JP2004184833A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ドラムの耐久劣化によらずに、良質な画像を形成する画像形成装置を提供することにある。
【解決手段】像担持体を帯電させる帯電部材と、該像担持体面を所定の帯電電位に帯電させる帯電バイアス制御手段と、該像担持体を所定の露光電位にする露光を行い潜像を形成する露光手段と、該帯電電位、該露光電位と異なる現像電位を印加することにより、該現像剤に電界を作用させ該露光電位部の潜像を顕画化する現像手段と、該現像電位を可変とする現像バイアス制御手段と、帯電バイアス条件と印加時間を元に該像担持体の帯電電位と露光部電位を算出する手段を備えた画像形成装置において、該像担持体の算出した帯電電位と露光電位の結果に応じて、該帯電バイアス制御手段と該現像バイアス制御手段の少なくとも一方を制御し、該帯電電位、該露光電位、該現像電位を、
(|帯電電位−現像電位|)と(|露光電位−現像電位|)が適正な比率
となるように制御する構成。
【選択図】 図1
【解決手段】像担持体を帯電させる帯電部材と、該像担持体面を所定の帯電電位に帯電させる帯電バイアス制御手段と、該像担持体を所定の露光電位にする露光を行い潜像を形成する露光手段と、該帯電電位、該露光電位と異なる現像電位を印加することにより、該現像剤に電界を作用させ該露光電位部の潜像を顕画化する現像手段と、該現像電位を可変とする現像バイアス制御手段と、帯電バイアス条件と印加時間を元に該像担持体の帯電電位と露光部電位を算出する手段を備えた画像形成装置において、該像担持体の算出した帯電電位と露光電位の結果に応じて、該帯電バイアス制御手段と該現像バイアス制御手段の少なくとも一方を制御し、該帯電電位、該露光電位、該現像電位を、
(|帯電電位−現像電位|)と(|露光電位−現像電位|)が適正な比率
となるように制御する構成。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式もしくは静電記録方式を採用する画像形成装置において、電子写真感光体又は静電記録誘電体等の像担持体上に形成させた潜像を現像して可視化し、紙等の記録材上に画像を形成する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
(従来の技術1)
反転現像系(露光電位部に現像剤が付着)の画像形成装置における従来技術について述べる。例えば、静電潜像担持体としての感光体表面を帯電部材により一定電位に帯電させ、画像印字情報に基づき露光し、露光部の電荷を取除く事により、帯電面電位と露光部電位に差が生じて静電潜像が形成される。
【0003】
形成した静電潜像を一成分系の現像剤(以下、磁性トナーとする)によって顕像化する現像装置は、磁性トナー粒子相互の摩擦、及び現像剤担持体としてのスリーブとそのスリーブ上の現像剤の層厚を規制するブレード間における摩擦により、感光体上に形成された静電潜像電荷と逆極性の電荷を磁性トナー粒子に与える。
【0004】
そして、磁性トナーをスリーブ上に極めて薄く塗布させて感光体とスリーブで形成される現像領域に搬送し、現像領域において、スリーブ内に固着された磁石による磁界と、感光体とスリーブ間に適当な現像バイアス電圧(現像電位)の印加による電界(現像電位と露光電位の電位差と磁性トナーの帯電量)の作用により、前記露光電位部の潜像に磁性トナーが飛翔し付着する。
【0005】
これにより、飛翔した磁性トナーによって感光体上の静電潜像が現像されて可視化され、必要に応じて紙等の記録材にトナー画像を転写した後、加熱、圧力或いは溶剤蒸気などにより定着し、複写物を得るものである。
【0006】
上記の静電潜像をトナーを用いて可視化する方法は、特許文献1におけるものである。
【0007】
この方法によれば、磁性トナーをスリーブ上に極めて薄く塗布することによりスリーブとトナーの接触する機会を増し、十分な摩擦帯電を可能にしたこと、磁力によってトナーを支持し、かつ磁石とトナーを相対的に移動させることによりトナー粒子相互の凝集を解くと共にスリーブと十分に摩擦せしめている。
【0008】
また、帯電電位と現像電位の電位差と磁性トナー帯電量によって形成される電界の作用と、静電潜像に接触することなく対向させて現像することにより白地部に付着するトナー(かぶり)を減じていること等によって、優れた画像を得られるものである。
【0009】
(従来の技術2)
正規現像系(非露光電位部に現像剤が付着)の画像形成装置における従来技術について述べる。例えば、静電潜像担持体としての感光体表面を帯電部材により一定電位に帯電させ、画像印字情報に基づき露光し、帯電面電位と露光部電位に差が生じて静電潜像が形成される。
【0010】
形成した静電潜像を一成分系の現像剤(以下、磁性トナーとする)によって顕像化する現像装置は、磁性トナー粒子相互の摩擦、及び現像剤担持体としてのスリーブとそのスリーブ上の現像剤の層厚を規制するブレード間における摩擦により、感光体上に形成された静電潜像電荷と逆極性の電荷を磁性トナー粒子に与える。
【0011】
そして、磁性トナーをスリーブ上に極めて薄く塗布させて感光体とスリーブで形成される現像領域に搬送し、現像領域において、スリーブ内に固着された磁石による磁界と、感光体とスリーブ間に適当な現像バイアス電圧(現像電位)の印加による電界(現像電位と帯電電位(非露光電位)の電位差と磁性トナーの帯電量)の作用により、前記露光電位部の潜像に磁性トナーが飛翔し付着する。
【0012】
これにより、飛翔した磁性トナーによって感光体上の静電潜像が現像されて可視化され、必要に応じて紙等の記録材にトナー画像を転写した後、加熱、圧力或いは溶剤蒸気などにより定着し、複写物を得るものである。
【0013】
上記の静電潜像をトナーを用いて可視化する方法は、特許文献1におけるものである。
【0014】
