JPWO2007011064A1 - 現像剤担持体及び現像装置 - Google Patents
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Abstract
Description
近年、プリンターや複写機などの電子写真装置は、技術の方向としてより高解像度化しており、例えば、従来300dpi、600dpiであったものが1200dpi、2400dpiとなってきている。従って現像方式もこれにともなってより高精細が要求されてきている。
さらに、電子写真の分野において、カラー化が急速に進んでいる。カラー画像は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを適宜重ねて現像することにより形成されるため、各色トナーには単色の時よりも高い現像特性が求められる。そのため、カラートナーの帯電性を均一に制御することが重要となってきている。
しかし、トナーの帯電の調整が難しく、トナーによる工夫が種々行われているものの、特に一成分現像方式の場合、トナー帯電の不均一性や帯電の耐久安定性を更に向上させることが求められている。
特に、現像スリーブの如き現像剤担持体が繰り返し回転を行っているうちに、該現像スリーブ上にコーティングされたトナーの帯電量が現像スリーブとの接触により高くなりすぎる、所謂、チャージアップ現象が起こりやすくなる。そうなると、トナーが現像スリーブ表面に非常に強く引き付けられて現像スリーブ表面上で不動状態となり、現像スリーブから感光ドラム上の潜像に移動しなくなる。この様なチャージアップ現象が発生すると、現像スリーブ表面のトナー層において、上層のトナーは帯電しにくくなるため、トナーの現像量が低下するため、ライン画像の細りやベタ画像の画像濃度低下が生じやすくなる。さらに、チャージアップ現象により適正に帯電されないトナーが現像スリーブ上に流出し、スジ状、斑点状または波状のムラとなる現象も発生することがある。
また、トナーは、最近では電子写真装置のデジタル化、更なる高画質化のために、小粒径化が図られたり、廃トナーを軽減させるために、形状を球形に近づけることが図られている。
しかしながら、小粒径化及び球形化されたトナーを用いた場合、流動性が向上する一方、現像スリーブ上のトナーを均一な薄層にコーティングし難くなる傾向がある。従って、このようなトナーを均一に現像スリーブ上にコーティングするためには、現像ブレードの如き現像剤層厚規制部材によりトナーの規制力を高めることが必要となる。特に低温低湿下においては、トナーの単位質量当たりの電荷量が増えやすくなる。そのため、トナーの帯電が不均一になって濃度低下や濃度ムラを発生しやすくなると共に、現像スリーブ上に強く付着したトナーが融着に成長してカブリや縦スジ等の画像不良を引き起こす場合がある。
また高温高湿下においては、低温定着性を向上させるためにトナーが物理的な力と熱で流動化しやすい材料を用いているので、複写を重ねるにつれてトナーが繰り返し現像スリーブ及び現像ブレードとの間で摩擦されてストレスを受けた結果、現像スリーブ表面や現像ブレード表面へのトナー融着が促進されて、カブリ、画像濃度ムラ及び縦スジの画像不良が著しく悪化しやすくなる。
一方、この様な現象を解決する方法として、特開平08−240981号公報には、カーボンブラック、グラファイトのような導電性物質や固体潤滑剤分散させてなる樹脂被覆層が金属基体上に設けた現像スリーブを用いることが開示されている。
このような現像剤担持体を用いることにより、上記したチャージアップ現象は大幅に軽減され、さらに高温高湿化での現像スリーブ表面へのトナー融着も軽減されることが認められる。
しかしながら、上記の現像剤担持体においては、樹脂被覆層表面の凹凸形状が均一でなく、また、樹脂被覆層表面の潤滑性も十分に均一でないために、トナーへ均一且つ迅速に帯電を付与する帯電特性をさらに向上させる必要がある。また、長期間の耐久的な使用において、特に球形化されたトナーを用いた場合には、樹脂被覆層表面の不均一な凸部分の影響や樹脂被覆層表面の不均一な潤滑性が原因で、樹脂被覆層表面の一部がトナー融着を発生しやすくなっている。そのため、トナーの摩擦帯電の不均一化によるカブリの悪化や画像濃度ムラ、スリーブゴースト及びスジ状の画像欠陥を発生する場合があることから、改良の余地がある。
特に、グラファイトのような固体潤滑剤を分散させた樹脂被覆層を有する現像剤担持体を用いた場合は、樹脂被覆層表面がグラファイトの燐片状の構造に起因する潤滑性を有するようになるので、チャージアップによるスリーブゴーストに対しては十分な効果を発揮する。しかしながら、グラファイトの粒子の形状が燐片状で不定形であること、及び、粒径が2〜30μmと大きく且つ粒度分布もブロードであるために被覆樹脂中での分散が均一に行われにくい。その結果、グラファイトのみを多く含有した樹脂被覆層の表面の形状は不均一となり、樹脂被覆層表面でのグラファイト自体の摩耗や脱離及び局部的な潤滑性不良が発生しやすい。そのため、耐久使用をした場合に樹脂被覆層の磨耗を生じて表面粗さや表面組成が変化すると共にトナー汚染が発生し、トナーの搬送不良やトナーへの帯電付与の不均一化が起こりやすくなる。
また、導電性物質として、ケッチェンブラックやアセチレンブラックのような高導電性を有する特定のカーボンブラックを現像剤担持体の樹脂被覆層に用いる方法も開示されている。例えば、特開2001−331032号公報には、ケッチェンブラックを含有する樹脂被覆層を有する現像ローラが開示されており、また特許登録第2795168号公報には、アセチレンブラックを含有する弾性層を有する現像ローラが開示されている。
一般にカーボンブラックは、粒子径が小さく、比表面積が大きく、ストラクチャーが発達している。そのため、高いDBP吸油量を有している。ライオン株式会社ホームページ、“カーボンブラック「ケッチェンブラック」のご紹介”〔2002年9月21日検索〕インターネット
<URL:http://www.lion.co.jp/chem/jn/sectop/carbon/k_intro.htm>によると、ケッチェンブラックEC300Jは360ml/100g、ケッチェンブラックEC600JDは495ml/100gというように高いDBP吸油量を有している。しかしながら、ケッチェンブラックのような高いDBP吸油量を有するカーボンブラックは樹脂被覆層中に均一に分散しにくいため、トナーへのチャージアップ抑制効果が十分発揮されず、トナーの帯電が不均一化しやすくなると共にケッチェンブラックの凝集を起点にして現像バイアスのリークが発生しやすくなる。また、ケッチェンブラックのようなカーボンブラックでは樹脂被覆層への潤滑性付与が不十分となり、長期使用中に樹脂被覆層表面にトナーが融着しやすくなり、この面からも、トナーの帯電が不均一となりやすい。さらに、ケッチェンブラックは湿度により抵抗が変動しやいので、特に高温高湿下でトナーへの帯電付与性が低下してしまうことがある。
一方、アセチレンブラックは、アセチレンの不完全燃焼によって得られるカーボンブラックであり、通常、熱分解や燃焼法によって製造される。(株)技術情報協会発行「カーボンブラックの特性と最適配合及び利用技術」1997年5月26日発行、p.284に記載されているように、このアセチレンブラックも、DBP吸油量が250ml/100gと高く、また、ストラクチャーも発達している。このストラクチャーが互いに接触して導電回路を形成することで、導電性を発現させているが、高いDBP吸油量を有するであるために、上記ケッチェンブラックと同様に、樹脂被覆層中に均一に分散しにくく、トナーのチャージアップ現象の抑制が不十分となりやすくて、トナーの帯電が不均一となりやすい。さらに、樹脂被覆層への潤滑性付与も不十分であるために、長期使用中に樹脂被覆層表面にトナーが融着しやすくなり、やはり、トナーの帯電が不均一となりやすい。
また、特開平07−013415号公報には、カーボンブラックや結晶性グラファイトのような導電性微粉末に加えて、イオン導電剤を分散させた樹脂被覆層を基体上に設けた現像ローラが開示されている。この方法では、イオン導電剤の添加によりトナーのチャージアップ現象の抑制には効果が見られるが、イオン導電剤は湿度依存性が高い。そのため、樹脂被覆層の抵抗値が大きく変動することになり、特に高温高湿下でトナーの帯電量が減少して、長期使用中の濃度安定性やカブリに関しては、まだ不十分である。
また、本発明は、高温高湿及び低温低湿環境下においても、画像濃度低下、画像濃度ムラ、縦スジ及びカブリの問題が発生せず、画像濃度が高い高品位の画像を安定して得ることのできる現像剤担持体及び現像装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、粒径の小さいトナーや球形化度の高いトナーを用いて画像形成を行った場合に現れ易いトナーのチャージアップ現象を抑制し、現像剤担持体表面や現像剤層厚規制部材表面へのトナーの融着を軽減させることにより、トナーを有する現像剤の均一なコーティング状態を維持し、現像剤を均一かつ迅速に摩擦帯電させることで画像濃度低下や濃度ムラ、スリーブゴースト、カブリ及び縦スジのない高品位の画像を得られる現像剤担持体及び現像装置を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、以下の手段によって達成される。
静電潜像担持体に担持された静電潜像を現像するためのトナーを有する現像剤を担持する現像剤担持体であって、該現像剤担持体は、少なくとも基体及び該基体表面に樹脂被覆層を有し、該樹脂被覆層は少なくとも結着樹脂とカーボンブラックとを含有し、該カーボンブラックのX線回折により測定される黒鉛(002)面の面間隔が0.3370nm以上0.3450nm以下である現像剤担持体。
本発明によれば、現像剤担持体上の樹脂被覆層の潤滑性や耐磨耗性が優れているため、長期間にわたる連続複写においても、トナーのチャージアップが発生せず、現像剤担持体表面や現像剤層厚規制部材表面へのトナーの融着を防止してトナーを有する現像剤の均一なコーティング状態を維持し、かつトナーを均一且つ迅速に摩擦帯電させることができ、これにより、耐久性の要求される使用条件下の下で画像濃度低下や濃度ムラ、スリーブゴースト、カブリ及び縦スジのない高品位の画像を得られる現像剤担持体及び現像装置が提供することができる。
図2は、磁性トナーを有する磁性一成分現像剤を用いた場合の、本発明の現像剤担持体を有する現像装置の他の実施形態を示す模式図である。
図3は、磁性トナーを有する磁性一成分現像剤を用いた場合の、本発明の現像剤担持体を有する現像装置の他の実施形態を示す模式図である。
図4は、非磁性トナーを有する非磁性一成分現像剤を用いた場合の、本発明の現像剤担持体を有する現像装置の実施形態を示す模式図である。
図5は、スリーブゴーストの評価用の標準チャート(A4サイズの用紙を使用)を示す図である。
図6は、現像剤担持体の樹脂被覆層のX線回折により測定されるX線回折チャートの一例を示す図である。
まず、本発明の現像剤担持体について説明する。
本発明の現像剤担持体は、静電潜像担持体に担持された静電潜像を現像するためのトナーを有する現像剤を担持する現像剤担持体であって、該現像剤担持体は、少なくとも基体及び該基体表面に樹脂被覆層を有し、該樹脂被覆層は少なくとも結着樹脂とカーボンブラックとを含有し、該カーボンブラックのX線回折により測定される黒鉛(002)面の面間隔[d(002)]が0.3370nm以上0.3450nm以下である現像剤担持体であることが必須である。
カーボンブラックのX線回折により測定される黒鉛(002)面の面間隔(以下、d(002)とも称する)が0.3370nm以上0.3450nm以下であると、樹脂被覆層表面の潤滑性や導電性が均一に形成されやすく、さらに耐久による樹脂被覆層表面の変化も生じにくくなる。そのため、現像剤担持体はトナーのチャージアップを長期にわたって抑制する効果が発揮され、トナーの現像剤担持体表面への融着が発生し難く、かつ、安定して現像剤が均一に帯電される。なお、このカーボンブラックのX線回折により測定されるX線回折パターン2θは、25.84°以上26.46°以下にメインピークを有する。
