JP3716330B2 - 感光性組成物及び感光性ゴム版 - Google Patents

感光性組成物及び感光性ゴム版 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、感光性ゴム版及び感光性組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、透明性及び強度バランスに優れ且つ感光後に短時間内で現像することが可能な感光性ゴム版及びこれを得るための感光性組成物に関する。
【0002】
感光性フレキソ印刷版は、その版面に印画フィルムを密着させ、活性光を照射して感光層の一部分を露光した後、未露光部分を洗浄除去(現像)してレリーフを形成させることによって得られる。有害な環境汚染物質を排出しないことから未露光部分を水性溶媒で現像できるものの開発が進められている。
【0003】
水現像性の感光性フレキソ印刷版の感光層製材には、光が感光層の深部まで到達するための透明性に優れ、被印刷物への密着性に優れ、版自体の引張強度と破断伸びとのバランス(以下、強度バランスということがある。)に優れ且つ露光後のレリーフ形成を容易にするための速い現像速度が要求される。
【0004】
感光層製材としては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体などのような3元ブロック共重合体と、親水性共重合体とを主成分として、これに光重合性エチレン性不飽和単量体を配合した感光性エラストマー組成物が知られている(特開昭60−211451号公報)。しかし、この感光性エラストマー組成物を用いて製作された感光性ゴム版は、透明性に劣り、強度バランスが十分でなく、また未露光部分の水性溶媒での現像速度が遅いという問題があった。
【0005】
また、別の感光層製材として、3元ブロック共重合体と燐酸エステル基含有親水性共重合体とを主成分とする感光性エラストマー組成物が提案されている(EP 0699961)。この組成物はフレキソ印刷版として実用可能なレベルで透明性、強度バランス、現像速度などの性能を有するものであるが、現像速度、強度バランスなどにおいて未だ改善が望まれる点があった。
【0006】
従って、本発明の目的は、透明性及び強度バランスに優れ且つ未露光部分の水性溶媒による現像速度が速い感光性ゴム版を提供すること、並びに、そのような感光性ゴム版を製作するのに有用な感光性組成物を提供することにある。
【0007】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定の2種類のブロック共重合体を配合した感光性組成物からつくられた感光性ゴム版が本発明の上記目的を達成し得るものであることを見いだした。
【0008】
斯くして、本発明によれば、
(1)芳香族ビニル単量体単位を主構成単位とする重合体からなる重合体ブロックAの1個と、共役ジエン単量体単位を主構成単位とする重合体からなる重合体ブロックBの1個又は2個とを有し、全単量体単位のうち芳香族ビニル単量体単位が15〜30重量%、共役ジエン単量体単位が85〜70重量%(芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単量体単位との合計が100重量%)であるブロック共重合体▲1▼5〜55重量部、
芳香族ビニル単量体単位を主構成単位とする重合体からなる重合体ブロックCの少なくとも2個と、共役ジエン単量体単位を主構成単位とする重合体からなる重合体ブロックDの少なくとも1個とを有するブロック共重合体▲2▼10〜60重量部、
親水性共重合体▲3▼35〜85重量部(但し、前記ブロック共重合体▲1▼とブロック共重合体▲2▼と親水性共重合体▲3▼との合計量は100重量部である。)、
光重合性エチレン性不飽和単量体▲4▼5〜300重量部、及び
光重合開始剤▲5▼0.1〜10重量部、
を含有することを特徴とする感光性組成物、
が提供される。
【0009】
本発明によれば、とくに、上記(1)の感光性組成物の好適な態様として、以下(2)〜(13)に示すとおりの感光性組成物が提供される。
【0010】
(2)ブロック共重合体▲1▼の量が5〜35重量部、ブロック共重合体▲2▼の量が10〜60重量部、そして親水性共重合体▲3▼の量が35〜85重量部(但し、前記ブロック共重合体▲1▼とブロック共重合体▲2▼と親水性共重合体▲3▼との合計量は100重量部である。)であることを特徴とする前記(1)の感光性組成物。
【0011】
(3)ブロック共重合体▲1▼又はブロック共重合体▲2▼を構成する芳香族ビニル単量体単位がスチレン単位であることを特徴とする前記(1)〜(2)のいずれかの感光性組成物。
【0012】
(4)ブロック共重合体▲1▼又はブロック共重合体▲2▼を構成する共役ジエン単量体単位が1,3−ブタジエン単位またはイソプレン単位であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかの感光性組成物。
【0013】
(5)ブロック共重合体▲1▼又はブロック共重合体▲2▼が1,3−ブタジエン単位及びスチレン単位で構成されていることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかの感光性組成物。
【0014】
(6)ブロック共重合体▲1▼が、芳香族ビニル単量体単位が8個以上連なった分子鎖部分を構成する芳香族ビニル単量体単位の全量が全芳香族ビニル単量体単位の量の30重量%以上であるものである、ことを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかの感光性組成物。
【0015】
(7)ブロック共重合体▲1▼の重量平均分子量が100,000〜400,000で、重量平均分子量/数平均分子量の値が1〜1.5であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかの感光性組成物。
【0016】
(8)ブロック共重合体▲1▼の重合体ブロックAの分子鎖と重合体ブロックBの分子鎖とが、重合体ブロックAの単量体単位組成及び重合体ブロックBの単量体単位組成とは異なる単量体単位組成を有する芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単量体単位とからなる分子鎖の両末端に、各々つながっており、該中間の分子鎖の重量がブロック共重合体▲1▼の40重量%以下で、重合体ブロックAと重合体ブロックBとの重量比が15/85〜30/70であることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかの感光性組成物。
【0017】
(9)ブロック共重合体▲1▼が、重合体ブロックAを構成する芳香族ビニル単量体単位の量(重量%)から重合体ブロックBを構成する芳香族ビニル単量体単位の量(重量%)へと漸次変化してゆくというような芳香族ビニル単量体単位の量(重量%)分布を有する分子鎖の両末端に、重合体ブロックAの分子鎖と重合体ブロックBの分子鎖とが各々つながったものである、ことを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかの感光性組成物。
