JP2003051284A - 蛍光ランプおよび照明器具 - Google Patents

蛍光ランプおよび照明器具

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JP2003051284A
JP2003051284A JP2001375164A JP2001375164A JP2003051284A JP 2003051284 A JP2003051284 A JP 2003051284A JP 2001375164 A JP2001375164 A JP 2001375164A JP 2001375164 A JP2001375164 A JP 2001375164A JP 2003051284 A JP2003051284 A JP 2003051284A
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film
bulb
metal oxide
fluorescent lamp
oxide film
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JP2001375164A
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Miho Watanabe
美保 渡邊
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線反射膜や蛍光体膜に適用して発光特性
が向上できるとともに、亀裂や剥れ等の発生のない強固
な金属酸化物からなる被膜を有する蛍光ランプおよびこ
のランプを用いた照明器具を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 ガラスバルブ1Aと、このバルブ1Aの
内部に封装された電極手段3,3と、上記バルブ1A内
に封入された放電維持媒体と、上記バルブ1Aの内面部
分に、1次粒子形状が球状ないしは略球状で粒径の中央
値が40〜75nmの酸化イットリウムを主体とし、こ
れに酸化アルミニウムを混成して形成された金属酸化物
膜4と、この金属酸化物膜4上に重層形成された蛍光体
膜5とを備えている蛍光ランプL1およびこの蛍光ラン
プL1を用いた照明器具9である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は蛍光体膜を形成す
るバルブの内面に、紫外線反射作用を有する金属酸化物
膜を設け、紫外線の反射や遮断および可視光の透過性を
向上した蛍光ランプおよびこのランプを用いた照明器具
に関する。
【0002】
【従来の技術】 蛍光ランプは、ガラス管からなるバル
ブの内面に蛍光体膜を形成し、このバルブ内に水銀とア
ルゴンガス等の希ガスからなる放電媒体を封入して構成
されている。そして、バルブ端部に設けた熱陰極や冷陰
極等の内部電極あるいはバルブ外に設けた外部電極によ
りバルブ内に放電を発生させ、この放電によりバルブ内
の水銀蒸気を電離および励起し紫外線を発生させて蛍光
体膜で可視光に変化し、この可視光をバルブを通じて外
部に放射するようにしている。
【0003】この蛍光ランプは一般の白熱電球に比べて
発光効率に優れ低電力で使用できる光源として多用され
ているが、さらに効率の向上やバルブ外への有害な紫外
線の放射を防ぐ手段として、バルブ面に紫外線反射や可
視光透過率を高める金属酸化物膜を形成することが行わ
れている。
【0004】これら被膜の形成材料としては、たとえば
特開平9−167595号公報や特開平11−3124
91号公報等に記載されているように酸化アルミニウム
(Al23 )、酸化けい素(SiO2 )、酸化チタン
(TiO2 )や酸化イットリウム(Y23 )等の金属
酸化物粉末が用いられている。
【0005】しかしながら、たとえば紫外線反射を目的
として形成した金属酸化物膜の粒子形状が球状をしてい
ても反射率は向上せず、光学的には目的の波長に対して
約λ/4(正確には1/(4n)でn=屈折率)の膜厚
あるいは粒子形状が必要である。
【0006】この粒子形状を約λ/4に揃えたものを得
るのは経済的に困難であり、また、この場合は膜厚を非
常に薄くしなければならないが、薄膜とする場合は膜厚
の制御が難しいとともに耐ナトリウム(Na)性および
水銀の打込みが問題となる。
【0007】また、膜厚を厚くして反射率を制御するた
め、被膜形成時に用いる結着剤等に含まれる溶剤の飛散
が十分に行われずにバルブ内に残存して不純ガスの発生
要因となるとともに可視光を散乱してしまい透過率が低
下して光束が下がるという問題がある。
【0008】また、蛍光ランプにおいては上述した紫外
線反射の他、バルブの内面に直接に蛍光体膜を形成した
場合、水銀イオンが蛍光体膜を透過してバルブと直接に
接触し、バルブを構成するガラス材質のうちのナトリウ
ム(Na)と水銀とが反応してアマルガムを生成し、バ
