JP6049604B2 - 現像ローラー、現像装置、及び現像装置を備えた画像形成装置 - Google Patents

現像ローラー、現像装置、及び現像装置を備えた画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、像担持体の外周面に非接触で対向配置される現像ローラーの技術に関する。
電子写真方式によって用紙に画像を形成する複写機やプリンター等の画像形成装置には現像装置が搭載されている。現像装置は、感光体ドラム等の像担持体上に形成された静電潜像をトナーで現像する。現像方式としては、磁性キャリアとトナーとを含む2成分現像剤を使用して像担持体にトナー像を現像する所謂2成分現像方式が知られている。2成分現像方式の一例として、従来から、インタラクティブタッチダウン現像方式と称する非接触による現像方式が知られている。前記インタラクティブタッチダウン現像方式では、前記像担持体から所定のギャップを隔てて配置された現像ローラーと、内部に磁石が設けられた磁気ローラーとが用いられる。前記磁気ローラーは、トナーとともに磁性キャリアを磁気的に汲み上げて表面に保持する。前記磁気ローラーは、磁気ブラシによって現像ローラーにトナーのみを転移させ、現像ローラー上にトナーの薄層を形成する。そして、現像ローラーに印加された交流成分を含む現像バイアスによって生じた交流電界により現像ローラーから前記像担持体の静電潜像へトナーを飛ばして付着させる。
この種の現像装置に用いられている現像ローラーは、アルミニウム製の基体の表面にアルマイト層がコーティングされ、更にその表面に樹脂コート層がコーティングされたものが知られている(特許文献1参照)。前記アルマイト層は、前記像担持体と前記現像ローラーとの間でリークが発生するのを抑制する役割を担っている。
特開2009−251272号公報
ところで、現像ローラーのアルマイト層は、前記基体を陽極としてアルミニウムを酸性水溶液の電解浴槽に浸して電流を流すことにより、電気化学的な処理(アルマイト処理又は陽極酸化処理と称されている)によって前記基体の表面に形成された酸化アルミニウム皮膜である。このような処理を経て形成される前記アルマイト層の表層には、ポーラスと称する多数の孔を有する多孔質層が形成される。前記多孔質層における孔の数や孔の深さ、孔の外径などの要素は、現像装置に搭載される現像ローラーごとにばらつきがある。これらの要素のばらつきは、以下の問題を招く。すなわち、前記多孔質層の上に樹脂コート層が形成されると、多孔質層の孔に樹脂が入り込みことになる。樹脂の絶縁性とアルマイト層の絶縁性は異なるため、孔に入り込んだ樹脂の量によってアルマイト層の絶縁性能が変化する。つまり、孔の数やサイズが現像ローラーごとに異なると、アルマイト層に入り込んだ樹脂の量も現像ローラーごとに異なり、その結果、現像ローラー毎に絶縁性能がばらつくことになる。
また、前記アルマイト層の表面に樹脂コート層を形成する過程において、前記樹脂コート層を乾燥させるために現像ローラーは高温環境(例えば90℃〜130℃)に置かれる。アルマイトは、素材であるアルミニウムの熱膨張係数との差により、高温環境に置かれるとクラックを生じ易い。前記樹脂コート層の乾燥過程において前記クラックが発生すると、そのクラックに樹脂が入り込み、現像ローラーの絶縁性能が変化する。前記クラックの数やサイズは、前記多孔質層の孔のサイズなどと同じく、現像ローラーごとに異なる。そのため、アルマイト層のクラックに入り込んだ樹脂の量も現像ローラーごとに異なり、その結果、現像ローラー毎に絶縁性能がばらつくことになる。なお、前記樹脂コート層を低温で乾燥させると乾燥工程に時間がかかることになる。また、低温で乾燥させる場合でも、現像ローラーの表面の曲率が大きい場合は、低温乾燥であってもクラックが生じる場合がある。
このように、現像ローラーの絶縁性能がばらつくと、現像バイアスの印加時に前記像担持体と前記現像ローラーとの間の絶縁が破られて、前記像担持体と前記現像ローラーとの間にリークが生じることになる。特に、前記クラックは、多孔質層の孔に比べてアルマイト層に深く入り込んでいるため、そのクラックの先端部が電極の代わりになり、リークを生じさせる大きな原因となる。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ばらつきのない安定した絶縁性能を確保することができる現像ローラー、これを備えた現像装置及び画像形成装置を提供することにある。
本発明の一の局面に係る現像ローラーは、像担持体の外周面に非接触で対向配置されるローラー本体を備える。前記ローラー本体は、アルミニウムを含む金属からなる基体の外周面にベーマイト法による表面処理によってベーマイト層が形成され、そのベーマイト層の表面に樹脂材料からなる導電性を有する樹脂コート層が形成されている。
