JP2008288132A - 蛍光ランプ用塗料とそれを用いた塗膜及び塗膜の製造方法並びに蛍光ランプ - Google Patents

蛍光ランプ用塗料とそれを用いた塗膜及び塗膜の製造方法並びに蛍光ランプ Download PDF

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Abstract

【課題】紫外線を有効利用するとともに、蛍光体の励起を再度行うことで可視光線領域での透過性を良好に保持し、蛍光体の輝度を向上させることができる塗膜を形成することが可能な蛍光ランプ用塗料とそれを用いた塗膜、及びこの塗膜の製造方法、この塗膜を透光性封止管の内部に形成することにより、可視光線領域での透過性を良好に保持すると共に、輝度を向上させることが可能な蛍光ランプを提供する。
【解決手段】本発明の蛍光ランプ用塗料は、イットリウム、アルミニウム、ユーロピウム、ハフニウム、ニオブ、バナジウム、ケイ素、ジルコニウム、マグネシウム、ストロンチウム、ランタン、カルシウムの群から選択される1種または2種以上の元素を含む無機化合物からなる紫外線反射性を有する保護膜形成用物質と、水および/または低沸点有機溶媒からなる溶媒とを含有してなる。
【選択図】なし

Description

本発明は、蛍光ランプ用塗料とそれを用いた塗膜及び塗膜の製造方法並びに蛍光ランプに関し、更に詳しくは、蛍光体から放射される紫外線を、紫外線反射機能を有する保護膜により蛍光管内に反射させることにより、紫外線を有効利用するとともに、蛍光体の励起を再度行うことで可視光線領域での透過性を良好に保持し、蛍光体の輝度を向上させることが可能な塗膜を形成するための蛍光ランプ用塗料、この蛍光ランプ用塗料を用いた塗膜、及び塗膜の製造方法、並びに、可視光線領域での透過性を良好に保持すると共に、輝度を向上させることが可能な蛍光ランプに関するものである。
従来、パーソナルコンピュータ(PC)やワードプロセッサ(WP)等のOA機器に用いられている液晶表示装置(LCD)は、自発発光型ではないために外部にバックライトユニットを設ける必要があり、このバックライトユニットには冷陰極型の蛍光ランプが取り付けられている。
この蛍光ランプは、例えば、ガラス管の両端が封止された透光性封止管の内面に蛍光体からなる発光層を形成し、この透光性封止管内の両端部側にそれぞれ電極を設け、この透光性封止管内の任意の部分、例えば電極等に酸化セシウム等の電子放射性物質を付着させ、さらに、この透光性封止管内に水銀及びアルゴン等の希ガスを封入したものである。
ところで、従来の蛍光ランプでは、製造コストを低減する目的で蛍光体の塗布量を削減すると、蛍光体層における紫外線吸収率が低下し、その結果、光束及び演色性が低下するという欠点があり、それを解消するために、ガラス面に、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、燐酸カルシウム等の非発光物質からなる紫外線反射層、蛍光体を単独、または複数種混合してなる発光層が順次形成された蛍光ランプが提案されている(特許文献1)。
また、放電容器の管球部の内面に三重蛍光体層からなるUV−可視変換層を形成し、この放電容器の放電キャビティに突き出した内曲管の表面にUV反射層を形成した無電極コンパクト蛍光ランプが提案されている(特許文献2)。
特開平2−223147号公報 特開2002−319373号公報
ところで、従来の蛍光ランプは、ガラス面に、紫外線反射層及び発光層を順次積層した構成であるから、紫外線反射層により紫外線を良好に反射することができるものの、可視光線領域における透過性が十分ではなく、したがって、発光層の輝度を向上させることが難しいという問題点があった。
また、新たに紫外線反射層を設けなければならないために、この紫外線反射層を形成するための工程が別途必要になり、その結果、工程に係る時間が長くなり、製造コストも上昇するという問題点があった。
