JP2002069756A - カーボン・ナノ・ファイバの生成装置及び生成方法 - Google Patents

カーボン・ナノ・ファイバの生成装置及び生成方法

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JP2002069756A
JP2002069756A JP2000266621A JP2000266621A JP2002069756A JP 2002069756 A JP2002069756 A JP 2002069756A JP 2000266621 A JP2000266621 A JP 2000266621A JP 2000266621 A JP2000266621 A JP 2000266621A JP 2002069756 A JP2002069756 A JP 2002069756A
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vacuum chamber
plasma
gas
producing
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JP2000266621A
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Kenjiro Oura
憲治郎 尾浦
Shigeharu Okura
重治 大倉
Takashi Ikuno
孝 生野
Hiroshi Asami
浅見  博
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Original Assignee
Shinko Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的に低温でカーボン・ナノ・ファイバを
生成する。 【解決手段】 内部が排気された真空槽1内にプラズマ
用ガスポート3を介してアルゴンガスを供給する。そし
て、フィラメント加熱用電源装置8から変圧器7を介し
てフィラメント構成の陰極6に交流電力を供給すること
により、当該陰極6を加熱する。この状態で、プラズマ
放電用電源装置9から陰極6と陽極10との間に、実効
的に直流の電力を供給すると、これら各電極6、10間
の空間内にプラズマ5が発生する。そして、このプラズ
マ5内に、上記陰極6の輻射熱により昇華された昇華性
物質13の粒子が浮遊することにより、当該昇華性物質
13を原料とするカーボン・ナノ・ファイバが、基板1
6の表面に成長する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばシリコン
(Si)やガラス等の基板の表面に極細繊維状のカーボ
ン・ナノ・ファイバを生成する生成装置及び生成方法に
関し、特にプラズマCVD(Chemical Vapor Depositio
n:化学気相成長)法により当該カーボン・ナノ・ファ
イバを生成する装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上記カーボン・ナノ・ファイバは、例え
ば電界放出型表示装置(FED:electrical Field Emi
ssion Display)の電子放出源材料として有望視されて
いる。この電界放出型表示装置とは、陰極から放出され
た電子を、陽極に塗布された蛍光体に衝突させることに
より、当該蛍光体を発光させて画像を表示するもので、
この点に関しては、通常のCRT(Cathode Ray Tube)
型の表示装置と略同様である。ただし、CRT型の表示
装置においては、電子銃という所謂点状の電子放出源を
用いるのに対して、電界放出型表示装置では、点状の電
子放出源を多数二次元的に配置するという所謂面状の電
子放出源を用いることを前提としており、この点で、両
者は大きく異なる。
【0003】上記のような面状の電子放出源を実現する
には、この面状の電子放出源を構成する個々の点状電子
放出源として、極細でかつ先鋭な言わば針状のものが必
要とされる。また、極力、電子の放出効率の高い、所謂
エミッション特性の良好なもの、が望まれる。そこで、
この電子放出源として、上記カーボン・ナノ・ファイバ
が有望視されるのである。
【0004】このカーボン・ナノ・ファイバを生成する
装置として、従来、例えば熱CVD法を利用するものが
ある。これは、例えばアンモニアとヘリウムとの混合希
釈ガスとエチレンとを原料とし、これに熱エネルギを与
えて化学反応させることにより、上記カーボン・ナノ・
ファイバを生成するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記熱CVD
法を利用する従来技術によれば、真空槽(チャンバ)内
の温度が約700[℃]にまで上昇し、この温度上昇に
より、カーボン・ナノ・ファイバの生成対象となる基板
が変形したり変性する場合がある、という問題がある。
特に、上記電界放出型表示装置用の電子放出源を製作す
る場合には、基板として、ガラス板にITO(Indium T
in Oxide)を成膜したものを用いることがあるが、この
ITOは、熱に弱く、例えばその温度が約450[℃]
を超えると性質が劣化しひいては剥離することがあるた
め、このような耐熱性の低い基板にカーボン・ナノ・フ
ァイバを生成するのは、上記従来技術では極めて困難で
あった。
【0006】そこで、本発明は、従来よりも低温でカー
ボン・ナノ・ファイバを生成できる装置及び方法を提供
すること、を目的とする。また、カーボン・ナノ・ファ
イバの形状や大きさ、分布、更には固有抵抗等の性質等
を制御できるようにすることも、本発明の目的とすると
ころである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では、プラズマCVD法を利用する。即
ち、本発明の生成装置は、排気手段によって内部が排気
される真空槽と、上記真空槽内にプラズマを発生させる
プラズマ発生手段と、上記真空槽内の所定位置、例えば
プラズマの雰囲気内またはプラズマの周辺に、カーボン
・ナノ・ファイバの生成対象となる基板等の被対象物を
配置し、これを支持する支持手段と、上記真空槽内にカ
ーボン・ナノ・ファイバの原料となる原料物質を気体の
状態で供給する原料供給手段と、を具備する。
【0008】本発明によれば、真空槽内に供給される気
体原料(所謂原料ガス)は、エネルギの高いプラズマに
より励起され、或いは解離される。これにより、原子ま
たは分子のラジカルが形成され、これら活発な粒子間の
反応により、被対象物の表面にカーボンが堆積する。そ
して、この堆積が継続することにより、カーボン・ナノ
・ファイバが成長する。このように、プラズマCVD法
によりカーボン・ナノ・ファイバが成長することは、実
験により確認できた。
【0009】なお、上記原料物質は、昇華性物質であっ
てもよい。この場合、上記原料供給手段は、例えば、真
空槽内において昇華性物質を保持する保持手段と、当該
昇華性物質を加熱して昇華させる加熱手段と、によって
構成できる。ここで言う昇華性物質としては、例えば鉄
