JPWO2006129590A1 - 蛍光ランプ及びその製造方法、並びに照明装置 - Google Patents
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Abstract
Description
先ず、本発明の蛍光ランプの実施の形態を図面に基づき説明する。図1は、本発明の蛍光ランプの一例を示す一部破断図である。図1において、直管状のガラス管1はステム2により両端を封止されており、内部にはネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)等の希ガスと水銀が封入されている。ガラス管1の内面には、厚さ0.5〜3μmで体積比0.1〜0.5の保護膜3が被着されている。また、保護膜3の上には蛍光体を含む蛍光体層4が積層されている。蛍光体層4の厚さは、通常15〜25μmである。ステム2には2本のリード線5によってフィラメント電極6が取り付けられている。ガラス管1の両端には電極端子7を備えた口金8が接着され、電極端子7とリード線5とが接続されている。
次に、本発明の蛍光ランプの製造方法の実施の形態を説明する。但し、本実施形態で用いる無機粒子及びガラス管は、実施形態1で説明したものと同様のものが使用できるので、その説明は省略する。
次に、本発明の照明装置の実施の形態を図面に基づき説明する。図2は、本発明の照明装置の一例を示す卓上スタンド型照明装置の斜視図である。図2において、卓上スタンド型照明装置11は、実施形態1で説明した蛍光ランプ12を2本備え、スイッチ13によってON−OFF制御や光量制御を行うことができる。
次に、実施例に基づき本発明を説明する。
<保護膜液の調製>
平均粒径:70nm、等電点:8.5の酸化アルミニウム(アルミナ)60gを、pHを5に調整した酢酸水溶液260gに加えて、攪拌装置を用いて攪拌することにより、保護膜液を調製した。アルミナの平均粒径は、調製した保護膜液を用いて超音波減衰分光法で測定した値であり、保護膜液に分散した状態の無機粒子の平均粒径の値である。具体的には、Matec Applied Sciences社製の粒度分布測定装置“APS−100”を用いてアルミナの平均粒径を測定した。本実施例以外の他の実施例及び比較例においてもアルミナ等の無機粒子の平均粒径は、本実施例と同様にして測定した。
先ず、蛍光体塗布液の材料として以下のものを準備した。
(1)溶媒:蒸留水1700g
(2)蛍光体:赤色蛍光体としてユーロピウム付活酸化イットリウム蛍光体(Y2O3:Eu3+、以下「YOX」という。)350g、緑色蛍光体としてセリウムテルビウム付活燐酸ストロンチウム蛍光体(LaPO4:Ce3+,Tb3+、以下「LAP」という。)350g、及び青色蛍光体としてユーロピウム付活アルミン酸バリウムマグネシウム蛍光体((Sr,Ca,Ba)10(PO4)6Cl2:Eu2+、以下「SCA」という。)300g
(3)増粘剤:重量平均分子量が約100万のポリエチレンオキシド15g
(4)結着剤:平均粒径が50nmのアルミナ15g
上記保護膜液と蛍光体塗布液を用いて20W形直管タイプの蛍光ランプを次のようにして作製した。先ず、鉛直方向が長手方向になるように設置したソーダガラス製の直管状のガラス管の中に、上記保護膜液を上部から流し込み、自然流下させてガラス管の内側に保護膜液を付着させた。その後、付着した保護膜液を約60℃の温風にて4分間乾燥してガラス管の内面に保護膜を形成した。
<保護膜液の調製>
平均粒径:70nm、等電点:2の二酸化ケイ素(シリカ)60gを、pHを8に調整したアンモニア水溶液300gに加えて、攪拌装置を用いて攪拌することにより、保護膜液を調製した。
先ず、蛍光体塗布液の材料として以下のものを準備した。
(1)溶媒:酢酸ブチル400g
(2)蛍光体:赤色蛍光体としてYOX350g、緑色蛍光体としてLAP350g、及び青色蛍光体としてユーロピウム付活ハロ燐酸ストロンチウム(BaMgAl10O17:Eu2+、以下「BAM」という。)300g
(3)増粘剤:エチルセルロース40g
(4)結着剤:60質量%のCaO0.7BaO1.6B2O3と、40質量%のCaP2O7との混合セラミック(粒径0.5〜1μm)30g