また、従来の無電極コンパクト蛍光ランプにおいても、上記の蛍光ランプと同様の問題点があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、紫外線を有効利用するとともに、蛍光体の励起を再度行うことで可視光線領域での透過性を良好に保持し、蛍光体の輝度を向上させることができる塗膜を形成することが可能な蛍光ランプ用塗料とそれを用いた塗膜、及びこの塗膜の製造方法、この塗膜を透光性封止管の内部に形成することにより、可視光線領域での透過性を良好に保持すると共に、輝度を向上させることが可能な蛍光ランプを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、紫外線反射性を有する保護膜形成用物質を含有した蛍光ランプ用塗料を用いて透光性封止管の内面に塗膜を形成すれば、紫外線を有効利用するとともに、蛍光体の励起を再度行うことで可視光線領域での透過性を良好に保持することができ、さらには蛍光体の輝度を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の蛍光ランプ用塗料は、紫外線反射性を有する保護膜形成用物質と、溶媒とを含有してなることを特徴とする。
前記紫外線反射性を有する保護膜形成用物質は、イットリウム、アルミニウム、ユーロピウム、ハフニウム、ニオブ、バナジウム、ケイ素、ジルコニウム、マグネシウム、ストロンチウム、ランタン、カルシウムの群から選択される1種または2種以上の元素を含む無機化合物であることが好ましい。
さらに、蛍光物質を含有してなることが好ましい。
前記溶媒は、水および/または低沸点有機溶媒であることが好ましい。
本発明の塗膜は、本発明の蛍光ランプ用塗料を用いて形成してなることを特徴とする。
本発明の塗膜の製造方法は、基材上に、本発明の蛍光ランプ用塗料を塗布して塗布膜を形成し、次いで、この塗布膜を乾燥または乾燥・熱処理することを特徴とする。
本発明の蛍光ランプは、本発明の塗膜を透光性封止管の内部に形成してなることを特徴とする。
本発明の蛍光ランプ用塗料によれば、紫外線反射性を有する保護膜形成用物質を含有したので、得られた保護膜が紫外線を反射することで該紫外線が外部に漏れるのを防止し、紫外線を有効利用することができる。
また、反射した紫外線が蛍光体の励起を再度行うことで、可視光線領域での透過性を良好に保持し、蛍光体の輝度を向上させることができる。
また、この保護膜形成用物質は、紫外線反射性をも兼ね備えているので、保護膜及び紫外線反射膜の双方の機能を有する保護膜を得ることができる。
本発明の塗膜によれば、本発明の蛍光ランプ用塗料を用いて形成したので、紫外線を有効利用するとともに、蛍光体の励起を再度行うことで可視光線領域での透過性を良好に保持することができ、蛍光体の輝度を向上させることができる。
本発明の塗膜の製造方法によれば、基材上に、本発明の蛍光ランプ用塗料を塗布して塗布膜を形成し、次いで、この塗布膜を乾燥または乾燥・熱処理するので、可視光線領域での透過性を良好に保持し、蛍光体の輝度を向上させることができ、さらには保護膜及び紫外線反射膜の双方の機能を有する塗膜を、容易に形成することができる。
また、保護膜及び紫外線反射膜の双方の機能を有する塗膜を一つの工程で形成することができ、したがって、塗膜の製造工程を短縮することができ、製造コストを削減することができる。
本発明の蛍光ランプによれば、本発明の塗膜を透光性封止管の内部に形成したので、透光性封止管の内部に形成された塗膜が紫外線を反射することで該紫外線が透光性封止管の外部に漏れるのを防止し、透光性封止管内の水銀等の電子放射性物質から放出される紫外線を有効利用することができる。
また、反射した紫外線が蛍光体の励起を再度行うことで、可視光線領域での透過性を良好に保持し、蛍光体の輝度を向上させることができる。
また、この保護膜形成用物質は、紫外線反射性をも兼ね備えているので、保護膜及び紫外線反射膜の双方の機能を有する保護膜を容易に得ることができ、したがって、製造コストの低減を図ることができる。
本発明の蛍光ランプ用塗料とそれを用いた塗膜及び塗膜の製造方法並びに蛍光ランプを実施するための最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
