JPWO2007032319A1 - 熱陰極型放電ランプ、ランプユニット、および表示装置 - Google Patents

熱陰極型放電ランプ、ランプユニット、および表示装置 Download PDF

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Abstract

熱陰極型放電ランプ(20)は、保護膜(24)、蛍光体層(26)が内面に積層され水銀(21)、緩衝用希ガスが封入されたガラスバルブ(22)と、ビーズマウント方式の電極(30a,30b)とを備える。熱陰極型放電ランプ(20)は、バックライトユニットの光源として、50〜70℃の雰囲気中で使用される。緩衝用希ガスとして、クリプトンが20%以上含まれている。

Description

本発明は、熱陰極型放電ランプ、当該熱陰極型放電ランプを光源として備えるランプユニット、および表示装置に関する。
現在、液晶ディスプレイのバックライトユニットの光源としては、冷陰極型放電ランプが主に採用されている。冷陰極型放電ランプは、細径化に適しているので、薄型化が要求されるバックライトユニットの光源として好適である。
特開昭56−73855号公報
ところで近年、液晶ディスプレイの大型化が進んでいる。これにともなうバックライトユニットの大型化により、光源として冷陰極型放電ランプを用いると、点灯回路が複雑になると共に、消費電力が高くなることが危惧されている。
そこで、冷陰極型放電ランプよりも高効率であり、点灯回路も簡素化できる熱陰極放電ランプをバックライトユニットの光源として採用することが検討され始めている。
しかしながら、熱陰極型放電ランプは、冷陰極型放電ランプよりランプ寿命が短く、寿命の点からバックライトユニットの光源として用いることは不適であるという問題がある。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、長寿命である熱陰極型放電ランプ、ランプユニット、および表示装置を提供することを目的としている。
本発明者は、バックライトユニット用の熱陰極型放電ランプを長寿命にすべく鋭意研究を行った。本発明者らは、緩衝用希ガスとしてクリプトンの分圧比を増大すると寿命が長くなることに注目した。ところが、クリプトンの封入量を増大すると、ランプ出力が低下するということが従来より知られており、そのためクリプトンの分圧比は15%程度とするのが限界であった。
しかしながら、本発明者は、クリプトンの分圧比を増大するとランプ出力が低下するという問題は、熱陰極放電ランプが常温の雰囲気中で点灯される場合に生じるものであり、バックライトユニットの筐体内に配されて50℃〜70℃程度の雰囲気中で点灯される場合には、ランプ出力の低下の問題は生じないことを見出した。
そこで、本発明に係る熱陰極型放電ランプは、希ガスが封入された外囲器を備え、筐体内に配設される熱陰極型放電ランプであって、前記希ガスには、クリプトンが分圧比で20%以上含まれていることを特徴としている。
上記構成では、希ガスとしてクリプトンが20%以上封入されているので、従来よりもランプ寿命が長くなるという効果が得られる。また、本発明に係る熱陰極型放電ランプは、筐体を有するランプユニットの光源として用いられ、ランプが配設される雰囲気が室温よりも高温であるので、クリプトンが封入されていてもランプ出力が高いという効果が得られる。また、クリプトンの分圧比が高まると、ランプ電圧が低下するので、 始動特性が向上すると共に、放電維持が容易になるというメリットも挙げられる。
ここで、前記クリプトンの分圧比は、60%以下であることであることが好適である。希ガス内のクリプトンの分圧比が60%を超えると、ランプを調光しづらくなるからである。また、クリプトンは、アルゴンと比較して原子量が大きいため、クリプトンの分圧比が増大するほど、前記外囲器に封入されている水銀が拡散して、ランプ始動時からの光束の立ち上がり特性が低下するので、希ガス内のクリプトンの分圧比は60%以下であることが好適である。さらに、クリプトンは、アルゴンと比較して非常に高価であるので、必要以上にクリプトンを封入することは、意味の無いコストアップにつながるので、希ガス内のクリプトンの分圧比は60%以下であることが好適である。加えて、希ガス内のクリプトンの分圧比が60%を超えると、ランプ調光点灯時にいわゆる移動縞が発生してしまうからである。
また、前記クリプトンの分圧比は、45%以上であることがより望ましい。これにより、ランプ電圧が低下してランプ電流を増大させることができ、非常に高効率のランプが得られるからである。
ここで、前記クリプトンの分圧比は、55%以下であることがより望ましい。クリプトンの分圧比が55%を超えると、ランプ出力が低下し始めることが実験により確認されているからである。
本発明に係るランプユニットは、筐体と、当該筐体内に配設される上記いずれかの熱陰極型放電ランプとを備えることを特徴としている。これにより、高効率で長寿命のランプユニットを得ることができる。
本発明に係る表示装置は、上記ランプユニットを光源として備えることを特徴としている。これにより、消費電力が低く、高効率で長寿命の表示装置を得ることができる。
本発明に係る他の表示装置は、筐体と、当該筐体内に配設される上記いずれかの熱陰極型放電ランプとを備えることを特徴としている。これにより、消費電力が低く、高効率で長寿命の表示装置を得ることができる。
図1は、本実施の形態に係るアスペクト比16:9の液晶ディスプレイの構成を示す概略斜視図である。 図2は、 本実施の形態に係る液晶ディスプレイ用バックライトユニットの構成を示す概略斜視図である。 図3は、本実施の形態に係る熱陰極型放電ランプの構成を示す断面図である。 図4は、緩衝用希ガス中のクリプトンの分圧比とランプ寿命との関係を示す表である。 図5は、ランプ調光点灯時に生じる移動縞を示す模式図である。 図6は、変形例に係る熱陰極型放電ランプの構成を示す断面図である。 図7は、変形例に係る熱陰極型放電ランプの緩衝用希ガス中のクリプトンの分圧比とランプ寿命との関係を示す表である。