本発明の他の局面に係る現像装置は、前記現像ローラーと、磁気ローラーと、を備えている。前記磁気ローラーは、トナー及び磁性キャリアからなる磁気ブラシによって前記現像ローラーの表面にトナー層を形成する。
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、前記現像装置を備える。
本発明によれば、現像ローラーにおいてばらつきのない安定した絶縁性能を確保することができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す模式図である。 図1の画像形成装置が備える制御部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る現像装置の構成を示す断面図である。 現像装置が備える現像ローラーの現像スリーブの構成を示す断面図である。 現像スリーブに関するリーク発生電圧の評価を示す表である。 現像スリーブについての比較例1〜2、及び実施例1〜8を示す表である。 現像スリーブの交流インピーダンスZ、抵抗成分Rs、静電容量成分Csを測定するための実験装置を示す図である。
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明を具体化した一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態は適宜変更できる。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置10(本発明の画像形成装置の一例)の概略構成を示す模式図である。図1に示されるように、画像形成装置10は、いわゆるタンデム方式のカラー画像形成装置であり、複数の画像形成部1〜4と、中間転写ベルト5と、駆動ローラー7Aと、従動ローラー7Bと、二次転写装置15と、定着装置16と、制御部8と、給紙トレイ17と、排紙トレイ18と、を備えている。なお、本発明の実施形態に係る画像形成装置10の具体例は、カラー画像又はモノクロ画像を形成可能なプリンターや複写機、ファクシミリ、これらの各機能を備えた複合機である。
画像形成部1〜4は、電子写真方式に基づいて画像を形成するものである。画像形成部1〜4は、並設された複数の感光体ドラム11〜14(本発明の像担持体の一例)それぞれに色の異なるトナー像を形成し、そのトナー像を走行中(移動中)の中間転写ベルト5に順次重ね合わせて転写する。図1に示される例では、中間転写ベルト5の移動方向(矢印19方向)の下流側から順に、ブラック用の画像形成部1、イエロー用の画像形成部2、シアン用の画像形成部3、及びマゼンタ用の画像形成部4がその順番で一列に配置されている。
画像形成部1〜4それぞれは、感光体ドラム11〜14、帯電装置21〜24、露光装置31〜34、現像装置41〜44(本発明の現像装置の一例)、一次転写装置51〜54等を備えている。感光体ドラム11〜14は、その表面にトナー像を担持する。帯電装置21〜24は、対応する感光体ドラム11〜14の表面を所定の電位に帯電させる。露光装置31〜34は、帯電された感光体ドラム11〜14の表面を露光して光を走査することにより静電潜像を形成する。現像装置41〜44は、感光体ドラム11〜14上の静電潜像をトナーによって現像する。一次転写装置51〜54は、回転する感光体ドラム11〜14上のトナー像を中間転写ベルト5に転写する。なお、図1には示されていないが、各画像形成部1〜4は、感光体ドラム11〜14上に残存したトナー像を除去するクリーニング装置も備えている。
中間転写ベルト5は、例えばゴムやウレタン等の素材からなる無端環状のベルトである。中間転写ベルト5は、駆動ローラー7A及び従動ローラー7Bによって回転駆動可能に支持されている。駆動ローラー7Aは定着装置16に近い位置(図1において左側)に配置されており、従動ローラー7Bは定着装置16から離れた位置(図1において右側)に配置されている。駆動ローラー7Aの表面は中間転写ベルト5との摩擦力を高めるために例えばゴムやウレタン等の素材で形成されている。駆動ローラー7A及び従動ローラー7Bによって支持されることにより、中間転写ベルト5は、その表面が各感光体ドラム11〜14の表面に接しながら移動(走行)可能となる。そして、中間転写ベルト5は、その表面が感光体ドラム11〜14と一次転写装置51〜54との間を通過する際に、感光体ドラム11〜14からトナー像が順に重ね合わせて転写される。
二次転写装置15は、中間転写ベルト5に転写されたトナー像を給紙トレイ17から搬送されてきた印刷用紙に転写させる。トナー像が転写された印刷用紙は、図示しない搬送手段によって定着装置16に搬送される。定着装置16は、高温に加熱された加熱ローラー16Aと、この加熱ローラー16Aに対向配置された加圧ローラー16Bとを有する。定着装置16に搬送された印刷用紙は、加熱ローラー16Aと加圧ローラー16Bとによって挟持されつつ搬送されることによって、トナー像が印刷用紙に溶着される。その後、印刷用紙は排紙トレイ18に排出される。
