JP2013232600A - 熱電子発電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】エミッタ電極の内部抵抗の低減とエミッタ電極の熱電子放出の性能の向上とを両立し、高い発電出力を実現できる熱電子発電素子を提供すること。
【解決手段】熱電子発電素子1のエミッタ電極5において、金属基板であるエミッタ基板13上に形成されたN型第1ダイヤモンド層21のドナー不純物濃度NHが、N型第1ダイヤモンド層21上に形成されたN型第2ダイヤモンド層23のドナー不純物濃度NEより濃い(高い)ように設定されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電子発電素子に関する。
従来より、高温の電極表面から熱電子が放出される現象を利用して、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電子発電素子が知られている。
また、熱電子発電素子のエミッター(エミッタ電極)とコレクター(コレクタ電極)にダイヤモンド半導体を用いると、負性電子親和力(Negative Electron Affinity;NEA)の効果により各電極表面から極めて高効率な熱電子放出が可能であること知られている(非特許文献1参照)。
F.A.M.Koeck, Y.j.Tang, R,j. Nemanich、Organizing Committee NDNC2007、NDNC 2007 New Diamond and Nano Carbons 2007、2007年5月28日、p97, "Direct thermionic energy conversion from nitrogen doped diamond films"、North Carolina State University, Raleigh, NC, USA, Arizona State University, Tempe, AZ, USA
しかしながら、実際には、上述した従来技術では、出力が小さいという問題があり、期待される発電出力が得られていない。この原因としては、下記の理由が考えられる。
熱電子発電の動作原理は、エミッタ電極から真空中に放出された熱電子を、コレクタ電極で受け、外部負荷を通して電子を戻すサイクルで発電する。従って、エミッタ電極からの熱電子放出の性能を高めること、即ち、エミッタ電極の仕事関数を小さくすることが重要であるが、その時に、エミッタ電極内部の電気抵抗がある程度低い必要がある。これは、内部抵抗が大きいと、エミッタ電極内部での電圧降下が大きくなり、発電出力が低下してしまうからである。
また、上述した従来技術においては、Si基板又は金属基板の上に形成されたダイヤモンド膜をエミッタ層とし、そのダイヤモンド膜に、燐、窒素、ボロンなどの不純物を添加(ドープ)してダイヤモンド半導体を形成している。
ところが、ダイヤモンドは、バンドギャップが5.5eVと大きいため、ダイヤモンド膜とSi基板又は金属基板との界面には、エネルギー障壁が存在する。しかも、この障壁に起因する抵抗成分は大きく、エミッタ電極の内部抵抗を小さくすることは難しい。
エミッタ電極の内部抵抗を小さくする方策としては、ダイヤモンド膜にドナー不純物を高濃度にドープすることが考えられるが、高濃度にドープすると、ダイヤモンド膜中に結晶欠陥が多く発生する。この欠陥は、ダイヤモンド膜の表面において、欠陥準位として存在し、ダイヤモンド膜の伝導帯を表面に向かって上向きに湾曲させ、この湾曲がエネルギー障壁となって、熱電子が表面から放出し難くなる。
また、表面を水素原子で終端することで、負性電子親和力が得られるが、前記欠陥が多いと水素の結合力が弱くなり、安定な負性電子親和力(従って高能率の熱電子放出)が得られないという問題がある。
そのため、エミッタ電極の内部抵抗の低減とエミッタ電極の熱電子放出の性能の向上とを両立できず、結果として、発電出力が小さいという問題あった。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、エミッタ電極の内部抵抗の低減とエミッタ電極の熱電子放出の性能の向上とを両立し、高い発電出力を実現できる熱電子発電素子を提供することを目的とする。