【0018】
(10)ブロック共重合体▲2▼の共役ジエン単量体単位部分のビニル結合含有量が15〜70%であることを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれかの感光性組成物。
【0019】
(11)ブロック共重合体▲2▼がC−D−C又は(C−D)2−Xで表されるブロック構成をなすものであることを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかの感光性組成物(ただし、Xはカツプリング剤又は多官能イオン重合開始剤の残基である)。
【0020】
(12)親水性共重合体▲3▼が、その分子側鎖に燐酸エステル基又はカルボキシル基が結合しているものであることを特徴とする前記(1)〜(11)のいずれかの感光性組成物。
【0021】
(13)親水性共重合体▲3▼が、その分子側鎖に燐酸エステル基が結合しているものであることを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれかの感光性組成物。
また、本発明によれば、前記感光性組成物の応用として、
(14)前記(1)〜(13)のいずれかの感光性組成物からなる感光性ゴム版、
が提供される。
【0022】
本発明によれば、とくに、上記(14)の感光性ゴム版の好適な態様として、以下(15)〜(19)に示すとおりの感光性ゴム版が提供される。
【0023】
(15)前記(1)〜(13)のいずれかの感光性組成物からなる層と、有機溶剤が接触することにより溶解または膨潤する接着性組成物からなる層とを積層してなる感光性ゴム版。
【0024】
(16)接着性組成物が熱可塑性エラストマーを含有するものであることを特徴とする前記(15)の感光性ゴム版。
【0025】
(17)接着性組成物が熱可塑性エラストマーと光重合性エチレン性不飽和単量体とを含有するものであることを特徴とする前記(15)の感光性ゴム版。
【0026】
(18)熱可塑性エラストマーが、芳香族ビニル単量体単位を主構成単位とする重合体からなる重合体ブロックと、共役ジエン単量体単位を主構成単位とする重合体からなる重合体ブロックとを有するブロック共重合体であることを特徴とする前記(16)〜(17)のいずれかの感光性ゴム版。
【0027】
(19)熱可塑性エラストマーがポリスチレンブロックと、ポリブタジエンブロックまたはポリイソプレンブロックとからなるブロック共重合体であることを特徴とする前記(16)〜(17)のいずれかの感光性ゴム版。
【0028】
添付図面において、
図1は本発明の感光性ゴム版を含むフレキソ印刷用積層物の一つの例を示す断面図であり、図2は本発明の感光性ゴム版を含むフレキソ印刷用積層物の別の例を示す断面図である。
【0029】
本発明の感光性組成物は、ブロック共重合体▲1▼、ブロック共重合体▲2▼、親水性共重合体▲3▼、光重合性エチレン性不飽和単量体▲4▼及び光重合開始剤▲5▼を含有するものである。
【0030】
本発明の感光性組成物の第一成分であるブロック共重合体▲1▼は、芳香族ビニル単量体単位を主構成単位とする重合体ブロックA1個と、共役ジエン単量体単位を主構成単位とする重合体ブロックB1個又は2個とを有するものである。
【0031】
重合体ブロックA及び重合体ブロックBは芳香族ビニル単量体又は共役ジエン単量体を構成単位とするものである。ここで、主構成単位とは重合体ブロックを構成する全単量体単位の50重量%を超える量を占める単量体単位をいう。
【0032】
重合体ブロックAの主構成単位を構成する芳香族ビニル単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、クロロスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げられる。これら芳香族ビニル単量体のうちスチレンが好適である。
【0033】
重合体ブロックAを構成する芳香族ビニル単量体単位の量は、重合体ブロックAの重量に基づいて、通常、50重量%以上、好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上である。芳香族ビニル単量体単位は、ブロック共重合体▲1▼中に、下記一般式(I)で表されるような構造で存在する。
【0034】
【化1】
Figure 0003716330
【0035】
式(I)中のArはアリール基、R1、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アリール基またはアルキル基である。
【0036】
重合体ブロックBの主構成単位を構成する共役ジエン単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、クロロプレン等が挙げられる。これら共役ジエンのうち、1,3−ブタジエン及びイソプレンが好適である。
【0037】
重合体ブロックBを構成する共役ジエン単量体単位の量は、重合体ブロックBの重量に基づいて、通常、50重量%を超える量、好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは85重量%以上である。共役ジエン単量体単位は、ブロック重合体▲1▼中に、下記一般式(II)又は(III)で表されるような構造で存在する。
【0038】
【化2】
Figure 0003716330
【0039】
一般式(II)又は(III)中のR4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R1 及びR1 はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基である。
【0040】
なお、ブロック共重合体▲1▼は、その分子鎖に極性官能基が結合しているものであってもよい。分子鎖に極性官能基が結合しているブロック共重合体▲1▼は、芳香族ビニル単量体と共役ジエン単量体とを重合した後、極性官能基を有する化合物を付加反応等させて分子鎖に結合させて得る。極性官能基としては、カルボキシル基、エステル基、アミノ基、ニトリル基などが挙げられる。
【0041】
ブロック共重合体▲1▼において、芳香族ビニル単量体単位の量と共役ジエン単量体単位の量との重量比率は、(芳香族ビニル単量体単位量/共役ジエン単量体単位量=)15/85〜30/70、好ましくは18/82〜28/72である。芳香族ビニル単量体単位の量が少なくなると、感光性組成物を感光した後の未露光部分の洗浄速度が遅くなる。一方、芳香族ビニル単量体単位の量が多くなると、感光性組成物の透明性が低下する。
【0042】
なお、芳香族ビニル単量体単位の含量はH1−NMR(500MHz)を用いて測定した値である。
【0043】
本発明に用いるブロック共重合体▲1▼において、芳香族ビニル単量体単位が8個以上連なった分子鎖を構成する芳香族ビニル単量体単位の全量(以下、長連鎖の量ということがある。)は、全芳香族ビニル単量体の構成単位の量の、通常、30重量%以上、好ましくは45重量%以上、特に好ましくは60重量%以上である。芳香族ビニル単量体長連鎖の量が少ないと、感光性組成物を感光した後の未露光部分の洗浄速度が遅くなる。
【0044】