このように、画像形成装置10は、複数の画像形成部1〜4によって各色のトナー像を走行中の中間転写ベルト5上に重ねて転写することにより、カラーのトナー像を中間転写ベルト5の表面に形成させる。そして、そのカラーのトナー像は、二次転写装置15によって中間転写ベルト5から印刷用紙へ転写される。これにより、印刷用紙上にカラー画像が形成される。なお、中間転写ベルト5を搬送ベルトとして用い、その搬送ベルト上に搬送される印刷用紙にトナー像が直接に重ね合わせて転写される構成や、中間転写ベルト5に代えてローラー状の中間転写部材を用いることも他の実施例として考えられる。
制御部8は、画像形成装置10を統括的に制御する。制御部8は、CPU、ROM、RAM、EEPROM、モータードライバー等を有している。前記RAMは揮発性の記憶媒体、前記EEPROMは不揮発性の記憶媒体である。前記RAMおよび前記EEPROMは、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリーとして使用される。前記モータードライバーは、前記CPUからの制御信号に基づいて各種用途のモーター(不図示)を駆動制御する。
また、制御部8は、図2に示されるように、第1バイアス回路71、第2バイアス回路72、および電圧可変装置73を有している。第1バイアス回路71は、現像装置41〜44が備える現像ローラー63(図3参照)に電圧を印加する。また、第2バイアス回路72は、現像装置41〜44が備える磁気ローラー62(図3参照)に電圧を印加する。電圧可変装置73は、現像ローラー63および磁気ローラー62に印加される電圧を可変する。
図3は、画像形成部1が備える現像装置41の構成を示す断面図である。以下、図3を参照して、現像装置41の構成について説明する。なお、他の現像装置42〜44は、現像装置41と同じ構成であるため、その詳細な説明を省略する。
現像装置41は、感光体ドラム11に対して非接触状態でトナーを静電潜像に静電的に付着させる現像方式であって、インタラクティブタッチダウン現像方式と称される現像方式によって現像する装置である。図3に示されるように、現像装置41は、トナーを含む2成分現像剤(以下、単に現像剤ともいう。)が収納される現像容器60を備えている。現像容器60は仕切壁60Aによって第1撹拌室60B及び第2撹拌室60Cに区画されている。第1撹拌室60B及び第2撹拌室60Cそれぞれに、現像剤が収容されている。第1撹拌室60Bには第1撹拌スクリュー61Aが回転可能に設けられている。第2撹拌室60Cには第2撹拌スクリュー61Bが回転可能に設けられている。第1撹拌スクリュー61A及び第2撹拌スクリュー61Bは、トナーコンテナ(不図示)から現像容器60に供給されたトナーを磁性キャリアと混合して撹拌し、前記トナーを帯電させる。
現像容器60内に磁気ローラー62及び現像ローラー63(本発明の現像ローラーの一例)が設けられている。磁気ローラー62は、トナーが付着された磁性キャリアがローラー面に保持されるものである。この磁気ローラー62は、トナーが付着された磁性キャリアからなる後述の磁気ブラシによって現像ローラー63の表面にトナー層を形成する。現像ローラー63は、磁気ローラー62に対向して配置されている。具体的には、磁気ローラー62は、第2撹拌スクリュー61Bの上方に配置されている。現像ローラー63は、磁気ローラー62の左斜め上方に、磁気ローラー62と所定のギャップを隔てた状態で対向するように配置されている。また、現像ローラー63は、現像容器60の開口64側(図3の左側)において感光体ドラム11に所定のギャップを隔てた状態で対向している。つまり、現像ローラー63は、感光体ドラム11の外周面に対向するように配置されている。磁気ローラー62及び現像ローラー63は、図3において時計回転方向(矢印91,92参照)へ回転される。
磁気ローラー62は、非磁性の回転スリーブ62Aと、複数の磁極を有する磁気ローラー側磁極62Bとにより構成されている。回転スリーブ62Aは、現像装置41のフレーム(不図示)に回転可能に支持されている。磁気ローラー側磁極62Bは、回転スリーブ62Aに内包されている。つまり、磁気ローラー62の内部に磁気ローラー側磁極62Bが設けられている。磁気ローラー側磁極62Bは、回転スリーブ62A内で固定されている。本実施形態では、磁気ローラー側磁極62Bは、主極75、規制極(穂切り用磁極)76、搬送極77、剥離極78、及び汲上極79の5極の磁極を有する。各磁極75〜79は、例えば、磁力を発生する永久磁石で構成されている。
主極75は、その磁極面が現像ローラー63側に向けられた状態で磁気ローラー側磁極62Bに取り付けられている。この主極75は、現像ローラー63が備える現像ローラー側磁極63Bとの間で引き合う方向の磁界を形成する。