この方法によれば、磁性トナーをスリーブ上に極めて薄く塗布することによりスリーブとトナーの接触する機会を増し、十分な摩擦帯電を可能にしたこと、磁力によってトナーを支持し、かつ磁石とトナーを相対的に移動させることによりトナー粒子相互の凝集を解くと共にスリーブと十分に摩擦せしめている。
【0015】
また、露光電位と現像電位の電位差と磁性トナー帯電量によって形成される電界の作用と、静電潜像に接触することなく対向させて現像することにより白地部に付着するトナー(かぶり)を減じていること等によって、優れた画像を得られるものである。
【0016】
以上より、従来技術は、正規現像系であれ反転現像系であれ、帯電したトナーを(|帯電電位−現像電位|)と(|露光電位−現像電位|)を適正な値に保つことによって、網点の再現性を高め、文字の太りや白地部に付着するトナー(かぶり)を減じるなど、優れた画像を得ているのである。
【0017】
【特許文献1】
特開昭54−43036号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、繰り返し画像形成を行うと、帯電部材より印加される帯電バイアスによる電気的なダメージとクリーニングブレード、転写ローラ、トナーや紙粉等の接触する部材による物理的なダメージによって、像担持体の膜厚が削れ、表面が荒れてくる。膜厚の削れや表面の劣化に従い、露光電位と帯電電位が適正値から外れてくる。すると、スリーブから感光体に飛翔するトナー量とトナーの載り方が大きく異なってくる。
【0019】
例えば、反転現像系において、繰り返し画像形成を行い表面が荒れ、像担持体の露光部電位が変化し、|露光電位−現像電位|(現像するための電位)が小さくなる方向へ劣化するとする。
【0020】
この場合は、初期に比べトナーが少量しか現像されないため、濃度が薄くなり、網点再現性の悪化、ライン画像の細りなどの弊害が生じる。逆に、|露光電位−現像電位|が大きくなる方向へ露光電位が変化すれば、初期に比べトナーが多く現像され、濃度が濃くなり、網点画像つぶれ、ライン画像の太り等の弊害が生じる。
【0021】
そこで、このような像担持体の経時変化の影響を防ぐ手段として、表面電位計を用いて表面電位(露光電位、帯電電位)を管理することによって安定した画像を提供する技術が知られている。また、像担持体上のトナー付着パターンの濃度を光学センサによって検出することによって濃度を一定に保つ技術が知られている。さらに、特開平9−258504号公報では、記録媒体上へ濃度パターンを形成し、その濃度を測定することによって濃度変動を抑える技術が開示されている。
【0022】
しかし、上記のいずれの技術も、高価な表面電位計、光学センサや濃度測定器を必要とすることから省スペース化の妨げになるばかりでなく、コストアップは避けられない。
【0023】
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、製品コストアップすることなく、像担持体の表面電位変動によって生じる線幅変動などの画像弊害の防止と、白地部に付着するトナー量を増加させることなく、常に良質な画像を形成できる安定した画像形成装置を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
この発明は下記の構成を備えることにより上記課題を解決できるものである。
【0025】
(1)像担持体を帯電させる帯電部材と、
該帯電部材にDC成分にAC成分を重畳したバイアスを印加し、該像担持体面を所定の帯電電位に帯電させる帯電バイアス制御手段と、
該像担持体の帯電面を所定の情報に基づき所定の露光電位にする露光を行い潜像を形成する露光手段と、
磁性を持つ現像剤を該像担持体へ供給し、該帯電電位、該露光電位と異なる現像電位を印加することにより、該現像剤に電界を作用させ該露光電位部の潜像を顕画化(該露光電位部に該現像剤が付着)する現像手段と、
該現像電位を可変とする現像バイアス制御手段と、
帯電バイアス条件と印加時間を元に該像担持体の帯電電位と露光部電位を算出する手段を備えた反転現像系の画像形成装置において、
該像担持体の算出した帯電電位と露光電位の結果に応じて、該帯電バイアス制御手段と該現像バイアス制御手段の少なくとも一方を制御し、該帯電電位、該露光電位、該現像電位が
(|帯電電位−現像電位|):(|露光電位−現像電位|)=1:1.15〜1.55
となるように制御することを特徴とする画像形成装置。
【0026】
(2)像担持体を帯電させる帯電部材と、
該帯電部材にDC成分にAC成分を重畳したバイアスを印加し、該像担持体面を所定の帯電電位に帯電させる帯電バイアス制御手段と、
該像担持体の帯電面を所定の情報に基づき所定の露光電位にする露光を行い潜像を形成する露光手段と、
磁性を持つ現像剤を該像担持体へ供給し、該帯電電位、該露光電位と異なる現像電位を印加することにより、該現像剤に電界を作用させ該露光電位部の潜像を顕画化(非露光電位部に該現像剤が付着)する現像手段と、
該現像電位を可変とする現像バイアス制御手段と、
帯電バイアスと印加時間を元に該像担持体の帯電電位と露光部電位を算出する手段を備えた正規現像系の画像形成装置において、
該像担持体の算出した帯電電位と露光電位の結果に応じて、該帯電バイアス制御手段と該現像バイアス制御手段の少なくとも一方を制御して該帯電電位、該露光電位、該現像電位が
(|露光電位−現像電位|):(|帯電電位(非露光電位部)−現像電位|)=1:1.15〜1.55
となるように制御することを特徴とする画像形成装置。
【0027】
(3)該露光電位を可変とする露光エネルギー制御手段を備えており、該像担持体の帯電電位と露光電位の算出結果に基づいて、該露光エネルギーを制御することを特徴とする前記(1)または(2)記載の画像形成装置。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0029】
(第1の実施の形態)
