JP4592439B2 - ダイヤモンド紫外線発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、発光材料にダイヤモンドを使用したダイヤモンド紫外線発光素子に関する。
ダイヤモンドは、バンドギャップが約5.4eVと広く、短波長領域での発光が可能である。このような理由から、近時、ダイヤモンドを発光材料とした発光素子の開発が進められている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
図8は特許文献1に記載のダイヤモンド発光素子の構造を示す断面図である。図8に示すように、特許文献1に記載のダイヤモンド発光素子100は、金属電極101上に導電性基板102が配置されており、これらはオーミック接合されている。また、導電性基板102上には、ホウ素(B)ドープダイヤモンド層103及びアンドープダイヤモンド層104がこの順に積層されており、アンドープダイヤモンド層104上には金属電極105が形成されている。そして、金属電極101及び105に外部電源106を接続し、この外部電源106により金属電極101と金属電極105との間に電圧を印加することにより、Bドープダイヤモンド層103のホールと金属電極105の電子とがアンドープダイヤモンド層104の欠陥準位を介して結合し、発光する。このような構成のダイヤモンド発光素子100では、400乃至500nmを中心とする可視光の発光が得られる。
また、特許文献2には、結晶粒が配向したダイヤモンド膜を使用した発光素子が提案されている。図9は特許文献2に記載のダイヤモンド発光素子の構造を示す断面図である。図9に示すように、特許文献2に記載のダイヤモンド発光素子110は、基板111上に絶縁性ダイヤモンド層としてアンドープダイヤモンド層112が形成されており、このアンドープダイヤモンド層112上に更に半導体ダイヤモンド層としてBドープダイヤモンド層113が形成されている。また、このBドープダイヤモンド層113の表面には、低抵抗ダイヤモンド層としてBドープダイヤモンド層113よりも高濃度にBがドープされた高濃度Bドープダイヤモンド層114が円環状に形成されており、この高濃度Bドープダイヤモンド層114上には、円環状の金属電極115が形成されている。更に、Bドープダイヤモンド層113の表面における高濃度Bドープダイヤモンド層114により囲まれた領域上には、絶縁性ダイヤモンド層としてアンドープダイヤモンド層116が円形状に形成されており、このアンドープダイヤモンド層116上に円形の金属電極117が形成されている。そして、この金属電極117と金属電極115との間に外部電極118が接続されている。
図10は特許文献3に記載のダイヤモンド半導体発光素子の構造を示す断面図である。図10に示すように、特許文献3に記載の発光素子120は、導電性基板121上にBドープダイヤモンド層122とアンドープダイヤモンド層123とがこの順に積層されている。また、アンドープダイヤモンド層123上には金属電極124が形成されており、導電性基板121の表面におけるBドープダイヤモンド層122が形成されていない領域上には金属電極125が形成されている。この発光素子120では、緑白色の発光が生じる。
特開平7−283434号公報 特許3150488号公報 特許2798422号公報
しかしながら、前述の従来の技術には以下に示す問題点がある。特許文献1乃至3に記載の従来の発光素子の発光領域は、主に可視光領域であり、また電力損失が大きいため、紫外線の発光輝度が低いという問題点がある。このように、従来の発光素子は紫外線発光素子としては実用に適さない。その一方で、紫外線を発光する固体素子に対する工業的ニーズは強く、実用的な輝度で紫外線を発光するダイヤモンド発光素子が求められている。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、高輝度で紫外線を発光するダイヤモンド紫外線発光素子を提供することを目的とする。
本発明に係るダイヤモンド紫外線発光素子は、ホウ素がドープされたホウ素ドープダイヤモンド層と、このホウ素ドープダイヤモンド層上に形成され前記ホウ素ドープダイヤモンド層から遠ざかるに従いホウ素濃度が減少する傾斜ホウ素ドープダイヤモンド層と、この傾斜ホウ素ドープダイヤモンド層上に形成された絶縁性の六方晶窒化ホウ素層と、前記ホウ素ドープダイヤモンド層、前記傾斜ホウ素ドープダイヤモンド層及び前記六方晶窒化ホウ素層の積層体に給電する手段と、を有することを特徴とする。