現像容器60には穂切りブレード65が設けられている。穂切りブレード65は、磁気ローラー62の長手方向(図3の紙面に垂直な方向)に沿って取り付けられている。穂切りブレード65は、磁気ローラー62の回転方向(矢印92参照)において、現像ローラー63と磁気ローラー62との対向位置よりも上流側に配置されている。穂切りブレード65の先端部と磁気ローラー62のローラー面との間には僅かなギャップ(隙間)が形成されている。
規制極76は、その磁極面が穂切りブレード65側に向けられた状態で磁気ローラー側磁極62Bに取り付けられている。つまり、規制極76と穂切りブレード65とは互いに対向するように配置されている。穂切りブレード65は、例えば、非磁性体或いは磁性体で構成されている。穂切りブレード65に磁気ローラー側磁極62Bの規制極76が対向するため、穂切りブレード65の先端と回転スリーブ62Aとのギャップに引き合う方向の磁界が発生する。この磁界により、穂切りブレード65と回転スリーブ62Aとの間に、トナー及び磁性キャリアからなる磁気ブラシが形成される。
現像ローラー63は、円筒状の現像スリーブ63A(本発明のローラー本体の一例)と、現像ローラー側磁極63Bとにより構成されている。現像スリーブ63Aは、現像装置41のフレーム(不図示)に回転可能に支持されている。
図4に示されるように、現像スリーブ63Aは、アルミニウム製の素管からなる筒形状の基体81で構成されており、その外周面にベーマイト層82がベーマイト法に基づく表面処理(以下「ベーマイト処理」という。)によりコーティングされている。
前記ベーマイト処理は、基体81の表面に化学的に酸化皮膜を形成する表面処理方法であり、アルミニウムの化成処理の一つであることで知られている。具体的には、前記ベーマイト処理は、高温の純水中に基体81を所定の処理時間だけ浸す、又は高温の純水を基体81の表面に前記処理時間だけかけ流すことにより、基体81の表面にAlO(OH)やAl・nHOなどの組成式で表されるアルミニウム水和酸化皮膜(水和アルミナとも呼ばれている。)を生成する処理である。本実施形態では、このベーマイト処理により、基体81の表面に、0.2μm〜1.0μmのアルミニウム水和酸化皮膜が形成される。なお、前記処理時間に比例してベーマイト層82の層厚は厚くなる。具体的には、本実施形態の基体81に対するベーマイト処理において前記処理時間を30秒から300秒としたときに、ベーマイト層82の層厚は0.2μm〜1.0μmとなる。
そして、そのベーマイト層82の表面に更に樹脂材料からなる導電性を有する樹脂コート層83(本発明の樹脂コート層の一例)がコーティングされている。つまり、現像スリーブ63Aは、基体81の外周面にベーマイト層82が形成されており、そのベーマイト層82の表面に樹脂コート層83が形成されている。樹脂コート層83の材料としては、ナイロン樹脂が用いられている。つまり、樹脂コート層83は、ナイロン樹脂からなるコート層である。より詳細には、樹脂コート層83は、前記ナイロン樹脂に導電剤として導電性を有する酸化チタンを分散状に含有したものである。前記酸化チタンが含まれているため、樹脂コート層83は導電性を有する。
本発明者等は、次の実験1及び実験2を行うことによって、ベーマイト層82に樹脂コート層83が形成された現像スリーブ63Aは、従来のアルマイト層を用いたものに比べて絶縁性能のばらつきが小さいことを見出した。具体的には、実験1では、外径が12mmから20mmまでの複数の基体81それぞれに対して、前記処理時間を30秒、60秒、90秒、120秒、300秒として前記ベーマイト処理(処理温度:90℃)を施した複数の現像スリーブ63Aを用意した。そして、実験1の実験対象である現像スリーブ63Aに感光体ドラム11と同じドラム部材を実際の現像時のギャップを隔てて配置させた状態で、現像スリーブ63Aの基体81に交流電圧を印加した。また、実験2では、外径が12mmから20mmまでの複数の基体81それぞれに対して層厚が10μmのアルマイト層が形成された複数の現像スリーブ63Aを用意した。そして、実験2の実験対象である現像スリーブ63Aに感光体ドラム11と同じドラム部材を実際の現像時のギャップを隔てて配置させた状態で、前記ドラム部材をグランドなどに接地接続し、現像スリーブ63Aの基体81に交流電圧を印加した。実験1及び実験2ともに、前記ドラム部材とグランドとの間にはリーク電流を測定するための電流計が設けられ、この電流計によってリーク電流が検出されるまで前記交流電圧を上昇させた。そして、リーク電流が検出されるまでの手順を各実験対象それぞれに対して10回行い、各回ごとにリーク電流が検出されたときの印加電圧をプロットした。また、いずれの実験においても、樹脂コート層83の層厚は一定とした。この実験により得られたクラック発生状態及びリーク発生電圧のばらつきに関する評価が図5に示されている。なお、前記クラック発生状態については、樹脂コート層83が形成された状態で表面を目視確認し、クラックを確認できなかった場合を○(Good:良好)、画質に影響する多数のクラックを確認した場合を×(Poor:悪い)とした。前記リーク発生電圧のばらつきは、リーク電流が流れたときの印加電圧の変動幅が平均印加電圧の1割未満である場合を○(Good:良好)、前記変動幅が前記平均印加電圧の1割以上である場合を×(Poor:悪い)とした。
