JPWO2006135092A1 - ダイヤモンド電子放射陰極、電子放射源、電子顕微鏡及び電子ビーム露光機 - Google Patents

ダイヤモンド電子放射陰極、電子放射源、電子顕微鏡及び電子ビーム露光機 Download PDF

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ダイヤモンドを用いた高輝度でエネルギー幅が狭い電子放射陰極、電子放射源、及びこれらを用いた電子機器を提供することを目的とする。本発明によるダイヤモンド電子放射陰極は、少なくとも一部に単結晶ダイヤモンドを有するダイヤモンド電子放射陰極であって、当該ダイヤモンド電子放射陰極が電子放射部の一ヶ所に先鋭部を有する柱状であり、少なくとも二種類以上の電気的性質が異なる半導体によって構成され、該半導体を構成する一種類がn型不純物を2×1015cm−3以上含むn型半導体であり、もう一種類がp型不純物を2×1015cm−3以上含むp型半導体であり、該p型半導体と該n型半導体が接合しており、一対の電流導入端子により電子が該n型半導体から該p型半導体へ流れるように該n型半導体に該p型半導体に対して負の電位が印加され、かつ該n型半導体は電子が前記電子放射部に流れる成分を含有していることを特徴とする。

Description

本発明は、電子顕微鏡、電子ビーム露光機などの電子線及び電子ビーム機器、進行波管、マイクロ波管など真空管に用いられるダイヤモンド電子放射陰極及び電子放射源及びこれらを用いた電子機器に関する。
電子はマイナスの電荷を持ち、質量が極めて小さいため、電子を一方向に揃えて走らせた電子ビームは以下のような特徴を有している。(1)電界や磁界で方向や収束度を制御できる。(2)電界による加減速で広範囲なエネルギーが得られる。(3)波長が短いため、細く絞り込むことができる。このような特徴を活かした電子顕微鏡や、電子ビーム露光機が広く普及している。これらの陰極材料として、例えば、熱電子放射源としては安価なWフィラメントや、輝度の高い電子ビームが得られるLaB6等の六ホウ化物がある。また、さらに高輝度でエネルギー幅の狭い陰極として、量子効果によるトンネル現象を利用した先鋭化Wや、電界によるショットキー効果を利用したZrO/Wが用いられている。
しかしながら、Wフィラメントは安価である反面、寿命が100時間程度と極端に短いために、フィラメントが切れた場合、真空槽を大気開放したり、電子ビームの光軸を調整したりする等の交換作業を頻繁に行わねばならないといった問題がある。LaB6はWフィラメントと比較して寿命が1000時間程度と長いが、比較的高輝度ビームが得られる装置で使用されているために、交換作業は装置メーカーが行う場合が多く、コストがかかるといった問題がある。より高輝度が得られる先鋭化Wや、寿命が1年程度と比較的長いZrO/Wについても交換コストが高く問題がある。
電子顕微鏡においてはより小さいものを高精度に観察したいという要求があることや、電子ビーム露光機においては65nmノード以細の開発が進んできていることから、さらに高輝度でエネルギー幅が狭い陰極が求められている。
このような期待に答える材料の一つとして、ダイヤモンドがある。ダイヤモンドには非特許文献1あるいは非特許文献2にあるように電子親和力が負(NEA)の状態、あるいは仕事関数が小さい金属と比較しても小さな正(PEA)の状態が存在する。この非常に稀な物性を活かせば、WフィラメントやLaB、あるいはZrO/Wのように1000℃を超える高熱の必要なしに高電流密度電子放射が可能であり、エネルギー幅が狭く抑えられる。そして、駆動温度が低いために長寿命が期待できる。また、非特許文献3のような先端径10nmが得られる微細加工技術があるので高輝度化についても問題ない。また、ダイヤモンドについては、上記電子親和力を有することが判明して以来、非特許文献4や特許文献1のような電子源がこれまでに提案されてきた。
F.J.Himpsel et al., Phys. Rev. B., Vol.20,Number 2(1979) 624− J.Ristein et al., New Diamond and Frontier Carbon Technology, Vol.10, No.6,(2000) 363− Y.Nishibayashi et al., SEI Technical Review, 57, (2004) 31− W. B. Choi et al., J. Vac. Sci. Technol. B 14, (1996)2051− 特開平4−67527号公報
しかしながら、上記のダイヤモンドを用いた電子源を広く普及している電子顕微鏡や電子ビーム露光機で使用する場合、それぞれに問題がある。すなわち、非特許文献3に記載のような電子放出点が複数並べられた構造では面電子源となるために、収束させて微細ビームとするのは困難である。装置への実装も容易でない。非特許文献4では先端が鋭いMoにダイヤモンドをコーティングしており、形状としては問題ないが、多結晶であるために個体差や電気特性のばらつきが問題である。特許文献1で提案されている構造も面電子源であるために収束ビームを得るのは困難である。また、装置への実装も容易でない。
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、電子線及び電子ビーム機器や真空管、特に、電子顕微鏡や電子ビーム露光機に使用される、ダイヤモンドを用いた高輝度でエネルギー幅が狭い電子放射陰極及び電子放射源、及びこれらを用いた電子顕微鏡、電子ビーム露光機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明によるダイヤモンド電子放射陰極は、以下の構成を採用する。
(1)本発明によるダイヤモンド電子放射陰極は、少なくとも一部に単結晶ダイヤモンドを有するダイヤモンド電子放射陰極であって、当該ダイヤモンド電子放射陰極が電子放射部の一ヶ所に先鋭部を有する柱状であり、少なくとも二種類以上の電気的性質が異なる半導体によって構成され、該半導体を構成する一種類がn型不純物を2×1015cm-3以上含むn型半導体であり、もう一種類がp型不純物を2×1015cm-3以上含むp型半導体であり、該p型半導体と該n型半導体が直接接合して、もしくは他の種類の層(例えば、真性半導体層である。)を介して間接的に接合して一対の電流導入端子により電子が該n型半導体から該p型半導体へ流れるように該n型半導体に該p型半導体に対して負の電位が印加され、p型半導体とn型半導体の接合界面は電子放射部付近に位置し、かつ該n型半導体は電子が前記放射部に流れる成分を含有していることを特徴とする。
(2)本発明によるダイヤモンド電子放射陰極は、少なくとも一部に単結晶ダイヤモンドを有するダイヤモンド電子放射陰極であって、当該ダイヤモンド電子放射陰極が電子放射部の一ヶ所に先鋭部を有する柱状であり、少なくとも二種類以上の電気的性質が異なる半導体によって構成され、該半導体を構成する一種類がn型不純物を2×1015cm-3以上含むn型半導体であり、もう一種類がp型不純物を2×1015cm-3以上含むp型半導体であり、該p型半導体と該n型半導体が直接接合して、もしくは他の種類の層を介して間接的に接合して一対の電流導入端子により電子が該p型半導体から該n型半導体へ流れるように該n型半導体に該p型半導体に対して正の電位が印加され、p型半導体とn型半導体の接合界面は電子放射部付近に位置し、かつ該n型半導体は電子が前記放射部に流れる成分を含有していることを特徴とする。
このダイヤモンド電子放射陰極においては、ほとんど異種材料を含まないので、熱膨張係数の差による加熱冷却時の陰極破損がない。なお、ここで言うほとんどとは、ダイヤモンド電子放射陰極の陰極形状がダイヤモンド以外の材料に依存していない場合を指す。すなわち、非特許文献4に記載されているダイヤモンドが先端の鋭いMoにコーティングされた形状のように、後述する加熱部を除く陰極形状がダイヤモンド以外の材料に主として依存している場合は含まない。また、少なくとも一部が単結晶ダイヤモンドで構成されているため、多結晶では困難な、ダイヤモンドを陰極材料とするために必要なn型不純物のドーピング濃度の制御が、ダイヤモンドの気相成長において可能である。
そして、本発明に係るダイヤモンド電子放射陰極は、n型不純物を2×1015cm-3以上含んでいる。なお、この値は電子放射部近傍で得られる値を指す。このような値でn型不純物を含む場合は、ダイヤモンドの伝導帯に電子が供給されるために、実質的に仕事関数は小さく、高電流密度での電子放射が可能である。
また、本発明におけるダイヤモンド電子放射陰極は、p型不純物を2×1015cm-3以上含むダイヤモンド上の少なくとも一部にn型不純物を2×1015cm-3以上含む層を電気伝導層若しくは半導体を持つ構造であることが好適である。ダイヤモンドはp型不純物の準位が浅く低抵抗が得られることから、この場合、陰極全体の抵抗値がより低くすることが可能である。
さらに、ダイヤモンド電子放射陰極の全体形状を電子放射部を有する一ヶ所の先鋭部を持つ柱状とすることにより、陰極での電圧降下が小さくなるため、電子放出効率を向上させることができる。その結果、ダイヤモンドを用いた高輝度でエネルギー幅が狭い電子放射陰極及び電子放射源が実現される。
(3)本発明によるダイヤモンド電子放射陰極は、前記ダイヤモンド半導体を構成する一種類が、300Kにおけるキャリア濃度が1×109cm-3以下であるダイヤモンドによって構成された真性半導体であることが好適である。真性半導体層を形成することによりさらに効率的な電子放出が可能である。
(4)本発明によるダイヤモンド電子放射陰極は、加熱部が形成されていることが好適である。本発明に係るダイヤモンド電子放射陰極に加熱部を形成することにより、加熱により放出電流の安定化に必要な電子放射部表面に付着した水分等の除去を加熱部を介して容易に行うことができる。
