JP2005298721A - 酸窒化物蛍光体及びそれを用いた発光装置 - Google Patents

酸窒化物蛍光体及びそれを用いた発光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 紫外から可視光領域の励起光源により励起され、波長変換される緑色系から黄色系に発光色を有する酸窒化物蛍光体を提供すること、及び酸窒化物蛍光体を用いた発光装置を提供すること。
【解決手段】 Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Znから選ばれる1種以上の第II族元素と、C、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Hfから選ばれる1種以上の第IV族元素と、賦活剤Rである希土類元素とを含み、6.213Å≦d≦8.005Å、3.112Å≦d≦3.996Å、3.034Å≦d≦3.863Å、2.429Å≦d≦3.186Å、2.304Å≦d≦2.964Å、2.158Å≦d≦2.645Åの範囲のうち、少なくとも3範囲に面間隔d(Å)をもつ結晶性を有する酸窒化物蛍光体、並びに該酸窒化物蛍光体を励起光源からの光を波長変換する蛍光体とする発光装置。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光、電子線、X線などの電磁波や、熱などにより励起され発光する蛍光体に関し、特に、蛍光ランプ等の一般照明、車載照明、液晶用バックライト、ディスプレイ等の発光装置に関する。特に、半導体発光素子を用いる白色系及び多色系の発光装置に関する。
発光素子を用いた発光装置は、小型で電力効率が良く鮮やかな色の発光をする。また、該発光素子は、半導体素子であるため球切れなどの心配がない。さらに初期駆動特性が優れ、振動やオン・オフ点灯の繰り返しに強いという特徴を有する。このような優れた特性を有するため、LED(Light Emitting Diode)、LD(Laser Diode)などの半導体発光素子を用いる発光装置は、各種の光源として利用されている。
発光素子の光の一部、若しくは全てを蛍光体により波長変換し、当該波長変換された光と波長変換されない発光素子の光とを混合して放出することにより、発光素子の光と異なる発光色を発光する発光装置が開発されている。
これら発光装置のうち、蛍光ランプ等の照明、車載照明、ディスプレイ、液晶用バックライト等の幅広い分野で、白色系に発光する発光装置(以下、「白色系発光装置」という。)が求められている。また、半導体発光素子と蛍光体とを組み合わせることにより、パステルカラーなどの色味の発光装置が求められている。
白色系の半導体発光素子を用いた発光装置の発光色は、光の混色の原理によって得られる。発光素子から放出された青色光は、蛍光体層の中へ入射した後、層内で何回かの吸収と散乱を繰り返した後、外へ放出される。一方、蛍光体に吸収された青色光は励起光源として働き、黄色の蛍光を発する。この黄色光と青色光が混ぜ合わされて人間の目には白色として見える。
例えば、発光素子に青色系に発光する発光素子(以下、「青色系発光素子」という。)を用い、該青色系発光素子表面には、蛍光体が薄くコーディングされている。該発光素子は、InGaN系材料を使った青色系発光素子である。また、蛍光体は、(Y,Gd)(Al,Ga)12:Ceの組成式で表されるYAG系蛍光体が使われている。
また、近年、可視光の短波長領域の発光素子を用い、青色系に発光する蛍光体と、黄色系に発光するYAG系蛍光体と、を組み合わせて白色系発光装置が報告されている。この場合、黄色系に発光するYAG系蛍光体は、可視光の短波長領域の光でほとんど励起されず、発光が行われない。そのため、該発光素子により青色系蛍光体を励起し、青色系に発光させる。次に、該青色系の光によりYAG系蛍光体が励起され、黄色系に発光させる。これにより、青色系蛍光体の青色光と、YAG系蛍光体の黄緑色から黄色光との混色により、白色系に発光させている。
当該発光装置に使用される蛍光体は、種々のものが開発されている。
例えば、希土類元素を発光中心に用いた酸化物系蛍光体は、従来から広く知られており、一部は、実用化されている。しかし、窒化物蛍光体や酸窒化物蛍光体については、あまり研究されておらず、酸化物系蛍光体に比べて、わずかの研究報告しかなされていない。例えば、Si−O−N、Mg−Si−O−N、Ca−Al−Si−O−N等で表されるオキシ窒化物ガラスの蛍光体がある(特許文献1参照)。また、Euが賦活されたCa−Al−Si−O−Nで表されるオキシナイトライドガラスの蛍光体がある(特許文献2参照)。
特開2001−214162号公報 特開2002−76434号公報
しかし、従来の蛍光体は、発光輝度が低く、発光装置に用いるには不十分である。励起光源として紫外領域の発光素子を用いる発光装置においては、該発光素子により青色系蛍光体を励起し、該励起光によりYAG系蛍光体を励起する二段階励起であるため、高効率の白色光を得難い。そのため可視光の短波長領域の光により直接、波長変換され青緑色から黄色を発する蛍光体が求められている。
また、可視光の短波長領域の発光素子と、蛍光体とを用いる白色系発光装置は、適当な蛍光体が製造されておらず、実用に耐える発光装置は市販されていない。そのため、可視光の短波長領域で効率よく発光する蛍光体が求められている。
また、上記特許文献1及び2の酸窒化物蛍光体等は、発光輝度が低く、発光装置に用いるには不十分である。また、オキシ窒化物ガラスの蛍光体は、ガラス体であるため、一般に加工し難いものである。
さらに、発光輝度の高い、所望の色調に発光する発光装置が求められている。
従って、本発明は、紫外から可視光領域の励起光源により励起され、波長変換される青緑色系から黄色系に発光色を有する蛍光体及びそれを用いる発光装置を提供することを目的とする。
上記の問題点を解決すべく、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに到った。
本発明は、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第II族元素と、C、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Hfからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第IV族元素と、賦活剤Rである希土類元素とを含み、6.213Å≦d≦8.005Å、3.112Å≦d≦3.996Å、3.034Å≦d≦3.863Å、2.429Å≦d≦3.186Å、2.304Å≦d≦2.964Å、2.158Å≦d≦2.645Åの範囲のうち、少なくとも3範囲に面間隔d(Å)をもつ結晶性を有する酸窒化物蛍光体に関する。
前記酸窒化物蛍光体は、実質的にAlを含まない結晶からなる。
前記酸窒化物蛍光体は、斜方晶系の単位格子を持つ構造を少なくとも一部に有する。
前記酸窒化物蛍光体は、下記の一般式:L((2/3)X+(4/3)Y−(2/3)Z):R(Lは、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第II族元素である。Mは、C、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Hfからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第IV族元素である。Oは、酸素元素である。Nは、窒素元素である。Rは、希土類元素である。0.5<X<1.5、1.5<Y<2.5、1.5<Z<2.5である。)で表すことができる。
前記酸窒化物蛍光体は、下記の一般式:L((2/3)X+(4/3)Y+T−(2/3)Z):R(Lは、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第II族元素である。Mは、C、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Hfからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第IV族元素である。Qは、B、Al、Ga、Inからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第III族元素である。Oは、酸素元素である。Nは、窒素元素である。Rは、希土類元素である。0.5<X<1.5、1.5<Y<2.5、0<T<0.5、1.5<Z<2.5である。)で表すことができる。
本発明は、励起光源と、該励起光源からの光の少なくとも一部を波長変換する蛍光体と、を有する発光装置であって、前記蛍光体は、前記酸窒化物蛍光体を少なくとも一部に有する発光装置である。
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
本発明は、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第II族元素と、C、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Hfからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第IV族元素と、賦活剤Rである希土類元素とを含み、6.213Å≦d≦8.005Å、3.112Å≦d≦3.996Å、3.034Å≦d≦3.863Å、2.429Å≦d≦3.186Å、2.304Å≦d≦2.964Å、2.158Å≦d≦2.645Åの範囲のうち、少なくとも3範囲に面間隔d(Å)をもつ結晶性を有する酸窒化物蛍光体に関する。これにより実用に耐える発光特性の良好な新規の蛍光体を提供することができる。また、ガラス体でないため酸窒化物蛍光体は取り扱いやすく、発光輝度の高い蛍光体を提供することができる。