d(002)が0.3370nm未満であるカーボンブラックを得ることは、結晶化が困難であるため、製造することが困難である。、また、d(002)が0.3450nmを超えるカーボンブラックを用いた場合、樹脂被覆層の潤滑性や導電性が不十分となり、トナーへのチャージアップの抑制効果や現像剤担持体表面へのトナーの融着を軽減する効果が損なわれてしまう。
カーボンブラックのd(002)を0.3370nm以上0.3450nm以下となるように制御するためには、カーボンブラックを黒鉛化処理することが好ましい。
従来、樹脂被膜層の抵抗値は、樹脂被覆層中に含有させる導電性を有する物質の種類と量で調整されてきた。その中でもカーボンブラックが、添加量をコントロールするだけで、ある程度任意の導電性を達成することができるため、広く用いられてきた。しかし、カーボンブラックを使用した場合、添加量が少ないと樹脂被覆層の抵抗値を所望のレベルに下げることが困難であったり、現像剤担持体表面の樹脂被覆層へのトナーの付着が発生したりして、トナーへの帯電付与が阻害されることがしばしばであった。一方、カーボンブラックの添加量を多くすると、樹脂被覆層の表面に存在するカーボンブラックの比率が高くなり、導電性は十分とすることが可能であるが、逆に、樹脂被覆層の強度が低下することがあった。そのため、長期間使用した際の耐摩耗性を維持することができなかった。さらに、樹脂被覆層を形成する際に塗料へのカーボンブラックの添加量を多くすると、カーボンブラックを塗料樹脂液へ分散させる時において塗料液の粘度が高くなり、カーボンブラックやその他塗料中の成分が均一な分散が得にくくなる。その結果、形成された樹脂被覆層中におけるカーボンブラックの分布が不均一となり、耐リーク性及び均一なトナーへの帯電付与性に問題を生じる。
これに対して、d(002)が0.3370nm以上0.3450nm以下であるカーボンブラックは、従来のカーボンブラックの結晶性を黒鉛に近づけたものである。従って、このカーボンブラックを樹脂被覆層中に含有させた場合、より均一な帯電特性を有する樹脂被覆層を実現し得ることができる。特にカーボンブラックの結晶性が高いものほど、上記のような特性をより高めることが可能となる。
本発明に用いられる黒鉛化処理されたカーボンブラック(以下、黒鉛化カーボンブラックとも称する)は、従来のカーボンブラックを熱処理して黒鉛化させて得られるものである。このようにして得られる黒鉛化カーボンブラックは、表面に官能基が存在せずに導電性が良好であり、不純物(例えば硫黄、塩素等)含有量も極めて少なく、かつ水分の吸着性が小さいため、環境による導電特性の変化が少ない特徴がある。その上、黒鉛化カーボンブラックは、表面が潤滑特性に優れた黒鉛結晶構造に移行しているので、これを含有する樹脂被覆層を有する現像剤担持体の表面は、トナーによる汚染が発生し難くなる。従って、黒鉛化カーボンブラックを現像剤担持体表面の樹脂被覆層中に含有させると少ない添加量で現像剤のチャージアップを防止することができると共に樹脂被覆層の強度も向上し、安定して現像剤を均一に帯電することが可能となる。
本発明に用いられる黒鉛化カーボンブラックの原料となるカーボンブラックとしては、従来知られているファーネス法、チャンネル法またはサーマル法で製造されたカーボンブラック、ランプブラック、サーマルブラック、チャネルブラック及び種々の副生カーボンブラックをいずれでも使用することができる。本発明においては、先に述べた理由によって、これらのカーボンブラックを黒鉛化処理などにより、d(002)を0.3370nm以上0.3450nm以下にしたカーボンブラックを使用する。なお、各種カーボンブラックを黒鉛化処理したものを使用することが、樹脂被覆層の安定のために望ましい。
カーボンブラックの黒鉛化処理は、カーボンブラックを黒鉛るつぼに充填して通常のアチソン炉又は高周波炉に入れ、非酸化性雰囲気下で加熱することにより行なえる。黒鉛化時の温度は1700℃〜3200℃の範囲に設定することが好ましく、この範囲を下回ると黒鉛化が十分に進行しなくなり、この範囲を超える加熱は不要である。
また、このような黒鉛化カーボンブラックの結晶化度の調整は、黒鉛化する際の温度を1700℃〜3200℃の範囲で変化させることで行なえる。
また、本発明に用いられるカーボンブラックは、その平均一次粒径が10nm以上100nm以下であることが好ましく、12nm以上80nm以下であることがより好ましい。平均一次粒径が10nm未満であるとカーボンブラックを黒鉛化する際に十分に結晶性が進行しにくくなる。また、カーボンブラックを分散させる際に粒子同士の凝集性が高まり、塗料樹脂と共に分散させて得られる塗料液の粘度が高くなり、塗料液中でのカーボンブラックの分散が不均一になる場合がある。一方、平均一次粒径が100nmを超える場合は、塗料液へカーボンブラックを均一に分散することが難くなる。その結果、樹脂被覆層表面にカーボンブラックの分布に偏りが発生し、カーボンブラックの存在が少ない部分の樹脂被覆層表面での導電性や潤滑性が劣り、現像剤担持体の現像特性に偏りが生じることがある。また、カーボンブラックの大きな粒子を核として、樹脂被覆層の磨耗や現像バイアスのリークが発生する場合がある。
また、本発明に使用するカーボンブラックは、DBP吸油量が50ml/100g以上200ml/100g以下であることが好ましく、50ml/100g以上150ml/100g以下であることがより好ましい。DBP吸油量は、カーボンブラックの凝集状態の目安であるストラクチャーのパラメーターとして示されるものであって、上記の範囲内であれば優れた導電性と分散性を有する。これにより、現像剤担持体表面に形成された樹脂被覆層中でのカーボンブラックの偏りや凝集が少なく、均一な導電性が付与され、トナーへの良好な帯電付与や耐リーク性及び耐磨耗性の向上が可能となる。なお、本発明においてカーボンブラックのDBP吸油量はJIS K6217−1997にしたがって測定した。
DBP吸油量が200ml/100gを超えるようなストラクチャーの発達したカーボンブラックを用いると、樹脂被覆層を形成する際に塗料の分散工程において塗料の粘度が増加して分散が均一化されず、樹脂被覆層中でのカーボンブラックの凝集により、現像バイアスのリークの発生や樹脂被覆層の強度低下等が発生しやすくなり、良好な現像性を得ることが困難になってしまう場合がある。
また、DBP吸油量が50ml/100g未満だと、樹脂被覆層を形成する際に塗料中でのカーボンブラックの分散安定性が悪くなり、樹脂被覆層表面の均一な導電性や潤滑性が低下し、現像剤のチャージアップを引き起こしやすくなると共に、現像剤の帯電の不均一化による画像濃度の低下やカブリ、濃度ムラ等の悪化を招きやすい。
さらに本発明で使用するカーボンブラックは、BET比表面積が500m2/g以下であることが好ましく、300m2/g以下であることがより好ましい。BET比表面積が500m2/gを超えると、樹脂被覆層を形成する際の塗料の粘度が増加して分散が均一化されず、樹脂被覆層中でのカーボンブラックの凝集による現像バイアスのリークの発生や樹脂被覆層の強度低下が発生しやすくなり、現像性を悪化させる場合がある。
さらに、本発明では、黒鉛化カーボンブラックの表面に有機基を共有結合させて、その表面を改質処理したものを利用してもよい。このようにすれば、黒鉛化されたカーボンブラックの表面に有機基が共有結合された状態で存在するので、カーボンブラックの被覆樹脂に対する親和力が向上し、黒鉛化されたカーボンブラックの分散性を良好なものとすることができる。この結果、得られる樹脂被覆層の帯電付与性や耐磨耗性を一段と向上させることが可能となり、電子写真の画像品質を格段に向上させることができる。
黒鉛化カーボンブラックの表面を改質処理する方法として、例えば、チタン、アルミニウム、ジルコニウムまたはケイ素の如き元素を有する有機金属化合物によって行なう方法、及び、ラジカル重合開始剤の存在下に加熱する方法が挙げられる。この際に使用する有機金属化合物としては、具体的には、以下のものが挙げられる。チタンキレート化合物、チタンカップリング剤、アルミニウムキレート化合物、アルミニウムカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤、シランカップリング剤。ラジカル重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物、アゾ化合物、過硫酸塩化合物が挙げられる。なお、これらの化合物は単独で使用しても、組み合わせて使用してもよい。具体的には、黒鉛化カーボンブラックを水とアルコールの如き有機溶剤との混合媒体中に入れて分散させ、次いで、その中に上記した表面処理用化合物を適量加えて加熱する方法が挙げられる。
本発明において、現像剤担持体上に形成される樹脂被覆層は、現像剤のチャージアップによる現像剤担持体上への固着や、現像剤への帯電付与不良を防ぐためには、導電性であることが望ましい。
樹脂被覆層の体積抵抗値としては、104Ω・cm以下であることが好ましく、103Ω・cm以下であることがより好ましい。現像剤担持体表面の樹脂被覆層の体積抵抗値が104Ω・cmを超えるとチャージアップによるトナーの現像剤担持体上への固着やトナーへの帯電付与に不良が発生しやすくなる場合がある。
樹脂被覆層として上述したような体積抵抗を得るために、本発明に用いられるカーボンブラックを、樹脂被覆層に含有される結着樹脂100質量部に対して8質量部〜100質量部添加することが好ましい。8質量部未満であると樹脂被覆層の体積抵抗が高くなると共に潤滑性が乏しくなり、トナーのチャージアップによる現像性の劣化と共に現像剤担持体表面へのトナーの固着や融着を発生しやすくなる傾向がある。一方、100質量部を超えると、トナーへの帯電付与性の低下や樹脂被覆層の強度低下によってトナーの帯電の不均一化が生じて現像性を悪化させる場合がある。
さらに、本発明の基体及び該基体表面に樹脂被覆層を有する現像剤担持体においては、カーボンブラックの特性を損なわない場合に限り、カーボンブラックと共に他の導電性微粒子を併用してよい。導電性微粒子としては、アルミニウム、銅、ニッケル、銀等の金属粉体の微粉末、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化モリブデン及びチタン酸カリウムの金属酸化物が挙げられる。
本発明の現像剤担持体を構成する樹脂被覆層に用いられる結着樹脂として、従来から現像剤担持体の樹脂被覆層に一般に用いられている公知の結着樹脂を使用することができる。例えば、以下のものが挙げられる。スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、及びアクリル系樹脂の如き熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂及びポリイミド樹脂の如き熱あるいは光硬化性樹脂。中でも、シリコーン樹脂及びフッ素樹脂のような離型性のあるもの、あるいはポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン系樹脂及びアクリル系樹脂のような機械的性質に優れたものが好ましい。
本発明においては、現像剤担持体の帯電付与性を調整するために、上記樹脂被覆層中に荷電制御剤をさらに含有させてもよい。その場合、荷電制御剤の含有量は、樹脂被覆層に含有される結着樹脂100質量部に対して1質量部〜100質量部とすることが好ましい。1質量部未満では添加による荷電制御剤添加の効果が見られず、100質量部を超えると樹脂被覆層中で分散不良が起き、被膜強度の低下を招き易い。