長連鎖の量は共役ジエン単量体単位の二重結合をすべてオゾン開裂した後、ゲルパーミエーションクロマトグラムによって測定した値である(高分子学会予稿集29巻9号2055頁参照)。
【0045】
本発明の感光性組成物においてブロック共重合体▲1▼の重量平均分子量は、通常、100,000〜400,000、好ましくは120,000〜300,000である。分子量が小さくなると、感光性ゴム版の強度バランスが悪くなる。一方、該分子量が大きくなると、感光性組成物の未露光部分の洗浄速度が低下する。
【0046】
なお、分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラムによって測定して得られた数値を、標準ポリスチレンの分子量に換算して得られる値である。
【0047】
また、本発明の感光性組成物におけるブロック共重合体▲1▼は、その重量平均分子量/数平均分子量の値が、通常、1〜1.5、好ましくは1〜1.3のものである。重量平均分子量/数平均分子量が1.5を超えると、感光性組成物の未露光部分の洗浄速度が低下する。
【0048】
ブロック共重合体▲1▼は、通常、溶液重合法によって得ることができる。なお、芳香族ビニル単量体単位の長連鎖を形成するには、通常、共役ジエン単量体を重合反応器に仕込み重合を開始した後、芳香族ビニル単量体を添加しながら重合を行うか、共役ジエン単量体及び芳香族ビニル単量体からなる単量体混合物の重合を低温度下で開始し、その後、徐々に温度を上げながら重合反応させる。
【0049】
ブロック共重合体▲1▼を構成する重合体ブロックAと重合体ブロックBとの組合せブロック構造としては、A−B又はB−A−Bがある。
【0050】
ブロック共重合体▲1▼としては、重合体ブロックAの分子鎖と重合体ブロックBの分子鎖とが直接つながったもの、又は重合体ブロックAの分子鎖と重合体ブロックBの分子鎖とが、重合体ブロックAを構成する単量体単位組成及び重合体ブロックBを構成する単量体単位組成とは異なる単量体単位組成を有する芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単量体単位とからなる分子鎖の両末端に、各々つながったもの(テーパードブロック型)が挙げられる。未露光部分の洗浄性及び細線再現性を高めるためにはテーパードブロック型のものが好ましく、重合体ブロックAの分子鎖と重合体ブロックBの分子鎖とが、重合体ブロックAを構成する芳香族ビニル単量体単位の量(重量%)から重合体ブロックBを構成する芳香族ビニル単量体単位の量(重量%)へと漸次変化してゆくというような芳香族ビニル単量体単位の量(重量%)分布を有する分子鎖の両末端に、各々つながったテーパードブロック型のものが特に好ましい。重合体ブロックAを構成する単量体単位組成及び重合体ブロックBを構成する単量体単位組成とは異なる単量体単位組成を有する中間の分子鎖の量は、ブロック共重合体の重量に基づいて、通常、40重量%以下、好ましくは20重量%以下である。
【0051】
ブロック共重合体▲1▼を構成する重合体ブロックAと重合体ブロックBとの重量比は、通常、(重合体ブロックA/重合体ブロックB=)15/85〜30/70、好ましくは18/82〜28/72である。
【0052】
本発明の感光性組成物におけるブロック共重合体▲1▼の量は、ブロック共重合体▲1▼と後記ブロック共重合体▲2▼と親水性共重合体▲3▼との合計量100重量部のうち、5〜55重量部、好ましくは5〜35重量部、さらに好ましくは10〜20重量部である。ブロック共重合体▲1▼の量が多くなると感光性ゴム版の強度バランスが悪くなり、少なくなると感光性組成物の未露光部分の洗浄速度が低下する。
【0053】
本発明の感光性組成物の第二成分であるブロック共重合体▲2▼は、芳香族ビニル単量体単位を主構成単位とする重合体ブロックCの少なくとも2個と、共役ジエン単量体単位を主構成単位とする重合体ブロックDの少なくとも1個とを有するものである。重合体ブロックC及び重合体ブロックDは芳香族ビニル単量体又は共役ジエン単量体を構成単位とするものである。
【0054】
重合体ブロックCまたはDを構成する芳香族ビニル単量体及び共役ジエン単量体としては、前記重合体ブロックAまたは重合体ブロックBを構成するものと同じものが挙げられる。ブロック共重合体▲2▼中で、芳香族ビニル単量体は一般式(I)のごとき構造単位で存在し、共役ジエン単量体は一般式(II)又は(III)のごとき構造単位で存在する。芳香族ビニル単量体としてはスチレンが好ましく、共役ジエン単量体としては1,3−ブタジエンが好ましい。
【0055】
なお、ブロック共重合体▲2▼は、その分子鎖に極性官能基が結合しているものであってもよい。分子鎖に極性官能基が結合しているブロック共重合体▲2▼は、芳香族ビニル単量体と共役ジエン単量体とを重合した後、極性官能基を有する化合物を付加反応等させて分子鎖に結合させて得る。極性官能基としては、カルボキシル基、エステル基、アミノ基、ニトリル基などが挙げられる。
【0056】
重合体ブロックCを構成する芳香族ビニル単量体単位の量は、重合体ブロックCの重量に基づいて、通常、50重量%以上、好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上である。
【0057】
重合体ブロックCの重量平均分子量は、通常、3,000〜200,000、好ましくは8,000〜100,000である。
【0058】
重合体ブロックDを構成する共役ジエン単量体単位の量は、重合体ブロックDの重量に基づいて通常、50重量%を超える量、好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上である。50重量%以下では、感光性組成物を用いて得られる感光性ゴム版の強度バランスが悪くなる。
【0059】
ブロック共重合体▲2▼としては、その共役ジエン単量体単位部分のビニル結合含有量が、通常、15〜70%、好ましくは25〜55%のものが好ましい。ビニル結合含有量が多くなると、感光性ゴム版の透明性及び強度バランスが良くなり、また洗浄速度が速くなる。
【0060】
ビニル結合含有量は、ブロック共重合体中に1,2−結合、3,4−結合または1,4−結合の結合様式で組み込まれている共役ジエン単量体単位の量に対する、一般式(III)のごとく1,2−結合又は3,4−結合の結合様式で組み込まれている共役ジエン単量体単位の量の割合である。ビニル結合含有量は核磁気共鳴装置を用いて測定して得られる値である。
【0061】
重合体ブロックDの重量平均分子量は、通常、5,000〜500,000、好ましくは10,000〜300,000である。
【0062】
重合体ブロックCと重合体ブロックDとの重量比は、通常、(重合体ブロックC/重合体ブロックD=)5/95〜95/5、好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは15/85〜75/25である。
【0063】
ブロック共重合体▲2▼は、その全体の重量平均分子量が、通常、8,000〜2,000,000、好ましくは18,000〜1,000,000、特に好ましくは50,000〜400,000のものである。
【0064】