(5)本発明によるダイヤモンド電子放射陰極は、前記電子放射部が、前記n型半導体によって形成されていることが好適である。n型半導体により電子量を多く流すことができ電子放出特性が向上する。
(6)本発明によるダイヤモンド電子放射陰極は、前記電子放射部が、前記p型半導体によって形成されていることが好適である。p型半導体は仕事関数が低く効率よく電子が流れるので良好な電子放出特性を得ることができる。
(7)本発明によるダイヤモンド電子放射陰極は、前記電子放射部が、前記真性半導体によって形成されていることが好適である。
(8)本発明によるダイヤモンド電子放射陰極は、前記p型半導体が気相成長で合成したバルク結晶からなり、前記n型半導体及び\又は前記真性半導体が気相成長で合成した薄膜結晶からなることが好適である。気相成長でダイヤモンド半導体を合成することにより、不純物の混入を低減し高品質なバルク結晶を得ることにより電子放出効率が向上する。
(9)本発明によるダイヤモンド電子放射陰極は、前記ダイヤモンド電子放射陰極の短手方向長さが、0.05mm以上2mm以下でアスペクト比が1以上であることが好適である。このような形状により、電子顕微鏡、電子ビーム露光機など電子ビーム機器への実装が容易となる。
なお、ここで言う短手方向とは、ダイヤモンド電子放射陰極の電子放射部と反対側の底部の差し渡し幅のことを指す。ダイヤモンド電子放射陰極が直方体である場合は、底部の差し渡し幅の短い辺を指す。また、アスペクト比とは、電子放射部先端から反対側底部までの長さを長手方向とした際における長手方向と短手方向との長さの比のことである。
(10)本発明によるダイヤモンド電子放射陰極は、前記先鋭部における電子放射部を頂点とした面の少なくとも一面が(111)結晶面[(111)ジャスト面から±7°のオフ面を含む]で形成されていることが好適である。
気相成長における安定成長面は(100)面か(111)面であるが、(111)面は気相成長においてn型不純物の取り込み効率が(100)面と比較して10倍以上高い。このことは、ダイヤモンドの(111)結晶面はn型不純物の高濃度ドーピングが可能であり、金属的な電気伝導が容易に得られ、高電流密度での電子放射が可能であることを意味する。従って、電子放射部が(111)結晶面を含む場合には高輝度な電子放射陰極を容易に得ることができる。
(11)本発明によるダイヤモンド電子放射陰極は、前記電子放射部を構成するダイヤモンドの表面が、水素原子で終端されていることが好適である。
電子放射部となるダイヤモンドの表面を水素原子で終端することによって、電子親和力が下がり、電子放出特性の高効率化を図ることができる。特にダイヤモンドの表面炭素のダングリングボンドのうち50%以上を水素原子で終端するとより効果的である。
(12)本発明によるダイヤモンド電子放射陰極は、前記n型半導体の300Kにおける抵抗率が、300Ωcm以下であることが好適である。
このような抵抗率のダイヤモンド電子放射陰極により、n型不純物を含む部分に電子が効率よく供給される結果、高密度電子放射が可能であり、高輝度電子放射陰極が得られる。特に電子放射部近傍の低効率が上記範囲であることが好ましい。
(13)本発明によるダイヤモンド電子放射陰極は、前記先鋭部の先端径もしくは先端曲率半径が30μm以下であることが好適である。
電子放射部となる先端部分をこのような小さなサイズとすることにより、より高輝度な電子放射陰極とすることができる。
(14)本発明によるダイヤモンド電子放射陰極は、前記電子放射部が突起構造であって、突起の先端径が5μm以下でアスペクト比が2以上であることが好適である。
電子放射陰極としてのダイヤモンド単結晶全体のうちの電子放射部のみがこのような先鋭形状を持つことによって、電子顕微鏡や電子ビーム露光機などへの実装が容易で且つ、高輝度なダイヤモンド熱電界電子放射陰極やダイヤモンド電界電子放射陰極が実現できる。
(15)本発明によるダイヤモンド電子放射陰極は、電子放射時の温度が400K以上1200K以下であることが好適である。電子放射時の温度が400K未満では十分な放出電流が得られず、1200Kを超えると長寿命が得られない。さらに電子放射時の温度が400K以上900K以下が好ましい。
(16)本発明によるダイヤモンド電子放射陰極は、前記電子放射部よりエネルギー幅が0.6eV以下の電子線を放出することを特徴としても良い。ダイヤモンド電子放射陰極として良質な電子ビームが提供可能となる。
(17)本発明に係るダイヤモンド電子放射陰極は、前記加熱部に金属層を有することが好適である。金属層を持つことで電気抵抗が小さくなるため、加熱のための電源電圧を小さくすることができ、電子顕微鏡、電子ビーム露光機など電子ビーム機器への実装に適している。
(18)本発明によるダイヤモンド電子放射陰極は、電子放射陰極の表面が金属層によって被覆され、前記電子放射部から金属層の端部までの最も近傍における距離が500μm以下であることが好適である。500μmを超えると電子放出特性が低下する。さらに電子放射部からの距離は100μm以下が好ましい。
(19)本発明によるダイヤモンド電子放射源は、本発明におけるダイヤモンド電子放射陰極を電子顕微鏡や電子ビーム露光機などに実装するための構造体であるダイヤモンド電子放射源は、本発明に係るダイヤモンド電子放射陰極と、絶縁性セラミックと、前記ダイヤモンド電子放射陰極に電流を供給するための一対の端子からなる構造体であって、端子間の抵抗値が10Ω以上3kΩ以下であることが好適である。この場合、従来陰極材料が使用されている電子ビーム機器の電源系に特別な工夫なく本発明におけるダイヤモンド電子放射陰極を取り付けることが可能となる。
(20)本発明によるダイヤモンド電子放射源は、本発明に係るダイヤモンド電子放射陰極と、絶縁性セラミックと、前記ダイヤモンド電子放射陰極に電流を供給するための一対の端子からなる構造体であって、端子間の抵抗値が10Ω以上700Ω以下であることを特徴とする。
(21)本発明によるダイヤモンド電子放射源は、本発明におけるダイヤモンド電子放射陰極を電子顕微鏡や電子ビーム露光機などに実装するための構造体であるダイヤモンド電子放射源は、本発明に係るダイヤモンド電子放射陰極と、絶縁性セラミックを把持し前記絶縁性セラミックに固定すると共にダイヤモンド電子放射陰極に電流を供給するための一対の支柱兼端子からなる構造体であって、前記支柱兼端子が前記ダイヤモンド電子放射陰極と直接接触していることを特徴とする。
このダイヤモンド電子放射源においては、新規陰極材料であるダイヤモンド電子放射陰極を従来陰極材料であるWフィラメントやLaB、あるいは先鋭化W、ZrO/Wが使用されている電子ビーム機器に極めて容易に取替えが可能である上に、支柱兼端子がダイヤモンド電子放射陰極を直接把持している構造のために、作製時の光軸合わせが容易な上に、使用時の位置ズレや脱落の可能性が著しく低い。
(22)本発明によるダイヤモンド電子放射源における前記一対の端子又は前記一対の支柱兼端子は、融点が1700K以下であることを特徴とする。ダイヤモンドはWフィラメントやLaB、ZrO/W等よりも低温で電子放出が可能なため、融点が低い金属が使用可能であり、低コストな金属材料を使用して電子放射源を構成することができる。
(23)本発明による電子顕微鏡は、本発明におけるダイヤモンド電子放射陰極あるいはダイヤモンド電子放射源が搭載されていることを特徴とする。本発明のダイヤモンド電子放射陰極またはダイヤモンド電子放射源は、高電流密度、高輝度、低エネルギー幅の電子ビームが得られるため、従来陰極材料が使用されている電子顕微鏡と比較して高倍率観察が可能である。
(24)本発明の電子ビーム露光機は、本発明におけるダイヤモンド電子放射陰極またはダイヤモンド電子放射源が搭載されていることを特徴とする。本発明のダイヤモンド電子放射陰極またはダイヤモンド電子放射源は、高電流密度、高輝度、低エネルギー幅の電子ビームが得られるため、従来陰極材料が使用されている電子ビーム露光機と比較して微細パターンを高スループットで描画することが可能である。
本発明によれば、電子線及び電子ビーム機器や真空管、特に、電子顕微鏡や電子ビーム露光機に使用される、ダイヤモンドを用いた高輝度でエネルギー幅が狭い電子放射陰極及び電子放射源が実現される。また、これらを用いて高倍率観察が可能な電子顕微鏡や、微細パターンを高スループットで描画可能な電子ビーム露光機が実現される。
以下、添付図面を参照して、本発明に係るダイヤモンド電子放射陰極及び電子放射源及び電子顕微鏡、電子ビーム露光機の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
図1は、本発明によるダイヤモンド電子放射陰極の一実施形態を示す立体図である。ダイヤモンド電子放射陰極は、ダイヤモンド10及び先鋭部にダイヤモンド電気伝導層12を備えている。ダイヤモンド10としては、単結晶ダイヤモンドが用いられる。ダイヤモンド10としては天然の単結晶や、高温高圧合成法あるいは気相合成法で人工合成した単結晶のいずれを用いてもよいが、p型不純物を2×1015cm-3以上含むダイヤモンドを用いることが好適である。あるいはキャリア濃度が109cm-3以下の真性半導体であってもp型層、n型層や金属がうまく構成された配置に形成されていれば、これも好適である。ダイヤモンドはp型不純物の活性化エネルギーが低いために低抵抗が得られることから、この場合、陰極全体の抵抗値がより低くなる。この結果、陰極での電圧降下が小さくなるため、電子放出効率が向上する。高温高圧合成Ib型のB入り単結晶ダイヤモンドや気相合成のB入り単結晶ダイヤモンドが好適に使用可能である。ダイヤモンド10の表面の先鋭化した電子放射部11を頂点としてダイヤモンド電気伝導層12が形成されている。