荷電制御剤として、例えば、以下のものが挙げられる。ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変性物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物)、高級脂肪酸の金属塩;ブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;チブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類;グアニジン類、イミダゾール化合物。
また、本発明の現像剤担持体を構成する樹脂被覆層は、さらに、黒鉛化粒子を含有させても良い。本発明において黒鉛化粒子は、X線回折により測定されるX線回折チャートにおいて、X線回折パターン2θが、25.46°以上26.67°以下にメインピークを有することが好ましく、より好ましくは、25.46°以上25.84°以下にメインピークを有することである。2θのメインピークの位置が26.67°を超えると黒鉛化粒子を用いた場合、初期の現像特性や融着軽減には有効であるが、黒鉛化が進み過ぎていて、硬度が低くなっており、現像剤担持体に耐久性を十分に付与することができない。また、2θのメインピークの位置が25.46°未満である黒鉛化粒子は、粒子自体の黒鉛化が十分に進行していないため、現像性向上、耐融着性向上などの画像良化の効果は少なく、画像安定性が悪くなる。また、本発明において黒鉛化粒子は、個数平均粒径が0.5μm以上25.0μm以下である粒子であることが好ましい。
本発明における黒鉛化粒子は、以下に示す方法で得ることができるが、必ずしもこれらの方法に限定されるものではない。本発明で使用する黒鉛化粒子の特に好ましいものを得る方法としては、原材料としてメソカーボンマイクロビーズ、バルクメソフェーズピッチ粒子などの光学的に異方性で、しかも単一の相からなる粒子を用いて黒鉛化することが、黒鉛化粒子の黒鉛化の程度を高めかつ球状の形状を保持させるために好ましい。上記の原材料の光学的異方性は、芳香族分子の積層から生じるものであり、その秩序性が黒鉛化処理でさらに発達し、高度に黒鉛化した黒鉛化粒子が得られる。
黒鉛化粒子を得る原材料として、バルクメソフェーズピッチを用いる場合は、加熱化で軟化溶融するものを用いることが球状で黒鉛化の低度が高い黒鉛化粒子を得るために好ましい。バルクメソフェーズピッチを得る方法として代表的なものは、例えば、コールタールピッチ等から溶剤分別によりβ−レジンを抽出し、これを水素添加、重質化処理を行うことによって得られるメソフェーズピッチである。また重質化処理後、微粉砕し、次いでベンゼンまたはトルエン等により溶剤可溶分を除去することで得られるメソフェーズピッチである。このバルクメソフェーズピッチはキノリン可溶分が95質量%以上であることが好ましい。95質量%未満のものを用いると、粒子内部が液相炭化しにくく、固相炭化するため粒子が破砕状のままとなり、球状のものが得られないことがある。
メソフェーズピッチを用いて黒鉛化粒子を得る方法としては、まず、前記のバルクメソフェーズピッチを2μm〜25μmに微粉砕して、これを空気中約200℃〜350℃で熱処理して、軽度に酸化処理する。この酸化処理によって、バルクメソフェーズピッチ粒子は表面のみ不融化され、次工程の黒鉛化熱処理時の溶融、融着が防止される。この酸化処理されたバルクメソフェーズピッチ粒子は酸素含有量が5質量%〜15質量%であることが適当である。なお、酸素含有量が5質量%未満であると熱処理時の粒子同士の融着が激しくなる、15質量%を超えると粒子内部まで酸化されてしまい、形状が破砕状のまま黒鉛化し球状のものが得られにくい等の不具合がある。次にこのように酸化処理したバルクメソフェーズピッチ粒子を窒素、アルゴン等の不活性雰囲気下にて、800℃〜1200℃で一次焼成することにより炭化し、続いて2000℃〜3500℃で二次焼成することにより所望の黒鉛化粒子が得られる。
また、本発明に用いられる黒鉛化粒子を得るためのもう一つの好ましい原材料であるメソカーボンマイクロビーズを得る方法として、代表的なものは、石炭系重質油または石油系重質油を300℃〜500℃の温度で熱処理し、重縮合させて粗メソカーボンマイクロビーズを生成し、反応生成物を濾過、静置沈降、遠心分離などの処理に供することによりメソカーボンマイクロビーズを分離した後、ベンゼン、トルエン、キシレン等の溶剤で洗浄し、更に乾燥することである。
このメソカーボンマイクロビーズを用いて黒鉛化する方法としては、まず乾燥を終えたメソカーボンマイクロビーズを破壊させない程度の温和な力で機械的に一次分散させておくことが黒鉛化後の粒子の合一防止や均一な粒度を得るために好ましい。この一次分散を終えたメソカーボンマイクロビーズは、不活性雰囲気下において200℃〜1500℃の温度で一次加熱処理され、炭化される。一次加熱処理を終えた炭化物は、やはり炭化物を破壊させない程度の温和な力で炭化物を機械的に分散させることが黒鉛化後の粒子の合一防止や均一な粒度を得るために好ましい。二次分散処理を終えた炭化物は、不活性雰囲気下において2000℃〜3500℃で二次加熱処理することにより所望の黒鉛化粒子が得られる。
いずれの原材料を用いた黒鉛化粒子の製造においても、その焼成温度は2000℃〜3500℃とするのが好ましい。焼成温度が2000℃未満の場合は、黒鉛化粒子の硬度が高いので耐久性は良化する傾向にあるが、黒鉛化粒子の黒鉛化が不十分であり、導電性や潤滑性が低下してトナーのチャージアップを発生する場合があり、画像濃度薄、カブリ、文字の飛び散り等で画質が悪化しやすくなり、更に規制部材に弾性部材を使用した場合に規制部材表面に摺擦キズが発生する場合があり、ベタ画像にスジ・ムラ等が発生しやすくなる。焼成温度が3500℃以上では黒鉛化粒子の黒鉛化が過ぎてしまう場合があり、そのため黒鉛化粒子の硬度が下がり、黒鉛化粒子の耐磨耗性の悪化により被覆層表面の耐磨耗性、樹脂被覆層の機械的強度およびトナーへの帯電付与性が低下しやすい。
樹脂被覆層中の黒鉛化粒子の含有量としては、樹脂被覆層中の結着樹脂100質量部に対して2質量部〜150質量部であることが好ましく、より好ましくは4質量部〜100質量部である。黒鉛化粒子の含有量が2質量部未満の場合には黒鉛化粒子を添加する効果が小さく、150質量部を越える場合には樹脂被覆層の密着性が低くなり過ぎて耐磨耗性が悪化してしまう場合がある。また、本発明において、d(002)が0.3370nm以上0.3450nm以下であるカーボンブラックと黒鉛化粒子との樹脂被覆層内部における配合比[(カーボンブラックの質量)/(黒鉛化粒子の質量)]は、0.01〜20.00であることが好ましく、より好ましくは0.04〜5.00、更に好ましくは、0.04〜2.00である。
本発明の現像剤担持体を構成する樹脂被覆層には、更に凹凸付与粒子を含有させても良い。凹凸付与粒子は、現像剤担持体の樹脂被覆層表面に適度な表面粗度を保持させてトナーを有する現像剤の搬送性を向上し、現像剤と樹脂被覆層との接触機会を増やすと共に樹脂被覆層の耐摩耗性を向上し、さらに現像剤層厚規制部材として弾性ブレードを用いたときの弾性ブレードから現像剤粒子に加わる圧力を和らげて現像剤担持体へのトナーの融着を発生しにくくする効果がある。
凹凸付与粒子としては、その体積平均粒径が1μm〜20μmであることが好ましく、2〜15μmであることがより好ましい。凹凸付与粒子の体積平均粒径が1μm未満では添加効果が得られにくい。また、凹凸付与粒子の体積平均粒径が20μmを超える場合には、樹脂被覆層表面の粗さが不均一になると共に粗さが大きくなりすぎてトナーの帯電が不十分となり、さらに、凹凸付与粒子の近傍でトナーの融着が起こりやすくなって、カブリや濃度薄等の画質悪化を招く場合がある。さらに弾性ブレードを用いた場合に樹脂被覆層表面上の突出した凸形状によりブレード傷を発生しやすくなり、その突出した凸形状を起点として現像バイアスのリークも発生しやすくなる場合がある。
凹凸付与粒子の真密度は、3g/cm3以下であることが好ましく、2.7g/cm3以下であることがより好ましく、0.9〜2.3g/cm3であることがさらに好ましい。凹凸付与粒子の真密度が3g/cm3を超える場合には、樹脂被覆層中での凹凸付与粒子の分散性が不十分となるために、樹脂被覆層表面に均一な粗さを付与しにくくなり、トナーの帯電が不均一となったり、樹脂被覆層の強度が不十分となったりしやすい。また、凹凸付与粒子の真密度が0.9g/cm3より小さい場合にも、樹脂被覆層中での凹凸付与粒子の分散が不十分となってしまう場合がある。
凹凸付与粒子の形状は、球状であることが好ましい。
本発明で球状粒子における球状とは、粒子投影像における凹凸付与粒子の長径/短径の比が1.0〜1.5にあることを意味しており、本発明においては、長径/短径の比が1.0〜1.2である粒子を使用することがより好ましい。
凹凸付与粒子の長径/短径の比が1.5を越える場合には、樹脂被覆層中への凹凸付与粒子の分散が不十分になり、樹脂被覆層表面の粗さが不均一となる場合がある。
このような凹凸付与粒子として、公知のものが使用可能であり、例えば、球状の樹脂粒子や球状の金属酸化物粒子が挙げられる。
樹脂被覆層は、例えば、樹脂被覆層用の各成分を溶剤中に分散混合して塗料化し、基体上に塗工し、乾燥固化あるいは硬化することにより形成することが可能である。各成分の塗料液中への分散混合には、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル及びパールミルの如きビーズを利用した公知の分散装置が好適に利用可能である。また塗工方法としては、ディッピング法、スプレー法及びロールコート法の如き公知の塗工方法が適用可能である。
本発明では、樹脂被覆層表面の粗さとして、算術平均粗さRa(JIS B0601−2001)が0.2μm〜2.5μmであることが好ましく、0.2μm〜1.5μmであることがより好ましい。樹脂被覆層表面のRaが0.2μm未満である場合には、樹脂被覆層表面の凹凸が殆どないため、現像剤担持体上のトナーを有する現像剤の量が不安定になると共に樹脂被覆層の耐摩耗性及び耐現像剤汚染性も不十分となる場合がある。一方、Raが2.5μmを越える場合には、現像剤担持体上の現像剤の搬送量が多くなりすぎてトナーに均一に帯電付与しにくくなると共に樹脂被覆層の機械的強度も低下してしまうことがある。
上記したような構成の樹脂被覆層の厚さは、好ましくは25μm以下、より好ましくは20μm以下、さらに好ましくは4μm〜20μmであることが、均一な膜厚を得るために好ましいが、特にこの厚さに限定されるものではない。この厚さは、樹脂被覆層に使用する材料にもよるが、付着質量として4000mg/m2〜20000mg/m2にすれば得られる。
本発明において、樹脂被覆層のX線回折により測定されるX線回折チャートにおいて、X線回折パターン2θが、25.46°以上26.67°以下の範囲にメインピークを有することが好ましい。
また、該メインピークの半値幅の全域が、25.09°以上27.04以下の範囲にあることが好ましい。なお、図6のようにピーク分離できるようなときには、半値幅はピーク分離をして測定する。また、いくつかのピークが重なっているがピーク分離が不可能であるときには、重なったままでベースラインを修正したままで半値幅を求める。なお、簡便のために、ベースライン修正だけで求めた半値幅が上記範囲に入っていれば改めてピーク分離した半値幅を求める必要はない。
すなわち、メインピークが25.46°以上26.67°以下の範囲にあり、さらに該メインピークの半値幅が25.09°以上27.04°以下の間に存在する場合に、該樹脂被覆層内の配合黒鉛化粒子およびカーボンブラックの黒鉛化の程度にばらつきが少ないので、これら黒鉛化粒子およびカーボンブラックの特性が発揮される。例えば、樹脂被覆層の耐久性が増したり、プリント画像の画質が良化したりする。