ルブを変色して、ランプの点灯時間の経過とともに発光
効率が低下するという問題がある。
【0009】そこで、このような現象を防ぐ手段とし
て、バルブの内面と蛍光体膜との間に上記の金属酸化物
あるいは酸化亜鉛(ZnO)、酸化セリウム(Ce2
3 )やピロリン酸カルシウム(Ca22 7 )等の金
属酸化物からなる保護膜を形成することにより、水銀が
バルブの内面に直接に接触するのを防ぎ、アマルガムの
生成や蛍光体膜の劣化を防止するようにしている。
【0010】また、環形の蛍光ランプやU字形、W字
形、ダブルU字形のコンパクト形等の蛍光ランプは、製
造過程において内面に蛍光体膜を形成したガラスバルブ
を加熱し湾曲や折曲するが、軟化溶融したバルブのガラ
ス中に蛍光体粒子が入り込み蛍光体膜を破壊して発光特
性を低下したり、甚だしい場合には異物として入った蛍
光体粒子に起因するクラックをバルブに発生することが
ある。
【0011】このため、通常はバルブ内面側に上記酸化
アルミニウム(Al23 )等の金属酸化物からなる保
護膜を形成した上に蛍光体膜を形成し、バルブを加熱溶
融させた際に蛍光体膜がバルブのガラス中に入り込まな
いよう、この保護膜により阻止するようにしている。
【0012】さらに、ラピッドスタート形の蛍光ランプ
では、バルブの内面に設けた始動補助作用を有する酸化
スズ(SnO2 )等の透明性導電膜上に蛍光体膜を形成
すると、バルブ内部の水銀粒子と透明性導電膜との間で
微小放電が起こり蛍光体膜を絶縁破壊して、この蛍光体
膜に黄変や黒化等の変色が生じる。そこで、上記透明性
導電膜と蛍光体膜との間に上記酸化アルミニウム(Al
23 )等の金属酸化物からなる保護膜を形成し、蛍光
体膜に変色が生じないようにしている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】 このように蛍光ラン
プのバルブ内面に金属酸化物からなる反射膜や保護膜を
形成することは公知のことであり、これに対応する手段
も種々提案されている。
【0014】本発明は、上述した紫外線反射用の金属酸
化物からなる被膜の改善を主眼としているが、付随的に
は各種事情に対する保護膜としての作用効果も奏する。
【0015】本発明は、紫外線反射膜や蛍光体膜に適用
して発光特性が向上できるとともに、亀裂や剥れ等の発
生のない強固な金属酸化物からなる被膜を有する蛍光ラ
ンプおよびこのランプを用いた照明器具を提供すること
を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】 本発明の請求項1に記
載の蛍光ランプは、ガラスバルブと、このバルブの内部
に封装された電極手段と、上記バルブ内に封入された放
電維持媒体と、上記バルブの内面部分に、1次粒子形状
が球状ないしは略球状で粒径の中央値が40〜75nm
の酸化イットリウムを主体とし、これに酸化アルミニウ
ムを混成して形成された金属酸化物膜と、この金属酸化
物膜上に重層形成された蛍光体膜とを具備していること
を特徴とする。
【0017】本発明の請求項1に記載の蛍光ランプは、
粒子の径や形状を規制した酸化イットリウム(Y2
3 )を主体としこれに酸化アルミニウム(Al23
を混成して被膜を形成している。
【0018】すなわち、上記酸化イットリウムおよび酸
化アルミニウムの1次粒子形状を球状ないしは略球状の
ものから選ぶ理由は、酸化イットリウムおよび酸化アル
ミニウムは、屈折率が低く透過率が高いことによる。ま
た、緻密な被膜が形成され膜強度が増すとともに水銀の
侵入を防止できる。また、これら材料は比較的容易に入
手可能である。また、酸化イットリウムは400nm以
上に吸収がなく、水銀の吸着がしにくい性質を有する。
【0019】また、従来使用されていた酸化けい素は水
分散した場合pHが高く、他の反射率を向上するための
酸化物と混合し難いことによる。
【0020】また、酸化イットリウムの1次粒子の粒径
の中央値が40〜75nmのものを50質量%以上含ま
せる理由は、粒径が75nmを超えるものが主である場
合には、反射率は増加するが、可視光(400〜550
nm付近)も反射してしまう。また、40nm未満の場
合は、λ/4nよりも小さくなり紫外線が透過してしま
うため、所望の反射率が得られなくなることによる。こ
の1次粒子の粒径の中央値は、実用的には40〜65n
m程度、好ましくは45〜65nm程度の粒径がよかっ
た。
【0021】また、上記酸化アルミニウムの最大粒径が
180nm以下で、かつ、粒径が10〜20nmのもの
を50質量%以上含ませる理由は、粒径が20nmを超
えるものである場合には、少々ではあるが可視光を反射
してしまうとともに酸化イットリウムと混合した場合に
分散性が低下し、膜を形成した場合に可視光の透過率が
低下することと、10nm未満の微粒子状のものは工業
的に入手困難であることによる。
【0022】また、上記金属酸化物膜をバルブを環形、
U字形、W字形やダブルU字形等の湾曲や折曲するもの