フタロシアニン(Fe-Phthalocyanine:C32H16NFe)等
を用いることができる。また、加熱手段としては、例え
ばフィラメントやセラミック等を用いた接触または非接
触型(赤外線輻射式)のヒータや、レーザ等の所謂熱エ
ネルギを照射する手段等、がある。
【0010】本発明における上記プラズマ発生手段は、
上記真空槽内に設けられ熱電子を放出する第1の電極
と、上記真空槽内において上記第1の電極と間隔を隔て
て対向する状態に設けられた第2の電極と、上記第1及
び第2の各電極間に第1の電力を供給することにより上
記第1の電極から放出される熱電子を上記第2の電極に
吸収させる第1電力供給手段と、上記真空槽内、特に上
記第1及び第2の各電極間の空間内に、プラズマ発生用
の第1のガスを供給する第1ガス供給手段と、によって
構成できる。
【0011】この構成によれば、第1及び第2の各電極
間の空間内に第1のガスを供給した状態で、これら各電
極間に第1の電力を供給すると、プラズマ放電が誘起さ
れ、即ちプラズマが発生する。なお、ここでは、例えば
第1の電極を陰極とし、第2の電極を陽極とする。そし
て、これら各電極間に、上記第1の電力として実効的に
直流の電力を供給すれば、上記プラズマが誘起する。因
みに、第1の電極は、例えば交流電力の供給により加熱
して熱電子を放出するタングステン製等のフィラメント
等により構成でき、第2の電極は、例えば概略板状の金
属により構成できる。また、第1のガスとしては、例え
ばアルゴン(Ar)等を用いることができる。
【0012】上記第1の電力の供給源である上記第1電
力供給手段は、当該第1の電力の態様を任意に可変でき
るよう構成するのが、望ましい。このようにすれば、上
記プラズマの発生状態を制御することができ、ひいては
カーボン・ナノ・ファイバの成長過程を制御できる。な
お、ここで言う上記第1の電力の態様とは、例えば電圧
値や電力値等を含む当該電力の大きさや、直流、交流或
いはパルス状等の当該電力(波形)の形体や周波数等、
のことを言う。
【0013】そして、上記第1ガス供給手段もまた、上
記第1のガスの供給量を任意に可変できるよう構成する
のが、望ましい。この第1のガスの供給量を可変とする
ことによっても、プラズマの発生状態を制御でき、ま
た、真空槽内の圧力等をも制御できる。
【0014】また、本発明においては、上記プラズマ発
生手段は、或る軸線を中心として当該軸線の周囲にプラ
ズマを発生させるよう構成してもよい。この場合、上記
支持手段は、上記軸線と略直角な方向に向かって当該軸
線から所定の間隔を隔てたところに、上記被対象物にお
けるカーボン・ナノ・ファイバの生成対象となる表面部
分、所謂ファイバ生成対象面、を位置させる。そして、
このファイバ生成対象面を上記軸線に略対向させるよう
に、具体的には、軸線に対してファイバ生成対象面の成
す角度が±30度の範囲内になるように、好ましくは、
軸線に対してファイバ生成対象面が略平行を成すよう
に、被処理物を支持する。
【0015】なお、上記支持手段は、上記軸線から被対
象物のファイバ生成対象面までの距離を、任意に可変で
きるよう構成してもよい。この場合、上記軸線から被対
象物のファイバ生成対象面までの距離を、当該軸線に沿
う方向におけるプラズマ長の10[%]乃至200
[%]にそれぞれ相当する距離の範囲内で、任意に設定
可能とするのが望ましい。このようにすれば、カーボン
・ナノ・ファイバの成長過程を制御でき、ひいては当該
ファイバの形状や大きさ、分布等を制御できる。
【0016】更に、本発明においては、上記被対象物を
強制的に冷却する強制冷却手段、を設けてもよい。この
ようにすれば、ファイバ生成時における被対象物の温度
上昇を抑制でき、ひいては、当該被対象物の変形や変性
等を防止できる。また、このように被対象物を冷却する
ことにより、カーボン・ナノ・ファイバの形状や大き
さ、生成分布等を制御できるということも、実験により
確認できた。なお、ここで言う強制冷却手段は、例えば
液体窒素等の冷却液を用いた液体冷却手段や、気体冷媒
を用いた気体冷却手段、或いはペルチェ素子を用いた電
子冷却手段等によって、被対象物を直接または上記支持
手段を介して間接的に冷却することにより、実現でき
る。
【0017】そして、本発明では、上記被対象物と所定
の基準電位との間に、所謂バイアスとしての第2の電
力、を供給する第2電力供給手段、を設けてもよい。こ
こで言う第2の電力としては、例えば直流電力や交流電
力(所謂低周波電力や高周波電力等を含む)、或いはパ
ルス電力(中立の0V電位に対して正負の方向にパルス
波形が対称/非対称なものの両方を含む)等、を用いる
ことができる。特に、本発明の装置が、上記プラズマ発
生手段の構成要素として上記第1の電極と第2の電極と
を有する場合には、陰極として機能する第2の電極の電
位を基準電位として、この第2の電極と上記被対象物と
の間に、当該第2の電力を供給すればよい。この場合、
これら第2の電極と被対象物との間の実効的な電位差
が、上記第1及び第2の各電極間における実効電位差の
約±100[%]の範囲内の値になるように、上記第2
の電力を設定する。なお、当該第2の電力を供給するの
に代えて、例えば第2の電極と被対象物とを電気的に短
絡し、または絶縁状態(所謂フローティング状態)とし
てもよい。
【0018】上記第2の電力の供給源である第2電力供
給手段は、当該第2の電力の態様、例えば大きさや波形
の形体、また交流電力である場合にはその周波数等を、
任意に可変できるよう構成してもよい。このように被対
象物に印可するバイアスを可変とすることによって、当
該被対象物に対するカーボン・ナノ・ファイバの成長過
程を制御でき、ひいては当該ファイバの形状や大きさ、
分布等を制御できる。
【0019】また、本発明においては、上記真空槽内に
磁界を形成する磁界形成手段、を設けてもよい。即ち、
プラズマは磁界に影響されるので、当該磁界を掛けるこ
とにより、プラズマ密度等の当該プラズマの発生状態を
変化させ、ひいては被対象物に対するプラズマエネルギ
の作用を変化させることができる。
【0020】なお、プラズマ発生手段が、上記のように
或る軸線を中心として当該軸線の周囲にプラズマを発生
させるよう構成されたものである場合には、当該軸線に
沿う方向に上記磁界を形成するのが望ましい。また、こ
の磁界を形成する上記磁界形成手段は、当該磁界の態
様、例えば形状や方向或いは強度等を、任意に可変でき
るよう構成するのが望ましい。特に、磁界強度について
は、被対象物のファイバ生成対象面付近において、10
[G]乃至300[G]の範囲内で、当該磁界強度を自
由に可変できるようにする。このようにすれば、被対象
物に対するプラズマエネルギの作用を制御でき、ひいて
は、カーボン・ナノ・ファイバの形状や大きさ、分布等
をより詳細に制御できる。
【0021】更に、本発明においては、上記真空槽内に
ドーピング(添加)用の第2のガスを供給する第2ガス
供給手段、を設けてもよい。このように第2のガスをド
ーピングすることにより、当該ドーピングを行わない場
合と比較して、形状等の他に、固有抵抗等の性質の異な
るカーボン・ナノ・ファイバを生成できること、が実験