なお、本発明において、X線回折パターン2θが25.46°以上25.84°以下の範囲にメインピークを有する黒鉛化粒子、及び、X線回折パターン2θが25.84°以上26.46°以下の範囲にメインピークを有するカーボンブラックを樹脂被覆層に含有させることが好ましい。このように2θのメインピークの位置が異なる黒鉛化粒子とカーボンブラックを用いた場合には樹脂被覆層をX線回折により測定されるX線回折チャートは図6にみられるように、メインピークに加えてサブピークが観察されることがあり、ピーク分離が可能である。このようなX線回折チャートが測定されるようなときに、ピーク分離を行なったときに、X線回折パターン2θが、25.46°以上25.84°以下の範囲と25.84°以上26.46°以下の範囲に、それぞれに少なくとも1つピークを有することが好ましい。なお、図6においてはメインピークがサブピークに重なってシャープである例を示したが、黒鉛化粒子、カーボンブラックの配合比によっては逆になる場合もある。
本発明に用いる現像剤担持体の基体としては、円筒状部材、円柱状部材及びベルト状部材が挙げられるが、感光ドラムの如き静電潜像担持体に接触しない現像方法においては、金属のような剛体の円筒管もしくは中実棒が好ましく用いられる。このような基体としては、アルミニウム、ステンレス鋼及び真鍮の如き非磁性の金属、又は、合金を円筒状あるいは円柱状に成型し、研磨または研削を施したものが好適に用いられる。これらの基体は画像の均一性を良くするために、高精度に成型あるいは加工されて用いられる。例えば長手方向の真直度が30μm以下、好ましくは20μm以下、さらに好ましくは10μm以下であることが好適である。現像剤担持体と静電潜像担持体との間隙の振れ、例えば、垂直面に対し均一なスペーサーを介して突き当て、現像剤担持体を回転させた場合の垂直面との間隙の振れも30μm以下、好ましくは20μm以下、さらには10μm以下であることが好ましい。材料コストや加工のしやすさから基体としてはアルミニウムが好ましく用いられる。
また、感光ドラムの如き静電潜像担持体に直接接触させる現像方法を用いる場合の基体としては、金属製の芯金にウレタン、EPDM及びシリコーンの如きゴムやエラストマーを含む層構成を有する円柱状部材が好ましく用いられる。また、磁性トナーを有する現像剤を用いる現像方法においては、磁性トナーを現像剤担持体上に磁気的に吸引かつ保持するために、基体を円筒状としその内部にマグネットローラーを配置すればよい。
次に、上記した様な本発明の現像剤担持体を有する本発明の現像装置について説明する。
図1は、磁性トナーを有する磁性一成分現像剤を用いた場合の、本発明の現像剤担持体を有する現像装置の一実施形態を示す模式図である。
図1において、公知のプロセスにより形成された静電潜像を保持する静電潜像担持体としての感光ドラム1は、矢印Bの方向に回転する。
現像剤担持体としての現像スリーブ8は、感光ドラム1との間に所定の間隙をもって対向するように配置され、現像領域Dを形成している。この現像スリーブ8は、現像剤容器としてのホッパー3内で供給された磁性トナーを有する磁性一成分現像剤4を担持して矢印A方向に回転することによって、現像領域Dに磁性一成分現像剤4を搬送する。現像スリーブ8内には、磁性一成分現像剤4を現像スリーブ8上に磁気的に吸引し、かつ保持するために、N1及びN2の位置にN極、S1及びS2の位置にS極の磁極を有する磁石を内蔵するマグネットローラー5が配置されている。
この現像装置で用いられる現像スリーブ8は、基体としての金属円筒管6上に樹脂被覆層7を有する。ホッパー3内には、磁性一成分現像剤4を撹拌するための撹拌翼10が設けられている。なお、現像スリーブ8とマグネットローラー5とは非接触状態にあり、間隙12を有している。
磁性一成分現像剤4は、現像剤相互及び現像スリーブ8の樹脂被覆層7との摩擦によって、感光ドラム1上の静電潜像を現像することが可能な摩擦帯電電荷を得る。現像領域Dに搬送される磁性一成分現像剤4の層を形成し、この層厚を規制するために、現像剤層厚規制部材としての強磁性金属製の磁性規制ブレード2が、現像スリーブ8の表面から50μm〜500μmのギャップ幅をもって現像スリーブ8に臨む様に、ホッパー3から垂下されている。マグネットローラー5の磁極N1からの磁力線が磁性規制ブレード2に集中することにより、現像スリーブ8上に磁性一成分現像剤4の薄層が形成される。なお、本例においては、この磁性規制ブレード2を非磁性ブレードとすることもできる。この様にして現像スリーブ8上に形成される磁性一成分現像剤4の薄層の厚さは、現像領域Dにおける現像スリーブ8と感光ドラム1との間の最小間隙よりもさらに薄くされていることが好ましい。
本発明の現像剤担持体は、以上の様な磁性一成分現像剤の薄層により静電潜像を現像する方式の現像装置、すなわち、非接触型現像装置に組み込むのが特に有効であるが、現像領域Dにおいて、現像剤層の厚みが現像スリーブ8と感光ドラム1との間の最小間隙以上の厚みである現像装置、すなわち、接触型現像装置にも本発明の現像剤担持体を適用することもできる。なお、以下の説明では、説明の煩雑を避けるため、上記した様な非接触型現像装置を例に採って行う。
現像スリーブ8に担持された磁性トナーを有する磁性一成分現像剤4を飛翔させるため、上記現像スリーブ8にはバイアス手段としての現像バイアス電源9により現像バイアス電圧が印加される。この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときには、静電潜像の画像部(磁性一成分現像剤4が付着して可視化される領域)の電位と背景部の電位の間の値の電圧を現像スリーブ8に印加するのが好ましい。現像された画像の濃度を高め、あるいは階調性を向上させるためには、現像スリーブ8に交番バイアス電圧を印加し、現像領域Dに、向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合には、上記した現像画像部の電位と背景部の電位の間の値を有する直流電圧成分を重畳した交番バイアス電圧を現像スリーブ8に印加するのが好ましい。
高電位部と低電位部とを有する静電潜像の高電位部に現像剤を付着させて現像する、正規現像の場合には、静電潜像の極性と逆極性に帯電する現像剤を使用する。高電位部と低電位部を有する静電潜像の低電位部に現像剤を付着させて現像する、反転現像の場合には、静電潜像の極性と同極性に帯電する現像剤を使用する。高電位、低電位というのは、絶対値による表現である。これらはいずれの場合にも、磁性一成分現像剤4は少なくとも現像スリーブ8との摩擦により帯電する。
図2及び図3は、それぞれ本発明の現像剤担持体を有する現像装置の他の実施形態を示す構成模式図である。
図2及び図3に示した現像装置では、現像スリーブ8上の磁性一成分現像剤4の層厚を規制する現像剤層厚規制部材として、ウレタンゴム及びシリコーンゴムの如きゴム弾性を有する材料、あるいはリン青銅及びステンレス鋼の如き金属弾性を有する材料の弾性板からなる弾性規制ブレード11を使用している。図2の現像装置では、この弾性規制ブレード11を現像スリーブ8の回転方向と順方向の向きで圧接させており、図3の現像装置では、この弾性規制ブレード11を現像スリーブ8の回転方向と逆方向の向きで圧接させている。これらの現像装置では、現像剤層を介して現像剤層厚規制部材を現像スリーブ8に弾性的に圧接させている。これにより現像スリーブ上に磁性一成分現像剤の薄層が形成されるため、図1で説明した磁性規制ブレードを用いた場合よりもさらに薄い現像剤層を、現像スリーブ8上に形成することができる。
図1〜図3は本発明の現像装置を模式的に例示したものであり、現像剤容器(ホッパー3)の形状、撹拌翼10の有無、磁極の配置等に様々な形態があることは言うまでもない。もちろん、これらの装置は、トナーとキャリアとを有する二成分系現像剤を用いる現像に使用することもできる。
図4は、非磁性トナーを有する非磁性一成分現像剤を用いた場合の現像装置の構成の一例を示す模式図である。
図4において、公知のプロセスにより形成された静電潜像を担持する像担持体としての感光ドラム1は、矢印B方向に回転される。現像剤担持体としての現像スリーブ8は、金属製円筒管(基体)6とその表面に形成される樹脂被覆層7とから構成されている。非磁性一成分現像剤を用いるため、金属製円筒管6の内部に磁石は内設されていない。金属製円筒管の代わり円柱状部材であっても構わない。
現像剤容器であるホッパー3内には非磁性トナーを有する非磁性一成分現像剤4’を撹拌するための撹拌翼10が設けられている。現像スリーブ8に非磁性一成分現像剤4’を供給し、かつ現像後の現像スリーブ8の表面に存在する非磁性一成分現像剤を剥ぎ取るための現像剤供給・剥ぎ取り部材13が現像スリーブ8に当接している。現像剤供給・剥ぎ取り部材である供給・剥ぎ取りローラ13が現像スリーブ8と同じ方向に回転することにより、供給・剥ぎ取りローラ13の表面は現像スリーブ8の表面とカウンター方向に移動することになる。これにより、ホッパー3から供給された非磁性一成分現像剤4’が現像剤スリーブ8に供給される。現像スリーブ8が非磁性一成分現像剤を担持して矢印A方向に回転することにより、感光ドラム1表面において現像スリーブ8と対向する領域である現像領域Dに非磁性一成分現像剤4’が搬送される。現像スリーブ8に担持された非磁性一成分現像剤は、現像スリーブ8の表面に現像剤層を介して圧接する現像剤層厚規制部材11により現像剤層厚が規定される。非磁性一成分現像剤は現像スリーブ8との摩擦により、感光ドラム1上の静電潜像を現像可能な摩擦帯電電荷を得る。
現像スリーブ8上に形成される非磁性一成分現像剤4の薄層の厚みは、現像部における現像スリーブ8と感光ドラム1との間の現像領域Dにおける最小間隙よりもさらに薄いものであることが好ましい。このような現像剤層により静電潜像を現像する非接触型現像装置に、本発明は特に有効である。しかし、現像部において現像剤層の厚みが現像スリーブ8と感光ドラム1との間の最小間隙以上の厚さとなる接触型現像装置にも、本発明は適用することができる。なお、説明の煩雑を避けるため、以下の説明では、非接触型現像装置を例に採って行う。
現像スリーブ8には、これに担持された非磁性一成分現像剤4’を飛翔させるために、現像バイアス電源9により現像バイアス電圧が印加される。この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときは、静電潜像の画像部(非磁性一成分現像剤4’が付着して可視化される領域)の電位と背景部の電位の間の値の電圧が、現像スリーブ8に印加されることが好ましい。現像画像の濃度を高めるためあるいは階調性を向上するために、現像スリーブ8に交番バイアス電圧を印加して、現像部に向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合、上記画像部の電位と背景部の電位の間の値を有する直流電圧成分が重畳された交番バイアス電圧を現像スリーブ8に印加することが好ましい。
高電位部と低電位部とを有する静電潜像の高電位部に現像剤を付着させて可視化するいわゆる正規現像では、静電潜像の極性と逆極性に帯電する現像剤を使用する。また、静電潜像の低電位部に現像剤を付着させて可視化するいわゆる反転現像では、現像剤は静電潜像の極性と同極性に帯電する現像剤を使用する。なお、高電位と低電位というのは、絶対値による表現である。いずれにしても、非磁性一成分現像剤4’は現像スリーブ8との摩擦により静電潜像を現像するための極性を帯電する。
現像剤供給・剥ぎ取り部材13としては、樹脂、ゴム及びスポンジの如き材料で形成された弾性ローラ部材が好ましい。供給・剥ぎ取り部材としては、弾性ローラに代えてベルト部材又はブラシ部材を用いることもできる。感光ドラム1に現像移行されなかった非磁性一成分現像剤を現像剤供給・剥ぎ取り部材13により、一旦現像スリーブ表面から剥ぎ取ることにより、現像スリーブ上の不動のトナーの発生を防ぎ、非磁性一成分トナーの帯電を均一化する。
