JP2019071260A - 電子源及び電子線照射装置並びに電子源の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(2) 前記曲面が、円柱、楕円柱状、球状、楕円体状、ワイヤー状、円筒状、円錐の一部又は全部であることを特徴とする前記(1)記載の電子源。
(3) 前記第1の電極及び前記第2の電極の一部又は全部が、円筒状であり、前記第2の電極が、前記円筒状の内壁の電子放出面を構成することを特徴とする前記(1)又は(2)記載の電子源。
(4) 前記グラフェン膜が、多結晶であることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれか1項に記載された電子源。
(5) 前記グラファイト膜が、20層以下のグラフェン膜からなることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれか1項に記載された電子源。
(6) 前記グラファイト膜が、インターカレーションの膜であることを特徴とする前記(5)記載の電子源。
(7) 前記電子放出面の曲面が多孔質状であることを特徴とする前記(1)乃至(6)のいずれか1項記載の電子源。
(8) 前記(1)乃至(7)のいずれか1項に記載された電子源を備えることを特徴とする電子線照射装置。
(9) 前記(1)乃至(7)のいずれか1項に記載された電子源を備え、該電子源から、液体又は気体中に電子を放出することにより、液体又は気体の改質又は分解をすることを特徴とする電子線照射装置。
(10) 前記(1)乃至(7)のいずれか1項に記載された電子源を備え、該電子源から真空中又は気体中に電子を放出し、蛍光体面に当てて発光させることを特徴とする電子線照射装置。
(11) 第1の電極を形成する工程と、前記第1の電極の上に、絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜の上に、第2の電極となるグラフェン膜又はグラファイト膜を、金属蒸気触媒を用いた熱CVD法により成膜する工程と、を備えることを特徴とする、前記(1)記載の電子源の製造方法。
本実施の形態は、円柱状の電子放出面を有する電子源に係る。図1を参照して以下説明する。図1は、本実施の形態の円柱状の電子源1を示す模式図であり、(a)は基本構成の図、(b)は陰極と陽極の配線を合わせて示した図である。円柱状の電子源1は、円柱状の下部電極13と、絶縁膜12と、表面電極11とを備える。円柱状の電子源1は、電子放出面以外がモールド14により絶縁されて、下部電極は陰極16に、表面電極11は陽極15に接続されている。本実施の形態の円柱状電子源では、図1(b)のように陰極及び陽極に接続して、円柱状の下部電極と表面電極の間に電圧を印加することにより、円柱側面の全周囲から電子放出を行う。
具体例として、円柱状シリコンの表面にGOS(グラフェン膜又はグラファイト膜−酸化物絶縁膜−半導体)エミッタを形成する場合を、説明する。円柱状の電子源1は、シリコンロッドからなる円柱状の下部電極13(「シリコン電極」とも呼ぶ。)と、シリコン電極の表面のうち円柱の一端を除いて被覆する絶縁膜12と、絶縁膜12の表面を更に被覆する表面電極11とから構成される。表面電極11は、グラフェンもしくはグラファイトからなる。
グラフェン膜もしくはグラファイト膜は、単結晶でも、多結晶でもよい。実際に、本発明者らが用いたグラフェン膜は、一つの結晶粒の大きさが50nm〜300nm程度の多結晶膜であり、良好な電子放出が得られた。1層のグラフェンの場合、全面から電子放出させるために連続膜である必要がある。
本実施の形態の円柱状の電子源の製造方法を、説明する。具体例として、円柱状シリコンを用いたGOS(グラフェン膜又はグラファイト膜−酸化物絶縁膜−半導体)電子源の製造について説明する。
(工程2)不純物を除去するために、シリコン電極を洗浄する。半導体の分野で用いられる洗浄方法を用いることができる。
(工程3) 円柱状シリコン電極を熱酸化する。850℃から900℃程度の比較的低い温度にて熱酸化して、4から8nmの膜厚の熱酸化膜を形成する。熱酸化の温度は、膜厚の再現性や制御性の観点から選択される。実験では、1L/minの流量で酸素を流した石英管の中で、900℃において2分間熱酸化することで約4nmの熱酸化膜が得られた。
(工程4) 続いて、熱酸化膜の表面にグラフェンもしくはグラファイトの表面電極を成膜する。グラフェンもしくはグラファイトの成膜方法は、特に限定されないが、表面電極の成膜に好適な方法の例として、金属蒸気触媒を用いた熱CVD(thermal chemical vapor deposition)がある。この方法は、円柱形状の表面に均一に成膜できる方法である。以下説明する。