に形成して保護膜としての作用を奏し、水銀や蛍光体が
ガラスに接触してバルブ強度を低下させたり、ガラス中
にめり込みバルブにクラックを生じること等を防ぐこと
ができる。
【0023】さらに、ラピッドスタート形の蛍光ランプ
に適用して、バルブ内部の水銀粒子と透明性導電膜との
間で起こる微小放電による蛍光体膜の黄変や黒化等の変
色を防止できる。
【0024】なお、本発明ならびに以下の各発明におい
て、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は
次による。
【0025】酸化イットリウム(Y23 )および酸化
アルミニウム(Al23 )からなる金属酸化物膜は、
蛍光ランプにおいて各種反射膜、遮蔽膜、透過膜等の光
学用や種々の保護用膜に適用できる。
【0026】この酸化イットリウムおよび酸化アルミニ
ウムの1次粒子形状が球状ないしは略球状とは、短径/
長径が1/1〜1/1.5の比率の真球ないしは長円状
のものをいう。
【0027】本発明でいう金属酸化物膜を形成する粉体
の1次粒子とは、Van derWaals(ファン・
デル・ワールス)力等の物理的な力により凝集していな
い1っの粒子をいう。
【0028】本発明に記載の、可視光または可視光領域
とは400〜780nmの波長を表し、紫外線または紫
外線領域とは240〜270nmの波長を表す。
【0029】本発明に記載の、透過率や反射率の測定
は、上記可視光領域および紫外線領域の範囲で、硫酸バ
リウム(BaSO4 )を内側に塗布した積分球を用い測
定した値である。
【0030】電極手段とは、蛍光ランプのバルブの内部
や外部に設けられた放電電極あるいは発光管をいう。
【0031】放電維持媒体とは、水銀(Hg)(その封
入形態は液状、アマルガム(合金)状等)およびアルゴ
ン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)等
の希ガスを用いることができ、これらがが単独または混
合して封入してある。
【0032】本発明の請求項2に記載の蛍光ランプは、
ガラスバルブと、このバルブの内部に封装された電極手
段と、上記バルブ内に封入された放電維持媒体と、上記
バルブの内面部分に、それぞれの1次粒子形状が球状な
いしは略球状で、粒径の中央値が40〜75nmの酸化
イットリウムを40〜90質量%および最大粒径が18
0nm以下で、かつ、粒径の中央値が10〜20nmの
酸化アルミニウムを10〜60質量%を混成して形成さ
れた金属酸化物膜と、この金属酸化物膜上に重層形成さ
れた蛍光体膜とを具備していることを特徴とする。
【0033】本発明の請求項2に記載の蛍光ランプは、
金属酸化物膜の形成材料、粒形状、粒径や配合比等を選
ぶことにより、上記請求項1に記載したと同様の作用を
奏する可視光領域(400〜780nm)での透過率お
よび紫外線領域(240〜270nm)での反射率を向
上できる。
【0034】なお、この発明で粒径の中央値とは、規制
値範囲内の粒径の物質を50質量%以上含有する値を意
味する。
【0035】本発明の請求項3に記載の蛍光ランプは、
上記金属酸化物膜の膜厚が、0.3〜3.0μmである
ことを特徴とする。
【0036】金属酸化物膜の膜厚が、0.3μm未満で
あると薄過ぎて反射膜等の被膜としての作用をなさず、
また、逆に3.0μmを超えると厚過ぎて亀裂や剥離の
虞がある。実用的には0.5〜2μm程度、好ましくは
0.5〜1.0μm程度の膜厚がよいが、さらに、反射
率を高めることにより発光特性の向上を重視すれば、厚
目の1.0〜3.0μmがよかった。
【0037】本発明の請求項4に記載の蛍光ランプは、
上記金属酸化物膜の被膜質量が、0.05〜0.5mg
/cm2 であることを特徴とする。
【0038】金属酸化物膜の被膜質量が、0.05mg
/cm2 未満であると膜厚が薄過ぎて反射膜等の被膜と
しての作用をなさず、また、逆に0.5mg/cm2
超えると膜厚が厚過ぎて亀裂や剥離の虞がある。実用的
には0.12〜0.40mg/cm2 程度、好ましくは
0.12〜0.30mg/cm2 程度がよかった。
【0039】本発明の請求項5に記載の蛍光ランプは、
上記金属酸化物膜の可視光領域400〜780nmにお
ける全透過率がバルブのガラスに対して96〜100%
で、かつ、紫外線領域240〜270nmにおける反射
率が7〜50%あることを特徴とする。
【0040】可視光領域での全透過率がバルブのガラス
に対して96〜100%あれば、ガラスとほぼ同等で光
束の低下が抑制できる。また、紫外線領域での反射率が
7〜50%であれば、再度蛍光体膜に戻す紫外線量も多
く、可視光への変換量も増えるとともにバルブ外への紫
外線の放射を低減できる。
【0041】本発明の請求項6に記載の蛍光ランプは、
上記金属酸化物膜上に重層して形成された蛍光体膜が、
蛍光体粉末に酸化イットリウムまたは酸化アルミニウム
の少なくとも一種を主体とする結着剤を添加混合して成