図1を参照して、第1の実施の形態について説明する。図1は本発明を用いた画像形成装置の一例の概略構成図である。本例の画像形成装置は電子写真プロセス方式を利用した複写機である。
【0030】
1は像担持体としての被帯電体(以下感光体と記す)である。本実施の形態では回転ドラム型の電子写真感光体である。本例の感光体1は、アルミニウム等の導電性基層1bと、その外面に形成した光導電層1aと、を基本に構成されている。また、矢印mの方向に200mm/secのプロセススピード(周速度)をもって回転駆動されている。
【0031】
また、光導電層1aの初期膜厚は、30μmであり、平均膜厚が10μm以下になると均一に帯電処理を行うことが困難になるものである。
【0032】
2は帯電手段としての帯電部材である。本実施の形態ではローラタイプである(以下帯電ローラと記す)。帯電ローラ2は、中心の芯金2cと、その外周に形成した導電層2bと、更にその外周に形成した抵抗層2aと、からなる。
【0033】
帯電ローラ2は、芯金2cの両端部を不図示の軸受け部材に回転自由に軸受けさせて、回転ドラム型の感光体1に並行に配置して不図示の抑圧手段で感光体1に対して所定の押圧力をもって圧接され、感光体1の回転駆動に伴い従動回転する。
【0034】
3は帯電ローラ2に対するバイアス印加電源である。この電源3より直流電圧−750V、交流電圧1.8kVpp、周波数1800Hzのバイアス電圧が印加された帯電ローラ2によって、感光体1の外周面が−600Vに帯電処理される。
【0035】
一連の画像形成において、帯電バイアスは次のように制御されている。1)画像領域および、画像形成後の表面電位を除電するために、ACバイアスを印加する部分と、2)特に均一な表面電位を必要としないが、現像器からのトナーの不必要な現像を防止、転写部材クリーニング時のために、DCバイアスのみ印加する部分と、3)一定の表面電位を必要としないためにバイアスを印加しない部分に制御されている。
【0036】
帯電バイアスの印加条件毎に感光体1の帯電電位係数knと露光電位係数jnが決められており、前記kn、jnと各々のバイアス印加時間tnを所定の式に基づき演算することによって、感光体の露光電位と帯電電位を算出する。なお、予め、算出した帯電電位と露光電位の値より、どれくらいの帯電バイアスと露光エネルギーを入力すれば、狙いの表面電位にすることができるか概算できるデータベースが備えてある。
【0037】
参考までに、繰り返し画像形成を行った際の5000枚ごとの表面電位の実測値と上記手法により概算した表面電位値(露光電位値と帯電電位値)を図4へ掲載しておく。図4を見てみると実測値と大差なく、表面電位値(露光電位値と帯電電位値)を算出できていることがわかる。
【0038】
この感光体1の帯電処理面は、ついで露光手段4により目的画像情報の露光(レーザビーム走査露光、原稿画像のスリット露光等。本実施の形態ではレーザビーム走査露光)を受けることで、感光体1の帯電処理面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0039】
尚、不図示の露光エネルギー制御装置によって、露光面電位は−120Vになるように調整されている。
【0040】
静電潜像はついで現像手段としての現像装置5の現像剤担持体としてのスリーブ5aにより現像剤としてのトナーTが付着され、トナー像として順次可視像化される。
【0041】
現像装置5には、電源5bから周波数1800Hz、Vpp1400VのAC成分と−400VのDC成分を重畳して印加し、感光体1と0.3mmの距離を置いて配接することでジャンピング現像を行っている。また、トナーTとしてはネガトナーを用いた。
【0042】
ジャンピング現像は、現像装置5のスリーブ5a上にトナーTを極めて薄く塗布させて、スリーブ5a内に固着された磁石による磁界と、感光体1とスリーブ5a間に印加された現像バイアス電圧(現像電位)の電界の作用(以下、帯電電位−現像電位を現像コントラスト)により、トナーTが感光体1上に飛翔して静電潜像を顕像化(露光電位部へ現像剤が付着)する現像方法である。
【0043】
これにより、感光体1上に現像されたトナー像は、ついで転写装置7により紙等の転写材Pに転写される。
【0044】
転写装置7は、回転自在な転写ローラ7aと電源7bとを備え、電源7bによって転写材Pの転写ローラ7aとの接触面側からトナーTと逆極性の帯電を行うことによって、感光体1上のトナー像を順次転写材Pの感光体1との接触面に転写する。
【0045】
ここで、転写材Pは不図示の搬送装置から感光体1の回転と同期どりされて適正なタイミングを持って感光体1と転写装置7との間の転写部へ搬送されるものである。
【0046】
本実施の形態では、転写ローラ7aとして抵抗が5×108Ωの直径16mmの導電性ゴムローラに3500VのDC電圧を印加して転写を行った。
【0047】
トナー像の転写を受けた転写材Pは、つづいて感光体1から分離されて不図示の定着装置へ搬送されてトナー像が定着され、その後装置本体外部に排出されるか、または例えば、裏面にも画像形成するものであれば、転写部への再搬送手段へ搬送される。
【0048】
転写後の感光体1は、転写残りのトナーをクリーニングブレード9aにて掻き落として清掃し、次の画像形成に備えて前露光10にて露光除電して感光体1を初期化する。
【0049】
ここで、接触帯電式の帯電ローラ2および転写ローラ7aは、それぞれギア等をとりつけ、モータ等の駆動手段により強制駆動している場合であってもよい。
【0050】
以上の既成の従来技術により、一定の帯電条件と露光条件で繰り返し画像形成を行ったところ、図2のように線幅が変動してしまった。変動の主たる要因は感光体の露光電位の上昇にある。
【0051】
