JPWO2007000980A1 - 大豆類クエン酸飲料及びその製造方法 - Google Patents

大豆類クエン酸飲料及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 アミノ酸をはじめ豊富な栄養素を含み、穀物本来の自然な甘みを楽しむことができる大豆類クエン酸飲料及びその製造方法を提供する。【解決手段】 蒸煮した黒大豆に、白麹菌(Aspergillus kawachii)又は黒麹菌(Aspergillus awamori)により製麹した米麹を混合して静置し、黒大豆中のタンパク質を分解させ、アミノ酸やクエン酸等が豊富に含まれる栄養価の高い大豆類クエン酸飲料を製造する。【選択図】 なし

Description

本発明は、大豆類クエン酸飲料及びその製造方法に関するものであり、特に、麹菌による発酵を利用する大豆類クエン酸飲料及びその製造方法に関するものである。
従来から、大豆は、醤油、味噌及び納豆等の形で食卓において親しまれ、特に日本の食生活には欠かせないものとなっている。
大豆には、「畑の肉」と呼ばれるほど豊富なタンパク質が含まれているとともに、イソフラボン、サポニンといった栄養素が豊富に含まれており、従来から健康食品の1つとして広く知られている。
例えば、この大豆の一種に、黒大豆がある。この黒大豆には、前述の大豆由来の豊富な栄養素に加え、黒大豆特有のポリフェノールの一種であるアントシアニンが含まれている。このアントシアニンは、活性酸素の除去、視力向上作用及び美容効果といった多様な効果を備えた栄養素であり、これらの栄養素を豊富に含む黒大豆は、動脈硬化、ガン、肥満の予防や視力の向上といった様々な効果があり、昨今の健康ブームも相まって大きな注目を浴びている。
このように、黒大豆を含む大豆類には、効果的な栄養素を豊富に含んでいるが、その一方で調理方法は、煮豆や豆ご飯等の一部に限られており、定期的に摂取しづらいといった問題があった。
このような問題に対し、大豆類に含まれる栄養素を効果的に摂取するためのものとして、大豆酢が知られている。この大豆酢は、蒸煮した大豆類を酢酸に浸漬して、大豆類中の栄養素を酢酸に溶出させ、摂取しやすくしたものである。
また、この大豆類を酢漬けしたものに関する従来技術として、特許文献1の黒豆エキス及びその製造方法が開示されている。
この特許文献1に開示される黒豆エキスの製造方法は、玄米をアルコール発酵を経て、酢酸発酵させて熟成した玄米黒酢に、黒大豆を浸漬して約32℃〜5℃で静置熟成させることにより黒豆エキスを製造するものである。この黒豆エキスは、ドリンクやジュースとしての飲料材料に用いたり、三杯酢・甘酢・マヨネーズ等の調味料として用いたりすることで、黒大豆由来の栄養素を摂取する機会を増やし、摂取しやすくしている。
特開平7−51013
しかしながら、特許文献1に開示される黒豆エキス及びその製造方法には、その含まれる栄養素や風味の点で問題がある。
この特許文献1の製造方法では、アルコール発酵及び酢酸発酵させるため、その反応温度を30℃前後に維持する必要があり、微生物が繁殖しやすい環境となってしまう。このことから、この繁殖した微生物が酢酸や黒豆エキス中のアミノ酸を消費し、アミノ酸の含有量が減少してしまうために、アミノ酸がもたらす健康面での効果が限られたものとなってしまう。また、アルコール発酵の際に、酵素が麹の原料の穀物に含まれるグルコースを分解してしまうために、麹の原料の穀物本来の自然な甘みがなくなり、奥行きのある風味を消してしまう。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、アミノ酸をはじめ豊富な栄養素を含み、穀物本来の自然な甘みを楽しむことができる酢様の大豆類クエン酸飲料及びその製造方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明における大豆類クエン酸飲料は、大豆類に麹及び温水を混合しほぼ38℃〜80℃で静置熟成した後、圧搾抽出してなる液体であることを特徴とする。