膜されていることを特徴とする。
【0042】上記請求項1および2に記載したと同様な
作用を奏し、特に金属酸化物膜上に重層して形成した蛍
光体膜の結着剤を金属酸化物膜と同質の酸化イットリウ
ムまたは酸化アルミニウムを存在させたので、上下層の
結合がよくなり蛍光体膜の被着力が増して強固となり被
膜の亀裂や剥離が防止される。
【0043】本発明の請求項7に記載の照明器具は、器
具本体と、この器具本体に装着した請求項1ないし6い
ずれか一記載の蛍光ランプと、この蛍光ランプを点灯さ
せる点灯回路とを具備していることを特徴とする。
【0044】照明器具は、上記請求項1ないし6に記載
の作用を有する蛍光ランプを装着したので、初期光束等
の発光効率および点灯経過時の光束維持率が優れた照明
を行うことができる。
【0045】
【発明の実施の形態】 本発明の第1の実施の形態を図
1および図2を参照して説明する。図1は直管形蛍光ラ
ンプL1の一部を断面して示す正面図、図2は図1中の
a−a線に沿って切欠した部分を拡大して示す横断面図
である。
【0046】図中1Aはソーダライムガラスからなる直
状のバルブ、2はソーダライムガラスや鉛ガラスからな
るステム、21、21はこのステム2に設けられたリー
ド線、3はリード線21、21間に継線されたフィラメ
ントコイルからなる放電電極、11はバルブ1Aとステ
ム2との封止部である。また、4はバルブ1Aの内面に
形成された後で詳述する酸化イットリウム(Y23
と酸化アルミニウム(Al23 )とからなる金属酸化
物膜、5はこの保護膜4の表面上に重層形成された3波
長発光形の希土類蛍光体や連続波長発光形のハロリン酸
塩蛍光体で形成した蛍光体膜である。
【0047】また、このバルブ1A内には放電維持媒体
として水銀(Hg)およびアルゴン(Ar)、クリプト
ン(Kr)、キセノン(Xe)等の希ガスが単独または
混合して封入してある。また、バルブ1Aの両端の封止
部11、11には口金6が取付けられる。
【0048】この蛍光ランプL1の製造方法の一実施例
について説明する。まず、1次粒子形状が球状ないしは
略球状をなす粒径の中央値が40〜65nmのものを5
0質量%以上含有する酸化イットリウム(Y23 )微
粉末を純水またはイオン交換水に分散して10%分散液
を作る。また、最大粒径が180nm以下で、かつ、粒
径の中央値が10〜20nmのものを50質量%以上含
有する酸化アルミニウム(Al23 )微粉末を同様に
純水またはイオン交換水に分散して10%分散液を作
る。
【0049】そして、上記酸化イットリウム分散液と、
上記酸化アルミニウム分散液とを80質量%:20質量
%の割合で混合して作った塗布溶液を用意する。そし
て、常法にしたがい直立させた直管状のバルブ1Aの上
方端からこの塗布溶液を内部に流し込み、その内面に塗
布する。そして、この塗布膜を自然または強制的に乾燥
させて未焼成の金属酸化物塗布膜を形成する。
【0050】つぎに、この未焼成の塗布膜上に別途に用
意した蛍光体分散液を塗布して蛍光体塗布膜を形成す
る。そして、このバルブ1Aを加熱して未焼成の蛍光体
塗布膜を仮焼付けした後、バルブ1A両端の封止予定部
の蛍光体塗布膜を封止の障害にならないように剥がして
おく。
【0051】なお、このとき蛍光体塗布膜とともに封止
予定部の金属酸化物塗布膜が剥れるのは構わない。この
端部の蛍光体塗布膜の剥離が終了したらバルブ1Aをベ
ーキング工程と呼ばれている約600℃に昇温した加熱
炉中を通す。このベーキングにより塗布された金属酸化
物塗布膜中や蛍光体塗布膜中に含まれている水分やバイ
ンダー成分、その他不純物が焼成あるいは除去されて、
金属酸化物膜4および蛍光体膜5が形成される。
【0052】たとえば上記金属酸化物塗布溶液の塗布量
を調整することにより、焼成後の金属酸化物膜4の単位
面積当りの被膜質量が約0.22mg/cm2 、その膜
厚は約1.8μmで形成されている。
【0053】つぎに、このベーキングの終わった直管状
のバルブ1Aの両端に電極3を設けてなるガラスステム
2、2を封止する。その後、バルブ1Aを加熱しながら
ステム2の排気管(図示しない。)を介してバルブ1A
内を排気し、つぎに、希ガスおよび水銀を排気管を通じ
封入し(なお、水銀はアマルガムとして予めステム2や
排気管に設けられていることもある。)排気管を封切す
る。そして、このバルブ1の両端封止部11、11に口
金6が取付けられてランプL1は完成する。
【0054】この蛍光ランプL1を図示しないソケット
に装着して点灯回路を介し通電して点灯すると、放電に
より生起し放電空間中から発せられる水銀の輝線である
主に254nmを蛍光体膜5が吸収・励起して可視光を
金属酸化物膜4およびバルブ1Aのガラスを透過してバ
ルブ1A外に放射する。
【0055】このとき変換された可視光および吸収され
なかった紫外線は金属酸化物膜4に到達し、通常ではこ
の紫外線は可視光とともにバルブ1Aを透過して損失と
なるが、このランプL1の場合は金属酸化物膜4が紫外