本実施例における筆者らの検討によると、感光体の露光電位と帯電電位は、画像形成枚数が増えるにつれ、図3のように帯電電位はあまり変化しないが、露光部電位の絶対値が増大することが判明した。それによって、現像コントラスト(|露光電位−現像電位|)が減少し、ベタ画像の濃度が薄く、ライン画像が大幅に細くなり、網点(例えば、1ドット印字1ドットスペースで交互に印字)画像に十分なトナーが現像されず、網点が所々消えてしまった。また、濃度が薄くなってしまったために、感光体にできた表面の傷が画像に見えるようになってしまった。
【0052】
そこで、(|露光電位−現像電位|)の値を初期の値にするため、露光電位の増加に伴って、現像電位を増加したところ、濃度は濃くなるが、線幅が太くなりすぎ、網点(例えば、1ドット印字1ドットスペースで交互に印字)画像に過剰なトナーが現像され、網点がつぶれてしまった。また、|帯電電位−現像電位|が小さくなるため、白地部にトナーの付着が目立ち高品位な画像を保てないことがわかった。
【0053】
そのため、現像電位のみを調整するのではなく、|露光電位−現像電位|と|帯電電位−現像電位|が適切な比率になっていないと高品位な画像を保つことはできない。さらなる筆者らの検討によれば、|露光電位−現像電位|と|帯電電位−現像電位|の比率が1.15から1.55であれば、適正な線幅、濃度を保った良質な画像が形成されることがわかった(図5)。図5をみると|露光電位−現像電位|:|帯電電位−現像電位|が1.15〜1.55:1の範囲のとき適正な線幅(190μm±15μm狙い)が保てている。当然ながら、この比率内における画像は、濃度も適正であり、白地へのトナー付着もほとんど見られない高品位な画像が出力されている。
【0054】
また、繰り返し画像形成を行うと感光体表面に傷がつく。表面が荒れているため、帯電電位値が小さいと、均一な帯電が難しく、傷が画像に表れてしまうことが判明した。傷を見えにくくする対策としては、帯電電位値を大きくすることが挙げられる。
【0055】
その際、上述のように帯電電位のみ大きくするのではなく(|帯電電位−現像電位|):(|露光電位−現像電位|)=1:1.15〜1.55の範囲になるように制御する必要がある。かつ、感光体の傷による不良画像の発生を防ぐために、帯電バイアス条件と印加時間を元に算出した感光体の露光電位と帯電電位値が所定の値に達したら、(帯電電位−現像電位)と(露光面電位−現像電位)の絶対値を大きくなるように制御することが有効である。
【0056】
その結果、従来、繰り返し画像形成を行い露光電位と帯電電位が変動した感光体において顕著であった線幅の細り、濃度ダウンが改善され、適切な線幅、濃度と網点の再現性を得ることができた。また、白地へのトナー付着についても、(|帯電電位−現像電位|)が(|露光面電位−現像電位|)に対して十分に取れているため、白地へのトナー付着のない画像を得ることができた。
【0057】
したがって、上記の方法により、感光体の表面電位が変動しても、その変動を精度良く算出し、算出結果に基づいて上記の制御を行うことによって、感光体の経時変化によらず良好な画像を安定して形成できる画像形成装置を提供できるようになった。
【0058】
また、従来のように、表面電位計、光学センサ等の高価な部品を使用しないですむことから、製品のコストダウンと省スペースが可能となる。
【0059】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、反転現像系の画像形成装置の例を提示した。第2の実施の形態では、正規現像系の画像形成装置の例について示す。
【0060】
正規現像系の画像形成装置においても、第1の実施の形態例と同様、感光体の表面電位(露光電位と帯電電位)が変化した時の画質を調べると、第1の実施例と同じ画像弊害が見られた。
【0061】
そこで、第1の実施例同様、装置内の湿度の状況に応じて帯電電位の制御と露光電位、現像電位の制御を行い(|露光電位−現像電位|):(|帯電電位(非露光電位)−現像電位|)=1:1.15〜1.55の範囲になるように制御し画像形成を行うことによって、上記弊害を防ぐことができた。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、感光体の表面電位(露光電位と帯電電位)の経時変化を精度良く概算し、種々の電位を制御することにより、適正な濃度、線幅を保ち、網点再現性が良く、かぶりのない良質な画像を、安定して形成することのできる画像形成装置を提供できる。当然、表面電位計、光学センサ等の高価な部品を配設することないため、装置のコストダウンと省スペースを可能としている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る画像形成装置の一部を示す概略断面図。
【図2】繰り返し画像形成を行った際の線幅推移。
【図3】繰り返し画像形成を行った際の表面電位推移。
【図4】繰り返し画像形成を行った際の表面電位の実測値と算出値の比較。
【図5】|露光電位−現像電位|/|帯電電位−現像電位|比率と線幅の関係。
【符号の説明】
1 感光体
1a 光導電層
1b 導電性基層
2 帯電部材(帯電ローラ)
2a 抵抗層
2b 導電層
2c 芯金
3 バイアス印加電源
4 露光手段
5 現像装置
5a スリーブ
5b 電源
7 転写装置
7a 転写ローラ
7b 電源
9 クリーニング装置
10 前露光
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式もしくは静電記録方式を採用する画像形成装置において、電子写真感光体又は静電記録誘電体等の像担持体上に形成させた潜像を現像して可視化し、紙等の記録材上に画像を形成する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
(従来の技術1)
反転現像系(露光電位部に現像剤が付着)の画像形成装置における従来技術について述べる。例えば、静電潜像担持体としての感光体表面を帯電部材により一定電位に帯電させ、画像印字情報に基づき露光し、露光部の電荷を取除く事により、帯電面電位と露光部電位に差が生じて静電潜像が形成される。
