JP2007091533A - 蛍光ランプ用ガラス組成物および蛍光ランプ - Google Patents

蛍光ランプ用ガラス組成物および蛍光ランプ Download PDF

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Abstract

【課題】発光効率および可視光透過率の高い蛍光ランプ用ガラス組成物を提供する。
【解決手段】Tb2O3、Ce2O3およびB2O3を含有し、当該B2O3を含有することにより前記Ce2O3に由来するCe3+の発光ピーク波長が390nm以下であるガラス組成物とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、蛍光ランプ用ガラス組成物および蛍光ランプに関する。
蛍光ランプは、内部に水銀及び希ガスが封入され内面に蛍光体層が形成されたガラスバルブを備え、当該ガラスバルブ内で放電を生じさせることにより、水銀の励起放射によって254nmを主とする紫外線を発生させ、この紫外線で蛍光体を励起して可視光を得る発光のメカニズムを有する。
蛍光ランプの輝度を向上させる手段の1つとして、特許文献1には、紫外線を受けて励起発光する希土類元素を、ガラスバルブを形成するガラスに添加し、当該ガラス自体を発光させる技術が開示されている。特に、希土類元素の中でもテルビウム(Tb)は、比視感度の高い緑色領域において発光強度が高いため、ガラスの発光効率の向上に有用である。
一方、特許文献2には、テルビウム(Tb)とセリウム(Ce)を蛍光体に付活する技術が開示されている。特許文献2の蛍光体では、Ce3+が紫外線を効率良く吸収する活性体として作用し、さらに当該Ce3+がTb3+の発光過程にエネルギーを伝達する増感剤として作用する。したがって、テルビウム(Tb)の発光強度が高く、蛍光体の発光効率が高い。
特開2003−286046号公報 特公昭59−43508号公報
ところで、テルビウム(Tb)を含有するガラスの発光効率は、テルビウム(Tb)の添加量を増加させることによって向上させることができる。しかし、テルビウム(Tb)の添加量を増加させると、初期着色(ガラス製造時の着色)やソラリゼーション(紫外線照射を受けての着色)が起こり易くなるため、ガラスの可視光透過率が低下する。そして、このような可視光透過率の低下は、ガラスバルブの透光性の低下、さらには蛍光ランプの輝度の低下を引き起こす。
したがって、テルビウム(Tb)は、ガラスの可視光透過率が低下しない範囲で添加しなければならず、これではガラスの発光効率を十分に向上させることができない。
そこで、テルビウム(Tb)を含有するガラスの発光効率を向上させるために、さらにセリウム(Ce)を添加することが考えられる。ところが、ガラスにテルビウム(Tb)とセリウム(Ce)を添加しても、ガラスの発光効率は向上しなかった。それどころか、却ってガラスの発光効率が低下する場合もあった。
本発明の目的は、発光効率および可視光透過率の高い蛍光ランプ用ガラス組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、輝度の高い蛍光ランプを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係るランプ用ガラス組成物は、Tb2O3、Ce2O3およびB2O3を含有し、当該B2O3によって、254nmの紫外線で励起させたCe3+の発光ピーク波長が390nm以下となるよう調整されていることを特徴とする。
本発明に係るランプ用ガラス組成物の特定の局面では、254nmの紫外線で励起させたCe3+の発光ピーク波長が375nm以下となるよう調整されていることを特徴とする。
本発明に係るランプ用ガラス組成物の他の特定の局面では、前記B2O3の含有量が12〜17mol%であることを特徴とする。
本発明に係るランプ用ガラス組成物の他の特定の局面では、前記Tb2O3の含有量が0.001〜1mol%、かつ、前記Ce2O3の含有量が0.01〜1mol%であることを特徴とする。
本発明に係る蛍光ランプは、上記のガラス組成物で形成されたガラスバルブを備えていることを特徴とする。
本発明に係るランプ用ガラス組成物は、Tb2O3、Ce2O3およびB2O3を含有し、254nmの紫外線で励起させたCe3+の発光ピーク波長が390nm以下であるため、発光効率および可視光透過率が高い。
