JPH10161301A - 感光性組成物及び感光性ゴム版 - Google Patents

感光性組成物及び感光性ゴム版

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JPH10161301A
JPH10161301A JP34067596A JP34067596A JPH10161301A JP H10161301 A JPH10161301 A JP H10161301A JP 34067596 A JP34067596 A JP 34067596A JP 34067596 A JP34067596 A JP 34067596A JP H10161301 A JPH10161301 A JP H10161301A
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JP
Japan
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photosensitive
parts
acrylate
rubber plate
weight
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Application number
JP34067596A
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English (en)
Inventor
Haruo Ueno
春夫 上野
Hideyoshi Sakurai
英嘉 桜井
Akira Nakano
彰 仲野
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度バランスに優れ且つ未露光部分の水性溶
媒洗浄速度が速い感光性ゴム版及びこれを得るための感
光性組成物を提供する。 【解決手段】 燐酸エステル基含有親水性共重合体、ブ
ロック共重合体、液状ポリブタジエン、メタクリル化液
状ポリブタジエン及び2,6−ジ−t−ブチル−p−ク
レゾールを混練した後、1,6−ヘキサンジオールジア
クリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレー
ト、ベンゾインメチルエーテル及びメチルハイドロキノ
ンを添加して、さらに混練し感光性組成物を得た。この
感光性組成物を、スペーサー厚み3mmで、上下が開口
した枠金型に入れ、枠金型の開口部の上下から加熱加圧
して、総厚み3mmの感光性ゴム版を得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性ゴム版及び
感光性組成物に関する。さらに詳しくは、透明性及び強
度バランスに優れ且つ感光後の現像速度が速い感光性ゴ
ム版及びこれを得るための感光性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】版面にネガフィルムを密着させ活性光を
照射して感光層の一部分を露光した後、未露光部分を水
性溶剤で洗浄除去してレリーフを形成できる感光性フレ
キソ印刷版は有害な環境汚染物質を排出しないことから
開発が進められている。
【0003】このような感光性フレキソ印刷版のごとき
感光性ゴム版の感光層製材には、光が感光層の深部まで
到達するための透明性に優れ、被印刷物への密着性に優
れ、版自体の引張強度と破断伸びとのバランス(以下、
強度バランスということがある。)に優れ且つ露光後の
レリーフ形成を容易にするための速い洗浄速度が要求さ
れる。感光層製材としては、スチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体
などの3元ブロック共重合体と親水性共重合体とを主成
分として、これに光重合性エチレン性不飽和単量体を配
合した感光性エラストマー組成物が知られている(特開
昭60−211451号公報)。しかし、この感光性エ
ラストマー組成物を用いた感光性ゴム版は、透明性に劣
り、強度バランスが十分でなく、また未露光部分の水性
溶媒での洗浄速度が遅いという問題があった。
【0004】また、別の感光層製材として、架橋構造を
有するカルボキシル基含有ジエン系重合体、分子鎖の側
鎖にカルボキシル基等を有する低分子量の直鎖状ジエン
系重合体、光重合性エチレン性不飽和単量体、アミノ基
含有化合物及び光重合開始剤とを含有する感光性樹脂組
成物が提案されている(特開平6−194837号)。
しかし、これらの感光性組成物を用いた感光性ゴム版
は、強度バランスが不十分であり、水溶性が高すぎて、
エッジ等が丸まり、画像の再現性が十分でない。
【0005】さらに、別の感光層製材として、3元ブロ
ック共重合体と燐酸エステル基含有親水性共重合体とを
主成分とする感光性エラストマー組成物が提案されてい
る(WO94/23342号)。この組成物は透明性、
強度バランス、洗浄速度などフレキソ印刷版として実用
可能な性能を有するものであるが、洗浄速度、強度バラ
ンスなどに未だ改善が望まれる点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、強度バラン
スに優れ且つ未露光部分の水性溶媒洗浄速度が速い感光
性ゴム版及びこれを得るための感光性組成物を提供する
ことを目的とするものである。本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ね、光重合性エチレン性
不飽和基、カルボキシル基等の官能基を有する液状のポ
リブタジエンと熱可塑性エラストマーと親水性共重合体
とを配合した感光性組成物からなる感光性ゴム版が透明
性及び強度バランスに優れ、未露光部分の現像速度が速
いことを見いだし、この知見に基づき、本発明を完成す
るに到ったのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、(1) 熱可塑性エラストマー15〜65重量部、
親水性共重合体35〜85重量部(但し、前記熱可塑性
エラストマーと親水性共重合体との合計量は100重量
部である。)、光重合性エチレン性不飽和基、カルボキ
シル基、水酸基及びアミノ基から選ばれる少なくとも一
つの官能基を有する液状の共役ジエン系重合体0.1〜
100重量部、光重合性エチレン性不飽和単量体5〜1
00重量部 及び光重合開始剤0.1〜10重量部を含
有する感光性組成物が提供される。
【0008】本発明の感光性組成物の好適な態様例とし
て以下のものが提供される。 (2) 液状共役ジエン系重合体が光重合性エチレン性
不飽和基及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも一