【0003】
形成した静電潜像を一成分系の現像剤(以下、磁性トナーとする)によって顕像化する現像装置は、磁性トナー粒子相互の摩擦、及び現像剤担持体としてのスリーブとそのスリーブ上の現像剤の層厚を規制するブレード間における摩擦により、感光体上に形成された静電潜像電荷と逆極性の電荷を磁性トナー粒子に与える。
【0004】
そして、磁性トナーをスリーブ上に極めて薄く塗布させて感光体とスリーブで形成される現像領域に搬送し、現像領域において、スリーブ内に固着された磁石による磁界と、感光体とスリーブ間に適当な現像バイアス電圧(現像電位)の印加による電界(現像電位と露光電位の電位差と磁性トナーの帯電量)の作用により、前記露光電位部の潜像に磁性トナーが飛翔し付着する。
【0005】
これにより、飛翔した磁性トナーによって感光体上の静電潜像が現像されて可視化され、必要に応じて紙等の記録材にトナー画像を転写した後、加熱、圧力或いは溶剤蒸気などにより定着し、複写物を得るものである。
【0006】
上記の静電潜像をトナーを用いて可視化する方法は、特許文献1におけるものである。
【0007】
この方法によれば、磁性トナーをスリーブ上に極めて薄く塗布することによりスリーブとトナーの接触する機会を増し、十分な摩擦帯電を可能にしたこと、磁力によってトナーを支持し、かつ磁石とトナーを相対的に移動させることによりトナー粒子相互の凝集を解くと共にスリーブと十分に摩擦せしめている。
【0008】
また、帯電電位と現像電位の電位差と磁性トナー帯電量によって形成される電界の作用と、静電潜像に接触することなく対向させて現像することにより白地部に付着するトナー(かぶり)を減じていること等によって、優れた画像を得られるものである。
【0009】
(従来の技術2)
正規現像系(非露光電位部に現像剤が付着)の画像形成装置における従来技術について述べる。例えば、静電潜像担持体としての感光体表面を帯電部材により一定電位に帯電させ、画像印字情報に基づき露光し、帯電面電位と露光部電位に差が生じて静電潜像が形成される。
【0010】
形成した静電潜像を一成分系の現像剤(以下、磁性トナーとする)によって顕像化する現像装置は、磁性トナー粒子相互の摩擦、及び現像剤担持体としてのスリーブとそのスリーブ上の現像剤の層厚を規制するブレード間における摩擦により、感光体上に形成された静電潜像電荷と逆極性の電荷を磁性トナー粒子に与える。
【0011】
そして、磁性トナーをスリーブ上に極めて薄く塗布させて感光体とスリーブで形成される現像領域に搬送し、現像領域において、スリーブ内に固着された磁石による磁界と、感光体とスリーブ間に適当な現像バイアス電圧(現像電位)の印加による電界(現像電位と帯電電位(非露光電位)の電位差と磁性トナーの帯電量)の作用により、前記露光電位部の潜像に磁性トナーが飛翔し付着する。
【0012】
これにより、飛翔した磁性トナーによって感光体上の静電潜像が現像されて可視化され、必要に応じて紙等の記録材にトナー画像を転写した後、加熱、圧力或いは溶剤蒸気などにより定着し、複写物を得るものである。
【0013】
上記の静電潜像をトナーを用いて可視化する方法は、特許文献1におけるものである。
【0014】
この方法によれば、磁性トナーをスリーブ上に極めて薄く塗布することによりスリーブとトナーの接触する機会を増し、十分な摩擦帯電を可能にしたこと、磁力によってトナーを支持し、かつ磁石とトナーを相対的に移動させることによりトナー粒子相互の凝集を解くと共にスリーブと十分に摩擦せしめている。
【0015】
また、露光電位と現像電位の電位差と磁性トナー帯電量によって形成される電界の作用と、静電潜像に接触することなく対向させて現像することにより白地部に付着するトナー(かぶり)を減じていること等によって、優れた画像を得られるものである。
【0016】
以上より、従来技術は、正規現像系であれ反転現像系であれ、帯電したトナーを(|帯電電位−現像電位|)と(|露光電位−現像電位|)を適正な値に保つことによって、網点の再現性を高め、文字の太りや白地部に付着するトナー(かぶり)を減じるなど、優れた画像を得ているのである。
【0017】
【特許文献1】
特開昭54−43036号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、繰り返し画像形成を行うと、帯電部材より印加される帯電バイアスによる電気的なダメージとクリーニングブレード、転写ローラ、トナーや紙粉等の接触する部材による物理的なダメージによって、像担持体の膜厚が削れ、表面が荒れてくる。膜厚の削れや表面の劣化に従い、露光電位と帯電電位が適正値から外れてくる。すると、スリーブから感光体に飛翔するトナー量とトナーの載り方が大きく異なってくる。
【0019】
例えば、反転現像系において、繰り返し画像形成を行い表面が荒れ、像担持体の露光部電位が変化し、|露光電位−現像電位|(現像するための電位)が小さくなる方向へ劣化するとする。
【0020】
この場合は、初期に比べトナーが少量しか現像されないため、濃度が薄くなり、網点再現性の悪化、ライン画像の細りなどの弊害が生じる。逆に、|露光電位−現像電位|が大きくなる方向へ露光電位が変化すれば、初期に比べトナーが多く現像され、濃度が濃くなり、網点画像つぶれ、ライン画像の太り等の弊害が生じる。
【0021】
そこで、このような像担持体の経時変化の影響を防ぐ手段として、表面電位計を用いて表面電位(露光電位、帯電電位)を管理することによって安定した画像を提供する技術が知られている。また、像担持体上のトナー付着パターンの濃度を光学センサによって検出することによって濃度を一定に保つ技術が知られている。さらに、特開平9−258504号公報では、記録媒体上へ濃度パターンを形成し、その濃度を測定することによって濃度変動を抑える技術が開示されている。
【0022】