上記保護膜液と蛍光体塗布液を用いて30W形丸管タイプの蛍光ランプを次のようにして作製した。先ず、鉛直方向が長手方向になるように設置したソーダガラス製の直管状のガラス管の中に、上記保護膜液を上部から流し込み、自然流下させてガラス管の内側に保護膜液を付着させた。その後、付着した保護膜液を約60℃の温風にて約4分間乾燥してガラス管の内面に保護膜を形成した。
<保護膜液の調製>
平均粒径:70nm、等電点:8.5のアルミナ30gを、蒸留水300gに加えて、攪拌装置を用いて攪拌することにより、保護膜液を調製した。
上記保護膜液を用いて設計厚さ0.2μmの保護膜を形成した以外は、実施例1と同様にして蛍光ランプを作製した。
<保護膜液の調製>
平均粒径:80nm、等電点:2のシリカ30gを、蒸留水300gに加えて、攪拌装置を用いて攪拌することにより、保護膜液を調製した。
上記保護膜液を用いて設計厚さ0.2μmの保護膜を形成した以外は、実施例2と同様にして蛍光ランプを作製した。
実施例1、2及び比較例1、2の各蛍光ランプの保護膜の厚さと体積比を下記のようにして求めた。
実施例1、2及び比較例1、2の各蛍光ランプを用いて、100時間点灯時の全光束を積分球を用いて測定した。
以上の結果を表1に示す。
上記のように全光束を測定した各蛍光ランプを連続して点灯させ、各点灯時間での光束維持率を求めた。光束維持率は、蛍光ランプを100時間点灯させた時点の全光束をA(lm)とし、その後に蛍光ランプを特定時間点灯させた時点の全光束をB(lm)とした場合、(B/A)×100で表される値(%)とした。その結果を図5及び図6に示す。図5から、直管タイプの蛍光ランプの場合、点灯時間10000時間における実施例1の光束維持率は85%であるのに対し、比較例1では80%であった。また、図6から、丸管タイプの蛍光ランプの場合、点灯時間9000時間における実施例2の光束維持率は80%以上を維持しているのに対し、比較例2では60%まで低下した。
次に、保護膜の体積比の最適化を試みた。先ず、実施例1と同様の材料を用いて、保護膜の厚さと体積比を変化させて直管蛍光ランプを作製し、目視により保護膜の剥がれを観測した。その結果を表2に示す。表2では、全く保護膜の剥がれが観測されなかった蛍光ランプを○印で示し、5mm角以上の膜剥がれが観測された蛍光ランプを×印で示し、5mm角より小さい膜剥がれが観測された蛍光ランプを△印で示した。
平均粒径:20nmの酸化亜鉛(ZnO)40gを、エチルセルロース(有機フィラー)を5重量%含有する酢酸ブチル溶液300cm3に加えて、攪拌装置を用いて攪拌することにより、保護膜液を調製した。この保護膜液を用いて設計厚さ2μmの保護膜を形成した以外は、実施例1と同様にして蛍光ランプを作製した。
平均粒径:50nm、等電点:6の酸化チタン(TiO2)60gを、pHを9に調整したアンモニア水溶液260gに加えて、攪拌装置を用いて攪拌することにより、保護膜液を調製した。この保護膜液を用いて設計厚さ2μmの保護膜を形成した以外は、実施例1と同様にして蛍光ランプを作製した。
平均粒径:100nm、等電点:12の酸化マグネシウム(MgO)50gを、pHを5に調整した酢酸水溶液260gに加えて、攪拌装置を用いて攪拌することにより、保護膜液を調製した。この保護膜液を用いて設計厚さ2μmの保護膜を形成した以外は、実施例1と同様にして蛍光ランプを作製した。
平均粒径:50nm、等電点:7の酸化セリウム(CeO2)110gを、pHを4に調整した酢酸水溶液300gに加えて、攪拌装置を用いて攪拌することにより、保護膜液を調製した。この保護膜液を用いて設計厚さ2μmの保護膜を形成した以外は、実施例1と同様にして蛍光ランプを作製した。
平均粒径:150nm、等電点:9.3の酸化イットリウム(Y2O3)70gを、pHを5に調整した酢酸水溶液300gに加えて、攪拌装置を用いて攪拌することにより、保護膜液を調製した。この保護膜液を用いて設計厚さ2μmの保護膜を形成した以外は、実施例1と同様にして蛍光ランプを作製した。
平均粒径:20nmの酸化亜鉛(ZnO)20gを、酢酸ブチル溶液300cm3に加えて、攪拌装置を用いて攪拌することにより、保護膜液を調製した。この保護膜液を用いて設計厚さ0.2μmの保護膜を形成した以外は、実施例1と同様にして蛍光ランプを作製した。
