JP6376688B2 - 半導電性ローラ - Google Patents
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Description
すなわち現像ローラに量規制ブレード(帯電ブレード)を接触させた状態で現像ローラを回転させるとトナーが帯電され、帯電されたトナーが現像ローラの外周面に付着されるとともに量規制ブレードによって付着量が規制されることで、現像ローラの外周面に厚みがほぼ一定のトナー層が形成される。
現像ローラとしてはトナーの微細化、均一化、球形化やあるいは重合トナーへの移行等の流れに対応してトナーに高い帯電性を付与するとともに、トナーの付着を生じることなく効率的に静電潜像をトナー像に現像するために、ローラ抵抗値が例えば108Ω以下に調整された半導電性ローラを用いるのが有効である。
特に現像ローラに良好なトナーの搬送性を付与するためには、従来の規定では当該現像ローラの外周面の表面粗さを大きくするのが良いとされているが、表面粗さが大きいとトナーの帯電不良や、それによるかぶりや地汚れなどの画像不良を生じやすくなるという問題がある。
しかも上記粗さ曲線の、2つの負荷長さ率(Rmr1=25%、Rmr2=75%)に一致する高さ方向の切断レベル差Rδcを上記1.0μm以下の範囲に規定することで、上記外周面に開いた凹部の面積を大きくとって、半導電性ローラに良好なトナーの搬送性を付与できる。
ただし、算術平均粗さRaが小さすぎる場合には、半導電性ローラ1の外周面4が平滑になりすぎて、たとえ切断レベル差Rδcを上記の範囲に設定しても現像ローラに良好なトナーの搬送性を付与できないおそれがある。これに対し、算術平均粗さRaを上記0.3μm以上の範囲に規定することで、切断レベル差Rδcを上記の範囲に規定することと相まって、半導電性ローラ1に良好なトナーの搬送性を付与できる。
そのため本発明によれば、特に現像ローラとして使用した際にトナーの搬送量と帯電量がともに適正に制御されており、かぶりや地汚れなどの画像不良を生じにくい半導電性ローラを提供することができる。
図1を参照して、この例の半導電性ローラ1は、半導電性ゴム組成物によって非多孔質で単層構造の筒状に形成されるとともに、中心の通孔2にシャフト3が挿通されて固定されたものである。
シャフト3は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属によって一体に形成されている。
半導電性ローラ1の外周面4には、図中に拡大して示すように酸化膜5を設けてもよい。
しかも酸化膜5は、例えば酸化性雰囲気中で紫外線の照射等をするだけで簡単に形成できるため、半導電性ローラ1の生産性が低下したり製造コストが高くついたりするのを抑制できる。ただし酸化膜5は形成しなくてもよい。
半導電性ローラの外周面の、高さ方向の振幅平均を示す粗さ曲線の算術平均粗さRaを上記0.7μm以下の範囲に規定することで、当該外周面の表面粗さが大きくなりすぎないように抑制して、トナーの帯電不良とそれによるかぶりなどの画像不良の発生を抑制できる。
そのため特に現像ローラとして使用した際にトナーの搬送量と帯電量がともに適正に制御されており、かぶりや地汚れなどの画像不良を生じにくい半導電性ローラを提供できる。
ただし算術平均粗さRaが小さすぎる場合には半導電性ローラ1の外周面4が平滑になりすぎて、たとえ切断レベル差Rδcを上記の範囲に設定しても現像ローラに良好なトナーの搬送性を付与できないおそれがある。これに対し、算術平均粗さRaを0.3μm以上の範囲に規定することで、切断レベル差Rδcを上記の範囲に規定することと相まって、半導電性ローラ1に良好なトナーの搬送性を付与することができる。
ただし切断レベル差Rδcが小さすぎる場合には、半導電性ローラ1の外周面4において凹部間に突出する凸部が小さくなりすぎるため、半導電性ローラ1を現像ローラとして繰り返し使用した際に比較的短期間で上記凸部が磨滅し、表面が平滑になってトナーの搬送性が大きく低下するおそれがある。これに対し、切断レベル差Rδcを0.5μm以上の範囲に規定することで、半導電性ローラ1の良好なトナーの搬送性を長期に亘って維持することができる。
半導電性ローラ1を製造するには、まず所定の半導電性ゴム組成物を、押出成形機を用いて筒状に押出成形し、加硫缶内で加圧、加熱して架橋させる。
シャフト3は架橋後から研磨後までの任意の時点で通孔2に挿通して固定できる。
ただし架橋後、まず通孔2にシャフト3を挿通した状態で二次架橋〜研磨をするのが好ましい。これにより二次架橋時の膨張収縮による半導電性ローラ1の反りや変形を防止できる。また、シャフト3を中心として回転させながら研磨することで当該研磨の作業性を向上し、なおかつ外周面4のフレを抑制できる。
後者の場合は、オーブン中での加熱によって筒状体が二次架橋されるのと同時に熱硬化性接着剤が硬化して、当該シャフト3が筒状体→半導電性ローラ1に電気的に接合されるとともに機械的に固定される。
研磨の工程では、まず従来同様に乾式トラバース研磨等の下地研磨によって、半導電性ローラ1のおおよその外径、および表面性状を整える。
次いで湿式トラバース研磨によって外周面4を鏡面研磨する。