まず、発光効率が高い理由について説明する。発明者は、ガラスにテルビウム(Tb)とセリウム(Ce)を添加しても発光効率が向上しなかったのは、Ce3+のエネルギーがTb3+の発光過程に効率良く伝達されなかったからであると考え、さらにCe3+のエネルギーがTb3+の発光過程に効率良く伝達されなかったのは、ガラス中におけるTb3+とCe3+とのエネルギー準位の差が大きかったからであると考えた。また、却ってTb3+の発光強度が低くなったのは、紫外線吸収効率の高いCe3+が優先的に紫外線を吸収するため、Tb3+の紫外線吸収量が減少したからであると考えた。
そこで、Tb3+とCe3+とのエネルギー準位の差を小さくする方法について検討したところ、B2O3をガラスに添加すれば、ガラス中におけるCe3+の発光ピーク波長が短波長側にシフトし、Tb3+の発光強度が高くなることを突き止めた。
Ce3+の発光ピーク波長が短波長側にシフトしたことは、Ce3+のエネルギー準位が高くなったことを意味し、さらにTb3+とCe3+とのエネルギー準位の差が小さくなったことを意味する。このようにTb3+とCe3+とのエネルギー準位の差が小さくなったことによって、Ce3+のエネルギーがTb3+の発光過程に効率良く伝達されるようになり、Tb3+の発光強度が高くなったと考えられる。
ガラス中におけるCe3+の発光ピーク波長は、B2O3が添加されていなければ395nmである。したがって、Ce3+の発光ピーク波長が395nmよりも短波長側にシフトしていれば、Ce3+のエネルギーの伝達効率が向上し、Tb3+の発光強度が高くなっているはずである。しかし、実際には、Ce3+の発光ピーク波長が390nm以下になって初めて、ガラスの発光効率が向上したことを目視で確認することができた。したがって、Ce3+の発光ピーク波長が390nm以下の場合に、ガラスの発光効率が向上していると評価できる。
なお、Ce3+の発光ピーク波長を短波長側にシフトさせる成分としては、B2O3以外にP2O5が挙げられる。したがって、B2O3と共にP2O5を添加したり、B2O3の代わりにP2O5を添加したりして、Ce3+の発光ピーク波長を短波長側にシフトさせることも考えられる。
次に、ガラスの可視光透過率が高い理由を説明する。本発明に係るランプ用ガラス組成物は、Ce3+のエネルギーがTb3+の発光過程に効率良く伝達されるため、テルビウム(Tb)の含有量が少なくなっても発光効率の向上が見込める。したがって、Tb2O3の添加量を少なく抑えることができ、初期着色やソラリゼーションによるガラスの可視光透過率の低下が起こり難い。しかも、ソラリゼーションの抑制効果を有するCe2O3を含有しているため、可視光透過率の低下がより起こり難い。
本発明に係る蛍光ランプ用ガラス組成物において、254nmの紫外線で励起させたCe3+の発光ピーク波長が375nm以下の場合、および、B2O3の含有量が12〜17mol%である場合は、当該ガラス組成物を用いて製造した蛍光ランプに顕著な輝度の向上が認められる。
本発明に係る蛍光ランプ用ガラス組成物において、Tb2O3の含有量が0.001〜1mol%、かつ、Ce2O3の含有量が0.01〜1mol%である場合は、ガラスに発光機能を十分に付与することができ、かつ、ガラスがソラリゼーションおよび失透をより起こし難い。したがって、ガラスの発光効率および可視光透過率がより高い。
本発明の蛍光ランプは、上記のような発光効率および可視光透過率の高いガラス組成物で形成されたガラスバルブを備えているため、蛍光ランプの輝度が高い。
本発明の実施の形態に係る蛍光ランプ用ガラス組成物および蛍光ランプについて、図面に基づき説明する。
(蛍光ランプ用ガラス組成物の説明)
実施の形態に係るガラス組成物は、図1におけるNo.1〜8に示す組成を有する。なお、本発明に係るガラス組成物の組成は、No.1〜8に示す組成に限定されないが、蛍光ランプ用としての特性を保つためには、酸化物換算で、SiO2:55〜75mol%、Tb2O3:0.001〜1mol%、Ce2O3:0.01〜1mol%、B2O3:12〜17mol%、Li2O:0〜5mol%、Na2O:0〜8mol%、K2O:0〜12mol%、Li2O+Na2O+K2O:0〜10mol%、MgO:0.5〜5mol%、CaO:0.5〜10mol%、SrO:0〜8mol%、BaO:0〜10mol%、Al2O3:2〜7mol%、Fe2O3:0〜0.2mol%、ZrO2:0.01〜5mol%、Sb2O3:0.01〜1mol%の範囲であることが好ましい。
本発明の蛍光ランプ用ガラス組成物を上記のように定めた理由は以下のとおりである。