線を反射する反射膜として作用し、反射した紫外線を再
び蛍光体膜5に戻し吸収させ、可視光に変換してバルブ
1A外に放射させることができる。
【0056】なお、再び可視光に変換されず、バルブ1
A内壁に向いこの金属酸化物膜4に達した紫外線が蛍光
体膜5に戻される、このサイクルは繰り返し行われる結
果、ついには可視光に変換されバルブ1A外に放射され
るので光束を高めることができる。
【0057】この蛍光ランプL1のバルブ1Aの内表面
に形成された上記金属酸化物膜4は、1次形状が球状な
いしは略球状をなす酸化イットリウムおよび酸化酸化ア
ルミニウムからなり、これら材料が選ばれた理由は、屈
折率が低く透過率が高いことおよび緻密な被膜が形成さ
れ膜強度が増すとともに水銀の侵入を防止できる。ま
た、これら材料は比較的容易に入手可能である。また、
酸化イットリウムは400nm以上に吸収がなく、水銀
の吸着がしにくい性質を有する。
【0058】また、酸化イットリウムの1次粒子の粒径
の中央値が40〜75nmのものを50質量%以上含ま
せる理由は、粒径が75nmを超えるものが主である場
合には、反射率は増加するが、可視光(400〜550
nm付近)も反射してしまう。また、40nm未満の場
合は、λ/4nよりも小さくなり紫外線が透過してしま
うため、所望の反射率が得られなくなることによる。
【0059】また、上記酸化アルミニウムの最大粒径が
180nm以下で、かつ、粒径の中央値が10〜20n
mのものを50質量%以上含ませる理由は、粒径が20
nmを超えるものである場合には、少々ではあるが可視
光を反射してしまうとともに酸化イットリウムと混合し
た場合に分散性が低下し、膜を形成した場合に可視光の
透過率が低下することと、10nm未満の微粒子状のも
のは工業的に入手困難であることによる。
【0060】そして、上記構成の蛍光ランプL1は、可
視光領域(400〜780nm)での透過率がバルブ1
Aを形成するガラスとほぼ同等で、紫外線領域(240
〜270nm)での反射率が6%以上のものを得ること
ができる。また、この金属酸化物膜4はガラス成分と水
銀との反応を防止する作用も有する。
【0061】そして、上記酸化イットリウムおよび酸化
アルミニウムの各固形成分の混合比率(質量%)(総量
を100%とした場合)を変化させていった場合の紫外
線(254nm)の反射率(%)と可視光(550n
m)の透過率(%)の関係は図3に示すグラフの通りで
あった。図3のグラフは横軸に両者の混合比率を、縦軸
の左方は紫外線(254nm)の反射率(%)を、縦軸
の右方は可視光(550nm)の透過率(%)を目盛っ
てある。そして、反射率(%)のデータは●印で、透過
率(%)のデータは○印でプロットしてある。
【0062】この図3のグラフに示すように、酸化イッ
トリウム:酸化アルミニウムが100質量%:0質量%
の場合は、紫外線領域(254nm)の反射率が30%
を超え、また、可視光領域(550nm)での透過率が
ガラスの透過率に比べて10%以上低下した。(このグ
ラフでは目盛り外であるので記していない。)また、酸
化イットリウム:酸化アルミニウムが0質量%:100
質量%の場合は、可視光領域での透過率がガラスと同等
であったが、紫外線領域での反射が殆ど見られないこと
が分かった。
【0063】そして、可視光領域(特に550nm)で
の透過率をガラスに近い97.5%以上とし、かつ、紫
外線領域(特に254nm)での反射率が6%以上のも
のであることを勘案すると、酸化イットリウムが40〜
90質量%、酸化アルミニウムが10〜60質量%の範
囲であることが分かった。
【0064】たとえば酸化イットリウム:酸化アルミニ
ウムが50質量%:50質量%の場合、可視光領域(5
50nm)での透過率がガラスとほぼ同等の99%以上
で、紫外線領域(254nm)での反射率は約9%であ
った。
【0065】因みに、非球状の酸化アルミニウムを用い
膜厚を約0.5μmで被膜を形成した場合、紫外線領域
(254nm)での反射率が低く、反射率を6%以上と
するには膜厚を0.8〜1.0μm程度と厚くしなけれ
ばならず、この厚膜とすると可視光領域(550nm)
での透過率がガラスに対し約7%低下する。この可視光
領域での透過率の低下は、バルブ内で発生する可視光が
バルブ外へ放射される光に対して関係があり、放射され
た光の全てに関係して光束の低下を来す。
【0066】本発明は、このようにバルブ1Aの内面と
蛍光体膜5との間に、粒形状、粒径や配合比率を規制し
た金属酸化物膜4を形成することにより、可視光領域で
の透過率をガラスとほぼ同等とし、紫外線領域での反射
率を10%以上として紫外線を再反射させて蛍光体膜5
からの可視光を効率よく放射し、その結果、光束の向上
がはかれるとともにバルブ1Aのガラス成分と水銀とが
反応することにより生じる変色を防止した紫外線反射兼
保護膜を有する蛍光ランプL1を提供できる。
【0067】本発明者等が試作した、たとえば金属酸化