この鏡面研磨の際に、できるだけ細かい研磨材を使用することで、外周面4の、粗さ曲線の算術平均粗さRaを0.3μm以上、0.7μm以下とし、かつ粗さ曲線の、2つの負荷長さ率(Rmr1=25%、Rmr2=75%)に一致する高さ方向の切断レベル差Rδcを0.5μm以上、1.0μm以下とすることができる。
しかも酸化膜5は、上記のように半導電性ローラ1の外周面4を構成する半導電性ゴム組成物それ自体が紫外線の照射によって酸化されて形成されるため、従来の塗剤を塗布して形成される被覆層のような問題を生じることがなく、厚みや表面形状等の均一性に優れている。
非多孔質でかつ単層構造の半導電性ローラ1のショアA硬さは60以下、特に50以下であるのが好ましい。
ショアA硬さがこの範囲を超える半導電性ローラ1は柔軟性が不足し、広いニップ幅を確保してトナーの現像効率を向上する効果や、トナーへのダメージを低減して画像耐久性を向上する効果が十分に得られないおそれがある。
また半導電性ローラ1は、温度23℃、相対湿度55%の常温常湿条件下で測定される印加電圧1000Vでのローラ抵抗値Rが、先述したように108Ω以下であるのが好ましく、104Ω以上、特に106.5Ω以上であるのが好ましい。
またローラ抵抗値Rが上記の範囲を超える高抵抗の半導電性ローラ1では、十分な画像濃度を有する画像を形成できないという問題を生じる。
本発明の半導電性ローラは、特に正帯電の非磁性1成分トナーを用いたレーザープリンタ、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置において、現像ローラとして好適に使用することができる。
《半導電性ゴム組成物》
半導電性ローラ1のもとになる半導電性ゴム組成物としては、当該半導電性ローラ1に上記108Ω以下程度の半導電性を付与できる種々のゴム組成物がいずれも使用可能である。
また半導電性ゴム組成物の例としては、例えばゴム分として上記エピクロルヒドリンゴムと他のゴムとを併用し、さらに上記ゴム分を架橋させるための架橋成分等を所定の割合で配合したもの等が挙げられる。
ゴム分のうちエピクロルヒドリンゴムとしては、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共重合体(ECO)、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド二元共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル二元共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体(GECO)、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体、およびエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル四元共重合体等の1種または2種以上が挙げられる。
両共重合体においてエチレンオキサイド含量は、いずれも30モル%以上、特に50モル%以上であるのが好ましく、80モル%以下であるのが好ましい。
エチレンオキサイドは、半導電性ローラの全体でローラ抵抗値を下げる働きをする。しかしエチレンオキサイド含量がこの範囲未満ではかかる働きが十分に得られないため、ローラ抵抗値を十分に低下できないおそれがある。
ECOにおけるエピクロルヒドリン含量は、エチレンオキサイド含量の残量である。すなわちエピクロルヒドリン含量は20モル%以上であるのが好ましく、70モル%以下、特に50モル%以下であるのが好ましい。
アリルグリシジルエーテルは、それ自体が側鎖として自由体積を確保するために機能することにより、エチレンオキサイドの結晶化を抑制して、半導電性ローラのローラ抵抗値を低下させる働きをする。しかしアリルグリシジルエーテル含量がこの範囲未満では、かかる働きが得られないため、ローラ抵抗値を十分に低下できないおそれがある。
GECOにおけるエピクロルヒドリン含量は、エチレンオキサイド含量、およびアリルグリシジルエーテル含量の残量である。すなわちエピクロルヒドリン含量は10モル%以上、特に19.5モル%以上であるのが好ましく、69.5モル%以下、特に60モル%以下であるのが好ましい。
エピクロルヒドリンゴムの配合割合は、ゴム分の総量100質量部中の5質量部以上、特に10質量部以上であるのが好ましく、40質量部以下、特に30質量部以下であるのが好ましい。
他のゴムとしては、例えばスチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリルゴム(ACM)、およびEPDMからなる群より選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
(SBR)
このうちSBRとしては、スチレンと1,3−ブタジエンとを乳化重合法、溶液重合法等の種々の重合法によって共重合させて合成される種々のSBRがいずれも使用可能である。またSBRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと加えない非油展タイプのものとがあるが、このいずれも使用可能である。