なお、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定し、標準ポリスチレンの分子量に換算した値である。
【0065】
本発明感光性組成物の成分であるブロック共重合体▲2▼は、重合体ブロックCと重合体ブロックDとの組合せ構造によって限定されない。例としては、一般式(C−D)n−C、(C−D)n−C−D、D−(C−D)n−C−D、(C−D)m−X、((C−D)n−C)m−X、(D−C−(D−C)nm−X及び(D−C−(D−C)n−D)m−X(但し、式中、Cは重合体ブロックC、Dは重合体ブロックD、Xはカツプリング剤又は多官能イオン重合開始剤の残基、nは1〜10、好ましくは1〜5の整数、mは2〜10、好ましくは2〜5の整数である。)で表わされるものが挙げられる。カツプリング剤としては四塩化スズ、四塩化ケイ素、エポキシ化エステル、ポリビニル化合物、カルボン酸エステル、ポリハロゲン化炭化水素などが挙げられ、多官能イオン重合開始剤としては多官能有機リチウム化合物などが挙げられる。これらの例のうち、一般式C−D−Cまたは(C−D)2−Xで表される構造のものが好ましい。
【0066】
本発明感光性組成物におけるブロック共重合体▲2▼の量は、前記ブロック共重合体▲1▼とブロック共重合体▲2▼と後記親水性共重合体▲3▼との合計量100重量部のうち、10〜60重量部、好ましくは20〜40重量部である。また、ブロック共重合体▲1▼とブロック共重合体▲2▼との合計量は、通常、15〜65重量部、好ましくは30〜50重量部である。65重量部を超えると、感光性組成物を用いて得られる感光性ゴム版の洗浄速度が低下する。一方、15重量部未満では、感光性組成物の加工性及び感光性ゴム版の水性インキ耐性及び強度バランスが低下する。
【0067】
本発明の感光性組成物の第三成分である親水性共重合体▲3▼は、その分子側鎖に、−OH、−COO−、−COOH、−NH2、−SO3−、−SO3H、−PO(OH)2、−PO(OH)−、>PO−、−CNなどのような親水基、好適には−PO(OH)2、−PO(OH)−、>PO−のごとき燐酸エステル基が結合しているものである。
【0068】
親水性共重合体は、前記親水基を有するエチレン性不飽和単量体とこれと共重合可能な単量体とを重合して得られる共重合体である。
【0069】
親水基を有するエチレン性不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸等のようなエチレン性不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸等のようなエチレン性不飽和多価カルボン酸;マレイン酸モノエチル、イタコン酸モノメチルなどのようなエチレン性不飽和多価カルボン酸部分エステル化物;アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル等のようなエチレン性不飽和カルボン酸ヒドロキシアルキルエステル;メタクリロニトリル、アクリロニトリル等のようなエチレン性不飽和ニトリル単量体;燐酸エチレンアクリレート、燐酸トリメチレンアクリレート、燐酸プロピレンアクリレート、燐酸テトラメチレンアクリレート、燐酸(ビス)エチレンアクリレート、燐酸(ビス)トリメチレンアクリレート、燐酸(ビス)テトラメチレンアクリレート、燐酸ジエチレングリコールアクリレート、燐酸トリエチレングリコールアクリレート、燐酸ポリエチレングリコールアクリレート、燐酸(ビス)ジエチレングリコールアクリレート、燐酸(ビス)トリエチレングリコールアクリレート、燐酸(ビス)ポリエチレングリコールアクリレート及びこれらに対応するメタクリレート等のような燐酸エステル基含有エチレン性不飽和単量体;スチレンスルホン酸ソーダ;2−スルホナート脂肪酸アリルナトリウム;t−ブチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート及びこれらに対応するメタクリレート等のようなエチレン性不飽和アミノアルキルエステル;などが挙げられる。これら親水基を有するエチレン性不飽和単量体のうち、燐酸エステル基含有エチレン性不飽和単量体、特に燐酸エチレンアクリレート、燐酸プロピレンアクリレート及びこれらに対応するメタクリレート、が好適である。
【0070】
親水基を有するエチレン性不飽和単量体の量は、親水性共重合体▲3▼を得るために用いる全単量体の、通常、5〜35重量%、好ましくは5〜25重量%である。5重量%未満では、感光性組成物を用いて得られる感光性ゴム版の洗浄速度が低下する傾向になる。35重量%を超えると、感光性組成物の加工性及び感光性ゴム版の水性インキ耐性が低下する傾向になる。
【0071】
なお、上記の燐酸エステル基含有エチレン性不飽和単量体は、例えば、一般式(IV)
【0072】
【化3】
Figure 0003716330
【0073】
式中、
は水素またはメチル基、R及びRは各々独立に水素またはアルキル基、lは1または2、m及びnは独立に1〜20の整数である、で表わされる化合物である。
【0074】
親水基を有するエチレン性不飽和単量体と共重合可能な単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、クロロスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等のような芳香族ビニル単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸グリシジル等のようなエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステル;アリルグリシジルエーテル等のようなエチレン性不飽和グリシジルエーテル;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン等のような共役ジエン単量体;ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン等のような芳香族多価ビニル単量体;エチレングリコールアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート等のような多価エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体;などが挙げられる。 親水性基を有する単量体と共重合可能なこれら単量体のうち、感光性ゴム版の強度バランスを向上させるために、共役ジエン単量体、特に1,3−ブタジエン又はイソプレン、が好適に用いられる。共役ジエン単量体の量は、親水性共重合体▲3▼を得るために用いる全単量体の、通常、40〜90重量%、好ましくは50〜80重量%である。40重量%未満では、感光性ゴム版の強度が低下する。90重量%を超えると、感光性ゴム版の洗浄速度が低下する。
【0075】
感光性組成物の加工性を高め、感光性ゴム版の透明性及び強度を高くするために、多価エチレン性不飽和単量体、特にジビニルベンゼン又はエチレングリコールジメタクリレートが好適に使用される。多価エチレン性不飽和単量体の量は、親水性共重合体▲3▼を得るために用いる全単量体の、通常、10重量%以下である。
【0076】