ダイヤモンド電気伝導層12の形成は電子放射特性に大きな影響を与えるダイヤモンドの電気伝導特性の個体差やばらつきを小さくするために、気相合成法によるエピタキシャル成長で行うのが好ましい。不純物濃度を高精度で制御可能なマイクロ波によるプラズマCVD法で成長させることが好適である。ダイヤモンド電気伝導層12には、n型不純物が2×1015cm-3以上含まれており、ダイヤモンドの伝導帯に電子が供給されて高電流密度での電子放射が可能である結果、高輝度な電子放射陰極となる。より高輝度な電子放射陰極とするためには、n型不純物が2×1019cm-3以上含まれていることが好適である。このように高濃度で不純物が含まれる場合、ダイヤモンド結晶中におけるドナー同士の距離が極端に近づき、ダイヤモンド電気伝導層12では電気伝導機構が半導体伝導から金属伝導に遷移し始める。
この結果、室温抵抗は急激に低下し始めるため、電子放射の際のダイヤモンド電子放射陰極自体での降下電圧が低くなる。従って、より高電流密度電子放射が可能になって、高輝度な電子放射陰極となる。このとき、n型不純物元素としては、例えばP又はSなどが用いられる。気相成長に使用される原料ガスとしては、例えばH、CHが用いられ、ドーピングガスとしてPHやHSが用いられる。合成条件としては、Pドーピングの場合には気相中のH原子とC原子の個数比C/H=0.005〜10%、P原子とC原子の個数比P/C=10-4〜100%、Sドーピングの場合にはC/H=0.005〜10%、S原子とC原子の個数比S/C=10-2〜100%、温度条件はP、Sドーピング共に600〜1300℃が用いられる。ダイヤモンド10の形状は、電子放射陰極として電子顕微鏡や電子ビーム露光機の電子引き出し構造が工夫された電子銃室に実装できるように、短手方向長さが0.05mm以上2mm以下でアスペクト比が1以上の柱状となっている。
図2は、本発明に係るダイヤモンド電子放射陰極におけるp型半導体とn型半導体が先鋭部で接合している構造を示す断面図であり、電子放射部をとおり通電方向に平行する断面形状を表した断面図である。
本構造ではn型層からp型層に電子が向かう電圧が印加され、その方向に電子が向かうことが重要である。
図2(a),(b)は最先端部はn型層であるが、通常n型層の先端部とp型層との界面は空乏化しており、伝導帯は電子がほとんどない状態である。従って、このままでは電子を引き出しにくい状態となっている。しかし電子を引き出すための外部の加速電圧あるいは引き出し電圧の印加とpn接合部のチップ電圧を順方向にかけると、先端部と界面での空乏化が解消し、その付近は電子で満たされる。p型の方に電子が流れても、それを補う方向に電子が供給される。その方向は、真空中に電子を引き出す方向に合致し、放出点にも電子が供給されやすくなる。このように先端部付近にpn接合があり、順方向にチップ電圧を印加すると電子を真空中に引き出しやすいように循環する。これが「n型半導体は電子が電子放射部に流れる成分を含有している」ことが有効な理由である。
次に図2(c),(d)の最先端部はp型である。通常p型層の先端部分やpn接合界面付近では空乏化しており、伝導帯には電子も正孔もない状態である。従って、このままでは真空中に電子を引き出しにくい状態となっている。しかし、電子を引き出すための外部の加速電圧や引き出し電圧の印加およびpn接合への順方向の電圧の印加によって、界面での空乏化は解消し、p型層に電子が流入する。しかし、最先端部では空乏化がますます進む。p型層にとっての空乏化は電子にとっては正孔と衝突なしに、移動できる空間であり、最先端へ引き込まれる方向に働いている。従って、p型層に注入された電子はどんどんp型層を通過し、空乏層を通って、先端に集まって、真空中に引き出される状態である。これが「p型半導体は電子が電子放射部に流れる成分を含んでいる」ことが有効な理由である。
いずれも順方向のチップ電圧と先端が尖っていることが重要である。先端が平坦であれば、このような現象は起こらない。
図3は、本発明に係るダイヤモンド電子放射陰極におけるp型半導体とn型半導体が先鋭部で接合している他の構造を示す断面図である。
図3(a)及び(b)は、電子放射部を有する一ヶ所の先鋭部を示し、かつ二種類の電気的性質が異なるダイヤモンド半導体によって構成されているダイヤモンド電子放射陰極である。かかるダイヤモンド半導体を構成する一種類は、p型不純物を2×1015cm-3以上含むp型層であり、もう一種類はn型不純物を2×1015cm-3以上含むn型半導体である。そして電子がp型層からn型層へ向かう方向を有するようにn型層にはp型層に対して正の電位が印加されている。またp型層は電子が前記電子放射部に向かう成分を含有していることを示す。図3(a)及び(b)は、電子放射部はn型層であり、このような構成を採用することにより、高輝度でエネルギー幅が狭い電子放射陰極及び電子放射源が実現できる。
図4は、本発明に係るダイヤモンド電子放射陰極におけるp型半導体及びn型半導体が先鋭部で接合し、かつ真性半導体を有する構造を示す断面図である。
中心に真性半導体によって構成される真性半導体層(以下、「i型層」ともいう)のある場合も図2での説明と同じことが言える。i型層が大きく占めていると電子は走りやすくて好都合である。i型層を介してn型層に対向して接合するp型層は電子を引き込むための電位を確保する厚さがあれば十分である。ただし、p型層は薄すぎると全て空乏化してしまい、電子を引き寄せる電子を確保できないので、注意が必要である。
図4(a)〜(d)は、電子放射部を有する一ヶ所の先鋭部を示し、かつ二種類の電気的性質が異なるダイヤモンド半導体によって構成されているダイヤモンド電子放射陰極である。かかるダイヤモンド半導体を構成する一種類は、p型不純物を2×1015cm-3以上含むp型層であり、もう一種類はn型不純物を2×1015cm-3以上含むn型半導体である。更にi型層を内部に有する。図4(a)〜(d)における電子放射部はp型層によって形成されており、このような構成を採用することにより、高輝度でエネルギー幅が狭い電子放射陰極及び電子放射源が実現できる。
また、図4(e)〜(g)は、上記と同様にn型層、p型層及びi型層からなるが、電子放射部がi型層によって形成されている点に特徴を有する。先端がi型層である場合は、その先端に電子が引き込まれ、蓄積されやすい構造であるので、より好ましい構造となる。p型層は電子を引き込むための電位を確保する役割を担っている。また図4(g)はp型層とn型層とが先鋭部付近で接合する。このような構成を採用することにより、高輝度でエネルギー幅が狭い電子放射陰極及び電子放射源が実現できる。
図2(a),(b)の構造において、逆方向に電位を印加する場合においては、接合付近での空乏層は広がる方向なので一定の電圧までは電子は流れないが、一定の電圧を超えるとp型層からn型層への電子の注入が起こる。その方向はn型層が最先端を構成している構造である(a),(b)の構造では、やはり先鋭先端に向う方向であるので、電子放出されやすくなる。
図5(a)に示すダイヤモンド電子放射陰極は、n型不純物を2×1015cm-3以上含む第1の半導体15と、p型不純物を2×1015cm-3以上含む第2の半導体16との二種類の半導体で構成されている。かかるn型半導体とp型半導体は図5(a)に示すように接合している。次に図5(b)に示すように一対の電流導入端子22,22により電子が印加された場合、n型半導体からp型半導体へ流れるようにn型半導体にはp型半導体に対して負の電位が印加されている。そしてn型半導体には電子を電子放射部へ流す成分が含有されている。すなわち、ダイヤモンド電子放射陰極は、図2(b)に示すように第1の半導体15と第2の半導体16がそれぞれ一対の電流導入端子22,22の片方に接触するように把持されてバイアス電圧が印加される。バイアス電圧によって、電子が多数存在する第1の半導体15から、電子が比較的少ない第2の半導体16に電子が流れる。こうして、加熱部14に電流を流して加熱することで放出電流が安定することに加えて、電流導入端子22から第一の半導体15に供給された電子がバイアス電圧により第2の半導体16の伝導体に流れ込む。先鋭な電子放射部11の近傍17では、第1の半導体15から第2の半導体16に電子が流れる方向と電子を真空中に引き出す方向がおよそ同じ向きになる場合がある。つまり、第1の半導体15と第2の半導体16の界面が電子放射部11から少しずれた位置にあり、第2の半導体の方が先端に近い場合などである。この場合は特に、伝導体と真空準位のエネルギー差、つまり電子親和力が第1の半導体15よりも小さい第2の半導体16を選択してさらに、高電流密度での電子放射が可能となるので好ましい。
ダイヤモンド電子放射陰極は、p型不純物を2×1015cm-3以上含むダイヤモンドを用いることが好適である。n型不純物を2×1015cm-3以上含む第1の半導体15とし、p型不純物を2×1015cm-3以上含むダイヤモンドを第2の半導体16として、一対の電流導入端子でバイアス電圧を印加することで、上記効果がさらに顕著に得られる。さらに、ダイヤモンドはp型不純物の準位が浅く低抵抗が得られることから、この場合、陰極全体の抵抗値がより低くなる。この結果、陰極での電圧降下が小さくなるため、電子放出効率が向上する。高温高圧合成のB入り単結晶ダイヤモンドが好適に使用可能である。
図1から図5に示すダイヤモンド電子放射陰極の形状は、電子放射陰極として電子顕微鏡や電子ビーム露光機の電子引き出し構造が工夫された電子銃室に実装できるように、短手方向長さが0.05mm以上2mm以下でアスペクト比が1以上の柱状となっている。0.05mm未満では、ダイヤモンド電子源を高温で使用する場合、実装で使用する治具の把持用金属の熱膨張のために、治具から脱落する可能性が高くなり、2mmより大きくなれば、得られる電子ビームの輝度を落とす原因となる電子放射部以外からの電子放射ノイズが大きくなり、電子銃室のサプレッサーでそのノイズを抑制することが困難となる。アスペクト比が1未満であれば、電子放射部から放出される電子もサプレッサーで抑制されてしまうため、高輝度な電子ビームが得られなくなる。