これらSBRの1種または2種以上を使用できる。
(CR)
CRは、例えばクロロプレンを乳化重合させて合成され、その際に用いる分子量調整剤の種類によって硫黄変性タイプと非硫黄変性タイプに分類されるが、本発明ではこのいずれのCRも使用可能である。
また非硫黄変性タイプのCRはメルカプタン変性タイプ、キサントゲン変性タイプ等に分類される。
このうちメルカプタン変性タイプのCRは、例えばn−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類を分子量調整剤として使用して、硫黄変性タイプのCRと同様にして合成される。またキサントゲン変性タイプのCRは、アルキルキサントゲン化合物を分子量調整剤として使用して、硫黄変性タイプのCRと同様にして合成される。
本発明ではいずれのタイプのCRを用いてもよいが、中でも非硫黄変性タイプでかつ結晶化速度が遅いタイプのCRの1種または2種以上が好ましい。
さらにCRとしては、クロロプレンと他の共重合成分との共重合ゴムを用いてもよい。
(NBR)
NBRとしては、アクリロニトリル含量によって分類される低ニトリルNBR、中ニトリルNBR、中高ニトリルNBR、高ニトリルNBR、および極高ニトリルNBRがいずれも使用可能である。
これらNBRの1種または2種以上を使用できる。
(BR)
BRとしては、架橋性を有する種々のBRがいずれも使用可能である。
またBRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと加えない非油展タイプのものとがあるが、このいずれも使用可能である。
これらBRの1種または2種以上を使用できる。
ACMとしては、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸アルキルエステルを主成分とし、さらにアクリロニトリル、2−クロロエチルビニルエーテル等の含ハロゲン系モノマーやグリシジルアクリレート、アリルグリシジルエーテル、エチリデンノルボルネン等を共重合させて合成される種々のACMが使用可能である。
(EPDM)
EPDMとしては、エチレンとプロピレンに少量の第3成分(ジエン分)を加えることで主鎖中に二重結合を導入した種々のEPDMが、いずれも使用可能である。EPDMとしては、第3成分の種類や量の違いによる様々な製品が提供されている。代表的な第3成分としては、例えばエチリデンノルボルネン(ENB)、1,4−ヘキサジエン(1,4−HD)、ジシクロペンタジエン(DCP)等が挙げられる。重合触媒としてはチーグラー触媒を使用するのが一般的である。
これらEPDMの1種または2種以上を使用できる。
(配合割合)
上記他のゴム分としては特にCR+SBR、またはCR+BRが好ましい。
CRの配合割合は、ゴム分の総量100質量部中の1質量部以上、特に5質量部以上であるのが好ましく、30質量部以下、特に20質量部以下であるのが好ましい。
一方、CRの配合割合が上記の範囲を超える場合には、相対的にエピクロルヒドリンゴムの量が少なくなるためローラ抵抗値が上昇して、現像ローラとして使用した際にトナー帯電量や搬送量が低下するおそれがある。
〈架橋成分〉
架橋成分としては架橋剤、促進剤、促進助剤等が挙げられる。
また硫黄系架橋剤としては、粉末硫黄等の硫黄や有機含硫黄化合物等が挙げられる。また有機含硫黄化合物等としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、N,N−ジチオビスモルホリン等が挙げられる。
さらに過酸化物架橋剤としては、例えばベンゾイルペルオキシド等が挙げられる。
なお架橋剤としては、硫黄とチオウレア類とを併用するのが好ましい。
またチオウレア類の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり0.2質量部以上、特に0.3質量部以上であるのが好ましく、3質量部以下、特に1質量部以下であるのが好ましい。
また有機促進剤としては、例えば1,3−ジ−o−トリルグアニジン、1,3−ジフェニルグアニジン、1−o−トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ−o−トリルグアニジン塩等のグアニジン系促進剤;2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド等のチアゾール系促進剤;N−シクロへキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系促進剤;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系促進剤;チオウレア系促進剤等の1種または2種以上が挙げられる。
個々の促進剤の配合割合は種類によって任意に設定できるが、通常は個別に、ゴム分の総量100質量部あたり0.1質量部以上、特に0.2質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、特に2質量部以下であるのが好ましい。
促進助剤の配合割合は、個別に、ゴム分の総量100質量部あたり0.1質量部以上、特に0.5質量部以上であるのが好ましく、7質量部以下、特に5質量部以下であるのが好ましい。