本発明の感光性組成物に用いる親水性共重合体▲3▼は、通常、前記単量体を乳化重合した後、得られるエマルジョンを凝集させ揮発分を蒸発させるか、またはエマルジョンを凍結凝固して得る。
【0077】
本発明の感光性組成物に用いる親水性共重合体▲3▼の量は、前記ブロック共重合体▲1▼とブロック共重合体▲2▼と親水性共重合体▲3▼との合計量100重量部のうち、35〜85重量部、好ましくは50〜70重量部である。
【0078】
本発明の感光性組成物の第四成分である光重合性エチレン性不飽和単量体▲4▼としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン等のような芳香族ビニル単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のようなエチレン性不飽和ニトリル単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸グリシジル、エチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールメタクリレート、メトキシエチレングリコールメタクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、マレイン酸ジエチル、イタコン酸ジメチル等のようなエチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体;アリルグリシジルエーテル等のようなエチレン性不飽和グリシジルエーテル;アクリル酸、メタクリル酸等のようなエチレン性不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸等のようなエチレン性不飽和多価カルボン酸;マレイン酸モノエチル、イタコン酸モノメチルなどのようなエチレン性不飽和多価カルボン酸部分エステル化物;燐酸エチレンアクリレート、燐酸トリメチレンアクリレート、燐酸プロピレンアクリレート、燐酸テトラメチレンアクリレート、燐酸(ビス)エチレンアクリレート、燐酸(ビス)トリメチレンアクリレート、燐酸(ビス)テトラメチレンアクリレート、燐酸ジエチレングリコールアクリレート、燐酸トリエチレングリコールアクリレート、燐酸ポリエチレングリコールアクリレート、燐酸(ビス)ジエチレングリコールアクリレート、燐酸(ビス)トリエチレングリコールアクリレート、燐酸(ビス)ポリエチレングリコールアクリレート及びこれらに対応するメタクリレート等のような一般式(IV)で表わされる燐酸エステル基含有エチレン性不飽和単量体;などが挙げられる。
【0079】
光重合性エチレン性不飽和単量体▲4▼の量は、ブロック共重合体▲1▼とブロック共重合体▲2▼と親水性共重合体▲3▼との合計量100重量部に対して、5〜300重量部、好ましくは10〜200重量部である。5重量部未満では、活性光による感光性組成物の硬化が不十分となるため、感光性ゴム版の強度が低下する。一方、300重量部を超えると、感光性ゴム版の強度及び耐溶剤性が低下する。
【0080】
本発明の感光性組成物の第五成分である光重合開始剤▲5▼としては、ジアセチル、ベンジル等のようなα−ジケトン;ベンゾイン、ピバロイン等のようなアシロイン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のようなアシロインエーテル;アントラキノン、1,4−ナフトキノン等のような多核キノン;などが挙げられる。
【0081】
光重合開始剤の量は、ブロック共重合体▲1▼とブロック共重合体▲2▼と親水性共重合体▲3▼との合計量100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。0.1重量部未満では、活性光による感光性組成物の硬化が不十分となるため、感光性ゴム版の強度が低下する。一方、10重量部を超えると、光重合速度が低下する。
【0082】
本発明の感光性組成物には、その他の成分として、必要に応じて、可塑剤、保存安定剤などを配合することができる。
【0083】
可塑剤としては、ナフテン油、パラフィン油等のような炭化水素油;分子量3000以下のポリスチレン又はポリアクリレート;液状1,2−ポリブタジエン、液状1,4−ポリブタジエン及びそれらの末端変性物;液状アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、液状スチレン−ブタジエン共重合体及びこれらのカルボキシル化物;などが挙げられる。
【0084】
保存安定剤としては、ヒドロキノン、ピロガロール、p−メトキシフェノール、t−ブチルカテコール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等のようなフェノール;ベンゾキノン、p−トルキノン、p−キシロキノン等のようなキノン;フェニル−α−ナフチルアミン等のようなアミン;などが挙げられる。
【0085】
本発明の感光性組成物は、通常、ニーダーやロールミルなどのような混練機を用いて、前記成分を混練することによって調製される。
【0086】
混練の順序は、特に限定されないが、均一な組成物を得るために、親水性共重合体▲3▼とブロック共重合体▲1▼及び▲2▼とを混練した後、光重合性エチレン性不飽和単量体▲4▼と光重合開始剤▲5▼とを添加して混練するのがよい。
【0087】
本発明の感光性ゴム版は、図面を参照して、以下に具体的に説明される。
【0088】
本発明の感光性ゴム版1は、前記本発明の感光性組成物から、通常、板状に形成されたものである。図1にみられるように、本発明の感光性ゴム版1には、通常、ベースフィルム4、スリップフィルム3及びプロテクターフィルム7が積層される。
【0089】
ベースフィルム4は感光性ゴム版の一方の版面に積層される。ベースフィルム4は感光性ゴム版を後記支持板に積層する際に剥される。ベースフィルム4は可撓性の樹脂で形成される。可撓性の樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミド等が挙げられる。また、感光性ゴム版1を支持板に積層する際にベースフィルム4が感光性ゴム版1から剥がれ易くするために、ベースフィルム4の感光性ゴム版1の面に接触する面に、剥離層(図示せず)を設けることが好ましい。剥離層は、通常、シリコーン、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂などで形成される。図1中の参照番号2は、ベースフィルム4を剥がしたのちに感光性ゴム版1を支持板(図2中の参照番号5)に積層させるための接着性組成物の層である。ベースフィルム4は、感光性ゴム版1を支持板に積層しない場合には、感光性ゴム版1から剥がれないように接着される。
【0090】
スリップフィルム3は、感光性ゴム版1のベースフィルム4を積層していない方の面に積層させるものである。感光性ゴム版1の表面は、通常、粘着性が強いので、その表面に直接原画フィルムを載置すると、感光性ゴム版1と原画フィルムとの間に気泡が入り込み、活性光の乱屈折が起きて、レリーフの再現性が悪化するうえ、原画フィルムが汚染されて再利用ができないという問題を生じることがある。しかし、スリップフィルムを積層することによって、この問題は解消される。