平均粒径:50nm、等電点:6の酸化チタン(TiO2)20gを、蒸留水300gに加えて、攪拌装置を用いて攪拌することにより、保護膜液を調製した。この保護膜液を用いて設計厚さ0.2μmの保護膜を形成した以外は、実施例1と同様にして蛍光ランプを作製した。
平均粒径:100nm、等電点:12の酸化マグネシウム(MgO)15gを、蒸留水300gに加えて、攪拌装置を用いて攪拌することにより、保護膜液を調製した。この保護膜液を用いて設計厚さ0.2μmの保護膜を形成した以外は、実施例1と同様にして蛍光ランプを作製した。
平均粒径:50nm、等電点:7の酸化セリウム(CeO2)50gを、蒸留水300gに加えて、攪拌装置を用いて攪拌することにより、保護膜液を調製した。この保護膜液を用いて設計厚さ0.2μmの保護膜を形成した以外は、実施例1と同様にして蛍光ランプを作製した。
平均粒径:150nm、等電点:9.3の酸化イットリウム(Y2O3)20gを、蒸留水300gに加えて、攪拌装置を用いて攪拌することにより、保護膜液を調製した。この保護膜液を用いて設計厚さ0.2μmの保護膜を形成した以外は、実施例1と同様にして蛍光ランプを作製した。
実施例3〜7及び比較例3〜7の各蛍光ランプの保護膜の厚さと体積比を実施例1と同様にして求めた。
実施例3〜7及び比較例3〜7の各蛍光ランプを用いて、100時間点灯時の全光束を積分球を用いて測定した。
上記のように全光束を測定した実施例3〜7及び比較例3〜7の各蛍光ランプを用いて、実施例1と同様にして、各点灯時間での光束維持率を求めた。
平均粒径:20nmの酸化亜鉛(ZnO)20gと、平均粒径:70nmの酸化アルミニウム(アルミナ)40gを、エチルセルロース(有機フィラー)を重量%含有する酢酸ブチル溶液300cm3に加えて、攪拌装置を用いて攪拌することにより、保護膜液を調製した。この保護膜液を用いて設計厚さ3μmの保護膜を形成した以外は、実施例1と同様にして蛍光ランプを作製した。
実施例8の蛍光ランプの保護膜の厚さと体積比を実施例1と同様にして求めた。その結果、体積比は0.5であり、厚さは2.8μmであった。
実施例8の蛍光ランプを用いて、100時間点灯時の全光束を積分球を用いて測定した。その結果は、1370(lm)であった。この値は、アルミナのみを用いた実施例1の全光束1379(lm)と、酸化亜鉛のみを用いた実施例3の全光束1362(lm)とのほぼ中間の値であった。これは、酸化亜鉛の屈折率:1.9は、アルミナの屈折率:1.7より高いため、可視光の取り出し放射強度(光束)は、アルミナのみの場合より、酸化亜鉛を加えた分だけ低下したものと考えられる。
実施例1及び実施例8の蛍光ランプを用いて、紫外線領域(300〜400nm)での放射スペクトルを測定した。その結果を図7に示す。図7から、実施例8では近紫外線領域における近紫外線の放射強度のピークが、実施例1に比べて、約1/10に低減できたことが分かる。これは、酸化亜鉛はアルミナに比べて、近紫外線の遮断性能が高いからである。
先ず、本発明の蛍光ランプの実施の形態を図面に基づき説明する。図1は、本発明の蛍光ランプの一例を示す一部破断図である。図1において、直管状のガラス管1はステム2により両端を封止されており、内部にはネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)等の希ガスと水銀が封入されている。ガラス管1の内面には、厚さ0.5〜3μmで体積比0.1〜0.5の保護膜3が被着されている。また、保護膜3の上には蛍光体を含む蛍光体層4が積層されている。蛍光体層4の厚さは、通常15〜25μmである。ステム2には2本のリード線5によってフィラメント電極6が取り付けられている。ガラス管1の両端には電極端子7を備えた口金8が接着され、電極端子7とリード線5とが接続されている。
次に、本発明の蛍光ランプの製造方法の実施の形態を説明する。但し、本実施形態で用いる無機粒子及びガラス管は、実施形態1で説明したものと同様のものが使用できるので、その説明は省略する。
次に、本発明の照明装置の実施の形態を図面に基づき説明する。図2は、本発明の照明装置の一例を示す卓上スタンド型照明装置の斜視図である。図2において、卓上スタンド型照明装置11は、実施形態1で説明した蛍光ランプ12を2本備え、スイッチ13によってON−OFF制御や光量制御を行うことができる。