物膜4が上記酸化イットリウム:酸化アルミニウムを5
0質量%:50質量%で形成した蛍光ランプL1は、上
記非球状の酸化アルミニウムを用い膜厚を約0.5μm
で被膜を形成した蛍光ランプに比べて約3%の光束の向
上がはかれるとともに点灯経過に伴う光束低下率を低減
できた。
【0068】また、本発明は酸化イットリウムと酸化ア
ルミニウムとの混合材料で、上記実施の形態に記載され
た粒子の径および比率の範囲内で金属酸化物膜4を形成
した場合に、この被膜4の単位面積当りの質量または膜
厚を規制することにより光束の改善とコストの低減をは
かれることが分かった。
【0069】すなわちバルブ1Aの内表面に形成する金
属酸化物膜4を単位面積当りの質量を0.05〜0.5
mg/cm2 または膜厚さを0.3〜3.0μmとす
る。
【0070】この被膜質量が0.05mg/cm2 未満
(膜厚が0.3μm未満)であると、膜厚が薄過ぎて反
射膜等の被膜としての作用をしない不具合があり、ま
た、被膜質量が0.5mg/cm2 を超える(膜厚が
3.0μmを超える)と、膜厚が厚過ぎて亀裂や剥離発
生の虞がある。
【0071】たとえば外径が約28mm、長さが約56
0mmのバルブ1Aを用い、バルブ1Aの内表面上に上
記組成の金属酸化物膜4およびこの金属酸化物膜4の表
面上に三波長発光形の希土類蛍光体からなる蛍光体膜5
を被膜質量(膜厚)を種々変えて形成し、バルブ1Aの
内部に一対の電極3,3およびアルゴン等の希ガスと水
銀を封装して定格20Wの蛍光ランプを製作し試料とし
た。
【0072】この蛍光ランプの金属酸化物膜4の被膜質
量は約0.20mg/cm2 、膜厚では約1.5μmで
ある。また、比較用として金属酸化物膜を酸化アルミニ
ウム(γ−Al23 )で、被膜質量が約0.13mg
/cm2 、膜厚では約1.0μmに形成してある。
【0073】また、蛍光体膜5の被膜質量(膜厚)は約
2.1〜4.2mg/cm2 (ランプ全体で約1gから
約2g)、膜厚では約1.0〜2.5μmに変化させ
た。
【0074】図4はこの試料ランプの光束比を対比させ
たもので、横軸に蛍光体膜5の被膜質量(g/1本のラ
ンプ)を、縦軸に光束比(%)をとり、光束100%
(基準)はγ−Al23 層上に蛍光体を約1.8g塗
布した(約3.8mg/cm2、膜厚で約2.0μm)
比較例のランプである。また、実線○印は本発明ラン
プ、点線×印は従来ランプを示す。
【0075】図4から明らかなように、本発明に係わる
ランプは金属酸化物膜を酸化アルミニウム(γ−Al2
3 )で形成した従来ランプと蛍光体被膜の被膜質量
(膜厚)を同じとすれば光束が2〜3%程度向上でき
る。また、同じ光束を得るには蛍光体被膜の被膜質量を
30%程度低減できる。
【0076】なお、この実施の形態では、長さが約56
0mmのバルブを用いる定格20Wの蛍光ランプについ
て説明したが、バルブ長さが約1180mmの定格40
Wの蛍光ランプや他の蛍光ランプについても同様な単位
面積当りの蛍光体膜の被膜質量および膜厚でほぼ同様な
結果が得られることを確認した。
【0077】すなわち、本発明の蛍光ランプは、蛍光体
被膜の形成量を従来ランプと同量とすれば光束を高める
ことができ発光特性の向上がはかれ、また、光束を同等
とすれば蛍光体の使用量を低減してランプのコストダウ
ンに寄与することができ、特に三波長発光形の希土類蛍
光体を用いるランプ等の場合は顕著である。
【0078】また、図5は本発明を環形蛍光ランプL2
に適用した第2の実施の形態を示し、図中図1および図
2と同一部分には同一の符号を付してその説明は省略す
る。
【0079】図中1Bはソーダライムガラスを曲成した
環形のバルブで、曲成した両端部にはステム2,2が封
止られている。また、図示していないがこのバルブ1B
の内面には上記第1の実施の形態と同様の金属酸化物膜
4と蛍光体膜5が形成され、バルブ1B内には水銀およ
び希ガスが封入してあり、また、バルブ1Bの両端の封
止部11、11間には橋絡して口金6が取付けられる。
【0080】この環形の蛍光ランプL2の製造方法につ
いて説明する。この蛍光ランプL2の場合も上記第1の
実施の形態と同様の工程を経て、直管状のバルブに金属
酸化物膜4および蛍光体膜5が重層形成され、両端に電
極3を設けたステム2、2が封止られる。
【0081】そして、この封止の終わったバルブは全体
を加熱して軟化し、一方の封止部11を治具で掴んで円
形のドラムに巻き付けて環形に湾曲して成形される。な
お、このときバルブ1B内は加圧しておいて潰れないよ
うにする。
【0082】その後、バルブ1B内を排気し、つぎに、
希ガスおよび水銀(アマルガムの場合は予め封入してあ
る。)を排気管を通じ封入して排気管を封切する。そし
て、このバルブ1Bの両端封止部11、11間に口金6
が取付けられてランプL2は完成する。
【0083】このような環形の蛍光ランプL2は、上記
の封止工程および曲成(ベンディング)工程等バルブ1