符号の説明
1 バックライトユニット
10 筐体
20 熱陰極型放電ランプ
22 ガラスバルブ
31a,31b 電極コイル
以下、本発明の実施の形態に係る熱陰極蛍光ランプ、バックライトユニット、および液晶表示装置について、図面を参照しながら説明する。
<液晶表示装置の構成>
はじめに、図1を参照しながら本実施の形態に係る液晶表示装置の構成について説明する。図1は、本発明に係る液晶表示装置を示す図であり、内部の様子がわかるように、一部を切り欠いている。
液晶表示装置1は、例えば、液晶カラーテレビであり、液晶画面ユニット3とバックライトユニット5とが筐体4に組み込まれてなる。液晶画面ユニット3は、例えば、カラーフィルタ基板、液晶、TFT基板、駆動モジュール等(図示せず)を備え、液晶画面ユニット3の外部からの画像信号に基づいてカラー画像を液晶画面ユニット3の画面6に表示する。
<バックライトユニットの構成>
はじめに、図2を参照しながら本実施の形態に係るバックライトユニットの構成について説明する。図2は、本実施の形態に係るアスペクト比16:9の液晶ディスプレイ用バックライトユニット5の構成を示す概略斜視図である。同図において内部の構造を示すために前面パネル16の一部を切り欠いて示している。
図2に示すように、バックライトユニット5は、複数の熱陰極型放電ランプ20と、開口部を有しこれらのランプ20を収納する筐体10と、この筐体10の開口部を覆う前面パネル16とを備える。
筐体10は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製であって、その内面11に銀などの金属が蒸着されて反射面が形成されている。
熱陰極型放電ランプ20は直管状をしており、本実施の形態では、14本のランプ20が筐体10内に直下方式で配設され、電気的に並列に接続されている。ランプ20は、図示しない点灯回路によって定電流制御される。なお、熱陰極型放電ランプ20の構成については後述する。
筐体10の開口部は、拡散板13、拡散シート14およびレンズシート15を積層してなる透光性の前面パネル16で覆われており、内部にちりや埃などの異物が入り込まないように密閉されている。
前面パネル16における拡散板13および拡散シート14は、ランプ20から発せられた光を散乱・拡散させるものであり、レンズシート15は、当該シート15の法線方向へ光をそろえるものであって、これらによりランプ20から発せられた光が前面パネル16の表面(発光面)の全体に亘り均一に前方を照射するように構成されている。
<熱陰極型放電ランプの構成>
つぎに、本発明の実施の形態に係る熱陰極型放電ランプについて説明する。図3は、本実施の形態に係る熱陰極型放電ランプ(以下、単に「ランプ」という場合もある。)20の構成を示す断面図である。
ランプ20は、直管状のガラスバルブ(外囲器)22と、ガラスバルブ22内の両端に配設された一対の電極30a,30bとを有している。ガラスバルブ22は、バリウム・ストロンチウムシリケートガラス(軟化点675℃の軟質ガラス)製である。
また、ガラスバルブ22の一端(図中では左側端部)には、排気管28が封着されている。この排気管28は、ガラスバルブ22内を排気したり希ガスを封入するときに使用され、排気・封入の後に封着されたものである。排気管28をガラスバルブ22の両端ではなく一端に設けることにより、最冷点制御がし易くなる。つまり両端に設けると最冷点箇所がどちらにできるか分からないためである。
排気管28のうち外部に突出した部分の長さLiは10mmとしている。ここで、この長さLiは5mm以上30mm以下が好ましく、15mm以上30mm以下がより好ましい。5mm未満であると封止切りが困難となってしまう。15mm以上30mm以下であると最冷点箇所の制御により効率を向上することができる。30mmを超えると長くなる分、割れやすくなったり、光らない部分が多くなり商品価値が低下する。また、30mmを超えて長くしても、それ以上の効率向上は望めないためである。
電極30a,30bは、いわゆるガラスビーズマウント方式のものであり、ガラスバルブ22にピンチシール(圧壊封止)されている。また、電極コイル30a,30bは、トリプルコイルで3ターンの電極コイル31a,31bと、この電極コイル31a,31bを架持する一対のリード線32a,32b,33a,33bと、このリード線32a,32b,33a,33bを保持するビーズガラス34a,34bとからなる。電極コイル31a,31bは、例えばタングステン製であり、エミッタとして、ストロンチウム、カルシウム、バリウムの酸化物が塗布されている。
ガラスバルブ22の内面には、アルミナからなる保護膜24が形成されている。保護膜24上には、蛍光体層26が積層されている。蛍光体層26中の蛍光体としては、赤(Y:Eu)、緑(LaPO:Ce,Tb)および青(BaMgAl1627:Eu、Mn)の各色を発光する希土類蛍光体を混合したものを用いている。
ガラスバルブ22内には、約5mgの水銀21と、緩衝用希ガスとして常温における圧力250Paのアルゴン(Ar)と、圧力250Paのクリプトン(Kr)が封入されている。すなわち、本実施の形態では、希ガスとして、クリプトンが分圧比50%で封入されている。
なお、ガラスバルブ22内に封入する水銀21は、水銀単体のほかに、例えば亜鉛水銀、スズ水銀、ビスマス、インジウム水銀などのアマルガムの形態で封入してもよい。
ここで、45インチの液晶表示装置用バックライトユニットに使用する場合のランプ20の各寸法等の仕様について述べる。