図5に示される各実験結果から、本実施形態の現像スリーブ63Aは、従来のアルマイト層を用いたものに比べてリーク発生電圧のばらつきが小さいこと、すなわち、絶縁性能のばらつきが小さいことが分かる。また、絶縁性能のばらつきが小さいことを裏付けるように、クラックの発生が少ないことが分かる。一方、従来のアルマイト層を有する現像スリーブは、リーク発生電圧のばらつきが大きく、その原因であるクラックが多数発生していることが分かる。つまり、基体81にベーマイト層82が形成され、更に樹脂コート層83が形成されることにより、従来のアルマイト層を用いたものに比べて絶縁性能のばらつきが小さい現像スリーブ63Aを実現することができる。
本実施形態の現像スリーブ63Aは、次の工程を経て製作される。すなわち、基体81の外周面に90℃の熱水を用いて30秒〜300秒の範囲内で前記ベーマイト処理を施して、0.2μm〜1.0μmのベーマイト層82を形成する。その後、結着樹脂としての前記ナイロン樹脂、導電剤として前記酸化チタン、および分散媒体としてのメタノール800[重量部]を直径1.0mmのジルコニアビーズとともにボールミルで約48時間混合し、その混合液に前記ベーマイト処理されたアルミニウム製の基体81を浸漬させた後に引き上げ、130℃の高温環境の下で10分間乾燥させることにより、厚み2μm〜9μmの樹脂コート層83がコーティングされた現像スリーブ63Aが製作される。
図3に示されるように、現像ローラー側磁極63Bは、現像スリーブ63Aに内包されている。つまり、現像ローラー62の内部に現像ローラー側磁極63Bが設けられている。現像ローラー側磁極63Bは、例えば、磁力を発生する永久磁石で構成されており、主極75とは異なる極性である。このため、現像ローラー側磁極63Bは、主極75との間で引き合う方向の磁界を形成する。
現像ローラー63の現像スリーブ63Aには、直流電圧(以下、Vslv[DC]という)及び交流電圧(以下、Vslv[AC]という)を印加する第1バイアス回路71(図2参照)が接続されている。磁気ローラー62の回転スリーブ62Aには、直流電圧(以下、Vmag[DC]という)及び交流電圧(以下、Vmag[AC]という)を印加する第2バイアス回路72(図2参照)が接続されている。第1バイアス回路71及び第2バイアス回路72は共通のグランドに接地されている。第1バイアス回路71及び第2バイアス回路72は、直流電源(不図示)から供給される直流電圧に交流電源(不図示)から供給される交流電圧を重畳させて印加する。
第1バイアス回路71及び第2バイアス回路72には電圧可変装置73(図2参照)が接続されている。電圧可変装置73によって、現像ローラー63に印加されるVslv[DC]、Vslv[AC]、及び磁気ローラー62に印加されるVmag[DC]、Vmag[AC]が変更可能である。
前述のように、第1撹拌スクリュー61A及び第2撹拌スクリュー61Bによって、現像剤が撹拌されつつ現像容器60内を循環してトナーを帯電させ、第2撹拌スクリュー61Bによって現像剤が磁気ローラー62に搬送される。穂切りブレード65には磁気ローラー側磁極62Bの規制極76が対向している。そのため、穂切りブレード65と回転スリーブ62Aとの間に前記磁気ブラシが形成される。磁気ローラー62上の前記磁気ブラシは穂切りブレード65によって層厚が規制された後、回転スリーブ62Aの回転によって現像ローラー63に対向する位置に移動する。この位置に移動した前記磁気ブラシは、磁気ローラー側磁極62Bの主極75及び現像ローラー側磁極63Bにより引き合う磁界が付与される。そのため、前記磁気ブラシは現像ローラー63のローラー面に接触される。これにより、磁気ブラシの磁性キャリアに付着したトナーが現像ローラー62に転移する。また、磁気ローラー62に印加されるVmag[DC]と現像ローラー63に印加されるVslv[DC]との電位差ΔVによって、現像ローラー63のローラー面上にトナー薄層が形成される。なお、前記電位差ΔVが電圧可変装置73によって調整されることにより、現像ローラー63上のトナー層厚が変化する。