本発明は、熱源からの熱が加わるエミッタ電極と、エミッタ電極に空間を隔てて対向して配置され、エミッタ電極からの熱電子を捕獲するコレクタ電極とを備え、エミッタ電極とコレクタ電極との間を移動する熱電子を利用して熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電子発電素子に関するものである。
特に本発明では、エミッタ電極は、金属又はSiからなる基板と、その基板上に形成されたダイヤモンド半導体からなるエミッタ層とを備えている。そして、このエミッタ層は、ドナー不純物が添加され基板上に形成されたN型第1ダイヤモンド層と、ドナー不純物が添加されN型第1ダイヤモンド層上に形成されたN型第2ダイヤモンド層とを備えており、しかも、N型第1ダイヤモンド層のドナー不純物濃度NHとN型第2ダイヤモンド層のドナー不純物濃度NEとが、NH>NEの関係を有するように設定されている。
即ち、(基板側の)N型第1ダイヤモンド層のドナー不純物濃度NHが、熱電子を放出する(表面側の)N型第2ダイヤモンド層のドナー不純物濃度NEより濃い(高い)ように設定されている。
この様に、本発明では、N型第1ダイヤモンド層は、(N型第2ダイヤモンド層より)高濃度にドープされているため、抵抗率が低く、金属基板との界面抵抗は低い。従って、エミッタ電極の内部抵抗を低減できる。
一方、N型第2ダイヤモンド層は、(N型第1ダイヤモンド層に比べて)低濃度にドープされているので、結晶構造の歪みが少なく、結晶性の低下が少ない。即ち、結晶欠陥が少なく、表面の欠陥も少ないため、バンド湾曲の影響は少ない。よって、エネルギー障壁が低いので、熱電子を放出し易い。
これにより、エミッタ電極の内部抵抗の低減とエミッタ電極の熱電子放出の性能の向上とを両立して、高い発電出力を実現することができる。
実施例1の熱電子発電素子の構成を模式的に示す説明図である。 実施例1の熱電子発電素子のエミッタ電極を各層の積層方向に沿って破断した断面を拡大して模式的に示す説明図である。 ドナー不純物濃度とエミッタ層に流れる電流との関係を示すグラフである。
次に、本発明の実施形態について説明する。
[実施形態]
・前記エミッタ電極としては、金属又はSiからなる基板上にダイヤモンド半導体からなるエミッタ層が形成された電極を用いる。
このうち、金属からなる基板の場合には、金属材料として、例えばモリブデン(Mo)等を用いることができる。
また、エミッタ層を構成するダイヤモンドは、負性電子親和力を持った材料であり、金属に比べて低温での発電効率を高めることができる。つまり、ダイヤモンド半導体は、従来より低温で熱電子を放出できる。
一方、コレクタ電極としては、エミッタ電極の構成に限定されず、例えばモリブデン等の金属からなる電極、又は、例えばシリコン(Si)からなる基板とその基板上に形成された半導体からなる電極などが挙げられる。
この半導体としては、ダイヤモンド、Si、BN、SiC、GaN、CNT(カーボンナノチューブ)の半導体(又は化合物半導体)、ZnO、BaO、Sc23、WOx、NbOx、TaOx、AgOx等の酸化物半導体が挙げられる。
・前記N型第1ダイヤモンド層のドナー不純物濃度(NH)としては、後述する図3に示す様に、1020(atomscm-3)以上、例えば1020〜1021(atomscm-3)であると、電流が流れやすく(従って抵抗率が低く)、基板との界面抵抗を低減できるので好適である。
このN型第1ダイヤモンド層のドナー不純物としては、窒素(N)又は燐(P)を用いることができるが、それ以外に、例えば硫黄(S)を用いることもできる。
・一方、(N型第1ダイヤモンド層のドナー不純物濃度より低濃度の)N型第2ダイヤモンド層のドナー不純物濃度(NE)としては、例えば1018〜1020(atomscm-3)の範囲が挙げられる。この範囲であれば、上述したダイヤモンド半導体として十分な特性(高効率の熱電子放出)を有する。
このN型第2ダイヤモンド層のドナー不純物としては、窒素又は燐を用いることができるが、それ以外に、例えば硫黄を用いることもできる。
なお、N型第1ダイヤモンド層のドナー不純物濃度と、N型第2ダイヤモンド層のドナー不純物濃度の濃度差としては、2倍から100倍の範囲が好適である。この範囲であると、例えばN型第1ダイヤモンド層の高いドナー不純物濃度を、1020〜1021(atomscm-3)とした場合に、上述したN型第1ダイヤモンド層の高いドナー不純物濃度による効果と、N型第2ダイヤモンド層の低いドナー不純物濃度による効果との両方の効果が十分に得られる。
