を70℃となるように制御しながら、イソプレン1370gを加えて1時間重合した(重合工程)。その後、メタノールを添加して重合反応を停止させ、重合溶液2066gを得た。その後製造例3に記載の洗浄操作(1)を5回行った。洗浄操作を経た重合液を、70℃で12時間真空乾燥することにより、液状ポリイソプレン(B−5)を得た。得られた液状ポリイソプレン(B−5)の物性を表1に示す。
製造例8:液状ポリイソプレン(B−6)の製造
上記洗浄操作(1)を4回とする以外は製造例7と同様の重合、洗浄操作、乾燥を行い、液状ポリイソプレン(B−6)を得た。得られた液状ポリイソプレン(B−6)の物性を表1に示す。
製造例9:液状ポリブタジエン(B−7)の製造
十分に乾燥した耐圧容器を窒素置換し、この耐圧容器に、ヘキサン600g、n−ブチルリチウム(17質量%ヘキサン溶液)122.7gを仕込み、70℃に昇温した後、撹拌条件下、重合温度を70℃となるように制御しながら、ブタジエン1370gを加えて1時間重合した(重合工程)。その後、メタノールを添加して重合反応を停止させ、重合溶液2128gを得た。その後製造例3に記載の洗浄操作(1)を5回行った。洗浄操作を経た重合液を、重合反応液を70℃で12時間乾燥することにより、液状ポリブタジエン(B−7)を得た。得られた液状ポリブタジエン(B−7)の物性を表1に示す。
製造例10:液状ポリブタジエン(B−8)の製造
上記洗浄操作(1)を4回とする以外は製造例9と同様の重合、洗浄操作、乾燥を行い、液状ポリブタジエン(B−8)を得た。得られた液状ポリブタジエン(B−8)の物性を表1に示す。
製造例11:液状ポリブタジエン(B−9)の製造
十分に乾燥した耐圧容器を窒素置換し、この耐圧容器に、ヘキサン1200g、テトラヒドロフラン11.6g、及びn−ブチルリチウム(17質量%ヘキサン溶液)71.4gを仕込み、70℃に昇温した後、撹拌条件下、重合温度を70℃となるように制御しながら、ブタジエン842gを加えて1時間重合した(重合工程)。その後、メタノールを添加して重合反応を停止させ、重合溶液2113gを得た。その後製造例3に記載の洗浄操作(1)を4回行った。洗浄操作を経た重合液を、70℃で12時間乾燥することにより、液状ポリブタジエン(B−9)を得た。得られた液状ポリブタジエン(B−9)の物性を表1に示す。
製造例12:液状ポリブタジエン(B−10)の製造
上記洗浄操作(1)を3回とする以外は製造例11と同様の重合、洗浄操作、乾燥を行い、液状ポリブタジエン(B−10)を得た。得られた液状ポリブタジエン(B−10)の物性を表1に示す。
製造例13:液状ポリイソプレン(B−11)の製造
製造例3と同様の重合工程にて重合を実施し、重合反応液にメタノールを添加して重合反応を停止させた。次いで、重合溶液を耐圧容器から抜き取った後、該耐圧容器を洗浄せずに連続使用し、イソプレンを1190g用いた以外は製造例3と同様の重合工程にて2回目の重合を実施した。2回目の重合で得られた重合溶液を洗浄することなく、70℃で12時間真空乾燥し、液状ポリイソプレン(B−11)を得た。得られた液状ポリイソプレン(B−11)の物性を表1に示す。
製造例14:液状ポリイソプレン(B−12)の製造
製造例5と同様の重合工程にて重合を実施し、重合反応液にメタノールを添加して重合反応を停止させた。次いで、重合溶液を耐圧容応器から抜き取った後、該耐圧容器を洗浄せずに連続使用し、イソプレンを359g用いた以外は製造例5と同様の重合工程にて2回目の重合を実施した。2回目の重合で得られた重合溶液を洗浄することなく、70℃で12時間真空乾燥し、液状ポリイソプレン(B−12)を得た。得られた液状ポリイソプレン(B−12)の物性を表1に示す。
製造例15:液状ポリイソプレン(B−13)の製造
製造例7と同様の重合工程にて重合を実施し、重合反応液にメタノールを添加して重合反応を停止させた。次いで、重合溶液を耐圧容応器から抜き取った後、該耐圧容器を洗浄せずに連続使用し、イソプレンを1170g用いた以外は製造例7と同様の重合工程にて2回目の重合を実施した。2回目の重合で得られた重合溶液を洗浄することなく、70℃で12時間真空乾燥し、液状ポリイソプレン(B−13)を得た。得られた液状ポリイソプレン(B−13)の物性を表1に示す。
