JP2018014161A - 電子放出材料および電子放出素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温駆動時においても仕事関数を低く維持できる電子放出材料および当該材料を使用した電子放出素子を実現する。【解決手段】ダイヤモンド膜(11)と、ダイヤモンド膜の表面に結合する酸素(12)と、酸素を介してダイヤモンド膜に結合する終端金属(13)と、を含む電子放出材料であって、ダイヤモンド膜は、不純物をドープしたN型ダイヤモンド半導体であり、終端金属は、Na、K、Rb、Cs、Mgのうち少なくとも1つを含む電子放出材料。互いに対向するように配置されたエミッタ電極(3)とコレクタ電極(4)からなる一対の電極を備え、エミッタ電極は、電子放出を行う電極であって、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電子放出材料で構成される電子放出素子。【選択図】図1

Description

本発明は、熱エネルギーや光エネルギーを電気エネルギーに変換する際に用いられる電子放出材料および当該電子放出材料を用いた電子放出素子に関する。
電子放出素子として、例えば、電界放出素子、熱電子発電素子が挙げられる。電界放出素子は、金属及び半導体材料に高電界を印加することにより電子が放出される現象を利用したものであり、カソード電極とアノード電極に電圧を印加することにより、カソード電極から電子が放出され、アノード電極に到達する。熱電子発電素子は、高温の電極表面から熱電子が放出される現象を利用して、熱エネルギーを電気エネルギーに変換するものであり、エミッタ電極を高温にすることで熱電子が放出され、コレクタ電極に到達する。
このような電子放出素子の特性を向上させるためには、電子を放出させるのに要する電界や熱などのエネルギーを下げることが必要である。
例えば熱電子発電素子においては、発電出力を向上するために、様々な検討がなされている。具体的には、例えば負性電子親和力(Negative Electron、Affinity:略称NEA、以下「NEA」という。)を示し、仕事関数を低下させる効果(以下「低仕事関数化」という。)が得られるダイヤモンドを用いた熱電子発電素子が挙げられる。これによれば、NEAの効果によってダイヤモンドの伝導帯のエネルギー準位が真空準位を上回る。この状態においては伝導帯にある電子自身が真空に飛び出すのに十分なエネルギーを有していることから、伝導帯にある電子を容易に真空に放出させることができる。つまり、NEAの効果により真空準位とフェルミ準位との差、すなわち仕事関数を小さくすることで、電極表面からの極めて高効率な熱電子放出が可能となり、金属に比べて低温で高効率な発電が可能となる。
また、例えば低温で高効率な熱電子発電を行うために光により励起した電子を用いる光励起熱電子発電(Photon Enhanced Thermionic Emmissoin:略称PETE、以下「PETE」という。)なども挙げられる。これによれば、エミッタ電極に光を照射していったん光により電極材料の電子を励起させた後に、熱で電子を放出させるため、熱のみによる手法に比べて低温で電子が飛び出す。そのため、さらに発電出力が向上する。
加えて、近年では、シリコン基板上のダイヤモンド膜を用いたPETEの可能性も検討されており、シリコン基板中の電子が光励起され、この励起されたシリコン基板の電子がダイヤモンド膜からの熱電子放出に寄与していることが明らかにされている。さらに、特許文献1に示される電子放出材料においては、ダイヤモンド膜表面に酸素を介してリチウム(Li)により終端すると、ダイヤモンド表面が水素で終端されているものよりも仕事関数が小さくなることが知られている。この低仕事関数化により電極材料表面から電子を放出させるために必要なエネルギーが低減されるため、さらに発電出力を向上させる効果が期待される。
US8617651号公報
ここで、ダイヤモンド膜表面をLiなどのアルカリ金属で被覆することで、ダイヤモンド膜表面を低仕事関数化することはできるが、その場合、アルカリ金属が化学結合によりダイヤモンド膜表面を終端していない。そのため、ダイヤモンド膜とアルカリ金属との相互作用は弱く、電極温度が高くなると、ダイヤモンド表面を被覆しているアルカリ金属がダイヤモンド表面から離脱してしまい、高温駆動時にダイヤモンド膜表面の仕事関数を低く維持することができない。