しかし、上記のいずれの技術も、高価な表面電位計、光学センサや濃度測定器を必要とすることから省スペース化の妨げになるばかりでなく、コストアップは避けられない。
【0023】
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、製品コストアップすることなく、像担持体の表面電位変動によって生じる線幅変動などの画像弊害の防止と、白地部に付着するトナー量を増加させることなく、常に良質な画像を形成できる安定した画像形成装置を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
この発明は下記の構成を備えることにより上記課題を解決できるものである。
【0025】
(1)像担持体を帯電させる帯電部材と、
該帯電部材にDC成分にAC成分を重畳したバイアスを印加し、該像担持体面を所定の帯電電位に帯電させる帯電バイアス制御手段と、
該像担持体の帯電面を所定の情報に基づき所定の露光電位にする露光を行い潜像を形成する露光手段と、
磁性を持つ現像剤を該像担持体へ供給し、該帯電電位、該露光電位と異なる現像電位を印加することにより、該現像剤に電界を作用させ該露光電位部の潜像を顕画化(該露光電位部に該現像剤が付着)する現像手段と、
該現像電位を可変とする現像バイアス制御手段と、
帯電バイアス条件と印加時間を元に該像担持体の帯電電位と露光部電位を算出する手段を備えた反転現像系の画像形成装置において、
該像担持体の算出した帯電電位と露光電位の結果に応じて、該帯電バイアス制御手段と該現像バイアス制御手段の少なくとも一方を制御し、該帯電電位、該露光電位、該現像電位が
(|帯電電位−現像電位|):(|露光電位−現像電位|)=1:1.15〜1.55
となるように制御することを特徴とする画像形成装置。
【0026】
(2)像担持体を帯電させる帯電部材と、
該帯電部材にDC成分にAC成分を重畳したバイアスを印加し、該像担持体面を所定の帯電電位に帯電させる帯電バイアス制御手段と、
該像担持体の帯電面を所定の情報に基づき所定の露光電位にする露光を行い潜像を形成する露光手段と、
磁性を持つ現像剤を該像担持体へ供給し、該帯電電位、該露光電位と異なる現像電位を印加することにより、該現像剤に電界を作用させ該露光電位部の潜像を顕画化(非露光電位部に該現像剤が付着)する現像手段と、
該現像電位を可変とする現像バイアス制御手段と、
帯電バイアスと印加時間を元に該像担持体の帯電電位と露光部電位を算出する手段を備えた正規現像系の画像形成装置において、
該像担持体の算出した帯電電位と露光電位の結果に応じて、該帯電バイアス制御手段と該現像バイアス制御手段の少なくとも一方を制御して該帯電電位、該露光電位、該現像電位が
(|露光電位−現像電位|):(|帯電電位(非露光電位部)−現像電位|)=1:1.15〜1.55
となるように制御することを特徴とする画像形成装置。
【0027】
(3)該露光電位を可変とする露光エネルギー制御手段を備えており、該像担持体の帯電電位と露光電位の算出結果に基づいて、該露光エネルギーを制御することを特徴とする前記(1)または(2)記載の画像形成装置。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0029】
(第1の実施の形態)
図1を参照して、第1の実施の形態について説明する。図1は本発明を用いた画像形成装置の一例の概略構成図である。本例の画像形成装置は電子写真プロセス方式を利用した複写機である。
【0030】
1は像担持体としての被帯電体(以下感光体と記す)である。本実施の形態では回転ドラム型の電子写真感光体である。本例の感光体1は、アルミニウム等の導電性基層1bと、その外面に形成した光導電層1aと、を基本に構成されている。また、矢印mの方向に200mm/secのプロセススピード(周速度)をもって回転駆動されている。
【0031】
また、光導電層1aの初期膜厚は、30μmであり、平均膜厚が10μm以下になると均一に帯電処理を行うことが困難になるものである。
【0032】
2は帯電手段としての帯電部材である。本実施の形態ではローラタイプである(以下帯電ローラと記す)。帯電ローラ2は、中心の芯金2cと、その外周に形成した導電層2bと、更にその外周に形成した抵抗層2aと、からなる。
【0033】
帯電ローラ2は、芯金2cの両端部を不図示の軸受け部材に回転自由に軸受けさせて、回転ドラム型の感光体1に並行に配置して不図示の抑圧手段で感光体1に対して所定の押圧力をもって圧接され、感光体1の回転駆動に伴い従動回転する。
【0034】
3は帯電ローラ2に対するバイアス印加電源である。この電源3より直流電圧−750V、交流電圧1.8kVpp、周波数1800Hzのバイアス電圧が印加された帯電ローラ2によって、感光体1の外周面が−600Vに帯電処理される。
【0035】
一連の画像形成において、帯電バイアスは次のように制御されている。1)画像領域および、画像形成後の表面電位を除電するために、ACバイアスを印加する部分と、2)特に均一な表面電位を必要としないが、現像器からのトナーの不必要な現像を防止、転写部材クリーニング時のために、DCバイアスのみ印加する部分と、3)一定の表面電位を必要としないためにバイアスを印加しない部分に制御されている。
【0036】
帯電バイアスの印加条件毎に感光体1の帯電電位係数knと露光電位係数jnが決められており、前記kn、jnと各々のバイアス印加時間tnを所定の式に基づき演算することによって、感光体の露光電位と帯電電位を算出する。なお、予め、算出した帯電電位と露光電位の値より、どれくらいの帯電バイアスと露光エネルギーを入力すれば、狙いの表面電位にすることができるか概算できるデータベースが備えてある。
【0037】
参考までに、繰り返し画像形成を行った際の5000枚ごとの表面電位の実測値と上記手法により概算した表面電位値(露光電位値と帯電電位値)を図4へ掲載しておく。図4を見てみると実測値と大差なく、表面電位値(露光電位値と帯電電位値)を算出できていることがわかる。