製造例16:液状ポリブタジエン(B−14)の製造
製造例9と同様の重合工程にて重合を実施し、重合反応液にメタノールを添加して重合反応を停止させた。次いで、重合溶液を耐圧容応器から抜き取った後、該耐圧容器を洗浄せずに連続使用し、ブタジエンを1250g用いた以外は製造例9と同様の重合工程にて2回目の重合を実施した。2回目の重合で得られた重合溶液を洗浄することなく、70℃で12時間真空乾燥し、液状ポリブタジエン(B−14)を得た。得られた液状ポリブタジエン(B−14)の物性を表1に示す。
製造例17:液状ポリブタジエン(B−15)の製造
製造例11と同様の重合工程にて重合を実施し、重合反応液にメタノールを添加して重合反応を停止させた。次いで、重合溶液を耐圧容応器から抜き取った後、該耐圧容器を洗浄せずに連続使用し、ブタジエンを765g用いた以外は製造例11と同様の重合工程にて2回目の重合を実施した。2回目の重合で得られた重合溶液を洗浄することなく、70℃で12時間真空乾燥し、液状ポリブタジエン(B−15)を得た。得られた液状ポリブタジエン(B−15)の物性を表1に示す。
なお、ブロック共重合体(A)及び液状ジエン系ゴム(B)の重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、溶融粘度、ガラス転移温度及び触媒残渣量の測定方法は以下のとおりである。
(重量平均分子量及び分子量分布の測定方法)
Mw及びMw/MnはGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により標準ポリスチレン換算分子量で求めた。測定装置及び条件は、以下の通りである。
・装置 :東ソー株式会社製GPC装置「GPC8020」
・分離カラム :東ソー株式会社製「TSKgelG4000HXL」
・検出器 :東ソー株式会社製「RI−8020」
・溶離液 :テトラヒドロフラン
・溶離液流量 :1.0ml/分
・サンプル濃度:5mg/10ml
・カラム温度 :40℃
(溶融粘度の測定方法)
液状ジエン系ゴム(B)の38℃における溶融粘度はブルックフィールド型粘度計(BROOKFIELD ENGINEERING LABS. INC.製)により測定した。
(ガラス転移温度の測定方法)
ブロック共重合体(A)及び液状ジエン系ゴム(B)をそれぞれ10mgアルミパンに採取し、示差走査熱量測定(DSC)により10℃/分の昇温速度条件においてサーモグラムを測定し、DDSCのピークトップの値をガラス転移温度とした。
(触媒残渣量)
1)試料溶液等の調製
試料溶液:製造例3〜17で得られた液状ジエン系ゴム(B)をそれぞれ0.5〜5.0g精密に量り取り、少量の濃硫酸で前処理した後、白金皿に入れ、電気コンロで徐々に加熱して灰化した。冷却後、20%(v/v)塩酸5mLを加え、さらに超純水を加え50mLとし、これを試料溶液とした。
標準溶液(a)(ブランク):20%(v/v)塩酸5mLに超純水を加え50mLとした。
標準溶液(b)(Li:0.1ppm(w/v)):20%(v/v)塩酸5mL及びリチウム標準液(1000ppm(w/v))0.005mLを正確にとり、超純水を加え50mLとした。
標準溶液(c)(Li:2.0ppm(w/v)):20%(v/v)塩酸5mL及びリチウム標準液(1000ppm(w/v))0.10mLを正確にとり、超純水を加え50mLとした。
標準溶液(d)(Li:5.0ppm(w/v)):20%(v/v)塩酸5mL及びリチウム標準液(1000ppm(w/v))0.25mLを正確にとり、超純水を加え50mLとした。
2)測定方法