また、特許文献1の材料については、酸素を介してLiでダイヤモンド膜表面を終端することで高温駆動時におけるアルカリ金属のダイヤモンド表面からの離脱を抑制しつつ、仕事関数を低く維持できる。しかしながら、当該材料から熱電子を放出させ、十分な熱電子電流を得るためには高温で駆動する必要がある。このことから、酸素を介してLiで終端したダイヤモンド膜では、高温駆動時における安定性が得られるものの、ダイヤモンド膜表面の低仕事関数化についてはまだ十分ではないと考えられる。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、高温駆動時における仕事関数を低く維持できる電子放出材料および当該材料を使用した電子放出素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の電子放出材料は、ダイヤモンド膜(11)と、ダイヤモンド膜の表面に結合する酸素(12)と、酸素を介してダイヤモンド膜に結合する終端金属(13)と、を含む電子放出材料であって、ダイヤモンド膜は、不純物をドープしたN型ダイヤモンド半導体であり、終端金属は、Na、K、Rb、Cs、Mgのうち少なくとも1つを含む。
ダイヤモンド膜の表面に酸素を介してNa、K、Rb、Cs、Mgのうち少なくとも1つの金属で終端することにより(以下、ダイヤモンド膜を終端する金属を「終端金属」という。)、ダイヤモンド膜の仕事関数を低くすることができる。また、終端金属が酸素を介してダイヤモンド膜と結合することにより、終端金属と酸素との間にクーロン力が働き、これらがクーロン結合する。その結果、終端金属が高温に加熱されても前述のクーロン結合により終端金属がダイヤモンド膜から離脱しにくくなる。よって、このような構成とすることにより、高温駆動時においても終端金属がダイヤモンド膜から離脱せずに安定であり(以下「高温安定性」という。)、表面の仕事関数を低く維持できる電子放出材料とできる。
請求項3に記載の電子放出材料は、ダイヤモンド膜(11)と、ダイヤモンド膜の表面に結合する酸素(12)と、酸素を介してダイヤモンド膜に結合する結合する第1金属層(14)と、第1金属層の上に積層された第2金属層(15)と、を含む電子放出材料であって、ダイヤモンド膜は、不純物をドープしたN型ダイヤモンド半導体であり、第1金属層は、Li、Na、K、Rb、Cs、Mgのうち少なくとも1つを含み、第2金属層は、Li、Na、K、Rb、Cs、Mgのうち第1金属層とは異なる金属を少なくとも1つを含む。
ダイヤモンド膜の表面に上記の第1金属層を備え、第1金属層の上に上記の第2金属層を積層する。これに加えて、第1金属層のアルカリ金属、Mgのうち少なくとも1つを含む金属が酸素を介してダイヤモンド膜と結合することにより、高温安定性と低仕事関数化を両立できる。また、さらに第2金属層の終端金属により、第1金属層により高温安定性を確保しつつ、さらにダイヤモンド膜の表面を低仕事関数化した電子放出材料とできる。
請求項4に記載の電子放出素子は、互いに対向するように配置されたエミッタ電極(3)とコレクタ電極(4)からなる一対の電極を備え、エミッタ電極は、電子放出を行う電極であって、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電子放出材料で構成される。
高温安定性を確保しつつ、仕事関数を低く維持できる請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電子放出材料をエミッタ電極として適用することにより、エミッタ電極からの電子放出の効率を高くすることができる。これにより、電子放出効率の高い電子放出素子とすることができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態の電子放出材料を備えた電極を示す断面図である。 ダイヤモンド半導体薄膜の表面を酸素で終端した場合と酸素を介してアルカリ金属で終端した場合のそれぞれのエネルギーバンド図である。 第2実施形態の電子放出材料を備えた電極を示す断面図である。 第3実施形態の熱電子発電素子を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態の電子放出材料10について、図1を参照して説明する。図1では、基板1に本実施形態の電子放出材料10を電極に対して適用した例を示している。基板1としては、例えばMoやSiなどを使用することができる。電子放出材料10は、材料表面から電子放出を行う材料であり、例えば熱電子発電素子、光励起電子放出素子、光励起熱電子発電素子などにおいて電子放出を行うエミッタ電極として用いることができる。
本実施形態の電子放出材料10は、ダイヤモンド半導体であるダイヤモンド膜11と、ダイヤモンド膜11の表面に結合する酸素(以下「結合酸素12」という。)と、該酸素を介してダイヤモンド膜11と結合する終端金属13とにより構成されている。また、図1のMは、終端金属13を示している。