前記酸窒化物蛍光体は、実質的にAlを含まない結晶からなる。実施的にAlを含まないことから、Alを必須とするSi−Al−O−N(サイアロン)とは異なる構造を有し、異なる発光特性を有する。実質的にAlを含まないとは、組成に含まれるアルミニウム原子とケイ素原子のモル比(Al/Si)が1.4以下である。(Al/Si)が0.009以下であることが好ましいが、(Al/Si)が0.005以下であることが最も好ましい。組成中にAlを含めないことにより、発光輝度の低下を抑制することができる。
前記酸窒化物蛍光体は、斜方晶系の単位格子を持つ構造を少なくとも一部に有する。サイアロンはサイアロン構造と呼ばれる六方晶系類似の構造を有するため、これとは異なる構造、異なる発光特性を有する。
前記酸窒化物蛍光体は、下記の一般式:L((2/3)X+(4/3)Y−(2/3)Z):R(Lは、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第II族元素である。Mは、C、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Hfからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第IV族元素である。Oは、酸素元素である。Nは、窒素元素である。Rは、希土類元素である。0.5<X<1.5、1.5<Y<2.5、1.5<Z<2.5である。)で表すことができる。これにより励起光源からの光を吸収して、青緑色系から黄色系領域に発光ピーク波長を持つ酸窒化物蛍光体を提供することができる。また、該酸窒化物蛍光体は、YAG系蛍光体と比べて、同等以上の安定性を有する。さらに、該酸窒化物蛍光体は、ガラス体(非晶質)でなく、発光部は結晶性を有する粉体、粒体であるため、製造及び加工し易い。
前記酸窒化物蛍光体は、下記の一般式:L((2/3)X+(4/3)Y+T−(2/3)Z):R(Lは、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第II族元素である。Mは、C、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Hfからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第IV族元素である。Qは、B、Al、Ga、Inからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第III族元素である。Oは、酸素元素である。Nは、窒素元素である。Rは、希土類元素である。0.5<X<1.5、1.5<Y<2.5、0<T<0.5、1.5<Z<2.5である。)で表すことができる。これにより励起光源からの光を吸収して、青緑色系から黄色系領域に発光ピーク波長を持つ酸窒化物蛍光体を提供することができる。
本発明は、励起光源と、該励起光源からの光の少なくとも一部を波長変換する蛍光体と、を有する発光装置であって、前記蛍光体は、前記酸窒化物蛍光体を少なくとも一部に有する発光装置である。これにより発光特性の良好な発光装置を提供することができる。また、酸窒化物蛍光体を用いた演色性の高い発光装置を提供することができる。
青緑色から黄色系領域は、485nm〜584nmの範囲をいう。
ここで、紫外から可視光の短波長領域は、特に限定されないが240nm〜500nmの領域をいう。特に、290nm〜470nmの範囲が好ましい。より好ましくは、340nm〜410nmの範囲である。
前記励起光源は、紫外から可視光の短波長領域に少なくとも1以上の発光ピーク波長があることが好ましい。当該範囲の励起光源を用いることにより、発光効率の高い蛍光体を提供することができるからである。特に、240nm〜470nmに発光ピーク波長を有する励起光源を用いることが好ましく、そのうち更に、350nm〜470nmに発光ピーク波長を有する励起光源を用いることが好ましい。
前記励起光源は、発光素子であることが好ましい。発光素子は、小型で電力効率が良く鮮やかな色の発光をする。また、該発光素子は、半導体素子であるため球切れなどの心配がない。さらに初期駆動特性が優れ、振動やオン・オフ点灯の繰り返しに強いという特徴を有する。そのため、発光素子と酸窒化物蛍光体とを組み合わせる発光装置であることが好ましい。
前記蛍光体は、前記酸窒化物蛍光体と共に用いられる第2の蛍光体を含有することもできる。第2の蛍光体は、前記励起光源からの光、及び、前記酸窒化物蛍光体からの光、の少なくとも一部を波長変換し、可視光領域に発光ピーク波長を有していることが好ましい。これにより、励起光源からの光と、酸窒化物蛍光体の光と、第2の蛍光体の光と、の混色により、可視光領域に発光色を有する発光装置を提供することができる。該発光装置は、励起光源の発光色から、酸窒化物蛍光体の発光色、又は第2の蛍光体の発光色までの波長域であれば、所望の発光色を放出することができる。
以上のように、酸窒化物蛍光体は、高い発光効率を有しており、安定で、再現性の高い蛍光体である。また、本発明に係る発光装置は、紫外から可視光領域の発光素子等により励起され、波長変換する酸窒化物蛍光体を用いる発光装置を提供することができるという技術的意義を有する。発光素子と酸窒化物蛍光体と第2の蛍光体とを組み合わせることにより所望の発光色を有する発光装置を提供することができるという技術的意義を有する。
以下、本発明に係る酸窒化物蛍光体及びその製造方法並びにそれを用いた発光装置を、実施の形態及び実施例を用いて説明する。だたし、本発明は、この実施の形態及び実施例に限定されない。
本発明に係る発光装置は、発光素子と、該発光素子からの光の少なくとも一部を波長変換する第1の蛍光体及び/又は第2の蛍光体と、を少なくとも有する発光装置である。具体的な発光装置の一例として、図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る発光装置を示す図である。ここで、色名と色度座標との関係は、JIS Z8110を参酌している。
(励起光源)
励起光源は、紫外から可視光の短波長側に発光ピーク波長を有するものを使用する。該範囲に発光ピーク波長を有する励起光源であれば、特に限定されない。励起光源としてランプや半導体発光素子等があるが、半導体発光素子を用いることが好ましい。
(発光装置)
実施の形態1の発光装置は、サファイア基板1の上部に積層された半導体層2と、該半導体層2に形成された正負の電極3から延びる導電性ワイヤ14で導電接続されたリードフレーム13と、該サファイア基板1と該半導体層2とから構成される発光素子10の外周を覆うようにリードフレーム13aのカップ内に設けられた蛍光体11とコーティング部材12と、該蛍光体11及び該リードフレーム13の外周面を覆うモールド部材15と、から構成されている。
サファイア基板1上に半導体層2が形成され、該半導体層2の同一平面側に正負の電極3が形成されている。前記半導体層2には、発光層(図示しない)が設けられており、この発光層から出力される発光ピーク波長は、紫外から青色領域の500nm以下近傍の発光スペクトルを有する。
この発光素子10をダイボンダーにセットし、カップが設けられたリードフレーム13aにフェイスアップしてダイボンド(接着)する。ダイボンド後、リードフレーム13をワイヤーボンダーに移送し、発光素子の負電極3をカップの設けられたリードフレーム13aに金線でワイヤーボンドし、正電極3をもう一方のリードフレーム13bにワイヤーボンドする。
次に、モールド装置に移送し、モールド装置のディスペンサーでリードフレーム13のカップ内に蛍光体11及びコーティング部材12を注入する。蛍光体11とコーティング部材12とは、あらかじめ所望の割合に均一に混合しておく。
蛍光体11注入後、あらかじめモールド部材15が注入されたモールド型枠の中にリードフレーム13を浸漬した後、型枠をはずして樹脂を硬化させ、図1に示すような砲弾型の発光装置とする。
(発光装置)
上記の実施の形態1の発光装置と異なる実施の形態2の発光装置についての具体的構成について詳述する。図2は、本発明に係る発光装置を示す図である。実施の形態2の発光装置は、表面実装型の発光装置を形成する。発光素子101は、紫外光励起の窒化物半導体発光素子を用いることができる。また、発光素子101は、青色光励起の窒化物半導体発光素子も用いることもできる。ここでは、紫外光励起の発光素子101を例にとって、説明する。発光素子101は、発光層として発光ピーク波長が約370nmのInGaN半導体を有する窒化物半導体発光素子を用いる。より具体的なLEDの素子構造としてサファイア基板上に、アンドープの窒化物半導体であるn型GaN層、Siドープのn型電極が形成されn型コンタクト層となるGaN層、アンドープの窒化物半導体であるn型GaN層、窒化物半導体であるn型AlGaN層、次に発光層を構成するInGaN層の単一量子井戸構造としてある。発光層上にはMgがドープされたp型クラッド層としてAlGaN層、Mgがドープされたp型コンタクト層であるGaN層を順次積層させた構成としてある。(なお、サファイア基板上には低温でGaN層を形成させバッファ層とさせてある。また、p型半導体は、成膜後400℃以上でアニールさせてある。)。エッチングによりサファイア基板上の窒化物半導体に同一面側で、pn各コンタクト層表面を露出させる。露出されたn型コンタクト層の上にn電極を帯状に形成し、切除されずに残ったp型コンタクト層のほぼ全面に、金属薄膜から成る透光性p電極が形成され、さらに透光性p電極の上にはn電極と平行に台座電極がスパッタリング法を用いて形成されている。