【0091】
スリップフィルム3は、非粘着性の水溶性高分子化合物により形成される。水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンイミン及びそれらの誘導体などが挙げられる。これらのうちポリビニルアルコールが好ましく、特にケン化度65〜80モル%で、温度20℃におけるヘブラー粘度計で測定した時の粘度が10cp以下のポリビニルアルコールが好ましい。
【0092】
スリップフィルム3の厚さは、通常、0.5〜10μmである。厚すぎると原画フィルムとの密着不良が生じやすい。薄すぎると原画フィルムの粘着防止効果が小さくなる。
【0093】
スリップフィルム3を感光性ゴム版1に積層するには、水溶性高分子化合物の溶液を版面に直接塗被する方法を採用することができるが、通常、後記のプロテクターフィルム7に水溶性高分子化合物の溶液を塗被して得られるプロテクターフィルム7とスリップフィルム3との積層物を、感光性ゴム版1の上にスリップフィルム3が接触するように密着させる方法が採用される。
【0094】
プロテクターフィルム7は、感光性ゴム版1のベースフィルム4を積層した側とは反対側の面に積層されるものである。通常、前記のスリップフィルム3が感光性ゴム版1とプロテクターフィルム7との間に介在するように積層される。プロテクターフィルム7は感光性ゴム版1を貯蔵又は搬送する時に外力により変形するのを防ぐためのものであり、露光に先立って原画フィルムをスリップフィルム3の上に載置する際に剥される。
【0095】
プロテクターフィルム7は可撓性樹脂で形成される。可撓性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等が挙げられる。また、プロテクターフィルム7をスリップフィルム3から剥がれ易くするためにプロテクターフィルム7の面に剥離層を設けることが好ましい。剥離層は、通常、シリコーン、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂などで形成される。プロテクターフィルム7の厚さは通常、75〜200μm、好ましくは100〜150μmである。薄すぎると、フィルム強度が不足し、成形した感光性ゴム版が変形しやすくなる。一方、厚すぎると、フィルム強度が強すぎるので感光性ゴム版からの剥離が困難になる。
【0096】
本発明の感光性ゴム版1を段ボール印刷の用途に用いる場合などには、図2に示すように、前記感光性ゴム版1は支持板5に積層して使用される。
【0097】
支持板5は、通常、エラストマーからなる板である。支持板5を形成するエラストマーとしては、天然ゴム、合成ゴム、軟質塩化ビニル樹脂等が挙げられる。また、フレキソ印刷時の印圧を調整するために、支持板として発泡体から形成されるものを用いることができる。
【0098】
水性現像性の強い感光性ゴム版1は、有機溶剤系の接着剤との相溶性が低いために、支持板5との接着が弱い。それ故、感光性ゴム版1を支持板5に強固に接着させるために、図1に示すように、感光性ゴム版1と前記ベースフィルム4との間に接着性組成物の層2を設けることが好ましい。
【0099】
接着性組成物は有機溶剤が接触することにより溶解または膨潤する熱可塑性エラストマーを含有する組成物である。
【0100】
ここで、有機溶剤とは、熱可塑性エラストマーを溶解または膨潤するものである。例えば、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチルのごときカルボン酸アルキルエステル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのごときケトン;ベンゼン、トルエン、キシレンのごとき芳香族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンのごとき脂環式炭化水素;トリクロロエタン、トリクロロエチレン、塩化メチレン、四塩化炭素のごときハロゲン化炭化水素;などが挙げられる。
【0101】
熱可塑性エラストマーとしては、前記ブロック共重合体▲1▼または▲2▼と同様のものが挙げられる。
【0102】
接着性組成物には、熱可塑性エラストマーの他に、前記の光重合性エチレン性不飽和単量体を配合することが接着強度向上のために好ましい。
【0103】
接着性組成物に配合する光重合性エチレン性不飽和単量体の量は、熱可塑性エラストマー100重量部に対して、通常、0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部である。多すぎると接着性組成物の層の厚みにむらができ、感光性ゴム版の外観が醜くなる。
【0104】
接着性組成物には、さらに必要に応じて、光重合開始剤を配合することもできる。
【0105】
接着性組成物の層の厚さは、通常、30〜200μm、好ましくは40〜100μmである。
【0106】
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中の部及び%は特に断わりのない限り重量基準である。
【0107】
感光性組成物及び感光性ゴム版の評価は、下記の試験法に基づいて行った。
【0108】
[洗浄性]
感光性ゴム版を30mm×30mmの小片に裁断し、この小片を、感光性フレキソ版用洗出機(日本電子精機製JOW−A2−SS型)を用いて、濃度2%、温度50℃のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル水溶液で洗浄し、小片の厚みが2mmに到達するまでの時間を求め、下記の基準により洗浄性の優劣を表示した。
【0109】
a:8分未満である。
【0110】
b:8分以上11分未満である。
【0111】
c:11分以上14分未満である。
【0112】
d:14分以上17分未満である。
【0113】
e:17分以上である。
【0114】
評点aが最も洗浄性に優れていることを示し、b〜c〜d〜eの順に洗浄性に劣っていることを示す。
【0115】
[透明性]
感光性ゴム版を30mm×30mmの大きさに裁断した試料について、マクベス濃度計(透過型)を用いて透過濃度を測定した。数値が小さい方が透明性に優れていることを示す。
【0116】
[レリーフ画像の再現性]
感光性ゴム版の一方の面を、紫外線露光機(日本電子精機製JE−A2−SS型)を用いて、硬化層の厚さが1.5mm程度になるように露光した。次に、露光していない面のポリエステルフィルムをはがし、再現性評価用のネガフィルムを表面に密着させて、この面を、前記紫外線露光機を用いて15分間露光した。ネガフィルムをはがし、濃度2%、温度50℃のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル水溶液で未露光部分を溶解除去した。その後、70℃で20分乾燥し、未露光部分が除去された面を前記紫外線露光機を用いて10分間再露光して、再現性評価用のレリーフ画像を作成した。
【0117】
このレリーフ画像を、50倍の実体顕微鏡で観察し、下記の基準により評価した。
【0118】
▲1▼凸細線再現性
ネガフィルムの凸細線と同一幅で、歪み、太りがなく再現されている凸細線の最低幅を測定した。数値が小さい方が凸細線再現性に優れていることを示す。