ダイヤモンド膜11は、例えば窒素や燐などの不純物を高濃度、例えば1×1020cm−3〜1×1021cm−3でドープしたN型のダイヤモンドの薄膜で構成されている。このドープ濃度については、高いほうが好ましい。ドープ濃度が低いと、励起される熱電子が少なく、電子放出の効率が低くなるためである。また、ダイヤモンド膜11に添加する半導体不純物としては、例えば、N(窒素)、P(燐)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、S(硫黄)等が用いられる。
次に、結合酸素12については、ダイヤモンド膜11を形成した時点では存在していないが、後述する製造工程のオゾン酸化処理または酸素プラズマ表面処理、酸素ラジカル処理によりダイヤモンド膜11の表面に形成されたものである。
次に、終端金属13については、ダイヤモンド膜11の表面に結合酸素12を形成した後、後述する製造工程の蒸着等を行うことで、結合酸素12を介してダイヤモンド膜11を終端したものである。終端金属13は、例えばNa(ナトリウム)、K(カリウム)、Rb(ルビジウム)、Cs(セシウム)、Mg(マグネシウム)のうち少なくとも1つを含む金属である。なお、終端金属13は、2種以上のアルカリ金属の組み合わせであってもよく、アルカリ金属とMgの組み合わせであってもよく、2種以上のアルカリ金属とMgの組み合わせであってもよい。
ここで、ダイヤモンド膜11の表面に酸素を介してアルカリ金属およびMgのうち少なくとも1つの金属で終端することについての効果を、酸素終端した場合とアルカリ金属、例えばCsで終端した場合とを比較して図2を参照して説明する。
図2(a)は電子放出材料を構成するダイヤモンド膜11の表面を酸素終端した場合、図2(b)は電子放出材料を構成するダイヤモンド膜11の表面に酸素を介してCsで終端した場合のエネルギーバンド図である。
まず、電子放出材料を構成するダイヤモンド膜11の表面を酸素終端した場合、図2(a)に示されるように、正の電子親和力により真空準位が伝導帯よりも高くなる(ΔE>0)。このため、伝導帯にある電子を真空に放出するにはエネルギーが必要となり、この状態では、真空準位とフェルミ準位との差である仕事関数が高くなる。すなわち、電子を放出させるために要するエネルギーが高く、電子放出の効率が悪い。一方、図2(b)に示されるように、電子放出材料を構成するダイヤモンド膜11の表面に酸素を介して例えばCsで終端した場合、NEAにより、真空準位が伝導帯よりも低くなる(ΔE<0)。このため、伝導帯にある電子は、エネルギー=0で真空に放出させることができ、この状態では仕事関数が低い。言い換えれば、仕事関数が低くなるように調整することで、高効率な電子放出が実現できるということである。
このように、電子放出材料10を構成するダイヤモンド膜11の表面の終端構造によって、電子親和力の極性を変えることができる。そして、ダイヤモンド膜11の表面に酸素を介してアルカリ金属およびMgのうち少なくとも1つを含む金属で終端したものを、終端構造とすると、極めて安定なNEAを得ることができ、高効率な熱電子放出を長時間において実現することが可能となる。
ここで、本発明者らは、ダイヤモンド膜表面の低仕事関数化と高温安定性との両立の観点から終端金属13についての鋭意検討を行った。その結果、終端金属13をアルカリ金属とした場合においては、Li、Na、K、Rb、Csと原子量が多くなるにつれて、ダイヤモンド膜11の仕事関数が低くなる傾向があり、Na、K、Rb、Csを選択することでLiに比べて電子放出の効率が上がることを見出した。その一方で、終端金属13をアルカリ金属とした場合においては、Li、Na、K、Rb、Csと原子番号が多くなるにつれて、高温時においてアルカリ金属がダイヤモンド膜11から離脱しやすくなる傾向があることを見出した。すなわち、低仕事関数化と高温安定性とがトレードオフの関係となっており、駆動温度に合わせて適宜選択することで低仕事関数化でき、電子放出の効率に優れた電子放出材料10とすることができる。
次に、本発明の電子放出材料の製造方法の一例について説明する。
ダイヤモンド膜11については、例えばマイクロ波CVD(chemical vapor depositionの略)法により、例えば窒素をドープしたN型ダイヤモンド膜として形成する。この際、反応ガスとして例えばCHをHで希釈した混合ガスを用い、ドーパントとしては例えばNガスを用いる。そして、これらのガス流量を調整することで窒素のドーピング量を調整する。