により確認できた。ここで言う第2のガスとしては、例
えば窒素や水素、シアン、アルゴン及び酸素等のガス、
或いはこれらのガスを含む例えば硫化水素等の化合物ガ
ス等がある。また、フッ素、臭素、塩素等のハロゲン系
のガス、直鎖状若しくは環状の炭化水素ガス、或いはこ
れらのガスを成分とする化合物ガス等、を用いることも
できる。これらのうちのいずれを第2のガスとして用い
るのかについては、生成しようとするカーボン・ナノ・
ファイバの用途や目的等に応じて、適宜選択すればよ
い。
【0022】なお、上記第2ガス供給手段は、第2のガ
スの供給量を任意に可変できるよう構成するのが望まし
い。このようにすれば、カーボン・ナノ・ファイバの性
質をより詳細に制御できる。
【0023】本発明は、上記カーボン・ナノ・ファイバ
の生成方法にも供する。即ち、所定の真空槽内を排気す
る排気過程と、上記真空槽内の所定位置にカーボン・ナ
ノ・ファイバの生成対象となる基板等の被対象物を配置
する配置過程と、上記真空槽内にプラズマを発生させる
プラズマ発生過程と、上記真空槽内にカーボン・ナノ・
ファイバの原料となる原料物質を気体の状態で供給する
原料供給過程と、を実行することにより、本発明の生成
装置により生成して得られるカーボン・ナノ・ファイバ
と同様のものを、生成できる。
【0024】なお、この生成方法によるカーボン・ナノ
・ファイバの生成過程において、上記第1及び第2の各
電力の態様、第1及び第2の各ガスの供給量、磁界の態
様を、経時的に変化させることによって、当該カーボン
・ナノ・ファイバの形状や大きさ、分布、或いは性質等
を、任意に制御できる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態について、
図1から図17を参照して説明する。図1は、本実施の
形態に係るカーボン・ナノ・ファイバの生成装置の概略
構成図である。同図に示すように、この装置は、真空槽
(チャンバ)1を備えている。この真空槽1は、例えば
ステンレス等の金属製のもので、電気的に接地電位(G
ND)に接続されている。そして、この真空槽1の側壁
部分には、排気ポート2、プラズマ用ガス供給ポート3
及びドーピング用ガス供給ポート4という3つのポート
が、設けられている。
【0026】上記各ポート2乃至4のうち、排気ポート
2は、真空槽1内の空気を外部に排気するためのもの
で、この排気ポート2には、当該排気を行う排気手段と
しての図示しない真空ポンプが結合される。一方、プラ
ズマ用ガス供給ポート3は、真空槽1内に後述するプラ
ズマ5を発生させるためのガスを供給するためのもの
で、ここでは、このプラズマ発生用ガスとしてアルゴン
(Ar)ガスが用いられる。このプラズマ発生用のアル
ゴンガスが、特許請求の範囲に記載の第1のガスに対応
し、このアルゴンガスを真空槽1内に供給する図示しな
い手段が、特許請求の範囲に記載の第1ガス供給手段に
対応する。そして、ドーピング用ガス供給ポート4は、
真空槽1内に後述するドーピング用の反応性ガスを供給
するためのものである。この反応性ガスとしては、例え
ば窒素や水素、シアン、アルゴン及び酸素等のガス、或
いはこれらのガスを含む例えば硫化水素等の化合物ガス
等がある。また、フッ素、臭素、塩素等のハロゲン系の
ガス、直鎖状若しくは環状の炭化水素ガス、或いはこれ
らのガスを成分とする化合物ガス等、がある。このドー
ピング用の反応性ガスが、特許請求の範囲に記載の第2
のガスに対応し、この第2のガスを真空槽1内に供給す
る図示しない手段が、特許請求の範囲に記載の第2ガス
供給手段に対応する。なお、図には示さないが、各ポー
ト2乃至4には、それぞれ真空弁や流量計等の通常の真
空配管系で要求される各種配管機器が設けられており、
それぞれの流量等を任意に調整可能とされている。これ
らのポート2乃至4は、真空槽1の側壁に限らず、例え
ば天井部分や底面部分に設けることもできる。
【0027】上記真空槽1内の天井寄りの略中央部分に
は、例えばタングステン製フィラメントから成る陰極6
が、設けられている。この陰極6は、真空槽1の外部に
おいて、入力絶縁変圧器7の二次側巻線71に接続され
ており、この変圧器7の一次側巻線72は、当該陰極6
を加熱するためのフィラメント加熱用電源装置8の出力
端子に接続されている。更に、変圧器7の二次側巻線7
1の略中点は、接地電位と後述するプラズマ放電用電源
装置9の出力端子の一方と、に接続されている。なお、
上記フィラメント加熱用電源装置8に代えて、例えば商
用交流電力を変圧器7の一次側巻線72に直接供給して
もよい。また、陰極6に対して交流電力を供給するので
はなく、直流電力を供給してもよい。具体的には、フィ
ラメント加熱用電源装置8として、耐電圧性能の高い直
流電源装置を採用し、その出力を、直接、陰極6に供給
してもよい。この場合は、当該陰極6を構成するフィラ
メントの一端またはその中間部を、接地電位とすればよ
い。また、絶縁変圧器7の二次側巻線71と陰極6との
間に整流平滑回路を挿入し、当該陰極6に供給される電
流のリップル率の低下を図ってもよい。ここで言う陰極
6が、特許請求の範囲に記載の第1の電極に対応する。
また、この陰極6は、特許請求の範囲に記載の加熱手段
としても機能する。
【0028】一方、真空槽1内の底面寄りの略中央部分
には、上記陰極6と間隔を隔てて、その上面を当該陰極
6に対向させるように、例えば概略偏平の円盤状若しく
は直方体状の陽極10が、設けられている。この陽極1
0の上面には、その周縁に沿って上方に向って突出する
壁部11が設けられており、これによって当該壁部11
の内側に原料収容部12が形成されている。そして、こ
の収容部12内に、本生成装置による生成目的物である
カーボン・ナノ・ファイバの原料となる昇華性物質13
が、収容される。ここでは、この昇華性物質13とし
て、例えば鉄フタロシアニンを用いる。また、陽極10
は、例えばステンレス等の金属製のものであり、上記プ
ラズマ放電用電源装置9の他方の出力端子と、後述する
バイアス用電源装置14の出力端子の一方に接続されて
いる。なお、この陽極10が、特許請求の範囲に記載の
第2の電極に対応し、この陽極10の上面に形成された
上記原料収容部12が、特許請求の範囲に記載の保持手
段に対応する。そして、プラズマ放電用電源装置9が、
特許請求の範囲に記載の第1電力供給手段に対応する。
【0029】更に、真空槽1内の側壁近傍の部分であっ
て、上記陰極6と陽極10との間に位置する部分には、
当該真空槽1の側壁に沿って、例えば概略偏平の円盤状
若しくは直方体状の基板支持部15が、設けられてい
る。そして、この基板支持部15の内側面(真空槽1の
内側に向いた面)に、カーボン・ナノ・ファイバの生成
対象物である基板16が、そのファイバ生成対象面を真
空槽1の内側に向けた状態で、図示しない所定の固定手
段により固定される。更に、この基板16の表面(ファ
イバ生成対象面)を覆う状態に、例えばステンレス等の
金属製のシャッタ17が設けられている。このシャッタ
17は、図示しない可動機構により、上記基板16の表
面に沿って移動し、必要に応じて、当該基板16の表面
を覆いまたは開放する。なお、基板支持部15は、例え