【0119】
▲2▼0.7mm幅凹細線再現性
0.7mm幅凹細線の溝の深さを測定した。数値が大きい方が凹細線再現性に優れていることを示す。
【0120】
[強度バランス]
レリーフ画像再現性の評価に用いたゴム版の平面部をJIS K−6301「引張試験方法」に準拠して、引張速度500mm/分、標線距離20mmの条件で、破断時における引張強度と伸びとの積(抗張積)を求めた。抗張積の値が大きい方が強度バランスに優れていることを示す。
【0121】
参考例1(ブロック共重合体▲2▼の調製)
予め窒素置換したステンレス製の撹拌機付き重合缶に脱水精製シクロヘキサン2300部、テトラメチルエチレンジアミン0.4部及びn−ブチルリチウム0.8部を仕込み、次いでスチレン100部を添加して70℃で1時間重合した。その後、重合缶内を70℃に保ったまま1,3−ブタジエン800部を1時間かけて添加し、添加終了後さらに30分間重合し、次いでスチレン100部を添加して、70℃で1時間重合し、最後にメタノール0.05部を添加してブロック共重合体の溶液を得た。
【0122】
この溶液に2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール5部及びトリスノニルフェニルホスフェート5部を添加し、スチーム凝固法にて溶媒を除去し、さらに真空乾燥機を用いて水分を除去して、C−D−C型ブロック共重合体αを得た。このブロック共重合体αの分子量等を表1に示した。
【0123】
参考例2(ブロック共重合体▲2▼の調製)
予め窒素置換したステンレス製の撹拌機付き重合缶に脱水精製シクロヘキサン2300部、テトラメチルエチレンジアミン0.75部及びn−ブチルリチウム1.21部を仕込み、次いでスチレン200部を添加して70℃で1時間重合した。その後、重合缶内を70℃に保ったまま1,3−ブタジエン800部を1時間かけて添加し、添加終了後さらに30分間重合し、次いでパラジブロムベンゼン1.6部を添加して、70℃で2時間反応し、最後にメタノール0.08部を添加してブロック共重合体溶液を得た。
【0124】
この溶液に2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール5部及びトリスノニルフェニルホスフェート5部を添加し、スチーム凝固法にて溶媒を除去し、さらに真空乾燥機を用いて水分を除去して、ブロック共重合体βを得た。(C−D)2−X型ブロック共重合体βの分子量等を表1に示した。
【0125】
【表1】
Figure 0003716330
【0126】
参考例3(親水性共重合体▲3▼の調製)
オートクレーブに、水200部を仕込み、次いでブタジエン60部、メチルアクリレート9部、燐酸エチレンメタクリレート20部、スチレン10部、ジビニルベンゼン1部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4部、過硫酸カリウム0.3部及びt−ドデシルメルカプタン0.4部を添加し、50℃に加熱して重合反応を開始し、重合転化率が95%に達した時点で停止剤を添加して反応を終了し、水冷して重合体のエマルジョンを得た。このエマルジョンを凍結凝固し、得られたクラムを分離し、水洗し、脱水し、さらに60℃で真空乾燥して、親水性共重合体を得た。
【0127】
参考例4(ブロック共重合体▲1▼の調製)
窒素置換したステンレス製の撹拌機付き重合缶に1,3−ブタジエン580部、シクロヘキサン8500部及びテトラメチルエチレンジアミン0.16部を仕込み、そこへn−ブチルリチウム0.64部をn−ヘキサン溶液にして添加し、重合缶内容物を50℃に加熱して重合を開始した。重合反応に伴い反応缶内の温度は80℃に上昇した。1,3−ブタジエンの重合反応終了後、スチレン30部及び1,3−ブタジエン120部を添加し、引続き重合反応を1時間進行させた。その後、スチレン270部を30分間にわたって逐次添加して重合をさらに続けた。全ての単量体の重合反応が終了した後、メタノール1.6部を添加して反応を停止させ、さらに2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール10部を添加し、水蒸気を吹き込むことにより生成重合体を凝固した。次いでロールを用いて水絞りを行い、60℃で24時間減圧乾燥し、テーパードA−B型ブロック共重合体δを得た。
【0128】
このブロック共重合体δの分子量等を表2に示した。
【0129】
参考例5(ブロック共重合体▲1▼の調製)
窒素置換したステンレス製の撹拌機付き重合缶に1,3−ブタジエン780部、シクロヘキサン8500部及びテトラメチルエチレンジアミン0.14部を仕込み、そこへn−ブチルリチウム0.83部をn−ヘキサン溶液にして添加し、重合缶内容物を50℃に加熱して重合を開始した。重合反応に伴い反応缶内の温度は80℃に上昇した。1,3−ブタジエンの重合反応終了後、スチレン220部を30分間にわたって逐次添加して重合をさらに続けた。全ての単量体の重合反応が終了した後、参考例4と同様にして反応を停止させ、生成重合体を凝固し、減圧乾燥し、A−B型ブロック共重合体εを得た。このブロック共重合体εの分子量等を表2に示した。
【0130】
参考例6(ブロック共重合体(1)の調製)
窒素置換したステンレス製の撹拌機付き重合缶にスチレン250部、1,3−ブタジエン750部、シクロヘキサン8500部及びテトラメチルエチレンジアミン0.13部を仕込み、そこへn−ブチルリチウム0.7部をn−ヘキサン溶液にして添加し、重合缶内容物を45℃に加熱して重合を開始した。重合反応に伴い反応缶内の温度は95℃に上昇した。全ての単量体の重合反応が終了した後、参考例4と同様にして反応を停止させ、生成重合体を凝固し、減圧乾燥し、テーパードA−B型ブロック共重合体ζを得た。このブロック共重合体ζの分子量等を表2に示した。
【0131】
参考例7(ブロック共重合体▲1▼の調製)
窒素置換したステンレス製の撹拌機付き重合缶にシクロヘキサン8500部及びテトラメチルエチレンジアミン0.31部を仕込み、そこへn−ブチルリチウム0.45部をn−ヘキサン溶液にして添加し、重合缶内容物を40℃に保った。次いでスチレン25%及び1,3−ブタジエン75%の単量体混合物1000部を200分間にわたって逐次添加し、重合反応を行った。重合反応に伴い反応缶内の温度は80℃に上昇した。全ての単量体の重合反応が終了した後、四塩化スズを0.23部添加し、60分間反応させた。反応終了後、参考例4と同様にして反応を停止させ、生成重合体を凝固し、減圧乾燥し、ランダム共重合体ηを得た。このランダム共重合体ηの分子量等を表2に示した。
【0132】
参考例8(ブロック共重合体▲1▼の調製)
参考例4において、仕込み時の1,3−ブタジエンを500部に、1,3−ブタジエン重合反応終了後のスチレン及び1,3−ブタジエンの添加量をそれぞれ40部及び100部に、その後のスチレン添加量を360部に変えた他は参考例4と同じ方法で、テーパードA−B型ブロック共重合体θを得た。このブロック共重合体θの分子量等を表2に示した。
【0133】
【表2】
Figure 0003716330
【0134】
実施例1