SiO2は、ガラス骨格を形成する成分であって、その含有量は55〜75mol%の範囲であることが好ましい。SiO2の含有量が55mol%より少ないと、ガラスの熱膨張係数が大きくなり過ぎ、化学的耐久性も十分でなくなる。一方、SiO2の含有量が75mol%より多いと、ガラスの熱膨張係数が小さくなり過ぎて加工成形が困難になる。
Tb2O3は、ガラスに発光機能を付与する目的で添加される本発明の必須成分であって、その含有量は0.001〜1mol%の範囲であることが好ましい。Tb2O3の含有量が0.001mol%以上であれば、十分な発光機能を付与することができる。一方、Tb2O3の含有量が1mol%以下であれば、ソラリゼーションが起こり難い。さらに、Tb2O3の含有量が0.1mol%以下であれば、加工性の良いガラスが得られるため、曲げ加工や封止加工を行い易い。
Ce2O3は、Tb2O3の発光効率を向上させるためと、ソラリゼーションを抑制するために添加される本発明の必須成分であり、その含有量は0.01〜1mol%の範囲であることが好ましい。Ce2O3の含有量が0.01mol%以上であれば、Tb2O3の発光効率を十分に向上させることができ、ソラリゼーションも起こり難い。さらに、Ce2O3の含有量が1mol%以下であれば、ガラスが失透を起こし難い。
B2O3は、Tb3+の発光強度を高くするために添加される本発明の必須成分であり、その含有量は10〜17mol%の範囲であることが好ましい。B2O3の含有量が10mol%以上であれば、Ce3+の発光ピーク波長が390nm以下になり易い。さらに、B2O3の含有量が12mol%以上であれば、Ce3+の発光ピーク波長が375nm以下になり易い。一方、B2O3の含有量が17mol%以下であれば、分相が起こり難くガラス化し易い。
Li2O、Na2OおよびK2Oのアルカリ金属酸化物は、ガラスの粘性を低下させ、溶融加工性を向上させるための成分であって、含有量の合計が10mol%以下であることが好ましい。含有量の合計が10mol%より多いと、ガラスの熱膨張係数が大きくなり過ぎる。また、ガラスからアルカリ成分が溶出し易くなり、当該アルカリ成分が蛍光体や水銀と反応して蛍光ランプの輝度が低下する虞がある。各成分の含有量は、Li2Oが0〜5mol%、Na2Oが0〜8mol%、K2Oが0〜12mol%であることが好ましい。
MgOおよびCaOのアルカリ土類金属酸化物は、電気絶縁性および化学的耐久性を向上させるための成分であって、MgOの含有量は0.5〜5mol%、CaOの含有量は0.5〜10mol%の範囲であることが好ましい。MgOの含有量が0.5mol%より少ないか或いはCaOの含有量が0.5mol%より少ないと、ガラスの電気絶縁性および化学的耐久性を向上させる効果が得られ難い。一方、MgOが5mol%より多いか或いはCaOが10mol%より多いと、ガラスが失透を起こし易い。
SrOおよびBaOは、ガラスの溶融性および蛍光ランプ製造時のバルブ加工性を向上させるための成分であって、SrOの含有量は0〜8mol%、BaOは0〜10mol%であることが好ましい。各成分の含有量が上記範囲を超えるとガラスが失透を起こし易い。
Al2O3は、ガラスの耐候性および失透性を向上させる成分であって、その含有量は2〜7mol%の範囲であることが好ましい。Al2O3の含有量が2mol%より少ないと、ガラスの耐候性および失透性を向上させる効果が得られ難い。一方、Al2O3の含有量が10mol%より多いと、ガラスの溶融性が悪化する。
Fe2O3は、紫外線吸収効果が得られる成分であるが、その含有量が0.2mol%より多くなると、可視光透過率が低下して蛍光ランプの輝度が低下する。
ZrO2は、ガラスの化学的耐久性を改善するための成分であって、その含有量は0.01〜5mol%の範囲であることが好ましい。ZrO2の含有量が0.01mol%よりも少ないと、ガラスの化学的耐久性を改善する効果が十分でない。ZrO2の含有量が5mol%を超えると、ガラスが不均一になり易く、細管に成形した際に肉厚や寸法の精度にばらつきが生じ易い。
Sb2O3は、ソラリゼーションを抑制するとともに、ガラスを清澄させる目的で添加される成分であって、その含有量は0.01〜1mol%の範囲であることが好ましい。この範囲であれば、蛍光ランプ用としてより好適なガラスを得ることができる。
(蛍光ランプの説明)
本発明に係るランプの一実施形態として、直管形の冷陰極蛍光ランプについて図面に基づき説明する。図2に示すように、本発明の一実施形態にかかる冷陰極蛍光ランプ1の構造は、基本的に従来技術による冷陰極蛍光ランプの構造に準ずる。
