JP2000113857A - 蛍光ランプ及び光源装置 - Google Patents

蛍光ランプ及び光源装置

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JP2000113857A
JP2000113857A JP10281822A JP28182298A JP2000113857A JP 2000113857 A JP2000113857 A JP 2000113857A JP 10281822 A JP10281822 A JP 10281822A JP 28182298 A JP28182298 A JP 28182298A JP 2000113857 A JP2000113857 A JP 2000113857A
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inorganic powder
luminous flux
fluorescent lamp
protective layer
charge amount
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Masahiro Tokawa
雅弘 東川
Kenji Kono
謙司 河野
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Matsushita Electric Works Ltd
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  • Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】光束寿命を向上させる。 【解決手段】蛍光ランプは、透光性気密容器1の内表面
に設けた蛍光体被膜3における放電空間2側の内表面に
表面保護層9を備える。表面保護層9は無機粉体により
形成され、無機粉体材料は充填率ないし帯電量に着目し
て選択される。これにより、光束劣化の原因となる種々
のダメージを高いレベルで抑制することができ、点灯時
間の経過に伴う光束劣化が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透光性気密容器に
封入した水銀を含む放電媒体を放電させることにより紫
外線を発生させ、透光性気密容器の内表面に形成した蛍
光体被膜により紫外線を可視光に変換する蛍光ランプ及
び光源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、蛍光ランプは、透光性気密容器
内に封入した水銀を含む放電媒体を放電により励起させ
て紫外線を発生させ、透光性気密容器の内表面に形成し
た蛍光体被膜により可視光に変換するものである。
【0003】ところで、近年、地球環境問題に対する意
識がこれまで以上に高揚してきており、蛍光ランプに使
用されている水銀廃棄物も環境汚染源の一つとして一層
強く認識されつつある。このような状況下で、蛍光ラン
プにおける使用水銀量の低減化、水銀の不使用化への多
くの検討がなされている。
【0004】水銀の不使用化については、水銀に代わる
無害な紫外線放射源として、たとえばキセノンを放電媒
体として紫外線(主波長147nm)を発生させる希ガ
ス蛍光ランプがある。希ガス蛍光ランプは、水銀を利用
した従来の蛍光ランプに比べて、周囲温度の変化による
光束変動がなく、かつ始動後の光束立ち上がり特性が良
いという優れた特長を有し、OA機器用などの一部用途
ですでに実用化されている。しかしながら、水銀を使用
した蛍光ランプに比べて効率がはるかに劣るものである
から、一般照明用に代替するのは現状では困難である。
【0005】そこで、一般照明用の蛍光ランプでは、使
用水銀量の低減化が現実的な対応策となっている。使用
水銀量を低減化するための具体策としては、ランプ1本
当たりの封入水銀量の低減化と、ランプを長寿命化して
ランプの廃棄頻度を減少させることによる長期的視野で
の水銀使用量の低減化が提案されている。
【0006】まず、封入水銀量を低減することについて
説明する。透光性気密容器内に封入された水銀は、点灯
時間の経過に伴って透光性気密容器を構成するガラスバ
ルブの内面や蛍光体によって徐々に消費されることが知
られている。すなわち、水銀は、ガラスバルブや蛍光体
に吸着された後、ガラスや蛍光体中の成分あるいは透光
性気密容器内に残留した不純物ガスなどとの反応によ
り、種々の化合物として堆積し、放電に寄与できなくな
り無効化していく。そこで、ランプ寿命(定格寿命)以
前に水銀が枯渇することがないように、従来の蛍光ラン
プでは水銀を過剰に封入している。したがって、封入水
銀量を減らすには、透光性気密容器内での水銀消費量の
低減、すなわち、無効水銀の生成を低減させる必要があ
る。
【0007】一方、ランプ寿命を決定する因子は、一般
に、電極基材の断線あるいは電極基材に塗布された熱電
子放射物質(エミッタ)の消耗などに起因するいわゆる
不点寿命と、ガラスバルブや蛍光体表面の変色や黒化、