次に、中央部に凹部を有し、且つ前記凹部の両側にコバール製のリード電極102が気密絶縁的に挿入固定されたベース部とからなるコバール製パッケージ105を用いる。前記パッケージ105及びリード電極102の表面にはNi/Ag層が設けられている。パッケージ105の凹部内に、Ag−Sn合金にて上述の発光素子101をダイボンドする。このように構成することにより、発光装置の構成部材を全て無機物とすることができ、発光素子101から放出される発光が紫外領域或いは可視光の短波長領域であったとしても飛躍的に信頼性の高い発光装置が得られる。
次に、ダイボンドされた発光素子101の各電極と、パッケージ凹部底面から露出された各リード電極102とをそれぞれAgワイヤ104にて電気的導通を取る。パッケージの凹部内の水分を十分に排除した後、中央部にガラス窓部107を有するコバール製リッド106にて封止しシーム溶接を行う。ガラス窓部には、あらかじめニトロセルロース90wt%とγ−アルミナ10wt%からなるスラリーに対してCaSi:Eu、(Y0.8Gd0.2Al12:Ce等の蛍光体108を含有させ、リッド106の透光性窓部107の背面に塗布し、220℃にて30分間加熱硬化させることにより色変換部材を構成してある。こうして形成された発光装置を発光させると白色が高輝度に発光可能な発光ダイオードとすることができる。これによって色度調整が極めて簡単で量産性、信頼性に優れた発光装置とすることできる。以下、本発明の各構成について詳述する。
以下、本発明に係る発光装置の構成部材について詳述する。
(蛍光体11、108)
蛍光体11、108は、酸窒化物蛍光体が含まれている。また、蛍光体11、108は、酸窒化物蛍光体と第2の蛍光体とを組み合わせたものも使用することができる。本発明に係る酸窒化物蛍光体は、賦活剤に希土類元素を用いており、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第II族元素と、C、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Hfからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第IV族元素と、を少なくとも含有する。該元素の組合せは任意であるが、以下の組成のものを使用することが好ましい。該酸窒化物蛍光体は、L((2/3)X+(4/3)Y−(2/3)Z):R、又は、L((2/3)X+(4/3)Y+T−(2/3)Z):R(Lは、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第II族元素である。Mは、C、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Hfからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第IV族元素である。Qは、B、Al、Ga、Inからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第III族元素である。Oは、酸素元素である。Nは、窒素元素である。Rは、希土類元素である。0.5<X<1.5、1.5<Y<2.5、0<T<0.5、1.5<Z<2.5である。)の一般式で表される。前記X、前記Y、前記Zは、該範囲で高い輝度を示す。そのうち特に、一般式中、前記X、前記Y、前記Zが、X=1、Y=2、Z=2で表される酸窒化物蛍光体は高い輝度を示すため特に好ましい。但し、上記範囲に限定されず、任意のものも使用できる。具体的にはCaSi:Eu、SrSi:Eu、BaSi:Eu、ZnSi:Eu、CaGe:Eu、SrGe:Eu、BaGe:Eu、ZnGe:Eu、Ca0.5Sr0.5Si:Eu、Ca0.5Ba0.5Si:Eu、Ca0.5Zn0.5Si:Eu、Ca0.5Be0.5Si:Eu、Sr0.5Ba0.5Si:Eu、Ca0.8Mg0.2Si:Eu、Sr0.8Mg0.2Si:Eu、Ca0.5Mg0.5Si:Eu、Sr0.5Mg0.5Si:Eu、CaSi0.1:Eu、SrSi0.1:Eu、BaSi0.1:Eu、ZnSi0.1:Eu、CaGe0.01:Eu、SrGeGa0.01:Eu、BaGeIn0.01:Eu、ZnGeAl0.05:Eu、Ca0.5Sr0.5Si0.3:Eu、CaSi2.51.5:Eu、SrSi2.51.5:Eu、BaSi2.51.5:Eu、Ca0.5Ba0.5Si2.51.5:Eu、Ca0.5Sr0.5Si2.51.5:Eu、Ca1.5Si2.52.52.7:Eu、Sr1.5Si2.52.52.7:Eu、Ba1.5Si2.52.52.7:Eu、Ca1.0Ba0.5Si2.51.5:Eu、Ca1.0Sr0.5Si2.51.5:Eu、Ca0.5Si1.51.51.7:Eu、Sr0.5Si1.51.51.7:Eu、Ba0.5Si1.51.51.7:Eu、Ca0.3Ba0.2Si2.51.5:Eu、Ca0.2Sr0.3Si2.51.5:Eu等で表される酸窒化物蛍光体を使用することできる。また、ここで示すように、本酸窒化物蛍光体は、OとNとの比を変化させることで、色調や輝度を調節することができる。また、(L+M)/(O+N)で示す陽イオンと陰イオンのモル比を変化させることでも、発光スペクトルや強度を調整することも可能である。これは、例えば、真空などの処理を施し、NやOを脱離させること等により可能であるが、この方法には、限定されない。この酸窒化物蛍光体の組成中には、Li、Na、K、Rb、Cs、Mn、Re、Cu、Ag、Auの少なくとも1種以上含有されていてもよい。これらを添加することにより輝度、量子効率等の発光効率を調整することができるからである。また、その他の元素も特性を損なわない程度に入っていても良い。但し、本発明は、この実施の形態及び実施例に限定されない。
前記酸窒化物蛍光体に含まれる第II族元素の一部は、前記賦活剤Rで置換される。前記第II族元素と前記賦活剤Rとの混合量に対して、前記賦活剤Rの量は、(前記第II族元素と前記賦活剤Rとの混合量):(前記賦活剤Rの量)=1:0.001乃至1:0.8のモル比であることが好ましい。
Lは、Mg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第II族元素である。つまり、Ca、Sr等を単体で用いてもよいが、CaとSr、CaとBa、SrとBa、CaとMg等、種々組合せを変えることもできる。SrとCaとの混合物は、所望により配合比を変えることができる。特に、Lは、Mg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群から選ばれるCa、Sr、Baのいずれかを必須とする少なくとも1種以上である第II族元素であることが好ましい。
Mは、C、Si、Ge、Sn、Ti、Hfからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第IV族元素である。Mも、Si、Ge等を単体で用いてもよいが、SiとGe、SiとC等、種々組合せを変えることもできる。該元素を用いることができるが、特にSi、Geを用いることが好ましい。これにより安価で結晶性の良好な蛍光体を提供することができるからである。特に、Mは、C、Si、Ge、Sn、Ti、Hfからなる群から選ばれるSiを必須とする少なくとも1種以上である第IV族元素であることが好ましい。
Rは、希土類元素である。具体的には、Rは、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luである。これら希土類元素のうち、Euが好ましい。また、Euと、希土類元素から選ばれる少なくとも1以上の元素と、を含んでいるものも使用することができる。特に、賦活剤Rは、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luからなる群から選ばれるEuを必須とする少なくとも1種以上である希土類元素であることが好ましい。Eu以外の元素は、共賦活剤として、作用するためである。Rは、Euが50重量%以上含有されていることが好ましい。
発光中心に希土類元素であるユウロピウムEuを用いる。本発明では、Euのみを用いて説明するが、これに限定されず、Euと共付活させたものも使用することができる。ユウロピウムは、主に2価と3価のエネルギー準位を持つ。本発明の蛍光体は、母体のアルカリ土類金属系窒化ケイ素に対して、Eu2+を賦活剤として用いる。Eu2+は、酸化されやすく、一般に3価のEuの組成で市販されている。
母体材料として、主成分のL、Mも、それぞれの化合物を使用することができる。これら主成分のL、Mは、金属、酸化物、イミド、アミド、窒化物及び各種塩類などを用いることができる。また、あらかじめ主成分のL、Mの元素を混合し、使用してもよい。
Qは、B、Al、Ga、Inからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第III族元素である。Qも、金属、酸化物、イミド、アミド、窒化物及び各種塩類などを用いることができる。例えば、B、HBO、Al、Al(NO・9HO、AlN、GaCl、InCl等である。