「蛍光ランプ用塗料」
本発明の蛍光ランプ用塗料は、紫外線反射性を有する保護膜形成用物質と、溶媒とを含有した、紫外線反射機能を有する保護膜形成用の塗料である。
ここで、紫外線反射性を有する保護膜形成用物質とは、蛍光体を励起する400nm以下の波長の紫外線を反射する性質を有する保護膜形成用物質のことである。
この紫外線反射性を有する保護膜形成用物質における400nm以下の波長の紫外線に対する反射率は、10%以上が好ましく、より好ましくは20%以上、さらに好ましくは50%以上である。
また、この紫外線反射性を有する保護膜形成用物質は、平均粒径が0.05μm以上かつ5μm以下、好ましくは0.05μm以上かつ3μm以下の微粒子であることが好ましい。
この紫外線反射性を有する保護膜形成用物質としては、イットリウム、アルミニウム、ユーロピウム、ハフニウム、ニオブ、バナジウム、ケイ素、ジルコニウム、マグネシウム、ストロンチウム、ランタン、カルシウムの群から選択される1種または2種以上の元素を含む無機化合物であることが好ましい。
この無機化合物の具体例としては、酸化イットリウム、酸化アルミニウム、酸化ユーロピウム、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化バナジウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、酸化ランタン、酸化カルシウム等の酸化物、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の窒化物、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等のケイ酸塩が挙げられる。
この塗料に用いられる溶媒は、基本的には、水および/または低沸点有機溶媒である。
上記の低沸点有機溶媒は、乾燥速度を向上させるために用いられるもので、常圧(1気圧)下で150℃以下の沸点を有する有機溶媒である。この低沸点有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等の低級アルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸−1−ブチル、酢酸−2−ブチル等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等の1種または2種以上を用いることができる。
中でも、水、低級アルコール類、ケトン類等が挙げられ、特に、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)等が好適である。
この塗料の乾燥速度を調節するために、高沸点有機溶媒を添加してもよい。
この高沸点有機溶媒は、常圧(1気圧)下で150℃を超える沸点を有する有機溶媒であり、例えば、N−メチル−2−ピロリジノン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
この紫外線反射性を有する保護膜形成用物質の分散性を向上させるために、上記の塗料に分散剤を添加することが好ましい。
分散剤としては、例えば、ポリカルボン酸塩、ポリアルキル硫酸塩、ポリビニルアルコール(PVA)等の水に可溶なポリマー類が挙げられる。
また、得られた保護膜に蛍光発光機能を持たせたい場合には、上記の塗料に蛍光物質を含有させるのが好ましい。この蛍光物質としては、蛍光体を含む微粒子が好ましく、この蛍光体を含む微粒子としては、赤色系蛍光体物質、緑色系蛍光体物質及び青色系蛍光体物質のうち1種または2種以上からなる蛍光体を含む微粒子が好ましい。
この蛍光体を含む微粒子は、平均粒径が0.05μm以上かつ5μm以下、好ましくは0.05μm以上かつ3μm以下であることが好ましい。
ここで、赤色系蛍光体物質としては、例えば、Y:Eu、Y(PV)O:Eu、YVO:Eu、YS:Eu、(Y,Gd)BO:Eu等が挙げられる。