あるいは蛍光体そのものの経時劣化による発光効率の低
下などに起因するいわゆる光束寿命の2つに大別され
る。すなわち、蛍光ランプの寿命は、電極切れによる不
点寿命と光束劣化による光束寿命とのいずれか短い方で
規定される。
【0008】不点寿命については、電極(フィラメン
ト)を透光性気密容器内に有する一般の蛍光ランプ(以
下では、「有電極蛍光ランプ」と呼ぶ)では改善に限界
がある。そこで、不点寿命を改善するために、近年では
透光性気密容器内に電極を持たない無電極蛍光ランプが
注目され、一部ですでに実用化されている。無電極蛍光
ランプは、有電極蛍光ランプと同様に透光性気密容器内
に水銀を含む放電媒体が封入されているが、透光性気密
容器内には電極を持たず、放電媒体を透光性気密容器の
外部に配設されたエネルギ供給手段によって励起させ
る。こうして、気密空間内に放電を生起し、これにより
放射される紫外線を透光性気密容器の内表面に形成され
た蛍光体被膜で可視光に変換するのである。したがっ
て、無電極蛍光ランプは透光性気密容器内に電極を持た
ないから不点寿命が存在せず、光束寿命のみによって寿
命が決定されるので、有電極蛍光ランプよりも長寿命が
期待できる。したがって、無電極蛍光ランプでは、有電
極蛍光ランプよりも光束維持率の改善が一層重要であ
る。
【0009】一方、光束寿命を低下させる要因は、蛍光
体被膜を構成する成分やガラス中のアルカリ成分や透光
性気密容器内の残留不純物と水銀との反応による化合物
の生成・堆積、水銀や希ガスなどのイオンボンバードに
よる蛍光体被膜の劣化、紫外線による蛍光体被膜の劣化
などであると考えられている。そこで、光束維持率を向
上させる対策として、蛍光体被膜を改善したり、透光性
気密容器を形成するガラスの内表面に透明保護膜を設け
たりすることが提案されている。
【0010】上述のように、有電極蛍光ランプと無電極
蛍光ランプとのいずれにおいても、透光性気密容器内で
の水銀消費量を低減化し、光束維持率を向上させること
が今後の重要課題である。しかして、上述したように、
光束維持率を低下させる一つの要因は透光性気密容器内
で水銀が他の物質と反応して化合物を生成することにあ
るから、光束維持率の向上は水銀消費量の低減と密接に
関連している。
【0011】水銀消費量を低減させ、光束維持率を向上
させるために、種々の解決策が提案されており、その一
つとして、蛍光体被膜における放電空間側の表面に金属
酸化物の表面保護層を形成する構成が、特開平7−23
0788号公報や特開平8−64173号公報などにお
いて提案されている。これらの構成は、放電媒体である
水銀によって生じる185nmの紫外線から蛍光体被膜
を保護するとともに水銀消費量を抑制して、蛍光ランプ
の光束劣化特性を改善するものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述した公報に記載さ
れた蛍光ランプは、蛍光体被膜における放電空間側に表
面保護層を形成しているものであるから、光束劣化を抑
制する一応の効果が期待されるものではある。しかしな
がら、上記公報に記載された表面保護層は、主として1
85nmの紫外線に対する保護機能を考慮したものであ
るから、上述した各種要因による水銀消費量の増加や光
束維持率の低下に十分に対処することができず、蛍光ラ
ンプの近年における高負荷化や光束維持率のさらなる向
上といった厳しい要求を十分に満足させることはできな
いものである。
【0013】本発明は上記事由に鑑みて為されたもので
あり、その目的は、光束維持率をより一層向上させるこ
とができる蛍光ランプ及び光源装置を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、少な
くとも水銀を含む放電媒体を封入した透光性気密容器
と、前記透光性気密容器の内面に形成された蛍光体被膜
と、前記蛍光体被膜の放電空間側の内表面に形成した無
機粉体からなる表面保護層とを有し、当該無機粉体とし
て、圧力を3000kgf/cm2として圧縮成形した
ときの成形体の充填率が46.1%を越える光束寿命を
向上させる材料を用いるものである。この構成によれ
ば、主として波長が185nmの紫外線による蛍光体被
膜の劣化を抑制するために材料を選択するのではなく、
表面保護層を形成する無機粉体材料を、その充填率に着
目して光束寿命を向上させるように選択するのであっ
て、充填率が上記範囲となる無機粉体材料を選択して用
いることによって、光束劣化の原因となる種々のダメー
ジが抑制され、結果的に光束劣化を抑制することが可能
となる。
【0015】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記無機粉体として、圧力を3000kgf/cm
2として圧縮成形したときの成形体の充填率が46.1
%を越え52.0%以下となる材料を用いるものであ
る。充填率をこの範囲で選択すれば、請求項1の発明の
範囲内において、光束寿命の向上効果が高いレベルで発
揮される。