現像剤供給・剥ぎ取り部材として弾性ローラからなる供給・剥ぎ取りローラ13を用いる場合には、供給・剥ぎ取りローラ13の周速は、該ローラ13表面が現像スリーブ8に対してカウンター方向に回転する場合、現像スリーブ8の周速に対して、好ましくは20%〜120%、より好ましくは30%〜100%である。
供給・剥ぎ取りローラ13の周速が20%未満の場合には、非磁性一成分現像剤の供給が不足し、ベタ画像の追従性が低下してゴースト画像の原因となり、周速が120%を超える場合には、非磁性一成分現像剤の供給量が多くなり現像剤層厚の規制不良や帯電量不足によるカブリの原因となり、さらに現像剤にダメージを与えやすいため、非磁性一成分現像剤劣化によるカブリや非磁性一成分現像剤の融着の原因となり易い。
供給・剥ぎ取りローラ13の表面における回転方向は、現像スリーブの表面における回転方向とカウンター方向に回転することが、剥ぎ取り性及び供給性の点でより好ましい。
現像スリーブ8に対する現像剤供給・剥ぎ取り部材13の侵入量は、0.5mm〜2.5mmであることが、現像剤の供給及び剥ぎ取り性の点で好ましい。
現像剤供給・剥ぎ取り部材13の侵入量が0.5mm未満の場合には、剥ぎ取り不足によりゴーストが発生しやすくなり、侵入量が2.5mmを超える場合には、現像スリーブ及び現像剤供給・剥ぎ取り部材のダメージが大きくなり、非磁性一成分現像剤の劣化により融着やカブリの原因となり易い。
図4の現像装置では、現像スリーブ8上の非磁性一成分現像剤4の層厚を規制する部材として、ウレタンゴム、シリコーンゴム等のゴム弾性を有する材料、あるいはリン青銅、ステンレス銅のような金属弾性を有する材料の弾性規制ブレード11を使用している。この弾性規制ブレード11を現像スリーブ8の回転方向と逆の姿勢で該現像スリーブ8に圧接させることにより、現像スリーブ8上にさらに薄い現像剤層を形成することができる。
この弾性規制ブレード11としては、特に安定した規制力と現像剤への安定した(負)帯電付与性のために、安定した加圧力の得られるリン青銅板表面にポリアミドエラストマー(PAE)を貼り付けた構造のものを用いることが好ましい。ポリアミドエラストマー(PAE)としては、例えばポリアミドとポリエーテルの共重合体が挙げられる。
現像スリーブ8に対する現像剤層厚規制部材11の当接圧力は、線圧5〜50g/cmであることが、現像剤の規制を安定化させ、現像剤層厚を好適に調整することができる点で好ましい。
現像剤層厚規制部材11の当接圧力が線圧5g/cm未満の場合には、現像剤の規制が弱くなり、カブリや現像剤もれの原因となり、線圧50g/cmを超える場合には現像剤へのダメージが大きくなり、現像剤劣化やスリーブ及びブレードへの融着の原因となり易い。
本発明の現像剤担持体は、このような現像スリーブ8に対して、現像剤供給・剥ぎ取り部材13及び現像剤層厚規制部材11が圧接する装置に適用した場合に、特に有効である。
すなわち、現像スリーブ8に対して、現像剤供給・剥ぎ取り部材13及び現像剤層厚規制部材11が圧接する場合には、現像スリーブ8の表面がこれらの圧接される部材によって摩耗や現像剤の融着がより生じ易い使用環境にあることから、本発明の多数枚耐久性に優れた樹脂被覆層を有する現像剤担持体による効果が有効に発現されることになる。
次に、本発明の現像剤担持体を組み込んだ現像装置に用いられるトナーを有する現像剤について説明する。
本発明に好適なトナーとしては、重量平均粒径が4μm〜11μmであることが好ましい。このようなものを使用すれば、帯電量、画質及び画像濃度がバランスのとれたものとなる。
トナーの結着樹脂としては、一般に公知の樹脂が使用可能であり、例えば以下のものが挙げられる。ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂。中でも、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。
トナーには帯電特性を向上させる目的で、荷電制御剤をトナー粒子に配合(内添)、又はトナー粒子と混合(外添)して用いることができる。荷電制御剤によって、現像システムに応じた最適の荷電量コントロールが可能となるためである。
正の荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。ニグロシン、トリアミノトリフェニルメタン系染料及び脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドの如きジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレード、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート。なお、帯電制御剤は単独あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
また、負の荷電制御剤としては、有機金属化合物、キレート化合物が有効である。その例としては以下のものが挙げられる。アルミニウムアセチルアセトナート、鉄(II)アセチルアセトナート、3,5−ジターシャリーブチルサリチル酸クロム、アセチルアセトン金属錯体、モノアゾ金属錯体、ナフトエ酸あるいはサリチル酸系の金属錯体又は塩。
トナーが、磁性トナーである場合、磁性材料として、以下のものが挙げられる。マグネタイト、マグヘマイト及びフェライトの如き酸化鉄系金属酸化物;Fe、Co、Niの如き磁性金属、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Be、Bi、Cd、Ca、Mn、Se、Ti、W、Vの如き金属との合金、及びこれらの混合物を配合する。この際は、これら磁性材料を、着色剤としての役目を兼用させても構わない。
トナーに配合する着色剤として、従来からこの分野で使用している顔料、染料を使用することが可能であり、適宜選択して使用すればよい。
トナーには離型剤を配合することが好ましい。離型剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス、カルナウバワックス、フィッシャートロプシュワックス、サゾールワックス、モンタンワックス等の脂肪酸エステルを主成分とするワックス類。
さらに、トナー粒子には、環境安定性、帯電安定性、現像性、流動性、保存性向上及びクリーニング性向上のために、シリカ、酸化チタン及びアルミナの如き無機微粉体を外添すること、すなわちトナー粒子表面近傍に存在させていることが好ましい。中でも、シリカ微粉体が好ましい。
無機微粉体以外の外添剤をさらに加えて用いても良い。例えば、以下のものが挙げられる。テフロン、ステアリン酸亜鉛及びポリフッ化ビニリデンの如き滑剤、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、ケイ酸ストロンチウムの如き研磨剤。その中では、ポリフッ化ビニリデンが好ましい。
トナーを作成するには、結着樹脂、着色剤としての顔料又は染料、磁性体、離型剤、必要に応じて荷電制御剤、その他の添加剤をヘンシェルミキサー、ボールミキサー等の混合機により充分に混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等の熱混練機を用いて溶融して樹脂類を互いに相溶せしめた中に離型剤、顔料、染料、磁性体を分散又は溶解せしめ、冷却固化後、粉砕及び分級を行なってトナー粒子を得ることができる。さらに、必要に応じて所望の添加剤を加え、ヘンシェルミキサーの如き混合機により充分に混合して、トナーを得ることもできる。
このようなトナーは、種々の方法で、球形化処理または表面平滑化処理を施して用いると、転写性が良好となり好ましい。トナーを球形化処理または表面平滑化処理をするためには、攪拌羽根、ブレード、ライナーまたはケーシングを有する装置を用いればよい。例えば、トナーをブレードとライナーの間の微小間隙を通過させる際に、機械的な力により表面を平滑化したりトナーを球形化したりする方法、温水中にトナーを懸濁させ球形化する方法、または熱気流中にトナーを曝して球形化する方法がある。
また、球形のトナーを直接作る方法としては、水中にトナーの結着樹脂となる単量体を主成分とする混合物を懸濁させ、重合してトナーを得る方法がある。具体的な方法としては、重合性単量体、着色剤、重合開始剤、さらに必要に応じて架橋剤、荷電制御剤、離形剤、その他の添加剤を均一に溶解又は分散せしめて単量体組成物とした後、この単量体組成物を分散安定剤を含有する水中に適当な攪拌機を用いて適度な粒径に分散し、さらに重合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナーを得る方法である。
以下に本発明に関わる物性の測定方法について述べる。
(1)カーボンブラックのX線回折による黒鉛(002)面の面間隔[d(002)]、カーボンブラック及び黒鉛化粒子のX線回折パターン2θ、及び、樹脂被覆層のX線回折パターン2θの測定方法
カーボンブラックのX線回折による黒鉛(002)面の面間隔[d(002)]の測定は以下のようにして行った。なお、樹脂被覆層は、現像剤担持体上に形成された樹脂被覆層を削り取り、得た粉末状として測定試料とした。また、カーボンブラック及び黒鉛化粒子は、そのまま測定試料とした。
カーボンブラックのd(002)、カーボンブラック及び黒鉛化粒子の2θ、及び樹脂被覆層の2θを測定するための測定装置としては、リガク社製の試料水平型強力X線回折装置 RINT/TTR−II(商品名)を用いた。
先ず測定試料を無反射試料板に充填し、モノクロメーターにより単色化したCuKα線を線源とし、X線回折チャートを得た。このX線回折チャートからX線回折パターン2θを求めた。また、これよりカーボンブラックの黒鉛(002)面の回折線のピーク位置を求め、下記式(1)に記載のブラッグの公式よりd(002)を計算した。ここでCuKα線の波長λは、0.15418nmとした。
d(002)=λ/2sinθ 式(1)
なお、カーボンブラックのd(002)を求める際の主な測定条件は以下のとおりである。
主な測定条件:
光学系 :平行ビーム光学系
ゴニオメータ :ローター水平型ゴニオメータ(TTR−2)
管電圧/電流 :50kV/300mA
測定法 :連続法
スキャン軸 :2θ/θ
測定角度 :10°〜50°
サンプリング間隔:0.02°
スキャン速度 :4°/min
発散スリット :開放
発散縦スリット :10mm
散乱スリット :開放
受光スリット :1.00mm
(2)カーボンブラックの平均一次粒径の測定方法
電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S4800(商品名))を用い、6万倍にした写真を得、カーボンブラックの粒子の長径および短径の平均をそのカーボンブラックの粒子の粒径とした。粒子が小さすぎて粒径が難しい場合は6万倍で撮影したものをさらに拡大して30万倍の写真とした。さらに、100個のカーボンブラックの粒子について上記の測定を行い、それらの50%中位径の値をもってカーボンブラックの平均一次粒径とした。
(3)カーボンボンブラックのDBP吸油量の測定方法
カーボンボンブラックのDBP吸油量の測定は、JIS K6217−1997に準じて次のように行なった。
DBP吸油量測定器(フロンテックス、S−410)を用い、ローター回転数を125rpm、トルク用リミットスイッチの目盛を5、トルク目盛が10から0になるまでの所要時間が3秒になるようにダンパーバルブを調節した。そして、ジブチルフタレート(DBP)の滴下速度を4ml/minに設定し、アブソープトメーター混合室に乾燥したカーボンブラック20gを入れ、ビュレットカウンターを0点に合わせ滴下を開始した。トルクが5になり滴下が停止した時のビュレットカウンターの目盛り(V)を読み、次式(2)で吸油量を算出した。
