JP6863020B2 - 触媒及びその製造方法、並びに固体高分子形燃料電池 - Google Patents

触媒及びその製造方法、並びに固体高分子形燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、触媒及びその製造方法、並びに固体高分子形燃料電池に係り、特に、炭素ナノ材料を含む触媒及びその製造方法、並びに固体高分子形燃料電池に関する。
カーボンナノチューブ等の炭素ナノ材料は、固体高分子形燃料電池等の触媒への利用が期待されており、研究が進められている。また、近年、窒素ドーピングを施した炭素ナノ材料に、触媒活性が発現することが知られている(特許文献1参照)。
特開2013−170093号公報
ところで、窒素ドーピングを施した炭素ナノ材料に触媒活性が発現するものの、固体高分子形燃料電池等の性能を向上させるためには、より触媒活性の優れた触媒が求められている。
そこで本発明の目的は、触媒活性に優れた触媒及びその製造方法、並びに固体高分子形燃料電池を提供することである。
本発明に係る触媒は、炭素粒子で形成される担持体と、前記担持体に担持され、鉄粒子と、鉄と窒素とを含む炭素ナノ繊維と、を有する触媒部と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る触媒において、前記炭素ナノ繊維は、2.69原子%以上3.59原子%以下のFeと、3.17原子%以上11.01原子%以下のNと、を含み、残部が炭素と不可避的不純物とからなることを特徴とする。
本発明に係る触媒において、前記炭素粒子は、カーボンブラックであることを特徴とする。
本発明に係る触媒において、前記触媒は、酸素還元触媒であることを特徴とする。
本発明に係る触媒の製造方法は、炭素粒子からなる基材に、鉄をスパッタリングして鉄粒子を点在させて形成する鉄粒子形成工程と、前記鉄粒子を点在させた基材に、プラズマ中で、鉄をスパッタリングすると共に、炭素源ガスと、窒素ガスとを供給して、前記炭素源ガスと、前記窒素ガスと、前記スパッタリングされた鉄とを、プラズマ中で同時に反応させて、鉄と窒素とを含む炭素ナノ繊維を形成する炭素ナノ繊維形成工程と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る触媒の製造方法において、前記鉄粒子形成工程は、前記基材と、鉄のターゲットとの間に、プラズマを生じさせて、前記基材を基材側のプラズマ周辺部に位置し、プラズマ中で前記鉄をスパッタリングすることを特徴とする。
本発明に係る触媒の製造方法において、前記鉄粒子形成工程と、前記炭素ナノ繊維形成工程とは、前記プラズマが、シートプラズマであることを特徴とする。
本発明に係る固体高分子形燃料電池は、上記に記載の触媒をカソード電極に備えることを特徴とする。
上記構成によれば、触媒が、鉄と窒素とを含む炭素ナノ繊維を有しているので、触媒活性をより高めることが可能となる。
本発明の実施の形態において、触媒の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態において、触媒の製造装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態において、パルス電圧を説明するための図である。 本発明の実施の形態において、基材がプラズマ中心部に位置している場合を示す図である。 本発明の実施の形態において、基材が基材側のプラズマ周辺部に位置している場合を示す図である。 本発明の実施の形態において、触媒の構成を示す模式図である。 本発明の実施の形態において、他の触媒の構成を示す模式図である。 本発明の実施の形態において、固体高分子形燃料電池の単セルの構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態において、固体高分子形燃料電池の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態において、実施例1、比較例1、2の触媒の走査型電子顕微鏡(SEM)の観察結果を示す写真である。 本発明の実施の形態において、走査型電子顕微鏡(SEM)による代表的な炭素ナノ繊維の測定点を示す写真である。 本発明の実施の形態において、実施例1及び比較例2の触媒の酸素還元反応特性を示すグラフである。
以下に本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、触媒の製造方法を示すフローチャートである。触媒の製造方法は、鉄粒子形成工程(S10)と、炭素ナノ繊維形成工程(S12)と、を備えている。