【0016】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、前記無機粉体として、圧力が200〜5000kg
f/cm2の範囲において圧縮成形したときの成形体の
充填率が、塩化アルミニウムから生成されるγ−アルミ
ナでかつ1次粒子径が略15nmかつ比表面積のBET
値が略100m2/gとなる対照材料の充填率を越える
光束寿命を向上させる材料を用いるものである。この構
成によれば、主として波長が185nmの紫外線による
蛍光体被膜の劣化を抑制するために材料を選択するので
はなく、表面保護層を形成する無機粉体材料を、その充
填率に着目して光束寿命を向上させるように選択するの
であって、充填率が上記範囲となる無機粉体材料を選択
して用いることによって、光束劣化の原因となる種々の
ダメージが抑制され、結果的に光束劣化を抑制すること
が可能となる。とくに、従来用いられてきた対照材料よ
りも高い効果が期待できるものである。
【0017】請求項4の発明は、少なくとも水銀を含む
放電媒体を封入した透光性気密容器と、前記透光性気密
容器の内面に形成された蛍光体被膜と、前記蛍光体被膜
の放電空間側の内表面に形成した無機粉体からなる表面
保護層とを有し、当該無機粉体として、帯電量の絶対値
が0.58μC/g未満である光束寿命を向上させる材
料を用いるものである。この構成によれば、主として波
長が185nmの紫外線による蛍光体被膜の劣化を抑制
するために材料を選択するのではなく、表面保護層を形
成する無機粉体材料を、その帯電量に着目して光束寿命
を向上させるように選択するのであって、帯電量が上記
範囲となる無機粉体材料を選択して用いることによっ
て、光束劣化の原因となる種々のダメージが抑制され、
結果的に光束劣化を抑制することが可能となる。
【0018】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、前記無機粉体として、帯電量の絶対値が、塩化アル
ミニウムから生成されるγ−アルミナでかつ1次粒子径
が略15nmかつ比表面積のBET値が略100m2
gとなる対照材料の帯電量未満である光束寿命を向上さ
せる材料を用いるものである。この構成によれば、主と
して波長が185nmの紫外線による蛍光体被膜の劣化
を抑制するために材料を選択するのではなく、表面保護
層を形成する無機粉体材料を、その帯電量に着目して光
束寿命を向上させるように選択するのであって、帯電量
が上記範囲となる無機粉体材料を選択して用いることに
よって、光束劣化の原因となる種々のダメージが抑制さ
れ、結果的に光束劣化を抑制することが可能となる。と
くに、従来用いられてきた対照材料よりも高い効果が期
待できるものである。
【0019】請求項6の発明は、請求項1ないし請求項
5の発明において、前記透光性気密容器の内表面と前記
蛍光体被膜との間に形成された無機粉体からなる管保護
層を有し、当該無機粉体として、圧力を3000kgf
/cm2として圧縮成形したときの成形体の充填率が4
2.5%未満となる光束寿命を向上させる材料を用いる
ものである。この構成によれば、表面保護層に加えて管
保護層を設けているから、光束劣化の原因となる種々の
ダメージをより一層抑制することが可能になり、光束寿
命をより向上させることが可能になる。しかも、表面保
護層を形成する無機粉体には充填率が比較的高くなる材
料を選択し、管保護層を形成する無機粉体には充填率が
比較的低くなる材料を選択するのであって、各場所ごと
に光束劣化の抑制機能をよりよく発揮できるように充填
率を考慮して無機粉体材料を選択するから、光束寿命の
より高いレベルでの向上が望める。
【0020】請求項7の発明は、請求項1ないし請求項
5の発明において、前記透光性気密容器の内表面と前記
蛍光体被膜との間に形成された無機粉体からなる管保護
層を有し、当該無機粉体として、圧力が2000〜40
00kgf/cm2の範囲において圧縮成形したときの
成形体の充填率が、水酸化アルミニウムから生成される
γ−アルミナでかつ1次粒子径が0.1μmかつ比表面
積のBET値が略148m2/gとなる対照材料の充填
率未満の光束寿命を向上させる材料を用いるものであ
る。この構成によれば、表面保護層に加えて管保護層を
設けているから、光束劣化の原因となる種々のダメージ
をより一層抑制することが可能になり、光束寿命をより
向上させることが可能になる。しかも、表面保護層を形
成する無機粉体には充填率が比較的高くなる材料を選択
し、管保護層を形成する無機粉体には充填率が比較的低
くなる材料を選択するのであって、各場所ごとに光束劣
化の抑制機能をよりよく発揮できるように充填率を考慮
して無機粉体材料を選択するから、光束寿命のより高い
レベルでの向上が望める。とくに、従来用いられてきた
対照材料に比較して光束寿命の向上が望めるものであ
る。
【0021】請求項8の発明は、請求項1ないし請求項
5の発明において、前記透光性気密容器の内表面と前記
蛍光体被膜との間に形成された無機粉体からなる管保護
層を有し、当該無機粉体として、帯電量の絶対値が0.