Bが加熱され高温化する工程において、バルブ1Bの内
面に混成塗布されている酸化イットリウムおよび酸化ア
ルミニウムがバルブ1Bの軟化温度以上になると均一に
溶け合った固溶体となり、緻密な結晶構造を有する強固
な被着力を有する金属酸化物膜4が形成される。
【0084】この緻密な結晶構造を有する金属酸化物膜
4は、紫外線を反射し、可視光の透過率が高く、高光束
で光束維持率の低下が少い等発光特性の向上ができると
ともに、膜厚を厚くしても被着力が強く金属酸化物膜4
やこの被膜4上に形成した蛍光体膜5に亀裂や剥離等を
生じることがない。
【0085】また、図6は本発明をラピッドスタート形
の蛍光ランプL3に適用した第3の実施の形態を示す。
図6はバルブの横断面図で、内面に重層形成された各種
被膜を示し、図中図1、図2、図5と同一部分には同一
の符号を付してその説明は省略する。
【0086】この第3の実施の形態の蛍光ランプL3
は、直管状のガラスバルブ1Cの両端に放電電極3を備
えたステム2、2が封止され、このバルブ1Cの内面に
は始動補助作用を有する酸化スズ(SnO2 )等からな
る透明導電膜7が、また、この導電膜7の上には上記実
施の形態と同様の構成の金属酸化物膜4からなる保護膜
と蛍光体膜5とが重層して形成してあり、その他の構成
は図1の実施の形態と同じであるのでその説明は省略す
る。
【0087】また、このランプL3の製造はたとえば5
50〜600℃に昇温した直管状のガラス管バルブ1C
の開口部からジメチル錫ジクロライドに数%の塩化アン
チモンを混入した蒸気を吹き付け、これを熱分解させて
酸化スズ(SnO2 )からなる透明導電膜7を形成す
る。この透明導電膜7はバルブ1Cの中央部分が厚く端
部は薄いので剥がす必要はない。そして、この導電膜7
上には、上記実施の形態と同様に酸化イットリウムおよ
び酸化アルミニウムの金属酸化物膜からなる保護膜4と
蛍光体膜5とを重層して形成し、以後、上述したと同様
な工程を経てランプL3が得られる。
【0088】このランプL3の場合も、上記第1、2の
実施の形態と同様な作用効果を奏し得ることができた。
【0089】つぎに、本発明の第4の実施の形態につい
て説明する。本発明は蛍光ランプにおいて金属酸化物膜
4に重層して形成される蛍光体膜5の結着剤として、上
記金属酸化物膜4と同材料の酸化イットリウムおよび酸
化アルミニウムを用いる。
【0090】すなわち、蛍光体粉末、結着剤として酸化
イットリウムおよび酸化アルミニウムや他の金属酸化物
との微粉末、水溶性バインダーや有機バインダー、溶剤
等を混合して蛍光体分散液を作る。そして、たとえば上
記第1の実施の形態に示される直管形蛍光ランプL1と
同様に、酸化イットリウムと酸化アルミニウムとからな
る金属酸化物膜4上に、この蛍光体分散液を塗布・乾燥
した後、焼成して蛍光体膜5を形成する。
【0091】このような金属酸化物膜4および蛍光体膜
5を有する蛍光ランプは、両被膜4、5とも酸化イット
リウムと酸化アルミニウムとからなる緻密な結晶構造を
有しているので、光透過率が高く光束が向上できるとと
もにガラスとの反応が抑えられるため光束維持率の低下
も小さく優れた発光特性が得られるとともに、同質の材
料が混在しているため両被膜4、5に亀裂や剥離等の発
生がなく強固な被着力が得られる。
【0092】また、図7は本発明の直管形蛍光ランプL
1を用いた照明器具9の実施の形態を示す斜視図であ
る。図中91は基体で、器具9の建物等への取付具、電
源接続機構や安定器などの点灯回路92が収納されてい
る。この基体91の下方にはセード93が設けられ、こ
の内部に取付けられたソケット95,95,…には2本
の直管形蛍光ランプL1,L1の口金6,6が装着され
ランプL1,L1が支持されている。また、図中94は
反射板である。
【0093】この蛍光ランプL1,L1は、電源接続機
構、安定器等の点灯回路92、図示しないコードおよび
ソケット95,95を介し給電され安定した点灯ができ
る。
【0094】そして、この照明器具9に装着された蛍光
ランプL1,L1は、初期光束および光束維持率の低下
が少ないので、高効率の照明を行うことができる。
【0095】なお、本発明は上記実施の形態に限るもの
ではなく、実施の形態に記載した以外の蛍光ランプであ
っても適用ができる。
【0096】
【発明の効果】 請求項1および2に記載の発明によれ
ば、金属酸化物膜が反射膜として可視光領域での透過率
をガラスとほぼ同等とし、紫外線領域での反射率を6%
以上として紫外線を再反射させて蛍光体膜から可視光を
効率よく放射して光束の向上がはかれる。因みに、本発
明ランプは金属酸化物膜を酸化アルミニウムで形成した
ランプに比べて光束を2〜3%向上でき、また、従来ラ
ンプと同等の光束を得る場合には蛍光体の塗布量を30
%程度低減できてコストダウンがはかれる等、種々の利
点を有する。
【0097】また、この金属酸化物膜は、バルブのガラ
ス成分と水銀とが反応することにより生じる変色を防止