半導電性ゴム組成物には、さらに必要に応じて各種の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば受酸剤、可塑剤、加工助剤、劣化防止剤、充填剤、スコーチ防止剤、滑剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、中和剤、造核剤、共架橋剤等が挙げられる。
このうち受酸剤は、ゴム分の架橋時にエピクロルヒドリンゴムやCRから発生する塩素系ガスが半導電性ローラ内に残留したり、それによって架橋阻害や感光体の汚染等を生じたりするのを防止するために機能する。
また、ハイドロタルサイト類等を酸化マグネシウムや酸化カリウムと併用するとより高い受酸効果を得ることができ、感光体の汚染をより一層確実に防止できる。
可塑剤としては、例えばジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、トリクレジルホスフェート等の各種可塑剤や、極性ワックス等の各種ワックス等が挙げられる。また加工助剤としてはステアリン酸等の脂肪酸などが挙げられる。
劣化防止剤としては、各種の老化防止剤や酸化防止剤等が挙げられる。
充填剤を配合することにより、半導電性ローラの機械的強度等を向上できる。
充填剤の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり5質量部以上であるのが好ましく、25質量部以下、特に20質量部以下であるのが好ましい。
特に導電性カーボンブラックとして、平均粒径25nm以上、45nm以下程度の単位粒子が粒状に凝集した、かさ密度0.2g/ml以上、0.4g/ml以下程度の粒状の導電性カーボンブラックを使用するのが好ましい。
粒状の導電性カーボンブラックの配合割合は、上記鏡面研磨時の脱落によって外周面4を上記の状態とすることと、半導電性ローラ1のローラ抵抗値を先に説明した範囲に調整することとを併せ考慮すると、ゴム分の総量100質量部あたり10質量部以上、特に15質量部以上であるのが好ましく、30質量部以下、特に25質量部以下であるのが好ましい。
スコーチ防止剤の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり0.1質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、特に1質量部以下であるのが好ましい。
共架橋剤としては、例えばメタクリル酸エステルや、あるいはメタクリル酸またはアクリル酸の金属塩等に代表されるエチレン性不飽和単量体、1,2−ポリブタジエンの官能基を利用した多官能ポリマ類、あるいはジオキシム等の1種または2種以上が挙げられる。
(a) アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸類、
(b) マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸類、
(c) (a)(b)の不飽和カルボン酸類のエステルまたは無水物、
(d) (a)〜(c)の金属塩、
(e) 1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロル−1,3−ブタジエンなどの脂肪族共役ジエン、
(f) スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物、
(g) トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ビニルピリジンなどの、複素環を有するビニル化合物、
(h) その他、(メタ)アクリロニトリルもしくはα−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、アクロレイン、ホルミルステロール、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン
等の1種または2種以上が挙げられる。
モノカルボン酸類のエステルとしては、例えば
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−ぺンチル(メタ)アクリレート、i−ぺンチル(メタ)アクリレート、n−へキシル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、i−ノニル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル;
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの、(メタ)アクリル酸のアミノアルキルエステル;
べンジル(メタ)アクリレート、ベンゾイル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレートなどの、芳香族環を有する(メタ)アクリレート;
グリシジル(メタ)アクリレート、メタグリシジル(メタ)アクリレート、エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの、エポキシ基を有する(メタ)アクリレート;