81μC/gを越える光束寿命を向上させる材料を用い
るものである。この構成によれば、表面保護層に加えて
管保護層を設けているから、光束劣化の原因となる種々
のダメージをより一層抑制することが可能になり、光束
寿命をより向上させることが可能になる。しかも、表面
保護層を形成する無機粉体には帯電量が比較的小さい材
料を選択し、管保護層を形成する無機粉体には帯電量が
比較的大きい材料を選択するのであって、各場所ごとに
光束劣化の抑制機能をよりよく発揮できるように帯電量
を考慮して無機粉体材料を選択するから、光束寿命のよ
り高いレベルでの向上が望める。
【0022】請求項9の発明は、請求項1ないし請求項
5の発明において、前記透光性気密容器の内表面と前記
蛍光体被膜との間に形成された無機粉体からなる管保護
層を有し、当該無機粉体として、帯電量の絶対値が、水
酸化アルミニウムから生成されるγ−アルミナでかつ1
次粒子径が0.1μm以下でありBET法による比表面
積が略148m2/gとなる対照材料の帯電量の絶対値
を越える光束寿命を向上させる材料を用いるものであ
る。この構成によれば、表面保護層に加えて管保護層を
設けているから、光束劣化の原因となる種々のダメージ
をより一層抑制することが可能になり、光束寿命をより
向上させることが可能になる。しかも、各場所ごとに光
束劣化の抑制機能をよりよく発揮できるように帯電量を
考慮して無機粉体材料を選択するから、光束寿命のより
高いレベルでの向上が望める。とくに、従来用いられて
きた対照材料に比較して光束寿命の向上が望めるもので
ある。
【0023】請求項10の発明は、請求項1ないし請求
項9の発明において、前記蛍光体被膜中に蛍光体粒子以
外の無機粉体を前記蛍光体粒子と少なくとも混合あるい
は前記蛍光体粒子に付着させる態様で併存させた保護材
を有し、当該無機粉体として、圧力を3000kgf/
cm2として圧縮成形したときの成形体の充填率が4
6.1%を越える光束寿命を向上させる材料を用いるも
のである。この構成によれば、表面保護層や管保護層に
加えて、蛍光体被膜中に保護材を充填しているから、光
束劣化の原因となる種々のダメージをより一層抑制する
ことが可能になり、光束寿命をより向上させることが可
能になる。しかも、各場所ごとに光束劣化の抑制機能を
よりよく発揮できるように充填率を考慮して無機粉体材
料を選択するから、光束寿命のより高いレベルでの向上
が望める。
【0024】請求項11の発明は、請求項1ないし請求
項9の発明において、前記蛍光体被膜中に蛍光体粒子以
外の無機粉体を前記蛍光体粒子と少なくとも混合あるい
は前記蛍光体粒子に付着させる態様で併存させた保護材
を有し、当該無機粉体として、圧力が200〜5000
kgf/cm2の範囲において圧縮成形したときの成形
体の充填率が、塩化アルミニウムから生成されるγ−ア
ルミナでかつ1次粒子径が略15nmかつ比表面積のB
ET値が略100m2/gとなる対照材料の充填率を越
える光束寿命を向上させる材料を用いるものである。こ
の構成によれば、表面保護層や管保護層に加えて、蛍光
体被膜中に保護材を充填しているから、光束劣化の原因
となる種々のダメージをより一層抑制することが可能に
なり、光束寿命をより向上させることが可能になる。し
かも、各場所ごとに光束劣化の抑制機能をよりよく発揮
できるように充填率を考慮して無機粉体材料を選択する
から、光束寿命のより高いレベルでの向上が望める。と
くに、従来より用いられてきた対照材料と比較してより
高い効果が期待できる。
【0025】請求項12の発明は、請求項1ないし請求
項5の発明において、前記無機粉体の粒子径が1〜10
0nmであることを特徴とするものである。
【0026】請求項13の発明は、請求項1ないし請求
項5の発明において、前記無機粉体の比表面積のBET
値が150m2/g以上であることを特徴とするもので
ある。
【0027】請求項14の発明は、請求項1ないし請求
項5のいずれかに記載の蛍光ランプと、前記透光性気密
容器の内部と外部との少なくとも一方に配設されて前記
放電媒体を放電させるようにエネルギを供給するエネル
ギ供給手段と、前記エネルギ供給手段を介して前記蛍光
ランプを点灯させる点灯装置とを備える光源装置であ
る。この構成によれば、光束寿命の向上効果を十分に引
き出すことが可能な光源装置を実現することができる。
【0028】本発明者らは、蛍光体被膜の表裏や蛍光体
被膜中などの種々の箇所に無機粉体を適用し、光束維持
率をより向上させるという目的達成のためのとくに重要