ばステンレス等の金属製のものであり、上記バイアス用
電源装置14の他方の出力端子に接続されている。ま
た、この基板支持部15は、同図に一点鎖線1aで示す
真空槽1の中心軸(具体的には、陰極6の中心と陽極1
0の中心とを結ぶ軸線)に対して直角な方向における当
該中心軸1aから基板16の表面までの距離Loを、任
意に可変できるようにも構成されている。この基板支持
部15が、特許請求の範囲に記載の支持手段に対応し、
バイアス用電源装置14が、特許請求の範囲に記載の第
2電力供給手段に対応する。
【0030】また、図には示さないが、上記基板支持部
15の内部には、冷却用チューブが設けられており、こ
の冷却用チューブ内を例えば液体窒素等の冷却溶媒が流
通することにより、当該基板支持部15を介して基板1
6を強制的に冷却できるよう構成されている。この構成
が、特許請求の範囲に記載の強制冷却手段に対応する。
なお、この強制冷却手段は、他の手段、例えば気体冷媒
を用いたり電子冷却装置を用いたりすることによって
も、実現できる。
【0031】更に、真空槽1の外部であって、当該真空
槽1の上方側の部分と下方側の部分とには、それぞれ磁
石18、19が設けられている。これらの磁石18、1
9は、例えば図示しない電源装置により作動する電磁石
であって、当該電源装置からの電力の供給により、真空
槽1内に任意の磁界を発生させる。これらの磁石18、
19が、特許請求の範囲に記載の磁界発生手段に対応す
る。
【0032】上記のように構成された生成装置により、
基板16上にカーボン・ナノ・ファイバを生成するに
は、次の手順による。
【0033】即ち、まず、図1に示すように、陽極10
の上面に形成された原料収容部12に、原料としての鉄
フタロシアニン13を供給する。そして、上述した真空
ポンプにより真空槽1内を排気して、当該真空槽1内の
圧力を例えば4×10-4[Pa]乃至3×10-4[P
a]にまで減圧する。このとき、シャッタ17は、閉じ
た状態(即ち基板16の表面を覆った状態)にある。
【0034】上記真空状態を或る一定時間、例えば数分
程度、持続する。これは、真空槽1の壁面等から、当該
壁面等に吸蔵されている不純ガスを放出させるためであ
る。なお、このとき、陰極6を加熱して真空槽1内の温
度を上昇させることにより、当該吸蔵ガスの放出を促進
してもよい。ただし、この場合、当該真空槽1内の温度
上昇により鉄フタロシアニン13が昇華するようなこと
のないよう、上記陰極6に供給する電力をフィラメント
加熱用電源装置8により調整する必要がある。
【0035】上記吸蔵ガスの放出作業を終えた後、プラ
ズマ発生用ガス供給ポート3から真空槽1内にアルゴン
ガスを供給する。そして、図示しない例えばコンダクタ
ンス弁等の圧力調整機構により、真空槽1内の圧力を、
10-2[Pa]乃至10[Pa]の範囲内に調整する。
【0036】次に、上記フィラメント加熱用電源装置8
から陰極6に対して例えば交流電力を供給する。これに
より、陰極6が加熱して、真空槽1内の温度が上昇す
る。そして、この温度上昇やフィラメントで発生する赤
外線の輻射により、鉄フタロシアニン13が昇華する。
なお、この昇華により、真空槽1内の圧力が若干上昇す
るが、暫くすると、当該真空槽1内の圧力は、上記圧力
調整機構により上記一定の圧力に調整される。そして、
この状態を或る一定時間、例えば数分程度、持続して、
真空槽1内の状態(雰囲気)を安定化させる。
【0037】真空槽1内の状態が安定したら、次に、プ
ラズマ放電用電源装置9から陰極6と陽極10との間に
例えば直流電力を供給する。すると、アルゴンガス及び
鉄フタロシアニン13の昇華ガスにより、これら陰極6
と陽極10との間に、プラズマ5が発生する。このプラ
ズマ5は、陰極6と陽極10との各中心を結ぶ上記軸線
1aを中心として当該軸線1aの周囲に発生する。そし
て、このプラズマ5の発生により、鉄フタロシアニン1
3の気体粒子が励起され、或いは解離される。なお、上
記陰極6と陽極10とに供給する電力は、実効的に両極
間に直流的に電圧降下を生じさせる電力であればよく、
例えば非対称パルス電力等の他の形体の電力を供給して
もよい。
【0038】そして、上記プラズマ5が発生している状
態で、各電磁石18、19を作動して、例えば上記軸線
1aに沿う方向に磁界(磁場)を形成する。これによ
り、プラズマ5の密度を任意に制御する。
【0039】続いて、シャッタ17を開くと(即ち基板
16の表面を開放状態とすると)、基板16の表面に、
上記励起されまたは解離された分子または原子が、堆積
する。そして、この状態を一定時間、例えば数十分間乃
至数時間継続すると、基板16の表面に、カーボン・ナ
ノ・ファイバが成長する。このカーボン・ナノ・ファイ
バが成長することは、後述する実験により確認できた。
【0040】上記カーボン・ナノ・ファイバが或る程度
(希望のレベルにまで)成長した後、シャッタ17を閉
じて、当該成長を終了させる。そして、上記とは逆の手
順により本生成装置の運転を停止して、一連のファイバ
生成作業を終了する。なお、この作業終了後、真空槽1
内から基板16を取り出す際、或る一定の冷却期間を置
いてもよい。
【0041】本実施の形態によれば、プラズマCVD法
によりカーボン・ナノ・ファイバを生成できるので、比
較的に低温で、当該ファイバ生成を実現できる。従っ
て、基板16の変形や変質を招く恐れもない。また、基
板16が、例えば上述したITO等の耐熱性の低いも
の、またはこれを使用したもの、であっても、カーボン
・ナノ・ファイバを生成することができる。従って、上
述した熱CVD法を利用する従来技術ではファイバ生成
が不可能であった材料(分野)にも、本実施の形態の装
置を適用できる。
【0042】更に、上記ファイバの生成過程において、
例えば上述した強制冷却手段により基板16を強制的に
冷却したり、バイアス用電源装置14により基板16と
陽極10との間にバイアス電力を印加したり、或いは上
記磁界の方向や大きさ等を変えることによって、カーボ
ン・ナノ・ファイバの形状を制御(変化させることが)
できることも、実験により確認できた。また、基板16
の上記軸線1aからの距離Loによっても、当該カーボ
ン・ナノ・ファイバの形状が変わることも、実験により
確認できた。そして、上述したドーピング用ガス供給ポ
ート4から真空槽1内に反応性ガスを供給した上で、フ
ァイバ生成を行うと、カーボン・ナノ・ファイバの固有
抵抗等の性質が変化することも、実験により確認でき
た。以下、本実施の形態の実施例として、これらの実験
の詳細について説明する。
【0043】
【実施例】[第1の実験]第1の実験として、上記方法
によりカーボン・ナノ・ファイバが成長することを確認
するための実験、を行った。
【0044】本第1の実験における各条件は、次の通り
である。即ち、陰極6と陽極10との間の距離、換言す
ればプラズマ5の長さ(プラズマ長)Lpを、Lp≒40
[mm]に設定する。そして、プラズマ5の中心軸でも
ある上記軸線1aから基板16のファイバ生成対象面ま
での距離Loを、上記プラズマ長Lpの100%に相当す
る寸法、即ちLo≒40[mm]に設定する。そして、