本発明においては、給電手段とホウ素ドープダイヤモンド層との間に設けられる絶縁層を、ホウ素ドープダイヤモンドよりもバンドギャップが大きい六方晶窒化ホウ素により形成しているため、絶縁層をホウ素ドープダイヤモンドとバンドギャップが同一のアンドープダイヤモンドにより形成している従来の発光素子に比べて、発光に寄与しない正孔が給電手段に到達し難くなる。これにより、正孔電流による電力損失が低減されると共に、ホウ素ドープダイヤモンド層に高電圧を印加して、発光に寄与する電子を増加させることができるため、紫外線発光輝度を向上させることができる。
前記給電手段は、前記六方晶窒化ホウ素層上に形成された電極を有していてもよい。また、前記給電手段は、導電性基板を有していてもよく、その場合、前記ホウ素ドープダイヤモンド層を前記導電性基板上に形成することができる。
このダイヤモンド紫外線発光素子において、前記傾斜ホウ素ドープダイヤモンド層の厚さは、0.01乃至5μmとすることが好ましい。これにより、六方晶窒化ホウ素層を形成する際に、ホウ素ドープダイヤモンド層上に存在又は残留しているホウ素原子が六方晶窒化ホウ素層に混入し六方晶窒化ホウ素層が導電性となることを防止できる。
また、前記ホウ素ドープダイヤモンド層の厚さは、例えば0.1乃至100μmであり、前記ホウ素ドープダイヤモンド層におけるホウ素のドーピング濃度は、例えば1019/cm以上である。更に、前記六方晶窒化ホウ素層の厚さは、例えば0.01乃至5μmである。これにより、紫外線発光輝度をより向上させることができる。
本発明によれば、ホウ素ドープダイヤモンド層と給電手段との間に設けられる絶縁層を、ダイヤモンドよりもバンドギャップが大きい六方晶窒化ホウ素により形成しているため、給電手段への正孔の移動を抑制して、正孔電流による電力損失を低減することができると共に、印加電界を増大することにより電子注入量を増加させて、紫外線発光輝度を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態に係る紫外線発光素子について、添付の図面を参照して具体的に説明する。先ず、本発明の第1の参考例に係る紫外線発光素子について説明する。図1は本参考例の紫外線発光素子の構造を示す断面図である。図1に示すように、本参考例の紫外線発光素子10は、抵抗値が例えば1×10−2Ω・cm以下である低抵抗導電性基板1上に、紫外線発生層であるBドープダイヤモンド層2が形成されており、このBドープダイヤモンド層2上には絶縁層として六方晶窒化ホウ素層3が形成されている。そして、この六方晶窒化ホウ素層3上に、Al(アルミニウム)、Ni(ニッケル)、Au(金)、Pt(白金)及びITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウム錫)等からなる電極4が形成されている。この紫外線発光素子10においては、低抵抗導電性基板1及び電極4が給電手段となる。
参考例の紫外線発光素子10においては、Bドープダイヤモンド層2におけるBドーピング濃度が1019/cm以上であることが望ましい。Bドープダイヤモンド層2のBドーピング濃度が1019/cm未満の場合、紫外線発光が発生しないか、又は、発生しても強度が小さくなることがある。また、Bドープダイヤモンド層2の厚さに関しては原理的な制限はないが、その厚さが0.1μm未満の場合、紫外線発光輝度が小さくなることがあり、その厚さが100μmを超えると、発熱による電力損失が顕著になることがある。このため、Bドープダイヤモンド層2の厚さは0.1乃至100μmであることが望ましい。このようなBドープダイヤモンド層2は、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法により合成された多結晶ダイヤモンド、高配向性ダイヤモンド、ヘテロエピタキシャルダイヤモンド、微結晶ダイヤモンド及び超微結晶ダイヤモンド等により形成することができる。
また、本参考例の紫外線発光素子10における六方晶窒化ホウ素層3の厚さは、0.01乃至5μmとすることが好ましい。後述するように、ホウ素ドープダイヤモンド層2と電極4との間に設けられる絶縁層を、ダイヤモンドよりもバンドギャップが大きい六方晶窒化ホウ素により形成することによって、電極4への正孔の移動を抑制することができるが、この六方晶窒化ホウ素層3の厚さが0.01μm未満になると、正孔が電極に到達しないようにバリアする効果が低減することがある。一方、六方晶窒化ホウ素層3の厚さが5μmを超えると抵抗値が高くなりすぎて、発光が生じなくなることがある。このような六方晶窒化ホウ素層3は、例えばプラズマCVD法、イオンプレーティング法、反応性スパッタ法及びレーザアブレーション法等の各種蒸着法により形成することができる。