OA=(V/Wd)×100 式(2)
ここで、OA:カーボンブラックのDBP吸油量(ml/100g)、V:終点までに用いたDBPの使用量(ml)、Wd:カーボンブラックの質量(g)である。
(4)カーボンブラックのBET比表面積の測定方法
カーボンブラックのBET比表面積は、JIS K6217−2:2001「ゴム用カーボンブラック―基本特性―第2部:比表面積の求め方―窒素吸着法―単点法」の方法Cの規定に従って測定した。
(5)樹脂被覆層の体積抵抗値の測定方法
100μmの厚さのPETシート上に、7μm〜20μmの樹脂被覆層を形成し、抵抗率計ロレスタAP(商品名、三菱化学製)にて4端子プローブを用いて樹脂被覆層の体積抵抗値を測定した。なお、測定環境は、23℃、55%RHとした。
(6)トナーの重量平均粒径の測定方法
測定装置として、コールターカウンターTA−II型(ベックマン・コールター社製、商品名)を用い、電解液として、塩化ナトリウム(試薬1級)を溶かして調製した1質量%NaCl水溶液、あるいはISOTON−II(ベックマン・コールター社製、商品名)を使用した。
測定方法としては、電解液100ml〜150ml中に、分散剤として、界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸塩液)0.1ml〜5mlを加え、次いで、試料であるトナーを2mg〜20mg加え、超音波分散器で約1分間〜3分間分散処理を行ない、上記測定装置の100μmアパーチャーあるいは30μmアパーチャーを用い、測定試料の体積、個数を測定した。
この測定結果から体積分布と個数分布とを算出し、体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径(D4)及び個数分布から求めた個数基準の長さ平均粒径(D1)(共に各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求めた。
(7)現像剤担持体表面の算術平均粗さ(Ra)の測定方法
JIS B0601−2001の表面粗さに基づき、小坂研究所製表面粗度計SE−3500(商品名)にて、軸方向3点×周方向3点=9点について各々測定し、その平均値をRaとした。なお、測定条件は、カットオフ0.8mm、測定距離8.0mm、送り速度0.1mm/secとした。
(8)樹脂被覆層の削れ量の測定方法
樹脂被覆層の削れ量(膜削れ)の測定には、KEYENCE社製のレーザー寸法測定器を用いた。コントローラLS−5500及びセンサーヘッドLS−5040Tを用い、現像剤担持体の固定治具及び現像剤担持体の送り機構を取り付けた装置にセンサー部を別途固定し、現像剤担持体の外径寸法を測定した。測定は、現像剤担持体の長手方向に対し30分割して30箇所、さらに現像剤担持体を周方向に90°回転させた後さらに30箇所、計60箇所について行った。外径寸法としてその平均値をとった。
樹脂被覆層形成前の現像剤担持体の外径を予め測定しておき、樹脂被覆層形成後及び耐久使用後にそれぞれ外径を測定し、その差分をコート膜厚及び削れ量とした。なお、耐久使用後の外径の測定は、現像剤担持体表面上に融着しているトナー融着物をメチルエチルケトン中で超音波洗浄により除去してから行った。
(9)黒鉛化粒子の個数平均粒径の測定方法
黒鉛化粒子の個数平均粒径は、レーザー回折型粒度分布計のコールターLS−230型粒度分布計(ベックマン・コールター社製)を用いて測定した。測定方法としては、少量モジュールを用い、測定溶媒としてはイソプロピルアルコール(IPA)を使用する。IPAにて粒度分布計の測定系内を約5分間洗浄し、洗浄後バックグラウンドファンクションを実行する。次にIPA50ml中に、測定試料を1mg〜25mg加える。試料を懸濁した溶液は超音波分散機で1分〜3分間分散処理を行い、試料液を得て、前記測定装置の測定系内に試料液を徐々に加えて、装置の画面上のPIDSが45%〜55%になるように測定系内の試料濃度を調整して測定を行い、個数分布から算出した個数平均粒径を求める。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を詳細に説明するが、本実施例は本発明を何ら限定するものではない。なお、実施例及び比較例中の「%」及び「部」とあるのは、特に断りのない限り、それぞれ「質量%」及び「質量部」を表す。
<カーボンブラックの製造>
平均一次粒径が14nm〜95nmであるカーボンブラック(以下、「CB」とも称する)を、黒鉛坩堝に充填し、窒素ガス雰囲気中で、2000℃〜3200℃で、熱処理して黒鉛化処理し、黒鉛化カーボンブラック(以下、黒鉛化CBとも称する)A−1〜A−6を得た。得られた黒鉛化カーボンブラックA−1〜A−6の物性値を測定し、表1に記載した。表1には、黒鉛化処理していないカーボンブラック a−1〜a−3および黒鉛化処理の条件を変えて製造したカーボンブラック a−4についても物性を示した。同時に黒鉛化処理する際の温度も表1に示した。
なお、黒鉛化処理していないカーボンブラックおよび黒鉛化処理の原料のカーボンブラックは下記のとおりである。
CB a−1:東海カーボン株式会社製のトーカブラック #5500(商品名)。
CB a−2:ケッチェン・ブラック・インターナショナル製のケッチェンブラック EC−300J(商品名)。
CB a−3:電気化学工業株式会社製のデンカブラック(商品名)。
黒鉛化CB A−1、A−2およびa−4:原料としてCB a−1を使用。
黒鉛化CB A−4:原料としてCB a−3を使用。
黒鉛化CB A−3、A−5およびA−6:原料として、それぞれ東海カーボン株式会社製のCB シーストFY SRF−HS(商品名)、シーストSP SRF−LS(商品名)、トーカブラック #8500(商品名)を使用。
60℃に加温したイオン交換水900部に、リン酸三カルシウム3部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、10,000rpmにて撹拌し、水系媒体を作成した。その中に、スチレン150部、n−ブチルアクリレート50部、シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)18部、サリチル酸アルミニウム化合物(ボントロンE−88(商品名)、オリエント化学社製)2部、ポリエステル樹脂(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物、ガラス転移温度(Tg)=64℃、重量平均分子量(Mw)=10000、数平均分子量(Mn)=6000)15部、ステアリン酸ステアリルワックス(示差走査熱量計(DSC)のメインピーク59℃)30部及びジビニルベンゼン0.5部をホモジナイザー(日本精機社製;商品名)中で60℃に加温した後、9,000rpmにて攪拌し、溶解、分散し、次いで重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5部を溶解した単量体組成物を投入し、60℃、窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製:商品名)を用いて8,000rpmで攪拌し、分散させた。
その後、プロペラ式攪拌装置に移して攪拌しつつ、2時間かけて70℃に昇温し、更に4時間後、昇温速度40℃/hで80℃まで昇温し、80℃で5時間反応を行い、重合体粒子を製造した。重合反応終了後、該粒子を含むスラリーを冷却し、ろ過後、スラリーの10倍の水量で洗浄し、乾燥した後、分級によって粒子径を調整して重量平均粒径(D4)6.6μmのシアントナー粒子を得た。
このトナー粒子100部に対し、ヘキサメチレンジシラザンで表面処理された疎水性シリカ微粉体(平均一次粒径7nm)1.2部、ルチル型酸化チタン微粉体(平均一次粒径45nm)0.15部及びルチル型酸化チタン微粉体(平均一次粒径200nm)0.5部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で5分間乾式混合して、非磁性トナーを有する非磁性一成分現像剤(現像剤1)を得た。
<現像剤2の製造>
スチレン74部、n−ブチルアクリレート19部、マレイン酸モノブチル7部及びジ−t−ブチルパーオキサイド1部を還流クメン400部中に5時間かけて滴下した後、さらにクメン還流下(140〜160℃)で溶液重合を完了し、クメンを除去し、樹脂を得た。
ここで得た樹脂30部、スチレン45部、n−ブチルアクリレート18部、マレイン酸モノブチル10部、ジビニルベンゼン0.5部、ベンゾイルパーオキサイド1部及びジ−t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.5部からなる混合物に、ポリビニルアルコール部分ケン化物0.8部を溶解した水180部を加え、攪拌して懸濁分散液とした。さらに、水40部を加え、窒素置換した反応器に上記懸濁分散液を移し、反応温度85℃にて10時間懸濁重合した。反応終了後、ろ過・水洗し、脱水、乾燥工程を経て、ビニル系樹脂を得た。
このビニル系樹脂100部、マグネタイト90部、アゾ系鉄錯体化合物(負帯電性荷電制御剤)2部及び低分子量エチレン−プロピレン共重合体4部からなる混合物を130℃に加熱した2軸混練押し出し機にて混練した。得られた混練物を冷却した後、ハンマーミルで粗粉砕し、次いで、ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて微粉砕し、得られた微粉砕粉を、コアンダ効果を利用した多分割分級装置で、超微粉及び粗粉を同時に分級除去して、重量平均粒径(D4)が6.8μmであるトナー粒子を得た。
このトナー粒子100部に対し、ヘキサメチルジシラザン及びジメチルシリコーンオイルにて疎水化処理を施した負帯電性シリカ微粉末(BET300m2/g)1.6部及びチタン酸ストロンチウム0.8部を加え、ヘンシェルミキサーにて混合し、磁性トナーを有する磁性一成分現像剤(現像剤2)を得た。
<現像剤担持体B−1の作製>
メタノール40%含有のレゾール型フェノール樹脂溶液J−325(大日本インキ株式会社製、商品名)166.7部、上記の黒鉛化カーボンブラック A−1 45部及びメタノール180部を、サンドミル(直径1mmのガラスビーズを使用)にて2時間分散する。この分散液から、篩を用いてガラスビーズを分離した後、更にメタノールで希釈しで固形分30%の塗工液を得た。
この塗工液を、垂直に立てられた、上下端部にマスキングを施され、一定速度で回転している外径16mmφ、算術平均粗さRa0.7μmの研削加工したアルミニウム製円筒管上に、スプレーガンを一定速度で下降させながら塗布することによって樹脂被覆層を形成した。続いて150℃の熱風乾燥炉中で30分間加熱して樹脂被覆層を硬化して現像剤担持体B−1を作製した。
<現像剤担持体B−2〜B−6の作製>
黒鉛化カーボンブラック A−1を上記の黒鉛化カーボンブラック A−2〜A−6にそれぞれ変更した以外は、現像剤担持体B−1と同様にして現像剤担持体B−2〜B−6を作製した。
<現像剤担持体b−1及びb−2の作製>
黒鉛化カーボンブラック A−1に代えて上記の黒鉛化していないカーボンブラック a−1又はa−2をそれぞれ使用した以外は、現像剤担持体B−1と同様にして現像剤担持体b−1及びb−2をそれぞれ作製した。
<現像剤担持体b−3及びb−4の作製>
黒鉛化カーボンブラック A−1に代えて上記のカーボンブラック a−3又は黒鉛化カーボンブラック a−4を使用した以外は、現像剤担持体B−1と同様にして現像剤担持体b−3及びb−4をそれぞれ作製した。
<現像剤担持体B−7の作製>