また、緑色系蛍光体物質としては、例えば、(Ba,Eu)(Mg,Mn)Al1017、LaPO:Ce,Tb、ZnSiO:Mn、ZnS:Cu,Al、CeMgAl1119:Tb、GdMgB10:Ce,Tb等が挙げられる。
また、青色系蛍光体物質としては、例えば、(Sr,Ca,Ba,Mg)(POCl:Eu、(Ba,Sr,Eu)(Mg,Mn)Al10、Sr10(POCl:Eu、ZnS:Ag,Al、BaMgAl1017:Eu等が挙げられる。
これら赤色系蛍光体物質、緑色系蛍光体物質及び青色系蛍光体物質それぞれの含有率は、目的とする蛍光ランプの発光特性に合わせて、適宜設定すればよい。
この塗料には、用途や仕様に応じて上記の他、界面活性剤、樹脂等の有機高分子、硼珪酸亜鉛ガラス等の低融点ガラス等を含有していてもよい。
この塗料によれば、紫外線反射性を有する保護膜形成用物質を含有したので、紫外線を有効利用するとともに、蛍光体の励起を再度行うことで可視光線領域での透過性を良好に保持し、蛍光体の輝度を向上させることができる塗膜を得ることができる。
この保護膜形成用物質は、紫外線反射性をも兼ね備えているので、保護膜及び紫外線反射膜の双方の機能を有する塗膜を得ることができる。
「塗膜の製造方法」
本発明の塗膜の製造方法は、基材上に、上記の塗料を塗布して塗布膜を形成し、次いで、この塗布膜を乾燥または乾燥・熱処理する方法である。
基材としては、熱処理温度に耐える基材であればよく、ガラス基材、透光性のセラミックス基材等が好適であるが、蛍光ランプ用途を考慮すると、蛍光ランプの仕様に適合可能なガラス管が好ましい。
塗布に際しては、形成された後の塗膜の膜厚が0.1μm〜10μmとなるような塗布量とすることが好ましく、特に1μm〜5μmとなるような塗布量とすることが好ましい。
塗布方法としては、平面バックライトでも使用できることから、スピンコート法、ロールコート法、スプレーコート法、バーコート法、ディップコート法、メニスカスコート法、吸上げ塗工法、フローコート法等、通常のウエットコート法を用いることができる。特に、蛍光ランプのようにガラス管の内面に塗膜を形成する場合、吸上げ塗工法、フローコート法等が好適に用いられる。
次いで、この塗布膜を、大気中にて乾燥または乾燥・熱処理する。
乾燥温度は、塗料に含まれる溶媒、すなわち水および/または低沸点有機溶媒が充分に散逸する温度であればよく、例えば、常温〜100℃である。
この乾燥工程では、塗布膜が充分乾燥すればよく、加熱だけの乾燥でもよく、空気を吹き付けてもよい。具体的には、常温のエアブローでも、熱風を吹き付けてもよい。
熱処理は、100℃〜800℃の範囲の温度にて、蛍光ランプに不具合が生じない範囲で所定時間行う。
また、この熱処理工程は、基材上に蛍光体層及び本発明の塗布膜を順次形成した場合には、蛍光体層と同時に熱処理してもよい。
このようにして本発明の塗膜を得ることができる。
この塗膜の製造方法によれば、ガラス基材、透光性のセラミックス基材等の上に、上記の塗料を塗布して塗布膜を形成し、次いで、この塗布膜を乾燥または乾燥・熱処理するので、可視光線領域での透過性を良好に保持するとともに、蛍光体の輝度を向上させることができる塗膜を容易に形成することができる。
また、保護膜及び紫外線反射膜の双方の機能を有する塗膜を、簡単な装置構成で、しかも一つの工程で形成することができる。したがって、塗膜の製造工程を短縮することができ、製造コストを削減することができる。
この様にして得られた塗膜は、紫外線を有効利用するとともに、蛍光体の励起を再度行うことで可視光線領域での透過性を良好に保持することができ、蛍光体の輝度を向上させることができるという優れた特徴を有するものとなっている。
「蛍光ランプ」
本発明の蛍光ランプは、本発明の塗膜を透光性封止管の内部に形成することにより、紫外線を有効利用するとともに、蛍光体の励起を再度行うことで、可視光線領域での透過性を良好に保持し、蛍光体の輝度を向上させることが可能である。