基板16として、シリコン(Si)ウェハを用いる。な
お、基板16は、前処理として、一般に知られているエ
タノール超音波洗浄と10%のフッ酸処理を施したもの
とする。そして、原料収容部12に、約5[mg]乃至
10[mg]の鉄フタロシアニンを供給する。
【0045】次に、真空ポンプにより真空槽1内の3×
10-4[Pa]にまで排気する。これと同時に、フィラ
メント加熱用電源装置8から陰極6に対して交流電力
(ここでは商用交流電力)を供給し、当該陰極6を加熱
させる。そして、この状態を、陰極6に流れる電流と真
空槽1内の真空度とが或る程度安定するまで(例えば変
動率が±10[%]の範囲内に収まるまで)継続する。
なお、このとき陰極6に流れる電流は、約16[A]ほ
どであり、当該陰極6が加熱することによる輻射熱によ
り、陽極10は、約300[℃]にまで昇温する。この
ことは、予め備え付けの図示しないパイロメータ及び熱
電対により、確認された。
【0046】上記陰極6に流れる電流と真空槽1内の真
空度とが安定した後、真空槽1内にプラズマ発生用のア
ルゴンガスを供給し、当該真空槽1内の圧力を5×10
-1[Pa]とする。そして、プラズマ放電用電源装置9
をONして、陰極6と陽極10との間に例えば低リプル
の直流電力を供給する。そして、その約30秒後に、こ
れら各電極6、10間の電位差を約50[V]とし、電
流値を0.3[A]とすることによって、これら両者間
にプラズマ5を発生させる。これと同時に、電磁石1
8、19を作動させて、それぞれ同じ方向に磁界を発生
させることにより、基板16の表面付近に、約80
[G]の所謂ミラー磁場を形成する。なお、上記プラズ
マ5を発生させることにより、陽極10の温度は、パイ
ロメーターの測定か400[℃]乃至450[℃]にま
で上昇が確認された。そして、この状態を約120分間
継続し、この時間経過後、装置を停止して本第1の実験
を終了する。
【0047】本第1の実験により基板16上に堆積した
物質を、電子顕微鏡により観察した。その写真を、図2
に示す。なお、同図における右下方に横並びに表示され
ている11個の点は、目盛りであり、この目盛りの下方
に[μm]という単位が付されて表示されている数値
が、当該目盛りの寸法(具体的には、上記並びの一端に
ある目盛りから多端にある目盛りまでの距離)を表す。
同図に示すように、基板16上に、何らかの繊維状の物
質が堆積していることが確認された。この繊維状の物質
が何であるのかを特定するため、X線解析装置(XR
D)により、当該物質の成分を分析した。その結果を、
図3に示す。
【0048】同図から明らかなように、解析角度「2θ
/ω」が約25度の領域に、グラファイト(黒鉛)のピ
ークが存在することが判る。このことから、上記繊維状
の物質がカーボンを含むこと、即ちカーボン・ナノ・フ
ァイバであることが、証明できた。つまり、プラズマC
VD法を利用する本実施の形態により、カーボン・ナノ
・ファイバを生成できることを、確認できた。
【0049】なお、上記図2に示すカーボン・ナノ・フ
ァイバを、上述した電界放射型表示装置用の電子放出源
に応用する場合を想定して、当該カーボン・ナノ・ファ
イバの電界放出特性(エミッション特性)を測定した。
その結果を、図4に示す。同図(a)は、横軸に、上記
カーボン・ナノ・ファイバに対する印加電界Eを表し、
縦軸に、当該カーボン・ナノ・ファイバがら放出される
電流密度Jを表す、所謂E−J特性図である。そして、
このE−J特性を、一般に知られている電子放出に関す
るFowler-Nordheimの式を用いて「1/E」−「J/
2」特性に変換した図を、同図(b)に示す。一般
に、この「1/E」−「J/E2」特性が直線状である
場合に、電界放出が発生しているものと認められる。即
ち、同図(b)から、当該「1/E」−「J/E2」特
性が略直線性を示すことは明らかである。このことか
ら、本実施の形態により生成されたカーボン・ナノ・フ
ァイバが、電界放出を発生することが確認され、上記電
界放射型表示装置用の電子放出源としての当該カーボン
・ナノ・ファイバの応用が十分に期待できる。なお、か
かる電界放出においては、上記電流密度JがJ≒10-6
[A/cm2]のときの印加電界Eを、電界放出能力の
下限値、所謂しきい値、として定義することが多い。こ
れを鑑みると、図4(a)から、本実施の形態により生
成されたカーボン・ナノ・ファイバのしきい値は、約
1.4[V/μm]であると言える。
【0050】ところで、上記図2においては、カーボン
・ナノ・ファイバが、言わば雲丹の刺のように細長く成
長しており、所謂ウニ型の形状をしている。これらファ
イバの直径は、数百[nm]程度で、長さ寸法は、数
[μm]乃至数十[μm]程度である。ところが、同じ
基板16上の別の場所では、図5に示すように、カーボ
ン・ナノ・ファイバは、短い概略円柱状にしか成長して
いないことが確認された。また、図6に示すように、直
径が数十[nm]で、長さ寸法が約20[μm]ほどに
成長している場所も、確認された。即ち、同じ基板16
上であっても、場所によって、カーボン・ナノ・ファイ
バの成長形体が異なることが、確認された。これは、基
板16の温度等が場所によって不均一であること等によ
るものかと、考えられる。
【0051】[第2の実験]第2の実験として、ガラス
板の表面にITO処理したものを基板16し、この基板
16上に、上記第1の実験と同じ条件により、カーボン
・ナノ・ファイバを生成する場合の実験、を行った。
【0052】図7及び図8に、その実験結果を示す。な
お、これら各図は、同じ基板16上の別の場所を、それ
ぞれ電子顕微鏡で拡大して観測した写真である。これら
各図から明らかなように、基板16として、ITO処理
されたガラス板を用いた場合にも、上記第1の実験と同
様、場所によって、ウニ型のカーボン・ナノ・ファイ
バ、または、短い概略円柱状のカーボン・ナノ・ファイ
バが、生成される。ただし、ウニ型のカーボン・ナノ・
ファイバについては、直径が数十[nm]で、長さ寸法
が約20[μm]ほどの、上記第1の実験の場合に比べ
て、細長いファイバが生成された。一方、円柱状のファ
イバについては、上記第1の実験の場合に比べて、均一
な生成分布が得られた。なお、このファイバ生成後にお
いても、上記ITOの剥離や劣化が確認できなかった。
つまり、本実施の形態によれば、パイロメーターでの測
定やITOの変質が無かったことから、ITOの耐熱限
界(上限値)である約450[℃]以下の温度で、当該
ファイバを生成できることが確認された。
【0053】[第3の実験]第3の実験として、プラズ
マ5の中心軸1aから基板16の表面までの距離Loを
変えて、当該距離Loによりカーボン・ナノ・ファイバ
の成長がどのように影響を受けるのかを確認するための
実験、を行った。具体的には、上記距離Loをプラズマ
長Lpの約10[%]とした場合(Lo≒0.1Lp)
と、約200[%]とした場合(Lo≒2Lp)とで、フ
ァイバ生成を行う。なお、基板16としては、ガラス板
の表面にITO処理したものを用いる。これ以外の条件
は、第1の実験と同様である。
【0054】図9に、上記距離Loをプラズマ長Lpの約