【0038】
この感光体1の帯電処理面は、ついで露光手段4により目的画像情報の露光(レーザビーム走査露光、原稿画像のスリット露光等。本実施の形態ではレーザビーム走査露光)を受けることで、感光体1の帯電処理面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0039】
尚、不図示の露光エネルギー制御装置によって、露光面電位は−120Vになるように調整されている。
【0040】
静電潜像はついで現像手段としての現像装置5の現像剤担持体としてのスリーブ5aにより現像剤としてのトナーTが付着され、トナー像として順次可視像化される。
【0041】
現像装置5には、電源5bから周波数1800Hz、Vpp1400VのAC成分と−400VのDC成分を重畳して印加し、感光体1と0.3mmの距離を置いて配接することでジャンピング現像を行っている。また、トナーTとしてはネガトナーを用いた。
【0042】
ジャンピング現像は、現像装置5のスリーブ5a上にトナーTを極めて薄く塗布させて、スリーブ5a内に固着された磁石による磁界と、感光体1とスリーブ5a間に印加された現像バイアス電圧(現像電位)の電界の作用(以下、帯電電位−現像電位を現像コントラスト)により、トナーTが感光体1上に飛翔して静電潜像を顕像化(露光電位部へ現像剤が付着)する現像方法である。
【0043】
これにより、感光体1上に現像されたトナー像は、ついで転写装置7により紙等の転写材Pに転写される。
【0044】
転写装置7は、回転自在な転写ローラ7aと電源7bとを備え、電源7bによって転写材Pの転写ローラ7aとの接触面側からトナーTと逆極性の帯電を行うことによって、感光体1上のトナー像を順次転写材Pの感光体1との接触面に転写する。
【0045】
ここで、転写材Pは不図示の搬送装置から感光体1の回転と同期どりされて適正なタイミングを持って感光体1と転写装置7との間の転写部へ搬送されるものである。
【0046】
本実施の形態では、転写ローラ7aとして抵抗が5×108Ωの直径16mmの導電性ゴムローラに3500VのDC電圧を印加して転写を行った。
【0047】
トナー像の転写を受けた転写材Pは、つづいて感光体1から分離されて不図示の定着装置へ搬送されてトナー像が定着され、その後装置本体外部に排出されるか、または例えば、裏面にも画像形成するものであれば、転写部への再搬送手段へ搬送される。
【0048】
転写後の感光体1は、転写残りのトナーをクリーニングブレード9aにて掻き落として清掃し、次の画像形成に備えて前露光10にて露光除電して感光体1を初期化する。
【0049】
ここで、接触帯電式の帯電ローラ2および転写ローラ7aは、それぞれギア等をとりつけ、モータ等の駆動手段により強制駆動している場合であってもよい。
【0050】
以上の既成の従来技術により、一定の帯電条件と露光条件で繰り返し画像形成を行ったところ、図2のように線幅が変動してしまった。変動の主たる要因は感光体の露光電位の上昇にある。
【0051】
本実施例における筆者らの検討によると、感光体の露光電位と帯電電位は、画像形成枚数が増えるにつれ、図3のように帯電電位はあまり変化しないが、露光部電位の絶対値が増大することが判明した。それによって、現像コントラスト(|露光電位−現像電位|)が減少し、ベタ画像の濃度が薄く、ライン画像が大幅に細くなり、網点(例えば、1ドット印字1ドットスペースで交互に印字)画像に十分なトナーが現像されず、網点が所々消えてしまった。また、濃度が薄くなってしまったために、感光体にできた表面の傷が画像に見えるようになってしまった。
【0052】
そこで、(|露光電位−現像電位|)の値を初期の値にするため、露光電位の増加に伴って、現像電位を増加したところ、濃度は濃くなるが、線幅が太くなりすぎ、網点(例えば、1ドット印字1ドットスペースで交互に印字)画像に過剰なトナーが現像され、網点がつぶれてしまった。また、|帯電電位−現像電位|が小さくなるため、白地部にトナーの付着が目立ち高品位な画像を保てないことがわかった。
【0053】
そのため、現像電位のみを調整するのではなく、|露光電位−現像電位|と|帯電電位−現像電位|が適切な比率になっていないと高品位な画像を保つことはできない。さらなる筆者らの検討によれば、|露光電位−現像電位|と|帯電電位−現像電位|の比率が1.15から1.55であれば、適正な線幅、濃度を保った良質な画像が形成されることがわかった(図5)。図5をみると|露光電位−現像電位|:|帯電電位−現像電位|が1.15〜1.55:1の範囲のとき適正な線幅(190μm±15μm狙い)が保てている。当然ながら、この比率内における画像は、濃度も適正であり、白地へのトナー付着もほとんど見られない高品位な画像が出力されている。
【0054】
また、繰り返し画像形成を行うと感光体表面に傷がつく。表面が荒れているため、帯電電位値が小さいと、均一な帯電が難しく、傷が画像に表れてしまうことが判明した。傷を見えにくくする対策としては、帯電電位値を大きくすることが挙げられる。
【0055】
その際、上述のように帯電電位のみ大きくするのではなく(|帯電電位−現像電位|):(|露光電位−現像電位|)=1:1.15〜1.55の範囲になるように制御する必要がある。かつ、感光体の傷による不良画像の発生を防ぐために、帯電バイアス条件と印加時間を元に算出した感光体の露光電位と帯電電位値が所定の値に達したら、(帯電電位−現像電位)と(露光面電位−現像電位)の絶対値を大きくなるように制御することが有効である。
【0056】
その結果、従来、繰り返し画像形成を行い露光電位と帯電電位が変動した感光体において顕著であった線幅の細り、濃度ダウンが改善され、適切な線幅、濃度と網点の再現性を得ることができた。また、白地へのトナー付着についても、(|帯電電位−現像電位|)が(|露光面電位−現像電位|)に対して十分に取れているため、白地へのトナー付着のない画像を得ることができた。