また、本発明における大豆類クエン酸飲料によれば、麹は、穀物に白麹菌又は黒麹菌を混合して製麹したことを特徴とする。
また、本発明における大豆類クエン酸飲料によれば、大豆類、麹及び温水の混合物をほぼ2〜14日間静置熟成したことを特徴とする。
また、本発明における大豆類クエン酸飲料によれば、大豆類と麹と温水の混合重量比は、大豆類を1とした場合、麹を0.5〜1.5、温水を2.5〜5、としたことを特徴とする。
また、本発明における大豆類クエン酸飲料によれば、前述の液体は、Brix度5以上、アミノ酸度3以上の液体であることを特徴とする。
また、本発明における大豆類クエン酸飲料によれば、前述の大豆類は、黒大豆であることを特徴とする。
また、本発明における大豆類クエン酸飲料の製造方法は、麹を製麹する製麹工程と、前記製麹した麹と大豆類と温水を混合する混合工程と、前記混合物をほぼ38℃〜80℃で静置熟成する熟成工程と、熟成された混合物を圧搾し、液分を抽出する工程とを有することを特徴とする。
また、本発明における大豆類クエン酸飲料の製造方法によれば、製麹工程は、麹を穀物に白麹菌又は黒麹菌を混合して製麹することを特徴とする。
また、本発明における大豆類クエン酸飲料の製造方法によれば、熟成工程は、大豆類、麹及び温水の混合物をほぼ2〜14日間静置熟成することを特徴とする。
また、本発明における大豆類クエン酸飲料の製造方法によれば、混合工程における大豆類と麹と温水の混合重量比は、大豆類を1とした場合、麹を0.5〜1.5、温水を2.5〜5、としたことを特徴とする。
また、本発明における大豆類クエン酸飲料の製造方法によれば、前述の大豆類は、黒大豆であることを特徴とする。
本発明における大豆類クエン酸飲料は、米麹と大豆類と温水を混合して静置するときに、その温度を38℃〜80℃程度に保つようにして製造するので、その混合物中の微生物の活動を不活性化し、その微生物によるアミノ酸の消費を抑制することができる。
また、本発明によれば、従来の黒豆酢のような糖からアルコール、アルコールから酢酸といった分解反応を必要としないため、米麹に含まれる米本来の自然な甘みがそのまま残存し、奥行きのある風味を醸し出すことができる。特にBrix度5以上、アミノ酸度3以上の液体であるため酢様でありながら独特の甘味がありしかもアミノ酸が極めて豊富であるため飲料しやすく栄養素の豊富な飲料とすることができる。
本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明を進める。
本実施の形態では、一例として大豆類の1つである黒大豆を用い、蒸煮した黒大豆に、白麹菌(Aspergillus kawachii)又は黒麹菌(Aspergillus awamori)により製麹した米麹を混合して静置し、黒大豆中のタンパク質を分解させ、アミノ酸やクエン酸等が豊富に含まれる栄養価の高い大豆類クエン酸飲料を製造する。
この大豆類クエン酸飲料の製造方法は、以下に示す各工程からなる。
(1)麹菌から米麹を製麹する。
(2)黒大豆を蒸煮する。
(3)蒸煮した黒大豆を米麹と温水を混合し、38℃〜80℃程度となるように加温調整する。
(4)これらの混合物を38℃〜80℃程度に保温したまま、Brix度5以上、アミノ酸度3以上となるように2〜14日間ほど静置し、黒大豆中のタンパク質の分解反応を促進させる。
(5)静置後、混合物を圧搾し、この圧搾した液分をフィルターにて清澄にする。
以下、これらの各工程(1)〜(5)について、個々に詳細に説明する。
(1)米麹の製麹工程