<保護膜液の調製>
平均粒径:70nm、等電点:8.5の酸化アルミニウム(アルミナ)60gを、pHを5に調整した酢酸水溶液260gに加えて、攪拌装置を用いて攪拌することにより、保護膜液を調製した。アルミナの平均粒径は、調製した保護膜液を用いて超音波減衰分光法で測定した値であり、保護膜液に分散した状態の無機粒子の平均粒径の値である。具体的には、Matec Applied Sciences社製の粒度分布測定装置“APS−100”を用いてアルミナの平均粒径を測定した。本実施例以外の他の実施例及び比較例においてもアルミナ等の無機粒子の平均粒径は、本実施例と同様にして測定した。
先ず、蛍光体塗布液の材料として以下のものを準備した。
(1) 溶媒:蒸留水1700g
(2) 蛍光体:赤色蛍光体としてユーロピウム付活酸化イットリウム蛍光体(Y2O3:Eu3+、以下「YOX」という。)350g、緑色蛍光体としてセリウムテルビウム付活燐酸ストロンチウム蛍光体(LaPO4:Ce3+,Tb3+、以下「LAP」という。)350g、及び青色蛍光体としてユーロピウム付活アルミン酸バリウムマグネシウム蛍光体((Sr,Ca,Ba)10(PO4)6Cl2:Eu2+、以下「SCA」という。)300g
(3) 増粘剤:重量平均分子量が約100万のポリエチレンオキシド15g
(4) 結着剤:平均粒径が50nmのアルミナ15g
上記保護膜液と蛍光体塗布液を用いて20W形直管タイプの蛍光ランプを次のようにして作製した。先ず、鉛直方向が長手方向になるように設置したソーダガラス製の直管状のガラス管の中に、上記保護膜液を上部から流し込み、自然流下させてガラス管の内側に保護膜液を付着させた。その後、付着した保護膜液を約60℃の温風にて4分間乾燥してガラス管の内面に保護膜を形成した。
<保護膜液の調製>
平均粒径:70nm、等電点:2の二酸化ケイ素(シリカ)60gを、pHを8に調整したアンモニア水溶液300gに加えて、攪拌装置を用いて攪拌することにより、保護膜液を調製した。
先ず、蛍光体塗布液の材料として以下のものを準備した。
(1) 溶媒:酢酸ブチル400g
(2) 蛍光体:赤色蛍光体としてYOX350g、緑色蛍光体としてLAP350g、及び青色蛍光体としてユーロピウム付活ハロ燐酸ストロンチウム(BaMgAl10O17:Eu2+、以下「BAM」という。)300g
(3) 増粘剤:エチルセルロース40g
(4) 結着剤:60質量%のCaO0.7BaO1.6B2O3と、40質量%のCaP2O7との混合セラミック(粒径0.5〜1μm)30g
上記保護膜液と蛍光体塗布液を用いて30W形丸管タイプの蛍光ランプを次のようにして作製した。先ず、鉛直方向が長手方向になるように設置したソーダガラス製の直管状のガラス管の中に、上記保護膜液を上部から流し込み、自然流下させてガラス管の内側に保護膜液を付着させた。その後、付着した保護膜液を約60℃の温風にて約4分間乾燥してガラス管の内面に保護膜を形成した。
<保護膜液の調製>
平均粒径:70nm、等電点:8.5のアルミナ30gを、蒸留水300gに加えて、攪拌装置を用いて攪拌することにより、保護膜液を調製した。
上記保護膜液を用いて設計厚さ0.2μmの保護膜を形成した以外は、実施例1と同様にして蛍光ランプを作製した。
<保護膜液の調製>
平均粒径:80nm、等電点:2のシリカ30gを、蒸留水300gに加えて、攪拌装置を用いて攪拌することにより、保護膜液を調製した。
上記保護膜液を用いて設計厚さ0.2μmの保護膜を形成した以外は、実施例2と同様にして蛍光ランプを作製した。
実施例1、2及び比較例1、2の各蛍光ランプの保護膜の厚さと体積比を下記のようにして求めた。
実施例1、2及び比較例1、2の各蛍光ランプを用いて、100時間点灯時の全光束を積分球を用いて測定した。以上の結果を表1に示す。
