JP2008024564A - ランプ用ガラスの製造方法、ランプ用ガラス、ランプ用ガラス管およびランプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電磁波照射装置または粒子線照射装置を用いて、酸化スズを含有するガラスに電磁波または粒子線を照射して欠陥を生じさせる工程を含むランプ用ガラスの製造方法によりガラスを製造する。特には、ガラスの2mm厚における波長287nmの紫外線透過率が5%以下となるように前記電磁波または粒子線を照射する。
【選択図】図2
Description
本発明に係るランプ用ガラスの製造方法の一態様では、照射後のガラスの2mm厚における波長287nmの紫外線透過率が5%以下となるように前記電磁波または粒子線を照射することを特徴とする。
本発明に係るランプ用ガラスの製造方法の一態様では、前記ガラスの酸化スズの含有量が0.01〜5wt%であることを特徴とする。
本発明に係るランプ用ガラスの製造方法の一態様では、前記ガラスの酸化鉄の含有量が0.1wt%以下であることを特徴とする。
本発明に係るランプ用ガラスは、酸化スズを含有し、電磁波照射装置または粒子線照射装置を用いて電磁波または粒子線を照射することにより2mm厚における波長287nmの紫外線透過率を5%以下としたことを特徴とする。
本発明に係るランプは、上記ランプ用ガラス管をガラスバルブとして用いたことを特徴とする。
ガラスに電磁波または粒子線を照射すると欠陥が生じるのは、当該ガラスのガラスネットワーク構造が歪んだり、一部で結合が切断されたりするからであると推測される。また、ガラスに欠陥が生じると紫外線遮断性能が向上するのは、欠陥で紫外線が吸収されるからであると推測される。さらに、酸化スズを含有しないガラスに電磁波または粒子線を照射しても欠陥は殆ど生じないことから、欠陥はスズに起因するところが大きいと推測される。
なお、電磁波とは、電波、赤外線、可視光、紫外線、X線、ガンマ線および高エネルギー線等を意味し、粒子線とは、電子線、陽子線、炭素線および中性子線等を意味する。
上記ランプ用ガラスの製造方法において、電磁波が紫外線またはX線の少なくとも一方である場合、設備面或いは作業面において実施が容易である。
上記ランプ用ガラスの製造方法において、ガラスの酸化鉄(Fe2O3+Fe2O)の含有量が0.1wt%以下である場合、ガラスが初期着色を起こし難い。したがって、ガラスの着色により可視光の透過率が低下しランプ光束が低下する事態が起こり難い。
本発明に係るランプ用ガラスは、2mm厚における波長287nmの紫外線透過率が5%以下であるため紫外線遮断能力が高い。したがって、ランプ用ガラスとして好適である。
本発明に係るランプは、上記ランプ用ガラス管をガラスバルブとして用いているため当該ガラスバルブの紫外線遮蔽性能が高く、ランプ外に紫外線が漏洩し難いため被照明物や灯具が褪色し難い。したがって、紫外線漏洩が深刻な問題となる衣料品や美術品等の展示照明用のランプとして特に有用である。
(ランプ用ガラスの説明)
図1は、本発明の実施の形態に係るガラス等の組成および特性を示す。本実施の形態に係るランプ用ガラスの組成は、図1におけるNo.1〜8に示すとおりである。
CeO2+Ce2O3は、紫外線の透過を抑制する目的で添加される。CeO2+Ce2O3が0.5wt%より多いと、ガラスがソラリゼーションを起こし易い。
SiO2は、ガラス骨格を形成する目的で添加されている。SiO2が55wt%より少ないと、熱膨張係数が高くなり過ぎ、化学的耐久性も劣化する。一方、SiO2が80wt%より多いと、熱膨張係数が低くなり過ぎて加工が困難となる。
Al2O3は、ガラスの耐候性および失透性を向上させる目的で添加される。Al2O3が10wt%より多いと、ガラスの溶融性が悪化する。Al2O3の好ましい範囲は2〜7wt%であり、この範囲であればランプ用としてより好適である。
同じくアルカリ土類金属酸化物であるSrOおよびBaOは、ガラスの溶融性およびランプ作製時におけるガラスバルブの加工性を向上させる目的で添加される。いずれも10wt%より多くなるとガラスが失透し易い。
以上のように説明した本発明に係るガラスは、所定の組成となるように調合したガラス原料をガラス溶融窯に投入し、例えば1500〜1600℃で溶融させ、ガラス化させて製造する。なお、酸化スズは必須のガラス原料である。得られたガラスをダンナー法等の管引き法によって管状に成形し、所定の寸法に切断してランプ用ガラス管を得る。
このようにして得られたガラス管をガラスバルブとして用いて、公知のランプ製造方法により各種ランプを作製することができる。
本発明に係るランプの一実施形態として、直管形蛍光ランプについて図面に基づき説明する。図3は、本発明の一実施形態にかかる直管形蛍光ランプの要部構成を示す断面図である。図3に示すように、蛍光ランプ10の構造は、基本的に従来技術による蛍光ランプの構造に準じるものである。