な因子を抽出すべく種々の実験検討を行った。その結
果、適用した無機粉体材料の充填率および帯電量が、光
束維持率に大きな影響を持つという知見を得た。すなわ
ち、蛍光体被膜の紫外線(とくに185nmの紫外線)
による劣化を抑制することにより光束維持率を向上させ
る従来構成と異なり、表面保護層を形成する材料の物性
値に着目することで、光束維持率の向上という目的をよ
り高いレベルで達成することができることを見出した。
また、実験結果によれば、光束維持率は粒子径や塗布重
量だけ相関性を議論することができず、充填率や帯電量
との強い相関を持つことがわかった。
【0029】したがって、蛍光ランプの各所に無機粉体
を適用する際に、適用箇所に応じた物性値(充填率や帯
電量)を選択することによってより高い効果が得られる
ことがわかった。すなわち、蛍光ランプの各所に適用し
た無機粉体が、充填率や帯電量を考慮すれば、光束劣化
の原因となる種々のダメージを抑制する高い効果を発揮
し、光束劣化の抑制をより高いレベルで実現することが
可能になる。
【0030】充填率や帯電量が光束維持率と強い相関を
持つ理由については、解明されていないが、蛍光ランプ
における光束劣化の主原因である放電媒体に含まれる水
銀や透光性気密容器を形成するガラスに含まれるアルカ
リ成分などの蛍光体被膜中への拡散による蛍光体材料の
劣化や反応生成物の生成などを抑止する効果は、材料の
充填率や帯電量に関連していると考えられる。
【0031】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)本実施形態
で用いる蛍光ランプLaは、図4に示すような無電極蛍
光ランプであって、ガラスからなる球状の透光性気密容
器1の内部の気密空間2には、水銀蒸気および希ガスか
らなる放電媒体が封入され、透光性気密容器1の内表面
には蛍光体被膜3が形成されている。透光性気密容器1
の外部には透光性気密容器1に近接して誘導コイル5が
巻回される。この誘導コイル5が放電媒体にエネルギを
供給して放電させるエネルギ供給手段として機能し、透
光性気密容器1と誘導コイル5とにより無電極蛍光ラン
プが構成される。誘導コイル5は蛍光ランプLaを点灯
させる点灯装置20を介して電源6に接続される。つま
り、蛍光ランプLaと点灯装置20とにより光源装置が
構成される。
【0032】この光源装置では、点灯装置20によって
誘導コイル5に高周波電流を流すことにより、誘導コイ
ル5の周囲に高周波電磁界を発生させ、透光性気密容器
1内の放電媒体が高周波電磁界により励起されて放電す
るのである。放電により生じた紫外線は蛍光体被膜3に
より可視光に変換されて放射される。なお、本実施形態
では、エネルギ供給手段として誘導コイル5を用いてい
るが、誘導コイル5に代えて透光性気密容器1に近接配
置した導電体箔を用いることも可能である。
【0033】ところで、本実施形態は、図1に示すよう
に、透光性気密容器1の内表面に蛍光体被膜3を形成
し、さらに蛍光体被膜3の放電空間2側の内表面に表面
保護層9を形成してある。放電空間2は、透光性気密容
器1の内部で放電プラズマ11が形成される気密空間を
意味している。蛍光体被膜3は粒状の蛍光体(以下、蛍
光体粒子7という)により形成された被膜よりなる。
【0034】表面保護層9は無機粉体により形成され
る。無機粉体としては、比較的低コストであるシリカ
(SiO2)、アルミナ(Al23)、イットリア(Y
23)などの金属酸化物の中から少なくとも紫外線の透
過率の高いものが選択される。また、可視光の透過率も
高いほうが望ましい。さらに、無機粉体としては、やや
高コストにはなるが、金属酸化物ではない金属化合物、
あるいはフッ化物や硫化物を用いることも可能である。
【0035】ところで、無機粉体の物性を示す値として
は充填率がある。充填率は無機粉体を成形したときの物
性値であって、無機粉体の成形体では無機粉体の粒子
径、粒子形状、粒子間付着力などによって無機粉体の充
填状態が異なり、無機粉体の充填率は成形体における無
機粉体間の空隙の多さの目安になる。一般には充填率が
大きく稠密であるほど空隙が少なく、強度が大きくな
る。この充填率は、粉体のかさ体積に対する実質体積の
比であり、実質体積は、粉体の真の比重dと粉体の重量
Wとにより、W/dと定義される。したがって、粉体の
かさ体積(JIS規格で測定法が定められている)をV
とすれば、充填率φは、φ=100(W/d)/Vによ
り算出される。
【0036】本実施形態では、充填率として成形体の成