図1は、本発明の一実施形態の蛍光ランプを示す縦断面図、図2は同横断面図であり、図において、1は両端が封止されたガラス管からなる透光性封止管、2は本発明の塗膜であり透光性封止管1の内壁全体(内面)に形成された紫外線反射機能を有する保護膜、3は赤色系発光蛍光体、緑色系発光蛍光体及び青色系発光蛍光体の混合物からなる蛍光体層、4は透光性封止管1内の両端部側にそれぞれ設けられた電極、5は電極4に電気的に接続されたリード線である。
また、Gは透光性封止管1内に封入された封入ガスであり、この封入ガスGは、水銀、及びアルゴン等の希ガスや窒素等の不活性ガスにより構成されている。
また、保護膜2は、紫外線を反射する機能の他、透光性封止管1に含まれている物質とガスGに含まれる水銀とが反応してアマルガムを生成するのを防止する機能をも兼ね備えている膜である。
通常、蛍光ランプは、点灯用電気回路を介して通電して点灯させると、透光性封止管1内の放電空間から発生する水銀の輝線である254nmの波長の光を蛍光体層3が吸収・励起しバルブを通して放射する。このとき変換された可視光線及び蛍光体層3に吸収されなかった紫外線は、通常、可視光線と共にバルブを透過してしまう。
本実施形態の蛍光ランプでは、透光性封止管1の内壁全体に紫外線反射機能を有する保護膜2を形成しているので、この保護膜2により蛍光体層3が吸収し得なかった紫外線を反射することにより、再び蛍光体層3に戻して吸収させ、可視光線に変換してバルブ外に放射させることができる。このサイクルはバルブ内で繰り返し行われるので、透光性封止管1内で放射された紫外線は、最終的に可視光線に変換され、輝度を高めることができる。
例えば、可視光線領域400〜780nmにおける透過率がバルブに対して96〜100%の場合、紫外線領域240〜270nm、特に水銀の輝線である254nmにおける反射率は10〜60%である。
このように、本実施形態の蛍光ランプでは、従来の蛍光ランプと同じ水銀量、同じ電圧とした場合でも、水銀から放射される紫外線を管内で有効利用することができ、したがって、蛍光ランプの輝度を向上させることができる。また、蛍光ランプの輝度を従来と同一にした場合、使用する水銀量を減らすことができる。
その結果、最終的に液晶ディスプレイや液晶テレビ等における冷陰極管の本数を削減することができる。
以上説明したように、この蛍光ランプは、紫外線反射性を有する保護膜形成用物質及び溶媒を含有した本発明の蛍光ランプ用塗料を用いて、透光性封止管1の内壁全体に紫外線反射機能を有する保護膜2を形成したものであるから、紫外線を有効利用するとともに、蛍光体の励起を再度行うことで可視光線領域での透過性を良好に保持することができる。したがって、蛍光体の輝度を向上させることができ、さらには製造コストの低減を図ることができる。
なお、本実施形態の蛍光ランプでは、透光性封止管1の内壁全体に紫外線反射機能を有する保護膜2を成膜し、この紫外線反射機能を有する保護膜2上に蛍光体層3を成膜した構成としたが、本発明の蛍光ランプ用塗料に蛍光物質を含有させることにより、紫外線反射機能を有する保護膜2に蛍光発光層としての機能を持たせた構成としてもよい。この場合、蛍光体層3が不要になる上に、1度の塗工で紫外線反射機能及び蛍光発光機能を有する保護膜を形成することができるので、製造コストの大幅なダウンを図ることが可能である。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
1.塗膜の紫外線反射性の評価
「実施例1」
イットリア(Y)粉末を分散剤を含む純水中にビーズミルを用いて分散させ、その後ビーズを分離し、イットリアを10重量%含む実施例1のイットリア水系塗料を作製した。
次いで、このイットリア水系塗料を、石英ガラス上にロールコート法により塗布し、得られた塗膜を室温にて乾燥させ、実施例1の試料を作製した。
「実施例2」
α−アルミナ(α−Al)粉末を分散剤を含む純水中にビーズミルを用いて分散させ、その後ビーズを分離し、α−アルミナを10重量%含む実施例2のα−アルミナ水系塗料を作製した。
次いで、このα−アルミナ水系塗料を、石英ガラス上にロールコート法により塗布し、得られた塗膜を室温にて乾燥させ、実施例2の試料を作製した。
「実施例3」