次に、本参考例の紫外線発光素子10の動作について説明する。図2は参考例の紫外線発光素子10における発光機構を模式的に示す図である。図2に示すように、本参考例の紫外線発光素子10においては、外部電源(図示せず)により、電極4に負の電圧が印加されると共に、導電性基板1に正の電圧が印加される。これにより、電極4で電子5が生成し、この電子5が六方晶窒化ホウ素層3を通過して、Bドープダイヤモンド層2の伝導帯に注入される。一方、導電性基板1では正孔6が生成し、多量の正孔6がBドープダイヤモンド層2へ注入される。そして、この正孔6と伝導帯に注入された電子5とが再結合し、紫外線7が発生する。
参考例の紫外線発光素子10においては、Bドープダイヤモンド層2と電極4との間に、絶縁層として六方晶窒化ホウ素層3を形成している。六方晶窒化ホウ素は、バンドギャップが約6eVであり、ダイヤモンドのバンドギャップ(約5.5eV)よりも大きいため、正孔6が電極4に到達するためには、六方晶窒化ホウ素層3のポテンシャル・バリアを超えなければならない。このため、正孔6が電極4に到達し難くなり、発光に寄与する正孔6が増加して、発光効率が向上する。また、正孔6により生じる電流が小さくなるため、従来の発光素子よりも高電界を印加することができる。これにより、六方晶窒化ホウ素層3のポテンシャル・バリアを超えて、即ち、六方晶窒化ホウ素層3を通過する電子5の数を増加させることができる。その結果、従来のダイヤモンド発光素子に比べて、発光に寄与する電子5及び正孔6の数を増加することができるため、紫外線発光輝度を向上させることができる。更にまた、六方晶窒化ホウ素は、ダイヤモンドに対して熱力学的に安定であるため、Bドープダイヤモンド層2上に容易に絶縁層である六方晶窒化ホウ素積層3を形成することができる。
一方、従来のダイヤモンド発光素子のように、電極とBドープダイヤモンド層との間の絶縁層を、Bドープダイヤモンド層とバンドギャップが略同等のアンドープダイヤモンドにより形成すると、導電性基板で生成した正孔が、容易にアンドープダイヤモンド層を通過し、その大部分が発光に寄与せずに電極に到達するため、発光効率が低下する。また、正孔電流が増加するため、Bドープダイヤモンド層で発熱が生じ、素子が加熱される。
次に、本発明の第2の参考例に係る紫外線発光素子について説明する。図3は本参考例の紫外線発光素子の構造を示す断面図である。なお、図3においては、図1に示す紫外線発光素子の構成要素と同じものには同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。図3に示すように、本参考例の紫外線発光素子20は、低抵抗導電性基板1上に、紫外線発生層であるBドープダイヤモンド層2が形成されており、このBドープダイヤモンド層2上にはアンドープダイヤモンド層21が形成されている。そして、このアンドープダイヤモンド層21上に、絶縁層として六方晶窒化ホウ素層3が形成されており、この六方晶窒化ホウ素層3上に電極4が形成されている。この紫外線発光素子20においても、前述の第1の参考例の紫外線発光素子10と同様に、低抵抗導電性基板1及び電極4が給電手段となる。
前述の第1の参考例の紫外線発光素子10のように、Bドープダイヤモンド層2上に直接六方晶窒化ホウ素層3を形成すると、Bドープダイヤモンド層2と六方晶窒化ホウ素層3との界面に生じる界面準位が、六方晶窒化ホウ素層3の電気的絶縁性を劣化させる虞がある。そこで、本参考例の紫外線発光素子20においては、Bドープダイヤモンド層2と六方晶窒化ホウ素層3との間に、アンドープダイヤモンド層21を形成している。これにより、B原子の六方晶窒化ホウ素層3への混入を防止することができるため、六方晶窒化ホウ素層3の絶縁性を確保することができる。このアンドープダイヤモンド層21の厚さは、0.01乃至5μmであることが望ましい。アンドープダイヤモンド層21の厚さが0.01μm未満の場合、正孔が電極4に到達しないようにバリアする効果が低減することがあり、また、ダイヤモンド層21の厚さが5μmを超えると、抵抗値が高くなりすぎて、紫外線発光が生じないことがある。