具体的には、例えばMoやSiなどの基板1にダイヤモンド膜11を形成する場合、マイクロ波CVDの真空チャンバー内に基板1をセットする。そして、真空チャンバーを減圧して、基板1を例えば600〜1100℃の範囲内で加熱する。その後、真空チャンバー内に、CHをHで希釈した混合ガス(CH濃度:0.05〜5%)とNガスを導入する。この際、Nガスと混合ガスとの混合の割合を、混合ガス中のCHの炭素を1とした場合においてNの窒素が例えば1〜200となるように調整する。また、この際の反応圧力については、例えば40〜150Torrの範囲内で調整し、マイクロ波電源の投入電力については例えば500〜1500Wの範囲内で調整する。そして、これらの混合ガスをマイクロ波で反応させながら例えば100nmの厚みのダイヤモンド膜11を成膜する。これにより、窒素が高濃度でドープされたN型ダイヤモンドの薄膜が得られる。なお、燐をドープしたN型ダイヤモンドの薄膜とする場合には、上記のNガスをPHガスに置き換えることで燐を高濃度でドープしたN型ダイヤモンドの薄膜とすることができる。
なお、ダイヤモンド膜11の膜厚に関しては、熱電放出に対する膜厚依存性が確認されなかったことから特に上限はないが、少なくとも100nm以上であって基板の表面全面に偏り無く同じ厚みで形成されているのが好ましい。これは100nm未満になると膜として形成されない欠陥部位が生じ、エミッタ電極3として使用する場合に電子放出の効率が低下するおそれがあるためである。一方で、ダイヤモンド膜11の膜厚を必要以上に増加させる理由はなく、むしろ製造コストの増加につながるため、欠陥部位が生じない程度の膜厚であれば十分である。
次に、例えばダイヤモンド膜11を紫外線で酸素を分解して発生させたオゾンによる酸化処理を行い、ダイヤモンド膜11の表面を酸素で終端する。続けて、酸素で終端されたダイヤモンド膜11に、アルカリ金属、例えばCsの真空蒸着を行い、Csで終端して電子放出材料10を得る。
なお、終端金属13を複数の金属で構成する場合には、複数の蒸着源からアルカリ金属等を共蒸着することでダイヤモンド膜11の表面に複数の金属を終端させることができる。
このような製造方法により、低仕事関数化をしつつ、高温安定性に優れた電子放出材料10を製造できる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の電子放出材料10について、図3を参照して説明する。図3では、図1と同様に基板1に本実施形態の電子放出材料10を電極として形成した例を示しており、M1については後述する第1金属層14、M2については後述する第2金属層15を示している。本実施形態の電子放出材料10は、ダイヤモンド膜11と、ダイヤモンド膜11に結合する結合酸素12と、結合酸素12を介してダイヤモンド膜11と結合する第1金属層14と、該第1金属層14の上に積層された第2金属層15とにより構成されている。また、第1金属層14と第2金属層15は、互いに異なる後述する金属により構成されている。つまり、本実施形態の電子放出材料10は、ダイヤモンド膜11と結合酸素12を介して第1金属層14が結合しているだけでなく、それに加えて、第2金属層15を第1金属層14の上に積層した構成である点が上記第1実施形態と相違する。また、上記第1実施形態の電子放出材料10の終端金属13となりうる金属については、Na、K、Rb、Cs、Mgであったが、本実施形態の第1金属層14および第2金属層15については、これらに加えてLiを含む点も上記第1実施形態と相違する。本実施形態については、これらの相違点について主に説明する。
ここで、第1金属層14と第2金属層15に用いる金属についての制限はないが、第1金属層14についてはLi、Na、Mgなどの高温安定性が高い金属を用い、第2金属層15についてはRb、Csなどのより低仕事関数化できる金属を用いることが好ましい。本発明者らが鋭意検討した結果、より低仕事関数化できるRbやCsを終端金属とした第1実施形態の電子放出材料10に比べ、低仕事関数化しつつも高温安定性を向上できることを見出したからである。
具体的には、例えばダイヤモンド膜11に結合酸素12を介してLiを結合させて第1金属層14とし、この第1金属層14の上にCsを積層して第2金属層15を形成した場合を例に説明する。第1金属層14にLiを用いる場合には、低仕事関数化についてはまだ十分ではないが、高温安定性に優れる。さらに第1金属層14であるLiの上にCsを第2金属層15として積層して終端することにより、表面をさらに低仕事関数化することができる。また、アルカリ金属のLiの上に、同じアルカリ金属のCsを積層することで、安定した仕事関数が得られる。つまり、同じCsであっても、第1実施形態のように終端金属13とした場合よりも、本実施形態の第2金属層15とした場合のほうが、高温駆動時におけるダイヤモンド膜11の表面からの離脱が起きにくくなる。このようにして、本実施形態の電子放出材料10は、第1実施形態の電子放出材料10に比べて、低仕事関数化しつつ、より高温安定性を備える。