冷陰極蛍光ランプ1のガラスバルブ2は、本発明に係る蛍光ランプ用ガラス組成物で形成されており、外径が約4.0mm、内径が3.0mm、全長が約730mmであって、両端部がそれぞれビードガラス3によって気密封止されている。また、ガラスバルブ2の両端部には、タングステン金属或いはコバール合金からなる直径約0.8mmの導入線4が、ビードガラス3を貫通するようにして気密封止されている。そして、各導入線4のガラスバルブ2内部側の端部には、表面に電子放射性物質が塗布されたニッケル或いはニオブ製のカップ状の電極5が取り付けられている。
ガラスバルブ2の内面には、赤発光、緑発光および青緑発光の蛍光体を混合した希土類蛍光体(Y2O3:Eu、LaPO4:Ce,Tb、BaMg2Al16O27:Eu,Mn)を塗布してなる蛍光体層6が形成されている。また、ガラスバルブ2の内部には、0.8〜2.5mgの水銀(不図示)と、キセノン等の希ガス(不図示)とが封入されている。
以上、本発明に係る直管形の冷陰極蛍光ランプ1を実施の形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明の内容は、上記の実施の形態に限定されない。
(ガラスおよび蛍光ランプの製造方法の説明)
本発明に係る蛍光ランプ用ガラス組成物および蛍光ランプの製造方法について説明する。
まず、調合したガラス原料を溶融窯に投入し、1500〜1600℃で溶融させてガラス化し、ガラス融液を得る。次に、そのガラス融液をダンナー法等の管引き法によって管状に成形し、所定の寸法に切断してガラス管を得る。そして、得られたガラス管を用いて公知の方法によりガラスバルブを作製し、更に当該ガラスバルブを備えた蛍光ランプを作製する。
(蛍光ランプの発光メカニズム)
蛍光ランプの発光メカニズムを図2および図3に基づいて説明する。
点灯回路によって電極5に電圧が印加されると、ガラスバルブ2内部の放電空間に放電が生じ、その放電によりガラスバルブ2内の水銀および希ガスが励起されて紫外線UV(主波長254nm)が発生する。
紫外線UVが蛍光体層6に照射されると、当該蛍光体層6が励起されて可視光V1(波長400nm程度以上)が発生する。可視光V1は、ガラスバルブ2を透過して外部に放射され、蛍光ランプ1の主要な光束となる。以上のように、可視光V1に関しては、従来の蛍光ランプと同じ発光メカニズムである。
本発明に係る蛍光ランプでは、更にガラスバルブ2からも可視光V2が放射される。紫外線UVの一部は、蛍光体層6を透過してガラスバルブ2に照射される。ガラスバルブ2のガラスはCe2O3を含有しており、Ce2O3は紫外線UVを効率良く吸収する。また、ガラスはB2O3を含有しており、Ce3+が紫外線UVを吸収して得たエネルギーがTb3+の発光過程に効率良く伝達される。さらに、ガラスはTb2O3を含有しているため、ガラスバルブ2から可視光V2(波長545nm程度)が放射される。
このように、本実施の形態に係る蛍光ランプは、蛍光体層6から可視光V1が放射され、ガラスバルブ2から可視光V2が放射されるため、可視光V2の分だけ従来の蛍光ランプよりも輝度が高い。
(実験の説明)
以下、本発明に係るガラス組成物を、実施例により具体的に説明する。図1(実施例に関する)および図4(比較例に関する)に示すような組成のガラスを作製し、それらガラスの特性を評価した。
各ガラスは、調合したガラス原料をアルミナ製の坩堝に入れ、電気炉中にて還元雰囲気下1500℃で溶融し、鉄板上に流し出して放冷することにより作製した。
ガラス組成物の発光ピーク波長および発光強度は、試験片に254nmの励起光を入射放射強度が0.4mW/cm2となるように照射し、瞬時分光器でその試験片の発光スペクトルを測定することにより求めた。試験片には、両面が鏡面研磨された1辺の長さが20mm、厚さが2mmの方形ガラス板を用いた。
実施例No.1〜8のガラスは、Tb2O3、Ce2O3およびB2O3を所定量含有した本発明に係るガラスである。したがって、Tb3+の発光強度がCe3+によって高められており、ガラスの発光効率が高い。また、ソラリゼーションも起こらなかった。
比較例1のガラスは、発光成分であるTb2O3を含有していない従来のガラスである。したがって、254nmの紫外線で励起しても発光しない。
比較例2,3のガラスは、発光成分であるTb2O3を含有しているが、その含有量が少ないためTb3+の発光強度が低い。したがって、ガラスの発光効率は向上していない。