このアンドープダイヤモンド層21は、Bドープダイヤモンド層2と同様に、CVD法により合成された多結晶ダイヤモンド、高配向性ダイヤモンド、ヘテロエピタキシャルダイヤモンド、微結晶ダイヤモンド及び超微結晶ダイヤモンド等により形成することができる。
次に、本参考例の紫外線発光素子20の動作について説明する。図4は本参考例の紫外線発光素子20における発光機構を模式的に示す図である。図4に示すように、本参考例の紫外線発光素子20においては、外部電源(図示せず)により、電極4に負の電圧が印加されると共に、導電性基板1に正の電圧が印加される。これにより、電極4で電子5が生成し、この電子5が六方晶窒化ホウ素層3及びアンドープダイヤモンド層21を通過して、Bドープダイヤモンド層2の伝導帯に注入される。一方、導電性基板1では正孔6が生成し、多量の正孔6がBドープダイヤモンド層2へ注入される。そして、この正孔6と伝導帯に注入された電子5とが再結合し、紫外線7が発生する。
参考例の紫外線発光素子20においては、Bドープダイヤモンド層2と電極4との間に形成される絶縁層を、ダイヤモンドよりもバンドギャップが大きい六方晶窒化ホウ素により形成しているため、発光に寄与しない正孔6が電極4に到達し難くなり、電力損失を抑制することができる。また、正孔6により生じる電流が小さくなるため、高電界を印加して、六方晶窒化ホウ素層3を通過する電子5の数を増加させることができる。その結果、従来のダイヤモンド発光素子に比べて、発光に寄与する電子5の数が増加するため、紫外線発光輝度を向上させることができる。また、Bドープダイヤモンド層2と六方晶窒化ホウ素層3との間に、アンドープダイヤモンド層21を形成しているため、界面準位の影響を抑制でき、六方晶窒化ホウ素層3の絶縁性を確保することができる。
次に、本発明の実施形態に係る紫外線発光素子について説明する。図5は本実施形態の紫外線発光素子の構造を示す断面図である。なお、図5においては、図3に示す紫外線発光素子20の構成要素と同じものには同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。図5に示すように、本実施形態の紫外線発光素子30においては、Bドープダイヤモンド層2と六方晶窒化ホウ素層3との間に、Bドープダイヤモンド層2から遠ざかるに従い、即ち、六方晶窒化ホウ素層3に近付くに従い、その厚さ方向にBドーピング濃度が減少する傾斜Bドープダイヤモンド層31が形成されている。この傾斜ホウ素ドープダイヤモンド層31におけるBドーピング濃度の最大値、即ち、Bドープダイヤモンド層2と接触する面におけるBドーピング濃度の最大値は、Bドープダイヤモンド層2のBドーピング濃度と同じである。そして、傾斜ホウ素ドープダイヤモンド層31の六方晶窒化ホウ素層3と接触する面は、Bドープダイヤモンド層2よりもBドーピング濃度が低いか又はBがドーピングされていない。これにより、本実施形態の紫外線発光素子30は、前述の第2の参考例の紫外線発光素子20と同様に、界面準位の影響を抑制することができ、六方晶窒化ホウ素層3の絶縁性を確保することができる。
また、傾斜Bドープダイヤモンド層31の厚さは、前述の第2の参考例の紫外線発光素子20におけるアンドープダイヤモンド層21と同様に、0.01乃至5μmであることが望ましい。傾斜Bドープダイヤモンド層31の厚さが0.01μm未満の場合、正孔が電極に到達しないようにバリアする効果が低減することがあり、また、傾斜Bドープダイヤモンド層31の厚さが5μmを超えると、抵抗値が高くなりすぎて、紫外線発光が生じないことがある。更に、傾斜Bドープダイヤモンド層31も、Bドープダイヤモンド層2と同様に、CVD法により合成された多結晶ダイヤモンド、高配向性ダイヤモンド、ヘテロエピタキシャルダイヤモンド、微結晶ダイヤモンド及び超微結晶ダイヤモンド等により形成することができる。なお、本実施形態の紫外線発光素子30における上記以外の構成は前述の第2の参考例の紫外線発光素子20と同様である。
次に、本実施形態の紫外線発光素子30の動作について説明する。図6は本実施形態の紫外線発光素子30における発光機構を模式的に示す図である。図6に示すように、本実施形態の紫外線発光素子30においては、外部電源(図示せず)により、電極4に負の電圧が印加されると共に、導電性基板1に正の電圧が印加される。これにより、電極4で電子5が生成し、この電子5が六方晶窒化ホウ素層3及び傾斜Bドープダイヤモンド層31を通過して、Bドープダイヤモンド層2の伝導帯に注入される。一方、導電性基板1では正孔6が生成し、多量の正孔6がBドープダイヤモンド層2へ注入される。そして、この正孔6と伝導帯に注入された電子5とが再結合し、紫外線7が発生する。