原子吸光光度法フレーム方式(フレーム:空気―アセチレン(波長:670.8nm))の検量線法により求めた。前記の標準溶液(a)、(b)、(c)及び(d)の順に吸光度を測定し、検量線を作成する。次に、試料溶液の吸光度を測定し、液状ジエン系ゴム(B)1g当たりのリチウム触媒残渣量を下記式により計算した。吸光度の測定には、偏光ゼーマン原子吸光分光光度計(型式「Z−5010」、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いた。原子吸光用リチウム標準液としては、和光純薬工業(株)製の製品を使用した。
触媒残渣量(リチウム:ppm(w/v))=(C/試料採取量(g))×50
(但し、C=測定液中のリチウム濃度(ppm(w/v)))
Figure 0006243716
(実施例1〜10及び比較例1〜5)
ブロック共重合体(A−1)、(A−2)、液状ジエン系ゴム(B−1)〜(B−15)、(メタ)アクリレート単量体(C)、活性エネルギー線重合開始剤(D)及びBHTを表2〜4に示す割合で、ニーダーを用いて80℃で10分間混練し、100gの感光性樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物の評価結果を表2〜4に示す。
なお、各評価の測定方法は以下のとおりである。
(1)HAZE
実施例及び比較例で得られた感光性樹脂組成物のHAZE値を、ヘイズメ−タ−(商品名:HAZE METER TC−H III/CL 東京電色株式会社製)によって測定した。値が小さいほど透明性に優れる。
(2)硬化時UV照射量
厚さ50μmのPETフィルム上に重ねられた厚さ0.5mmの型枠に実施例及び比較例で得られた感光性樹脂組成物を注入し、更に注入された感光性樹脂組成物の上から厚さ50μmのPETフィルムを覆い、100℃で平圧プレスすることにより、厚さ50μmのPETフィルム2枚の間に、0.5mm厚の感光性樹脂組成物層が形成された試料用多層体を作製した。この試料用多層体から、縦70mm、横70mmの硬化用試料を6つ切り出した。
その後、UV照射装置(株式会社ジーエス・ユアサコーポレーション製、水銀ランプとしてHAK125L−Fを使用)を用い、照度30mW/cm2、コンベアー速度2m/minに設定し(1回の操作でのUV照射量:150mJ/cm2)、この条件でのUV照射操作をそれぞれ1回(UV照射量合計:150mJ/cm2)、2回(UV照射量合計:300mJ/cm2)、4回(UV照射量合計:600mJ/cm2)、6回(UV照射量合計:900mJ/cm2)、8回(UV照射量合計:1,200J/cm2)、16回(UV照射量合計:2,400mJ/cm2)行った硬化物試料を6つ作製した。これら硬化物試料からPETフィルムを剥がした後、得られた硬化物をまず秤量し、その後この硬化物をトルエン中に室温で24時間浸漬させ、200メッシュの金網で不溶部をろ別し、洗浄した後80℃で12時間真空乾燥し、この乾燥後のトルエン不溶部を秤量した。これらの結果から、下記の式に従って各UV照射量における試料のゲル分率を算出した。
ゲル分率(%)=(トルエン不溶部の質量)/(トルエン浸漬前の硬化物の質量)×100
当試験によって得られたゲル分率とUV照射量との関係から、ゲル分率が80%に到達したときのUV照射量を算出し、この値を硬化時に要したUV照射量とした
(3)UV硬化性
厚さ50μmのPETフィルム上に重ねられた縦70mm、横70mm、厚さ0.5mmの型枠に実施例及び比較例で得られた感光性樹脂組成物を注入し、更に注入された感光性樹脂組成物の上から厚さ50μmのPETフィルムを覆い、100℃で平圧プレスすることにより、厚さ50μmのPETフィルム2枚の間に、0.5mm厚の感光性樹脂組成物層が形成された硬化用試料を作製した。
その後、UV照射装置(株式会社ジーエス・ユアサコーポレーション製、水銀ランプとしてHAK125L−Fを使用)を用い、照度45mW/cm2、コンベアー速度0.25m/minに設定し(1回の操作でのUV照射量:1,000mJ/cm2)、この条件でのUV照射操作を2回行った。このUV照射操作を経て得られた硬化物を型枠から離型した際の、型枠の様子を目視により観察し、各試料のUV硬化性を評価した。