前記磁気ブラシによって現像ローラー63上に形成されたトナー薄層は、現像ローラー63の回転によって感光体ドラム11と現像ローラー63との対向部分に搬送される。現像ローラー63の現像スリーブ63Aには交流成分を含む電圧が印加されているため、感光体ドラム11との間の電位差(現像バイアス)によってトナーが感光体ドラム11へ飛翔する。このとき、現像スリーブ63Aに印加された交流電圧により形成される交流電界によって、トナーは感光体ドラム11と現像スリーブ63Aとの間を活発に往復運動する。その往復運動において感光体ドラム11上の静電潜像にたどりついたトナーは静電潜像に付着して、この静電潜像を現像する。一方、静電潜像以外の非画像領域との間で往復運動するトナーは、非画像領域に付着せずに現像スリーブ63Aに戻される。
さらに磁気ローラー62の回転スリーブ62Aが時計回りに回転すると、今度は主極75に隣接する異極性の搬送極77により発生する水平方向(ローラー周方向)の磁界によって、前記磁気ブラシは現像ローラー63のローラー面から引き離され、現像に用いられずに残ったトナーが現像ローラー63から回転スリーブ62A上に回収される。さらに回転スリーブ62Aが回転すると、磁気ローラー側磁極62Bの剥離極78及びこれと同極性の汲上極79により反発する磁界が付与されるため、トナーは現像容器60内で回転スリーブ62Aから離脱する。そして、第2撹拌スクリュー61Bにより撹拌、搬送された後、再び適正なトナー濃度で均一に帯電された2成分現像剤として汲上極79により再び回転スリーブ62A上に保持されて、磁気ブラシを形成し、穂切りブレード65へ搬送される。
ところで、現像装置41においては、高い現像性が要求される。つまり、現像ローラー63の現像スリーブ63Aから感光体ドラム11の静電潜像に確実にトナーを付着させることが要求される。前記現像性を向上させるために現像ローラー63の抵抗を小さくして現像電界(感光体ドラム11との電位差)を大きくすることが考えられる。しかしながら、現像ローラー63の抵抗を小さくすると、現像に使用されなかったトナーが現像スリーブ63Aの表面に付着する付着力(鏡像力)が大きくなり、不使用のトナーが現像スリーブ63Aから離脱しにくくなる。現像スリーブ63Aの表面に担持されたトナーが離脱せずに長時間保持されたままにされると、現像スリーブ63Aの表面にトナーフィルミングが生じ、ローラー汚染を招く。一方、前記鏡像力を小さくすれば、トナーが離脱しやすくなり、トナーフィルミングによる前記ローラー汚染が抑制され、耐汚染性が向上する。しかし、前記鏡像力が小さくなると、トナーが現像スリーブ63Aから離れ易くなり、不必要にトナーが感光体ドラム11に付着してトナーかぶりが生じ、トナーによる現像性が低下する。つまり、現像装置41では、前記現像性及び前記耐汚染性の両方が良好であることが求められる。
従来、現像装置41による前記現像性は、現像スリーブ63AのDC体積抵抗値(直流体積抵抗値)のみによって評価されていた。前記DC体積抵抗値は、前記現像性の評価にある程度の関係性を有しており、そのため、前記DC体積抵抗値は、従来から前記現像性を評価する指標として使用されていた。しかしながら、前記DC体積抵抗値は、前記ローラー汚染を示す耐汚染性との間には何ら関係性を有しておらず、前記耐汚染性の評価には利用できない。また、交流電圧(AC電圧)を印加する現像方式においては、前記DC体積抵抗値を指標とする場合に現像性を十分に評価できない。そこで、本発明者等は、前記事情に鑑みて鋭意検討を行った結果、前記現像性については現像スリーブ63Aの交流インピーダンスZ[Ω]における抵抗成分Rs[Ω]が影響しており、前記ローラー汚染については現像スリーブ63Aの交流インピーダンスZ[Ω]における静電容量成分Cs[F]が影響していることを見出した。つまり、本発明者等は、前記現像性および前記耐汚染性の両方に関係性を有する指標として、現像スリーブ63Aの交流インピーダンスZ[Ω]における抵抗成分Rs[Ω]および静電容量成分Cs[F]を利用できること、とりわけ、抵抗成分Rsと静電容量成分Csとの積である数値Rs・Csを利用できることを後述の実験結果から見出した。
前記交流インピーダンスZは、現像スリーブ63Aの基体81に交流電圧を供給したときの電流の流れにくさを示すものであり、現像スリーブ63Aの抵抗成分Rs及び静電容量成分Csを用いて、以下の式(1)により表される。
Figure 0006049604
前記静電容量成分Csの利用可能性については、ローラー汚染が現像スリーブ63Aに対するトナーの鏡像力(付着性)に密接に関係していることに基づいて検証できる。前記鏡像力が小さくなると、トナーの付着力が低下するので、トナーが現像スリーブ63Aから離れ易くなる。このため、前記ローラー汚染は抑制され、耐汚染性が向上すると考えられる。一般に、前記鏡像力Fiは、補正係数をα、現像スリーブ63Aの比誘電率をε、真空の誘電率をε、トナーの帯電量をq、トナーの直径をDとすると、以下の式(2)により表される。
Figure 0006049604