つの官能基を有するものである前記(1)の感光性組成
物。 (3) 液状共役ジエン系重合体が化1〜化6で表され
る構造を有するものである前記(1)または(2)の感
光性組成物。 (4) 液状共役ジエン系重合体が25℃における粘度
100〜10,000ポイズのものである前記(1)、
(2)または(3)の感光性組成物。
【0009】(5) 液状共役ジエン系重合体が、数平
均分子量500〜10,000のものである前記(1)
〜(4)のいずれかの感光性組成物。 (6) 熱可塑性エラストマーがポリスチレンブロック
A、ポリブタジエンブロックBからなるA−B−A型の
ブロック共重合体である前記(1)〜(5)のいずれか
の感光性組成物。 (7) 熱可塑性エラストマーがポリスチレンブロック
A、ポリブタジエンブロックBからなるA−B−A型の
ブロック共重合体及びテーパードA−B型ブロック共重
合体である前記(1)〜(6)のいずれかの感光性組成
物。
【0010】(8) ポリブタジエンブロックのビニル
結合含有量が15〜70%であるブロック共重合体を用
いる前記(6)または(7)の感光性組成物 (9) 親水性共重合体が、燐酸エステル基含有共重合
体である前記(1)〜(7)のいずれかの感光性組成
物。
【0011】また、本発明によれば、前記(1)〜
(9)のいずれかの感光性組成物からなる感光性ゴム版
が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の感光性組成物は、特定の
液状の共役ジエン系重合体、熱可塑性エラストマー、親
水性共重合体、光重合性エチレン性不飽和単量体及び光
重合開始剤とを含有するものである。
【0013】(液状共役ジエン系重合体)本発明に用い
る液状共役ジエン系重合体は、光重合性エチレン性不飽
和基、水酸基、カルボキシル基及びアミノ基から選ばれ
る少なくとも一つの官能基を有する液状の共役ジエン系
ポリマーである。該官能基は、通常、液状共役ジエン系
重合体の分子鎖の末端または側鎖に共役ジエン系重合体
1分子に1個以上、好ましくは数平均分子量1000当
りに1〜4個、さらに好ましくは数平均分子量1000
当りに1〜2個結合している。
【0014】この液状共役ジエン系重合体の分子鎖は、
共役ジエン単量体を必須成分とするものである。共役ジ
エン単量体としては1,3−ブタジエン、イソプレン、
2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペン
タジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−
1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジ
エン、クロロプレン、2,3−ジクロロブタジエン、
1,3−シクロペンタジエン等が挙げられる。これら共
役ジエンのうち、1,3−ブタジエン、イソプレンが好
適である。
【0015】分子鎖には、共役ジエン単量体以外に必要
に応じて、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブ
チレン等のアルケン;シクロペンテン、シクロヘキセ
ン、ビシクロノルボルネン等のシクロアルケン;メチル
アクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアク
リレート、イソプロピルアクリレート、t−ブチルアク
リレート、n−アミルアクリレート、n−オクチルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメ
タクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメ
タクリレート、イソプロピルメタクリレート、t−ブチ
ルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−オ
クチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレ
ート、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、ケイ皮酸
エチル、イタコン酸ジメチル、マレイン酸ジメチル、フ
マル酸ジエチル等のエチレン性不飽和カルボン酸エステ
ル;
【0016】メチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル、イソブチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエ
ーテル等のエチレン性不飽和エーテル;スチレン、α−
ビニルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチ
レン、p−メチルスチレン、o−メトキシスチレン、p
−メトキシスチレン、ジビニルベンゼン、ジイソプロペ
ニルスチレン、クロロスチレン、1,1−ジフェニルス
チレン、N,N−ジメチル−p−アミノスチレン、ビニ
ルピリジン等のビニル芳香族化合物;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、クロロアクリロニトリル、メ
トキシアクリロニトリル、クロトン酸ニトリル、イタコ
ン酸ジニトリル、マレイン酸ジニトリル、フマル酸ジニ
トリル等のエチレン性不飽和ニトリル;アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタクリ
アミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、クロト
ン酸アミド等のエチレン性不飽和アミド;塩化ビニル、
酢酸ビニル、N−ビニルピロリドンなどを含有すること
もできる。
【0017】水酸基、カルボキシル基又はアミノ基は、
共役ジエン単量体と該官能基を有する単量体とを共重合
することによって、また、光重合性エチレン性不飽和
基、水酸基、カルボキシル基又はアミノ基は、共役ジエ
ン系重合体に前記官能基を有する化合物あるいは単量体
を反応させあるいは化学的後処理することによって、分
子鎖に導入させることができる。
【0018】カルボキシル基を有する単量体としてはア
クリル酸、メタクリル酸等のエチレン性不飽和モノカル
ボン酸;(無水)マレイン酸、フマル酸、シトラコン
酸、(無水)イタコン酸等のエチレン性不飽和多価カル
ボン酸;マレイン酸モノエチル、イタコン酸モノメチル
などのエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル
化物等が挙げられる。
【0019】水酸基を有する単量体としては2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ
ート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロ
ピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロ
ールジ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリ
オールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールアルカ
ンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールアルカン
ジ(メタ)アクリレート、テトラメチロールアルカンモ
ノ(メタ)アクリレート、テトラメチロールアルカンジ
(メタ)アクリレート、テトラメチロールアルカントリ
(メタ)アクリレート、クロトン酸2−ヒドロキシエチ
ル、クロトン酸2−ヒドロキシプロピル、ケイ皮酸2−
ヒドロキシエチル、ケイ皮酸2−ヒドロキシプロピル、
N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−
ビス(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミ
ド、クロトン酸N−ヒドロキシメチルアミド、クロトン
酸N−(2−ヒドロキシエチル)アミド、ケイ皮酸N−
ヒドロキシメチルアミド、ケイ皮酸N−(2−ヒドロキ
シエチル)アミド、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒド
ロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロ
キシ−α−メチルスチレン、m−ヒドロキシ−α−メチ
ルスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p
−ビニルベンジルアルコール等が挙げられる。
【0020】アミノ基を有する単量体としてはt−ブチ
ルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノ
エチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルア
クリレートなどが挙げられる。
【0021】共役ジエン系重合体に前記官能基を有する
化合物あるいは単量体を反応させあるいは化学的後処理
することによって導入する方法としては、 a)分子鎖の両末端にヒドロキシル基を有する液状共役
ジエン系重合体に、分子内に2個以上のイソシアナート
基を有する化合物を反応させ、次いで水酸基を有する光
重合性エチレン性不飽和単量体を反応させウレタン付加
する方法(参照:合成樹脂工業、1991年、「UV,
EB硬化樹脂の最新動向と硬化技術」)や、b)液状共
役ジエン系重合体に(無水)マレイン酸、フマル酸、
(無水)イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸などの
エチレン性不飽和カルボン酸を付加させた後に、水酸基
を有する化合物をエステル付加させる方法などが挙げら
れる。
【0022】この液状共役ジエン系重合体の具体例とし
ては、化1〜化6で表される構造を有するものが挙げら
れる。
【0023】
【化1】
【0024】
【化2】
【0025】
【化3】
【0026】
【化4】
【0027】
【化5】
【0028】
【化6】
【0029】化1〜化6中、R1及びR2は2価の有機残
基、好適にはアリーレン基、アルキレン基(炭素数が、
通常1〜10個)であり、R3は1価の有機残基、好適
にはアルキル基(炭素数が、通常1〜10個)、アリー
ル基であり、波線は共役ジエン系重合体の分子鎖であ
る。
【0030】本発明に用いる液状共役ジエン系重合体の
25℃における粘度は、通常、100〜10,000ポ
イズ、好適には200〜8,000ポイズである。この
範囲になっていることにより強度バランスが改善され
る。また数平均分子量は、通常、500〜10,00
0、好ましくは1,000〜5,000である。
【0031】本発明に用いる液状共役ジエン系重合体の
量は後記の熱可塑性エラストマーと親水性共重合体との
合計量100重量部に対して、0.1〜100重量部、
好ましくは0.5〜50重量部である。0.1重量部未
満では未露光部分の現像速度が遅くなる。逆に100重
量部を超えると感光性ゴム版の強度が低下する。
【0032】(熱可塑性エラストマー)本発明の感光性
組成物に用いる熱可塑性エラストマーは、熱可塑性非エ
ラストマー状重合体ブロックからなるハードセグメント
と、エラストマー状重合体ブロックからなるソフトセグ
メントとを有するブロックポリマーである。
【0033】熱可塑性非エラストマー状重合体ブロック
からなるハードセグメントは、通常、芳香族ビニル単量
体を主構成単位とする重合体である。ハードセグメント
を構成する芳香族ビニル単量体単位の量は、ハードセグ
メントの、通常、50重量%以上、好ましくは70重量
%以上、さらに好ましくは90重量%以上である。ハー
ドセグメントの重量平均分子量は、通常、3,000〜
200,000、好ましくは8,000〜100,00
0である。
【0034】エラストマー状重合体ブロックからなるソ
フトセグメントは、共役ジエン単量体を主構成単位とす
る重合体である。ソフトセグメントを構成する共役ジエ
ン単量体単位の量は、ソフトセグメントの、通常、50
重量%を超える量、好ましくは60重量%以上、さらに
好ましくは80重量%以上である。50重量%以下で
は、感光性組成物を用いて得られる感光性ゴム版の強度
バランスが悪くなる。ソフトセグメントの重量平均分子
量は、通常、5,000〜500,000、好ましくは
10,000〜300,000である。
【0035】ハードセグメントとソフトセグメントとの
重量比は、通常、(ハードセグメント/ソフトセグメン
ト=)5/95〜95/5、好ましくは10/90〜9
0/10、さらに好ましくは15/85〜75/25で
ある。
【0036】熱可塑性エラストマーは、その全体の重量
平均分子量が、通常、8,000〜2,000,00
0、好ましくは18,000〜1,000,000、特
に好ましくは50,000〜400,000のものであ
る。なお、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロ
マトグラフィーを用いて測定し、標準ポリスチレンの分
子量に換算した値である。
【0037】本発明感光性組成物の成分である熱可塑性
エラストマーは、ハードセグメントAとソフトセグメン
トBとの組合せ構造によって限定されず、例えば、一般
式(A−B)n、(A−B)n−A、(A−B)n−A−
B、B−(A−B)n−A−B、(A−B)m−X、
((A−B)n−A)m−X、(B−A−(B−A)nm
−X、(B−A−(B−A)n−B)m−X(但し式中、
Aはハードセグメント、Bはソフトセグメント、Xはカ
ップリング剤又は多官能イオン重合開始剤の残基、nは
1〜10、好ましくは1〜5の整数、mは2〜10、好
ましくは2〜5の整数である。カップリング剤としては
四塩化スズ、四塩化ケイ素、エポキシ化エステル、ポリ
ビニル化合物、カルボン酸エステル、ポリハロゲン化炭
化水素などが挙げられ、多官能イオン重合開始剤として
は多官能有機リチウム化合物などが挙げられる。)で表
されるものが挙げられる。これらのうち一般式A−B−
Aまたは(A−B)2−Xで表される構造のものが好ま
しい。
【0038】ソフトセグメントとハードセグメントとは
直接に結合されていてもよい。ソフトセグメントの単量
体単位の組成から、ハードセグメントの単量体単位の組
成へ漸次変化していく単量体単位組成を有するテーパー
部を設けたA−B型の熱可塑性エラストマーを前記A−
B−Aまたは(A−B)2−Xで表される構造の熱可塑
性エラストマーと併用すると現像速度が速くなるので好
ましい。
【0039】熱可塑性エラストマーの好適なものとして
は、その共役ジエン単量体単位部分のビニル結合含有量
が、通常、15〜70%、好ましくは25〜55%のも
のが挙げられる。ビニル結合含有量が多くなると、感光
性ゴム版の透明性及び強度バランスが良くなり、また洗
浄速度が速くなる。
【0040】ビニル結合含有量は、熱可塑性エラストマ
ー中に1,2−結合、3,4−結合または1,4−結合
の結合様式で組み込まれている共役ジエン単量体単位の
うち、1,2−結合又は3,4−結合の結合様式で組み
込まれた共役ジエン単量体単位の割合である。ビニル結
合含有量は核磁気共鳴装置を用いて測定して得られる値
である。
【0041】本発明感光性組成物における熱可塑性エラ
ストマーの量は、熱可塑性エラストマーと後記親水性共
重合体との合計量100重量部のうち、15〜65重量
部、好ましくは30〜50重量部である。
【0042】(親水性共重合体)本発明の感光性組成物
に用いる親水性共重合体は、その分子鎖に、−OH、−
COO−、−COOH、−NH2、−SO3−、−SO3
H、−PO(OH)2、−PO(OH)−、−CNなどの親
水基、好適には−PO(OH)2、−PO(OH)−のごと
き燐酸エステル基が結合している固形のポリマーであ
る。
【0043】親水性共重合体は、通常、前記親水基を有
するエチレン性不飽和単量体とこれと共重合可能な単量
体とを重合して得られる共重合体である。
【0044】親水基を有するエチレン性不飽和単量体と
しては、アクリル酸、メタクリル酸等のエチレン性不飽
和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン
酸、イタコン酸等のエチレン性不飽和多価カルボン酸;
マレイン酸モノエチル、イタコン酸モノメチルなどのエ
チレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル化物;ア
クリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロ
ピル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒ
ドロキシプロピル等のエチレン性不飽和カルボン酸ヒド
ロキシアルキルエステル;メタクリロニトリル、アクリ
ロニトリル等のエチレン性不飽和ニトリル単量体;燐酸
エチレンアクリレート、燐酸トリメチレンアクリレー
ト、燐酸プロピレンアクリレート、燐酸テトラメチレン
アクリレート、燐酸ビス(エチレンアクリレート)、燐
酸ビス(トリメチレンアクリレート)、燐酸ビス(テト
ラメチレンアクリレート)、燐酸ジエチレングリコール
アクリレート、燐酸トリエチレングリコールアクリレー
ト、燐酸ポリエチレングリコールアクリレート、燐酸ビ
ス(ジエチレングリコールアクリレート)、燐酸ビス
(トリエチレングリコールアクリレート)、燐酸ビス
(ポリエチレングリコールアクリレート)及びこれらに
対応するメタクリレート等の化7で表される構造で代表
される燐酸エステル基含有エチレン性不飽和単量体;
【0045】
【化7】
【0046】化7中、R1は水素またはメチル基、R3
びR4はそれぞれ独立に水素またはアルキル基(炭素数
は、通常、1〜10個)、kは1または2、m及びnは
それぞれ独立に1〜20の整数である。
【0047】ビニルホスホン酸、ジエチルビニルホスホ
ン酸、フェニルビニルホスホン酸、ジメチルビニルホス
ホン酸などのホスホン酸単量体;ビニルスルホン酸、2
−スルホエチルメタクリレート、スルホタニルメタクリ
レート、スチレンスルホン酸ナトリウム、2−スルホン
酸エチルメタクリレート、ブチルスルホン酸ビニル、ビ
ニルスルホン、ビニルスルホキシド、1−(2−ヒドロ
キシエチルチオ)ブタジエン;2−ボルニルエチルメタ
クリレート、ボルニルメタクリレート;N−メチルアミ
ノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル
アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレ
ート及びこれらに対応するメタクリレート等のエチレン
性不飽和アミノアルキルエステルなどが挙げられる。こ
れら親水基を有するエチレン性不飽和単量体のうち、燐
酸エステル基含有エチレン性不飽和単量体、特に燐酸エ
チレンアクリレート、燐酸プロピレンアクリレート、燐
酸エチレンメタクリレート、燐酸プロピレンメタクリレ
ート、燐酸ビス(エチレンアクリレート)、燐酸ビス
(プロピレンアクリレート)、燐酸ビス(エチレンメタ
クリレート)及び燐酸ビス(プロピレンメタクリレー
ト)が好適である。
【0048】親水基を有するエチレン性不飽和単量体の
量は、親水性共重合体を得るために用いる全単量体の、
通常、5〜35重量%、好ましくは5〜25重量%であ
る。5重量%未満では、感光性組成物を用いて得られる
感光性ゴム版の洗浄速度が低下する傾向になる。35重
量%を超えると感光性組成物の加工性、感光性ゴム版の
水性インキ耐性が低下する傾向になる。
【0049】親水基を有するエチレン性不飽和単量体と