次に一ヶ所の電子放射部を有する先鋭部について説明する。
図1に示すダイヤモンド電子放射陰極であるダイヤモンド10の表面の少なくとも先鋭化した電子放射部11を頂点とした少なくとも一面が(111)結晶面で形成されていることが好適である。気相成長における安定成長面は(100)面か(111)面であるが、(111)表面は気相成長において、P又はSなどのn型不純物の取り込み効率が(100)面と比較して10倍以上高い。従って、ダイヤモンドの(111)面でn型不純物を高濃度ドーピングして、金属的な電気伝導による高電流密度電子放射、すなわち、高輝度な電子放射陰極が容易に実現できる。(111)表面を含んだ電子放射部11の形状としては、図6の平面図のような先鋭部を構成する4面をすべて(111)表面としたり、図7の平面図のような先鋭部を構成する3面のうち2面を(111)表面としたりする形状が好適であるが、先鋭部を構成する面のうち1面でも(111)表面があればよい。(111)表面とはこの場合、(111)ジャスト面から±7°のオフ面も含んでいる。この範囲であれば、上記n型不純物の高濃度ドーピングは達成される。(111)面形成の方法は、研磨やレーザー加工、イオンエッチング、成長及びこれらの組み合わせによる形成方法が好適に使用可能である。
ダイヤモンド電子放射陰極のn型不純物を含む部分の300Kのおける抵抗率が300Ωcm以下であることが好適である。この場合、n型不純物を含む部分に電子が効率よく供給される結果、高密度電子放射が可能であり、高輝度電子放射陰極が得られる。
また、電子放射部11の先端径もしくは先端曲率半径は30μm以下であることが好適である。電子放射部先端をこのような小さなサイズとすることにより、より高輝度な電子放射陰極とすることができる。また、熱電子放出のティップとして利用する際に集束点を小さく保持できる。30μmより大きいと急激に集束点を小さくすることは困難となり、電子ビーム機器の光学系を工夫する必要がある。先鋭な先端を得るために、気相合成によりダイヤモンド電気伝導層12を形成した後に、研磨やイオンエッチングによって加工するのが望ましい。さらに先端径が5μm以下であれば電子放射部11の先端で10V/cm以上の電界が容易に得られるので、熱電界電子放射陰極として好適に使用可能となる閾値であり、より好ましくは、先端径が1μm以下であれば電子放射部11の先端で10V/cm以上の電界が容易に得られるので電界電子放射陰極として好適に使用可能となっている。
さらには、図9に示すように電子放射部11が突起構造13であって、突起の先端径が5μm以下でアスペクト比が2以上であることは特徴としても良い。このような先鋭な先端を得るためには、気相合成によりダイヤモンド電気伝導層12を形成した後、イオンエッチングによって微細加工するのが望ましい。電子放射陰極としてのダイヤモンド単結晶全体のうちの電子放射部11のみがこのような先鋭形状を持つことによって、電子顕微鏡や電子ビーム露光機などへの実装が容易で且つ、先端径が5μm以下であれば高輝度な熱電界電子放射陰極として好適に使用可能で、1μm以下であれば高輝度な電界電子放射陰極として好適に使用可能である。
本発明におけるダイヤモンド電子放射陰極は、0.5kV以上100kV以下の印加電圧においてエネルギー幅が0.6eV以下の電子線を放出することを特徴としても良い。従来材料陰極に替わるダイヤモンド電子放射陰極として、良質な電子ビームが提供可能となる。
図9に、本発明におけるダイヤモンド電子放射源の断面図を示す。ダイヤモンド電子放射源は、本発明におけるダイヤモンド電子放射陰極20と、絶縁性セラミック21と、ダイヤモンド電子放射陰極20に電流を供給するための一対の支柱兼端子22からなる構造体であって、端子間の抵抗値は3kΩ以下である。この場合、従来陰極材料が使用されている電子ビーム機器の電源系でダイヤモンド電子放射源の性能を十分に発揮することができる。
また、図9に示すダイヤモンド電子放射源は、本発明におけるダイヤモンド電子放射陰極20と、絶縁性セラミック21と、ダイヤモンド電子放射陰極20を把持し前記絶縁性セラミック21に固定すると共にダイヤモンド電子放射陰極20に電流を供給するための一対の支柱兼端子22からなる構造体であって、支柱兼端子22が前記ダイヤモンド電子放射陰極21と直接接触している。支柱兼端子の材質はMoやTaやこれらを含む合金などの高融点金属が好適に使用可能である。ダイヤモンド電子放射陰極20が電子放射で高温となっても支柱兼端子22とは反応しないため、直接接触による把持が可能である。ダイヤモンド電子放射源を上記構造体とすることによって、従来陰極材料であるWフィラメントやLaB6、あるいは先鋭化W、ZrO/Wが使用されている電子ビーム機器に極めて容易に取替えが可能である上に、支柱兼端子がダイヤモンド電子放射陰極を直接把持している構造のために、作製時の光軸合わせが容易な上に、使用時の位置ズレや脱落の可能性が著しく低い。また、従来陰極材料が使用されている電子ビーム機器にダイヤモンド電子放射陰極を取り付けるには、室温での端子間の抵抗が3kΩ以下であることが望ましい。この抵抗値以上では電子ビーム機器の電源で十分な電子放射特性が得られない可能性が高い。
本発明における電子顕微鏡は、本発明のダイヤモンド電子放射陰極またはダイヤモンド電子放射源が搭載されており、従来陰極材料が使用されている電子顕微鏡と比較して高倍率観察が可能である。本発明のダイヤモンド電子放射陰極を熱電子放射陰極として使用可能な形状とし、電子顕微鏡に搭載して使用した場合、LaB6を使用した場合と比較して高倍率な微細形状観察が可能である。また、熱電界電子放射陰極として使用可能な形状とし、電子顕微鏡に搭載して使用した場合、ZrO/Wを使用した場合と比較して高倍率な微細形状観察が可能である。あるいは、電界電子放射陰極として使用可能な形状とし、電子顕微鏡に搭載して使用した場合、先鋭化Wを使用した場合と比較して高倍率な微細形状観察が可能である。
本発明における電子ビーム露光機は、本発明のダイヤモンド電子放射陰極またはダイヤモンド電子放射源が搭載されており、従来陰極材料が使用されている電子ビーム露光機と比較して微細パターンを高スループットで描画することが可能である。本発明のダイヤモンド電子放射陰極を熱電子放射陰極として使用可能な形状とし、電子ビーム露光機に搭載して使用した場合、LaB6を使用した場合と比較して微細パターンを高スループットで描画することが可能である。また、熱電界電子放射陰極として使用可能な形状とし、電子ビーム露光機に搭載して使用した場合、ZrO/Wを使用した場合と比較して微細パターンを高スループットで描画することが可能である。
本発明のダイヤモンド電子放射陰極、電子放射源、電子顕微鏡及び電子ビーム露光機について、実施例に基づいてさらに具体的に説明する。
[実施例1]
細長い直方体の高圧合成の単結晶ダイヤモンド基板および気相合成の単結晶基板において、図10(a)に示すように尖鋭に先端を加工した試料を用意した。これらの基板に各種ドーピングのダイヤモンドを合成した。ダイヤモンドを合成する条件は水素ガスとメタンガスを用いて、マイクロ波CVD法において行った。
先端径は研磨の際に大まかに調整でき、典型的には1μm程度のものと10μm程度のものを用意した。ダイヤモンドの再成長やプラズマやイオンを用いて垂直にエッチングすることによりサブμm程度に先鋭化させることもできる。
(111)面にn型層を形成する場合は、メタン濃度(CH4/H2)が0.03〜0.05%、リン濃度(PH3/CH4)が0.002%〜20%とし、圧力100Torr、基板温度870℃付近に設定して行った。この条件では(111)面にのみ低抵抗n型層が形成でき、他の面には膜がほとんどつかないか、若干の高抵抗の膜が形成された。高抵抗のこの膜は(111)面上にエピタキシャルダイヤモンド膜より弱い膜であり、−0.1%以下の酸素を含む水素プラズマ中で処理すると、除去できる膜であった。もちろんn型膜および高抵抗膜はプラズマの表側にのみ形成され、基板の裏側には形成できなかった。
(100)面にn型層を形成する場合は、メタン濃度を0.5%とし、リン濃度を1〜10%とし、圧力を10〜50Torrに設定した。この圧力範囲で形成速度は変化したが、類似の膜が形成できた。この条件では(111)面には高抵抗の膜しか形成できなかった。(111)面上と同様、高抵抗の膜は酸素を含む水素プラズマで選択的にエッチングすることができた。
p型膜はB26ガスを用いてボロンドープ層を形成した。メタン濃度0.1〜5%において、ジボラン濃度(B26/CH6)10ppm〜10000ppmにおいてp型膜が形成できた。圧力や基板温度は20〜160Torr、750〜1000℃のいずれでも形成できたが、典型的には100Torr、870℃付近を選んで形成した。やはり当然であるが、基板の表面には形成できたが、裏面には形成されなかった。
以下の種々の構造のチップの作製方法は図11に示している。基板は全てボロンを含むp型導電性の基板である。図10(a),(b)に示している形状の尖鋭加工試料上に(111)面上へのn型膜形成条件でn型膜を形成した。高抵抗膜の除去を行う必要がなく、本構造の加工の具合で先端までn型膜が形成されたシングルチップが作製できた。n型層を形成する前に、気相合成によりボロンドープのp型層を形成した試料も用意した。同様なpn積層型の構造であるが、接合面がp型層の不純物により精密に制御されたCVD膜を使えることが利点であり、特性もCVDによるp型層がある方がよい結果が得られた。また、図10(a),(b)のp型とn型膜を積層して完成した試料においてn型とp型それぞれ個別に電極をチップの根元の部分でコンタクトさせ、pnの順方向にチップ電流を流せる構造とした。電界は接合面を横切って印加されている。それぞれp、n型層とコンタクトした電極はチップを把持した金属と接続されている。この構造はチップ電圧や電流条件によっては、基板を加熱できる構造となっている。