メタノール40%含有のレゾール型フェノール樹脂溶液J−325(大日本インキ株式会社製、商品名)166.7部、黒鉛化カーボンブラック A−1(参考例1で作製)37部及びメタノール133部を、サンドミル(直径1mmのガラスビーズを使用)にて2時間分散する。この分散液から、篩を用いてガラスビーズを分離した後、更にメタノールで希釈して固形分35%の塗工液を得た。
この塗工液を、垂直に立てられた、上下端部にマスキングを施され、一定速度で回転している外径20mmφ、算術平均粗さRa0.6μmの研削加工したアルミニウム製円筒管上に、スプレーガンを一定速度で下降させながら塗布することによって樹脂被覆層を形成した。続いて熱風乾燥炉により150℃、30分間加熱して樹脂被覆層を硬化させ現像剤担持体B−7を作製した。
<現像剤担持体B−8及びB−9の作製>
黒鉛化カーボンブラック A−1をそれぞれ上記の黒鉛化カーボンブラック A−2〜A−3に変更した以外は、現像剤担持体B−7と同様にして現像剤担持体B−8、B−9をそれぞれ作製した。
<現像剤担持体b−5及びb−6の作製>
黒鉛化カーボンブラック A−1に代えて上記のカーボンブラック a−1又は黒鉛化カーボンブラック a−4に変更した以外は、現像剤担持体B−7と同様にして現像剤担持体b−5及びb−6をそれぞれ作製した。
現像剤担持体B−1〜B−9、b−1〜b−6の樹脂被覆層の構成と物性を表2に示す。
現像剤担持体B−1を、市販のレーザービームプリンターLBP−2510(キヤノン(株)製、商品名)の改造機を用いて以下に示すような方法によって評価を行った。
まず、LBP−2510用のシアンカートリッジEP−85(キヤノン(株)製、商品名)から現像剤担持体上に装着されている帯電補助ローラを外し、シアンカートリッジに現像剤1を充填し、さらに現像剤担持体B−1を組み込んだ。また、現像剤担持体の左右に取り付けるコロを直径の大きいものに変更し、現像剤担持体と感光ドラムとの間の間隙距離を280μmとした。この改造シアンカートリッジをプリンターLBP−2510のシアンステーションに装着し、その他のステーションにはダミーカートリッジを装着し、単色評価を実施した。
なお、現像装置の概略は、図4に挙げたようなものであり、現像剤層厚規制部材である弾性規制ブレード(ブレードと表すことがある)として、リン青銅板表面にポリアミドエラストマーからなる30μmの厚さを有するゴム層を貼り付けたものを用いた。
現像条件は、以下に示すジャンピング現像の条件を用いて行なった。
感光ドラムの非画像部の暗部電位(Vd)は−500V、静電潜像が形成された画像の明部電位(Vl)は−100V設定した。
さらに、現像剤担持体には現像バイアスとして−250Vの直流バイアスと、ピーク間の電圧(Vpp)1.8kVで周波数3.5kHzの矩形波からなる交流バイアスを重畳したものを用いて、ジャンピング現像を行った。
評価環境として、15℃/10%RHの低温/低湿環境(L/L)、23℃/60%RHの常温/常湿環境(N/N)及び30℃/85%RHの高温/高湿環境(H/H)の3つの環境をとり、6千枚まで画出(耐久評価)し、画質(画像濃度、カブリ、ハーフトーン均一性、縦スジ)、現像剤担持体表面の耐摩耗性(削れ量)及び耐汚染性を下記により評価した。
(1−1)画像濃度
画出し試験において初期(5枚目)と耐久評価終了時(6000枚目)にベタ画像を出力し、その濃度を10点測定して平均値をとって画像濃度とし、原稿濃度が0.00の白地部分の画像に対する相対濃度を測定した。その結果から、下記基準にて評価した。なお、画像濃度の測定には、マクベス反射濃度計RD918(マクベス社製、商品名)を用いた。
A:1.40以上
B:1.35以上、1.40未満
C:1.00以上、1.35未満
D:1.00未満
(1−2)カブリ
かぶり測定器(商品名:REFLECTMETER MODEL TC−6DS、東京電色社製)により測定したプリントアウト画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、初期(5枚目)と耐久評価終了時(6000枚目)の画像カブリを下記基準にて評価した。なお、フィルターとして、アンバーライトフィルターを用いた。
A:0.5%未満
B:0.5%以上、1.0%未満
C:1.0%以上、1.5%未満
D:1.5%以上
(1−3)ハーフトーン均一性(濃淡ムラ)
初期(5枚目)と耐久評価終了時(6000枚目)にプリントアウトした画像のハーフトーンに発生する、濃淡ムラについて、目視による観察を行い、下記基準にて評価した。
A:画像では全く確認できない
B:良く見ると軽微に確認できる
C:軽微に確認できる
D:やや目立つ濃淡ムラが確認できる
E:目立つ濃淡ムラが画像全面に確認できる
(1−4)縦スジ
画像形成進行方向に走る線状の縦スジについて、初期(5枚目)と耐久評価終了時(6000枚目)にベタ画像出力をしたのちに現像剤担持体上の現像剤コート層をそれぞれ観察し、また、このベタ画像及び(3)のハーフトーン画像について目視による観察を行い、下記基準にて評価した。
A:現像剤担持層及び画像ともに確認できない
B:現像剤担持層に軽微に確認できるが、画像には全く確認できない
C:現像剤担持層に細い筋が確認でき、ハーフトーン画像にも軽微に確認できる
D:現像剤担持層にはっきりした筋が確認でき、ベタ画像では軽微であるが、ハーフトーン画像で目立つ
E:現像剤担持層に融着状の太い筋が確認でき、ベタ画像でも目立つスジが確認できる
(1−5)樹脂被覆層の耐摩耗性
使用前と耐久評価後に現像剤担持体表面の樹脂被覆層の膜厚を測定し、削れ量を求めることで耐磨耗性を評価した。
(1−6)樹脂被覆層の耐汚染性
耐久評価後の現像剤担持体表面をKEYENCE社製の超深度形状測定顕微鏡にて、約200倍で観察し、トナー汚染の程度を下記の基準に基づいて評価した。
A:軽微な汚染しか観察されない
B:やや汚染が観察される
C:部分的に汚染が観察され、その汚染トナーの一部が微小な粒状に融着している
D:全面に汚染が観察され、その汚染トナーの大部分がやや小さな細長い粒状に融着している
E:全面に汚染したトナーが大きく細長い粒状に融着している
以上の画質(画像濃度、カブリ、ハーフトーン均一性、縦スジ)と現像剤担持体表面の耐磨耗性及び耐汚染性の評価結果を表3に示す。
[実施例2〜6及び比較例1〜4]
現像剤担持体として、現像剤担持体B−2〜B−7、b−1〜b−4をそれぞれ用いる以外は、実施例1と同様にカートリッジに組み込み、以下、実施例1と同様の画像評価を行なった。結果を表3に示す。
現像剤担持体B−7にマグネットローラーを挿入し、両端にフランジを取り付けた。このようにして得られた現像剤担持体を、デジタル複写機GP−405(キヤノン社製;商品名)の現像器に組み込み、現像剤2を充填して画出しを行った。
なお、使用した現像装置の概略は、図1に挙げたようなものであり、現像剤層厚規制部材としては、厚さ0.6mmの磁性ブレード(材質:SUS)を使用した。また、現像スリーブの回転速度は感光ドラムの回転速度に対し相対速度で140%とした。
評価環境として、15℃/10%RHの低温/低湿環境(L/L)、23℃/60%RHの常温/常湿環境(N/N)及び30℃/85%RHの高温/高湿環境(H/H)の3つの環境をとり、70万枚までプリントアウト(耐久評価)して、画質(画像濃度、カブリ、ハーフトーン均一性、スリーブゴースト)、現像剤担持体表面の耐摩耗性(削れ量)及び耐汚染性を下記により評価した。
(2−1)画像濃度
プリントアウトにおいて初期(20枚目)と耐久評価終了時にベタ画像を出力し、その濃度を10点測定して平均値をとって画像濃度とし、原稿濃度が0.00の白地部分の画像に対する相対濃度を測定した。その結果から、下記基準にて評価した。なお、画像濃度は「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いた。
A:1.40以上
B:1.35以上、1.40未満
C:1.00以上、1.35未満
D:1.00未満
(2−2)カブリ
かぶり測定器(商品名:REFLECTMETER MODEL TC−6DS、東京電色社製)により測定したプリントアウト画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、初期(20枚目)と耐久評価終了時の画像カブリを下記基準にて評価した。
A:1.0%未満
B:1.0%以上、2.0%未満
C:2.0%以上、3.0%未満
D:3.0%以上
(2−3)ハーフトーン均一性(濃淡ムラ)
初期(20枚目)と耐久評価終了時にプリントアウトした画像のハーフトーンに発生する、モヤ状の濃淡ムラについて、目視による観察を行い、下記基準にて評価した。
A:画像では全く確認できない
B:良く見ると軽微に確認できる
C:軽微に確認できる
D:やや目立つ濃淡ムラが確認できる
E:目立つ濃淡ムラが画像全面に確認できる
(2−4)スリーブゴースト
初期(20枚目)と耐久評価終了時に、図5に示すようなベタ白部51とベタ黒部52が隣り合って先端部に4.5cmあり、それに続いてハーフトーン部53があるA4サイズの用紙を用いた標準チャートを用い画出した。得られたハーフトーン画像上に現れた濃淡差を目視で観察し、下記の基準にて評価した。
A:濃淡差が全く見られない
B:軽微な濃淡差が見られる
C:濃淡差がやや見られるが実用可
D:目立つ濃淡差が4.5cm以内
E:目立つ濃淡差が4.5cm超
(2−5)樹脂被覆層の耐摩耗性
使用前と耐久評価後に現像剤担持体表面の樹脂被覆層の膜厚を測定し、削れ量を求めることで耐摩耗性を評価した。
(2−6)樹脂被覆層の耐汚染性
耐久評価後の現像剤担持体表面をKEYENCE社製の超深度形状測定顕微鏡を用いて、200倍で観察し、トナー汚染の程度を下記の基準に基づいて評価した。
A:軽微な汚染しか観察されない
B:やや汚染が観察される
C:部分的に汚染が観察され、その汚染トナーの一部が微小な粒状に融着している
D:全面に汚染が観察され、その汚染トナーの大部分がやや小さな細長い粒状に融着している
E:全面に汚染したトナーが大きく細長い粒状に融着している
以上の画質(画像濃度、カブリ、ハーフトーン均一性、縦スジ)と現像剤担持体表面の耐磨耗性及び耐汚染性の評価結果を表4に示す。
[実施例8〜9及び比較例5〜6]
現像剤担持体として、現像剤担持体B−7〜B−9、b−5〜b−6をそれぞれ用いる以外は、実施例7と同様にカートリッジに組み込み、以下、実施例7と同様の画像評価を行なった。結果を表4に示す。
石炭系重質油を熱処理することで得られたメソカーボンマイクロビーズを、洗浄・乾燥した後、アトマイザーミルで機械的に分散を行ない、窒素雰囲気下において800℃で一次加熱処理を行ない炭化させた。次いで、アトマイザーミルで二次分散を行った後、窒素雰囲気下において2400℃で熱処理し、更に分級して個数平均粒径5.8μmの黒鉛化粒子を集め、黒鉛化粒子X−1を得た。
<黒鉛化粒子X−2の製造>
コールタールピッチから溶剤分別によりβ−レジンを抽出し、これを水素添加、重質化処理を行った後、次いでトルエンにより溶剤可溶分を除去することでメソフェーズピッチを得た。そのメソフェーズピッチを微粉砕し、その粒子を空気中において800℃で酸化処理した後、窒素雰囲気下中にて2000℃で熱処理し、更に分級して個数平均粒径3.1μm黒鉛化粒子を集め、黒鉛化粒子X−2を得た。
<黒鉛化粒子X−3及びX−4の製造)
焼成温度および分級条件をかえた以外は黒鉛化粒子X−3と同様にして、個数平均粒径5.9μm(黒鉛化粒子X−3)、5.3μm(黒鉛化粒子X−4)である黒鉛化粒子を作製した。
上記にて作製した黒鉛化粒子X−1〜X−4の物性を測定し、表5に示した。