まず、触媒の製造装置について説明する。図2は、触媒の製造装置10の構成を示す図である。図2においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。そして、原点を、例えば、後述するプラズマ源に定め、水平面内における所定方向をX軸方法、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(鉛直方向)をZ軸方向とする。
触媒の製造装置10は、触媒を形成するための基材Wを収容するチャンバ12を有する装置本体14を備えている。チャンバ12は、チャンバ12内のガスを排気する排気口(図示せず)を有しており、装置本体14に設けられる真空ポンプ等の排気手段(図示せず)により真空排気可能に構成されている。
基材ホルダ16は、装置本体14のチャンバ12内に設けられており、触媒を形成するための基材Wを保持する機能を有している。基材ホルダ16は、基材表面(後述する触媒部が形成される面)と、XY平面とが略平行となるように基材Wを保持することが可能である。基材ホルダ16は、Z軸方向に移動可能に構成されており、後述するターゲットTを保持する保持部材42に対して近接離反可能に設けられている。基材ホルダ16は、ヒータ等で構成されており、基材温度を調整可能な基材温度調節器(図示せず)を有している。
原料ガス供給部18は、装置本体14に設けられており、チャンバ12に触媒を形成するための原料ガスを供給する機能を有している。原料ガス供給部18は、原料ガスを貯蔵した貯蔵タンク等からなる原料ガス供給源18aと、原料ガス供給源18aとチャンバ12とに接続され、原料ガス供給源18aからチャンバ12へ原料ガスを供給する供給管18bと、を有している。供給管18bには、原料ガスを供給または停止するための電磁バルブ等のバルブ機構18cが設けられている。
原料ガス供給部18は、例えば、メタン(CH)、エタン(C)、エチレン(C)、アセチレン(C)、又はそれらの混合物を含む炭化水素系ガス等の炭素源ガスと、窒素ガスとを供給可能である。原料ガス供給部18は、更に、水素ガス等を供給可能としてもよい。原料ガス供給部18は、これらのガスを、混合ガスとして供給してもよいし、別々に供給してもよい。
プラズマ生成部20は、装置本体14に設けられ、チャンバ12と連通する放電室22と、放電室22に設けられ、放電室22にプラズマを生成するための放電用ガスを供給する放電用ガス供給器24と、放電室22に設けられ、放電室22にプラズマを発生させるプラズマ源26と、を有している。
放電室22は、装置本体14にチャンバ12と連通して設けられている。放電室22とチャンバ12との接続部には、放電室22とチャンバ12とを連通させるための接続口28が設けられている。
放電用ガス供給器24は、放電室22に設けられており、放電室22にプラズマを生成するための放電用ガスを供給する機能を有している。放電用ガス供給器24は、放電用ガスを貯蔵した貯蔵ガスタンク等の放電用ガス供給源24aと、放電用ガス供給源24aと放電室22とに接続され、放電用ガス供給源24aから放電室22へ放電用ガスを供給する供給管24bと、を有している。供給管24bには、放電用ガスを供給または停止するための電磁バルブ等のバルブ機構24cが設けられている。放電用ガスには、例えば、アルゴンガス等の不活性ガスを用いることが可能である。
プラズマ源26は、放電室22に設けられており、放電室22にプラズマを生成する機能を有している。プラズマ源26には、例えば、特開平6−119992号公報、特開2001−240957号公報等に開示されているようなプラズマ銃(Plasma Gun)を用いることが可能である。プラズマ源26は、放電用ガスをアーク放電によりプラズマ化することができる。プラズマ源26は、例えば、タングステンフィラメントからの熱電子放出を利用した直流放電により、放電用ガスをプラズマ化してもよい。
プラズマ導入部30は、放電室22に設けられる一対のリング状電極32と、一対のリング状電極32と対向させてチャンバ12に設けられる対向電極34と、を有し、放電室22に発生させたプラズマをチャンバ12に導入する機能を有している。放電室22に発生させたプラズマの電子流は、一対のリング状電極32により加速され、接続口28を介してチャンバ12に導入(照射)される。
磁場生成部36は、チャンバ12に設けられ、チャンバ12と放電室22とを接続する接続口28を挟んで対向して配置される一対の永久磁石38を有し、チャンバ12に導入されるプラズマをシート状に整形する機能を有している。一対の永久磁石38は、同極同士(例えばN極同士、またはS極同士)を対向させて配置されている。プラズマは、接続口28を通過するときにはYZ平面内において略円形である。プラズマは、接続口28を通過後に、磁場生成部36により、YZ平面内においてY軸方向に長いシート状に整形される。なお、以下の説明においては、このシート状のプラズマをシートプラズマPと称する場合もある。なお、装置本体14に設けられ、大径で空芯のコイル39により、プラズマをシート状に整形することもできる。チャンバ12のX方向の両側に設けられたコイル39で発生させた磁場により、シートプラズマPとすることが可能である。このように、プラズマ生成部20と、プラズマ導入部30と、磁場生成部36とは、チャンバ12にプラズマを発生させるプラズマ発生手段としての機能を有している。