共重合可能な単量体としては、スチレン、o−メチルス
チレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p
−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレ
ン、ビニルトルエン、クロロスチレン、ビニルナフタレ
ン、ビニルアントラセン等の芳香族ビニル単量体;アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピ
ル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、ア
クリル酸ヘキシル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリ
ル酸オクチル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メ
タクリル酸n−アミル、メタクリル酸イソアミル、メタ
クリル酸ヘキシル、メタクリル酸エチルヘキシル、メタ
クリル酸オクチル、メタクリル酸グリシジル等のエチレ
ン性不飽和カルボン酸アルキルエステル;アリルグリシ
ジルエーテル等のエチレン性不飽和グリシジルエーテ
ル;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、
1,3−ペンタジエン等の共役ジエン単量体;ジビニル
ベンゼン、トリビニルベンゼン等の芳香族多価ビニル単
量体;エチレングリコールジアクリレート、トリメチロ
ールプロパントリアクリレート、プロピレングリコール
ジアクリレート等の多価エチレン性不飽和カルボン酸エ
ステル単量体;などが挙げられる。
【0050】親水基を有する単量体と共重合可能なこれ
ら単量体のうち、感光性ゴム版の強度バランスを向上さ
せるために、共役ジエン単量体、特に1,3−ブタジエ
ン又はイソプレンが好適に用いられる。共役ジエン単量
体の量は、親水性共重合体を得るために用いる全単量体
の、通常、40〜90重量%、好ましくは50〜80重
量%である。40重量%未満では、感光性ゴム版の強度
が低下する。90重量%を超えると感光性ゴム版の洗浄
速度が低下する。
【0051】感光性組成物の加工性を高め、感光性ゴム
版の透明性及び強度を高くするために、エチレン性不飽
和基を2個以上有する多価エチレン性不飽和単量体、特
に、エチレンジメタクリレートまたはエチレンジアクリ
レートが好適に使用される。多価エチレン性不飽和単量
体の量は、親水性共重合体を得るために用いる全単量体
の、通常、10重量%以下である。
【0052】本発明の感光性組成物に用いる親水性共重
合体は、通常、前記単量体を乳化重合した後、得られる
エマルジョンを凝集剤を用いて凝集させた後又は凍結凝
固した後、固液分離処理して得ることができる。本発明
においては、凝集剤としてアミン系のものを用いるのが
好ましい。
【0053】本発明の感光性組成物に用いる親水性共重
合体の量は、熱可塑性エラストマーと親水性共重合体と
の合計量100重量部のうち、35〜85重量部、好ま
しくは50〜70重量部である。
【0054】(光重合性エチレン性不飽和単量体)本発
明の感光性組成物に用いる光重合性エチレン性不飽和単
量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブ
チルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、ビニルトル
エン、クロロスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアン
トラセン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン等の
芳香族ビニル単量体;アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等のエチレン性不飽和ニトリル単量体;
【0055】アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸
イソアミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸エチルヘ
キシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸グリシジル、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸プロピル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸イ
ソアミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸エチル
ヘキシル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ヒドロキ
シエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル
酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピ
ル、メタクリル酸グリシジル、エチレングリコールジア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−
ブタンジオールジメタクリレート、プロピレングリコー
ルジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、
1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,9−ノナ
ンジオールジメタクリレート、メトキシエチレングリコ
ールアクリレート、メトキシプロピレングリコールメタ
クリレート、メトキシエチレングリコールメタクリレー
ト、メトキシプロピレングリコールアクリレート、マレ
イン酸ジエチル、イタコン酸ジメチル等のエチレン性不
飽和カルボン酸エステル単量体;アリルグリシジルエー
テル等のエチレン性不飽和グリシジルエーテル;
【0056】1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロ
プレン、1,3−ペンタジエン等の共役ジエン;アクリ
ル酸、メタクリル酸等のエチレン性不飽和モノカルボン
酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸
等のエチレン性不飽和多価カルボン酸;マレイン酸モノ
エチル、イタコン酸モノメチルなどのエチレン性不飽和
多価カルボン酸の部分エステル化物;燐酸エチレンアク