10[%]とした場合(Lo≒0.1Lp)の実験結果を
示し、図10に、上記距離Loをプラズマ長Lpの略20
0[%]とした場合の実験結果を示す。これら各図から
明らかなように、上記距離Loが短いほど、即ち基板1
6をプラズマ5の中心に近付けるほど、カーボン・ナノ
・ファイバは短い概略円柱状に成長する。これとは反対
に、上記距離Loが長いほど、即ち基板16をプラズマ
5の中心から遠ざけるほど、カーボン・ナノ・ファイバ
は細長い繊維状に成長することが判る。つまり、この第
3の実験により、プラズマ5から基板16の表面までの
距離Loを変えることによって、ファイバの形状を制御
できることが、確認された。また、本第3の実験によ
り、上記距離Loをプラズマ長Lpの略200[%]とし
た場合でも、カーボン・ナノ・ファイバが成長すること
も、確認された。
【0055】[第4の実験]第4の実験として、上述し
た強制冷却手段により強制的に基板16を冷却し、この
強制冷却することによりカーボン・ナノ・ファイバの成
長がどのように影響を受けるのかを確認するための実
験、を行った。なお、基板16としては、ガラス板の表
面にITO処理したものを用いると共に、当該基板16
全体を少なくとも400[℃]以下に冷却する。これ以
外の条件は、第1の実験と同様である。
【0056】図11に、本第4の実験の結果を示す。同
図に示すように、基板16上には、細長い言わば芝生状
のカーボン・ナノ・ファイバが、概ね均一に生成され
た。このファイバの直径は、約数十[nm]、長さ寸法
は、約20[μm]ほどである。即ち、本第4の実験に
より、基板16を強制冷却することによって、概ね均一
な分布でカーボン・ナノ・ファイバを成長させることが
できるという、当該強制冷却の有効性が確認された。勿
論、強制冷却作用により、基板16の耐熱性が向上する
ので、ITO膜が剥離したり変性したりすることもな
い。
【0057】[第5の実験]第5の実験として、上述し
たバイアス用電源装置14から陽極10と基板16との
間にバイアス電力を印加して、このバイアス電力を印加
することによりカーボン・ナノ・ファイバの成長がどの
ように影響を受けるのかを確認するための実験、を行っ
た。なお、基板16としては、ガラス板の表面にITO
処理したものを用いる。また、バイアス電力として、陰
極6と陽極10との間の直流的電圧降下値と略同等(即
ち当該直流的電圧降下値の約100[%])の実効値を
有する非対称パルス電力を用いる。ただし、基板16の
電位の方が、陽極10の電位よりも、実効的に約20
[%]低い電位となるような上記非対称パルス電力を印
加する。これ以外の条件は、第1の実験と同様である。
【0058】図12に、本第5の実験の結果を示す。同
図に示すように、基板16上には、言わば花びらにも似
たようなカーボン・ナノ・ファイバが生成される。即
ち、本第5の実験により、基板16に対してバイアス電
力を掛けることによって、カーボン・ナノ・ファイバの
形状を変えることができる、ということが確認された。
【0059】[第6の実験]第6の実験として、上述し
た電磁石18、19により真空槽1内(プラズマ5の雰
囲気内)に掛ける磁界を変化させて、この磁界の変化に
よりカーボン・ナノ・ファイバの成長がどのように影響
を受けるのかを確認するための実験、を行った。具体的
には、各電磁石18、19により互いに反発し会う方向
に磁界を形成することにより、基板16の表面付近に約
10[G]の所謂カスプ磁場を形成する場合と、各電磁
石18、19によりそれぞれ同方向の磁界を形成するこ
とにより、基板16の表面付近に約80[G])の所謂
ミラー磁場を形成する場合とで、ファイバ生成を行う。
なお、基板16としては、ガラス板の表面にITO処理
したものを用いる。これ以外の条件は、第1の実験と同
様である。
【0060】図13に、基板16の表面付近に約10
[G]のカスプ磁場を形成した場合の実験結果を示し、
図14に、基板16の表面付近に約80[G]のミラー
磁場を形成した場合の実験結果を示す。これら各図から
明らかなように、基板16の表面付近に強力なミラー磁
場を形成することによって、比較的に規則正しく整列し
たカーボン・ナノ・ファイバを生成できる。従って、例
えば上述した電界放射型表示装置用の電子放出源として
の用途を前提とするのであれば、この強力なミラー磁場
を形成することが、極めて有効であると推測できる。な
お、基板16の表面付近に約300[G]という比較的
に強力なミラー磁場を形成した場合にも、当該基板16
の表面付近に約80[G]のミラー磁場を形成した上記
図14の場合と同様の実験結果が得られた。
【0061】[第7の実験]第7の実験として、上述し
たドーピング用ガス供給ポート4から真空槽1内に反応
性ガスを供給し、この反応性ガスを供給することにより
カーボン・ナノ・ファイバの成長がどのように影響を受
けるのかを確認するための実験、を行った。具体的に
は、反応性ガスとして、窒素ガス(N2)を用い、これ
をプラズマ発生用のアルゴンガスと略同じ流量(即ちア
ルゴンガスの流量の約100[%]に相当する流量)で
真空槽1内に供給する。なお、この窒素ガスを供給する
ことにより真空槽1内の圧力が上昇するが、この上昇分
については、上述したコンダクタンス弁等の圧力調整機
構により調整する(減圧させる)。この第7の実験にお
いても、基板16として、ガラス板の表面にITO処理
したものを用いる。これ以外の条件は、第1の実験と同
様である。
【0062】本第7の実験結果を、図15及び図16に
示す。なお、図16は、図15の拡大図である。これら
各図から明らかなように、上記窒素ガスをドーピング
(添加)することにより、上述した各図に示すカーボン
・ナノ・ファイバよりも遥かに細いファイバが生成され
ることが判る。また、形状も全く異なる。即ち、窒素ガ
スをドーピングすることにより、形状及び寸法の異なる
カーボン・ナノ・ファイバを生成できることが、確認さ
れた。
【0063】また、本第7の実験により生成されたカー
ボン・ナノ・ファイバの成分を、X線光電子分光法(X
PS)により分析してみた。その結果を、図17に示
す。同図に示すように、上記カーボン・ナノ・ファイバ
内に、ドーピングした窒素の存在が確認できた。即ち、
当該窒素をドーピングすることにより、性質の異なるカ
ーボン・ナノ・ファイバを生成することができるのであ
る。表1に、窒素をドーピングする場合としない場合と
の原子比(Atomic Percent)を示す。
【0064】
【表1】
【0065】この表1から明らかなように、窒素をドー
ピングする場合としない場合とでは、電子構造によって
(例えばC1s及びN1sにおいて)原子比が大きく異
なる。また、固有抵抗値も、1×10-4[Ω・cm]
(概略グラファイトの固有抵抗値)から1×10-8[Ω
・cm]の範囲で可変できた。
【0066】このように上記各実験により、本実施の形
態によれば、上述した従来技術のものに比べて低温でカ
ーボン・ナノ・ファイバを成長でき、また、このカーボ
ン・ナノ・ファイバの形状や大きさ、生成分布、性質等
を制御できることが、確認できた。