・更に、エミッタ層の表面が、水素終端されていると、極めて安定な負性電子親和力を得ることができるので、一層高効率な熱電子放出を長時間において実現することが可能となる。特に、本発明では、表面に欠陥が少ないので、炭素と水素の結合が強く、極めて安定な負性電子親和力が得られるという利点がある。
・なお、エミッタ層の構成としては、ダイヤモンド(sp3構造)、グラファイト(sp構造)、非晶質カーボン、及びこれらの成分が混合した材料を含み、炭素原子を主とする炭素膜が挙げられる。ここで、炭素原子を主とするとは、炭素原子が最も多いことを意味する。
以下、本発明の具体的な実施例1の熱電子発電素子について説明する。
この熱電子発電素子は、互いに対向配置された一対の電極間を移動する熱電子を利用して熱エネルギーを電気エネルギーに変換するものである。
a)まず、本実施例1の熱電子発電素子の構成について説明する。
図1に示す様に、本実施例1の熱電子発電素子1は、所定の間隙(空間)3を介して、互いに対向し平行に配置された平板状のエミッタ電極5とコレクタ電極7とを備えており、それらは、内部が真空とされた筐体(図示せず)内に配置されている。そして、エミッタ電極5とコレクタ電極7とは、負荷9を介して回路11によって電気的に接続されている。
このうち、エミッタ電極5は、エミッタ基板13上に、(後に詳述する様に)ダイヤモンド半導体薄膜からなるエミッタ層15が形成されたものであり、また、コレクタ電極7は、コレクタ基板17上に、ダイヤモンド半導体薄膜からなるコレクタ層19が形成されたものである。
前記エミッタ基板17及びコレクタ基板19としては、Si(シリコン)基板やMo(モリブデン)等からなる金属基板、即ち、導電性・耐熱性を持った基板を用いることができる。このうち、金属基板として、例えばMo基板を用いる場合には、例えば1インチ角のものが用いられる。なお、本実施例1では、Mo基板を用いた例で説明する。
特に、本実施例では、図2に拡大して示す様に、エミッタ電極5のエミッタ層15は、Moからなる金属基板であるエミッタ基板13上に形成されたN型半導体であるN型第1ダイヤモンド層21と、このN型第1ダイヤモンド層21上に形成されたN型半導体であるN型第2ダイヤモンド層23とからなる。
しかも、N型第1ダイヤモンド層21のドナー不純物濃度NHとN型第2ダイヤモンド層23のドナー不純物濃度NEとが、NH>NEの関係を有するように、即ち、N型第1ダイヤモンド層21のドナー不純物濃度NHがN型第2ダイヤモンド層23のドナー不純物濃度NEより高いように設定されている。
具体的には、N型第1ダイヤモンド層21のドナー不純物濃度NHは、例えば1020〜1021(atomscm-3)の範囲の例えば1021(atomscm-3)に設定され、一方、N型第2ダイヤモンド層23のドナー不純物濃度NEは、N型第1ダイヤモンド層のドナー不純物濃度NHより濃度が低くなるように、例えば1018〜1020(atomscm-3)の範囲の例えば1020(atomscm-3)に設定されている。
また、本実施例では、N型第1ダイヤモンド層21及びN型第2ダイヤモンド層23のドナー不純物(ドーパント)として、例えば窒素を用いる。この窒素を用いる場合には、仕事関数として約1.7eVが得られる。なお、ドナー不純物として燐等の他のドーパントを用いてもよい。
更に、本実施例では、エミッタ層23の表面は、水素終端されている。
なお、エミッタ層23には、ダイヤモンド、グラファイト、非晶質カーボン、及びこれらの成分が混合した材料を含んでおり、炭素原子を主とする炭素膜である。
一方、コレクタ電極7に関しては、例えば特開2011−29427号公報や特開2011−124412号公報に開示されているような公知の構造のコレクタ電極7を採用できる。
例えばMo又はダイヤモンドからなるコレクタ基板17上に、ダイヤモンド半導体薄膜からなるコレクタ層19を形成する手法によって形成されたコレクタ電極7を用いることができる。
なお、コレクタ層19に添加するドナー不純物としては、例えば窒素を用いるが、燐等の他のドーパントを用いてもよい。また、両ダイヤモンド層21、23のドナー不純物を違えてもよい。
b)次に、本実施例1の熱電子発電素子1の製造方法について簡単に説明する。
<エミッタ電極5の製造方法>