ガラスバルブ22の管外径は12.0mm、管内径は10.0mm、全長Lは1010mm、電極間距離Leは950mm、管壁負荷Weは0.05(W/cm)である。なお、管壁負荷は、ランプ電力を、ガラスバルブ22のうち電極間距離Leに相当する部分の内表面積で除した値である。
さらに、緩衝用希ガスとして、常温における圧力500Paのアルゴン・クリプトン混合ガス(Ar50%+Kr50%)を封入する。なお、緩衝用希ガスの詳細については後述する。
なお、長寿命のランプを得るためには、このランプ20の管壁負荷Weは0.025〜0.07(W/cm)の範囲に規定することが好ましい。
管壁負荷が0.07(W/cm)より大きくなると、短時間で光束劣化が激しくなり長い寿命が得られない。また、0.025(W/cm)より小さくなると、必要な光束を得るためにランプ電力を固定したままではランプの管径が太くなり過ぎ、バックライトユニットの使用としては適さないからである。また、形状固定で電力を低減すると、放電維持が困難となる。
本発明者は、バックライトユニットの光源として用いられる熱陰極型放電ランプを長寿命にすべく鋭意研究を重ねた。本発明者は、緩衝用希ガスとしてクリプトンの分圧比を増大すると、ランプ寿命が長くなることに注目した。なお、クリプトンの分圧比を増大するとランプ寿命が長くなるのは、通常アルゴンを主として使うところを、アルゴンよりも原子量の大きいクリプトンの分圧比を大きくすることによって、電極コイルに塗布されているエミッタが電極コイルから飛散しにくくなるからである。ところが、クリプトンの封入量を増大すると、ランプ出力が低下するということが従来より知られており、そのためクリプトンの分圧比は15%程度とするのが限界であった。
しかしながら、本発明者の鋭意研究により、クリプトンの分圧比を増大するとランプ出力が低下するという問題は、熱陰極型放電ランプが常温の雰囲気中で点灯される場合に生じるものであり、バックライトユニットの筐体内に配されて点灯されると、熱により雰囲気の温度が50℃〜70℃程度となり、このような高温の雰囲気中で点灯される場合には、ランプ出力が低下するという問題は生じないことが見出された。
そこで、本発明者は、緩衝用希ガスとしてのクリプトンの分圧比をいくらにすれば好適であるかの検討を行った。図4は、緩衝用希ガスとしてのクリプトンの分圧比とランプ寿命との関係を示す表である。なお、図4の「調光30%時の移動縞」の欄の「○」は、移動縞が生じていない状態を示し、「X」は移動縞が生じていない状態を示している。また、「光束立ち上がり特性」の欄の「○」は良好である状態を示し、「△」は可である状態を示し、「×」は、不良である状態を示している。
ディスプレイとして従来から広く普及している陰極線管(Cathode Ray Tube:CRT)装置の寿命は約20000時間であるので、液晶ディスプレイのバックライトユニットの光源としては、少なくとも寿命が20000時間以上であることが望まれる。
図4より、緩衝用希ガスとしてのクリプトンの分圧比が20%以上であると、平均寿命が、20000時間を越えることがわかるので、クリプトンの分圧比は20%以上であることが必要とされる。また、クリプトンの分圧比が高まると、ランプ電圧が低下するので、 始動特性が向上すると共に、放電維持が容易になるというメリットも挙げられる。
さらに、ランプ20は、定格電力を一定(たとえば、20W)として、クリプトンの分圧比を増大させるほど、ランプ電圧が低下してランプ電流は増大する。ランプ点灯時には、電極コイル31a,31bに塗布されているエミッタから電子を放出させるために、電極コイル31a,31bを昇温させる必要があるが、ランプ電流のみでは、電極コイル31a,31bを十分に昇温させることができない。そこで、従来よりフィラメント電流を電極コイル31a,31bに別途通電しており、フィラメント電流の通電による発熱によって電極コイル31a,31bを昇温させている。すなわち、ランプ電流が低いほど、電極コイル31a,31bを昇温させるために、フィラメント電流をより多く流さなければならない。フィラメント電流はランプ電力に加えて、別途通電させているので、消費電力を抑えるという観点からは、できるだけランプ電流を増大させて、必要なフィラメント電流を小さくすることが望まれる。鋭意研究の末、本発明者は、クリプトンの分圧比を高めることによって、ランプ電圧を低下させて、ランプ電流を増大させることができるので、必要なフィラメント電流を少なくして、エネルギーロスを抑制できることを見出した。
ところで、クリプトンの分圧比が60%を超えると、ランプを調光することが少々困難になることが実験により判明したので、クリプトンの分圧比は60%以下であることが好適であるといえる。なお、クリプトンの分圧比が60%を超えると調光することが少々困難になるものの、クリプトンの分圧比が高くなるのにつれて寿命が長くなるので、長寿命化と良好な調光特性の要請を比較考量してクリプトンの分圧比を決定することが望ましい。
また、クリプトンは、アルゴンと比較して原子量が大きいため、クリプトンの分圧比が増大するほど、ガラスバルブ22に封入されている水銀が拡散しにくくなるため、ランプ始動時からの光束の立ち上がり特性が低下するので、この点からも希ガス内のクリプトンの分圧比は60%以下であることが好適である。なお、図4の光束立ち上がり特性は目視により確認した。
さらに、クリプトンは、アルゴンと比較して非常に高価であるので、必要以上にクリプトンを封入することは、無用なコストアップにつながるので、希ガス内のクリプトンの分圧比は60%以下であることが好適である。
加えて、希ガス内のクリプトンの分圧比が60%を超えると、ランプ調光点灯時にいわゆる移動縞が発生してしまう。図5は、ランプ調光点灯時に生じる移動縞を示す模式図であって、上述の移動縞を説明するための図である。