【0067】本実施の形態においては、図1の構成によ
る装置を用いてカーボン・ナノ・ファイバを生成した
が、これに限らない。即ち、図1は、飽くまで本発明を
実現するための一例であって、本実施の形態と同様の作
用及び効果を奏するのであれば、当該図1以外の構成の
装置により、本発明を実現してもよい。
【0068】なお、ここでは、プラズマ発生用ガスとし
て、アルゴンガスを用いたが、これ以外のガスを用いて
もよい。また、陰極6の輻射熱により鉄フタロシアニン
13を昇華させたが、例えばYAGレーザ等の熱エネル
ギ照射手段や各種ヒータ等の加熱手段により、当該鉄フ
タロシアニン13を昇華させてもよい。
【0069】そして、バイアス用電源装置14により、
陽極10と基板16との間にバイアス電力を印可するよ
うに構成したが、これに限らない。例えば、陰極6と基
板16との間にバイアス電力を印可してもよい。また、
基板16については、場合に応じて、これを接地電位に
接続したり、或いは電気的に浮かせて所謂フローティン
グ状態としてもよい。更に、基板16を保持する基板支
持部15は、陽極10と一体に構成してもよい。そし
て、基板16の表面を軸線1aに対向させた状態で、当
該基板16を回転(所謂自転)させながらファイバ生成
を行なうよう、基板支持部15を構成してもよい。
【0070】更に、本実施の形態では、真空槽1内に磁
界を形成するのに、2つの磁石18、19を用いたが、
このうちいずれかを排除してもよい。また、これら磁石
18、19は、プラズマ5の中心軸1aから外れた位置
に設けてもよい。そして、これら磁石18、19を電磁
石構成としたが、例えば永久磁石等の他の態様のもので
構成してもよい。
【0071】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、プラズ
マCVD法を利用してカーボン・ナノ・ファイバを生成
するので、当該ファイバの生成対象となる被対象物の温
度上昇を抑制できる。従って、例えば被対象物がITO
等の耐熱性の低い材料を用いたものである場合でも、当
該被対象物の変形や変性を招くことなく、カーボン・ナ
ノ・ファイバを生成できる、という優れた効果がある。
また、カーボン・ナノ・ファイバの生成過程において、
例えば被対象物にバイアスを掛けたり、真空槽内に磁界
を形成したり、更にはこれらの条件を経時的に変化させ
ることによって、カーボン・ナノ・ファイバの形状や大
きさ、分布、或いは性質等を任意に制御できる、という
極めて有効な効果をも奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る装置の一実施の形態を示す概略構
成図である。
【図2】同実施の形態の実施例としての第1の実験によ
り生成されたカーボン・ナノ・ファイバを、電子顕微鏡
で拡大して観測した写真である。
【図3】同第1の実験により生成されたカーボン・ナノ
・ファイバの成分をX線解析装置で分析した結果を示す
図である。
【図4】同第1の実験により生成されたカーボン・ナノ
・ファイバの電界放射特性を示すグラフである。
【図5】図2とは別の部分を電子顕微鏡で拡大して観測
した写真である。
【図6】図2及び図5とは別の部分を電子顕微鏡で拡大
して観測した写真である。
【図7】同実施の形態の実施例としての第2の実験によ
り生成されたカーボン・ナノ・ファイバを、電子顕微鏡
で拡大して観測した写真である。
【図8】図7とは別の部分を電子顕微鏡で拡大して観測
した写真である。
【図9】同実施の形態の実施例としての第3の実験によ
り生成されたカーボン・ナノ・ファイバを、電子顕微鏡
で拡大して観測した写真である。
【図10】図9とは別の条件で生成されたカーボン・ナ
ノ・ファイバを、電子顕微鏡で拡大して観測した写真で
ある。
【図11】同実施の形態の実施例としての第4の実験に
より生成されたカーボン・ナノ・ファイバを、電子顕微
鏡で拡大して観測した写真である。
【図12】同実施の形態の実施例としての第5の実験に
より生成されたカーボン・ナノ・ファイバを、電子顕微
鏡で拡大して観測した写真である。
【図13】同実施の形態の実施例としての第6の実験に
より生成されたカーボン・ナノ・ファイバを、電子顕微
鏡で拡大して観測した写真である。
【図14】図13とは別の条件で生成されたカーボン・
ナノ・ファイバを、電子顕微鏡で拡大して観測した写真
である。
【図15】同実施の形態の実施例としての第7の実験に
より生成されたカーボン・ナノ・ファイバを、電子顕微
鏡で拡大して観測した写真である。
【図16】図15よりも大きい倍率で観測した写真であ
る。
【図17】同第7の実験により生成されたカーボン・ナ
ノ・ファイバの成分をX線光電子分光法により分析した
結果を示す図である。
【符号の説明】
1 真空槽 2 排気ポート 3 プラズマ用ガス供給ポート 4 ドーピング用ガス供給ポート 5 プラズマ 6 陰極 9 プラズマ放電用電源装置 10 陽極 13 昇華性物質 14 バイアス用電源装置 15 基板支持部 16 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 9/02 H01J 9/02 B (71)出願人 500412541 生野 孝 京都府城陽市富野高井60番6号 (72)発明者 尾浦 憲治郎 大阪府吹田市山田西2丁目9番A1−301 号 (72)発明者 大倉 重治 兵庫県尼崎市武庫町1丁目43番3号 (72)発明者 生野 孝 京都府城陽市富野高井60番6号 (72)発明者 浅見 博 兵庫県神戸市西区高塚台3丁目1番35号 神港精機株式会社内 Fターム(参考) 4G046 CA01 CB01 CC00 CC09 4G075 AA23 AA70 BA01 BA05 BB02 BC04 CA02 CA03 CA42 CA48 CA63 DA01 EB01 EB41 4K030 AA11 BA27 CA04 CA06 CA12 FA01 FA10 JA05 JA15 JA16 KA26 4L037 CS03 FA03 PA06 PA19 PA24 PA28

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気手段によって内部が排気される真空
    槽と、 上記真空槽内にプラズマを発生させるプラズマ発生手段
    と、 上記真空槽内の所定位置にカーボン・ナノ・ファイバの
    生成対象となる被対象物を配置する状態に該被対象物を
    支持する支持手段と、 上記真空槽内に上記カーボン・ナノ・ファイバの原料と
    なる原料物質を気体の状態で供給する原料供給手段と、
    を具備する、カーボン・ナノ・ファイバの生成装置。
  2. 【請求項2】 上記原料物質は、昇華性物質であり、 上記原料供給手段は、上記真空槽内において上記昇華性
    物質を保持する保持手段と、該昇華性物質を加熱して該
    昇華性物質を昇華させる加熱手段と、を備えている、請
    求項1に記載のカーボン・ナノ・ファイバの生成装置。
  3. 【請求項3】 上記プラズマ発生手段は、 上記真空槽内に設けられ熱電子を放出する第1の電極
    と、 上記真空槽内において上記第1の電極と間隔を隔てて対