スパッタリング部40は、装置本体14に設けられ、ターゲットTを保持する保持部材42と、装置本体14に設けられ、ターゲットTに負のパルス電圧を印加するパルス電源44と、を有し、プラズマ中のイオン粒子でターゲットTをスパッタリングする機能を有している。
保持部材42は、装置本体14に設けられ、電極を含んで構成されており、基材ホルダ16に保持された基材Wと、ターゲットTとがシートプラズマPを挟んで対向するようにターゲットTを保持する。ターゲットTは、鉄(Fe)で形成されている。
パルス電源44は、装置本体14に設けられ、ターゲットTに負のパルス電圧を印加する機能を有している。パルス電源44は、スパッタ電圧として、ターゲットTに、例えば、50kHzから500kHzの負のパルス電圧を印加することが可能である。パルス電源44には、例えば、パルスDC電源等を用いることができる。ターゲットTに負のパルス電圧を印加することにより、ターゲットTが負の電位となるので、シートプラズマP中のアルゴンイオン等のイオン粒子が、ターゲットTをスパッタして、スパッタ粒子を放出することが可能となる。
図3は、パルス電圧を説明するための図である。図3では、横軸に時間を取り、縦軸に電圧を取り、パルス電圧のON時間をAで示し、パルス電圧のOFF時間をBで示している。パルス電源44を用いることにより、パルス電圧の大きさと、パルス電圧のON時間とパルス電圧のOFF時間との比であるデューティ比と、を変えて、ターゲットTからのスパッタ粒子の放出量を制御することで、後述する炭素ナノ繊維への鉄の導入量を精度よく調整することができる。デューティ比Dは、図3において、D=(A/B)×100で算出される。
パルス電圧がより高くなると炭素ナノ繊維への鉄の導入量がより大きくなり、パルス電圧がより低くなると炭素ナノ繊維への鉄の導入量がより小さくなる。デューティ比をより大きくすると炭素ナノ繊維への鉄の導入量がより大きくなり、デューティ比をより小さくすると炭素ナノ繊維への鉄の導入量がより小さくなる。このようにパルス電源44を用いることにより、パルス電圧の大きさと、デューティ比とを変えることができるので、ターゲットTからのスパッタ粒子の放出量を制御し、炭素ナノ繊維への鉄の導入量をより精度よく調整することが可能となる。
また、パルス電源44を用いることにより、ターゲット表面の異常放電を抑制することができる。より詳細には、ターゲットTが鉄からなるので、メタン等の炭素源ガスや、窒素ガスと反応し、ターゲット表面に炭化物や窒化物等の絶縁物が形成される。この絶縁物にアルゴンイオン等の正電荷が帯電するので、異常放電が生じ易くなる。パルス電源44を用いてパルス電圧のOFF時間を設けることにより、これらの正電荷を中和して異常放電を抑制することが可能となる。
制御部46は、原料ガス供給部18と、プラズマ生成部20と、プラズマ導入部30と、磁場生成部36と、スパッタリング部40と、基板温度調節器(図示せず)と、を制御する機能を有している。制御部46は、一般的なコンピュータシステム等により構成することが可能である。
次に、触媒の製造装置10を用いた触媒の製造方法について説明する。図1に示すように、触媒の製造方法は、鉄粒子形成工程(S10)と、炭素ナノ繊維形成工程(S12)と、を備えている。
鉄粒子形成工程(S10)は、炭素粒子からなる基材Wに、鉄をスパッタリングして鉄粒子を点在させて形成する工程である。鉄粒子形成工程(S10)は、基材Wと、鉄のターゲットTとの間に、プラズマを生じさせて、基材Wを基材側のプラズマ周辺部に位置し、プラズマ中で鉄をスパッタリングするとよい。
基材Wは、炭素粒子から構成されている。炭素粒子には、カーボンブラック等を用いることができる。炭素粒子の粒径は、1μmより小さいとよく、20nmから50nmであるとよい。基材Wは、例えば、ニッケルメッシュ等の金属メッシュに担持されて、基材ホルダ16に保持される。ターゲットTは、鉄で形成されている。ターゲットTは、純度が99.9%以上の純鉄で形成されているよい。鉄のターゲットTは、保持部材42に保持される。