また別の試料として、n型層の上にアンドープ層(i型層)を形成したこの場合、電極をコンタクトさせる部分には形成させないようにした。先端に形成されていることで効果が出た。ここでi型層は絶縁性基板上に形成して、キャリア濃度が109cm-3以下の測定できないくらいの膜を指して言う。
それぞれの電子放出特性の結果を以下の表1〜6に示す。いずれもチップ電圧のないもの、突起のないものは特性が悪かった。表とは別に先端径や高さの異なる資料を調べたが、先端径が30μm以下で、突起の高さが50μmを超えてくると特性がよくなる傾向があった。
以上のように、試料内の面方位は非常に重要なファクターとなっていることから、面方位をチップ試料で制御できない基板、例えば多結晶基板は本発明には不適である。制御できていれば、単結晶基板に限らず、高配向基板やヘテロ基板なども利用できる。
全ての実験は水素終端表面チップの実験であるが、水素終端表面のチップは酸素終端表面のチップよりもほぼ30〜50%エミッション電流の特性がよかった。また、チップの短手方向の長さは主に0.05〜1mmに設定されたが、2mmより長くても、0.05mmより短くても特性が評価できなかった。さらに端子間抵抗は10Ω〜3kΩに設定されたが、これ以外の抵抗では電子が出てこなくなった。端子間抵抗はn型層やp型層の厚さやドーピング濃度によって制御できたが、層厚や濃度が一定の場合であっても、金属被覆によっても制御できた。
金属被覆は通常、n型層とp型層に別々双方に、あるいは一方にのみ形成した。それぞれの膜抵抗が高いときに有効であった。被覆金属の構造は例えば図10(a)に示すとおりの構造である。このような場合、先端近くまで500μm以下の範囲で被覆すると電子を有効に先端近くまで運べるために、n型層の濃度が1016cm-3の場合、エミッション電流値が100%、1018cm-3の場合、20%向上した。
また金属被覆の他の方法としては、p型層とn型層を同時に導通するように被覆することも有効であった。被覆金属で導通すると、p型層やn型層に電位がかからないので、有効ではないと思われたが、実施は被覆金属が薄かったことにより、抵抗成分をもち、電圧印加によって電流が金属部分に流れ、n型層側とp型層側で電位を生じさせることができたからであった。この場合、n型層やp型層が低濃度の場合に有効に働き、端子間抵抗700Ω以下とすることができ、表5に示すような特性と同等に保つことができた。これ以上では特性が低下した。ただし、端子間抵抗が10Ω以下では所望のpn間での電位が確保されず、エミッション特性も急激に低下した。
Figure 2006135092
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[実施例2]
細長い直方体の高圧合成の単結晶ダイヤモンド基板および気相合成の単結晶基板において、図12(a)〜(d)に示すように尖鋭に先端を加工した試料を用意した。これらの基板に各種ドーピングのダイヤモンドを合成した。ダイヤモンドを合成する条件は水素ガスとメタンガスを用いて、マイクロ波CVD法において行った。
先端径は研磨の際に大まかに調整でき、典型的には1μm程度のものと10μm程度のものを用意した。ダイヤモンドの再成長やプラズマやイオンを用いて垂直にエッチングするとよりサブm程度に先鋭化させることもできる。
(111)面にn型層を形成する場合や(100)面にn型層を形成する場合およびp型膜を形成する場合の各々の条件は実施例1と同じ条件を用いて行った。
基板は全てボロンを含むp型導電性の基板である。図12(a)に示す尖鋭加工試料上に(111)面上の条件で(111)面上にn型膜を形成し、残りの面に形成された膜は上記プラズマ処理で除去した。その結果先端部がp型で途中までn型膜の形成されたシングルチップが作製できた。対して、図12(b)の尖鋭加工試料上には(100)面上にn型形成条件でn型膜を形成した。
残りの面に形成された膜は上記プラズマ処理で除去した。その結果、先端部がp型で途中までn型膜の形成したシングルチップが作製できた。また、図12(a)と(b)のp型層とn型層が積層された完成した試料において、n型層とp型層それぞれ個別に電極をチップの根元の部分でコンタクトさせ、pnの順方向にチップ電流を流すことができる構造とした。それぞれpn型層とコンタクトした電極はチップを把持した金属と接続されている。この構造はチップ電圧や電流条件によっては、基板を加熱できる構造となっている。
次に図12(c)、(d)に示している形状の尖鋭加工試料上に(111)面上へのn型膜形成条件でn型膜を形成した。図13は、その作製方法を示すものである。同時に形成された高抵抗層は処理せずに、試料を裏向け、p型層を形成した。そうすることによって、先端がp型の突起となった。裏側にはp型膜は形成されなかった。完成した試料の図12(d)においては(a)や(b)と同様にpnの順方向に電流を流せる構造とした。完成した(c)においてはn型層は面積が小さく根元の方にはn型層は存在しないので、図のように電極を根元から先のn型層にまで形成した。根元のp型層上には高抵抗膜が形成されているので、p型層には接触していない構造となった。耐圧が足りない時は、SiO2層を根元の方に形成した。
これで全ての試料において、n型層を有し、先端がp型層のエミッタを作製し、pn順方向に電流を流せる同上の構造とできた。この構造はチップ電圧や電流条件によっては、基板を加熱できる構造となっている。
それぞれの電子放出特性の結果を表7〜11に示す。いずれもチップ電圧のないもの、突起のないものは特性が悪かった。先端径が30μm以下で、突起の高さが50μmを超えてくると特性がよくなる傾向は実施例1と同じであった。
以上のように、試料内の面方位は非常に重要なファクターとなっていることから、面方位をチップ試料で制御できない基板、例えば、多結晶基板は本発明には不適である。制御できていれば、単結晶基板に限らず、高配向基板やヘテロ基板なども利用できる。
最後に、p型層の上にアンドープのi型層を形成し、pn接合のnpi構造とし、先端をi型層とした構造のチップはサンプル(c)、サンプル(d)の構造でエミッション電流が20〜50%向上した。最表面の先端にi型層のある構造は有効であった。また、基板として高圧合成の単結晶ダイヤモンド基板を用いるよりも気相合成の単結晶基板を用いた方がエミッション電流値が30%前後向上した。
実施例1と比較するとnp接合の突起チップにおいては、n型の先端よりもp型の先端の方が特性は良好であるといえる。また、基板は高圧合成のボロンドープ基板を用いるよりも、気相合成のボロンドープバルク基板を用いる方が特性がよかった。
全ての実験は水素終端表面チップの実験であるが、水素終端表面のチップは酸素終端表面のチップよりもほぼ30〜50%エミッション電流特性がよかった。また、チップの短手方向の長さは主に0.5mm〜1mmに設定されたが、2mmより長くても、0.05mmより短くても特性が評価できなった。さらに端子間抵抗は10Ω〜3kΩに設定されたが、これ以外の抵抗では電子が出てこなくなった。端子間抵抗はn型層やp型層の厚さやドーピング濃度によって制御できたが、層厚や濃度が一定の場合であっても、金属被覆によっても制御できた。
Figure 2006135092
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[実施例3]
図14(a)、(b)に示すように実施例1と同様に先端を尖鋭に加工した試料を用意した。実施例1と異なる点は、n型層を形成する前に不純物を添加しないi型層を形成したところである。その他は全く同じ構造で、同じドーピング条件で、実験を行った。
この方法によって、pin積層を有する先端がn型層のチップが作製できた。
実施例1と同様に、n型層を形成する前に、ボロンドープのp型層を形成しておく試料も用意した。同様なpin積層型の構造であるが、接合面がp型層の不純物を精密に制御されたCVD膜を使えることが利点である。また、(a)と(b)のp型とn型膜が積層された完成した試料においてn型とp型それぞれ個別に電極をチップの根元の部分でコンタクトさせ、pnの順方向にチップ電流を流せる構造としたことも実施例1と同じである。電界は接合面を横切って印加されている。i型層は通常は電気が流れないが、p型層、n型層で挟まれた状態で、電界印加すると電流はi型層を通過して流れるようになる。さらに、それぞれp、n型層とコンタクトした電極はチップを把持した金属と接続されている状態である。この構造はチップ電圧や電流条件によっては、基板を加熱できる構造となっている。
また別の試料として、n型層の上にアンドープ層(i型層)を形成したこの場合、電極をコンタクトさせる部分には形成させないようにした。先端に形成されていることで効果が出た。ここでi型層は絶縁性基板上に形成して、キャリア濃度が109cm-3以下の測定できないくらいの膜を指して言う。
それぞれの電子放出特性の結果を表12〜14に示す。いずれもチップ電圧のないもの、突起のないものは特性が悪かった。実施例1と同様、先端径が30μm以下で、突起の高さが50μmを超えると特性がよくなる傾向があった。
以上のように、試料内の面方位は非常に重要なファクターとなっていることから、面方位をチップ試料で制御できない基板、例えば、多結晶基板は本発明には不適である。制御できていれば、単結晶基板に限らず、高配向基板やヘテロ基板なども利用できる。
また、表15に示すように、基板として高圧合成の単結晶ダイヤモンド基板を用いるよりも気相合成の単結晶基板を用いた方がエミッション電流値が向上した、高圧合成の単結晶上に気相合成で形成するのも効果があった。