    向する状態に設けられた第2の電極と、 上記第1及び第2の各電極間に第1の電力を供給するこ
    とにより上記第1の電極から放出される熱電子を上記第
    2の電極に吸収させる第1電力供給手段と、 上記真空槽内にプラズマ発生用の第1のガスを供給する
    第1ガス供給手段と、を備えている、請求項1に記載の
    カーボン・ナノ・ファイバの生成装置。
  4. 【請求項4】 上記第1電力供給手段は、上記第1の電
    力の態様を任意に可変できる状態に構成された、請求項
    3に記載のカーボン・ナノ・ファイバの生成装置。
  5. 【請求項5】 上記第1ガス供給手段は、上記第1のガ
    スの供給量を任意に可変できる状態に構成された、請求
    項3に記載のカーボン・ナノ・ファイバの生成装置。
  6. 【請求項6】 上記プラズマ発生手段は、或る軸線を中
    心として該軸線の周囲に上記プラズマを発生させ、 上記支持手段は、上記軸線と略直角な方向に向かって該
    軸線から所定の間隔を隔てた場所に、上記被対象物にお
    ける上記カーボン・ナノ・ファイバの生成対象となる表
    面部分を位置させ、かつ該表面部分を上記軸線に略対向
    させた状態で、該被処理物を支持するよう構成された、
    請求項1に記載のカーボン・ナノ・ファイバの生成装
    置。
  7. 【請求項7】 上記支持手段は、上記軸線から上記被対
    象物の上記表面部分までの距離を任意に可変できる状態
    に構成された、請求項6に記載のカーボン・ナノ・ファ
    イバの生成装置。
  8. 【請求項8】 上記軸線から上記被対象物の上記表面部
    分までの距離が、上記軸線に沿う方向における上記プラ
    ズマの長さ寸法の10%乃至200%にそれぞれ相当す
    る距離の範囲内に設定された、請求項6に記載のカーボ
    ン・ナノ・ファイバの生成装置。
  9. 【請求項9】 上記被対象物を強制的に冷却する強制冷
    却手段、を設けた、請求項1に記載のカーボン・ナノ・
    ファイバの生成装置。
  10. 【請求項10】 上記被対象物と所定の基準電位との間
    に第2の電力を供給する第2電力供給手段、を設けた、
    請求項1に記載のカーボン・ナノ・ファイバの生成装
    置。
  11. 【請求項11】 上記第2電力供給手段は、上記第2の
    電力の態様を任意に可変できる状態に構成された、請求
    項10に記載のカーボン・ナノ・ファイバの生成装置。
  12. 【請求項12】 上記真空槽内に磁界を形成する磁界形
    成手段、を設けた、請求項1に記載のカーボン・ナノ・
    ファイバの生成装置。
  13. 【請求項13】 上記磁界形成手段は、上記磁界の態様
    を任意に可変できる状態に構成された、請求項12に記
    載のカーボン・ナノ・ファイバの生成装置。
  14. 【請求項14】 上記真空槽内にドーピング用の第2の
    ガスを供給する第2ガス供給手段、を設けた、請求項1
    に記載のカーボン・ナノ・ファイバの生成装置。
  15. 【請求項15】 上記第2ガス供給手段は、上記第2の
    ガスの供給量を任意に可変できる状態に構成された、請
    求項14に記載のカーボン・ナノ・ファイバの生成装
    置。
  16. 【請求項16】 所定の真空槽内を排気する排気過程
    と、 上記真空槽内の所定位置にカーボン・ナノ・ファイバの
    生成対象となる被対象物を配置する配置過程と、 上記真空槽内にプラズマを発生させるプラズマ発生過程
    と、 上記真空槽内に上記カーボン・ナノ・ファイバの原料と
    なる原料物質を気体の状態で供給する原料供給過程と、
    を具備する、カーボン・ナノ・ファイバの生成方法。
  17. 【請求項17】 上記原料物質は、昇華性物質であり、 上記原料供給過程において、予め上記真空槽内に設けら
    れている保持手段に上記昇華性物質を供給して保持させ
    る保持過程と、上記保持手段に保持されている上記昇華
    性物質を加熱手段により加熱して昇華させる加熱過程
    と、を実行する、請求項16に記載のカーボン・ナノ・
    ファイバの生成方法。
  18. 【請求項18】 上記プラズマ発生過程において、 上記真空槽内に設けられ熱電子を放出する第1の電極
    と、上記真空槽内において該第1の電極と間隔を隔てて
    対向する状態に設けられている第2の電極と、の間に、
    第1の電力を供給することにより、第1の電極から放出
    される熱電子を第2の電極に吸収させる、第1電力供給
    過程と、 上記真空槽内にプラズマ発生用の第1のガスを供給する
    第1ガス供給過程と、を実行する、請求項16に記載の
    カーボン・ナノ・ファイバの生成方法。
  19. 【請求項19】 上記第1の電力の態様を経時的に変化
    させる、請求項18に記載のカーボン・ナノ・ファイバ
    の生成方法。
  20. 【請求項20】 上記第1のガスの供給量を経時的に変
    化させる、請求項18に記載のカーボン・ナノ・ファイ
    バの生成方法。
  21. 【請求項21】 上記プラズマ発生過程において、或る
    軸線を中心として該軸線の周囲に上記プラズマを発生さ
    せ、 上記配置過程において、上記軸線と略直角な方向に向か
    って該軸線から所定の間隔を隔てた場所に、上記被対象
    物における上記カーボン・ナノ・ファイバの生成対象と
    なる表面部分を位置させ、かつ該表面部分を上記軸線に
    略対向させる状態に、該被処理物を配置する、請求項1
    6に記載のカーボン・ナノ・ファイバの生成方法。
  22. 【請求項22】 上記被対象物を強制的に冷却する強制
    冷却過程、を設けた、請求項16に記載のカーボン・ナ
    ノ・ファイバの生成方法。
  23. 【請求項23】 上記被対象物と所定の基準電位との間
    に第2の電力を供給する第2電力供給過程、を設けた、
    請求項16に記載のカーボン・ナノ・ファイバの生成方
    法。
  24. 【請求項24】 上記第2の電力の態様を経時的に変化
    させる、請求項23に記載のカーボン・ナノ・ファイバ
    の生成方法。
  25. 【請求項25】 上記真空槽内に磁界を形成する磁界形
    成過程、を設けた、請求項16に記載のカーボン・ナノ
    ・ファイバの生成方法。
  26. 【請求項26】 上記磁界の態様を経時的に変化させ
    る、請求項25に記載のカーボン・ナノ・ファイバの生
    成方法。
  27. 【請求項27】 上記真空槽内にドーピング用の第2の
    ガスを供給する第2ガス供給過程、を設けた、請求項1
    6に記載のカーボン・ナノ・ファイバの生成方法。
  28. 【請求項28】 上記第2のガスの供給量を経時的に変
    化させる、請求項27に記載のカーボン・ナノ・ファイ
    バの生成方法。
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