Lの窒化物、Mの窒化物、Mの酸化物を母体材料として、混合する。該母体材料中に、Euの酸化物を賦活剤として混入する。これらを所望量計り、均一になるまで混合する。特に、該母体材料のLの窒化物、Mの窒化物、Mの酸化物は、0.5<Lの窒化物<1.5、0.25<Mの窒化物<1.75、2.25<Mの酸化物<3.75、のモル比で混合されていることが好ましい。これらの母体材料を、L((2/3)X+Y−(2/3)Z−α):R又はL((2/3)X+Y+T−(2/3)Z−α):Rの組成比となるように、所定量を秤量して混合する。
(酸窒化物蛍光体の製造方法)
次に、本発明に係る酸窒化物蛍光体、SrSi:Euの製造方法を説明するが、本製造方法に限定されない。図3は、酸窒化物蛍光体の製造方法を示す工程図である。
まず所定配合比となるように、Srの窒化物、Siの窒化物、Siの酸化物、Euの酸化物を混合する。
あらかじめSrの窒化物、Siの窒化物、Siの酸化物、Euの酸化物を準備する。これら原料は、精製したものを用いる方が良いが、市販のものを用いても良い。具体的には、以下の方法により酸窒化物蛍光体を製造する。
原料のSrに窒化物Srを使用する。原料のSrは、単体を使用することが好ましいが、イミド化合物、アミド化合物、SrOなどの化合物を使用することもできる。また原料Srは、B、Gaなどを含有するものでもよい。
Srの窒化物Srを粉砕する(P1)。Srは、アルゴン雰囲気中、グローブボックス内で粉砕を行う。
原料にSiの窒化物Siを使用する。原料のSiは、単体を使用することが好ましいが、窒化物化合物、イミド化合物、アミド化合物などを使用することもできる。例えば、Si(NH、MgSi、CaSi、SiCなどである。原料のSiの純度は、3N以上のものが好ましいが、B、Gaなどが含有されていてもよい。
Siの窒化物Siを粉砕する(P2)。Siの窒化物を、アルゴン雰囲気中、若しくは、窒素雰囲気中、グローブボックス内で粉砕を行う。
原料にSiの酸化物SiOを使用する。ここでは、市販のものを用いる(和光純薬製 Silicon Dioxide 99.9%,190-09072)。
Siの酸化物SiOを粉砕する(P3)。
原料にEuの酸化物Euを使用する。原料は、Euの単体を使用することが好ましいが、窒化物化合物、イミド化合物、アミド化合物などを使用することもできる。特に、酸化ユウロピウムの他、窒化ユウロピウムを使用することが好ましい。これは、生成物中に酸素、又は、窒素が含まれているからである。
Euの酸化物Euを粉砕する(P4)。
上記の原料Srの窒化物Sr、Siの窒化物Si、Siの酸化物SiO、Euの酸化物Euを秤量して、混合する(P5)。例えば、この混合はヘキサン中、ボールミルを用いて湿式で混合することができる。また、乾式で混合することもできる。さらにSrとEuを合金として混合することもできる。上記原料を、所定の配合比になるように、所定のモル量を秤量する。
次に、Srの窒化物、Siの窒化物、Siの酸化物、Euの酸化物の混合物を焼成する(P6)。当該混合物を坩堝に投入し、焼成を行う。焼成条件も一段階焼成の他、多段階焼成なども使用することができる。また、焼成温度も適宜変更する。
混合及び焼成により、SrSi:Euで表される酸窒化物蛍光体を得ることができる(P7)。この焼成による酸窒化物蛍光体の反応式を、化1に示す。
Figure 2005298721
ただし、この組成は、配合比率より推定される代表組成であり、その比率の近傍では、実用に耐える十分な特性を有する。また、各原料の配合比率を変更することにより、目的とする蛍光体の組成を変更することができる。
焼成は、管状炉、箱型炉、高周波炉、メタル炉などを使用することができる。焼成温度は、特に限定されないが、1200から2000℃の範囲で焼成を行うことが好ましく、1400から2000℃の焼成温度が、さらに好ましい。蛍光体11の原料は、窒化ホウ素(BN)材質の坩堝、ボートを用いて焼成を行うことが好ましい。窒化ホウ素材質の坩堝の他に、アルミナ(Al)材質の坩堝を使用することもできる。
また、焼成は、還元雰囲気中で行うことが好ましい。還元雰囲気は、窒素雰囲気、窒素−水素雰囲気、アンモニア雰囲気、アルゴン等の不活性ガス雰囲気等である。
以上の製造方法を使用することにより、目的とする酸窒化物蛍光体を得ることが可能である。
なお、SrSi((2/3)X+Y+T−(2/3)Z−α):Euで表される酸窒化物蛍光体は、以下のようにして製造することができる。
あらかじめ、Euの酸化物に、Bの化合物HBOを乾式混合する。Euの化合物として、酸化ユウロピウムを使用するが、前述の他の構成元素と同様、金属ユウロピウム、窒化ユウロピウムなども使用可能である。このほか、原料のEuは、イミド化合物、アミド化合物を用いることもできる。酸化ユウロピウムは、高純度のものが好ましいが、市販のものも使用することができる。Bの化合物を乾式混合するが、湿式混合することもできる。
Bの化合物HBOを例にとって、酸窒化物蛍光体の製造方法を説明するが、B以外の成分構成元素には、Li、Na、K等があり、これらの化合物、例えば、LiOH・HO、NaCO、KCO、RbCl、CsCl、Mg(NO、CaCl・6HO、SrCl・6HO、BaCl・2HO、TiOSO・HO、ZrO(NO、HfCl、MnO、ReCl、Cu(CHCOO)・HO、AgNO、HAuCl・4HO、Zn(NO・6HO、GeO、Sn(CHCOO)等を使用することができる。
EuとBの混合物を粉砕する。粉砕後のEuとBの混合物の平均粒径は、約0.1μmから15μmであることが好ましい。
上記粉砕を行った後、前述のSrSi:Euの製造工程とほぼ同様に、Srの窒化物、Siの窒化物、Siの酸化物、Bを含有するEuの酸化物、を混合する。該混合後、焼成を行い、目的の酸窒化物蛍光体を得ることができる。
(第2の蛍光体11、108)
蛍光体11、108中には、酸窒化物蛍光体と共に、第2の蛍光体が含まれている。第2の蛍光体としては、Eu等のランタノイド系、Mn等の遷移金属系の元素により主に付活されるアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類ケイ酸塩、希土類酸硫化物、アルカリ土類硫化物、アルカリ土類チオガレート、アルカリ土類窒化ケイ素、ゲルマン酸塩、又は、Ce等のランタノイド系元素で主に付活される希土類アルミン酸塩、希土類ケイ酸塩、又は、Eu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機及び有機錯体等から選ばれる少なくともいずれか1以上であることが好ましい。具体例として、下記の蛍光体を使用することができるが、これに限定されない。
Eu等のランタノイド系、Mn等の遷移金属系の元素により主に付活されるアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体には、M(POX:R(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種以上である。Rは、Eu、Mn、EuとMn、のいずれか1以上である。)などがある。
アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体には、MX:R(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種以上である。Rは、Eu、Mn、EuとMn、のいずれか1以上である。)などがある。
アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体には、SrAl:R、SrAl1425:R、CaAl:R、BaMgAl1627:R、BaMgAl1612:R、BaMgAl1017:R(Rは、Eu、Mn、EuとMn、のいずれか1以上である。)などがある。
希土類酸硫化物蛍光体には、LaS:Eu、YS:Eu、GdS:Euなどがある。
Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体には、YAl12:Ce、(Y0.8Gd0.2Al12:Ce、Y(Al0.8Ga0.212:Ce、(Y,Gd)(Al,Ga)12の組成式で表されるYAG系蛍光体などがある。
その他の蛍光体には、ZnS:Eu、ZnGeO:Mn、MGa:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種以上である。)などがある。また、MSi:Eu、MSi10:Eu、M1.8Si0.2:Eu、M0.9Si0.110:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。)などもある。
上述の第2の蛍光体は、所望に応じてEuに代えて、又は、Euに加えてTb、Cu、Ag、Au、Cr、Nd、Dy、Co、Ni、Ti等から選択される1種以上を含有させることもできる。
また、上記蛍光体以外の蛍光体であって、同様の性能、効果を有する蛍光体も使用することができる。
これらの第2の蛍光体は、発光素子10、101の励起光により、黄色、赤色、緑色、青色に発光スペクトルを有する蛍光体を使用することができるほか、これらの中間色である黄色、青緑色、橙色などに発光スペクトルを有する蛍光体も使用することができる。これらの第2の蛍光体を第1の蛍光体と組み合わせて使用することにより、種々の発光色を有する発光装置を製造することができる。