γ−アルミナ(γ−Al)粉末を分散剤を含む純水中にビーズミルを用いて分散させ、その後ビーズを分離し、γ−アルミナを10重量%含む実施例3のγ−アルミナ水系塗料を作製した。
次いで、このγ−アルミナ水系塗料を、石英ガラス上にロールコート法により塗布し、得られた塗膜を室温にて乾燥させ、実施例3の試料を作製した。
「比較例1」
酸化亜鉛(ZnO)粉末を分散剤を含む純水中にビーズミルを用いて分散させ、その後ビーズを分離し、酸化亜鉛を10重量%含む比較例1の酸化亜鉛水系塗料を作製した。
次いで、この酸化亜鉛水系塗料を、石英ガラス上にロールコート法により塗布し、得られた塗膜を室温にて乾燥させ、比較例1の試料を作製した。
「比較例2」
ルチル型チタニア(TiO)粉末を分散剤を含む純水中にビーズミルを用いて分散させ、その後ビーズを分離し、チタニアを10重量%含む比較例2のチタニア水系塗料を作製した。
次いで、このチタニア水系塗料を、石英ガラス上にロールコート法により塗布し、得られた塗膜を室温にて乾燥させ、比較例2の試料を作製した。
「紫外線反射性の評価」
実施例1〜3及び比較例1、2各々の試料の塗膜の反射特性を積分球分光光度計V570(日本分光社製)を用いて測定し、石英ガラスを対照としたときの400nm以下の波長帯域における紫外線反射率を、下記の3段階にて評価した。
◎:50%以上
○:25%以上〜50%未満
×:25%未満
実施例1〜3及び比較例1、2各々の試料の紫外線反射特性を図3に、紫外線反射率の評価結果を表1に、それぞれ示す。
なお、図3中、E1〜E3は実施例1〜3を、R1、R2は比較例1、2をそれぞれ示している。
Figure 2008288132
これらの評価結果によれば、実施例1〜3は、比較例1、2に比べて紫外線反射率に優れており、特に短波長側の反射率が顕著であった。
2.蛍光ランプの特性評価
「実施例4」
(塗料の調製)
イットリア(Y)粉末を、分散剤を含む純水と2−プロパノールとの混合溶液(純水:2−プロパノール=1:4)中にビーズミルを用いて分散させ、その後ビーズを分離し、イットリアを5重量%含む実施例4のイットリア水系塗料を作製した。
次いで、このイットリア水系塗料を、石英ガラス上にロールコート法により塗布し、得られた塗膜を室温にて乾燥させ、実施例4の試料を作製した。
(蛍光ランプの作製)
蛍光ランプ用のガラス管を用意し、このガラス管の内面に吸上げ塗工法を用いて上記のイットリア水系塗料を膜厚が0.3μmとなるように塗布した。
次いで、この塗布膜を大気中、90℃にて5分、エアブローしながら乾燥を行い、塗膜を作製した。
次いで、この塗膜上に、吸上げ塗工法を用いて蛍光体スラリーを膜厚が3μmとなるように塗布し、大気中、90℃にて5分、エアブローしながら乾燥を行い、蛍光体塗膜を形成した。蛍光体スラリーとしては、赤色系発光蛍光体、緑色系発光蛍光体及び青色系発光蛍光体の混合物と、ニトロセルロースを含む酢酸ノルマルブチルとの混合物を用いた。
次いで、800℃にて30分熱処理を行い、蛍光体層、及び紫外線反射性を有する保護膜を作製した。
その後、このガラス管に電極やリード線を取り付けて封止し、実施例4の蛍光ランプを作製した。
「実施例5」
(塗料の調整)
α−アルミナ(Al)粉末を、分散剤を含む酢酸ブチル溶液中にビーズミルを用いて分散させ、その後ビーズを分離し、α−アルミナを15重量%含む実施例5のアルミナ水系塗料を作製した。
次いで、このアルミナ水系塗料を、石英ガラス上にロールコート法により塗布し、得られた塗膜を室温にて乾燥させ、実施例5の試料を作製した。
次いで、赤色系発光蛍光体、緑色系発光蛍光体及び青色系発光蛍光体各々の所定量を混合した混合物を、ニトロセルロースを含む酢酸ノルマルブチル溶液に投入して混合し、蛍光体スラリーを作製した。
次いで、上記のアルミナ水系塗料及び蛍光体スラリーを、このアルミナ水系塗料中のα−アルミナ(Al)粉末が蛍光体スラリー中の蛍光体全量に対して10重量%となるように、それぞれの重量を調整して混合し、実施例5の蛍光発光機能及び紫外線反射機能を有する保護膜形成用塗料を作製した。
(蛍光ランプの作製)