式(2)から、現像スリーブ63Aの比誘電率εが小さい場合、つまり、現像スリーブ63Aの媒質の誘電率εが小さい場合、前記鏡像力Fiは小さくなる。現像スリーブ63Aの静電容量Csは、ε・S/dで表されるため、誘電率εが小さいほどCsが小さくなることから、現像スリーブ63Aの静電容量Csが小さいほど前記鏡像力が小さくなり、前記ローラー汚染が軽減することが検証できる。
以下、図6及び図7を参照して、前記数値Rs・Csの適正値について説明する。図6は、現像スリーブ63Aについての比較例1〜2、及び実施例1〜8を示す表である。具体的には、各比較例及び各実施例それぞれについて、ベーマイト層82の処理時間、酸化チタンの含有量、樹脂コート層83の厚み、樹脂コート層83の表面粗さRaなどの各要素が異なる現像スリーブ63Aを用意し、各比較例及び各実施例それぞれについて、交流インピーダンスZ、抵抗成分Rs、静電容量成分Csを測定し、前記数値Rs・Csを求めた。
図7は、現像スリーブ63Aの交流インピーダンスZ、抵抗成分Rs、静電容量成分Csを測定するための実験装置90を示す図である。この実験装置90は、水平方向へ4mmの間隔を隔てて配置された直径18mmの2本のステンレス製のSUSローラー91,92を備える。SUSローラー91,92間には、アルミ製のフィルム電極93(水平方向長さ150mm)が懸架されている。フィルム電極93の上面にローラー面が密着するように、実験対象である現像スリーブ63A(比較例1〜2、実施例1〜8)が配置される。更に、その現像スリーブ63Aの上方に直径30mmのSUSローラー95が配置されている。SUSローラー95には、500gのウエイト96によって下方へ荷重がかけられており、その荷重がSUSローラー95を介して現像スリーブ63Aにかけられている。なお、現像スリーブ63Aを含め各ローラー体は回転されない状態で実験される。2本のSUSローラー91,92は、インピーダンス測定器97(日置電機株式会社製のLCRハイテスタ3522)の一方の電極に接続されており、現像スリーブ63Aの基体81は、インピーダンス測定器97の他方の電極に接続されており、この状態で、インピーダンス測定器97によるインピーダンス測定が行われる。当該実験において、インピーダンス測定器97の電極の両端には、電圧値が5.0Vの正弦波形の交流電圧が印加される。そして、印加される交流電圧の周波数を変化させながら、現像スリーブ63Aの交流インピーダンスZ、抵抗成分Rs、及び静電容量成分Csを測定する。測定は複数回(2回〜16回)行われ、測定値の平均値から算出された前記数値Rs・Csが実験結果として図5の表に示されている。なお、前記交流電圧の周波数が変わると交流インピーダンスZは変化するが、抵抗成分Rs及び静電容量成分Csは変わらない。
更に、図6に示される各例の現像スリーブ63Aを搭載した現像装置41を用いて印刷用紙に単色の画像形成を行った結果から、前記現像性及び前記耐汚染性について評価した。また、各例の現像スリーブ63Aに対して前記実験1を行った結果から、前記リーク発生電圧のばらつき(絶縁性能のばらつき)について評価した。それぞれの評価結果が図6の表に示されている。ここで、前記現像性については、100%ベタ画像を画像形成したときの印刷物から得られる透過濃度値が1.0以上である場合を○(Good:良好)、同透過濃度値が0.7以上であり1.0T.D.未満である場合を△(Fair:中程度)、同透過濃度値が0.7未満である場合を×(Poor:悪い)とした。前記耐汚染性については、単色で100%ベタ画像を画像形成したときの印刷物の画像を目視確認し、ほとんど汚染の影響が無い場合を○(Good:良好)、若干汚染の影響があるが画像に大きな影響が無い場合を△(Fair:中程度)、汚染の影響が画像にはっきり現れている場合を×(Poor:悪い)とした。また、前記リーク発生電圧のばらつきについては、リーク電流が流れたときの印加電圧の変動幅が平均印加電圧の1割未満である場合を○(Good:良好)、前記変動幅が前記平均印加電圧の1割以上である場合を×(Poor:悪い)とした。
なお、前記現像性、及び前記耐汚染性を評価するにあたり、以下の条件の下で画像形成を行った。具体的な条件は、プリント速度を30枚/分、感光体ドラム11の周速を180mm/秒、感光体ドラム11と現像スリーブ63Aとのギャップを0.12mm、現像バイアスとして印加する交流電圧の周波数を3.7kHz、トナー及びキャリアの重量比率を9%とした。