また、第1金属層14については、2種以上のアルカリ金属の組み合わせであってもよく、アルカリ金属とMgの組み合わせであってもよく、Mgと2種以上のアルカリ金属との組み合わせであってもよい。さらに、第2金属層15についても、第1金属層14と同様である。
なお、本実施形態の電子放出材料10については、第1実施形態の電子放出材料10を製造後に続けて第2金属層15を例えば蒸着などにより成膜することで製造することができる。
このような製造方法により、低仕事関数化をしつつ、高温安定性に優れた電子放出材料10を製造できる。
(第3実施形態)
次に、電子放出材料10を用いた素子、例えば熱電子発電素子の例について図4を参照して説明する。図4に示すように、熱電子発電素子20は、互いに対向するように配置された2つの基板1、2と、互いに離された状態で2つの基板1、2の間に配置され、該2つの基板にそれぞれ積層されたエミッタ電極3およびコレクタ電極4と、を備えている。
次に、電子放出材料10を熱電子発電素子20に適用する場合の具体的な構成例について説明する。
熱電子発電素子20の場合、基板1は、例えばモリブデン等で構成された導電性基板とされる。基板2は、例えばAl等で構成された絶縁基板とされる。ここで、絶縁基板とは、酸化物、窒化物、セラミック、高抵抗の半導体材料等の高抵抗材料で構成された基板をいう。
次に、図4に示すように、基板1にはエミッタ電極3が積層されている。エミッタ電極3は、熱をかけることにより電子を放出するカソード電極であり、ダイヤモンド半導体である電子放出材料10で構成されている。
また、図4に示すように、基板2にはコレクタ電極4が積層されている。コレクタ電極4は、電極エミッタ3から放出された電子を捕獲するアノード電極であり、金属や低抵抗の半導体材料等の導電材料で構成されている。本実施形態では、コレクタ電極4は、モリブデンで構成されている。
そして、エミッタ電極3およびコレクタ電極4については、図4に示されるように、互いに電極が向かい合うように一定間隔離間して対向配置され、これらの電極の間は真空とされている。これらの電極間の間隔については、熱電電子発電に適した間隔とされており、例えば5〜50μmとされている。この間隔は、エミッタ電極3とコレクタ電極4とを空間を空けて離れた配置にすることによって保たれるようにしてもよいが、スペーサーを介していてもよい。スペーサーを介する場合には、例えばこの間隔と対応する膜厚の図示しない絶縁体などをエミッタ電極3とコレクタ電極4もしく基板2との間または基板1とコレクタ電極4もしくは基板2との間に挟み込む。このようにスペーサーを介して固定することで、より確実に間隔が保たれるようにすることができる。なお、スペーサーを用いる場合には、エミッタ電極3とコレクタ電極4が電気的に絶縁される構造となっていればよい。
ここで、熱電子発電素子20の作動原理について説明する。図2(b)で説明したように、熱電子発電素子20は、電極表面から熱電子が放出される現象を利用して、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する。具体的には、外部の熱源から熱がエミッタ電極3に加わると、電子がエミッタ電極3であるダイヤモンド半導体の不純物準位から伝導帯に励起される。図2(b)に示されるようにダイヤモンド半導体の伝導帯はNEAによって真空準位よりエネルギー準位が高くなり、伝導帯に励起された熱電子は障壁なく真空中へ飛び出す。このように、高温になったエミッタ電極3の表面から熱電子が放出され、コレクタ電極4に到達する。このようにして、コレクタ電極4に到達した熱電子が負荷5を介してエミッタ電極3に戻る際に起電力を生じるため、熱電子発電素子20は、負荷5に対して電力を供給することができる。
このように、本実施形態では、高温であっても仕事関数を低く維持する電子放出材料10をエミッタ電極3として用いていることから、高温であっても熱電子の放出量の低下が抑制され、発電の効率や出力の高い熱電子発電素子20となる。
次に、第1、第2、第3実施形態にて示した電子放出材料10を用いた場合の効果を、次の各実施例1〜5、比較例1〜4および表1を参照して、より具体的に述べることとする。表1では、基板1にMoを用い、基板1に構成別の電子放出材料を熱電子放出素子のエミッタ電極3として形成し、所定の電極温度における熱電子電流を測定した結果を示している。