例えば、第1の蛍光体である緑色から黄色に発光するCaSi:Eu、又はSrSi:Euと、第2の蛍光体である青色に発光する(Sr,Ca)(POCl:Eu、赤色に発光する(Ca,Sr)Si:Euと、からなる蛍光体11、108を使用することによって、演色性の良好な白色に発光する発光装置を提供することができる。これは、色の三源色である赤・青・緑を使用しているため、第1の蛍光体及び第2の蛍光体の配合比を変えることのみで、所望の白色光を実現することができる。特に、励起光源に460nm近傍の光を用いて、酸窒化物蛍光体と第2の蛍光体に照射させたとき、酸窒化物蛍光体が500nm近傍の光を発光する。これにより、演色性に優れた白色系発光装置を提供することができる。
上記蛍光体11、108の粒径は、1μm〜20μmの範囲が好ましく、より好ましくは2μm〜8μmである。特に、5μm〜8μmが好ましい。2μmより小さい粒径を有する蛍光体は、凝集体を形成しやすい傾向にある。一方、5μm〜8μmの粒径範囲の蛍光体は、光の吸収率及び変換効率が高い。このように、光学的に優れた特徴を有する粒径の大きな蛍光体を含有させることにより、発光装置の量産性が向上する。
ここで粒径は、空気透過法で得られる平均粒径を指す。具体的には、気温25℃、湿度70%の環境下において、1cm分の試料を計り取り、専用の管状容器にパッキングした後、一定圧力の乾燥空気を流し、差圧から比表面積を読みとり、平均粒径に換算した値である。本発明で用いられる蛍光体の平均粒径は2μm〜8μmの範囲であることが好ましい。また、この平均粒径値を有する蛍光体が、頻度高く含有されていることが好ましい。また、粒度分布も狭い範囲に分布しているものが好ましく、特に、微粒子2μm以下の少ないものが好ましい。このように粒径、及び粒度分布のバラツキが小さい蛍光体を用いることにより、より色ムラが抑制され、良好な色調を有する発光装置が得られる。
発光装置2における蛍光体108の配置場所は発光素子101との位置関係において種々の場所に配置することができる。例えば、発光素子101を被覆するモールド材料中に、蛍光体108を含有させることができる。また、発光素子101と蛍光体108とを、間隙をおいて配置しても良いし、発光素子101の上部に蛍光体108を、直接載置しても良い。
(コーティング部材12、109)
蛍光体11、108は、有機材料である樹脂や無機材料であるガラスなど種々のコーティング部材(バインダー)を用いて、付着させることができる。コーティング部材12、109は、蛍光体11、108を発光素子10、101や窓部107等に固着させるためのバインダーとしての役割を有することもある。コーティング部材(バインダー)として有機物を使用する場合、具体的材料として、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーンなどの耐候性に優れた透明樹脂が好適に用いられる。特に、シリコーンを用いると、信頼性に優れ、且つ蛍光体11、108の分散性を向上させることができ好ましい。
また、コーティング部材(バインダー)12、109として、窓部107の熱膨張率と近似である無機物を使用すると、蛍光体108を良好に前記窓部107に密着させることができ好ましい。具体的方法として、沈降法やゾル−ゲル法、スプレー法等を用いることができる。例えば、蛍光体11、108に、シラノール(Si(OEt)OH)、及びエタノールを混合してスラリーを形成し、該スラリーをノズルから吐出させた後、300℃にて3時間加熱してシラノールをSiOとし、蛍光体を所望の場所に固着させることができる。
また、無機物である結着剤をコーティング部材(バインダー)12、109として用いることもできる。結着剤とは、いわゆる低融点ガラスであり、微細な粒子であり、且つ紫外から可視領域の輻射線に対して吸収が少なく、コーティング部材(バインダー)12、109中にて極めて安定であることが好ましい。
また、粒径の大きな蛍光体をコーティング部材(バインダー)12、109に付着させる場合、融点が高くても粒子が超微粉体である結着剤、例えば、シリカ、アルミナ、あるいは沈殿法で得られる細かい粒度のアルカリ土類金属のピロリン酸塩、正りん酸塩などを使用することが好ましい。これらの結着剤は、単独、若しくは互いに混合して用いることができる。
ここで、上記結着剤の塗布方法について述べる。結着剤は、結着効果を十分に高めるため、ビヒクル中に湿式粉砕して、スラリー状にして、結着剤スラリーとして用いることが好ましい。前記ビヒクルとは、有機溶媒あるいは脱イオン水に少量の粘結剤を溶解して得られる高粘度溶液である。例えば、有機溶媒である酢酸ブチルに対して粘結剤であるニトロセルロースを1wt%含有させることにより、有機系ビヒクルが得られる。
このようにして得られた結着剤スラリーに、蛍光体11、108を含有させて塗布液を作製する。塗布液中のスラリーの添加量は、塗布液中の蛍光体量に対してスラリー中の結着剤の総量が、1〜3wt%程度とすることができる。光束維持率の低下を抑制するため、結着剤の添加量が少ない方が好ましい。
前記塗布液を前記窓部107の背面に塗布する。その後、温風あるいは熱風を吹き込み乾燥させる。最後に400℃〜700℃の温度でベーキングを行い、前記ビヒクルを飛散させる。これにより所望の場所に蛍光体層が結着剤にて付着される。
(発光素子10、101)
本発明において発光素子10、101は、蛍光体を効率よく励起可能な発光波長を発光できる発光層を有する半導体発光素子が好ましい。このような半導体発光素子の材料として、BN、SiC、ZnSeやGaN、InGaN、InAlGaN、AlGaN、BAlGaN、BInAlGaNなど種々の半導体を挙げることができる。同様に、これらの元素に不純物元素としてSiやZnなどを含有させ発光中心とすることもできる。蛍光体11、108を効率良く励起できる紫外領域から可視光の短波長を効率よく発光可能な発光層の材料として特に、窒化物半導体(例えば、AlやGaを含む窒化物半導体、InやGaを含む窒化物半導体としてInAlGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)がより好適に挙げられる。
また、半導体の構造としては、MIS接合、PIN接合やpn接合などを有するホモ構造、ヘテロ構造あるいはダブルへテロ構成のものが好適に挙げられる。半導体層の材料やその混晶比によって発光波長を種々選択することができる。また、半導体活性層を量子効果が生ずる薄膜に形成させた単一量子井戸構造や多重量子井戸構造とすることでより出力を向上させることもできる。
発光素子10、101に、窒化物半導体を使用した場合、半導体用基板にはサファイア、スピネル、SiC、Si、ZnO、GaAs、GaN等の材料が好適に用いられる。結晶性の良い窒化物半導体を量産性よく形成させるためにはサファイア基板を利用することが好ましい。このサファイア基板上にHVPE法やMOCVD法などを用いて窒化物半導体を形成させることができる。サファイア基板上にGaN、AlN、GaAIN等の低温で成長させ非単結晶となるバッファ層を形成しその上にpn接合を有する窒化物半導体を形成させる。
窒化物半導体を使用したpn接合を有する紫外領域を効率よく発光可能な発光素子例として、バッファ層上に、サファイア基板のオリフラ面と略垂直にSiOをストライプ状に形成する。ストライプ上にHVPE法を用いてGaNをELOG(Epitaxial Lateral Over Grows GaN)成長させる。続いて、MOCVD法により、n型窒化ガリウムで形成した第1のコンタクト層、n型窒化アルミニウム・ガリウムで形成させた第1のクラッド層、窒化インジウム・アルミニウム・ガリウムの井戸層と窒化アルミニウム・ガリウムの障壁層を複数積層させた多重量子井戸構造とされる活性層、p型窒化アルミニウム・ガリウムで形成した第2のクラッド層、p型窒化ガリウムで形成した第2のコンタクト層を順に積層させたダブルへテロ構成などの構成が挙げられる。活性層をリッジストライプ形状としガイド層で挟むと共に共振器端面を設け本発明に利用可能な半導体レーザー素子とすることもできる。
窒化物半導体は、不純物をドープしない状態でn型導電性を示す。発光効率を向上させるなど所望のn型窒化物半導体を形成させる場合は、n型ドーパントとしてSi、Ge、Se、Te、C等を適宜導入することが好ましい。一方、p型窒化物半導体を形成させる場合は、p型ドーパントであるZn、Mg、Be、Ca、Sr、Ba等をドープさせることが好ましい。窒化物半導体は、p型ドーパントをドープしただけではp型化しにくいためp型ドーパント導入後に、炉による加熱やプラズマ照射等により低抵抗化させることが好ましい。サファイア基板をとらない場合は、第1のコンタクト層の表面までp型側からエンチングさせコンタクト層を露出させる。各コンタクト層上にそれぞれ電極形成後、半導体ウェハーからチップ状にカットさせることで窒化物半導体からなる発光素子を形成させることができる。
本発明の発光装置において、量産性よく形成させるためには、蛍光体11、108を発光素子10、101に固着する際に、樹脂を利用して形成することが好ましい。この場合、蛍光体11、108からの発光波長と透光性樹脂の劣化等を考慮して、発光素子10、101は紫外域に発光スペクトルを有し、その発光ピーク波長は、360nm以上420nm以下のものや、450nm以上470nm以下のものを使用することが好ましい。
ここで、本発明で用いられる半導体発光素子10、101は、不純物濃度1017〜1020/cmで形成されるn型コンタクト層のシート抵抗と、透光性p電極のシート抵抗とが、Rp≧Rnの関係となるように調節されていることが好ましい。n型コンタクト層は、例えば膜厚3〜10μm、より好ましくは4〜6μmに形成されると好ましく、そのシート抵抗は10〜15Ω/□と見積もられることから、このときのRpは前記シート抵抗値以上のシート抵抗値を有するように薄膜に形成するとよい。また、透光性p電極は、膜厚が150μm以下の薄膜で形成されていてもよい。