上記のように全光束を測定した各蛍光ランプを連続して点灯させ、各点灯時間での光束維持率を求めた。光束維持率は、蛍光ランプを100時間点灯させた時点の全光束をA(lm)とし、その後に蛍光ランプを特定時間点灯させた時点の全光束をB(lm)とした場合、(B/A)×100で表される値(%)とした。その結果を図5及び図6に示す。図5から、直管タイプの蛍光ランプの場合、点灯時間10000時間における実施例1の光束維持率は85%であるのに対し、比較例1では80%であった。また、図6から、丸管タイプの蛍光ランプの場合、点灯時間9000時間における実施例2の光束維持率は80%以上を維持しているのに対し、比較例2では60%まで低下した。
次に、保護膜の体積比の最適化を試みた。先ず、実施例1と同様の材料を用いて、保護膜の厚さと体積比を変化させて直管蛍光ランプを作製し、目視により保護膜の剥がれを観測した。その結果を表2に示す。表2では、全く保護膜の剥がれが観測されなかった蛍光ランプを○印で示し、5mm角以上の膜剥がれが観測された蛍光ランプを×印で示し、5mm角より小さい膜剥がれが観測された蛍光ランプを△印で示した。
平均粒径:20nmの酸化亜鉛(ZnO)40gを、エチルセルロース(有機フィラー)を5重量%含有する酢酸ブチル溶液300cm3に加えて、攪拌装置を用いて攪拌することにより、保護膜液を調製した。この保護膜液を用いて設計厚さ2μmの保護膜を形成した以外は、実施例1と同様にして蛍光ランプを作製した。
平均粒径:50nm、等電点:6の酸化チタン(TiO2)60gを、pHを9に調整したアンモニア水溶液260gに加えて、攪拌装置を用いて攪拌することにより、保護膜液を調製した。この保護膜液を用いて設計厚さ2μmの保護膜を形成した以外は、実施例1と同様にして蛍光ランプを作製した。
平均粒径:100nm、等電点:12の酸化マグネシウム(MgO)50gを、pHを5に調整した酢酸水溶液260gに加えて、攪拌装置を用いて攪拌することにより、保護膜液を調製した。この保護膜液を用いて設計厚さ2μmの保護膜を形成した以外は、実施例1と同様にして蛍光ランプを作製した。
平均粒径:50nm、等電点:7の酸化セリウム(CeO2)110gを、pHを4に調整した酢酸水溶液300gに加えて、攪拌装置を用いて攪拌することにより、保護膜液を調製した。この保護膜液を用いて設計厚さ2μmの保護膜を形成した以外は、実施例1と同様にして蛍光ランプを作製した。
平均粒径:150nm、等電点:9.3の酸化イットリウム(Y2O3)70gを、pHを5に調整した酢酸水溶液300gに加えて、攪拌装置を用いて攪拌することにより、保護膜液を調製した。この保護膜液を用いて設計厚さ2μmの保護膜を形成した以外は、実施例1と同様にして蛍光ランプを作製した。
平均粒径:20nmの酸化亜鉛(ZnO)20gを、酢酸ブチル溶液300cm3に加えて、攪拌装置を用いて攪拌することにより、保護膜液を調製した。この保護膜液を用いて設計厚さ0.2μmの保護膜を形成した以外は、実施例1と同様にして蛍光ランプを作製した。
平均粒径:50nm、等電点:6の酸化チタン(TiO2)20gを、蒸留水300gに加えて、攪拌装置を用いて攪拌することにより、保護膜液を調製した。この保護膜液を用いて設計厚さ0.2μmの保護膜を形成した以外は、実施例1と同様にして蛍光ランプを作製した。
平均粒径:100nm、等電点:12の酸化マグネシウム(MgO)15gを、蒸留水300gに加えて、攪拌装置を用いて攪拌することにより、保護膜液を調製した。この保護膜液を用いて設計厚さ0.2μmの保護膜を形成した以外は、実施例1と同様にして蛍光ランプを作製した。
平均粒径:50nm、等電点:7の酸化セリウム(CeO2)50gを、蒸留水300gに加えて、攪拌装置を用いて攪拌することにより、保護膜液を調製した。この保護膜液を用いて設計厚さ0.2μmの保護膜を形成した以外は、実施例1と同様にして蛍光ランプを作製した。
平均粒径:150nm、等電点:9.3の酸化イットリウム(Y2O3)20gを、蒸留水300gに加えて、攪拌装置を用いて攪拌することにより、保護膜液を調製した。この保護膜液を用いて設計厚さ0.2μmの保護膜を形成した以外は、実施例1と同様にして蛍光ランプを作製した。
実施例3〜7及び比較例3〜7の各蛍光ランプの保護膜の厚さと体積比を実施例1と同様にして求めた。
実施例3〜7及び比較例3〜7の各蛍光ランプを用いて、100時間点灯時の全光束を積分球を用いて測定した。
上記のように全光束を測定した実施例3〜7及び比較例3〜7の各蛍光ランプを用いて、実施例1と同様にして、各点灯時間での光束維持率を求めた。