親水性共重合体55部、ブロック共重合体α30部、ブロック共重合体δ15部、液状ポリブタジエン(日本曹達製ニッソーPB、B1000)55部及び2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.2部を、ニーダーを用いて、150℃で、均一になるまで混練した後、ニーダー温度を120℃に下げ、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート10部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート10部、ベンゾインメチルエーテル1部及びメチルハイドロキノン0.02部を添加して、さらに混練し感光性組成物を得た。
【0135】
この感光性組成物をスペーサー厚み3mmで、上下が開口した枠金型に入れ、枠金型の開口部の上下に厚さ0.1mmのポリエステルフィルムを被覆し、プレス加工機を用いて110〜130℃、150kgfで加熱加圧後、冷却することにより、総厚み3mmの感光性ゴム版を得た。この感光性ゴム版の評価結果を表3に示す。
【0136】
実施例2〜6及び比較例1〜6
実施例1において使用した親水性共重合体又はブロック共重合体を表3又は表4に示す処方に変えた他は実施例1と同様にして、感光性組成物及び感光性ゴム版を得た。これらの感光性ゴム版の評価結果を表3または表4に示す。
【0137】
【表3】
Figure 0003716330
【0138】
【表4】
Figure 0003716330
【0139】
実施例7
ポリスチレンブロックとポリブタジエンブロックとからなるブロック共重合体(シェル化学社製:クレイトンTR−1101)100部及び1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート10部をトルエン100部に溶解し、固形分47.6%の接着性組成物の溶液を得た。
【0140】
シリコーンを被覆した厚さ125μmポリエチレンテレフタレートフィルムに、0.1mm間隔のバーコーターを用いて、前記接着性組成物の溶液を塗工した後、室温下に10分間放置し、更に70℃の乾燥器中に5分間放置することにより、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚さ約50μmの接着性組成物の薄膜層を有するベースフィルムを得た。
【0141】
また別に、ポリビニルアルコール10部を水90部に溶解して、ポリビニルアルコール水溶液を得た。シリコーンを被覆した厚さ125μmポリエチレンテレフタレートフィルムに、1/1000インチコーターを用いて、該ポリビニルアルコール水溶液を塗工した後、110℃の乾燥器中に1分間放置することにより、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚さ約3μmの薄膜層(スリップフィルム)を有するプロテクターフィルムを得た。
【0142】
実施例1で得られた感光性ゴム版に、その両面を被覆しているポリエチレンテレフタレートフィルムを剥したのち、前記接着性組成物の薄膜層を有するベースフィルム及びポリビニルアルコールの薄膜層を有するプロテクターフィルムを各々の薄膜層が感光性ゴム版の各別の面に密着するように重ね合わせ、ローラーを用いて圧着した。斯くして、図1に示す型の積層物、すなわち、感光性ゴム版1の一方の面に接着性組成物層2を介してベースフィルム4が積層され、他方の面にスリップフィルム層(ポリビニルアルコールの薄膜層)3を介してプロテクターフィルム7が積層された製品を得た。ベースフィルム4及びプロテクターフィルム7は、それぞれ、接着性組成物層2及びスリップフィルム層3を感光性ゴム版1の上に残したまま、剥がし取ることができる。
【0143】
次に、感光性ゴム版1に圧着されているベースフィルム4を剥して接着性組成物層2を露出させた後、該露出面に紫外線照射機(照度5mW/cm2、露光波長320〜400nm)を用いて2分間紫外線を照射した。厚さ4mmのゴム製の支持板5に酢酸エチルを散布し、前記紫外線照射した感光性ゴム版1と支持板5とを、接着性組成物の層2と酢酸エチルの散布面とが接触するように重ね合わせ、ローラーを用いて密着させ、その後30分間放置することにより、図2に示す型の製品を得た。
【0144】
この製品におけるゴム版1と支持板5との剥離強度は0.91kgf/cmであり、ゴム版1及び支持板5の寸法は接着する前と殆ど変化しなかった。
【0145】
以上より、スチレン−ブタジエンのC−D−C型ブロック共重合体だけを配合した組成物(比較例1)では画像再現性が不十分であることがわかる。
【0146】
また、スチレンの長連鎖の量が30重量%未満であるランダム共重合体を配合したもの(比較例2または4)は洗浄性が劣り、画像再現性が低いことがわかる。
【0147】
さらに、結合するスチレンの量が多いブロック共重合体を配合したもの(比較例3)または親水性共重合体の配合量が少ないもの(比較例5または6)は洗浄性が低いことがわかる。
【0148】
これに対して、A−B型ブロック共重合体またはテーパードA−B型ブロック共重合体と、C−D−C型ブロック共重合体とを併用配合した組成物(実施例)では洗浄性、透明性、画像再現性及び強度バランスに優れていることがわかる。
特に、テーパードA−B型ブロック共重合体を配合した組成物(実施例1、2及び4)は洗浄性、画像再現性及び強度バランスに格別に優れていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光性ゴム版を含むフレキソ印刷用積層物の一つの例を示す断面図。
【図2】本発明の感光性ゴム版を含むフレキソ印刷用積層物の別の例を示す断面図。
【符号の説明】
1 感光性ゴム版
2 接着性組成物の層
3 スリップフィルム
4 ベースフィルム
5 支持板
7 プロテクターフィルム

Claims (2)

  1. 芳香族ビニル単量体単位を主構成単位とする重合体からなる重合体ブロックAの1個と、共役ジエン単量体単位を主構成単位とする重合体からなる重合体ブロックBの1個又は2個とを有し、全単量体単位のうち芳香族ビニル単量体単位が15〜30重量%、共役ジエン単量体単位が85〜70重量%(芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単量体単位との合計が100重量%)であるブロック共重合体▲1▼5〜55重量部、
    芳香族ビニル単量体単位を主構成単位とする重合体からなる重合体ブロックCの少なくとも2個と、共役ジエン単量体単位を主構成単位とする重合体からなる重合体ブロックDの少なくとも1個とを有するブロック共重合体▲2▼10〜60重量部、
    親水性共重合体▲3▼35〜85重量部(但し、前記ブロック共重合体▲1▼とブロック共重合体▲2▼と親水性共重合体▲3▼との合計量は100重量部である。)、
    光重合性エチレン性不飽和単量体▲4▼5〜300重量部、及び
    光重合開始剤▲5▼0.1〜10重量部、
    を含有することを特徴とする感光性組成物。
  2. 請求項1記載の感光性組成物からなる感光性ゴム版。
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