全ての実験は水素終端表面チップの実験であるが、水素終端表面のチップは酸素終端表面のチップよりもほぼ30〜50%エミッション電流の特性がよかった。また、チップの短手方向の長さは主に0.5mm〜1mmに設定されたが、2mmより長くても、0.05mmより短くても特性が評価できなかった。さらに端子間抵抗は10Ω〜3kΩに設定されたが、これ以外の抵抗では電子が出てこなくなった。端子間抵抗はn型層やp型層の厚さやドーピング濃度によって制御できたが、層厚や濃度が一定の場合であっても、金属被覆によっても制御できた。
Figure 2006135092
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[実施例4]
図16(a)〜(d)に示すような実施例2と同様な尖鋭を加工した試料を用意した。唯一、実施例2と異なり、n型層を形成する前に不純物を添加しないi型層を形成した。その他は全く同じ構造で、同じドーピング条件で、実験を行った。図17は(c)、(d)の製造方法である。この方法によって、pin積層を有する先端がp型層のチップが作製できた。
実施例2と同様に、i型層を形成する前に、ボロンドープのp型層を形成しておく試料も用意した。同様なpin積層型の構造となるが、接合面がp型層の不純物を精密に制御されたCVD膜を使えることが利点である。また、(a)と(b)のp型とn型膜が積層された完成した試料においてn型とp型それぞれ個別に電極をチップの根元の部分でコンタクトさせ、pnの順方向にチップ電流を流せる構造としたことも実施例2と同じである。電界は接合面を横切って印加されている。i型層は通常は電気が流れないが、p型層、n型層で挟まれた状態で、電界印加すると電流はi型層を通過して流れるようになる。さらに、それぞれp、n型層とコンタクトした電極はチップを把持した金属と接続されている状態である。この構造はチップ電圧や電流条件によっては、基板を加熱できる構造となっている。
また別の試料として、n型層の上にアンドープ層(i型層)を形成したこの場合、電極をコンタクトさせる部分には形成させないようにした。先端に形成されていることで効果が出た。ここでi型層は絶縁性基板上に形成して、キャリア濃度が109cm-3以下の測定できないくらいの膜を指して言う。
それぞれの電子放出特性の結果を表15〜17に示す。いずれもチップ電圧のないもの、突起のないものは特性が悪かった。
以上のように、試料内の面方位は非常に重要なファクターとなっていることから、面方位をチップ試料で制御できない基板、例えば、多結晶基板は本発明には不適である。制御できていれば、単結晶基板に限らず、高配向基板やヘテロ基板なども利用できる。
また、表16に示すように、基板として高圧合成の単結晶ダイヤモンド基板を用いるよりも気相合成の単結晶基板を用いた方がエミッション電流値が向上した、高圧合成の単結晶上に気相合成で形成するのも効果があった。i型基板を挟んだpinチップはpnチップよりも特性がよい結果となった。
全ての実験は水素終端表面チップの実験であるが、水素終端表面のチップは酸素終端表面のチップよりもほぼ30〜50%エミッション電流の特性がよかった。また、チップの短手方向の長さは主に0.5mm〜1mmに設定されたが、2mmより長くても、0.05mmより短くても特性が評価できなかった。さらに端子間抵抗は10Ω〜3kΩに設定されたが、これ以外の抵抗では電子が出てこなくなった。端子間抵抗はn型層やp型層の厚さやドーピング濃度によって制御できたが、層厚や濃度が一定の場合であっても、金属被覆によっても制御できた。
Figure 2006135092
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[実施例5]
図18(a),(b)に示すような実施例2と同様な尖鋭を加工した試料を用意した。ただし、基板はアンドープの基板でi型に相当するものである。n型、p型は実施例2と同様な条件で作製した。この方法によって、pin積層を有する先端がp型層のチップが作製できた。また、先端にp型を形成しないように、先端付近をエッチングするか、マスクをして先端がi型ものも形成することができた。サンプル(c)および(d)である。
実施例2と同様に、n型層、p型層を形成する前に、気相合成でi型層を形成しておく試料も用意した。同様なpin積層型の構造となるが、接合面がCVD膜を使うと特性は比較体よくなった。また、p型とn型膜が積層された完成した試料においてn型とp型それぞれ個別に電極をチップの根元の部分でコンタクトさせ、pnの順方向にチップ電流を流せる構造としたことも実施例2と同じである。電界は接合面を横切って印加されている。i型層は通常は電気が流れないが、p型層、n型層で挟まれた状態で、電界印加すると電流はi層を通過して流れるようになる。さらに、それぞれp、n型層とコンタクトした電極はチップを把持した金属と接続されている状態である。この構造はチップ電圧や電流条件によっては、基板を加熱できる構造となっている。
ここでi型層は絶縁性基板上に形成して、キャリア濃度が109cm-3以下の測定できないくらいの膜を指して言う。
それぞれの電子放出特性の結果を表18〜20に示す。いずれもチップ電圧のないものは特性が悪かった。
以上のように、試料内の面方位は非常に重要なファクターとなっていることから、面方位をチップ試料で制御できない基板、例えば、多結晶基板は本発明には不適である。制御できていれば、単結晶基板に限らず、高配向基板やヘテロ基板なども利用できる。
また、表19に示すように、基板として高圧合成の単結晶ダイヤモンド基板を用いるよりも気相合成の単結晶基板を用いた方がエミッション電流値が向上した、高圧合成の単結晶上に気相合成で形成するのも効果があった。i型基板を挟んだpinチップはpnチップよりも特性がよい結果となった。
全ての実験は水素終端表面チップの実験であるが、水素終端表面のチップは酸素終端表面のチップよりもほぼ30〜50%エミッション電流の特性がよかった。また、チップの短手方向の長さは主に0.5mm〜1mmに設定されたが、2mmより長くても、0.05mmより短くても特性が評価できなかった。さらに端子間抵抗は10Ω〜3kΩに設定されたが、これ以外の抵抗では電子が出てこなくなった。端子間抵抗はn型層やp型層の厚さやドーピング濃度によって制御できたが、層厚や濃度が一定の場合であっても、金属被覆によっても制御できた。
Figure 2006135092
Figure 2006135092
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[実施例6]
実施例1、実施例3と同じサンプルを用意し、今度は実施例1などとは逆にp型側に負電位、n型側に正電位を印加して電子放出を調べた。実施例1、3と逆のチップ電位では電流がほとんど流れず、流れない場合は、チップ電圧がない場合と同様に電子放出特性は良好ではなかった。ところが、ある一定の電位を過ぎると電流が流れ初め、これに伴って、電子放出特性も向上した。その結果を表21〜25に示す。
逆方向電位の場合でも、良好な電子放出特性を得た。しかし、順方向電位に比べると特性は良くはなかった。
全ての実験は水素終端表面チップの実験であるが、水素終端表面のチップは酸素終端表面のチップよりもほぼ30〜50%エミッション電流の特性がよかった。また、チップの短手方向の長さは主に0.5mm〜1mmに設定されたが、2mmより長くても、0.05mmより短くても特性が評価できなかった。さらに端子間抵抗は10Ω〜3kΩに設定されたが、これ以外の抵抗では電子が出てこなくなった。端子間抵抗はn型層やp型層の厚さやドーピング濃度によって制御できたが、層厚や濃度が一定の場合であっても、金属被覆によっても制御できた。
Figure 2006135092
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本発明によるダイヤモンド電子放射陰極の一実施形態を示す斜視図である。 本発明に係るダイヤモンド電子放射陰極におけるp型半導体とn型半導体が先鋭部で接合している構造を示す断面図である。 本発明に係るダイヤモンド電子放射陰極におけるp型半導体とn型半導体が先鋭部で接合している他の構造を示す断面図である。 本発明に係るダイヤモンド電子放射陰極におけるp型半導体及びn型半導体が先鋭部で接合し、かつ真性半導体を有する構造を示す断面図である。 本発明によるダイヤモンド電子放射陰極の他の一実施形態を示す3面図である。 本発明によるダイヤモンド電子放射陰極の他の一実施形態を示す3面図である。 本発明によるダイヤモンド電子放射陰極の他の一実施形態を示す3面図である。 本発明によるダイヤモンド電子放射陰極の他の一実施形態を示す斜視図である。 本発明のダイヤモンド電子放射源の一例を示す断面図である。 実施例1におけるダイヤモンド電子放射陰極の他の一実施形態を示す3面図である。 本発明に係るダイヤモンド電子放射陰極の製造方法の一例を示す図である。 実施例2におけるダイヤモンド電子放射陰極の他の一実施形態を示す3面図である。 本発明に係るダイヤモンド電子放射陰極の製造方法の一例を示す図である。 実施例3におけるダイヤモンド電子放射陰極の他の一実施形態を示す3面図である。 本発明に係るダイヤモンド電子放射陰極の製造方法の一例を示す図である。 実施例4におけるダイヤモンド電子放射陰極の他の一実施形態を示す3面図である。 本発明に係るダイヤモンド電子放射陰極の製造方法の一例を示す図である。 実施例5におけるダイヤモンド電子放射陰極の他の一実施形態を示す3面図である。
符号の説明
10 ダイヤモンド
11 電子放射部
12 ダイヤモンド電気伝導層
14 加熱部
15 第1の半導体
16 第2の半導体
22 電流導入端子
上記課題を解決するために、本発明によるダイヤモンド電子放射陰極は、以下の構成を採用する。