平均粒径:20nmの酸化亜鉛(ZnO)20gと、平均粒径:70nmの酸化アルミニウム(アルミナ)40gを、エチルセルロース(有機フィラー)を重量%含有する酢酸ブチル溶液300cm3に加えて、攪拌装置を用いて攪拌することにより、保護膜液を調製した。この保護膜液を用いて設計厚さ3μmの保護膜を形成した以外は、実施例1と同様にして蛍光ランプを作製した。
実施例8の蛍光ランプの保護膜の厚さと体積比を実施例1と同様にして求めた。その結果、体積比は0.5であり、厚さは2.8μmであった。
実施例8の蛍光ランプを用いて、100時間点灯時の全光束を積分球を用いて測定した。その結果は、1370(lm)であった。この値は、アルミナのみを用いた実施例1の全光束1379(lm)と、酸化亜鉛のみを用いた実施例3の全光束1362(lm)とのほぼ中間の値であった。これは、酸化亜鉛の屈折率:1.9は、アルミナの屈折率:1.7より高いため、可視光の取り出し放射強度(光束)は、アルミナのみの場合より、酸化亜鉛を加えた分だけ低下したものと考えられる。
実施例1及び実施例8の蛍光ランプを用いて、紫外線領域(300〜400nm)での放射スペクトルを測定した。その結果を図7に示す。図7から、実施例8では近紫外線領域における近紫外線の放射強度のピークが、実施例1に比べて、約1/10に低減できたことが分かる。これは、酸化亜鉛はアルミナに比べて、近紫外線の遮断性能が高いからである。
Claims (11)
- 水銀及び希ガスが封入されたガラス管と、前記ガラス管の内面に被着された保護膜と、前記保護膜の上に積層された蛍光体層とを含む蛍光ランプであって、
前記保護膜の厚さは、0.5μm以上3μm以下であり、
前記保護膜は、無機粒子から形成され、且つ前記保護膜の体積比は、0.1以上0.5以下であることを特徴とする蛍光ランプ。 - 前記体積比は、0.2以上0.4以下である請求項1に記載の蛍光ランプ。
- 前記保護膜の厚さは、1μm以上2μm以下である請求項1に記載の蛍光ランプ。
- 前記無機粒子は、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化イットリウム及びハロ燐酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の蛍光ランプ。
- 前記ガラス管は、直管状ガラス管及び丸管状ガラス管から選ばれるいずれかである請求項1に記載の蛍光ランプ。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の蛍光ランプを備えたことを特徴とする照明装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の蛍光ランプの製造方法であって、
平均粒径が20nm以上200nm以下の無機粒子を、前記無機粒子の等電点から3以上の差を有するpHに調整した水に分散させて保護膜液を調製する工程と、
前記保護膜液をガラス管の内面に塗布する工程と、
前記ガラス管に塗布された保護膜液を乾燥して、ガラス管の表面に保護膜を形成する工程とを含むことを特徴とする蛍光ランプの製造方法。 - 前記無機粒子が酸化アルミニウム粒子の場合、前記pHが4以上5.5以下である請求項7に記載の蛍光ランプの製造方法。
- 前記無機粒子が二酸化ケイ素粒子の場合、前記pHが8以上10以下である請求項7に記載の蛍光ランプの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の蛍光ランプの製造方法であって、
平均粒径が20nm以上200nm以下の無機粒子を、有機フィラーを含む有機溶媒に分散させて保護膜液を調製する工程と、
前記保護膜液をガラス管の内面に塗布する工程と、
前記ガラス管に塗布された保護膜液を乾燥して、ガラス管の表面に保護膜を形成する工程と、
前記保護膜を加熱して前記有機フィラーを除去する工程とを含むことを特徴とする蛍光ランプの製造方法。 - 前記有機フィラーの含有量が、前記有機溶媒と前記有機フィラーとの合計重量に対して、1重量%以上10重量%以下である請求項10に記載の蛍光ランプの製造方法。
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