本実施の形態では、本発明の電子源を組み込んだ電子線照射装置の例として、ガスや液体等を分解又は改質するための電子を放出する装置について、図3を参照して説明する。
本実施の形態は、電子放出面の曲面の表面積を更に向上させた電子源に係る。図5を参照して以下説明する。電子源の表面の微細構造以外については、第1又は第2の実施の形態と同様である。
本実施の形態は、電子源の表面電極として、2層以上のグラファイトの間にセシウム等のアルカリ金属等をインターカレーションした電極を用いた電子源に係る。表面電極以外については、第1乃至第3の実施の形態と同様である。インターカレーション(Intercalation)とは、分子または分子集団が他の2つの分子または分子集団の間に入り込む可逆反応のことをいう。例えば、グラファイトインターカレーションとは、グラファイトの正六角形平面を重ねた構造の特定の一面に他の物質層が入り込む現象である。
本実施の形態は、電子源の形状が円柱状であった第1の実施の形態とは異なり、円筒状の内面に電子放出面を位置させた電子源に係る。電子源の形状が円筒状の構造であること以外については、第1乃至第4の実施の形態と同様である。図6を参照して以下説明する。図6は、円筒状の電子源を示す模式図である。円筒状の電子源は、円筒状の第1の電極13と、その円筒状の内面に位置する絶縁膜12と、絶縁膜の内面に位置する表面電極11とを備える。
各実施の形態で説明した電子源は、ガスや液体を分解又は改質するためのみでなく、従来の電子源が用いられていた真空中でも利用できることは勿論である。本実施の形態では、真空中で電子源を組み込んだ電子線照射装置の例として、照明装置について、図7及び図8を参照して説明する。
11 表面電極(第2の電極)
12 絶縁膜
13 下部電極(第1の電極)
14 モールド
15 陽極
16 陰極
30 円柱状電極
31 横型電気炉
32 石英管
33 金属ガリウム
34 ホルダー
40、50 水素発生装置
41 溶液
42 対向電極
51 パイプ
60、70 照明
61 ガラス
Claims (11)
- 第1の電極と、絶縁膜からなる電子加速層と、第2の電極とが積層された構造を備える電子源であって、
表面が電子放出面を構成する前記第2の電極は、グラフェン膜又はグラファイト膜であり、
前記第1の電極及び前記第2の電極の一部又は全部が、曲面を有し、前記電子放出面が曲面であることを特徴とする電子源。 - 前記曲面が、円柱、楕円柱状、球状、楕円体状、ワイヤー状、円筒状、円錐の一部又は全部であることを特徴とする請求項1記載の電子源。
- 前記第1の電極及び前記第2の電極の一部又は全部が、円筒状であり、前記第2の電極が、前記円筒状の内壁の電子放出面を構成することを特徴とする請求項1又は2記載の電子源。
- 前記グラフェン膜が、多結晶であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載された電子源。
- 前記グラファイト膜が、20層以下のグラフェン膜からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載された電子源。
- 前記グラファイト膜が、インターカレーションの膜であることを特徴とする請求項5記載の電子源。
- 前記電子放出面の曲面が多孔質状であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の電子源。
- 請求項1乃至7のいずれか1項に記載された電子源を備えることを特徴とする電子線照射装置。
- 請求項1乃至7のいずれか1項に記載された電子源を備え、該電子源から、液体又は気体中に電子を放出することにより、液体又は気体の改質又は分解をすることを特徴とする電子線照射装置。
- 請求項1乃至7のいずれか1項に記載された電子源を備え、該電子源から真空中又は気体中に電子を放出し、蛍光体面に当てて発光させることを特徴とする電子線照射装置。
- 第1の電極を形成する工程と、
前記第1の電極の上に、絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜の上に、第2の電極となるグラフェン膜又はグラファイト膜を、金属蒸気触媒を用いた熱CVD法により成膜する工程と、
を備えることを特徴とする、請求項1記載の電子源の製造方法。
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