リレート、燐酸トリメチレンアクリレート、燐酸プロピ
レンアクリレート、燐酸テトラメチレンアクリレート、
燐酸(ビス)エチレンアクリレート、燐酸(ビス)トリ
メチレンアクリレート、燐酸(ビス)テトラメチレンア
クリレート、燐酸ジエチレングリコールアクリレート、
燐酸トリエチレングリコールアクリレート、燐酸ポリエ
チレングリコールアクリレート、燐酸(ビス)ジエチレ
ングリコールアクリレート、燐酸(ビス)トリエチレン
グリコールアクリレート、燐酸(ビス)ポリエチレング
リコールアクリレート及びこれらに対応するメタクリレ
ート等の燐酸エステル基含有エチレン性不飽和単量体な
どが挙げられる。
【0057】光重合性エチレン性不飽和単量体の量は、
熱可塑性エラストマーと親水性共重合体との合計量10
0重量部に対して、5〜100重量部、好ましくは10
〜100重量部である。5重量部未満では活性光による
感光性組成物の硬化が不十分となるため、感光性ゴム版
の強度が低下する。逆に100重量部を超えると感光性
ゴム版の強度及び耐溶剤性が低下する。
【0058】(光重合開始剤)本発明の感光性組成物に
用いる光重合開始剤としては、ジアセチル、ベンジル等
のα−ジケトン;ベンゾイン、ピバロイン等のアシロイ
ン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエー
テル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のアシロイン
エーテル;アントラキノン、1,4−ナフトキノン等の
多核キノン;などが挙げられる。
【0059】光重合開始剤の量は、熱可塑性エラストマ
ーと親水性共重合体との合計量100重量部に対して、
0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部であ
る。0.1重量部未満では活性光による感光性組成物の
硬化が不十分となるため、感光性ゴム版の強度が低下す
る。逆に10重量部を超えると光重合速度が低下する。
【0060】本発明の感光性組成物には、その他の成分
として必要に応じて可塑剤、保存安定剤などを配合する
ことができる。
【0061】可塑剤としては、ナフテン油、パラフィン
油等の炭化水素油;分子量3000以下のポリスチレン
又はポリアクリレート;前述の液状共役ジエン系重合体
以外の液状1,2−ポリブタジエン、液状1,4−ポリ
ブタジエン、液状アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体、液状スチレン−ブタジエン共重合体などが挙げられ
る。
【0062】保存安定剤としては、ヒドロキノン、ピロ
ガロール、p−メトキシフェノール、t−ブチルカテコ
ール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ベン
ゾキノン等のフェノール;ベンゾキノン、p−トルキノ
ン、p−キシロキノン等のキノン;フェニル−α−ナフ
チルアミン等のアミンなどが挙げられる。
【0063】本発明の感光性組成物は、通常、ニーダー
やロールミルなどの混練機を用いて、前記成分を混練し
て調製する。混練の順序は、特に限定されないが、均一
な組成物を得るために、親水性共重合体と熱可塑性エラ
ストマーとを混練した後、光重合性エチレン性不飽和単
量体と光重合開始剤とを添加して混練するのがよい。
【0064】本発明の感光性ゴム版は、前記感光性組成
物からなるものである。感光性ゴム版は、通常、板状に
形成されている。図1にみられるように、本発明の感光
性ゴム版には、通常、ベースフィルム4、スリップフィ
ルム3、プロテクターフィルム7が積層される。
【0065】ベースフィルム4は感光性ゴム版の一方の
版面に積層されるものである。ベースフィルム4は感光
性ゴム版を後記支持板に積層する際に剥される。ベース
フィルムは可撓性の樹脂で形成される。可撓性の樹脂と
しては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレ
ン、ポリイミド、ポリアミド等が挙げられる。また感光
性ゴム版1を支持板に積層する際にベースフィルム4が
感光性ゴム版1から剥がれ易くするためにベースフィル
ム4の感光性ゴム版面に接触する面に剥離層(図示せ
ず)を設けることが好ましい。剥離層は、通常、シリコ
ーン、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂などで形成され
る。図1中の参照番号2は、ベースフィルム4を剥した
後に、感光性ゴム版を支持板(図2中の参照番号5)に
積層させるための接着性組成物の層である。ベースフィ
ルム4は、感光性ゴム版を支持板に積層しない場合に
は、感光性ゴム版1から剥がれないように接着されるこ
とがある。
【0066】スリップフィルム3は、感光性ゴム版のベ
ースフィルムを積層していない版面に積層させるもので
ある。感光性組成物の表面は、通常、粘着性が強いの
で、その表面に直接原画フィルムを載置すると、感光性
ゴム版と原画フィルムとの間に気泡が入り込み、活性光
の乱屈折が起きて、レリーフの再現性が悪化するうえ、
原画フィルムが汚染されて再利用ができないという問題
を生じることがあるが、しかし、スリップフィルムを積
層することによって、上記問題が解消される。
【0067】スリップフィルムは非粘着性の水溶性高分
子化合物により形成される。水溶性高分子としては、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアク
リル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリエチレンイミン及びそれらの誘導体などが挙げ
られる。これらのうちポリビニルアルコールが好まし
く、特にケン化度65〜80モル%で、温度20℃にお
けるヘブラー粘度計で測定した時の粘度が10cp以下
のポリビニルアルコールが好ましい。
【0068】スリップフィルムの厚さは、通常、0.5
〜10μmである。厚すぎると原画フィルムとの密着不
良が生じやすい。薄すぎると原画フィルムの粘着防止効
果が小さくなる。
【0069】スリップフィルムを感光性ゴム版に積層す
るには、水溶性高分子化合物の溶液を版面に直接塗被す
る方法を採用することができるが、通常、後記のプロテ
クターフィルムに水溶性高分子化合物の溶液を塗被して
得られるプロテクターフィルムとスリップフィルムとの
積層物を、感光性ゴム版の上にスリップフィルムが接触
するように該積層フィルムを密着する方法が採用され
る。
【0070】プロテクターフィルムは感光性ゴム版のベ
