JP5515141B2 - 蛍光体および蛍光ランプ - Google Patents

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Description

本発明は、高発光強度を有しつつ低コストで製造され、一般の照明や液晶バックライト等に用いられる蛍光体、蛍光ランプに関する。
一般に、液晶パネルのバックライトや一般照明等に用いられる光源等として、蛍光ランプが用いられている。これら蛍光ランプにおいては、多くの場合、特許文献1や特許文献2等に示すように、ユーロピウム、テルビウム、イットリウム及びランタン等の高価な希土類の元素を含む蛍光体が用いられているため、コスト面で非常に不利である。
また、我が国は希土類金属元素の資源に乏しく、このため蛍光ランプ等に用いられた希土類元素の回収や再資源化利用技術等の研究も盛んに行われている。こうした状況において、環境・資源等の面からも、希土類元素を用いることなく、通常の蛍光ランプと同様に充分な発光強度等を有する、蛍光体や蛍光ランプが強く要望されている。
一方、希土類を含まない蛍光体として、錫(Sn)元素を含む蛍光体が知られている。例えば、特許文献3等には、錫(Sn)元素を含む蛍光体が開示されている。しかし、希土類元素を用いない場合には、発光強度の面で劣る場合も多く、希土類元素を含まずとも発光強度が高い蛍光体が望まれている。
特開2005−248184号公報 特許第4009869号公報 特開2009−001760号公報
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、高価で希少な希土類元素を含むことなく、高発光強度で蛍光を発生可能な蛍光体、及び、これを用いた蛍光ランプを低コストで提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る蛍光体は、
一般式:CaSnl−yTiSir
(式中、xは0.8≦x≦1.2、yは0.01<y<0.4、zは0.8≦z≦1.2、rは4≦≦6を満たす数である。)で表されることを特徴とする。
また、本発明の第2の観点に係る蛍光ランプは、
透光管、該透光管内部に、放電を生じさせる電極及び蛍光体層を有し、更に、水銀及び放電媒体が前記透光管内に封入された蛍光ランプであって、前記蛍光体層が、前記第1の観点に係る蛍光体を含むことを特徴とする。
本発明によれば、高価で希少な希土類元素を含まずに、発光強度が高く低コストで製造可能な蛍光体、及び、これを用いることにより、充分な発光強度を有し、低コストで製造可能な蛍光ランプを提供することができる。
本実施形態における実施例1で作製した蛍光体の励起スペクトル(波線(a))及び発光スペクトル(実線(b))を表す図である。 本実施形態で得られた蛍光体において、発光ピーク強度のチタン含有量依存性を表す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
[蛍光体]
本発明の蛍光体は、一般式が、CaSnl−yTiSir(式中、xは0.8≦x≦1.2、yは0.01<y<0.4、zは0.8≦z≦1.2、rは4≦≦6を満たす数である。)で表される蛍光体である。
このように、本発明の蛍光体は、高価な希土類元素を含まず、錫元素(Sn)及びチタン元素(Ti)を、前述の一般式で表される関係において含むため、コスト面でも有利であり、かつ、チタン元素(Ti)を所定量含有させたことにより、充分な発光強度を有する。
前記蛍光体の一般式においては、x及びzが1、rが5であって、かつyが0.01<y<0.4を満たすのが好ましく、特に、充分な発光強度の蛍光を発生させることができる点で、0.01<y<0.15を満たすのがより好ましい。
前記蛍光体の製造方法としては、特に制限はないが、例えば、以下のような方法等が挙げられる。先ず原材料として、CaCO、SnO、SiO、TiO等を用い、SnO及びSiOを、所定温度(例えば、約1000℃)で所定時間(例えば、約6時間)焼成し、一方CaCO及びTiOを、所定温度(例えば、約200℃)で所定時間(例えば、約3時間)焼成し、元素が所定のモル比になるように秤量して、乾式混合後、所定圧力(例えば、約50MPa)でペレット状等に加圧成型する。その後、電気炉を用いて所定温度(例えば、約1300〜1400℃)で所定時間(例えば、12時間)焼成して粉砕することにより、粉末として蛍光体を得る。
前記蛍光体の粒径としては、特に制限はないが、粒径で1μm〜20μmが好ましく、2μm〜8μmがより好ましい。