次に、基材Wと、ターゲットTと、シートプラズマPとの位置関係について説明する。図4は、基材Wがプラズマ中心部に位置している場合を示す図である。図5は、基材Wが基材側のプラズマ周辺部に位置している場合を示す図である。図4に示すように、基材Wがプラズマ中心部に位置している場合には、基材WがターゲットTに対して相対的に近くなるので、基材Wに、スパッタリングされた鉄がより多く堆積する。このことから、鉄は、基材表面に膜状に形成され易くなり、点在させることが難しくなる。一方、図5に示すように、基材Wが、プラズマ中心部から離れた基材側のプラズマ周辺部に位置している場合には、基材WがターゲットTに対して相対的に遠くなるので、基材Wに対して鉄の付着量がより少なくなる。これにより、鉄粒子は、基材表面に非膜状に形成されて、点在させることが可能となる。
基材側のプラズマ周辺部とは、プラズマ中心部より離れた基材側のプラズマ周辺領域内だけでなく、シートプラズマPとの境界領域や、シートプラズマPの近傍領域(例えば、シートプラズマPと非接触であると共に、プラズマ境界から外側に1mmから5mm程度離れた領域)も含む。なお、基材Wが、基材側のプラズマ周辺部から更に外側に位置する場合には、ターゲットTから更に離れるので、スパッタリングされた鉄が基材Wに殆ど付着しなくなる。このことから、基材Wは、基材側のプラズマ周辺部に位置していることが好ましい。
チャンバ12内が所定の真空度(例えば、0.05Paから0.5Pa)に到達するまで、チャンバ12内を真空ポンプ等の排気手段(図示せず)で排気する。チャンバ12内が所定の真空度に到達した後に、基材Wを基材温度調整器(図示せず)で加熱する。基材Wの温度は、例えば、600℃から800℃に調整されるとよい。
プラズマ生成部20では、放電室22にプラズマが生成される。放電用ガス供給器24より放電室22にアルゴンガス等の放電用ガスが供給され、プラズマ源26は、放電室22にプラズマを発生させる。放電用ガスの流量は、例えば、60sccmから100sccmとするとよい。放電電流は、例えば、60Aから80Aとするとよい。
放電室22に発生したプラズマは、プラズマ導入部30により、接続口28を介してチャンバ12に導入される。プラズマは、チャンバ12を+X方向に向かって進行する。プラズマは、磁場生成部36により、基材ホルダ16に保持された基材Wの表面(後述する触媒部が形成される面)とほぼ平行なXY平面に沿って拡がり、シートプラズマPに変換される。
スパッタリング部40では、ターゲットTは、パルス電源44により負のパルス電圧が印加される。シートプラズマP中のアルゴンイオン等のイオン粒子は、ターゲットTに引き寄せられて、ターゲットTをスパッタする。ターゲットTより、鉄粒子からなるスパッタ粒子が放出される。パルス電圧は、例えば、400Vから600Vとするとよい。デューティ比は、例えば、2.5から10とするとよい。
鉄粒子が基材Wに付着することにより、基材Wに鉄粒子が点在して形成される。鉄粒子は、基材表面に、非膜状であると共に、鉄粒子同士が離間して形成されているとよい。鉄粒子が基材Wに点在して非膜状に形成されることにより、鉄粒子は、炭素ナノ繊維形成工程(S12)で炭素ナノ繊維を形成するときの種として機能する。これにより、鉄粒子を種として、鉄粒子から炭素ナノ繊維を成長し易くすることが可能となる。鉄粒子の粒径は、1μmより小さくするとよく、200nmから500nmとするとよい。炭素ナノ繊維は、鉄粒子を種として成長するので、鉄粒子の粒径をナノオーダとすることにより炭素ナノ繊維を形成しやすくすることが可能となる。
炭素ナノ繊維形成工程(S12)は、鉄粒子を点在させた基材Wに、プラズマ中で、鉄をスパッタリングすると共に、炭素源ガスと、窒素ガスとを供給して、炭素源ガスと、窒素ガスと、スパッタリングされた鉄とを、プラズマ中で同時に反応させて、鉄と窒素とを含む炭素ナノ繊維を形成する工程である。
プラズマ中で、鉄をスパッタリングした状態で、原料ガス供給部18により、チャンバ12に原料ガスが供給される。原料ガスは、炭素源ガスと、窒素ガスとを含んでいる。炭素源ガスには、メタン(CH)、エタン(C)、エチレン(C)、アセチレン(C)、又はそれらの混合物を含む炭化水素系ガス等を用いることが可能である。炭素源ガスの流量は、例えば、20sccmから40sccmとするとよい。窒素ガスの流量は、例えば、10sccmから40sccmとするとよい。水素ガスを混合する場合には、水素ガスの流量は、例えば、10sccm以下とするとよい。これらの原料ガスは、例えば、混合ガスとしてチャンバ12に供給される。
シートプラズマP中のラジカルは、チャンバ12内に供給された原料ガスを励起、イオン化する。これにより、炭素源ガスと、窒素ガスと、スパッタリングされた鉄と、がシートプラズマP中で同時に反応することにより、鉄と窒素とを含む炭素ナノ繊維が、基材表面の鉄粒子を種として成長することにより形成される。炭素ナノ繊維の繊維径は、例えば、200nmから500nmとするとよい。