移動縞とは、ランプ20を点灯すると、ランプ20の一部あるいは全体に明るい部分と暗い部分が交互に表れて縞模様となり、これがランプ20のいずれか一方の管端部方向へ移動する現象をいう。 図5に示した例では、縞模様が紙面右側から左方向へ移動している様子を示している。
移動縞の発生原因は、現段階では明らかにはなっていないが、調光をしたり、クリプトンの分圧比を高めると移動縞が発生することが確認されている。本発明者の鋭意研究により、クリプトンの分圧比が60%を超えると移動縞の発生が顕著になることが明らかにされた。
上記において特に、ガラスバルブ22内に封入される希ガスには、クリプトンが45%以上の混合比で含まれていることがより望ましい。これにより、ランプ電圧が低下してランプ電流を増大させることができるので、非常に高効率のランプが得られるからである。
また、図4に示しているように、クリプトンの分圧比が55%を超えると、ランプ効率がやや低下することが実験により確認されているので、クリプトンの分圧比は、55%以下であることが望ましい。これは、クリプトンの分圧比が45%までは、ランプ電流の増大にともなって、フィラメント電流の低下によるエネルギーロスを抑制することができるが、クリプトンの分圧比が55%を超えると、ランプ電流自体が大きくなりすぎて、電極コイル31a,31bに通電された場合に熱として消費されてしまい、かえってエネルギーロスが増大してランプ効率が低下するからであると考えられる。
また、本実施の形態に係る熱陰極型放電ランプ(クリプトンの分圧比50%)を光源とするバックライトユニットを作成して試験を実施したところ、ランプ出力低下の問題は確認されなかった。また、図4に示すように熱陰極型放電ランプのランプ出力は約80lm/Wであるが、冷陰極型放電ランプのランプ出力は約50lm/Wであるので、光源として熱陰極型放電ランプを採用することによって、バックライトユニットの高効率化をはかることができる。
以上のように、本発明は、高効率で長寿命の熱陰極型蛍光ランプ、ランプユニット、および液晶表示装置を提供することができる。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明の内容が、上記の実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を考えることができる。
(1)上記においては、電極コイルのターン数を3ターンにしたが、これよりもターン数を多くして、電極コイルに塗布するエミッタの量を増やすことによって、寿命を長くすることができる。
ここで、ターン数を増やすには、電極コイル幅を長くする必要があり、これにともないガラスバルブの径を大きくすることが要求される。このとき、電極コイル長に合わせて、ガラスバルブの内径を断面円形状を保ったまま大きくするのではなく、ガラスバルブの断面を楕円等の扁平形状にして、長径と短径をもつ形状にすることが好ましい。
図6は変形例に係る熱陰極型放電ランプの図であって、図6(a)は管軸に平行な断面図、図6(b)は管軸に垂直な断面図である。
図6に示すように、ガラスバルブ42の断面を扁平形状にして、この扁平形状の長径方向に軸を向けて電極コイル51a,51bを配することによって、電極コイル51a,51bのターン数を増やすことができる。
ここで、電極コイル51a,51bの管軸と直交する方向における長さをL、ガラスバルブ42の長内径の長さをL1、短内径の長さをL2としたとき、L2<L<L1の関係を満たすことが好適である。これにより、ガラスバルブの厚み(短内径方向の厚さ)に対して、長寿命の熱陰極型放電ランプを得ることができる。
図7は、変形例に係る熱陰極型放電ランプの緩衝用希ガス中のクリプトンの分圧比とランプ寿命との関係を示す表である。上述したのと同様の理由により、クリプトンの分圧比は20%以上60%以下であることが好適である。特に、45%以上55%以下であることが望ましい。
変形例に係る熱陰極型放電ランプをバックライトユニットの光源として用いることにより、バックライトユニットの薄型化および高効率化をはかることができる。また、変形例に係るバックライトユニットを用いることにより、液晶表示装置の薄型化および高効率化をはかることができる。
(2)上記においては、緩衝用希ガスとして、アルゴン、クリプトンを封入したものについて説明したが、これらに加えて、ネオンやキセノンを封入してもよい。キセノンは原子量が大きため、電極コイルに塗布されているエミッタの飛散を抑制するので、キセノンを封入することにより、さらなる長寿命化がはかられる。
(3)上記においては、ガラスバルブは外観視直線状のものについて説明したがこれに限定されず、たとえば、ガラスバルブは、外観視U字状、コ字状等その他の形状をしていてもよい。
(4)上記においては、保護膜が形成されたものについて説明したが、保護膜が形成されていなくてもよい。
(5)上記においては、ランプユニットとして、バックライトユニットを例に挙げて説明したが、これに限定されず、たとえば、筐体と本実施形態に係る熱陰極型放電ランプとを備える一般照明ユニットであってもよい。
(6)上記においては、表示装置として液晶表示装置を例に挙げて説明したが、これに限定されず、表示装置としては、たとえば、本実施の形態の熱陰極型放電ランプを光源とする看板であってもよい。
本発明は、熱陰極蛍光ランプおよびバックライトユニットに広く適用することができる。また、本発明は、長寿命の熱陰極蛍光ランプを提供することができるので、その産業的利用価値は極めて高い。
本発明は、熱陰極型放電ランプ、当該熱陰極型放電ランプを光源として備えるランプユニット、および表示装置に関する。
現在、液晶ディスプレイのバックライトユニットの光源としては、冷陰極型放電ランプが主に採用されている。冷陰極型放電ランプは、細径化に適しているので、薄型化が要求されるバックライトユニットの光源として好適である。