まず、麹菌を用いて米麹を製麹するが、本実施の形態では、この製麹に、麹菌のうち白麹菌又は黒麹菌を用いる。これら白麹菌及び黒麹菌は、デンプン糖化酵素だけでなく、クエン酸を大量に生成するという特徴があるため、本実施の形態における大豆類クエン酸飲料の製造に適している。特に、白麹菌には、色調が白色であり、製麹等の作業の際に、器具や衣類に黒い色がつかず設備の洗浄が容易であるというメリットがある。
本実施の形態における米麹の製麹工程においては、蒸した白米に麹菌を加え、40〜50時間程度30℃〜40℃前後で温度管理し、米麹を製麹する。
この麹菌は、アミラーゼ、プロテアーゼ等の酵素やアミノ酸を生成する。このうち、アミラーゼは、白米に含まれるデンプンを糖に分解し、その白米本来の自然な甘み成分を生成する。
また、白麹菌及び黒麹菌は、大量のクエン酸を生成することから、製麹された米麹には、クエン酸が大量に含まれることとなる。クエン酸には、食中毒の原因となる有毒な菌に対する殺菌・抗菌作用や、クエン酸回路(TCAサイクル)と呼ばれるエネルギー生産過程を活性化する作用がある。
このように、製麹工程において、アミノ酸やクエン酸等の栄養素を大量に生産する白麹菌又は黒麹菌を用いることにより、大豆類クエン酸飲料を製造するので、その結果、製造された大豆類クエン酸飲料にも豊富な栄養素が含まれることとなり、健康面において大きな効果が期待できる。
(2)黒大豆の蒸煮工程
米麹の製麹後、予め一昼夜程度水に浸漬した黒大豆を蒸煮する。その理由は、大豆中のタンパク質を効率よく分解させるためであり、乾燥した大豆やそれを粉砕した大豆粉は使用しない。それは、乾燥した大豆やそれを粉砕した大豆粉を麹と混合し、水を加えて混合してもタンパク質の分解不足やタンパク質の過変性によりアミノ酸生成が進まず、また粉体原料により後の処理が非効率になるからである。
この黒大豆は、前述したように、大豆一般に含まれるイソフラボンやサポニンといった栄養素に加え、黒大豆特有の栄養素であるアントシアニンが含まれている。
このうち、イソフラボンは、体内のカルシウムの過剰な流出や動脈硬化を防ぎ、ガン発生率を低下させるはたらきがある。また、サポニンには、動脈硬化や肝機能障害の原因となる過酸化脂質の生成を抑制する効果がある。また、アントシアニンには、人体に悪影響を与える活性酸素の除去、視力向上作用及び美容効果といった多様な効果を有する。
黒大豆の蒸煮工程において、これらの栄養素が豊富に含まれている黒大豆を用いることにより、人体にとって有効な成分が豊富に含まれた大豆類クエン酸飲料を製造することを可能にしている。
(3)黒大豆と米麹と温水の混合工程
次に、その蒸煮した黒大豆に前述の製麹した米麹と約38℃〜80℃程度の温水を均一に混合し、加熱槽に静置する。この混合は、蒸煮した黒大豆と米麹を混合し、それを温水に投入して攪拌混合してもよいし、温水を蒸煮した黒大豆と米麹に徐々に添加して攪拌混合してもよい。温水を使用し、常温水を使用しないのは、原料分解工程中に雑菌汚染が懸念されるためである。混合時の温水の温度は40℃〜55℃が好適である。
そして、この温水を加えた混合物の温度が約38℃〜80℃、好ましくは55℃程度になるように加熱槽により温度調整を行う。
これは、約38℃から低い温度では、混合物中の微生物が活発化し、分解物の糖、アミノ酸、クエン酸を大量に消費してしまうために好ましくないためである。一方、80℃よりも高温になると、黒大豆中のタンパク質が変性してしまい、期待した栄養価が得られない可能性がある。
また、この混合工程における混合重量比は、
黒大豆 : 米麹 : 温水で、
1 : 0.5〜1.5 : 2.5〜5、
好ましくは、
1 : 0.85〜1.25: 3〜4.5である。