形時の圧力が3000kgf/cm 2であるときの値を
規定している。つまり、圧力を3000kgf/cm2
として成形した成形体の充填率が46.1%を越え52
%以下になる無機粉体を材料として表面保護層9を形成
している。なお、充填率が上記範囲になる材料を選択す
るのが望ましいが、充填率が大きいほど光束維持率が高
くなる傾向が見られるから、充填率の上限値は100%
であって46.1%を越えればよい。なお、容易に類推
できるので詳細な説明は省略するが、当該無機粉体の蛍
光体周辺への配設は、その配設量の過多や、充填率の過
大な材料の場合、ランプ初光束の相当な低下を招く。こ
れは、当該無機粉体が蛍光体のような発光を呈するもの
でないこと、および材料固有の分光透過率特性のため、
蛍光体表面への紫外線到達量や蛍光体から発せられた可
視光線量の損失を生じるためである。しかしながら、本
発明の主目的は、光束寿命の向上であること、および上
述の初光束の低下は各ランプへの要求性能による許容範
囲内であれば実質的に問題とならないので、実際の適用
に際して、この点を加味して特許請求の範囲に記載した
範囲内で好ましい条件を採用すればよいのは自明であ
る。
【0037】圧縮成形した成形体の成形時の圧力が30
00kgf/cm2 であるときの充填率が46.1%を
越えた値(望ましくは46.1%を越え52%以下)と
なる無機粉体を材料として表面保護層9を形成したこと
によって、光束劣化の原因となる種々のダメージが抑制
され、光束劣化が抑制されることにより光束寿命を延ば
すことができるのである。
【0038】(第2の実施の形態)本実施形態の基本構
成は第1の実施の形態と同様であるが、表面保護層9を
形成する無機粉体の充填率を以下のように選択した点で
異なるものである。すなわち、成形時の圧力が200〜
5000kgf/cm2の範囲における充填率が、以下
の条件を満たす対照材料の充填率を越える無機粉体を選
択している。ここでの対照材料はγ−アルミナであっ
て、塩化アルミニウムから生成され、かつ1次粒子径が
約15nmであるとともに比表面積のBET値が約10
0m3/gという条件を満たすものである。この条件を
満たす対照材料としては、蛍光ランプにおいて従来より
用いられているデグサ社製のアルミナ(アルミニウムオ
キサイドC:特表平9−504645号公報参照)があ
る。
【0039】なお、比表面積は単位質量の粉体に含まれ
る表面積の総和であって、測定法が各種提案されている
が、ここではBET値を用いている。BET値は、秤量
した粉体を加熱するとともに減圧することにより粉体に
吸着している気体を脱着させた後、粉体を低温に保った
状態で、分子の大きさが既知の気体を一定量粉体に通
じ、気体の圧力を測定することによって粉体に吸着され
た気体の量を算出し、これに基づいて求めた比表面積で
ある。
【0040】本実施形態においても、表面保護層9を無
機粉体を圧縮成形した成形体とし、充填率を条件として
材料を規定しているのであって、この条件を満たす材料
を用いて表面保護層9を形成することにより、光束劣化
の原因となる種々のダメージが抑制され、光束劣化が抑
制されることにより光束寿命を延ばすことができるので
ある。
【0041】(第3の実施の形態)第1および第2の実
施の形態においては、表面保護層9を形成する材料を充
填率により規定していたが、本実施形態では表面保護層
9を形成する材料を無機粉体の帯電量により規定するも
のである。すなわち、本実施形態で使用する無機粉体
は、帯電量の絶対値が0.58μC/g未満(下限値は
0である)となる材料が選択される。他の構成は第1の
実施の形態と同様である。
【0042】無機粉体の帯電量の測定方法は各種提案さ
れているが、一般にはキャリアと称する接触相手粉と混
合し接触させた後、キャリアを引き離したときに残存す
る電荷量を無機粉体の帯電量としている。ここに、キャ
リアとしては粒子径が100μm程度の還元鉄粉を用い
た。このようにして測定した帯電量は、材料によって正
負の値をとる。
【0043】本実施形態では、ホソカワミクロン株式会
社製の粉体測定機である「イースパートアナライザ(E
−SPART−2)」を用い、いわゆるレーザドップラ
法を利用して粉体粒子の泳動速度を測定する光散乱電気
泳動法により帯電量を測定した。また、キャリアには粒
子径が100μm程度の還元鉄粉を用い、印加電圧を2
00Vとした。本明細書中に示す帯電量の数値は、すべ
てこの方法で測定した値である。
【0044】(第4の実施の形態)本実施形態は、第3