ースフィルムを積層した側とは反対側の面に積層される
ものである。通常、前記のスリップフィルムが感光性ゴ
ム版とプロテクターフィルムとの間に介在するように積
層される。プロテクターフィルムは感光性ゴム版を貯蔵
又は搬送する時に外力により変形するのを防ぐためのも
のであり、露光に先立って原画フィルムをスリップフィ
ルムの上に載置する際に剥される。
【0071】プロテクターフィルムは可撓性樹脂で形成
される。可撓性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等
が挙げられる。また、プロテクターフィルムをスリップ
フィルムから剥がれ易くするためにプロテクターフィル
ムの面に剥離層を設けることが好ましい。剥離層は、通
常、シリコーン、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂などで
形成される。プロテクターフィルムの厚さは通常、75
〜200μm、好ましくは100〜150μmである。
薄すぎるとフィルム強度が不足し、成形した感光性ゴム
版が変形しやすくなる。逆に厚すぎるとフィルム強度が
強すぎるので感光性ゴム版からの剥離が困難になる。
【0072】本発明の感光性ゴム版を段ボール印刷用途
に用いる場合などには、図2に示すように、前記感光性
ゴム版を支持板に積層して使用する。
【0073】支持板5は、通常、エラストマーからなる
板である。支持板を形成するエラストマーとしては天然
ゴム、合成ゴム、軟質塩化ビニル樹脂等が挙げられる。
またフレキソ印刷時の印圧を調整するために支持板とし
て発泡体から形成されるものを用いることができる。
【0074】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。なお、実施例、比較例中の部及び%は特
に断わりのない限り重量基準である。感光性組成物及び
感光性ゴム版の評価は、下記の試験法に基づいて行っ
た。
【0075】[洗浄性]感光性ゴム版を30mm×30
mmの小片に裁断し、この小片を、感光性フレキソ版用
洗出機(日本電子精機製JOW−A2−SS型)を用い
て、濃度2%、温度50℃のポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル水溶液で洗浄し、小片の厚みが2mm
に到達するまでの時間を求め、下記の基準により洗浄性
の優劣を表示した。 a:7分未満 b:7分以上9分未満 c:9分以上11分未満 d:11分以上13分未満 e:13分以上 評点aが最も洗浄性に優れており、b〜c〜d〜eの順
に洗浄性に劣っているこを示す。
【0076】[透明性]感光性ゴム版を30mm×30
mmの大きさに裁断した試料について、マクベス濃度計
(透過型)を用いて透過濃度を測定した。数値が小さい
方が透明性に優れていることを示す。
【0077】[レリーフ画像の再現性]感光性ゴム版の
一方の面を、紫外線露光機(日本電子精機製JE−A2
−SS型)を用いて、硬化層の厚さが1.5mm程度に
なるように露光した。次に、露光していない面のポリエ
ステルフィルムを剥し、再現性評価用のネガフィルムを
表面に密着させて、この面を、前記紫外線露光機を用い
て15分間露光した。ネガフィルムを取り除き、濃度2
%、温度50℃のポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル水溶液で未露光部分をブラシを用いて除去した。
その後、70℃で20分間乾燥し、未露光部分が除去さ
れた面を前記紫外線露光機を用いて10分間再露光し
て、再現性評価用のレリーフを作製した。このレリーフ
を以下の方法で評価した。
【0078】0.2mm幅凸細線再現性:凸細線の形状
にゆがみ、太りがなく、ネガと同一幅で再現している場
合を「完全に再現されている状態」として、下記の基準
により評価した。 A:完全に再現されている。 B:ほぼ再現されている。 C:不完全な再現である。
【0079】0.7mm幅凹細線再現性:凹細線の形状
のぎざぎざがなく、エッジがシャープであり、凹細線の
溝が深く彫られている状態を「完全に再現されている状
態」として、下記の基準により評価した。 A:完全に再現されている。 B:ほぼ再現されている。実用上支障がない。 C:不完全な再現である。
【0080】[強度バランス]レリーフ画像の再現性の
評価で用いた版の平面部をJIS K−6301「引張
試験方法」に準拠して、引張速度500mm/分、標線
距離20mmの条件で、破断時における引張強度と伸び
との積(抗張積)を求めた。抗張積の値が大きい方が強
度バランスが優れていることを示す。
【0081】参考例1 窒素置換したスレンレス製の攪拌機付き重合缶に1,3
−ブタジエン580部、シクロヘキサン8500部及び
テトラメチルエチレンジアミン0.16部を仕込み、そ
こへn−ブチルリチウム0.64部のn−ヘキサン溶液
を添加し、重合缶内容物を50℃に加熱して重合を開始
した。重合反応に伴い反応缶内の温度は80℃に上昇し
た。1,3−ブタジエンの重合反応終了後、スチレン3
0部及び1,3−ブタジエン120部を添加し、引続き
重合反応を1時間進行させた。その後、スチレン270
部を30分間にわたって逐次添加して重合をさらに続け
た。全ての単量体の重合反応が終了した後、メタノール
1.6部を添加して反応を停止させ、さらに2,6−ジ
−t−ブチル−p−クレゾール10部を添加し、水蒸気
を吹き込むことにより生成重合体を凝固した。次いでロ
ールを用いて水絞りを行い、60℃で24時間減圧乾燥
し、テーパードA−B型ブロック共重合体a(重量平均
分子量16万、重量平均分子量/数平均分子量=1.
1、スチレン含量25%、長連鎖の量82.5%)を得
た。
【0082】参考例2 窒素置換したステンレス製の攪拌機付き重合缶に脱水精
製シクロヘキサン2300部、テトラメチルエチレンジ
アミン0.4部及びn−ブチルリチウム0.8部を仕込
み、次いでスチレン100部を添加して70℃で1時間
重合した。その後、重合缶内を70℃に保ったまま1,
3−ブタジエン800部を1時間かけて添加し、添加終
了後、さらに30分間重合し、次いでスチレン100部
を添加して70℃で1時間重合し、最後にメタノール
0.05部を添加してブロック共重合体の溶液を得た。
【0083】この溶液に2,6−ジ−t−ブチル−4−
メチルフェノール5部及びトリスノニルフェニルホスフ
ェート5部を添加し、スチーム凝固法にて溶媒を除去
し、さらに真空乾燥機を用いて水分を除去して、A−B
−A型ブロック共重合体b(ブロックA=ポリスチレ
ン、含有量19.8%、重量平均分子量1.05万;ブ