なお、表1における「終端原子」とは、ダイヤモンド膜11の表面を終端する原子である。また、表1の「電極温度(℃)」とは、熱電子電流を測定した際の基板の電極温度である。さらに、表1の「熱電子電流(A/cm)」とは、真空蒸着機の真空チャンバー内に一対の電極基板を対向して配置し、真空下においてダイヤモンド膜11を形成した一方のMo基板を加熱し、当該温度における当該電極間の電流の測定値である。加えて、表1の実施例5における終端原子の欄における「Rb+Cs」とは、第1金属層14としてRb、第2金属層15としてCsを成膜した積層状態を意味する。また、表1の比較例1の終端原子の欄における「O」とは、ダイヤモンド膜11の表面に結合酸素12を形成しただけの状態であることを意味する。さらに、表1の比較例4の終端原子の欄における「H」とは、ダイヤモンド膜11の表面を水素終端した状態であることを意味する。また、表1の熱電子電流の欄における「測定不可」とは、測定限界値である1.0×10−9A/cm未満であることを意味する。
Figure 2018014161
(実施例1)
実施例1の電子放出材料については、Moからなる基板1にダイヤモンド膜11を形成して、ダイヤモンド膜11の表面にオゾン酸化処理により結合酸素12を設けた上で、基板を500℃に加熱しNaを供給することにより該結合酸素12に対してNaを供給し、終端金属13をNaとした。そして、実施例1の電子放出材料を形成した基板と対向する電極に電圧を印加し電極間に流れる熱電子電流を測定した。その結果、電極温度500℃における熱電子電流は7.1×10−8A/cmであった。
また、実施例1の電子放出材料においては、後述する比較例4のダイヤモンド膜11の表面を水素終端したものと同程度の熱電子電流が流れた。このことから、実施例1の電子放出材料は、水素終端した場合と同程度に低仕事関数化できていることが確認された。また、500℃の高温においても安定して電子放出すること、すなわち低仕事関数化を維持できることが確認された。
なお、ダイヤモンド膜11の表面をマイクロ波プラズマによる酸化処理によって作製したものであっても同等の測定結果を得た。
(実施例2)
実施例2の電子放出材料については、実施例1と同様の手順によりKを供給することで、ダイヤモンド膜11に結合酸素12を介してKで終端したものである。そして、実施例2の電子放出材料を形成した基板を500℃で加熱し、その際に前述の一対の電極間に流れる熱電子電流を測定した。その結果、電極温度500℃における熱電子電流は2.3×10−6A/cmであった。
これにより、実施例2の電子放出材料においては、実施例1を超える熱電子電流が流れ、Na終端の場合に比べてさらに低仕事関数化できることが確認された。また、実施例1と同様に低仕事関数化と高温安定性を両立できることが確認された。
(実施例3)
実施例3の電子放出材料については、実施例1と同様の手順によりRbを供給することで、ダイヤモンド膜11に結合酸素12を介してRbで終端したものである。そして、実施例3の電子放出材料を形成した基板を500℃で加熱し、その際に前述の一対の電極間に流れる熱電子電流を測定した。その結果、電極温度500℃における熱電子電流は3.6×10−4A/cmであった。
これにより、実施例3の電子放出材料においては、実施例2をさらに超える熱電子電流が流れ、K終端の場合に比べてさらに低仕事関数化できることが確認された。また、実施例1と同様に低仕事関数化と高温安定性を両立できることが確認された。
(実施例4)
実施例4の電子放出材料については、実施例1と同様の手順によりCsを供給することで、ダイヤモンド膜11に結合酸素12を介してCsで終端したものである。そして、実施例4の電子放出材料を形成した基板を500℃で加熱し、常にCsを供給してその際に前述の一対の電極間に流れる熱電子電流を測定した。その結果、電極温度500℃における熱電子電流は4.0×10−3A/cmであった。
これにより、実施例4の電子放出材料においては、実施例3をさらに超える熱電子電流が流れ、Rb終端の場合に比べてさらに低仕事関数化できることが確認された。また、実施例1と同様に低仕事関数化と高温安定性を両立できることが確認された。
(実施例5)
実施例5の電子放出材料については、実施例3と同様の手順によりRbを供給してダイヤモンド膜11に結合酸素12を介してRbを結合させ、さらにCsを供給し当該Rbの上にCsを積層して終端したものである。そして、実施例5の電子放出材料を形成した基板を500℃で加熱し、常にCsを供給しその際に前述の一対の電極間に流れる熱電子電流を測定した。その結果、電極温度500℃における熱電子電流は2.7×10−3A/cmであった。
これにより、実施例5の電子放出材料においては、実施例3を超える熱電子電流が流れ、Rbで終端した場合に比べてさらに低仕事関数化できることが確認された。また、実施例1と同様に低仕事関数化と高温安定性を両立できることが確認された。