米麹の分量及び混合重量比は、多ければ多いほど、生成されるクエン酸、アミノ酸、ペプチド、オリゴ糖及びポリフェノールの量は増大し、栄養価が高くなるが、本実施の形態では、飲料としての風味の点から上記の混合比とした。温水の混合比率を規定したのは、原料の分解効率と分解生成物とのバランスが良好であるからであり、上記比率未満では、酸度が高くなりすぎ、飲料としてのバランスが不適当であり、熟成後圧搾しても、栄養素が豊富で飲料しやすい飲み物が得られないからである。
なお、黒大豆は丸のままでもよいし、反応をより促進させるべく米麹と混合前または混合後、粉砕して作用(反応)面を拡大してもよい。
(4)熟成工程
混合物はスラリー状ではなく液状であり、その後、約38℃〜80℃に保温したまま、2〜14日間静置する。この条件で静置すると、米麹中の分解酵素(プロテアーゼ)は、黒大豆中のタンパク質を分解し、大量のアミノ酸及びペプチドを生成する。
この分解工程では、スレオニン、バリン、メチオニン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、リジンといった体内では合成が不可能な必須アミノ酸や、その他、アスパラギン酸、セリン、グルタミン酸、プロリン、グリシン、アラニン、チロシン、ヒスチジン、アルギニンといった豊富なアミノ酸が生成される。
これらのアミノ酸は、タンパク質(酵素を含む)の合成、脂肪の燃焼、肝機能の増強、ブドウ糖の代謝、血液中のコレステロール値の低下等を促進又は補助するといった健康面における高い効能・効果がある。
また、ペプチドは、血圧低下、コレステロール値の低下、免疫力の向上といった高い効能・効果がある。
(5)大豆類クエン酸飲料の抽出工程
次に、前記熟成を終えた混合物を圧搾することで、黒大豆中に含まれるイソフラボン、サポニン及びアントシアニンといった栄養素が水分中に溶出し、これらの栄養素を摂取しやすくなる。
さらに、これらの圧搾液をフィルターでろ過し、清澄にし、大豆類クエン酸飲料が完成する。
以上のようにして製造した大豆類クエン酸飲料には、麹菌が生成するクエン酸、麹菌が分解生成したアミノ酸、ペプチド及びオリゴ糖、並びに黒大豆から溶出したイソフラボン、サポニン及びアントシアニンといった栄養素が大量に含まれており、健康面で大きな効果を期待することができる。
以上説明したように、本実施の形態では、米麹と黒大豆とを混合して静置するときに、その温度を38℃〜80℃程度に保つことにより、その混合物中の微生物の活動を不活性化し、その微生物によるアミノ酸の消費を抑制することができ、アミノ酸が豊富に含まれる大豆類クエン酸飲料を容易に製造することが可能となる。
特に、その黒大豆、米麹及び温水の混合物を静置するときの温度を55℃前後とすることにより、黒大豆中のタンパク質を変性させずにその混合物の微生物の活性化を確実に抑え、栄養価及び風味に優れた大豆類クエン酸飲料を製造することができる。
また、本実施の形態では、従来の黒豆酢のような糖からアルコール、アルコールから酢酸といった分解反応を必要としないため、米麹に含まれる米本来の自然な甘みがそのまま残存し、風味豊かな大豆類クエン酸飲料を製造することができる。
さらに、本実施の形態では、従来の黒豆酢のような糖からアルコールを生成し、アルコールから酢酸を生成するといった煩雑な工程をふむことなく、極めて簡易な工程を経て、栄養価及び風味豊かな黒大豆を用いた飲料水を生成することができる。
(大豆類クエン酸飲料の成分分析結果)
以上説明したようにして、本実施の形態では、大豆類クエン酸飲料を製造するが、以下、このように製造した黒大豆クエン酸飲料の成分分析結果を示す。
表1は、本実施の形態において、米麹と温水との混合重量比、混合後の静置期間の条件をそれぞれ変えて製造した大豆類クエン酸飲料の成分分析値を示す。
Figure 2007000980
なお、この表に示す試料1〜5は、次の条件下においてタンパク質の分解反応を実行させた黒大豆、米麹、温水の混合物の圧搾液を5μmのミクロフィルターにてろ過したものである。