蛍光ランプ用のガラス管を用意し、このガラス管の内面に吸上げ塗工法を用いて上記の実施例5の保護膜形成用塗料を膜厚が3μmとなるように塗布した。
次いで、この塗布膜を大気中、90℃にて5分、エアブローしながら乾燥を行い、塗膜を作製した。
次いで、この塗膜に対して、800℃にて30分熱処理を行い、その後、このガラス管に電極やリード線を取り付けて封止し、実施例5の蛍光ランプを作製した。
「比較例3」
蛍光ランプ用のガラス管の内面に、吸上げ塗工法を用いて実施例1で用いた蛍光体スラリーを膜厚が3μmとなるように塗布し、大気中、90℃にて5分、エアブローしながら乾燥を行い、その後、800℃にて30分間、熱処理を行い、蛍光体層を作製した。
その後、このガラス管に電極やリード線を取り付けて封止し、比較例3の蛍光ランプを作製した。
「特性の評価」
実施例4、5各々について、塗膜の全光線透過率、曇り度、初期輝度を評価した。
下記に評価方法を示す。
1.全光線透過率
試料の塗膜の全光線透過率をヘーズメータ NDH2000(日本電色工業社製)を用いて測定した。ここでは、対照として未塗布の石英ガラスを用い、この石英ガラスの全光線透過率を100%として各々の試料の測定値を補正した。得られた測定値を下記の4段階で評価した。
◎:99.0%以上〜100%
○:98.0%以上〜99.0%未満
△:95.0%以上〜98.0%未満
×:95.0%未満
2.曇り度
試料の塗膜のヘーズ値をヘーズメータ NDH2000(日本電色工業社製)を用いて測定した。
ここでは、得られたヘーズ値を下記の4段階で評価し、曇り度の評価とした。
◎:0〜0.5%未満
○:0.5%以上〜1.0%未満
△:1.0%以上〜3.0%未満
×:3.0%以上
3.初期輝度
蛍光ランプを20本作製し、これらの蛍光ランプの明るさ(光束)を全光束測定装置 OSP−150(オプトシリウス社製)を用いて測定し、基準値として比較例3の蛍光ランプ20本の明るさの平均値を100としたときの数値を下記の4段階で評価した。
◎:105以上
○:102以上〜105未満
△:98以上〜102未満
×:98未満
これらの評価結果を表2に示す。
Figure 2008288132
これらの評価結果によれば、実施例4、5は、塗膜の全光線透過率、曇り度、初期輝度共に優れていることが分かった。
特に、全光線透過率及び曇り度については、極めて優れたものであった。
本発明の一実施形態の蛍光ランプを示す縦断面図である。 本発明の一実施形態の蛍光ランプを示す横断面図である。 実施例1〜3及び比較例1、2各々の試料の紫外線反射特性を示す図である。
符号の説明
1 透光性封止管
2 紫外線反射機能を有する保護膜
3 蛍光体層
4 電極
5 リード線
G 封入ガス

Claims (7)

  1. 紫外線反射性を有する保護膜形成用物質と、溶媒とを含有してなることを特徴とする蛍光ランプ用塗料。
  2. 前記紫外線反射性を有する保護膜形成用物質は、イットリウム、アルミニウム、ユーロピウム、ハフニウム、ニオブ、バナジウム、ケイ素、ジルコニウム、マグネシウム、ストロンチウム、ランタン、カルシウムの群から選択される1種または2種以上の元素を含む無機化合物であることを特徴とする請求項1記載の蛍光ランプ用塗料。
  3. さらに、蛍光物質を含有してなることを特徴とする請求項1または2記載の蛍光ランプ用塗料。
  4. 前記溶媒は、水および/または低沸点有機溶媒であることを特徴とする請求項1、2または3記載の蛍光ランプ用塗料。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項記載の蛍光ランプ用塗料を用いて形成してなることを特徴とする塗膜。
  6. 基材上に、請求項1ないし4のいずれか1項記載の蛍光ランプ用塗料を塗布して塗布膜を形成し、次いで、この塗布膜を乾燥または乾燥・熱処理することを特徴とする塗膜の製造方法。
  7. 請求項5記載の塗膜を透光性封止管の内部に形成してなることを特徴とする蛍光ランプ。
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