また、透光性p電極が、金および白金族元素の群から選択された1種と、少なくとも1種の他の元素とから成る多層膜または合金で形成される場合には、含有されている金または白金族元素の含有量により透光性p電極のシート抵抗の調整をすると安定性および再現性が向上される。金または金属元素は、本発明に使用する半導体発光素子の波長領域における吸収係数が高いので、透光性p電極に含まれる金又は白金族元素の量は少ないほど透過性がよくなる。従来の半導体発光素子はシート抵抗の関係がRp≦Rnであったが、本発明ではRp≧Rnであるので、透光性p電極は従来のものと比較して薄膜に形成されることとなるが、このとき金または白金族元素の含有量を減らすことで薄膜化が容易に行える。
上述のように、本発明で用いられる半導体発光素子10、101は、n型コンタクト層のシート抵抗RnΩ/□と、透光性p電極のシート抵抗RpΩ/□とが、Rp≧Rnの関係を成していることが好ましい。半導体発光素子10、101として形成した後にRnを測定するのは難しく、RpとRnとの関係を知るのは実質上不可能であるが、発光時の光強度分布の状態からどのようなRpとRnとの関係になっているのかを知ることができる。
透光性p電極とn型コンタクト層とがRp≧Rnの関係であるとき、前記透光性p電極上に接して延長伝導部を有するp側台座電極を設けると、さらなる外部量子効率の向上を図ることができる。延長伝導部の形状及び方向に制限はなく、延長伝導部が衛線上である場合、光を遮る面積が減るので好ましいが、メッシュ状でもよい。また形状は、直線状以外に、曲線状、格子状、枝状、鉤状でもよい。このときp側台座電極の総面積に比例して遮光効果が増大するため、遮光効果が発光増強効果を上回らないように延長導電部の線幅及び長さを設計するのがよい。
(発光素子10、101)
発光素子10、101は、上述の紫外発光の発光素子と異なる青色系に発光する発光素子を使用することもできる。青色系に発光する発光素子10、101は、III族窒化物系化合物発光素子であることが好ましい。発光素子10、101は、例えばサファイア基板1上にGaNバッファ層を介して、Siがアンドープのn型GaN層、Siがドープされたn型GaNからなるn型コンタクト層、アンドープGaN層、多重量子井戸構造の発光層(GaN障壁層/InGaN井戸層の量子井戸構造)、Mgがドープされたp型GaNからなるp型GaNからなるpクラッド層、Mgがドープされたp型GaNからなるp型コンタクト層が順次積層された積層構造を有し、以下のように電極が形成されている。但し、この構成と異なる発光素子も使用できる。
pオーミック電極は、p型コンタクト層上のほぼ全面に形成され、そのpオーミック電極上の一部にpパッド電極が形成される。
また、n電極は、エッチングによりp型コンタクト層からアンドープGaN層を除去してn型コンタクト層の一部を露出させ、その露出された部分に形成される。
なお、本実施の形態では、多重量子井戸構造の発光層を用いたが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、InGaNを利用した単一量子井戸構造としても良いし、Si、ZnがドープされたGaNを利用しても良い。
また、発光素子10、101の発光層は、Inの含有量を変化させることにより、420nmから490nmの範囲において主発光ピーク波長を変更することができる。また、発光ピーク波長は、上記範囲に限定されるものではなく、360nm〜550nmに発光ピーク波長を有しているものを使用することができる。
(コーティング部材12、109)
コーティング部材12(光透光性材料)は、リードフレーム13のカップ内に設けられるものであり発光素子10の発光を変換する蛍光体11と混合して用いられる。コーティング部材12の具体的材料としては、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、シリコーン樹脂などの温度特性、耐候性に優れた透明樹脂、シリカゾル、ガラス、無機バインダーなどが用いられる。また、蛍光体と共に拡散剤、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウムなどを含有させても良い。また、光安定化剤や着色剤を含有させても良い。
(リードフレーム13)
リードフレーム13は、マウントリード13aとインナーリード13bとから構成される。
マウントリード13aは、発光素子10を配置させるものである。マウントリード13aの上部は、カップ形状になっており、カップ内に発光素子10をダイボンドし、該発光素子10の外周面を、カップ内を前記蛍光体11と前記コーティング部材12とで覆っている。カップ内に発光素子10を複数配置しマウントリード13aを発光素子10の共通電極として利用することもできる。この場合、十分な電気伝導性と導電性ワイヤ14との接続性が求められる。発光素子10とマウントリード13aのカップとのダイボンド(接着)は、熱硬化性樹脂などによって行うことができる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、イミド樹脂などが挙げられる。また、フェースダウン発光素子10などによりマウントリード13aとダイボンドすると共に電気的接続を行うには、Ag―エースと、カーボンペースト、金属バンプなどを用いることができる。また、無機バインダーを用いることもできる。
インナーリード13bは、マウントリード13a上に配置された発光素子10の電極3から延びる導電性ワイヤ14との電気的接続を図るものである。インナーリード13bは、マウントリード13aとの電気的接触によるショートを避けるため、マウントリード13aから離れた位置に配置することが好ましい。マウントリード13a上に複数の発光素子10を設けた場合は、各導電性ワイヤ同士が接触しないように配置できる構成にする必要がある。インナーリード13bは、マウントリード13aと同様の材質を用いることが好ましく、鉄、銅、鉄入り銅、金、白金、銀などを用いることができる。
(導電性ワイヤ)
導電性ワイヤ14は、発光素子10の電極3とリードフレーム13とを電気的に接続するものである。導電性ワイヤ14は、電極3とオーミック性、機械的接続性、電気導電性及び熱伝導性が良いものが好ましい。導電性ワイヤ14の具体的材料としては、金、銅、白金、アルミニウムなどの金属及びそれらの合金などが好ましい。
(モールド部材)
モールド部材15は、発光素子10、蛍光体11、コーティング部材12、リードフレーム13及び導電性ワイヤ14などを外部から保護するために設けられている。モールド部材15は、外部からの保護目的の他に、視野角を広げたり、発光素子10からの指向性を緩和したり、発光を収束、拡散させたりする目的も併せ持っている。これらの目的を達成するためモールド部材は、所望の形状にすることができる。また、モールド部材15は、凸レンズ形状、凹レンズ形状の他、複数積層する構造であっても良い。モールド部材15の具体的材料としては、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、シリコーン樹脂、シリカゾル、ガラスなどの透光性、耐候性、温度特性に優れた材料を使用することができる。モールド部材15には、拡散剤、着色剤、紫外線吸収剤や蛍光体を含有させることもできる。拡散剤としては、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム等が好ましい。コーティング部材12との材質の反発性を少なくするため、屈折率を考慮するため、同材質を用いることが好ましい。
(測定方法、測定装置)
公知の透過電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)を用いて本発明に係る酸窒化物蛍光体を測定する。TEMは物質の形態や内部構造を観察する装置である。電子が物質に衝突した際に、物質中の原子との相互作用をせずに透過していくものと、相互作用を起こし散乱されるものとに分けられる。エネルギーを失わずに弾性散乱された電子は、原子が周期配列をしている場合は、ブラッグの条件を満たすように強め合い、特定の方向、すなわち結晶面から反射された方向に進む。透過型電子顕微鏡は、この透過波と弾性散乱波を利用して結像させるものである。以下、TEMの測定方法の概略を説明する。
まず、測定する酸窒化物蛍光体を塊にならないようにふりかけ、Cuメッシュの上に樹脂で固定する。次にコーティングを行い、最後に0.1μm以下に薄膜化する。このようにして酸窒化物蛍光体の試料作成を行った。
次にTEMで試料の観察を行う。
まず、Z軸、電圧軸などの軸調整を行う。粒界がある場合は一次粒子1つずつに対して晶帯軸を合わせる。後焦平面に2つ以上の波(透過波、回折波)が入るように対物絞りを入れ、高分解能観察を行う。次に、対物絞りを戻し、晶帯軸を合わせた粒子が入る大きさの制限視野絞りを入れ、電子線回折図形を撮影する。以上の操作を各粒子について行う。
次に得られた電子線回折図形を測定して面間隔を算出する。
まず[000]スポットを含む同一直線上にない回折スポットを2つ選び、それぞれの距離を測定する。その距離を[数1]に代入して面間隔を算出する。
Figure 2005298721