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、γ−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、テトラハイドロフルフリルメタクリレートなどの、各種官能基を有する(メタ)アクリレート;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンジメタクリレート(EDMA)、ポリエチレングリコールジメタクリレート、イソブチレンエチレンジメタクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート;
等の1種または2種以上が挙げられる。
(半導電性ゴム組成物の調製)
ゴム分として、GECO〔ダイソー(株)製のエピオン(登録商標)301、EO/EP/AGE=73/23/4(モル比)〕20質量部、CR〔昭和電工(株)製のショウプレン(登録商標)WRT〕10質量部、およびSBR〔JSR(株)製のJSR1502、非油展、スチレン含量:23.5%〕70質量部を配合した。
5%オイル入り硫黄:架橋剤〔鶴見化学工業(株)製〕
チオウレア系架橋剤:エチレンチオウレア〔2−メルカプトイミダゾリン、川口化学工業(株)製のアクセル(登録商標)22−S〕
促進剤DM:ジ−2−ベンゾチアジルジスルフィド〔Shandong Shanxian Chemical Co. Ltd.製の商品名SUNSINE MBTS〕
促進剤TS:テトラメチルチウラムモノスルフィド〔チウラム系促進剤、三新化学工業(株)製のサンセラー(登録商標)TS〕
促進剤DT:1,3−ジ−o−トリルグアニジン〔グアニジン系促進剤、三新化学工業(株)製のサンセラーDT〕
酸化亜鉛2種:促進助剤〔三井金属鉱業(株)製〕
受酸剤:ハイドロタルサイト類〔協和化学工業(株)製のDHT−4A(登録商標)−2〕
導電性カーボンブラック:粒状導電性カーボンブラック〔前出の電気化学工業(株)製のデンカ ブラック(登録商標)の粒状品、平均粒径:35nm、比表面積:69m2/g、ヨウ素吸着量:93mg/g、かさ密度:0.25g/ml〕
(半導電性ローラの製造)
調製したゴム組成物を押出成形機に供給して外径φ20mm、内径φ7.0mmの筒状に押出成形した後、この筒状体を架橋用の仮のシャフトに装着して加硫缶内で160℃×1時間架橋させた。
研磨材として#1000のラッピングフィルム〔三共理化学(株)製のミラーフィルム(登録商標)〕を使用したこと以外は実施例1と同様にして、算術平均粗さRa、および切断レベル差Rδcがそれぞれ表2に示す値である半導電性ローラを完成させた。
〈比較例1〉
研磨材として#1000の耐水研磨ペーパーを使用したこと以外は実施例1と同様にして、算術平均粗さRa、および切断レベル差Rδcがそれぞれ表2に示す値である半導電性ローラを完成させた。
研磨材として#800の耐水研磨ペーパーを使用したこと以外は実施例1と同様にして、算術平均粗さRa、および切断レベル差Rδcがそれぞれ表2に示す値である半導電性ローラを完成させた。
〈実施例3、比較例3〜5〉
ゴム分のうちSBRに代えてBR〔JSR(株)製のJSR BR01、シス−1,4結合含量:95%、非油展〕を同量配合したこと以外は実施例1、2、比較例1、2と同様にして、算術平均粗さRa、および切断レベル差Rδcがそれぞれ表3に示す値である半導電性ローラを完成させた。
実施例、比較例で製造した半導電性ローラを、市販のレーザープリンタ用の、新品のカートリッジ(トナーを収容したトナー容器、感光体、および感光体と接触させた現像ローラが一体になったもの)の既設の現像ローラと交換した。なおレーザープリンタは正帯電の非磁性1成分トナーを使用するもので、トナー推奨印字枚数は約8000枚である。
○:かぶり、および地汚れは全くなかった。
×:かぶりや地汚れがあった。
上記レーザープリンタを画像形成の途中で停止させて現像ローラの表面に付着したトナーを、トレック・ジャパン(株)製の吸引式小型帯電量測定装置Model 210を用いて剥離吸引し、吸引した重さと面積から初期トナー搬送量を求めた。そして初期トナー搬送量が0.20mg/cm2以上のものをトナー搬送性良好と評価した。
2 通孔
3 シャフト
4 外周面
5 酸化膜
Claims (4)
- 半導電性ゴム組成物からなり、外周面の表面粗さを規定する粗さ曲線の算術平均粗さRaが0.3μm以上、0.7μm以下で、かつ粗さ曲線の、2つの負荷長さ率(Rmr1=25%、Rmr2=75%)に一致する高さ方向の切断レベル差Rδcが0.5μm以上、1.0μm以下である半導電性ローラ。
- 前記半導電性ゴム組成物は、粒状の導電性カーボンブラックを含んでいる請求項1に記載の半導電性ローラ。
- 外周面に酸化膜を備えている請求項1または2に記載の半導電性ローラ。
- 正帯電の非磁性1成分トナーを用いた画像形成装置において、現像ローラとして使用される請求項1ないし3のいずれか1項に記載の半導電性ローラ。
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