図6に示される各比較例1〜2では、前記リーク発生電圧のばらつきが小さいが、前記現像性及び前記耐汚染性の両方が良好にならなかった。一方、実施例1〜8では、前記現像性及び前記耐汚染性の両方が良好であるという評価となり、前記リーク発生電圧のばらつきも小さく、絶縁性能が良好であるという評価が得られた。図6に示される表から明らかなように、前記数値Rs・Csが8.0×10−7(図6の実施例8参照)以上であり、1.8×10−4(図6の実施例2参照)以下の範囲内であれば、現像スリーブ63Aの前記リーク発生電圧のばらつきに加えて、前記現像性及び前記耐汚染性の両方が良好であることが分かる。このことは、前記数値Rs・Csが前記現像性および前記耐汚染性の双方を客観的に評価できる指標として有効であることを意味する。したがって、新たな指標として前記数値Rs・Csを用い、前記数値Rs・Csが前記範囲内となる現像スリーブ63Aを構成することにより、前記リーク発生電圧のばらつき、前記現像性、および前記耐汚染性の全てが良好な現像ローラー63を実現することができる。
この新たな指標となる前記数値Rs・Csは、交流電圧が印加された現像スリーブ63Aを抵抗とコンデンサーの等価回路としたときの時定数を表す。一般に、時定数が小さければ矩形波状の交流電圧の立ち上がり及び立ち下がりが早くなる。立ち下がり及び立ち上がりが早くなると、交流電圧の最大値が印加される時間が長くなる。これにより、感光体ドラム11と現像ローラー41との間で交流電界によるトナーの往復運動が活発になり、ハーフ画像が形成されるときのように静電潜像との電位差が低い場合であっても、ハーフ画像の現像性が良好となる。特に、経年劣化などによってトナーの帯電性が低下した場合や、感光体ドラム11の帯電性が低下した場合は、前記時定数が大きいと、トナーが十分に往復運動しなくなり、ハーフ画像の現像性が悪化する。このため、本実施形態では、インピーダンスZにおける抵抗成分Rs及び静電容量成分Csを個々に評価するのではなく、それらの積である前記数値Rs・Csを指標とし、その上限値を前記実験により2.24×10−5と定めることにより、トナー或いは感光体ドラム11の帯電性が悪化した場合でも、現像性及び耐汚染性が良好な現像スリーブ63を実現することができる。
また、図6に示される表から、前記数値Rs・Csに関わらず、表面粗さRaは0.21[μm]〜0.26[μm]の範囲内となっていることが分かる。このことから、現像スリーブ63Aの樹脂コート層83の表面粗さRaは、0.21[μm]〜0.26[μm]の範囲内であることが好ましいといえる。樹脂コート層83の表面粗さRaが小さすぎるとトナー離れが生じやすくなりトナーかぶれが発生し易くなる。他方、表面粗さRaが大きすぎるとトナーが離れにくくなり、前記ローラー汚染が生じることが懸念される。図6に示される評価と前記数値Rs・Csとによれば、樹脂コート層83の表面粗さRaが0.21[μm]〜0.26[μm]の範囲内にあれば、良好な評価の現像スリーブ63Aを実現することができる。
なお、上述の実施形態では、磁気ブラシを用いて現像ローラー41の現像スリーブ63Aにトナー層を形成する構成について例示したが、このようなトナー形成方式に限られず、他のトナー形成方式であっても本発明は適用可能である。また、2成分現像剤を用いて現像する現像装置41を例示したが、トナーを主要成分とする1成分現像剤を用いて現像する現像装置及び現像ローラーにも本発明は適用可能である。
8:制御部
10:画像形成装置
11〜14:感光体ドラム
41〜44:現像装置
62:磁気ローラー
63:現像ローラー
63A:現像スリーブ
81:基体:
82:ベーマイト層
83:樹脂コート層

Claims (5)

  1. 像担持体の外周面に非接触で対向配置されるローラー本体を備え、
    前記ローラー本体は、アルミニウムを含む金属からなる基体の外周面に形成されたアルミニウム水和酸化被膜からなるベーマイト層と、前記ベーマイト層の表面に導電性を有する樹脂材料で形成された樹脂コート層と、を有する現像ローラー。
  2. 前記樹脂コート層の材質は、酸化チタンを分散状に含むナイロン樹脂である請求項1に記載の現像ローラー。
  3. 請求項1又は2に記載の現像ローラーと、
    トナー及び磁性キャリアからなる磁気ブラシによって前記現像ローラーの表面にトナー層を形成する磁気ローラーと、を備える現像装置。
  4. 前記現像ローラー及び前記磁気ローラーそれぞれの内部に設けられ、前記現像ローラーと前記磁気ローラーとの対向位置で前記磁気ブラシを引き合う磁界を発生させる磁石を更に備え、
    前記現像ローラーは、予め定められた回転方向へ回転し、
    前記磁気ローラーは、前記現像ローラーの外周面に非接触で対向配置され、前記現像ローラーの回転方向と同じ回転方向へ回転し、前記対向位置に形成された前記磁気ブラシが前記現像ローラーの表面に接触して前記磁気ブラシから前記トナーが転移することによって前記現像ローラーの表面に前記トナー層を形成する請求項3に記載の現像装置。
  5. 請求項3又は4に記載の現像装置を備える画像形成装置。
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