特開昭56−73855号公報
ところで近年、液晶ディスプレイの大型化が進んでいる。これにともなうバックライトユニットの大型化により、光源として冷陰極型放電ランプを用いると、点灯回路が複雑になると共に、消費電力が高くなることが危惧されている。
そこで、冷陰極型放電ランプよりも高効率であり、点灯回路も簡素化できる熱陰極放電ランプをバックライトユニットの光源として採用することが検討され始めている。
しかしながら、熱陰極型放電ランプは、冷陰極型放電ランプよりランプ寿命が短く、寿命の点からバックライトユニットの光源として用いることは不適であるという問題がある。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、長寿命である熱陰極型放電ランプ、ランプユニット、および表示装置を提供することを目的としている。
本発明者は、バックライトユニット用の熱陰極型放電ランプを長寿命にすべく鋭意研究を行った。本発明者らは、緩衝用希ガスとしてクリプトンの分圧比を増大すると寿命が長くなることに注目した。ところが、クリプトンの封入量を増大すると、ランプ出力が低下するということが従来より知られており、そのためクリプトンの分圧比は15%程度とするのが限界であった。
しかしながら、本発明者は、クリプトンの分圧比を増大するとランプ出力が低下するという問題は、熱陰極放電ランプが常温の雰囲気中で点灯される場合に生じるものであり、バックライトユニットの筐体内に配されて50℃〜70℃程度の雰囲気中で点灯される場合には、ランプ出力の低下の問題は生じないことを見出した。
そこで、本発明に係る熱陰極型放電ランプは、希ガスが封入された外囲器を備え、筐体内に配設される熱陰極型放電ランプであって、前記希ガスには、クリプトンが分圧比で20%以上含まれていることを特徴としている。
上記構成では、希ガスとしてクリプトンが20%以上封入されているので、従来よりもランプ寿命が長くなるという効果が得られる。また、本発明に係る熱陰極型放電ランプは、筐体を有するランプユニットの光源として用いられ、ランプが配設される雰囲気が室温よりも高温であるので、クリプトンが封入されていてもランプ出力が高いという効果が得られる。また、クリプトンの分圧比が高まると、ランプ電圧が低下するので、 始動特性が向上すると共に、放電維持が容易になるというメリットも挙げられる。
ここで、前記クリプトンの分圧比は、60%以下であることであることが好適である。希ガス内のクリプトンの分圧比が60%を超えると、ランプを調光しづらくなるからである。また、クリプトンは、アルゴンと比較して原子量が大きいため、クリプトンの分圧比が増大するほど、前記外囲器に封入されている水銀が拡散して、ランプ始動時からの光束の立ち上がり特性が低下するので、希ガス内のクリプトンの分圧比は60%以下であることが好適である。さらに、クリプトンは、アルゴンと比較して非常に高価であるので、必要以上にクリプトンを封入することは、意味の無いコストアップにつながるので、希ガス内のクリプトンの分圧比は60%以下であることが好適である。加えて、希ガス内のクリプトンの分圧比が60%を超えると、ランプ調光点灯時にいわゆる移動縞が発生してしまうからである。
また、前記クリプトンの分圧比は、45%以上であることがより望ましい。これにより、ランプ電圧が低下してランプ電流を増大させることができ、非常に高効率のランプが得られるからである。
ここで、前記クリプトンの分圧比は、55%以下であることがより望ましい。クリプトンの分圧比が55%を超えると、ランプ出力が低下し始めることが実験により確認されているからである。
本発明に係るランプユニットは、筐体と、当該筐体内に配設される上記いずれかの熱陰極型放電ランプとを備えることを特徴としている。これにより、高効率で長寿命のランプユニットを得ることができる。
本発明に係る表示装置は、上記ランプユニットを光源として備えることを特徴としている。これにより、消費電力が低く、高効率で長寿命の表示装置を得ることができる。
本発明に係る他の表示装置は、筐体と、当該筐体内に配設される上記いずれかの熱陰極型放電ランプとを備えることを特徴としている。これにより、消費電力が低く、高効率で長寿命の表示装置を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態に係る熱陰極蛍光ランプ、バックライトユニット、および液晶表示装置について、図面を参照しながら説明する。
<液晶表示装置の構成>
はじめに、図1を参照しながら本実施の形態に係る液晶表示装置の構成について説明する。図1は、本発明に係る液晶表示装置を示す図であり、内部の様子がわかるように、一部を切り欠いている。
液晶表示装置1は、例えば、液晶カラーテレビであり、液晶画面ユニット3とバックライトユニット5とが筐体4に組み込まれてなる。液晶画面ユニット3は、例えば、カラーフィルタ基板、液晶、TFT基板、駆動モジュール等(図示せず)を備え、液晶画面ユニット3の外部からの画像信号に基づいてカラー画像を液晶画面ユニット3の画面6に表示する。
<バックライトユニットの構成>
はじめに、図2を参照しながら本実施の形態に係るバックライトユニットの構成について説明する。図2は、本実施の形態に係るアスペクト比16:9の液晶ディスプレイ用バックライトユニット5の構成を示す概略斜視図である。同図において内部の構造を示すために前面パネル16の一部を切り欠いて示している。
図2に示すように、バックライトユニット5は、複数の熱陰極型放電ランプ20と、開口部を有しこれらのランプ20を収納する筐体10と、この筐体10の開口部を覆う前面パネル16とを備える。
筐体10は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製であって、その内面11に銀などの金属が蒸着されて反射面が形成されている。