(1)本発明によるダイヤモンド電子放射陰極は、少なくとも一部に単結晶ダイヤモンドを有するダイヤモンド電子放射陰極であって、当該ダイヤモンド電子放射陰極が先鋭部の一ヶ所に電子放射部を有する柱状であり、少なくとも二種類以上の電気的性質が異なる半導体によって構成され、該半導体を構成する一種類がn型不純物を2×1015cm-3以上含むn型半導体であり、もう一種類がp型不純物を2×1015cm-3以上含むp型半導体であり、該p型半導体と該n型半導体が直接接合して、もしくは他の種類の層(例えば、真性半導体層である。)を介して間接的に接合して一対の電流導入端子により電子が該n型半導体から該p型半導体へ流れるように該n型半導体に該p型半導体に対して負の電位が印加され、p型半導体とn型半導体の接合界面は電子放射部付近に位置し、かつ該n型半導体は電子が前記放射部に流れる成分を含有していることを特徴とする。
(2)本発明によるダイヤモンド電子放射陰極は、少なくとも一部に単結晶ダイヤモンドを有するダイヤモンド電子放射陰極であって、当該ダイヤモンド電子放射陰極が先鋭部の一ヶ所に電子放射部を有する柱状であり、少なくとも二種類以上の電気的性質が異なる半導体によって構成され、該半導体を構成する一種類がn型不純物を2×1015cm-3以上含むn型半導体であり、もう一種類がp型不純物を2×1015cm-3以上含むp型半導体であり、該p型半導体と該n型半導体が直接接合して、もしくは他の種類の層を介して間接的に接合して一対の電流導入端子により電子が該p型半導体から該n型半導体へ流れるように該n型半導体に該p型半導体に対して正の電位が印加され、p型半導体とn型半導体の接合界面は電子放射部付近に位置し、かつ該n型半導体は電子が前記放射部に流れる成分を含有していることを特徴とする。
(13)本発明によるダイヤモンド電子放射陰極は、前記先鋭部の先端径もしくは先端曲率半径が30μm以下であることが好適である。
電子放射部となる先端部分をこのような小さなサイズとすることにより、より高輝度な電子放射陰極とすることができる。
図1は、本発明によるダイヤモンド電子放射陰極の一実施形態を示す立体図である。ダイヤモンド電子放射陰極は、ダイヤモンド10及び先鋭部にダイヤモンド電気伝導層12を備えている。ダイヤモンド10としては、単結晶ダイヤモンドが用いられる。ダイヤモンド10としては天然の単結晶や、高温高圧合成法あるいは気相合成法で人工合成した単結晶のいずれを用いてもよいが、p型不純物を2×1015cm-3以上含むダイヤモンドを用いることが好適である。あるいはキャリア濃度が109cm -3 以下の真性半導体であっ
てもp型層、n型層や金属がうまく構成された配置に形成されていれば、これも好適である。ダイヤモンドはp型不純物の活性化エネルギーが低いために低抵抗が得られることから、この場合、陰極全体の抵抗値がより低くなる。この結果、陰極での電圧降下が小さくなるため、電子放出効率が向上する。高温高圧合成Ib型のB入り単結晶ダイヤモンドや気相合成のB入り単結晶ダイヤモンドが好適に使用可能である。ダイヤモンド10の表面の先鋭化した電子放射部11を頂点としてダイヤモンド電気伝導層12が形成されている。
また、電子放射部11の先端径もしくは先端曲率半径は30μm以下であることが好適である。電子放射部先端をこのような小さなサイズとすることにより、より高輝度な電子放射陰極とすることができる。また、熱電子放出のティップとして利用する際に集束点を小さく保持できる。30μmより大きいと急激に集束点を小さくすることは困難となり、電子ビーム機器の光学系を工夫する必要がある。先鋭な先端を得るために、気相合成によりダイヤモンド電気伝導層12を形成した後に、研磨やイオンエッチングによって加工するのが望ましい。さらに先端径が5μm以下であれば電子放射部11の先端で10V/cm以上の電界が容易に得られるので、熱電界電子放射陰極として好適に使用可能となる閾値であり、より好ましくは、先端径が1μm以下であれば電子放射部11の先端で10V/cm以上の電界が容易に得られるので電界電子放射陰極として好適に使用可能となっている。
さらには、図9に示すように電子放射部11が突起構造13であって、突起の先端径が5μm以下でアスペクト比が2以上であることは特徴としても良い。このような先鋭な先端を得るためには、気相合成によりダイヤモンド電気伝導層12を形成した後、イオンエッチングによって微細加工するのが望ましい。電子放射陰極としてのダイヤモンド単結晶全体のうちの電子放射部11のみがこのような先鋭形状を持つことによって、電子顕微鏡や電子ビーム露光機などへの実装が容易で且つ、先端径が5μm以下であれば高輝度な熱電界電子放射陰極として好適に使用可能で、1μm以下であれば高輝度な電界電子放射陰極として好適に使用可能である。
本発明のダイヤモンド電子放射陰極、電子放射源、電子顕微鏡及び電子ビーム露光機について、実施例に基づいてさらに具体的に説明する。
[実施例1]
細長い直方体の高圧合成の単結晶ダイヤモンド基板および気相合成の単結晶基板において、図10(a)に示すように尖鋭に先端を加工した試料を用意した。これらの基板に各種ドーピングのダイヤモンドを合成した。ダイヤモンドを合成する条件は水素ガスとメタンガスを用いて、マイクロ波CVD法において行った。
先端径は研磨の際に大まかに調整でき、典型的には1μm程度のものと10μm程度のものを用意した。ダイヤモンドの再成長やプラズマやイオンを用いて垂直にエッチングすることによりサブμm程度に先鋭化させることもできる。
(111)面にn型層を形成する場合は、メタン濃度(CH4/H2)が0.03〜0.05%、リン濃度(PH3/CH4)が0.002%〜20%とし、圧力100Torr、基板温度870℃付近に設定して行った。この条件では(111)面にのみ低抵抗n型層が形成でき、他の面には膜がほとんどつかないか、若干の高抵抗の膜が形成された。高抵抗のこの膜は(111)面上にエピタキシャルダイヤモンド膜より弱い膜であり、−0.1%以下の酸素を含む水素プラズマ中で処理すると、除去できる膜であった。もちろんn型膜および高抵抗膜はプラズマの表側にのみ形成され、基板の裏側には形成できなかった。
それぞれの電子放出特性の結果を以下の表1〜6に示す。いずれもチップ電圧のないもの、突起のないものは特性が悪かった。表とは別に先端径や高さの異なる資料を調べたが、先端半径が30μm以下で、突起の高さが50μmを超えてくると特性がよくなる傾向があった。
以上のように、試料内の面方位は非常に重要なファクターとなっていることから、面方位をチップ試料で制御できない基板、例えば多結晶基板は本発明には不適である。制御できていれば、単結晶基板に限らず、高配向基板やヘテロ基板なども利用できる。
全ての実験は水素終端表面チップの実験であるが、水素終端表面のチップは酸素終端表面のチップよりもほぼ30〜50%エミッション電流の特性がよかった。また、チップの短手方向の長さは主に0.05〜1mmに設定されたが、2mmより長くても、0.05mmより短くても特性が評価できなかった。さらに端子間抵抗は10Ω〜3kΩに設定されたが、これ以外の抵抗では電子が出てこなくなった。端子間抵抗はn型層やp型層の厚さやドーピング濃度によって制御できたが、層厚や濃度が一定の場合であっても、金属被覆によっても制御できた。
金属被覆は通常、n型層とp型層に別々双方に、あるいは一方にのみ形成した。それぞれの膜抵抗が高いときに有効であった。被覆金属の構造は例えば図10(a)に示すとおりの構造である。このような場合、先端近くまで500μm以下の範囲で被覆すると電子を有効に先端近くまで運べるために、n型層の濃度が1016cm-3の場合、エミッション電流値が100%、1018cm-3の場合、20%向上した。
また金属被覆の他の方法としては、p型層とn型層を同時に導通するように被覆することも有効であった。被覆金属で導通すると、p型層やn型層に電位がかからないので、有効ではないと思われたが、実施は被覆金属が薄かったことにより、抵抗成分をもち、電圧印加によって電流が金属部分に流れ、n型層側とp型層側で電位を生じさせることができたからであった。この場合、n型層やp型層が低濃度の場合に有効に働き、端子間抵抗700Ω以下とすることができ、表5に示すような特性と同等に保つことができた。これ以上では特性が低下した。ただし、端子間抵抗が10Ω以下では所望のpn間での電位が確保されず、エミッション特性も急激に低下した。
[実施例2]
細長い直方体の高圧合成の単結晶ダイヤモンド基板および気相合成の単結晶基板において、図12(a)〜(d)に示すように尖鋭に先端を加工した試料を用意した。これらの基板に各種ドーピングのダイヤモンドを合成した。ダイヤモンドを合成する条件は水素ガスとメタンガスを用いて、マイクロ波CVD法において行った。
先端径は研磨の際に大まかに調整でき、典型的には1μm程度のものと10μm程度のものを用意した。ダイヤモンドの再成長やプラズマやイオンを用いて垂直にエッチングするとよりサブm程度に先鋭化させることもできる。
(111)面にn型層を形成する場合や(100)面にn型層を形成する場合およびp型膜を形成する場合の各々の条件は実施例1と同じ条件を用いて行った。
基板は全てボロンを含むp型導電性の基板である。図12(a)に示す尖鋭加工試料上に(111)面上の条件で(111)面上にn型膜を形成し、残りの面に形成された膜は上記プラズマ処理で除去した。その結果先端部がp型で途中までn型膜の形成されたシングルチップが作製できた。対して、図12(b)の尖鋭加工試料上には(100)面上にn型形成条件でn型膜を形成した。
それぞれの電子放出特性の結果を表7〜11に示す。いずれもチップ電圧のないもの、
突起のないものは特性が悪かった。先端径が30μm以下で、突起の高さが50μmを超えてくると特性がよくなる傾向は実施例1と同じであった。
以上のように、試料内の面方位は非常に重要なファクターとなっていることから、面方位をチップ試料で制御できない基板、例えば、多結晶基板は本発明には不適である。制御できていれば、単結晶基板に限らず、高配向基板やヘテロ基板なども利用できる。