(比較例1)
比較例1の電子放出材料では、実施例1とは異なり、アルカリ金属等の蒸着を行わず、ダイヤモンド膜11の表面を酸素で終端したものである。そして、実施例1の電子放出材料を形成した基板を500℃で加熱し、その際に前述の一対の電極間に流れる熱電子電流を測定した。その結果、電極温度500℃においては熱電子電流を測定できず、測定限界の1.0×10−9A/cm未満であった。さらに電極温度を730℃にまで上げたものの、この場合であっても熱電子電流を測定することができなかった。
このことから、ダイヤモンド膜11の表面を酸素で終端した電子放出材料においては、図2(a)での説明のようにNEAが起きておらず、仕事関数が大きいために、熱電子電流が流れなかったと考えられる。
(比較例2、3)
比較例2、3の電子放出材料では、実施例1と同様の手順によりLiを蒸着してダイヤモンド膜11に結合酸素12を介してLiで終端したものである。比較例2と比較例3との違いは、電極温度である。まず、比較例2については、電子放出材料を形成した基板を500℃で加熱し、その際に前述の一対の電極間に流れる熱電子電流を測定した。その結果、電極温度500℃においては熱電子電流を測定できず、測定限界の1.0×10−9A/cm未満であった。比較例3ではさらに電極温度を上げて730℃にしたところ、電極温度730℃における熱電子電流は5.7×10−7A/cmであった。
比較例2および比較例3の構成の電子放出材料においては、電極温度が500℃においては測定できるほどの熱電子電流が流れず、熱電子電流を測定するためには電極温度を730℃にまで上げる必要があった。このことから、Liで終端した電子放出材料については、酸素終端した場合に比べると低仕事関数化できているものの、電極温度を実施例1〜5に比べて高温にしなければ同等の熱電子電流が流れないため、低仕事関数化が十分でないと考えられる。
(比較例4)
比較例4の電子放出材料では、比較例1と同様の手順によりアルカリ金属を蒸着せず、ダイヤモンド膜11の表面に水素で終端したものである。比較例4の電子放出材料を形成した基板を500℃で加熱し、その際に前述の一対の電極間に流れる熱電子電流を測定した。その結果、電極温度500℃における熱電子電流は2.2×10−7A/cmであった。
このことから、水素終端した電子放出材料については、実施例1〜5の場合に比べると熱電子電流が同等以下であるため、比較例1の電子放出材料よりも低仕事関数化できているものの、低仕事関数化が十分でないと考えられる。
これにより、第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態で説明したように、ダイヤモンド膜11に結合酸素12を介してアルカリ金属で終端した電子放出材料10は、低仕事関数化しつつ、高温安定性に優れることが確認された。
なお、表1には表していないが、実施例1ないし5の電子放出材料10において、アルカリ金属の蒸着量をさらに上げたところ、熱電子電流が増加する現象が確認された。この結果は、ダイヤモンド膜11の表面積に対して終端金属13が覆う面積の割合、すなわち被覆率が十分に最適な状態ではないことを示していると考えられる。つまり、表1における終端金属13については、ダイヤモンド膜11の表面の被覆率を上げることで電子放出を行う部位が増え、熱電子電流の増加に繋がったと考えられる。このことは、ダイヤモンド膜11の表面を終端金属13で100%被覆しなくても高温安定性を確保しつつ、低仕事関数化した電子放出材料10となり、被覆率を適正化することにより電子放出材料10の電子放出特性をさらに向上できることを示唆している。
(他の実施形態)
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
例えば、電子放出素子については、熱電子発電素子を例として挙げたが、他にも光励起電子放出素子、光励起熱電子発電素子などが挙げられ、電子放出材料10をこれらの素子におけるエミッタ電極3として適用することができる。電子放出材料10は、高温駆動時においても仕事関数を低く維持することができるため、光励起電子放出素子や光励起熱電子発電素子などのエミッタ電極3として適用することにより、電子放出効率や発電効率の高い素子とすることができる。この場合の光励起電子放出素子などの構成については、公知の素子の構成をとることができる。
また、ダイヤモンド膜11の成膜は、上記の方法に限られず、例えばCVD法やスパッタ法にて行われ、RFプラズマCVD、DCプラズマCVD、RFプラズマスパッタ、DCプラズマスパッタ等により行ってもよい。また、ダイヤモンド膜11の薄膜を構成するN型ダイヤモンドは、単結晶と多結晶のいずれであっても構わない。例えば、高圧合成によって生成したダイヤモンド基板を用いる場合、その上にダイヤモンド膜11を例えばCVD法にて形成すると単結晶となる。