前記粒径が、1μmより小さくなると発光強度が低くなったり、蛍光体の凝集体が形成されることがある一方、20μmを超えると、蛍光体における均一分散性が悪くなったり、他の種類の蛍光体と併用した際に色むらが生ずること等がある。
ここで前記粒径は、蛍光体の中心粒径(D50)であり、例えばレーザー回折式粒度分布測定装置等を用いてレーザー回折法により測定することができる。
以上の本発明の蛍光体は、低コストで製造され、かつ発光強度が高い。よって、次に説明するように、本発明の蛍光ランプ等に使用することにより、通常の蛍光ランプと比べて、高い発光強度を発揮しつつも低コストでの製造が可能である。
[蛍光ランプ]
本発明の蛍光ランプは、透光管と、該透光管内部に電極及び蛍光体層と、を有し、必要に応じてその他の構成を有する。該蛍光層は、前記本発明の蛍光体を含み、必要に応じてその他の成分を含む。また本発明の蛍光ランプにおいては、前記透光管内に、水銀及び放電媒体が封入されてなり、必要に応じてその他の成分が含まれてなる。
<透光管>
前記透光管を形成する層の材質としては、可視光を透過する材質であれば特に制限はなく、加工容易性等から、通常の蛍光ランプにおいて用いられているガラス等が好適に用いられる。ガラスの成分としては、特に制限はないが、可視光を吸収しない等の点からは、通常のガラス成分であるSiO、Al、B、などを主成分とするような一般的な成分であれば全て好ましい。その他にも、NaO、LiO、KO、MgO、CaO、SrO、BaO等の成分が、目的や用途等によって適宜含まれていてもよい。
前記透光管の形状としては、特に制限はなく、その断面が円形や楕円形の直管型形状のもののほか、湾曲型形状、環形形状、バルブ型形状など、いずれの形状であってもよい。
<電極>
前記透光管の内部には、水銀原子から紫外線を放射させるための放電を発生させるため、一対の電極が設けられる。該電極としては、特に制限はなく、冷陰極、外部電極等のいずれのタイプの電極であってもよい。
前記電極が冷陰極の場合、例えば、ニッケル、モリブデン等により成形されたカップ状の電極等が用いられる。このようなカップ状の電極は、その開口部を対向させて、透光管の両端部に配置させて用いられるのが好ましい。
前記電極が外部型電極の場合、例えば、アルミニウム箔、鉄、ニッケルの合金等からなる電極等が用いられる。このような電極は、例えば、透光管の両末端部の外周面において、金属粒子等を含有するシリコン樹脂の導電性粘着剤や半田等を介して設けることができる。
前記電極の表面又は近傍には、蛍光ランプの暗黒始動特性の向上を目的として、必要に応じて電子放出物質等を設けるのも好ましい。
前記電子放出物質は、イオン結晶物質で形成されたものが好ましい。イオン結晶物質は、陰イオン及び陽イオンが主として静電気引力により凝集してなる結晶からなるものである。該イオン結晶物質の陰イオンが、蛍光ランプ内で2次電子を放出することにより、蛍光ランプの始動特性が向上する。
前記イオン結晶物質としては、例えば、硫酸塩や、塩酸塩、フッ酸塩、臭酸塩、ヨウ酸塩等のハロゲン酸塩や、硝酸塩、炭酸塩等の無機酸塩や、カルボン酸等の有機酸塩等の陰イオンを含むイオン結晶物質等が挙げられる。より具体的には、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸鉄等の硫酸塩、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等のハロゲン化物、カルボン酸カルシウム塩、カルボン酸マグネシウム塩等のカルボン酸塩等のほか、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化ランタン、水酸化ランタン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく2種以上が併用されてもよい。
前記イオン結晶物質で電子放出物質を形成するには、例えば、イオン結晶物質を含有する塗布液を調製し、これを電極近傍の透光管内面や、電極表面に塗工し、塗膜として設けることができる。
<蛍光体層>
前記蛍光体層は、前述のように、前記透光管内部に設けられる層であり、少なくとも前記本発明の蛍光体を含む。
前記蛍光体層は、前記透光管の層(ガラス層等)上に直接形成されていてもよく、後述するように、透光管の層(透光管内部)上に保護層(低屈折保護層等)を設け、その保護層の上に形成されてもよい。
前記蛍光層の厚みとしては、可視光の透過性等に支障がなければ特に制限はないが、例えば、3μm〜50μmが好ましく、5μm〜30μmがより好ましい。前記厚みが50μmを超えると、該蛍光体層の膜が剥がれ易くなることがある。一方、該厚みが3μmよりも薄いと、蛍光体層が透けてしまい、充分な発光が得られないことがある。