熱陰極型放電ランプ20は直管状をしており、本実施の形態では、14本のランプ20が筐体10内に直下方式で配設され、電気的に並列に接続されている。ランプ20は、図示しない点灯回路によって定電流制御される。なお、熱陰極型放電ランプ20の構成については後述する。
筐体10の開口部は、拡散板13、拡散シート14およびレンズシート15を積層してなる透光性の前面パネル16で覆われており、内部にちりや埃などの異物が入り込まないように密閉されている。
前面パネル16における拡散板13および拡散シート14は、ランプ20から発せられた光を散乱・拡散させるものであり、レンズシート15は、当該シート15の法線方向へ光をそろえるものであって、これらによりランプ20から発せられた光が前面パネル16の表面(発光面)の全体に亘り均一に前方を照射するように構成されている。
<熱陰極型放電ランプの構成>
つぎに、本発明の実施の形態に係る熱陰極型放電ランプについて説明する。図3は、本実施の形態に係る熱陰極型放電ランプ(以下、単に「ランプ」という場合もある。)20の構成を示す断面図である。
ランプ20は、直管状のガラスバルブ(外囲器)22と、ガラスバルブ22内の両端に配設された一対の電極30a,30bとを有している。ガラスバルブ22は、バリウム・ストロンチウムシリケートガラス(軟化点675℃の軟質ガラス)製である。
また、ガラスバルブ22の一端(図中では左側端部)には、排気管28が封着されている。この排気管28は、ガラスバルブ22内を排気したり希ガスを封入するときに使用され、排気・封入の後に封着されたものである。排気管28をガラスバルブ22の両端ではなく一端に設けることにより、最冷点制御がし易くなる。つまり両端に設けると最冷点箇所がどちらにできるか分からないためである。
排気管28のうち外部に突出した部分の長さLiは10mmとしている。ここで、この長さLiは5mm以上30mm以下が好ましく、15mm以上30mm以下がより好ましい。5mm未満であると封止切りが困難となってしまう。15mm以上30mm以下であると最冷点箇所の制御により効率を向上することができる。30mmを超えると長くなる分、割れやすくなったり、光らない部分が多くなり商品価値が低下する。また、30mmを超えて長くしても、それ以上の効率向上は望めないためである。
電極30a,30bは、いわゆるガラスビーズマウント方式のものであり、ガラスバルブ22にピンチシール(圧壊封止)されている。また、電極コイル30a,30bは、トリプルコイルで3ターンの電極コイル31a,31bと、この電極コイル31a,31bを架持する一対のリード線32a,32b,33a,33bと、このリード線32a,32b,33a,33bを保持するビーズガラス34a,34bとからなる。電極コイル31a,31bは、例えばタングステン製であり、エミッタとして、ストロンチウム、カルシウム、バリウムの酸化物が塗布されている。
ガラスバルブ22の内面には、アルミナからなる保護膜24が形成されている。保護膜24上には、蛍光体層26が積層されている。蛍光体層26中の蛍光体としては、赤(Y:Eu)、緑(LaPO:Ce,Tb)および青(BaMgAl1627:Eu、Mn)の各色を発光する希土類蛍光体を混合したものを用いている。
ガラスバルブ22内には、約5mgの水銀21と、緩衝用希ガスとして常温における圧力250Paのアルゴン(Ar)と、圧力250Paのクリプトン(Kr)が封入されている。すなわち、本実施の形態では、希ガスとして、クリプトンが分圧比50%で封入されている。
なお、ガラスバルブ22内に封入する水銀21は、水銀単体のほかに、例えば亜鉛水銀、スズ水銀、ビスマス、インジウム水銀などのアマルガムの形態で封入してもよい。
ここで、45インチの液晶表示装置用バックライトユニットに使用する場合のランプ20の各寸法等の仕様について述べる。
ガラスバルブ22の管外径は12.0mm、管内径は10.0mm、全長Lは1010mm、電極間距離Leは950mm、管壁負荷Weは0.05(W/cm)である。なお、管壁負荷は、ランプ電力を、ガラスバルブ22のうち電極間距離Leに相当する部分の内表面積で除した値である。
さらに、緩衝用希ガスとして、常温における圧力500Paのアルゴン・クリプトン混合ガス(Ar50%+Kr50%)を封入する。なお、緩衝用希ガスの詳細については後述する。
なお、長寿命のランプを得るためには、このランプ20の管壁負荷Weは0.025〜0.07(W/cm)の範囲に規定することが好ましい。
管壁負荷が0.07(W/cm)より大きくなると、短時間で光束劣化が激しくなり長い寿命が得られない。また、0.025(W/cm)より小さくなると、必要な光束を得るためにランプ電力を固定したままではランプの管径が太くなり過ぎ、バックライトユニットの使用としては適さないからである。また、形状固定で電力を低減すると、放電維持が困難となる。
本発明者は、バックライトユニットの光源として用いられる熱陰極型放電ランプを長寿命にすべく鋭意研究を重ねた。本発明者は、緩衝用希ガスとしてクリプトンの分圧比を増大すると、ランプ寿命が長くなることに注目した。なお、クリプトンの分圧比を増大するとランプ寿命が長くなるのは、通常アルゴンを主として使うところを、アルゴンよりも原子量の大きいクリプトンの分圧比を大きくすることによって、電極コイルに塗布されているエミッタが電極コイルから飛散しにくくなるからである。ところが、クリプトンの封入量を増大すると、ランプ出力が低下するということが従来より知られており、そのためクリプトンの分圧比は15%程度とするのが限界であった。
しかしながら、本発明者の鋭意研究により、クリプトンの分圧比を増大するとランプ出力が低下するという問題は、熱陰極型放電ランプが常温の雰囲気中で点灯される場合に生じるものであり、バックライトユニットの筐体内に配されて点灯されると、熱により雰囲気の温度が50℃〜70℃程度となり、このような高温の雰囲気中で点灯される場合には、ランプ出力が低下するという問題は生じないことが見出された。