比較例4,5は、Ce2O3を含有しているが、発光成分であるTb2O3を含有していない。このようにCe2O3を単独で含有していても、ガラスの発光効率は十分に向上しない。
比較例6,7のガラスは、発光効率が向上する程度にTb2O3を含有している。しかし、Tb2O3の含有量が多過ぎるため、ガラスがソラリゼーションを起こした。
比較例8〜11のガラスは、Ce2O3を所定量含有している。したがって、ガラスのソラリゼーションが抑制されている。しかし、B2O3を所定量含有していないため、Ce3+のエネルギーがTb3+の発光過程に効率良く伝達されず、Tb3+の発光強度は高くない。そればかりか、254nmの励起光の多くがCe3+に吸収されTb3+の発光強度が低くなっている。
比較例12〜15のガラスを比較すれば、B2O3の含有量が増加するにしたがって、Ce3+の発光ピークが短波長側にシフトすると共に、Ce3+の発光強度が高くなっていることがわかる。ただし、比較例16のガラスのように、B2O3の含有量が所定量を超えると、分相が起こりガラス化しなくなる。
図5に、B2O3の含有量とCe3+の発光ピーク波長との関係を示す。B2O3の含有量が10mol%以上になると、Ce3+の発光ピーク波長が390nm以下になる。また、B2O3の含有量が12mol%以上になると、Ce3+の発光ピーク波長が375nm以下になる。
比較例17のガラスは、Ce2O3の含有量が多過ぎるため、失透が起こってガラス化しなかった。
比較例18のガラスは、Ce2O3の含有量が少な過ぎるため、Tb3+の発光強度を上昇させることができない。また、ソラリゼーションを抑制することができない。
次に、比較例1,6,10および実施例1,6のガラスを用いて、外形4.0mm、内径3.0mmのガラスバルブを備えた冷陰極蛍光ランプを作製し、当該冷陰極蛍光ランプの初期輝度を測定した。また、1000時間点灯後におけるガラスのソラリゼーションの有無を評価した。その結果を図6に示す。
比較例6のランプは、比較例1の従来のランプよりも初期輝度が高く、ランプ輝度の向上が認められたが、ガラスがソラリゼーションを起こした。比較例10のランプは、比較例1のランプと比べて、輝度の向上が認められなかった。
実施例1,6のランプは、比較例1の従来のランプよりも初期輝度が高く、ランプ輝度の向上が認められた。また、ガラスのソラリゼーションも起こらなかった。
本発明のランプ用ガラス組成物、ランプ用ガラス部品およびランプはコンパクト形蛍光ランプ、環形蛍光ランプおよび直管形蛍光ランプ等の蛍光ランプや、蛍光ランプ以外の水銀蒸気放電ランプ等、ランプ全般に広く利用できる。特に、液晶TV、パソコン用ディスプレイ、車載用液晶パネル等のように高品位な表示が要求される透過形液晶表示素子のバックライト用の冷陰極蛍光ランプ等に適している。
本発明の一実施形態に係る蛍光ランプ用ガラス組成物の組成および特性を示す図である。 本発明の一実施形態に係る蛍光ランプの要部構成を示す概略図である。 発光メカニズムを説明するための図である。 比較例に係る蛍光ランプ用ガラス組成物の組成および特性を示す図である。 B2O3の含有量とCe3+の発光ピーク波長との関係を示す図である。 蛍光ランプの特性を示す図である。
符号の説明
1 蛍光ランプ
2 ガラスバルブ

Claims (5)

  1. Tb2O3、Ce2O3およびB2O3を含有し、当該B2O3によって、254nmの紫外線で励起させたCe3+の発光ピーク波長が390nm以下となるよう調整されていることを特徴とする蛍光ランプ用ガラス組成物。
  2. 254nmの紫外線で励起させたCe3+の発光ピーク波長が375nm以下となるよう調整されていることを特徴とする請求項1記載の蛍光ランプ用ガラス組成物。
  3. 前記B2O3の含有量が12〜17mol%であることを特徴とする請求項1または2に記載の蛍光ランプ用ガラス組成物。
  4. 前記Tb2O3の含有量が0.001〜1mol%、かつ、前記Ce2O3の含有量が0.01〜1mol%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蛍光ランプ用ガラス組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のガラス組成物で形成されたガラスバルブを備えていることを特徴とする蛍光ランプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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