図6は、触媒50の構成を示す模式図である。触媒50は、炭素粒子52で形成される担持体54と、担持体54に担持され、鉄粒子56と、鉄と窒素とを含む炭素ナノ繊維58と、を有する触媒部60と、を備えている。
担持体54は、炭素粒子52で形成されており、触媒部60を担持する機能を有している。担持体54が炭素粒子52で形成されていることにより、例えば、触媒50を、後述する固体高分子形燃料電池の酸素還元触媒として用いるときに、炭素粒子同士の間が超音波振動を加える等することにより容易に分離可能となるので、高分子電解質液と接触し易くすることができる。
触媒部60は、鉄粒子56と、鉄と窒素とを含む炭素ナノ繊維58と、を有しており、担持体54に担持されている。鉄粒子56は、炭素ナノ繊維58を形成するための種としての機能を有している。鉄粒子56は、担持体54の表面に点在して形成されている。より詳細には、鉄粒子56は、炭素粒子52の表面に、鉄粒子同士が離間して非膜状に形成されているとよい。鉄粒子56は、例えば、炭素粒子52と、炭素ナノ繊維58との間に形成されているとよい。
炭素ナノ繊維58は、触媒活性サイトと考えられるエッジ構造(欠陥構造)を含むことから触媒活性を有している。炭素ナノ繊維58は、極細の繊維であることから、比表面積が大きくなり、高分子電解質液等の媒体との接触面積をより大きくすることができる。炭素ナノ繊維58は、鉄と窒素とを含み、残部が炭素と不可避的不純物で構成されているとよい。炭素ナノ繊維58にドープされている鉄は、触媒活性を高める機能を有している。鉄の含有率は、例えば、2.69原子%以上3.59原子%以下とするとよい。炭素ナノ繊維58にドープされている窒素は、電子を放出し易く、触媒活性を高める機能を有している。窒素の含有率は、例えば、3.17原子%以上11.01原子%以下とするとよい。炭素は、炭素ナノ繊維58の主成分であり、炭素ナノ繊維58の骨格を形成する機能を有している。主成分とは、炭素ナノ繊維58を構成する元素の中で、最も含有率が大きい元素である。炭素の含有率は、例えば、66.90原子%以上78.20原子%以下とするとよい。炭素ナノ繊維58には、例えば、酸素(O)等の不可避的不純物が含まれていてもよい。炭素ナノ繊維58は、例えば、2.69原子%以上3.59原子%以下のFeと、3.17原子%以上11.01原子%以下のNと、を含み、残部が炭素と不可避的不純物とから構成されているとよい。
なお、鉄粒子56は、炭素粒子52と炭素ナノ繊維58との間ではなく、炭素ナノ繊維58の先端部に設けられていてもよい。図7は、他の触媒62の構成を示す模式図である。触媒62では、鉄粒子56が、炭素ナノ繊維58における炭素粒子側と反対側の先端部に形成されている。触媒62は、炭素ナノ繊維58が、炭素粒子52と、鉄粒子56との間から、鉄粒子56を種として成長することにより形成される。
触媒50、62は、酸素還元反応を促進させるための酸素還元触媒として用いられるとよい。触媒50、62は、鉄と窒素とを含む炭素ナノ繊維58を有しているので、触媒活性を高めることができる。触媒50、62の酸素還元反応特性については、例えば、酸素還元反応の開始電位を840(mV vs RHE)以上とすることができる。酸素還元反応特性については、三極式ガラスセル等にて測定可能である。
なお、上記の触媒の製造装置10では、装置本体14にスパッタリング部40を設けているが、装置本体14にスパッタリング部40を設けずに、別途のスパッタリング装置で鉄粒子56を形成してもよい。
以上、上記構成の触媒によれば、炭素粒子で形成される担持体と、担持体に担持され、鉄粒子と、鉄と窒素とを含む炭素ナノ繊維と、を有する触媒部と、を備えていることから、触媒活性をより高めることが可能となり、酸素還元反応特性等を向上させることができる。
上記構成の触媒の製造方法によれば、炭素源ガスと、窒素ガスと、鉄と、をプラズマ中で同時に反応させて炭素ナノ繊維を得られることから、炭素粒子からなる担持体に直接、炭素ナノ繊維を形成することが可能となる。
上記構成の触媒の製造方法によれば、パルス電源を用いてスパッタリングすることが可能であることから、スパッタ電圧であるパルス電圧の大きさと、デューティ比とを変えることにより、鉄のターゲットからのスパッタ粒子の放出量を制御し、鉄の炭素ナノ繊維への導入量を精度良く調整することが可能となる。