まず、エミッタ基板13上にエミッタ層15を形成する場合には、エミッタ基板13上に上、例えばCVD法やスパッタ法によってダイヤモンド半導体薄膜を形成する。なお、マイクロ波プラズマCVD、RFプラズマCVD、DCプラズマCVD、RFプラズマスパッタ、DCプラズマスパッタなどにより行ってもよい。
例えばマイクロ波プラズマCVD法の場合には、図示しないCVD装置内に、エミッタ基板13を配置し、基板温度を約800℃、内部の圧力を約50Torrとして、まず、CVD装置内に、N型第1ダイヤモンド層21を形成する材料を供給する。
具体的には、N型第1ダイヤモンド層21のダイヤモンド層を形成するための原料ガスとしては、例えばCH4を水素で希釈した混合ガス、即ち、CH4/水素のガス流量比が0.5の混合ガスを用いる。
また、ダイヤモンド層に添加するドープ不純物(ドーパント)の供給源として、例えば窒素ガスを用いる。そして、CVD装置内に供給するガス(例えば窒素ガス)のガス流量を制御することで、ダイヤモンド層への窒素のドーピング量を調整する。本実施態様では、例えば、N2/CH4のガス流量比を10とする。
これによって、ドープ不純物が高濃度のN型第1ダイヤモンド層21を形成する。
次に、N型第1ダイヤモンド層21の上に、上述した方法とほぼ同様な方法によって、N型第2ダイヤモンド層23を形成する。
具体的には、前記CVD装置内に配置された、N型第1ダイヤモンド層21を備えたエミッタ基板13に対して、同様な温度・圧力条件において、前記と同様な原料ガスを用いて、ダイヤモンド層を形成する。
また、ドーパントの供給源として、例えば窒素ガスを用いる。そして、ガス流量を制御することで、ダイヤモンド層への窒素のドーピング量を、N型第1ダイヤモンド層のドーピング量よりは少なくする。本実施態様では、例えば、N2/CH4のガス流量比を2とする。
これによって、ドープ不純物が低濃度のN型第2ダイヤモンド層23を形成する。
その後、水素雰囲気のプラズマ中で、N型第2ダイヤモンド層23の表面を水素終端する。
従って、上述した方法によって、Moからなるエミッタ基板13上に(高ドーパント濃度の)N型第1ダイヤモンド層21を備えるとともに、そのN型第1ダイヤモンド層21上に(低ドーパント濃度の)N型第2ダイヤモンド層23を備えたエミッタ電極5が得られる。
<コレクタ電極7の製造方法>
コレクタ電極7の製造方法は、従来と同様であるので簡単に説明する。
コレクタ基板17上にコレクタ層19を形成する場合には、Moからなるコレクタ基板17上に、例えばCVD法やスパッタ法によってダイヤモンド半導体薄膜を形成する。なお、マイクロ波プラズマCVD、RFプラズマCVD、DCプラズマCVD、RFプラズマスパッタ、DCプラズマスパッタなどにより行ってもよい。
このダイヤモンド半導体薄膜を構成するダイヤモンドは、単結晶と多結晶のいずれであっても構わない。例えば、高圧合成によって生成したダイヤモンド基板を用いる場合、その上にダイヤモンド半導体薄膜を例えばCVD法にて形成すると単結晶となる。
c)次に、本実施例1の熱電子発電素子1の作用効果について説明する。
本実施例では、エミッタ電極5は、例えば600℃の高温に保たれ、コレクタ電極7は、エミッタ電極5より300℃低い、例えば300℃の低温に保たれる。
この温度が印加されることよって、エミッタ電極5から放出された熱電子がコレクタ電極7に捕獲されることにより発電が行われる。
特に本実施例では、エミッタ電極5において、金属基板であるエミッタ基板13上に形成されたN型第1ダイヤモンド層21のドナー不純物濃度NHが、表面側に形成されたN型第2ダイヤモンド層23のドナー不純物濃度NEより濃い(高い)ように設定されている。
つまり、本実施例では、N型第1ダイヤモンド層21は、(N型第2ダイヤモンド層23より)高濃度にドープされているため、抵抗率が低く、金属基板との界面抵抗は低い。本実施例では、例えば窒素をドープしているので、界面抵抗を約10-2Ωcm2とすることができる。従って、エミッタ電極5の内部抵抗を低減できる。
詳しくは、本実施例では、N型第1ダイヤモンド層21のドナー不純物濃度(NH)として、図3に示す様に、1020(atomscm-3)以上の例えば1020〜1021(atomscm-3)を採用しているので、電流が流れやすく(従って抵抗率が低く)、基板との界面抵抗を低減できる。