試料1:米麹1に対し温水4で7日間分解
試料2:米麹1に対し温水3で7日間分解
試料3:米麹0.7に対し温水3で7日間分解
試料4:米麹1に対し温水3で4日間分解
試料5:米麹0.7に対し温水3で4日間分解
なお、これら試料1〜5に使用された黒大豆の比は1であり、量は等しいものとした。
表1に示す分析結果から以下のことがわかった。
表1に示すように、試料1(米麹:温水=1:4)では、アミノ酸度4.2ml、ポリフェノール43.8mg%、試料2(米麹:温水=1:3)では、アミノ酸度4.8ml、ポリフェノール63.3mg%、試料3(米麹:温水=0.7:3)では、アミノ酸度3.0ml、ポリフェノール52.5mg%と分析値が得られた。
この分析結果から、米麹の絶対量が多いほど、温水に対する米麹の相対量が多いほど、製造される黒大豆クエン酸飲料には、多くのアミノ酸及びポリフェノールが含有されることが明らかとなった。すなわちアミノ酸度は短期間熟成でも2ml以上であり、また、Brix度も6以上と非常に高い。
なお、試料4,5における「全糖」、「直接還元糖」、「ポリフェノール」は測定していない。
また、表2は、本実施の形態において、前述の試料1〜5に含まれるアミノ酸の量の分析結果を示す。
Figure 2007000980
この表2に示す分析値からは、米麹の絶対量が多いほど、表2に示す全てのアミノ酸の含有量が多く検出された。
また、温水に対する米麹の相対量が多いほど、スレオニン、バリン、イソロイシン、リジンの必須アミノ酸、アスパラギン酸、セリン、グルタミン酸、グリシン、アラニン、チロシンの非必須アミノ酸の含有量が多くなるといった分析結果が得られた。
さらに、試料2と試料4、試料3と試料5を、それぞれ比較すると、混合後の静置熟成期間が長いほど、全てのアミノ酸の含有量が多く検出された。
表3は、本実施の形態において、蒸煮した黒大豆の各温度における成分変化を示す。
なお、この表における着色度とは、510nm(赤色系)での着色度を示している。
また、Brix度(%)とは、屈折糖度計での示度(糖濃度)を示す。
また、アミノ酸度とは、フォルモール法によるアミノ酸量(10ml中)を示す。
Figure 2007000980
また、図1は、この表3における分解温度に対する、Brix度(%)及びアミノ酸度(ml)を図表化したグラフである。
これら表3及び図1に示されているように、温度が40〜60℃の範囲、特に40〜55℃の範囲で、Brix度及びアミノ酸度の数値が高く、黒大豆中のデンプンやタンパク質の効率よく分解され、多量の糖類及びアミノ酸が生成されていることがわかった。
また、着色度については、肉眼では55℃まで着色度が増加し、その後減少しているように見えたが、510nmでの吸光値では、温度が高いほど増加傾向にあった。
以上のように、40〜60℃の範囲、特に40〜55℃の範囲において、黒大豆中に含まれるデンプンやタンパク質が効率よく分解される。これに加えて、蒸煮した黒大豆における微生物汚染の影響を考慮すると、特に55℃前後(53〜57℃)の範囲で黒大豆を蒸煮することが最適であると考えられる。
以上、まとめると、これらの表1,2に示す分析値から以下の分析結果が得られる。
(1)混合する米麹の絶対量が多いほど、アミノ酸及びポリフェノールの含有量が多く、栄養価の高い大豆類クエン酸飲料が得られる。このとき、混合する米麹の絶対量が多いほど、アミノ酸の全ての種類の含有量が多くなる。
(2)温水に対する米麹の混合重量比が高いほど、アミノ酸及びポリフェノールの含有量が多く、栄養価の高い大豆類クエン酸飲料が得られる。このとき、温水に対する米麹の混合重量比が高いほど、特に、スレオニン、バリン、イソロイシン、リジン、アスパラギン酸、セリン、グルタミン酸、グリシン、アラニン、チロシンの含有量が多くなる。