上記構成の触媒の製造方法によれば、炭素源ガスと、窒素ガスと、鉄と、をプラズマ中で同時に反応させて炭素ナノ繊維が得られることから、カーボンアロイ触媒のように、焼成後に触媒活性に寄与しない析出物を酸で除去するプロセスや、触媒活性を最適化するための多段焼成処理が不要となるので、触媒をより簡易なプロセスで製造可能となる。より詳細には、カーボンアロイ触媒は、通常、鉄またはコバルトフタロシアニンと、フェノール樹脂との混合物を、600℃から1000℃、窒素ガス中で焼成することで形成される。カーボンアロイ触媒は、ナノシェル構造と呼ばれる微細なグラファイト構造を形成することにより、触媒活性を高めている。カーボンアロイ触媒の製造では、焼成後、表面に鉄などの遷移金属の析出物が形成される。この析出物は、触媒活性に寄与しないので、この析出物を酸で除去するプロセスが必要になる。また、カーボンアロイ触媒の製造工程では、触媒活性を最適化するために、複数の焼成温度で焼成する多段焼成処理が必要になる。このように、カーボンアロイ触媒は、製造プロセスが煩雑であるので、製造コストが高くなる可能性がある。これに対して、上記構成の触媒の製造方法によれば、炭素源ガスと、窒素ガスと、鉄と、をプラズマ中で同時に反応させて炭素ナノ繊維が得られることから、触媒をより簡易なプロセスで製造可能となる。
次に、触媒50、62を用いた固体高分子形燃料電池について説明する。
図8は、固体高分子形燃料電池の単セル70の構成を示す断面図である。単セル70は、高分子電解質膜72と、高分子電解質膜72の一方に設けられたカソード電極74と、高分子電解質膜72の他方に設けられたアノード電極76と、カソード電極74とアノード電極76との外側に各々設けられたカソード側セパレータ78と、アノード側セパレータ80と、を備えている。
高分子電解質膜72は、フッ素系樹脂のイオン交換膜等で形成されている。カソード電極74は、ガス拡散層74aと、ガス拡散層74aに設けられる触媒層74bと、を有している。ガス拡散層74aは、カーボンペーパ等で形成されている。触媒層74bは、触媒50、62を含んで形成されている。アノード電極76は、ガス拡散層76aと、ガス拡散層76aに設けられる触媒層76bと、を有している。ガス拡散層76aは、カーボンペーパ等で形成されている。触媒層76bは、白金とカーボンとを含有した触媒等で形成されている。なお、膜電極接合体82は、高分子電解質膜72と、カソード電極74と、アノード電極76と、から構成される。
カソード側セパレータ78と、アノード側セパレータ80とは、カーボン材料や、ステンレス、チタン等の金属材料で形成されている。カソード側セパレータ78と、アノード側セパレータ80とには、ガスや冷却水の流路となる溝(図示せず)が設けられている。固体高分子形燃料電池は、複数の単セル70を積層してスタックとした後、スタックの両側に集電板を配置して構成される。
次に、固体高分子形燃料電池の作用について説明する。アノード側(燃料極側)に供給された水素は、アノード電極76との電極反応(酸化反応)によって水素イオンになり、高分子電解質膜72を通ってカソード側(空気極側)へ移動する。同時に電子も外部回路を通ってカソード側(空気極側)に到達する。カソード電極74では、供給された酸素と、アノード側(燃料極側)から移動してきた水素イオンと、電子とが反応(酸素還元反応)して水が生成される。
次に、固体高分子形燃料電池の製造方法について説明する。図9は、固体高分子形燃料電池の製造方法を示すフローチャートである。固体高分子形燃料電池の製造方法は、カソード電極形成工程(S20)と、膜電極接合体形成工程(S22)と、セル形成工程(S24)と、を備えている。
カソード電極形成工程(S10)は、ガス拡散層74aの表面に触媒層74bを設けてカソード電極74を形成する工程である。触媒層74bは、触媒50、62を含んで構成されている。触媒50、62が、例えば超音波振動装置等で加振されることにより、触媒部60を担持する炭素粒子同士が容易に分離する。そして、炭素粒子同士が分離された触媒50、62と、ナフィオン(Nafion)(登録商標)等の高分子電解質液とが、ガス拡散層74aの表面に塗布される。これにより、高分子電解質液は、炭素粒子同士が分離された触媒50、62の間を通り易くなるので分散性が向上する。そして、高分子電解質液が炭素ナノ繊維58と接触し易くなることから反応性が高くなり、燃料電池性能が向上する。
膜電極接合体形成工程(S12)は、高分子電解質膜72の一方にカソード電極74を設け、高分子電解質膜72の他方にアノード電極76を設けて接合し、膜電極接合体82を形成する工程である。アノード電極76は、ガス拡散層76aの表面に、白金触媒と、カーボンと、高分子電解質と、有機溶剤とを混練した触媒ペーストを塗布して触媒層76bを形成することが可能である。高分子電解質膜72の一方にカソード電極74を配置し、高分子電解質膜72の他方にアノード電極76を配置して熱圧着して接合し、膜電極接合体82を形成する。なお、アノード電極76については、高分子電解質膜72の他方に上記の触媒ペーストを塗布して触媒層76bを形成し、膜電極接合体82を形成するときの熱圧着時に、ガス拡散層76aと接合するようにしてもよい。