【0057】
したがって、上記の方法により、感光体の表面電位が変動しても、その変動を精度良く算出し、算出結果に基づいて上記の制御を行うことによって、感光体の経時変化によらず良好な画像を安定して形成できる画像形成装置を提供できるようになった。
【0058】
また、従来のように、表面電位計、光学センサ等の高価な部品を使用しないですむことから、製品のコストダウンと省スペースが可能となる。
【0059】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、反転現像系の画像形成装置の例を提示した。第2の実施の形態では、正規現像系の画像形成装置の例について示す。
【0060】
正規現像系の画像形成装置においても、第1の実施の形態例と同様、感光体の表面電位(露光電位と帯電電位)が変化した時の画質を調べると、第1の実施例と同じ画像弊害が見られた。
【0061】
そこで、第1の実施例同様、装置内の湿度の状況に応じて帯電電位の制御と露光電位、現像電位の制御を行い(|露光電位−現像電位|):(|帯電電位(非露光電位)−現像電位|)=1:1.15〜1.55の範囲になるように制御し画像形成を行うことによって、上記弊害を防ぐことができた。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、感光体の表面電位(露光電位と帯電電位)の経時変化を精度良く概算し、種々の電位を制御することにより、適正な濃度、線幅を保ち、網点再現性が良く、かぶりのない良質な画像を、安定して形成することのできる画像形成装置を提供できる。当然、表面電位計、光学センサ等の高価な部品を配設することないため、装置のコストダウンと省スペースを可能としている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る画像形成装置の一部を示す概略断面図。
【図2】繰り返し画像形成を行った際の線幅推移。
【図3】繰り返し画像形成を行った際の表面電位推移。
【図4】繰り返し画像形成を行った際の表面電位の実測値と算出値の比較。
【図5】|露光電位−現像電位|/|帯電電位−現像電位|比率と線幅の関係。
【符号の説明】
1 感光体
1a 光導電層
1b 導電性基層
2 帯電部材(帯電ローラ)
2a 抵抗層
2b 導電層
2c 芯金
3 バイアス印加電源
4 露光手段
5 現像装置
5a スリーブ
5b 電源
7 転写装置
7a 転写ローラ
7b 電源
9 クリーニング装置
10 前露光
Claims (3)
- 像担持体を帯電させる帯電部材と、
該帯電部材にDC成分にAC成分を重畳したバイアスを印加し、該像担持体面を所定の帯電電位に帯電させる帯電バイアス制御手段と、
該像担持体の帯電面を所定の情報に基づき所定の露光電位にする露光を行い潜像を形成する露光手段と、
磁性を持つ現像剤を該像担持体へ供給し、該帯電電位、該露光電位と異なる現像電位を印加することにより、該現像剤に電界を作用させ該露光電位部の潜像を顕画化(該露光電位部に該現像剤が付着)する現像手段と、
該現像電位を可変とする現像バイアス制御手段と、
帯電バイアス条件と印加時間を元に該像担持体の帯電電位と露光部電位を算出する手段を備えた反転現像系の画像形成装置において、
該像担持体の算出した帯電電位と露光電位の結果に応じて、該帯電バイアス制御手段と該現像バイアス制御手段の少なくとも一方を制御し、該帯電電位、該露光電位、該現像電位が
(|帯電電位−現像電位|):(|露光電位−現像電位|)=1:1.15〜1.55
となるように制御することを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体を帯電させる帯電部材と、
該帯電部材にDC成分にAC成分を重畳したバイアスを印加し、該像担持体面を所定の帯電電位に帯電させる帯電バイアス制御手段と、
該像担持体の帯電面を所定の情報に基づき所定の露光電位にする露光を行い潜像を形成する露光手段と、
磁性を持つ現像剤を該像担持体へ供給し、該帯電電位、該露光電位と異なる現像電位を印加することにより、該現像剤に電界を作用させ該露光電位部の潜像を顕画化(非露光電位部に該現像剤が付着)する現像手段と、
該現像電位を可変とする現像バイアス制御手段と、
帯電バイアスと印加時間を元に該像担持体の帯電電位と露光部電位を算出する手段を備えた正規現像系の画像形成装置において、
該像担持体の算出した帯電電位と露光電位の結果に応じて、該帯電バイアス制御手段と該現像バイアス制御手段の少なくとも一方を制御して該帯電電位、該露光電位、該現像電位が
(|露光電位−現像電位|):(|帯電電位(非露光電位部)−現像電位|)=1:1.15〜1.55
となるように制御することを特徴とする画像形成装置。 - 該露光電位を可変とする露光エネルギー制御手段を備えており、該像担持体の帯電電位と露光電位の算出結果に基づいて、該露光エネルギーを制御することを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
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Cited By (1)
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JP2017078791A (ja) * | 2015-10-21 | 2017-04-27 | 富士ゼロックス株式会社 | 画像形成装置 |
-
2002
- 2002-12-05 JP JP2002353770A patent/JP2004184833A/ja not_active Withdrawn
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