(3)黒大豆、米麹、温水を混合後、熟成期間が長いほど、全てのアミノ酸の含有量が多くなる。
(4)黒大豆を40〜60℃の範囲で蒸煮すると、黒大豆中のデンプンやタンパク質が効率よく分解され、特に53〜57℃が、その分解度や有害な微生物の除去の面において最適な条件となる。
なお、上記の実施例は本発明の好適な実施の一例であり、本発明の実施例は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能となる。
本実施の形態では、大豆類の1つである黒大豆を用いて、大豆類クエン酸飲料を得ているが、前述した製造工程により、他の豆類からも同様に栄養価の高いクエン酸飲料を得ることができる。
例えば、黄大豆、青大豆、エンドウ豆、インゲン豆、緑豆、ヒヨコ豆、レンズ豆、空豆等の豆類でも、クエン酸飲料を生成することができる。
また、本実施の形態では、製麹の際、白米を用いたが、玄米等、その他の穀物等を用いるようにしてもよい。
また、白麹菌や黒麹菌の他、アミノ酸、タンパク質分解酵素及びクエン酸を生産するものであれば、他の菌を用いても、本実施の形態の大豆類クエン酸飲料を製造することが可能であることは言うまでもない。
本実施の形態における黒大豆の分解温度に対する、Brix度(%)及びアミノ酸度(ml)を図表化したグラフである。

Claims (11)

  1. 大豆類に麹及び温水を混合しほぼ38℃〜80℃程度で静置熟成した後、圧搾抽出してなる液体であることを特徴とする大豆類クエン酸飲料。
  2. 前記麹は、穀物に白麹菌又は黒麹菌を混合して製麹したものであることを特徴とする請求項1記載の大豆類クエン酸飲料。
  3. 前記大豆類、麹及び温水の混合物をほぼ2〜14日間静置熟成したことを特徴とする請求項1または2記載の大豆類クエン酸飲料。
  4. 前記大豆類と麹と温水の混合重量比は、大豆類を1とした場合、麹を0.5〜1.5、温水を2.5〜5、としたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の大豆類クエン酸飲料。
  5. 前記液体は、Brix度5以上、アミノ酸度3以上の液体であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の大豆類クエン酸飲料。
  6. 前記大豆類は、黒大豆であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の大豆類クエン酸飲料の製造方法。
  7. 麹を製麹する製麹工程と、
    前記製麹した麹と大豆類と温水を混合する混合工程と、
    前記混合物をほぼ38℃〜80℃で静置熟成する熟成工程と、
    熟成された混合物を圧搾し、液体を抽出する工程と
    を有することを特徴とする大豆類クエン酸飲料の製造方法。
  8. 前記製麹工程は、前記麹を穀物に白麹菌又は黒麹菌を混合して製麹することを特徴とする請求項7記載の大豆類クエン酸飲料の製造方法。
  9. 前記熟成工程は、前記大豆類、麹及び温水の混合物をほぼ2〜14日間静置熟成することを特徴とする請求項7または8記載の大豆類クエン酸飲料の製造方法。
  10. 前記混合工程における前記大豆類と麹と温水の混合重量比は、大豆類を1とした場合、麹を0.5〜1.5、温水を2.5〜5、としたことを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の大豆類クエン酸飲料の製造方法。
  11. 前記大豆類は、黒大豆であることを特徴とする請求項7から10のいずれか1項に記載の大豆類クエン酸飲料の製造方法。
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