セル形成工程(S14)は、膜電極接合体82のカソード側にカソード側セパレータ78を設け、膜電極接合体82のアノード側にアノード側セパレータ80を設けて、セル70を形成する工程である。膜電極接合体82のカソード側とアノード側に、カソード側セパレータ78と、アノード側セパレータ80とを各々配置して、セル70を形成する。複数の単セル70を積層してスタックとした後、スタックの両側に集電板を配置して、固体高分子形燃料電池が製造される。
上記構成の固体高分子形燃料電池及びその製造方法によれば、カソード電極の触媒層に、炭素粒子で形成される担持体と、担持体に担持され、鉄粒子と、鉄と窒素とを含む炭素ナノ繊維と、を有する触媒部と、を備える触媒を用いることから、炭素粒子同士が容易に分離可能であり、高分子電解質液の分散性を向上させることができる。これにより、高分子電解質液が、触媒部の炭素ナノ繊維と接触し易くなることから反応性が高くなり、燃料電池性能を向上させることが可能となる。
触媒を製造して酸素還元反応特性を評価した。まず、触媒の製造方法について説明する。触媒の製造には、図1に示す触媒の製造装置10を使用した。
実施例1の触媒の製造方法について説明する。基材の炭素粒子には、カーボンブラックを用いた。カーボンブラックの粒径は、20nmから50nmとした。鉄粒子形成工程では、基材と、鉄のターゲットとの間に、シートプラズマを生じさせて、基材を基材側のプラズマ周辺部(プラズマとの略境界)に位置し、プラズマ中で鉄をスパッタリングして、基材に鉄粒子を非膜状に点在させて形成した。放電用ガスには、アルゴンガスを使用した。アルゴンガスの流量については、60sccmとした。放電電流については、60Aとした。基材温度については、800℃とした。ターゲットには、純度が99.9%の鉄からなるターゲットを用いた。パルス電源については、パルスDC電源を使用した。スパッタ電圧として、ターゲットに負のパルス電圧を印加した。スパッタ電圧は、600Vとした。デューティ比は、5とした。
炭素ナノ繊維形成工程では、基材の位置を移動させずにそのままの状態で(鉄粒子形成工程の場合と同じ位置)、メタンガスと、窒素ガスと、プラズマ中のアルゴンイオン等によるスパッタにより放出された鉄からなるスパッタ粒子と、をプラズマ中で同時に反応させて、炭素ナノ繊維を形成した。プラズマ生成条件と、スパッタリング条件とは、鉄粒子形成工程と同じとした。チャンバ内の圧力については、0.1Paとした。メタンガスの流量は、40sccmとした。窒素ガスの流量は、40sccmとした。水素ガスの流量は、10sccmとした。基材温度については、800℃とした。
比較例1の触媒の製造方法について説明する。比較例1の触媒の製造方法では、実施例1の触媒の製造方法よりも、炭素粒子からなる基材の位置を、ターゲットにより近くなるようにしてスパッタリングし、基材表面に鉄を膜状に形成した。より詳細には、基材を、シートプラズマのプラズマ中心部に位置し、プラズマ中で鉄をスパッタリングして、より多くの鉄粒子を基材表面に堆積させて、基材に鉄被膜を形成した。その他の構成については、実施例1の触媒の製造方法における鉄粒子形成工程と同じとした。
次に、基材の位置を移動させずにそのままの状態で、メタンガスと、窒素ガスと、プラズマ中のアルゴンイオン等によるスパッタにより放出された鉄からなるスパッタ粒子と、をプラズマ中で同時に反応させた。チャンバ内の圧力については、0.1Paとした。メタンガスの流量は、30sccmとした。窒素ガスの流量は、30sccmとした。水素ガスの流量は、10sccmとした。基材温度については、800℃とした。
比較例2の触媒の製造方法について説明する。比較例2の触媒の製造方法では、実施例1、比較例1の触媒の製造方法と異なり、炭素粒子からなる基材に、鉄粒子や鉄被膜を形成せずに、基材を、シートプラズマのプラズマ中心部に位置し、プラズマ中で鉄をスパッタリングして、メタンガスと、窒素ガスと、プラズマ中のアルゴンイオン等によるスパッタにより放出された鉄からなるスパッタ粒子と、をプラズマ中で同時に反応させた。チャンバ内の圧力については、0.1Paとした。メタンガスの流量は、30sccmとした。窒素ガスの流量は、30sccmとした。水素ガスの流量は、10sccmとした。基材温度については、600℃とした。
実施例1、比較例1、2の触媒について、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。図10は、実施例1、比較例1、2の触媒の走査型電子顕微鏡(SEM)の観察結果を示す写真であり、図10(a)は、実施例1の触媒を示す写真であり、図10(b)は、比較例1の触媒を示す写真であり、図10(c)は、比較例2の触媒を示す写真である。実施例1の触媒では、炭素ナノ繊維が形成されていた。炭素ナノ繊維の繊維径は、200nmから500nmであった。比較例1、2の触媒では、炭素ナノ繊維の形成が認められなかった。