ダイヤモンド膜11の酸化処理方法として、上記第1実施形態では、オゾン処理を挙げたが、ダイヤモンド膜11の表面を酸化できればよく、酸素プラズマ処理、酸素ラジカル処理、熱混酸処理などであってもよく、他の方法であってもよい。
酸素プラズマ処理として、例えば真空プラズマによる方法について説明する。減圧下の容器中において酸素または酸素混合ガスをプラズマ化し、ダイヤモンド膜11に照射することで、ダイヤモンド膜11の表面を酸素で終端する。具体的には、アルゴンと酸素の混合ガス圧を30Paとした処理室内に、マイクロ波電力300Wを導入することでこれらのガスをプラズマ化し、処理室内に置いたダイヤモンド膜11を成膜した基板を処理する。ダイヤモンド膜基板とプラズマ生成部の間には、荷電粒子と中性粒子を分離するための電極が設置されており、電気的に中性な分子、原子あるいはラジカルを電極に設けられた複数の開口部を通して基板表面へ輸送できる。これに対し、プラズマ中のイオンは基板側にはほとんど拡散しない。
酸素プラズマ処理後のダイヤモンド膜表面の原子組成をXPSにより測定した結果、酸素比率は約7%であった。なお、プラズマ処理は、上記の方法および処理条件に限られず、例えば、RFプラズマ、DCプラズマ等により行ってもよい。
また、酸素ラジカル処理として、例えば大気圧プラズマによる方法について説明する。誘電体管内のガスを誘電体バリア放電により電離し、大気圧下において誘電体管から噴出するプラズマジェットをダイヤモンド膜11に照射し、表面を酸素で終端する。具体的には、内径4mmの石英管にHeガスを流し、石英管の外側に巻き付け密着させた銅電極に5〜10kVを印加しプラズマを生成する。放電部で生成されたHeイオンおよび準安定状態のHe原子が大気中の酸素と反応することで生成される酸素ラジカルにより、膜表面が酸素で終端される。
石英管先端から下流20mmの位置で処理したダイヤモンド膜表面の原子組成をXPSにより測定した結果、酸素比率は約25%であった。なお、プラズマ化するガスについては、Heに限られず、アルゴンなどの不活性ガスや、酸素または大気、それらの混合ガスを用いてもよい。
1、2 基板
3 エミッタ電極
4 コレクタ電極
10 電子放出材料
11 ダイヤモンド膜
12 結合酸素
13 終端金属
14 第1金属層
15 第2金属層
20 熱電子発電素子

Claims (7)

  1. ダイヤモンド膜(11)と、
    前記ダイヤモンド膜の表面に結合する酸素(12)と、
    前記酸素を介して前記ダイヤモンド膜に結合する終端金属(13)と、を含む電子放出材料であって、
    前記ダイヤモンド膜は、不純物をドープしたN型ダイヤモンド半導体であり、
    前記終端金属は、Na、K、Rb、Cs、Mgのうち少なくとも1つを含む電子放出材料。
  2. 前記終端金属は、Na、K、Rb、Cs、Mgのうち少なくとも2つを含む請求項1に記載の電子放出材料。
  3. ダイヤモンド膜(11)と、
    前記ダイヤモンド膜の表面に結合する酸素(12)と、
    前記酸素を介して前記ダイヤモンド膜に結合する結合する第1金属層(14)と、
    前記第1金属層の上に積層された第2金属層(15)と、を含む電子放出材料であって、
    前記ダイヤモンド膜は、不純物をドープしたN型ダイヤモンド半導体であり、
    前記第1金属層は、Li、Na、K、Rb、Cs、Mgのうち少なくとも1つを含み、
    前記第2金属層は、Li、Na、K、Rb、Cs、Mgのうち前記第1金属層とは異なる金属を少なくとも1つを含む電子放出材料。
  4. 互いに対向するように配置されたエミッタ電極(3)とコレクタ電極(4)からなる一対の電極を備え、
    前記エミッタ電極は、電子放出を行う電極であって、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電子放出材料で構成される電子放出素子。
  5. 前記電子放出素子は、前記一対の電極間を移動する熱電子を利用する熱電子発電素子である請求項4に記載の電子放出素子。
  6. 前記電子放出素子は、前記エミッタ電極から光励起により放出される電子を利用する光励起電子放出素子である請求項4に記載の電子放出素子。
  7. 前記電子放出素子は、前記一対の電極間を移動する熱電子を利用する光励起熱電子発電素子である請求項4に記載の電子放出素子。
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