ロックB=ポリブタジエン、含有量80.2%、ビニル
結合量30.2%、重量平均分子量11.3万;全体の
重量平均分子量13.4万)を得た。
【0084】参考例3 オートクレーブに水200部を仕込み、次いでブタジエ
ン60部、メチルアクリレート9部、燐酸エチレンメタ
クリレート20部、スチレン10部、エチレンジメタク
リレート1部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
4部、過硫酸カリウム0.3部及びt−ドデシルメルカ
プタン0.4部を添加し、50℃に加熱して重合反応を
開始し、重合転化率が95%に達した時点で停止剤を添
加して反応を終了し、水冷して重合体のエマルジョンを
得た。このエマルジョンにN,N−ジエチルラウリルア
ミンを添加して、得られたクラムを分離し、水洗し、脱
水し、さらに60℃で真空乾燥して、親水性共重合体を
得た。
【0085】実施例1 参考例3で得られた親水性共重合体55部、参考例1で
得られたブロック共重合体a15部と参考例2で得られ
たブロック共重合体b30部、液状ポリブタジエン(日
本曹達社製ニッソーPB、B1000)30部、メタク
リル化液状ポリブタジエン(化8で表わされる単位を有
する液状ポリブタジエン;酸価1.16mmol/g、
粘度(25℃)1700ポイズ、メタクリル化付加比
1.6mol/mol)20部及び2,6−ジ−t−ブ
チル−p−クレゾール0.2部をニーダーを用いて、1
50℃で、均一になるまで混練した後、ニーダー温度を
120℃に下げ、1,6−ヘキサンジオールジアクリレ
ート10部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレー
ト10部、ベンゾインメチルエーテル1部及びメチルハ
イドロキノン0.02部を添加して、さらに混練し感光
性組成物を得た。
【0086】
【化8】
【0087】この感光性組成物をスペーサー厚み3mm
で、上下が開口した枠金型に入れ、枠金型の開口部の上
下に厚さ0.1mmのポリエステルフィルムを被覆し、
プレス加工機を用いて110〜130℃、150kgf
で加熱加圧後、冷却することにより、総厚み3mmの感
光性ゴム版を得た。
【0088】この感光性組成物は、透明性、洗浄性、強
度バランス及び画像再現性に優れており、フレキソ印刷
版として実用可能な性能を有している。具体的な評価結
果を表1に示した。
【0089】実施例2 実施例1において使用したメタクリル化液状ポリブタジ
エンをマレイン化液状ポリブタジエン(化9で表わされ
る単位を有する液状ポリブタジエン:酸価1.43mm
ol/g、粘度(25℃)1800ポイズ、マレイン化
付加比1.6mol/mol)に代えた他は実施例1と
同様にして感光性組成物及び感光性ゴム版を得た。この
評価結果を表1に示した。
【0090】
【化9】
【0091】実施例3 実施例1において使用したメタクリル化液状ポリブタジ
エンをマレイン化液状ポリブタジエンメチルアルコール
ハーフエステル化物(化10で表わされる単位を有する
液状ポリブタジエン:粘度(25℃)1400ポイズ)
に代えた他は実施例1と同様にして感光性組成物及び感
光性ゴム版を得た。この評価結果を表1に示した。
【0092】
【化10】
【0093】実施例4 実施例1において使用した液状ポリブタジエン(日本曹
達社製ニッソーPB、B1000)及びメタクリル化液
状ポリブタジエンの量をそれぞれ40部及び10部に変
えた他は実施例1と同様にして感光性組成物及び感光性
ゴム版を得た。この評価結果を表1に示した。
【0094】
【表1】
【0095】実施例5 実施例1において使用したブロック共重合体a及びブロ
ック共重合体bの量をそれぞれ、0部(使用しない。)
及び45部に変えた他は実施例1と同様にして感光性組
成物及び感光性ゴム版を得た。この評価結果を表2に示
した。
【0096】実施例6 実施例1において使用したメタクリル化液状ポリブタジ
エンをウレタンアクリル化液状ポリブタジエン(化11
で表わされる液状ポリブタジエン:粘度(25℃)10
00ポイズ)に代えた他は実施例1と同様にして感光性
組成物及び感光性ゴム版を得た。この評価結果を表2に
示した。
【0097】
【化11】
【0098】比較例1 実施例1において使用した液状ポリブタジエン(日本曹
達社製ニッソーPB、B1000)及びメタクリル化液
状ポリブタジエンの量を、それぞれ50部及び0部(使
用しない。)に変えた他は実施例1と同様にして感光性
組成物及び感光性ゴム版を得た。この評価結果を表2に
示した。
【0099】比較例2 実施例1で使用した親水性共重合体、ブロック共重合体
a及びブロック共重合体bの量をそれぞれ100部、0
部(使用しない。)及び0部(使用しない。)に変えた
他は実施例1と同様にして感光性組成物及び感光性ゴム
版を得た。この評価結果を表2に示した。
【0100】
【表2】
【0101】
【発明の効果】本発明の感光性組成物は、透明性、洗浄
性、強度バランス及び画像再現性に優れているので、フ
レキソ印刷版(感光性ゴム版)として、各種印刷に使用
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の感光性ゴム版の積層状態を示す断面
図。
【図2】 本発明の感光性ゴム版の別の積層状態を示す
断面図。
【符号の説明】
1・・・感光性ゴム版(感光性組成物層) 2・・・接着性組成物層 3・・・粘着防止組成物層(スリップフィルム) 4・・・ベースフィルム 5・・・支持板 7・・・プロテクターフィルム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性エラストマー15〜65重量
    部、 親水性共重合体35〜85重量部(但し、前記熱可塑性
    エラストマーと親水性共重合体との合計量は100重量
    部である。)、 光重合性エチレン性不飽和基、カルボキシル基、水酸基
    及びアミノ基から選ばれる少なくとも一つの官能基を有
    する液状の共役ジエン系重合体0.1〜100重量部、 光重合性エチレン性不飽和単量体5〜100重量部 及
    び光重合開始剤0.1〜10重量部を含有する感光性組
    成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の感光性組成物からなる感
    光性ゴム版。
JP34067596A 1996-12-05 1996-12-05 感光性組成物及び感光性ゴム版 Pending JPH10161301A (ja)

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