実施形態の紫外線発光素子30においては、Bドープダイヤモンド層2と六方晶窒化ホウ素層3との間に傾斜Bドープダイヤモンド層31を形成しているため、前述の第2の参考例の紫外線発光素子20のように、Bドープダイヤモンド層2と六方晶窒化ホウ素層3との間にアンドープダイヤモンド層21を形成した場合に比べて、Bドープダイヤモンド層2と六方晶窒化ホウ素層3との界面近傍における正孔濃度を調節することができ、発光輝度を最適化することができる。なお、本実施形態の紫外線発光素子30における上記以外の効果は前述の第2の参考例の紫外線発光素子20と同様である。
なお、本実施形態の紫外線発光素子においては、導電性基板上にBドープダイヤモンド層を形成し、六方晶窒化ホウ素層上に電極を形成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、導電性基板上に六方晶窒化ホウ素層及びBドープダイヤモンド層をこの順に形成し、Bドープダイヤモンド層上に電極を形成してもよい。このような構造の紫外線発光素子の場合は、導電性基板に負の電圧を印加し、電極に正の電圧を印加する。
以下、本発明の実施例の効果について、本発明の範囲から外れる比較例と比較して説明する。先ず、本発明の参考例1として、図1に示す紫外線発光素子10を作製した。具体的には、導電性基板1としてp形の低抵抗シリコン基板を使用し、このシリコン基板上にマイクロ波プラズマCVD法により、Bドープダイヤモンド層2を形成した。その際、原料ガスには、0.5体積%のメタン(CH)と99.5体積%の水素(H)との混合ガスに、ドーピングガスとしてジボラン(B)を添加したものを使用し、原料ガス中の炭素(C)に対するホウ素(B)の原子数比(以下、B/Cという)は、3300ppmとした。また、基板温度は800℃、ガス圧は5300Pa、合成時間は30時間とした。これにより、厚さが2μmで、Bドーピング濃度が3.3×1020/cmのBドープダイヤモンド層2が得られた。
その後、Bドープダイヤモンド層2上にスパッタ法により、基板温度を400℃とし、窒素雰囲気中で、厚さが0.1μmの六方晶窒化ホウ素層3を形成した。そして、六方晶窒化ホウ素層3上に、電子ビーム蒸着法により、Al電極を形成して参考例1の紫外線発光素子を得た。
次に、本発明の参考例2として、図3に示す紫外線発光素子20を作製した。具体的には、前述の実施例1の紫外線発光素子と同様の方法及び条件で、導電性基板1上に厚さが2μmのBドープダイヤモンド層2を形成した後、マイクロ波プラズマCVD法により、Bドープダイヤモンド層2上に、厚さが0.1μmのアンドープダイヤモンド層21を形成した。その際の成膜条件は、原料ガスには、0.5体積%のCHと99.5体積%のHとの混合ガスを使用し、基板温度は800℃、ガス圧は5300Pa、合成時間は30時間とした。そして、このアンドープダイヤモンド層21上に、前述の参考例1と同様の方法及び条件で、厚さが0.1μmの六方晶窒化ホウ素層3を形成した後、Pt電極を形成して参考例2の紫外線発光素子を得た。
次に、本発明の実施例として、図5に示す紫外線発光素子30を作製した。具体的には、前述の参考例1の紫外線発光素子と同様の方法及び条件で、導電性基板1上に厚さが2μmのBドープダイヤモンド層2を形成した。その後、引き続き、マイクロ波プラズマCVD法により、原料ガス中のB濃度を一定の割合で減少させつつダイヤモンドを合成して、原料ガス中のB/Cが0になった後で合成を終了した。これにより、Bドープダイヤモンド層2上に、厚さが0.1μmで、Bドープダイヤモンド層2との界面部分におけるBドーピング濃度が3.3×1020/cmであり、表面部分のBドーピング濃度が0である傾斜Bドープダイヤモンド層31を形成した。そして、傾斜Bドープダイヤモンド層31上に、前述の参考例1と同様の方法及び条件で、厚さが0.1μmの六方晶窒化ホウ素層3を形成した後、Au電極を形成して実施例の紫外線発光素子を得た。
次に、本発明の比較例として、従来の構造の発光素子を作製した。具体的には、前述の参考例1の紫外線発光素子と同様の方法及び条件で、導電性基板上に厚さが2μmのBドープダイヤモンド層を形成した後、マイクロ波プラズマCVD法により、Bドープダイヤモンド層上に、厚さが0.1μmのアンドープダイヤモンド層を形成した。その際の成膜条件は、原料ガスには、0.5体積%のCHと99.5体積%のHとの混合ガスを使用し、基板温度は800℃、ガス圧は5300Pa、合成時間は1時間とした。