そこで、本発明者は、緩衝用希ガスとしてのクリプトンの分圧比をいくらにすれば好適であるかの検討を行った。図4は、緩衝用希ガスとしてのクリプトンの分圧比とランプ寿命との関係を示す表である。なお、図4の「調光30%時の移動縞」の欄の「○」は、移動縞が生じていない状態を示し、「X」は移動縞が生じていない状態を示している。また、「光束立ち上がり特性」の欄の「○」は良好である状態を示し、「△」は可である状態を示し、「×」は、不良である状態を示している。
ディスプレイとして従来から広く普及している陰極線管(Cathode Ray Tube:CRT)装置の寿命は約20000時間であるので、液晶ディスプレイのバックライトユニットの光源としては、少なくとも寿命が20000時間以上であることが望まれる。
図4より、緩衝用希ガスとしてのクリプトンの分圧比が20%以上であると、平均寿命が、20000時間を越えることがわかるので、クリプトンの分圧比は20%以上であることが必要とされる。また、クリプトンの分圧比が高まると、ランプ電圧が低下するので、 始動特性が向上すると共に、放電維持が容易になるというメリットも挙げられる。
さらに、ランプ20は、定格電力を一定(たとえば、20W)として、クリプトンの分圧比を増大させるほど、ランプ電圧が低下してランプ電流は増大する。ランプ点灯時には、電極コイル31a,31bに塗布されているエミッタから電子を放出させるために、電極コイル31a,31bを昇温させる必要があるが、ランプ電流のみでは、電極コイル31a,31bを十分に昇温させることができない。そこで、従来よりフィラメント電流を電極コイル31a,31bに別途通電しており、フィラメント電流の通電による発熱によって電極コイル31a,31bを昇温させている。すなわち、ランプ電流が低いほど、電極コイル31a,31bを昇温させるために、フィラメント電流をより多く流さなければならない。フィラメント電流はランプ電力に加えて、別途通電させているので、消費電力を抑えるという観点からは、できるだけランプ電流を増大させて、必要なフィラメント電流を小さくすることが望まれる。鋭意研究の末、本発明者は、クリプトンの分圧比を高めることによって、ランプ電圧を低下させて、ランプ電流を増大させることができるので、必要なフィラメント電流を少なくして、エネルギーロスを抑制できることを見出した。
ところで、クリプトンの分圧比が60%を超えると、ランプを調光することが少々困難になることが実験により判明したので、クリプトンの分圧比は60%以下であることが好適であるといえる。なお、クリプトンの分圧比が60%を超えると調光することが少々困難になるものの、クリプトンの分圧比が高くなるのにつれて寿命が長くなるので、長寿命化と良好な調光特性の要請を比較考量してクリプトンの分圧比を決定することが望ましい。
また、クリプトンは、アルゴンと比較して原子量が大きいため、クリプトンの分圧比が増大するほど、ガラスバルブ22に封入されている水銀が拡散しにくくなるため、ランプ始動時からの光束の立ち上がり特性が低下するので、この点からも希ガス内のクリプトンの分圧比は60%以下であることが好適である。なお、図4の光束立ち上がり特性は目視により確認した。
さらに、クリプトンは、アルゴンと比較して非常に高価であるので、必要以上にクリプトンを封入することは、無用なコストアップにつながるので、希ガス内のクリプトンの分圧比は60%以下であることが好適である。
加えて、希ガス内のクリプトンの分圧比が60%を超えると、ランプ調光点灯時にいわゆる移動縞が発生してしまう。図5は、ランプ調光点灯時に生じる移動縞を示す模式図であって、上述の移動縞を説明するための図である。
移動縞とは、ランプ20を点灯すると、ランプ20の一部あるいは全体に明るい部分と暗い部分が交互に表れて縞模様となり、これがランプ20のいずれか一方の管端部方向へ移動する現象をいう。 図5に示した例では、縞模様が紙面右側から左方向へ移動している様子を示している。
移動縞の発生原因は、現段階では明らかにはなっていないが、調光をしたり、クリプトンの分圧比を高めると移動縞が発生することが確認されている。本発明者の鋭意研究により、クリプトンの分圧比が60%を超えると移動縞の発生が顕著になることが明らかにされた。
上記において特に、ガラスバルブ22内に封入される希ガスには、クリプトンが45%以上の混合比で含まれていることがより望ましい。これにより、ランプ電圧が低下してランプ電流を増大させることができるので、非常に高効率のランプが得られるからである。
また、図4に示しているように、クリプトンの分圧比が55%を超えると、ランプ効率がやや低下することが実験により確認されているので、クリプトンの分圧比は、55%以下であることが望ましい。これは、クリプトンの分圧比が45%までは、ランプ電流の増大にともなって、フィラメント電流の低下によるエネルギーロスを抑制することができるが、クリプトンの分圧比が55%を超えると、ランプ電流自体が大きくなりすぎて、電極コイル31a,31bに通電された場合に熱として消費されてしまい、かえってエネルギーロスが増大してランプ効率が低下するからであると考えられる。
また、本実施の形態に係る熱陰極型放電ランプ(クリプトンの分圧比50%)を光源とするバックライトユニットを作成して試験を実施したところ、ランプ出力低下の問題は確認されなかった。また、図4に示すように熱陰極型放電ランプのランプ出力は約80lm/Wであるが、冷陰極型放電ランプのランプ出力は約50lm/Wであるので、光源として熱陰極型放電ランプを採用することによって、バックライトユニットの高効率化をはかることができる。