実施例1の触媒における炭素ナノ繊維の化学組成について、電子線マイクロアナライザ(EPMA)により化学組成分析を行った。測定点については、炭素ナノ繊維の中の4箇所とした。図11は、走査型電子顕微鏡(SEM)による代表的な炭素ナノ繊維の測定点を示す写真である。図11に示す測定点の化学組成は、3.22原子%のFeと、11.01原子%のNと、76.30原子%のCと、9.47原子%のOとから構成されていた。他の測定点の化学組成は、2.76原子%のFeと、9.46原子%のNと、66.90原子%のCと、20.88原子%のOとから構成されていた。別の測定点の化学組成は、2.69原子%のFeと、3.17原子%のNと、78.20原子%のCと、15.93原子%のOとから構成されていた。更に別の測定点の化学組成は、3.59原子%のFeと、9.90原子%のNと、68.05原子%のCと、18.45原子%のOとから構成されていた。このように、炭素ナノ繊維の化学組成は、2.69原子%以上3.59原子%以下のFeと、3.17原子%以上11.01原子%以下のNと、を含み、残部が、66.90原子%以上78.20原子%以下のCと、不可避的不純物である酸素(O)とにより構成されていた。
実施例1及び比較例2の触媒の酸素還元反応特性について、三極式ガラスセルにて評価した。触媒の酸素還元反応特性については、酸素還元反応の開始電位により評価した。図12は、実施例1及び比較例2の触媒の酸素還元反応特性を示すグラフであり、図12(a)は、比較例2の触媒の酸素還元反応特性を示すグラフであり、図12(b)は、実施例1の触媒の酸素還元反応特性を示すグラフである。図12(a)及び図12(b)のグラフでは、横軸に電位を取り、縦軸に電流密度を取り、窒素雰囲気の場合を破線で示し、酸素雰囲気の場合を実線で示している。実施例1の触媒の開始電位は、840(mV vs RHE)であった。一方、比較例2の触媒の開始電位は、820(mV vs RHE)であった。この結果から、実施例1の触媒は、比較例2の触媒より、酸素還元反応特性に優れていることがわかった。
10 触媒の製造装置
12 チャンバ
16 基材ホルダ
18 原料ガス供給部
20 プラズマ生成部
24 放電用ガス供給器
30 プラズマ導入部
40 スパッタリング部
42 保持部材
50、62 触媒
52 炭素粒子
54 担持体
56 鉄粒子
58 炭素ナノ繊維
60 触媒部
70 単セル
72 高分子電解質膜
74 カソード電極
76 アノード電極
82 膜電極接合体

Claims (7)

  1. 触媒であって、
    炭素粒子で形成される担持体と、
    前記担持体に担持され、鉄粒子と、鉄と窒素とを含む炭素ナノ繊維と、を有する触媒部と、
    を備え
    前記触媒は、酸素還元触媒であることを特徴とする触媒。
  2. 請求項1に記載の触媒であって、
    前記炭素ナノ繊維は、2.69原子%以上3.59原子%以下のFeと、3.17原子%以上11.01原子%以下のNと、を含み、残部が炭素と不可避的不純物とからなることを特徴とする触媒。
  3. 請求項1または2に記載の触媒であって、
    前記炭素粒子は、カーボンブラックであることを特徴とする触媒。
  4. 触媒の製造方法であって、
    炭素粒子からなる基材に、鉄をスパッタリングして鉄粒子を点在させて形成する鉄粒子形成工程と、
    前記鉄粒子を点在させた基材に、プラズマ中で、鉄をスパッタリングすると共に、炭素源ガスと、窒素ガスとを供給して、前記炭素源ガスと、前記窒素ガスと、前記スパッタリングされた鉄とを、プラズマ中で同時に反応させて、鉄と窒素とを含む炭素ナノ繊維を形成する炭素ナノ繊維形成工程と、
    を備えることを特徴とする触媒の製造方法。
  5. 請求項に記載の触媒の製造方法であって、
    前記鉄粒子形成工程は、前記基材と、鉄のターゲットとの間に、プラズマを生じさせて、前記基材を基材側のプラズマ周辺部に位置し、プラズマ中で前記鉄をスパッタリングすることを特徴とする触媒の製造方法。
  6. 請求項に記載の触媒の製造方法であって、
    前記鉄粒子形成工程と、前記炭素ナノ繊維形成工程とは、前記プラズマが、シートプラズマであることを特徴とする触媒の製造方法。
  7. 請求項1からのいずれか1つに記載の触媒をカソード電極に備えることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
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