の実施の形態と同様に、表面保護層9を形成する材料を
無機粉体の帯電量で規定するものである。ただし、帯電
量を以下のように選択した点で第3の実施の形態とは異
なるものである。すなわち、帯電量が、以下の条件を満
たす対照材料の帯電量未満である無機粉体を選択してい
る。ここでの対照材料はγ−アルミナであって、塩化ア
ルミニウムから生成され、かつ1次粒子径が約15nm
であるとともに比表面積のBET値が約100m3/g
という条件を満たすものである。この条件を満たす対照
材料としては、蛍光ランプにおいて従来より用いられて
いるデグサ社製のアルミナ(製品名:アルミニウムオキ
サイドC:特表平9−504645号公報参照)があ
る。他の構成は第3の実施の形態と同様である。
【0045】(第5の実施の形態)従来の技術として述
べたように、放電媒体に含まれる水銀は透光性気密容器
1を構成するガラス中の成分と化合物を形成してガラス
の変色や黒化をまねくから、水銀消費量が増加したり、
光束寿命が低下したりする要因になる。したがって、光
束維持率を高めるには、放電媒体中の水銀と透光性気密
容器1を構成するガラスとの接触を抑制することが有効
である。
【0046】本実施形態は、この観点から、図2に示す
ように、第1ないし第4の実施形態の構成に加えて、透
光性気密容器1の管壁内表面に管保護層10を形成した
ものである。つまり、管保護層10は、蛍光体被膜3に
おける透光性気密容器1の内表面との間に設けられる。
管保護層10を構成する材料は無機粉体の成形体であっ
て、第1の実施形態における表面保護層9と同様に、成
形時の圧力が3000kgf/cm2で圧縮成形して形
成される成形体の充填率として規定されている。つま
り、管保護層10は成形時の圧力が3000kgf/c
2の成形体であって、この圧力での充填率が42.5
%未満となるように形成される。他の構成は第1ないし
第4の実施の形態と同様である。
【0047】この構成によれば、表面保護層9による作
用に加えて、管保護層10が透光性気密容器1を形成す
るガラスと放電媒体に含まれる水銀との接触を抑制する
から、水銀消費量が低減されるとともにガラスの変色や
黒化が抑制されて光束維持率が高くなる。
【0048】(第6の実施の形態)本実施形態は、第5
の実施の形態と同様に管保護層10を形成したものであ
る。ただし、管保護層10を形成する無機粉体の充填率
を以下のように選択した点で異なる。すなわち、成形時
の圧力が2000〜4000kgf/cm2の範囲にお
ける充填率が、以下の条件を満たす対照材料の充填率未
満となる無機粉体を選択している。対照材料はγ−アル
ミナであって、水酸化アルミニウムから生成され、かつ
1次粒子径が0.1μm以下であるとともに比表面積の
BET値が約148m3/gという条件を満たすもので
ある。この条件を満たす対照材料としては、住友化学社
製のアルミナ(製品名:AKP−G015:特開平5−
151938号公報参照)がある。他の構成は第5の実
施の形態と同様である。
【0049】したがって、本実施形態においても、表面
保護層9による作用に加えて、管保護層10が透光性気
密容器1を形成するガラスと放電媒体に含まれる水銀と
の接触を抑制するから、水銀消費量が低減されるととも
にガラスの変色や黒化が抑制されて光束維持率が高くな
る。
【0050】(第7の実施の形態)本実施形態は、第5
の実施の形態と同様に管保護層10を形成したものであ
る。ただし、管保護層10を形成する材料を充填率によ
り規定するのではなく、無機粉体の帯電量により規定す
るものである。すなわち、本実施形態で使用する無機粉
体は、帯電量の絶対値が0.81μC/gを越える材料
が選択される。他の構成は第5の実施の形態と同様であ
る。
【0051】したがって、本実施形態においても、表面
保護層9による作用に加えて、管保護層10が透光性気
密容器1を形成するガラスと放電媒体に含まれる水銀と
の接触を抑制するから、水銀消費量が低減されるととも
にガラスの変色や黒化が抑制されて光束維持率が高くな
る。
【0052】(第8の実施の形態)本実施形態は、第5
の実施の形態と同様に管保護層10を形成したものであ
り、第7の実施の形態と同様に管保護層10を形成する
材料を無機粉体の帯電量により規定したものである。す
なわち、管保護層10を形成する無機粉体の帯電量が、
以下の条件を満たす対照材料の帯電量を越える無機粉体
を選択している。対照材料はγ−アルミナであって、水
酸化アルミニウムから生成され、かつ1次粒子径が0.