以上のように、本発明は、高効率で長寿命の熱陰極型蛍光ランプ、ランプユニット、および液晶表示装置を提供することができる。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明の内容が、上記の実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を考えることができる。
(1)上記においては、電極コイルのターン数を3ターンにしたが、これよりもターン数を多くして、電極コイルに塗布するエミッタの量を増やすことによって、寿命を長くすることができる。
ここで、ターン数を増やすには、電極コイル幅を長くする必要があり、これにともないガラスバルブの径を大きくすることが要求される。このとき、電極コイル長に合わせて、ガラスバルブの内径を断面円形状を保ったまま大きくするのではなく、ガラスバルブの断面を楕円等の扁平形状にして、長径と短径をもつ形状にすることが好ましい。
図6は変形例に係る熱陰極型放電ランプの図であって、図6(a)は管軸に平行な断面図、図6(b)は管軸に垂直な断面図である。
図6に示すように、ガラスバルブ42の断面を扁平形状にして、この扁平形状の長径方向に軸を向けて電極コイル51a,51bを配することによって、電極コイル51a,51bのターン数を増やすことができる。
ここで、電極コイル51a,51bの管軸と直交する方向における長さをL、ガラスバルブ42の長内径の長さをL1、短内径の長さをL2としたとき、L2<L<L1の関係を満たすことが好適である。これにより、ガラスバルブの厚み(短内径方向の厚さ)に対して、長寿命の熱陰極型放電ランプを得ることができる。
図7は、変形例に係る熱陰極型放電ランプの緩衝用希ガス中のクリプトンの分圧比とランプ寿命との関係を示す表である。上述したのと同様の理由により、クリプトンの分圧比は20%以上60%以下であることが好適である。特に、45%以上55%以下であることが望ましい。
変形例に係る熱陰極型放電ランプをバックライトユニットの光源として用いることにより、バックライトユニットの薄型化および高効率化をはかることができる。また、変形例に係るバックライトユニットを用いることにより、液晶表示装置の薄型化および高効率化をはかることができる。
(2)上記においては、緩衝用希ガスとして、アルゴン、クリプトンを封入したものについて説明したが、これらに加えて、ネオンやキセノンを封入してもよい。キセノンは原子量が大きため、電極コイルに塗布されているエミッタの飛散を抑制するので、キセノンを封入することにより、さらなる長寿命化がはかられる。
(3)上記においては、ガラスバルブは外観視直線状のものについて説明したがこれに限定されず、たとえば、ガラスバルブは、外観視U字状、コ字状等その他の形状をしていてもよい。
(4)上記においては、保護膜が形成されたものについて説明したが、保護膜が形成されていなくてもよい。
(5)上記においては、ランプユニットとして、バックライトユニットを例に挙げて説明したが、これに限定されず、たとえば、筐体と本実施形態に係る熱陰極型放電ランプとを備える一般照明ユニットであってもよい。
(6)上記においては、表示装置として液晶表示装置を例に挙げて説明したが、これに限定されず、表示装置としては、たとえば、本実施の形態の熱陰極型放電ランプを光源とする看板であってもよい。
本発明は、熱陰極蛍光ランプおよびバックライトユニットに広く適用することができる。また、本発明は、長寿命の熱陰極蛍光ランプを提供することができるので、その産業的利用価値は極めて高い。
図1は、本実施の形態に係るアスペクト比16:9の液晶ディスプレイの構成を示す概略斜視図である。 図2は、 本実施の形態に係る液晶ディスプレイ用バックライトユニットの構成を示す概略斜視図である。 図3は、本実施の形態に係る熱陰極型放電ランプの構成を示す断面図である。 図4は、緩衝用希ガス中のクリプトンの分圧比とランプ寿命との関係を示す表である。 図5は、ランプ調光点灯時に生じる移動縞を示す模式図である。 図6は、変形例に係る熱陰極型放電ランプの構成を示す断面図である。 図7は、変形例に係る熱陰極型放電ランプの緩衝用希ガス中のクリプトンの分圧比とランプ寿命との関係を示す表である。
符号の説明
1 バックライトユニット
10 筐体
20 熱陰極型放電ランプ
22 ガラスバルブ
31a,31b 電極コイル

Claims (7)

  1. 希ガスが封入された外囲器を備え、ランプユニットの筐体内に配設される熱陰極型放電ランプであって、
    前記希ガスには、クリプトンが分圧比で20%以上含まれていること
    を特徴とする熱陰極型放電ランプ。
  2. 前記クリプトンの分圧比は、60%以下であることを特徴とする請求項1記載の熱陰極型放電ランプ。
  3. 前記クリプトンの分圧比は、45%以上であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の熱陰極型放電ランプ。
  4. 前記クリプトンの分圧比は、55%以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の熱陰極型放電ランプ。
  5. 筐体と、
    当該筐体内に配設される請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の熱陰極型放電ランプと
    を備えることを特徴とするランプユニット。
  6. 請求項5記載のランプユニットを光源として備えることを特徴とする表示装置。
  7. 筐体と、
    当該筐体内に配設される請求項1から請求項4記載のいずれか1項に記載の熱陰極型放電ランプと
    を備えることを特徴とする表示装置。
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