○:離型後の型枠に未硬化物が残らない。
×:離型後の型枠に未硬化物が残る。
(4)硬度(JIS A)
厚さ50μmのPETフィルム上に重ねられた厚さ2.0mmの型枠に実施例及び比較例で得られた感光性樹脂組成物を注入し、更に注入された感光性樹脂組成物の上から厚さ50μmのPETフィルムを覆い、100℃で平圧プレスすることにより、厚さ50μmのPETフィルム2枚の間に、2.0mm厚の感光性樹脂組成物層が形成された試料用多層体を作製した。この試料用多層体から、縦70mm、横70mmの硬化用試料を3つ切り出した。
その後、UV照射装置(株式会社ジーエス・ユアサコーポレーション製、水銀ランプとしてHAK125L−Fを使用)を用い、照度45mW/cm2、コンベアー速度0.25m/minに設定し(1回の操作でのUV照射量:1,000mJ/cm2)、この条件でのUV照射操作を各硬化用試料について3回行った。このUV照射操作を経て得られた2.0mm厚の硬化物を3枚重ねて6.0mmの試料とし、JIS K 6253に準拠して硬度を測定した。
(5)鉛筆硬度
上記(4)で得られた硬化物の鉛筆硬度を、JIS K−5600に準拠して測定した。
(6)保存安定性
実施例及び比較例で得られた感光性樹脂組成物を、遮光下、室温で3ヶ月間保管した際の外観や性状の変化を、目視にて評価した。
○:外観の変化がほとんどなく、保存安定性に優れる。
△:若干の変色が観測され、保存安定性に劣る。
×:著しい変色が確認され、保存安定性に極めて劣る。
Figure 0006243716
Figure 0006243716
Figure 0006243716
実施例1,2と比較例1、実施例3,4と比較例2、実施例5,6と比較例3、実施例7,8と比較例4、実施例9,10と比較例5とをそれぞれ比較すると、同等の分子量を有する液状ジエン系ゴムを用いた場合、触媒残渣量がより少ない液状ジエン系ゴムを用いた感光性樹脂組成物は、保存安定性に優れ、濁りが少なく、露光によって均一かつ迅速に硬化することが分かる。更に、硬化後は鉛筆硬度が高く強度に優れる。
本発明で得られる感光性樹脂組成物は、透明性及び保存安定性に優れるだけでなく、活性エネルギー線で硬化する際の硬化速度が大きく、しかも得られる硬化物は高硬度である。そのため、例えば、フレキソ印刷版材として用いた場合には、シャープな画像版面が得られるフレキソ印刷版を製造でき、表面に凹凸がある段ボールや再生紙などの質の悪い被印刷体への印刷において、インキの転写性に優れた良好な印刷品質を有する。

Claims (2)

  1. 脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、または芳香族炭化水素の溶媒中で、共役ジエンを含む単量体を、有機アルカリ金属の重合触媒を使用して、必要に応じて、エーテル化合物、3級アミン、またはホスフィン化合物である極性化合物を、共役ジエン単位の結合形態を調整するために添加し、温度10〜90℃の範囲で重合して38℃で測定した溶融粘度が0.1〜3,000Pa・sの範囲にある液状ジエン系ゴム(B)を製造する工程、
    液状ジエン系ゴム(B)を精製し、重合触媒に由来する触媒残渣を除去して、液状ジエン系ゴム(B)の触媒残渣量が、金属換算で0〜200ppmの範囲とする工程、および
    芳香族ビニル化合物単位からなる重合体ブロックa1を少なくとも1個、及び共役ジエン単位からなる重合体ブロックa2を少なくとも1個含有する固形のブロック共重合体(A)100質量部に対して、精製された液状ジエン系ゴム(B)5〜100質量部、(メタ)アクリレート単量体(C)1〜50質量部、及び活性エネルギー線重合開始剤(D)0.1〜20質量部を混合する工程を含む
    感光性樹脂組成物の製造方法
  2. 請求項1に記載の製造方法により得られた感光性樹脂組成物を構成成分として用いるフレキソ印刷版材の製造方法
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