なお、図3は、ドナー不純物が窒素で、ドナー不純物濃度が異なる単層のエミッタ層を有する各エミッタ電極に対して、エミッタ電極の温度が600℃の条件とした場合に、エミッタ電極から放出される熱電子電流を示すものである。
一方、N型第2ダイヤモンド層23は、(N型第1ダイヤモンド層21に比べて)低濃度にドープされているので、結晶構造の歪みが少なく、結晶性の低下が少ない。即ち、結晶欠陥が少なく、表面の欠陥も少ないため、バンド湾曲の影響は少ない。よって、エネルギー障壁が低いので、熱電子を放出し易い。
また、本実施例では、エミッタ層15に対して水素終端しているが、表面に欠陥が少ないため、炭素と水素の結合が強く、安定なNEA特性が得られるので、この点からも、優れた熱電子放出特性が得られる。
これにより、本実施例では、エミッタ電極5の内部抵抗の低減とエミッタ電極7の熱電子放出の性能の向上とを両立できるので、高い発電出力を実現することができるという顕著な効果を奏する。
次に、実施例2について説明するが、実施例1と同様な内容の説明は簡略化する。
図示しないが、本実施例の熱電子発電素子は、エミッタ電極及びコレクタ電極を備えている。
そして、エミッタ電極のエミッタ基板としてSi基板を用いており、Si基板上に、N型第1ダイヤモンド層を備えるとともに、N型第1ダイヤモンド層上に、(N型第1ダイヤモンド層よりドナー不純物濃度が低い)N型第2ダイヤモンド層を備えている。
また、本実施例では、ドーパントとして燐を用いている。なお、燐を用いる場合には、仕事関数として約0.5eVが得られる。
本実施例においても、前記実施例1と同様な効果を奏する。
尚、本発明は前記実施態様や実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
1…熱電子発電素子
3…空間(間隔)
5…エミッタ電極
7…コレクタ電極
13…エミッタ基板
15…エミッタ層
21…N型第1ダイヤモンド層
23…N型第2ダイヤモンド層

Claims (6)

  1. 熱源からの熱が加わるエミッタ電極(5)と、
    該エミッタ電極(5)に空間(3)を隔てて対向して配置され、前記エミッタ電極(5)からの熱電子を捕獲するコレクタ電極(7)と、
    を備え、前記エミッタ電極(5)と前記コレクタ電極(7)との間を移動する熱電子を利用して熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電子発電素子(1)であって、
    前記エミッタ電極(5)は、金属又はSiからなる基板(13)と、該基板(13)上に形成されたダイヤモンド半導体からなるエミッタ層(15)と、を備えるとともに、
    前記エミッタ層(15)は、ドナー不純物が添加され前記基板(13)上に形成されたN型第1ダイヤモンド層(21)と、ドナー不純物が添加され前記N型第1ダイヤモンド層(21)上に形成されたN型第2ダイヤモンド層(23)と、を備え、
    前記N型第1ダイヤモンド層(21)のドナー不純物濃度NHと、前記N型第2ダイヤモンド層(23)のドナー不純物濃度NEとが、NH>NEの関係を有するように設定されていることを特徴とする熱電子発電素子。
  2. 前記N型第1ダイヤモンド層(21)のドナー不純物濃度が、1020(atomscm-3)以上であることを特徴とする請求項1に記載の熱電子発電素子。
  3. 前記N型第1ダイヤモンド層(21)のドナー不純物が、窒素又は燐であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱電子発電素子。
  4. 前記N型第2ダイヤモンド層(23)のドナー不純物が、窒素又は燐であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱電子発電素子。
  5. 前記エミッタ層(15)の表面が、水素終端されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱電子発電素子。
  6. 前記エミッタ層(15)は、ダイヤモンド、グラファイト、非晶質カーボン、及びこれらの成分が混合した材料を含んでおり、炭素原子を主とする炭素膜であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱電子発電素子。
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