最後に、p型層の上にアンドープのi型層を形成し、pn接合のnpi構造とし、先端をi型層とした構造のチップはサンプル(c)、サンプル(d)の構造でエミッション電流が20〜50%向上した。最表面の先端にi型層のある構造は有効であった。また、基板として高圧合成の単結晶ダイヤモンド基板を用いるよりも気相合成の単結晶基板を用いた方がエミッション電流値が30%前後向上した。
実施例1と比較するとnp接合の突起チップにおいては、n型の先端よりもp型の先端の方が特性は良好であるといえる。また、基板は高圧合成のボロンドープ基板を用いるよりも、気相合成のボロンドープバルク基板を用いる方が特性がよかった。
全ての実験は水素終端表面チップの実験であるが、水素終端表面のチップは酸素終端表面のチップよりもほぼ30〜50%エミッション電流特性がよかった。また、チップの短手方向の長さは主に0.5mm〜1mmに設定されたが、2mmより長くても、0.05mmより短くても特性が評価できなった。さらに端子間抵抗は10Ω〜3kΩに設定されたが、これ以外の抵抗では電子が出てこなくなった。端子間抵抗はn型層やp型層の厚さやドーピング濃度によって制御できたが、層厚や濃度が一定の場合であっても、金属被覆によっても制御できた。
また別の試料として、n型層の上にアンドープ層(i型層)を形成したこの場合、電極をコンタクトさせる部分には形成させないようにした。先端に形成されていることで効果が出た。ここでi型層は絶縁性基板上に形成して、キャリア濃度が109cm-3以下の測定
できないくらいの膜を指して言う。
それぞれの電子放出特性の結果を表12〜14に示す。いずれもチップ電圧のないもの、突起のないものは特性が悪かった。実施例1と同様、先端径が30μm以下で、突起の高さが50μmを超えると特性がよくなる傾向があった。
以上のように、試料内の面方位は非常に重要なファクターとなっていることから、面方位をチップ試料で制御できない基板、例えば、多結晶基板は本発明には不適である。制御できていれば、単結晶基板に限らず、高配向基板やヘテロ基板なども利用できる。
また、表15に示すように、基板として高圧合成の単結晶ダイヤモンド基板を用いるよりも気相合成の単結晶基板を用いた方がエミッション電流値が向上した、高圧合成の単結晶上に気相合成で形成するのも効果があった。
全ての実験は水素終端表面チップの実験であるが、水素終端表面のチップは酸素終端表面のチップよりもほぼ30〜50%エミッション電流の特性がよかった。また、チップの短手方向の長さは主に0.5mm〜1mmに設定されたが、2mmより長くても、0.05mmより短くても特性が評価できなかった。さらに端子間抵抗は10Ω〜3kΩに設定されたが、これ以外の抵抗では電子が出てこなくなった。端子間抵抗はn型層やp型層の厚さやドーピング濃度によって制御できたが、層厚や濃度が一定の場合であっても、金属被覆によっても制御できた。

Claims (24)

  1. 少なくとも一部に単結晶ダイヤモンドを有するダイヤモンド電子放射陰極であって、当該ダイヤモンド電子放射陰極が電子放射部の一ヶ所に先鋭部を有する柱状であり、少なくとも二種類以上の電気的性質が異なる半導体によって構成され、該半導体を構成する一種類がn型不純物を2×1015cm-3以上含むn型半導体であり、もう一種類がp型不純物を2×1015cm-3以上含むp型半導体であり、該p型半導体と該n型半導体が直接接合して、もしくは他の種類の層を介して間接的に接合して一対の電流導入端子により電子が該n型半導体から該p型半導体へ流れるように該n型半導体に該p型半導体に対して負の電位が印加され、p型半導体とn型半導体の接合界面は電子放射部付近に位置していることを特徴とするダイヤモンド電子放射陰極。
  2. 少なくとも一部に単結晶ダイヤモンドを有するダイヤモンド電子放射陰極であって、当該ダイヤモンド電子放射陰極が電子放射部の一ヶ所に先鋭部を有する柱状であり、少なくとも二種類以上の電気的性質が異なる半導体によって構成され、該半導体を構成する一種類がn型不純物を2×1015cm-3以上含むn型半導体であり、もう一種類がp型不純物を2×1015cm-3以上含むp型半導体であり、該p型半導体と該n型半導体が直接接合して、もしくは他の種類の層を介して間接的に接合して一対の電流導入端子により電子が該p型半導体から該n型半導体へ流れるように該n型半導体に該p型半導体に対して正の電位が印加され、p型半導体とn型半導体の接合界面は電子放射部付近に位置していることを特徴とするダイヤモンド電子放射陰極。
  3. 前記半導体を構成する他の一種類が、キャリア濃度が1×109cm-3以下であるダイヤモンドによって構成された真性半導体であることを特徴とする請求項1または2に記載のダイヤモンド電子放射陰極。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のダイヤモンド電子放射陰極であって、加熱部が形成されていることを特徴とするダイヤモンド電子放射陰極。
  5. 前記電子放射部が、前記n型半導体によって形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のダイヤモンド電子放射陰極。
  6. 前記電子放射部が、前記p型半導体によって形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のダイヤモンド電子放射陰極。
  7. 前記電子放射部が、前記真性半導体によって形成されていることを特徴とする請求項3または4に記載のダイヤモンド電子放射陰極。
  8. 前記p型半導体が気相成長で合成したバルク結晶からなり、前記n型半導体及び\又は前記真性半導体が気相成長で合成した薄膜結晶からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のダイヤモンド電子放射陰極。
  9. 前記ダイヤモンド電子放射陰極の短手方向長さが、0.05mm以上2mm以下であり、アスペクト比が1以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のダイヤモンド電子放射陰極。
  10. 前記先鋭部における電子放射部を頂点とした面の少なくとも一面が(111)結晶面[(111)ジャスト面から±7°のオフ面を含む]で形成されていることを特徴とする請求項1、2、4、5、8又は9のいずれか一項に記載のダイヤモンド電子放射陰極。
  11. 前記電子放射部を構成するダイヤモンドの表面が、水素原子で終端されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のダイヤモンド電子放射陰極。
  12. 前記n型半導体の300Kにおける抵抗率が、300Ωcm以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のダイヤモンド電子放射陰極。
  13. 前記先鋭部の先端径もしくは先端曲率半径が30μm以下であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載のダイヤモンド電子放射陰極。
  14. 前記電子放射部が突起構造であって、突起の先端径が5μm以下でアスペクト比が2以上であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載のダイヤモンド電子放射陰極。
  15. 前記電子放射部から電子を放出する際の温度が、400K以上1200K以下であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載のダイヤモンド電子放射陰極。
  16. 前記電子放射部よりエネルギー幅が0.6eV以下の電子線を放出することを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載のダイヤモンド電子放射陰極。
  17. 前記加熱部に金属層を有することを特徴とする請求項4〜16のいずれか一項に記載のダイヤモンド電子放射陰極。
  18. 前記ダイヤモンド電子放射陰極の表面が金属層によって被覆され、前記電子放射部から金属層の端部までの最も近傍における距離が500μm以下であることを特徴とする請求項4〜17のいずれか一項に記載のダイヤモンド電子放射陰極。
  19. 少なくとも請求項1〜18のいずれか一項に記載されたダイヤモンド電子放射陰極と、絶縁性セラミックと、前記ダイヤモンド電子放射陰極に電流を供給するための一対の端子からなる構造体であって、端子間の抵抗値が10Ω以上3kΩ以下であることを特徴とするダイヤモンド電子放射源。
  20. 少なくとも請求項17または請求項18に記載されたダイヤモンド電子放射陰極と、絶縁性セラミックと、前記ダイヤモンド電子放射陰極に電流を供給するための一対の端子からなる構造体であって、端子間の抵抗値が10Ω以上700Ω以下であることを特徴とするダイヤモンド電子放射源。
  21. 少なくとも請求項1から請求項18のいずれか一項に記載されたダイヤモンド電子放射陰極と、絶縁性セラミックと、前記ダイヤモンド電子放射陰極を把持し前記絶縁性セラミックに固定すると共に前記ダイヤモンド電子放射陰極に電流を供給するための一対の支柱兼端子からなる構造体であって、前記支柱兼端子が前記ダイヤモンド電子放射陰極と直接接触していることを特徴とするダイヤモンド電子放射源。
  22. 前記一対の端子又は前記一対の支柱兼端子は、融点が1700K以下であることを特徴とする請求項19〜21のいずれか一項に記載のダイヤモンド電子放射源。
  23. 請求項1〜22のいずれか一項に記載のダイヤモンド電子放射陰極あるいはダイヤモンド電子放射源が搭載されていることを特徴とする電子顕微鏡。
  24. 請求項1〜22のいずれか一項に記載のダイヤモンド電子放射陰極あるいはダイヤモンド電子放射源が搭載されていることを特徴とする電子ビーム露光機。
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