フタル酸20mol%、n−ドデセニルコハク酸20mol%、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸7mol%およびエチレンオキサイド付加ビスフェノールA53mol%を4口フラスコに仕込み、還流冷却器、水分離装置、N2ガス導入管、温度計および撹拌装置を付し、フラスコ内にN2ガスを導入しながら180℃で縮合重合反応を行い、反応終了後、水洗し、脱水、乾燥工程を経て、ポリエステル系樹脂(2)を得た。
次いで、ポリエステル系樹脂(2)100部に対して、マグネタイト85部、アゾ系鉄錯体化合物(負帯電性荷電制御剤)2部およびフィッシャートロプシュワックス5部を配合して、現像剤の製造例2と同様の方法にて重量平均粒径(D4)が7.4μmであるトナー粒子を得た。
このトナー粒子100部に対し、ヘキサメチルジシラザンで処理を施した負帯電性疎水性シリカ微粉末(BET300m2/g)1.2部とチタン酸ストロンチウム4.0部を加え、ヘンシェルミキサーで混合し、磁性トナーを有する負帯電性の磁性一成分現像剤(現像剤3)を得た。
<現像剤4の製造>
テレフタル酸600g、無水トリメリット酸600g、フマル酸330g、プロポキシ化ビスフェノールA(PO−BPA)1050g、エトキシ化ビスフェノールA(EO−BPA)450gおよび炭化水素系ワックス(融点100℃)183gを、エステル化触媒とともに4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置を装着した。窒素雰囲気下、130℃で撹拌しているポリエステルモノマーの混合物にビニル系重合体モノマー混合物(スチレン510g、2−エチルヘキシルアクリレート112gおよびジビニルベンゼン0.13g)を滴下ロートから4時間かけて滴下した。これを130℃に3時間保持し、その後230℃に昇温して反応を行った。反応終了後、生成物をフラスコから取り出し、冷却、粉砕して、ポリエステル系ユニットとビニル系重合ユニットとを有するハイブリッド樹脂成分からなり、軟化点が130℃であるハイブリッド樹脂(3)を得た。
このハイブリッド樹脂(3)100部、マグネタイト80部、アゾ系鉄錯体化合物(負帯電性荷電制御剤)2部およびポリエチレン系ワックス4部をヘンシェルミキサーで前混合した後、二軸式エクストルーダーにて溶融混練分散し混練物を得た。これを冷却後カッターミルで粗粉砕を行い、次いで、機械式粉砕機ターボミル(ターボ工業社製;回転子および固定子の表面に炭化クロムを含有したクロム合金めっきでコーティング)を用いて微粉砕し、得られた微粉砕物を多分割式の分級装置を用いて分級を行い、重量平均粒径(D4)が5.1μmである微粉体を得た。
次いで、この微粉体100部に対し、ヘキサメチルジシラザンおよびジメチルシリコーンオイル処理を施した疎水性コロイダルシリカ1.5部とチタン酸ストロンチウム0.5部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合分散して、磁性トナーを有する負帯電性の磁性一成分現像剤(現像剤4)を得た。
樹脂被覆層に含有される凹凸付与粒子について表6にまとめて示す。
メタノール40%含有のレゾール型フェノール樹脂溶液J−325(大日本インキ株式会社製、商品名)166.7部(固形分100部)、黒鉛化粒子X−1 35部、黒鉛化カーボンブラックA−1 10部および凹凸付与粒子Y−2 10部及びメタノール180部を、サンドミル(直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として使用)にて2時間分散する。この分散液から、篩を用いてガラスビーズを分離した後、更にメタノールで希釈して固形分33%の塗工液を得た。円筒管として外径24.5mm、中心線平均粗さRa=0.52μmの研削加工したアルミニウム製円筒管を用いること以外は実施例1と同様にして、現像剤担持体S−1を製造した。現像剤担持体S−1の樹脂被覆層の膜厚は13μmであった。この現像剤担持体S−1の樹脂被覆層の処方と物性を表7に示す。
得られた現像剤担持体S−1にマグネットローラを挿入し、両端にフランジを取り付けて現像剤担持体とし、これを静電潜像担持体がOPCドラムであるキヤノン社製デジタル複写機IR6010(230V機仕様、商品名)の現像器に組み込み、現像装置とした。
現像剤として、磁性トナーを有する負帯電性の磁性一成分現像剤(現像剤3)を使用し、1枚/10秒の間欠モードで100万枚画出しを行った。その途中の100枚目を初期の画像出力結果とし、また100万枚目を耐久終了時の画像出力結果として画像を評価をした。この評価のときの画出しは、常温常湿環境(23℃、50%RH;N/N)において実施した。画像評価は、画像濃度、カブリ、ブロッチ、スリーブゴースト、ハーフトーン均一性,画質及び樹脂被覆層の摩耗性について行った。なお、画像濃度、カブリ、スリーブゴースト、ハーフトーン均一性,樹脂被覆層の摩耗性に関しては、初期と耐久時の枚数、及び、評価時の環境条件以外は、上記(2−1)〜(2−5)と同様の方法で評価した。ブロッチ及び画質については下記のように測定した。得られた評価結果を表8及び9に示す。
(3−1)ブロッチ
初期と耐久評価終了時にプリントアウトしたそれぞれの画像全体および、その際、現像剤担持体上の波状ムラ、およびブロッチ(斑点状ムラ)等、現像剤担持体上でのトナーコート不良を目視による観察を行ない、下記基準にて評価した。
A:画像にも現像剤担持体上にも全く確認できない。
B:現像剤担持体上でわずかに確認できるが、画像ではほとんど確認できない。
C:ハーフトーン画像又はベタ黒画像で確認できる。
D:ベタ黒画像全体で画像不良が確認できる。
E:ベタ白画像上にも画像不良が確認できる。
(3−2)画質
初期と耐久評価終了時に、プリントアウトした縦横2.5mm角の文字「電」画像の飛び散りやカスレを確認し、下記基準で評価した。
A:倍率が10倍のルーペで見ても飛び散りのない鮮明な画像である。
B:目視で見る限り鮮明な画像である。
C:若干飛び散りが見られる。
D:飛び散り以外に文字のカスレが目立つ。
[実施例11]
実施例10において、黒鉛化粒子X−1と黒鉛化カーボンA−1の使用量をそれぞれ42部、2部とする他は実施例10と同様にして、現像剤担持体S−2を製造し、実施例10と同様に評価した。この現像剤担持体S−2の樹脂被覆層の処方と物性を表7に、また、評価結果を表8、9に示す。
[実施例12]
塗工液として、メタノール40%含有のレゾール型フェノール樹脂溶液J−325(大日本インキ株式会社製、商品名)166.7部(固形分100部)、黒鉛化粒子X−3 35部、黒鉛化カーボンブラックA−5 10部、凹凸付与粒子Y−1 10部、下記式(A)と(B)
とで形成される第4級アンモニウム塩 5部及びメタノール200部を、サンドミル(直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として使用)にて2時間分散する。この分散液から、篩を用いてガラスビーズを分離した後、更にメタノールで希釈して得られた固形分33%の塗工液を用いること以外は実施例10と同様にして、現像剤担持体S−3を製造し、実施例10と同様の評価をした。この現像剤担持体S−3の樹脂被覆層の処方と物性を表7に、また、評価結果を表8、9に示す。
[実施例13]
塗工液として、メタノール40%含有のレゾール型フェノール樹脂溶液J−325(大日本インキ株式会社製、商品名)166.7部(固形分100部)、黒鉛化粒子X−2 20部、黒鉛化カーボンブラックA−4 25部、凹凸付与粒子Y−2 10部、上記式(A)と(B)とで形成される第4級アンモニウム塩 5部及びメタノール200部を、サンドミル(直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として使用)にて2時間分散する。この分散液から、篩を用いてガラスビーズを分離した後、更にメタノールで希釈して得られた固形分33%の塗工液を用いること以外は実施例10と同様にして、現像剤担持体S−4を製造し、実施例10と同様の評価をした。この現像剤担持体S−4の樹脂被覆層の処方と物性を表7に、また、評価結果を表8、9に示す。
[実施例14]
黒鉛化カーボンブラックA−1に代えて黒鉛化カーボンブラックA−2を10部、また、黒鉛化粒子X−1に替えて黒鉛化粒子X−2を5部用いた他は実施例10と同様にして現像剤担持体S−5を製造し、実施例10と同様の評価をした。この現像剤担持体S−5の樹脂被覆層の処方と物性を表7に、また、評価結果を表8、9に示す。なお、評価には現像剤として磁性トナーを有する負帯電性の磁性一成分現像剤(現像剤4)を使用した。
[実施例15]
黒鉛化カーボンブラックA−2に代えて黒鉛化カーボンブラックA−3を10部用いた他は実施例14と同様にして現像剤担持体S−6を製造し、実施例14と同様の評価をした。この現像剤担持体S−6の樹脂被覆層の処方と物性を表7に、また、評価結果を表8、9に示す。
[実施例16]
黒鉛化カーボンブラックA−1に代えて黒鉛化カーボンブラックA−6を10部、また、黒鉛化粒子B−1に代えて黒鉛化粒子X−4を35部用いた他は実施例10と同様にして現像剤担持体S−7を製造し、実施例10と同様の評価をした。この現像剤担持体S−7の樹脂被覆層の処方と物性を表7に、また、評価結果を表8、9に示す。
Claims (11)
- 静電潜像担持体に担持された静電潜像を現像するためのトナーを有する現像剤を担持する現像剤担持体であって、
該現像剤担持体は、少なくとも基体及び該基体表面上に樹脂被覆層を有し、該樹脂被覆層は少なくとも結着樹脂とカーボンブラックとを含有し、該カーボンブラックのX線回折により測定される黒鉛(002)面の面間隔が0.3370nm以上0.3450nm以下であることを特徴とする現像剤担持体。 - 該カーボンブラックが、黒鉛化処理されていることを特徴とする請求項1に記載の現像剤担持体。
- 該カーボンブラックの平均一次粒径が10nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像剤担持体。
- 該カーボンブラックのDBP吸油量が50ml/100g以上200ml/100g以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像剤担持体。
- 該カーボンブラックのDBP吸油量が50ml/100g以上150ml/100g以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像剤担持体。
- 該樹脂被覆層が、さらに黒鉛化粒子を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の現像剤担持体。
- 該黒鉛化粒子が、黒鉛化されたメソカーボンマイクロビーズまたは黒鉛化されたバルクメソフェーズピッチ粒子であることを特徴とする請求項6に記載の現像剤担持体。
- 該樹脂被覆層のX線回折により測定されるX線回折チャートにおいて、X線回折パターン2θが、25.46°以上26.67°以下の範囲にメインピークを有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の現像剤担持体。
- 該メインピークの半値幅の全域が、25.09°以上27.04以下の範囲にあることを特徴とする請求項8に記載の現像剤担持体。
- 該樹脂被覆層のX線回折により測定されるX線回折チャートにおいて、X線回折パターン2θが、25.84°以上26.46°以下の範囲と、25.46°以上25.84°以下の範囲に、それぞれに少なくとも1つピークを有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の現像剤担持体。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の現像剤担持体を有することを特徴とする現像装置。
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