前記蛍光体層は、前述のように前記本発明の蛍光体を含み、必要に応じてその他の成分を含む。
-本発明の蛍光体-
前記蛍光体層は、低コストで製造され、かつ高発光強度で蛍光する下記一般式で表される本発明の蛍光体を含むため、本発明の蛍光ランプは、通常の蛍光ランプと比べ、高い発光強度を有しつつも低コストでの製造が可能である。
一般式:CaSnl−yTiSir
(式中、xは0.8≦x≦1.2、yは0.01<y<0.4、zは0.8≦z≦1.2、rは4≦≦6を満たす数である。)
尚、本発明の蛍光ランプで用いる前記本発明の蛍光体としては、一般式中のx、y、z及びrの好ましい値や理由等は、前記本発明の[蛍光体]の説明において記載したのと全て同様である。
-その他の成分-
前記蛍光体層に含まれるその他の成分としては、例えば、水銀原子から放射される253.7nm等の紫外線によって可視光を発光する、前記本発明の蛍光体以外の成分の蛍光体等が好適に挙げられる。このような蛍光体としては、熱に対する劣化が少なく、水銀の吸着が少ない蛍光体が好ましい。また、蛍光ランプの始動時には、水銀蒸気圧が高く継続してしまう場合があるが、そのような場合であっても、吸着する水銀による透光管の劣化を抑制できる蛍光体が好ましい。
前記蛍光体としては、例えば、Y23:Eu、YVO4:Eu、LaPO4:Ce,Tb、(Ba,Eu)MgAl1017、(Ba,Sr,Eu)(Mg,Mn)Al1017、Sr10(PO46l2:Eu、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46l2:Eu等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
特に、白色の色補正等を目的として、既知の青色蛍光体(BAM:Euなど)、緑色蛍光体(LAP:Ce,Tbなど)および赤色蛍光体(YOU:Euなど)等も好適に用いられる。
<その他の構成>
前透光管内部に設けられる、その他の構成としては、例えば、透光管の材質の屈折率よりも低い屈折率を有する材質を含む、低屈折率保護層等が挙げられる。このような低屈折率保護層が設けられると、蛍光ランプの発光光束が向上するため好ましい。この場合、前記蛍光体層の屈折率は、この低屈折率保護層よりも更に低屈折率であるのが好ましい。更に所望により、この低屈折率保護層と前記蛍光体層との間に、高屈折率保護層を設けてもよい。
前記低屈折率保護層の材質としては、例えば、フッ化カルシウム(CaF)、フッ化セリウム・フッ化カルシウム(CeF+CaF)、フッ化マグネシウム(MgF)、フッ化ストロンチウム(SrF)、フッ化バリウム(BaF)、Gryolite(NaAlF)及びシリカ(SiO)等が挙げられる。これらは1種単独で用いられていてもよく、2種以上が併用されていてもよい。
前記低屈折率保護層の厚みとしては、特に制限はないが、0.05μm〜3μmが好ましく、0.1μm〜2μm以下がより好ましい。
低屈折率保護層の厚みが3μmより厚いと、低屈折率保護層に光が吸収され発光光束が低下する可能性があり、一方0.05μmよりも薄いと透光管の外部からの光を全反射することが困難なことがあるからである。
以上、本発明の蛍光ランプに、前記低屈折率保護層を設けると、透光管と空気との界面で全反射した光を、透光管と低屈折率保護層との界面で、再度、全反射することにより、光を透光管の外へ出すことができるため発光光束が向上する。
<透光管内の封入成分>
本発明の蛍光ランプにおいては、前記透光管内部に、水銀及び放電媒体が封入され、必要に応じてその他の成分が封入されている。
前記水銀は、電離した前記希ガスによって生成される2次電子により生じるグロー放電によって励起され、253.7nmを含む紫外線を発生する。透光管内部に封入する水銀の蒸気圧としては、蛍光ランプの点灯時において、例えば、1〜10Pa等が好ましい。
前記放電媒体としては、希ガスが挙げられ、前記電極に始動電圧が印加されると、前記透光管内に僅かに存在する電子により電離されて、電極や前述の電子放出物質等に衝突して2次電子を放出する。該希ガスとしては、アルゴンやネオン等が挙げられる。透光管に封入する希ガスの量としては、例えば、30〜100torr等が好ましい。
(蛍光ランプの製造方法)
以上の本発明の蛍光ランプを製造する方法としては、通常の公知の方法であれば特に制限はないが、例えば、以下の方法を挙げることができる。
先ず透光管を用意し、所定の温度等で焼成して残存有機物等を分解することにより、透光管内面を洗浄する。