したり、バルブの屈曲時に生じる蛍光体のガラス中への
めり込みを防止する保護膜としての機能を有するなど、
高い発光特性および光束維持率を有するとともに生産性
にも優れた蛍光ランプを提供できる。
【0098】また、請求項3および4に記載の発明によ
れば、被膜の厚さまたは被膜質量を規制することにより
上記請求項1に記載したと同様な効果を奏する他、反射
膜等の被膜として亀裂や剥離の虞のない蛍光ランプを提
供できる。
【0099】また、請求項5に記載の発明によれば、金
属酸化物膜の可視光領域における全透過率および紫外線
領域における反射率を規制することにより、上記請求項
1および2に記載と同様の効果を奏する蛍光ランプを提
供できる。
【0100】また、請求項6に記載の発明によれば、金
属酸化物膜の上層の蛍光体膜の亀裂や剥離等の発生がな
く、高い発光特性および光束維持率を有する蛍光ランプ
を提供できる。
【0101】さらに、請求項7に記載の発明によれば、
上記請求項1ないし6に記載の効果を奏する蛍光ランプ
を装着したので、初期光束が高いとともに点灯経過後の
光束低下が小さい、高い発光効率を維持した照明器具を
提供することができる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の直管形蛍光ラン
プの一部を断面して示す正面図。
【図2】 図1中のa−a線に沿って切欠した部分を拡
大して示す横断面図。
【図3】 酸化イットリウム(Y23 )と酸化アルミ
ニウム(Al23 )との混合比率(%)と、紫外線の
反射率(%)および可視光の透過率(%)を対比させた
グラフ。
【図4】 本発明に係わる蛍光ランプおよび従来の蛍光
ランプの、光束比率(%)と蛍光体の被膜質量(g/1
本)とを対比させたグラフ。
【図5】 本発明の第2の実施の形態の環形蛍光ランプ
を示す正面図。
【図6】 本発明の第3の実施の形態のラピッドスター
ト形の直管形蛍光ランプのバルブの横断面図。
【図7】 本発明第1の実施の形態の直管形蛍光ランプ
を用いた照明器具を示す斜視図。
【符号の説明】
L1,L2,L3:蛍光ランプ、1A,1B,1C:ガ
ラスバルブ、11:封止部、2:ステム、3:放電電
極、4:金属酸化物膜(紫外線反射膜)、5:蛍光体
膜、9:照明器具、91:基体、92:点灯回路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスバルブと;このバルブの内部に封
    装された電極手段と;上記バルブ内に封入された放電維
    持媒体と;上記バルブの内面部分に、1次粒子形状が球
    状ないしは略球状で粒径の中央値が40〜75nmの酸
    化イットリウムを主体とし、これに酸化アルミニウムを
    混成して形成された金属酸化物膜と;この金属酸化物膜
    上に重層形成された蛍光体膜と;を具備していることを
    特徴とする蛍光ランプ。
  2. 【請求項2】 ガラスバルブと;このバルブの内部に封
    装された電極手段と;上記バルブ内に封入された放電維
    持媒体と;上記バルブの内面部分に、それぞれの1次粒
    子形状が球状ないしは略球状で、粒径の中央値が40〜
    75nmの酸化イットリウムを40〜90質量%および
    最大粒径が180nm以下で、かつ、粒径の中央値が1
    0〜20nmの酸化アルミニウムを10〜60質量%を
    混成して形成された金属酸化物膜と;この金属酸化物膜
    上に重層形成された蛍光体膜と;を具備していることを
    特徴とする蛍光ランプ。
  3. 【請求項3】 上記金属酸化物膜の膜厚が、0.3〜
    3.0μmであることを特徴とする請求項1または2記
    載の蛍光ランプ。
  4. 【請求項4】 上記金属酸化物膜の被膜質量が、0.0
    5〜0.5mg/cm 2 であることを特徴とする請求項
    1ないし3いずれか一記載の蛍光ランプ。
  5. 【請求項5】 上記金属酸化物膜の可視光領域400〜
    780nmにおける全透過率がバルブのガラスに対して
    96〜100%で、かつ、紫外線領域240〜270n
    mにおける反射率が7〜50%あることを特徴とする請
    求項1ないし4いずれか一記載の蛍光ランプ。
  6. 【請求項6】 上記金属酸化物膜上に重層して形成され
    た蛍光体膜が、蛍光体粉末に酸化イットリウムまたは酸
    化アルミニウムの少なくとも一種を主体とする結着剤を
    添加混合して成膜されていることを特徴とする請求項1
    ないし5いずれか一記載の蛍光ランプ。
  7. 【請求項7】 器具本体と;この器具本体に装着した請
    求項1ないし6いずれか一記載の蛍光ランプと;この蛍
    光ランプを点灯させる点灯回路と;を具備していること
    を特徴とする照明器具。
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