装置は、FIB(SEIKO製:SMI9200)集束イオンビーム加工観察装置(加速電圧:30kV)、TEM(JEOL製:JEM−2010F)電界放出型透過電子顕微鏡(加速電圧:200kV)、ピクトロスタット330(富士写真フィルム株式会社製)などを使用することができる。
一方、公知のX線回折法(X-ray Diffraction:XRD)を用いて酸窒化物蛍光体を測定する。X線回折法は、X線を試料に入射すると、結晶格子により回折される。回折されたX線のうち、ブラッグ条件[数2]を満たす回折角(θ)方向に散乱されたX線が強め合う。回折角は試料の面間隔によって決まるため、回折角を測定すれば試料同定ができる。
Figure 2005298721
測定装置等の測定条件は以下の通りである。
装置:RINT-ULTIMA+(理学電機株式会社製)、X線:Cu/40kV/40mA、ゴニオメータ:Ultima+・水平ゴニオメータ、アタッチメント:43サンプルチェンジャー、フィルタ:不使用、インシデントモノクロ:不使用、カウンタモノクロメータ:固定モノクロメータ、発散スリット:1°、発散縦制限スリット:10mm、散乱スリット:1°受光スリット:0.15mm、モノクロ受光スリット:0.8mm、カウンタ:シンチレーションカウンタ、走査モード:連続、スキャンスピード:4.000°/min、サンプリング幅:0.020°、走査軸:2θ/θ、走査範囲:2.000°〜130.000°、θオフセット:0.000°である。
以下、本発明に係る蛍光体、発光装置について実施例を挙げて説明するが、この実施例に限定されるものではない。
<実施例1乃至3>
以下、本発明の実施例について詳述する。
(蛍光体)
実施例1に係る酸窒化物蛍光体はBaSi:Euである。実施例2に係る酸窒化物蛍光体はSrSi:Euである。実施例3に係る酸窒化物蛍光体はCaSi:Euである。実施例2に係る酸窒化物蛍光体は以下の製造方法により製造される。実施例1及び実施例3は、実施例2と原料が異なる以外ほぼ同様の方法により製造される。
まず、原料は、Sr、Si、SiO、Euを使用する。該原料を、それぞれ0.1〜3.0μmに粉砕する。粉砕後、実施例1乃至3は、所定の数量となるように秤量を行う。Srの一部は、Euで置換されるため、Sr(1−X)EuSi(0<X<1)である。
上記数量を秤量した後、所定の数量のSr、Si、SiO、Euを、窒素雰囲気中、グローブボックス内で、均一になるまで混合する。
実施例2において、原料の混合比率(モル比)は、Sr:Si:SiO:Eu中の元素がSr:Si:O:Eu=0.97:2:2:0.03となる比率である。この混合比率になるように、Sr、Si、SiO、Euを秤量し、混合を行う。原料のSr、Si、SiO、Euをヘキサン中、ボールミルで湿式混合を行う。これら原料がほぼ均一になるまで混合を行う。
上記化合物を混合し、ヘキサンを乾燥した後、アンモニア雰囲気中で、窒化ホウ素坩堝に投入し、約1000℃で約2時間焼成後、さらに昇温して1500℃で約3時間焼成を行う。
これにより、目的とする酸窒化物蛍光体を得る。得られた酸窒化物蛍光体の原料配合比からの理論組成は、Sr(1−X)EuSi(0<X<1)である。
実施例に係る酸窒化物蛍光体は、窒化ホウ素材質の坩堝を用い、アンモニア雰囲気中で焼成を行う。坩堝に、金属製の坩堝を使用することはあまり好ましいとはいえない。例えば、Mo製の坩堝を使用した場合、該坩堝が浸食され、発光特性の低下を引き起こすことが考えられるからである。従って、アルミナなどのセラミックス製の坩堝を使用することが好ましい。
実施例1乃至3の焼成品は、いずれも斜方晶系の単位格子を持つ結晶性の粉体若しくは粒体である。実施例1乃至3の粒径は、ほぼ1μm〜5μmである。また、焼成品は所定の組成から成る化合物であり、青緑色系領域から黄色系領域に鮮やかな発光を示す蛍光体である。
TEMを用いて実施例1乃至3の酸窒化物蛍光体を測定する。表1は、本発明に係る酸窒化物蛍光体の実施例1乃至3の面間隔d(Å)を示す。
Figure 2005298721
実施例1乃至3の酸窒化物蛍光体を測定した結果、所定の面間隔d(Å)の位置に相当する電子線回折スポットを持つ。これらの化合物はいずれも6.213Å≦d≦8.005Å、3.112Å≦d≦3.996Å、3.034Å≦d≦3.863Å、2.429Å≦d≦3.186Å、2.304Å≦d≦2.964Å、2.158Å≦d≦2.645Åの範囲のうち、少なくとも3範囲に面間隔d(Å)をもっている。所定の組成を持ち、主な面間隔が基準サンプルと一致する化合物は同一の結晶を有する同一化合物とみなすことができる。この方法を用いる同定法として、例えば、ハナワルト法(Hanawalt法)がある。組成にBa、Sr、Ca、Si、O、N、Euを有し、かつ、結晶性を有する所定の粒子について電子線回折図形を測定して面間隔を計算し、この少なくとも3範囲の面間隔と一致していれば、L((2/3)X+(4/3)Y−(2/3)Z):R(Lは、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第II族元素である。Mは、C、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Hfからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第IV族元素である。Oは、酸素元素である。Nは、窒素元素である。Rは、希土類元素である。0.5<X<1.5、1.5<Y<2.5、1.5<Z<2.5である。)、若しくは、L((2/3)X+(4/3)Y+T−(2/3)Z):R(Lは、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第II族元素である。Mは、C、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Hfからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第IV族元素である。Qは、B、Al、Ga、Inからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第III族元素である。Oは、酸素元素である。Nは、窒素元素である。Rは、希土類元素である。0.5<X<1.5、1.5<Y<2.5、0<T<0.5、1.5<Z<2.5である。)と同一の物質であると考えることができる。
より具体的には、結晶性を有する所定の組成領域について複数の電子線回折図形を測定して面間隔を計算したところ、実施例1で製造した化合物は、BaSi:Euの基本組成を持つ斜方晶系に特徴的な6.486Å≦d≦7.928Å、3.241Å≦d≦3.961Å、3.134Å≦d≦3.830Å、2.587Å≦d≦3.161Å、2.408Å≦d≦2.943Åの面間隔範囲の少なくとも3範囲以上に面間隔を有する化合物であり、BaSi:Euの結晶を少なくとも有する化合物であることが同定される。すなわち、実施例1の蛍光体は、実質的にBaSi:Eu蛍光体であり、高効率の青緑色発光を有する。
同様に、結晶性を有する所定の組成領域について複数の電子線回折図形を測定して面間隔を計算したところ、実施例2で製造した化合物は、SrSi:Euの基本組成を持つ斜方晶系に特徴的な6.332Å≦d≦7.740Å、3.168Å≦d≦3.872Å、3.089Å≦d≦3.775Å、2.545Å≦d≦3.111Å、2.273Å≦d≦2.779Å、2.149Å≦d≦2.627Åの面間隔範囲の少なくとも3範囲以上に面間隔を有する化合物であり、SrSi:Euの結晶を少なくとも有する化合物であることが同定される。すなわち、実施例2の蛍光体は、実質的にSrSi:Eu蛍光体であり、高効率の緑色発光を有する。
同様に、結晶性を有する所定の組成領域について複数の電子線回折図形を測定して面間隔を計算したところ、実施例3で製造した化合物は、CaSi:Euの基本組成を持つ斜方晶系に特徴的な6.148Å≦d≦7.514Å、3.075Å≦d≦3.759Å、2.998Å≦d≦3.664Å、2.398Å≦d≦2.930Å、2.292Å≦d≦2.802Å、2.123Å≦d≦2.595Åの面間隔範囲の少なくとも3範囲以上に面間隔を有する化合物であり、CaSi:Euの結晶を少なくとも有する化合物であることが同定される。すなわち、実施例3の蛍光体は、実質的にCaSi:Eu蛍光体であり、高効率の黄緑色発光を有する。
TEMは物質の微小領域の形態や内部構造を観測する装置である。
しかし、物質の微小領域を測定するため、測定方法や測定位置、測定条件などにより、同一条件で同時に製造されたものであっても、結晶の目的とする面以外の面を測定したり、粒界に存在する非晶質領域を観測していたり、粒界を測定していたりする場合は、その電子線回折スポットの位置がわずかにずれたり、電子線回折スポットが無かったりすることがある。例えば、固溶組成とか、合成方法によって多少面間隔が変わる。よって測定条件によって電子線回折スポットがずれたり、なかったりするため、複数点観察することが好ましい。電子線回折スポットがわずかにずれた場合であっても、所定の3範囲に面間隔dがある面があれば両物質は同一物質であるといえる。また電子線回折スポットのいくつかが無くなっていても別の面の測定で所定の3範囲に電子線回折スポットが現れる場合は同一物質であるといえる。