次に、蛍光層を形成するため、前記本発明の蛍光体を含む蛍光体含有液を調製する。ここで、溶媒としては、エチルアルコールや、水や、メチルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類や、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸sec−ブチル等のギ酸エステル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル等の酢酸エステル類や、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類や、トルエン、パラキシレン、オルトキシレン等の芳香族炭化水素類等を適宜用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
前記蛍光体含有液には、バインダー成分が含有されていてもよい。
前記バインダー成分としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂(メチルセルロース、エチルセルロース、ニトロセルロースなど)、PVP(ポリビニルピロリドン)、ポリビニルアセタール、PVA(ポリビニルアルコール)、ブチラール樹脂、シリコン樹脂、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
前記バインダー成分は、蛍光ランプの製品中に残存すると不純物となることがあり、蛍光ランプの製品としての寿命(耐久性)や輝度(明るさ)、反射防止効果などに不具合をもたらす可能性があるため、次に説明する焼成で揮散させ、実質的に残らないようにするのが好ましい。
次に、前記透光管の内面に、調製した前記蛍光体含有液を塗布し、焼成して蛍光体層を形成する。塗布の方法としては、特に制限はなく、噴霧法、ディップ法、吸い上げ法、液体を透光管内に流す方法等のいずれであってもよい。さらには、塗布の方法として、静電塗装法、金属アルコキシドを有機溶媒に溶解した液を用いるゾルゲル法等であってよい。
そして、前記透光管の両端の内部に、リード線を接続した電極を設けて口金等で封止し、その後、放電媒体(希ガス)及び水銀を封入し、透光管の端部を封止する。
上記方法においては、例えば、蛍光体含有液を塗布する前に、透光管の内面に、低屈折率保護層の分散液を塗布して乾燥させ、低屈折率保護層を形成する工程を設けてもよい。また、電極を透光管内に設ける前に、イオン結晶物質を含む塗布液を調製し、これを電極近傍の透光管内面や電極表面に塗工してもよい。
(蛍光ランプの発光動作)
以上の本発明の蛍光ランプにおいては、先ず、透光管内部に設けられた一対の電極に電圧が印加される。すると、透光管内に封入された放電媒体を介して双方の電極間に放電が生じる。その放電に伴い、放電媒体内部に封入された水銀が、励起放射によって紫外線(主波長254nm)を放射する。発生した紫外線は、周囲の蛍光体層に照射され、これによって、蛍光体層に含まれる蛍光体粒子が励起され、可視光(波長400nm程度以上)が発生する。そして、この可視光が、透光管を透過して外部に放射されることにより、本発明の蛍光ランプが発光する。
以上の本発明の蛍光ランプは、冷陰極蛍光ランプや熱陰極蛍光ランプでもよく、用途や目的に応じて適宜設計される。ここで冷陰極蛍光ランプは、フィラメントで加熱して熱電子を放出させるタイプの蛍光ランプを指す。また熱陰極蛍光ランプは、放電を行う際にフィラメントで加熱して熱電子を放出させるタイプの蛍光ランプを指す。
以上の本発明の蛍光ランプは、低コストで製造され、かつ発光強度の高い本発明の蛍光体を用いるため、高い発光強度を有しつつも低コストでの製造が可能である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<蛍光体の作製>
本発明のCa(Sn,Ti)SiO蛍光体を以下のようにして作製した。
先ず、原材料としてCaCO、SnO、SiO、TiOを用いた。この原料のうち、SnO及びSiOは、1000℃で約6時間焼成し、CaCO及びTiOは、200℃で約3時間焼成した後、元素が所定のモル比になるように秤量して、乾式混合後約50MPaで直径1cmのペレット状に加圧成型した。その後、電気炉を用いて1300〜1400℃で12時間焼成し粉砕し粉末を得た。焼成時の雰囲気は、大気もしくは酸素雰囲気で行った。得られた焼成体の粉末をX線回折で測定することにより、組成式:(CaSn0.97Ti0.03SiO)で表される蛍光体が得られたことが確認された。
-スペクトル及び発光ピーク強度の測定-