各ステム2には、一対のリード線3が前記ステム2を貫通するようにして気密に封着されている。また、一対のリード線3のガラスバルブ内部側の端部間には、電子放射性物質が塗布されたフィラメント電極4が取り付けられている。
以上、本発明に係る直管形蛍光ランプを実施の形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明の内容は、上記の実施の形態に限定されない。
図1に示す各組成のガラスを作製し、波長254nmの紫外線照射前後のガラスの特性を評価した。実施例であるガラス1〜8は、本発明に係るガラスの組成範囲を満足するガラスである。一方、比較例であるガラス9は、SnO+SnO2を含有しないガラス、すなわち本発明に係るガラスの組成範囲を満足しないガラスである。
ガラスの初期着色およびソラリゼーションの有無は、目視により評価した。
なお、蛍光ランプ10のガラスバルブ1内では、水銀の励起放射により主として波長254nmや波長313nm等の紫外線が発生する。したがって、紫外線の漏洩を効果的に防止するためには、それら波長の紫外線を遮断する性能が高いことが重要である。実施例であるガラス1〜8は、紫外線遮断性能の評価の指標とした波長287nmの紫外線の透過率だけでなく、波長254nmや波長313nmの紫外線を含む紫外域全体において紫外線透過率が低くなっていた。したがって、本発明に係るガラスは、ランプ用として有用であると評価することができる。
ガラス6は、SnO+SnO2の含有量が5wt%を超えるため、紫外線照射後の波長287nmの紫外線の透過率は低いものの、ガラス溶融時に強い酸化性雰囲気となりFeおよびCeが酸化し易くなって、ガラスの初期着色およびソラリゼーションが僅かに起こった。
ガラス8は、CeO2+Ce2O3の含有量が0.5wt%を超えるため、紫外線照射後の波長287nmの紫外線の透過率は低いものの、Ceに起因するソラリゼーションが僅かに起こった。
次に、各ガラスを用いて32Wのコンパクト形蛍光ランプ(FHT32EX−N)を作製した。これらのランプを2000時間点灯させ、100時間点灯させた時点におけるランプ光束(初期光束)と2000時間点灯後におけるランプ光束とを評価した。さらに、それらランプ光束から光束維持率を算出した。また、2000時間点灯させた後、紫外線の漏洩によって灯具の樹脂部材が褪色・劣化を起こしているか否かを観察し評価した。
10 蛍光ランプ
Claims (9)
- 電磁波照射装置または粒子線照射装置を用いて、酸化スズを含有するガラスに電磁波または粒子線を照射して欠陥を生じさせる工程を含むことを特徴とするランプ用ガラスの製造方法。
- 照射後のガラスの2mm厚における波長287nmの紫外線透過率が5%以下となるように前記電磁波または粒子線を照射することを特徴とする請求項1記載のランプ用ガラスの製造方法。
- 前記電磁波は、紫外線またはX線の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1または2に記載のランプ用ガラスの製造方法。
- 前記ガラスの酸化スズの含有量が0.01〜5wt%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のランプ用ガラスの製造方法。
- 前記ガラスの酸化鉄の含有量が0.1wt%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のランプ用ガラスの製造方法。
- 前記ガラスの酸化セリウムの含有量が0.5wt%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のランプ用ガラスの製造方法。
- 酸化スズを含有し、電磁波照射装置または粒子線照射装置を用いて電磁波または粒子線を照射することにより2mm厚における波長287nmの紫外線透過率を5%以下としたことを特徴とするランプ用ガラス。
- 請求項7記載のランプ用ガラスからなることを特徴とするランプ用ガラス管。
- 請求項8に記載のランプ用ガラス管をガラスバルブとして用いたことを特徴とするランプ。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009150812A1 (ja) * | 2008-06-09 | 2009-12-17 | パナソニック株式会社 | 蛍光ランプ用ガラス管、蛍光ランプ、及び、照明装置 |
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-
2006
- 2006-07-24 JP JP2006201111A patent/JP2008024564A/ja active Pending
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