また、測定方法や測定位置、測定条件などによる以外に、電子線回折スポットがずれたり、無くなったり、目的とする結晶以外の電子線回折スポットが現れたりするのは、不純物の混入が考えられる。TEMは物質の微小領域を測定するため、わずかな不純物であっても、その影響が大きい。このとき、目的とする結晶の電子線回折スポットの他に不純物の影響が著しいものや、不純物そのものの電子線回折スポットが得られる場合が多い。そのため、できるだけ複数点を観察し可能性のある電子線回折スポットすべてをリストアップして、最後の段階で総合判断するのが好ましい。
<実施例4乃至12>
実施例4乃至12に係る酸窒化物蛍光体はLSi:Eu(L=Ba、Sr、Ca)で表されるLを変更し、混晶にしたものである。実施例4乃至12に係る酸窒化物蛍光体は実施例1と原料が異なる以外ほぼ同様の方法により製造される。原料は、Ba、Ca、Srのいずれか2つと、Si、SiO、Euを使用する。これらを粉砕後、実施例4乃至12は、所定の数量となるように秤量を行う。Lの一部は、Euで置換されるため、L(1−X)EuSi(0<X<1)である。これら原料を所定量、混合して、目的とする結晶を製造する。
XRDを用いて実施例4乃至12の酸窒化物蛍光体を測定する。表2は、本発明に係る酸窒化物蛍光体の実施例4乃至12の面間隔d(Å)を示す。実施例4乃至6はSrとCaとの混晶であり、実施例4はCa0.679Sr0.291Eu0.03Siであり、実施例5はCa0.485Sr0.485Eu0.03Siであり、実施例6はCa0.291Sr0.679Eu0.03Siである。実施例7乃至9はSrとBaとの混晶であり、実施例7はSr0.776Ba0.194Eu0.03Siであり、実施例8はSr0.582Ba0.388Eu0.03Siであり、実施例9はSr0.194Ba0.776Eu0.03Siである。実施例10乃至12はCaとBaとの混晶であり、実施例10はCa0.776Ba0.194Eu0.03Siであり、実施例11はCa0.582Ba0.388Eu0.03Siであり、実施例12はCa0.194Ba0.776Eu0.03Siである。この製造された実施例4乃至12は、例えば、CaとSrの混合比を変えることにより発光ピーク波長が変わり、発光色や発光輝度等が変わる。
Figure 2005298721
実施例4乃至12の結晶性の酸窒化物蛍光体は、製造工程中に不純物を含んで製造されており、目的とする酸窒化物蛍光体の面間隔d以外にもX線回折パターンを持つ。従って、表2に示された面間隔d全てが目的とする酸窒化物蛍光体のX線回折パターンのみではないが、組成が主に本発明の蛍光体の組成比で構成され、主要面間隔のパターンが、本発明で指定する少なくとも3範囲に現れるため、主に本発明の蛍光体により発光するLSi:Euを基本構造に持つ蛍光体である。
CaとSrの混合比、CaとBaの混合比、BaとSrの混合比、使用する原料の違い、各原料の純度の違いなどによりX線回折パターンがずれる場合もある。そこでマクロ的にみて本発明に係る酸窒化物蛍光体と同一物質であると考えられる範囲として、6.213Å≦d≦8.005Å、3.112Å≦d≦3.996Å、3.034Å≦d≦3.863Å、2.429Å≦d≦3.186Å、2.304Å≦d≦2.964Å、2.158Å≦d≦2.645Åの範囲のうち、少なくとも3範囲に面間隔d(Å)をもっていることが要件となる。
しかる場合に、実施例4乃至12の酸窒化物蛍光体は、6.213Å≦d≦8.005Å、3.112Å≦d≦3.996Å、3.034Å≦d≦3.863Å、2.429Å≦d≦3.186Å、2.304Å≦d≦2.964Å、2.158Å≦d≦2.645Åの範囲のうち、少なくとも3範囲に面間隔d(Å)を持っている。結晶性を有する所定の化合物について回折線の面間隔を測定し、この少なくとも3範囲の面間隔と一致していれば、L((2/3)X+(4/3)Y−(2/3)Z):R(Lは、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第II族元素である。Mは、C、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Hfからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第IV族元素である。Oは、酸素元素である。Nは、窒素元素である。Rは、希土類元素である。0.5<X<1.5、1.5<Y<2.5、1.5<Z<2.5である。)、若しくは、L((2/3)X+(4/3)Y+T−(2/3)Z):R(Lは、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第II族元素である。Mは、C、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Hfからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第IV族元素である。Qは、B、Al、Ga、Inからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第III族元素である。Oは、酸素元素である。Nは、窒素元素である。Rは、希土類元素である。0.5<X<1.5、1.5<Y<2.5、0<T<0.5、1.5<Z<2.5である。)と同一の物質であると考えられる。
なお、観測した蛍光体粒子は、電子プローブ・マイクロアナリシス(EPMA)や電子線エネルギー損失分光(EELS)などで、本発明の蛍光体組成を実質的に有していることを確認できる。
これら上記酸窒化物蛍光体の粉末X線回折を測定したところ、いずれもシャープな回折ピークを示し、得られた蛍光体が、規則性を有する結晶性の化合物である。この結晶構造は、斜方晶である。
本発明の酸窒化物蛍光体は、励起光源と組み合わせた発光装置に使用することができる。該発光装置は、一般照明、車載照明、液晶用バックライト、ディスプレイ等に使用することができる。
本発明に係る砲弾型の発光装置1を示す図である。 (a)本発明に係る表面実装型の発光装置を示す平面図である。(b)本発明に係る表面実装型の発光装置の断面図である。 酸窒化物蛍光体の製造方法を示す工程図である。
符号の説明
1 基板
2 半導体層
3 電極
4 バンプ
10 発光素子
11 蛍光体
12 コーティング部材
13 リードフレーム
13a マウントリード
13b インナーリード
14 導電性ワイヤ
15 モールド部材
101 発光素子
102 リード電極
103 絶縁封止材
104 導電性ワイヤ
105 パッケージ
106 リッド
107 窓部
108 蛍光体
109 コーティング部材

Claims (6)

  1. Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第II族元素と、C、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Hfからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第IV族元素と、賦活剤Rである希土類元素とを含み、6.213Å≦d≦8.005Å、3.112Å≦d≦3.996Å、3.034Å≦d≦3.863Å、2.429Å≦d≦3.186Å、2.304Å≦d≦2.964Å、2.158Å≦d≦2.645Åの範囲のうち、少なくとも3範囲に面間隔d(Å)をもつ結晶性を有する酸窒化物蛍光体。
  2. 前記酸窒化物蛍光体は、実質的にAlを含まない結晶からなる請求項1に記載の酸窒化物蛍光体。
  3. 前記酸窒化物蛍光体は、斜方晶系の単位格子を持つ請求項1に記載の酸窒化物蛍光体。
  4. 前記酸窒化物蛍光体は、下記の一般式で表される請求項1に記載の酸窒化物蛍光体。
    ((2/3)X+(4/3)Y−(2/3)Z):R
    (Lは、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第II族元素である。Mは、C、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Hfからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第IV族元素である。Oは、酸素元素である。Nは、窒素元素である。Rは、希土類元素である。0.5<X<1.5、1.5<Y<2.5、1.5<Z<2.5である。)
  5. 前記酸窒化物蛍光体は、下記の一般式で表される請求項1に記載の酸窒化物蛍光体。
    ((2/3)X+(4/3)Y+T−(2/3)Z):R
    (Lは、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第II族元素である。Mは、C、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Hfからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第IV族元素である。Qは、B、Al、Ga、Inからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である第III族元素である。Oは、酸素元素である。Nは、窒素元素である。Rは、希土類元素である。0.5<X<1.5、1.5<Y<2.5、0<T<0.5、1.5<Z<2.5である。)
  6. 励起光源と、
    該励起光源からの光の少なくとも一部を波長変換する蛍光体と、
    を有する発光装置であって、
    前記蛍光体は、請求項1乃至5のいずれかに記載の酸窒化物蛍光体を有することを特徴とする発光装置。
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