得られた蛍光体(組成式:(CaSn0.97Ti0.03SiO、))の励起スペクトル及び発光スペクトルを図1に示す。尚、図1において、波線(a)は励起スペクトル、実線(b)は発光スペクトルを表す。またこの時の発光ピーク強度を図2(b)に示した。
<蛍光ランプの作製>
以下のようにして、冷陰極蛍光ランプを作製した。
-蛍光体含有液の調製-
実施例1で得られた蛍光体(CaSn0.97Ti0.03SiO)を70wt%、Y2O3:Euを27wt%、BaMgAl10O17:Euを3wt%含む蛍光体含有液(溶媒:酢酸ブチル)を調製した。
-蛍光体層の形成-
次に、純水で内面を洗浄した後、500〜600℃で焼成した、口径2.4mm、0.2mm厚のホウケイ酸ガラス製の透光管を用意した。この透光管の内面に、前述で調製した蛍光体含有液を塗布し600℃で焼成することにより、厚さ20nmの蛍光体層を形成した。
-蛍光ランプの作製-
その後、電極を配置し、バーナーで加熱して封止した。その後、アルゴンガス、ネオンガス、及び水銀を封入し、透光管の端部を封止することにより、冷陰極蛍光ランプを作製した。
以上、図1及び図2からもわかるように、実施例1で得られた蛍光体は、蛍光ランプ内の水銀線(波長:254nm)励起において、充分に高い強度の発光を示すことがわかる。また青緑色がかった白色の蛍光が得られた。更に蛍光ランプに使った蛍光体として、前記本発明の蛍光体を用いたため、低コストで蛍光ランプが製造された。
(実施例2)
実施例1と同様の条件で蛍光体を作製し、組成式が、CaSn0.99Ti0.01SiO)の蛍光体を得、実施例1と同様にしてスペクトル及び発光ピーク強度の測定を行った。この発光ピーク強度の結果を図2(a)に示した。
(実施例3)
実施例1と同様の条件で蛍光体を作製し、組成式が、CaSn0.95Ti0.05SiO)の蛍光体を得、実施例1と同様にしてスペクトル及び発光ピーク強度の測定を行った。この発光ピーク強度の結果を図2(c)に示した。
(実施例4)
実施例1と同様の条件で蛍光体を作製し、組成式が、CaSn0.925Ti0.075SiO)の蛍光体を得、実施例1と同様にしてスペクトル及び発光ピーク強度の測定を行った。この発光ピーク強度の結果を図2(d)で示した。
(実施例5)
実施例1と同様の条件で蛍光体を作製し、組成式が、CaSn0.9Ti0.1SiO)の蛍光体を得、実施例1と同様にしてスペクトル及び発光ピーク強度の測定を行った。この発光ピーク強度を図2(e)で示した。
(実施例6)
実施例1と同様の条件で蛍光体を作製し、組成式が、CaSn0.85Ti0.15SiO)の蛍光体を得、実施例1と同様にしてスペクトル及び発光ピーク強度の測定を行った。この発光ピーク強度を図2(f)で示した。
(実施例7)
実施例1と同様の条件で蛍光体を作製し、組成式が、CaSn0.8Ti0.2SiO)の蛍光体を得、実施例1と同様にしてスペクトル及び発光ピーク強度の測定を行った。この発光ピーク強度を図2(g)で示した。
(実施例8)
実施例1と同様の条件で蛍光体を作製し、組成式が、CaSn0.7Ti0.3SiO)の蛍光体を得、実施例1と同様にしてスペクトル及び発光ピーク強度の測定を行った。このときの発光ピーク強度を図2(h)で示した。
(実施例9)
実施例1と同様の条件で蛍光体を作製し、組成式が、CaSn0.6Ti0.4SiO)の蛍光体を得、実施例1と同様にしてスペクトル及び発光ピーク強度の測定を行った。このときの発光ピーク強度を図2(i)で示した。
以上、図2からわかるように、実施例1〜9で得られた蛍光体における発光ピーク強度は、各蛍光体組成におけるチタン含有量(組成)に依存することがわかった。

Claims (6)

  1. 一般式:CaSnl−yTiSir
    (式中、xは0.8≦x≦1.2、yは0.01<y<0.4、zは0.8≦z≦1.2、rは4≦≦6を満たす数である。)で表されることを特徴とする、蛍光体。
  2. 前記一般式において、x及びzが1であり、yは0.01<y<0.4を満たす数であり、rが5である、請求項1に記載の蛍光体。
  3. 前記一般式において、x及びzが1であり、yは0.01<y<0.15を満たす数であり、rが5である、請求項1又は2に記載の蛍光体。
  4. 透光管、該透光管内部に、放電を生じさせる電極及び蛍光体層を有し、更に、水銀及び放電媒体が前記透光管内に封入された蛍光ランプであって、前記蛍光体層が、請求項1乃至3の少なくともいずれか1項に記載の蛍光体を含むことを特徴とする蛍光ランプ。
  5. 熱陰極蛍光ランプである請求項4に記載の蛍光ランプ。
  6. 冷陰極蛍光ランプである請求項4に記載の蛍光ランプ。
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