このようにして作製した参考例、参考例、実施例1及び比較例1の紫外線発光素子について、発光強度及び電流値を測定した。その結果を下記表1に示す。なお、下記表1に示す発光強度は、比較例1の紫外線発光素子の発光強度を1としたときの相対値である。また、図7は横軸に波長をとり、縦軸に発光強度をとって、参考例2の紫外線発光素子の発光スペクトルを示す図である。
Figure 0004592439
上記表1に示すように、参考例1、参考例2、及び実施例1の紫外線発光素子は、従来の素子構造の比較例1の紫外線発光素子に比べて、180乃至250倍の発光強度が得られ、更に、消費電力(=電圧×電流)は、比較例1の紫外線発光素子の50乃至60%に低減していた。また、図7に示すように、参考例2の紫外線発光素子では、220乃至240nmに強い紫外線発光が見られた。
本発明のダイヤモンド紫外線発光素子は、殺菌、樹脂等の表面処理及び発光デバイス等に好適である。
本発明の第1の参考例に係る紫外線発光素子の構造を示す断面図である。 本発明の第1の参考例に係る紫外線発光素子の発光機構を模式的に示す図である。 本発明の第2の参考例に係る紫外線発光素子の構造を示す断面図である。 本発明の第2の参考例に係る紫外線発光素子の発光機構を模式的に示す図である。 本発明の実施形態に係る紫外線発光素子の構造を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る紫外線発光素子の発光機構を模式的に示す図である。 横軸に波長をとり、縦軸に発光強度をとって、参考例2の紫外線発光素子の発光スペクトルを示す図である。 特許文献1に記載の従来の発光素子の構造を示す断面図である。 特許文献2に記載の従来の発光素子の構造を示す断面図である。 特許文献3に記載の従来の発光素子の構造を示す断面図である。
符号の説明
1、102、121;導電性基板
2、103、113、122;Bドープダイヤモンド層
3;六方晶窒化ホウ素層
4、101、105、115、117、124、125;電極
5;電子
6;正孔
7;紫外線
21、104、112、116、123;アンドープダイヤモンド層
31;傾斜Bドープダイヤモンド層
10、20、30;紫外線発光素子
106;電源
111;基板
114、118;高濃度Bドープダイヤモンド層

Claims (7)

  1. ホウ素がドープされたホウ素ドープダイヤモンド層と、このホウ素ドープダイヤモンド層上に形成され前記ホウ素ドープダイヤモンド層から遠ざかるに従いホウ素濃度が減少する傾斜ホウ素ドープダイヤモンド層と、この傾斜ホウ素ドープダイヤモンド層上に形成された絶縁性の六方晶窒化ホウ素層と、前記ホウ素ドープダイヤモンド層、前記傾斜ホウ素ドープダイヤモンド層及び前記六方晶窒化ホウ素層の積層体に給電する手段と、を有することを特徴とするダイヤモンド紫外線発光素子。
  2. 前記給電手段は、前記六方晶窒化ホウ素層上に形成された電極を有することを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド紫外線発光素子。
  3. 前記給電手段は導電性基板を有し、前記ホウ素ドープダイヤモンド層は前記導電性基板上に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のダイヤモンド紫外線発光素子。
  4. 前記傾斜ホウ素ドープダイヤモンド層の厚さは、0.01乃至5μmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のダイヤモンド紫外線発光素子。
  5. 前記ホウ素ドープダイヤモンド層の厚さは、0.1乃至100μmであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のダイヤモンド紫外線発光素子。
  6. 前記ホウ素ドープダイヤモンド層におけるホウ素のドーピング濃度は、1019/cm以上であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のダイヤモンド紫外線発光素子。
  7. 前記六方晶窒化ホウ素層の厚さは、0.01乃至5μmであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のダイヤモンド紫外線発光素子。
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