1μm以下であるとともに比表面積のBET値が約14
8m3/gという条件を満たすものである。この条件を
満たす対照材料としては、住友化学社製のアルミナ(A
KP−G015)がある。他の構成は第5の実施の形態
と同様である。
【0053】したがって、本実施形態においても、表面
保護層9による作用に加えて、管保護層10が透光性気
密容器1を形成するガラスと放電媒体に含まれる水銀と
の接触を抑制するから、水銀消費量が低減されるととも
にガラスの変色や黒化が抑制されて光束維持率が高くな
る。
【0054】(第9の実施の形態)本実施形態は、第1
ないし第8のいずれかの実施の形態に加えて、図3に示
すように、蛍光体被膜3を形成する蛍光体粒子7の間に
無機粉体よりなる保護材8を充填したものである。な
お、図3の例では第5ないし第8の実施の形態と同様
に、表面保護層9と管保護層10との両方を備えたもの
を示している。
【0055】本実施形態では、保護材8を形成する無機
粉体の材料を充填率によって規定している。つまり、成
形時の圧力を3000kgf/cm2として成形した成
形体の充填率が46.1%を越える無機粉体を用いて表
面保護層9を形成しているのである。
【0056】この構成によれば、放電媒体に含まれる水
銀と蛍光体粒子3との接触機会が低減し、また蛍光体粒
子3に対するイオンボンバードも低減し、光束維持率が
向上する。
【0057】(第10の実施の形態)本実施形態は、第
9の実施の形態と同様に保護材8を備えるものである。
ただし、保護材8を形成する無機粉体の充填率を以下の
ように選択している点で第9の実施の形態と異なる。す
なわち、成形時の圧力が200〜5000kgf/cm
2の範囲における充填率が、以下の条件を満たす対照材
料の充填率を越える無機粉体を選択している。対照材料
はγ−アルミナであって、塩化アルミニウムから生成さ
れ、かつ1次粒子径が約15nmであるとともに比表面
積のBET値が約100m3/gという条件を満たすも
のである。この条件を満たす対照材料としては、デグサ
社製のアルミナ(アルミニウムオキサイドC)がある。
【0058】本実施形態においても、保護材8を設けた
ことによって、放電媒体に含まれる水銀と蛍光体粒子3
との接触機会が低減し、また蛍光体粒子3に対するイオ
ンボンバードも低減し、光束維持率が向上する。
【0059】なお、説明した各実施形態において保護材
8、表面保護層9、管保護層10を形成する無機粉体に
は、粒子径が1〜100nmであり、比表面積のBET
値が150m3/g以上のものを用いた。
【0060】また、蛍光体被膜3は、製品としての蛍光
体粉末を、水あるいは有機溶剤に適当なバインダなどの
添加物とともに懸濁させ、これを塗布液(蛍光体スラ
リ)として透光性気密容器1を構成するガラスバルブの
内面へ流入または噴霧した後、乾燥、焼成工程を経て形
成した。さらに、保護材8、表面保護層9、管保護層1
0は、以下の方法により形成した。すなわち、保護材8
であれば、無機粉体を蛍光体粉末の粒子表面にあらかじ
め被着処理した後、これを水や有機溶剤中に懸濁させた
塗布液として塗布するか、あるいは塗布液を作製する際
に、蛍光体粉末と無機粉体とを同時に分散、懸濁させる
ことにより形成する。また、表面保護層9、管保護層1
0は、無機粉体を適当なバインダとともに水や有機溶剤
に分散させた懸濁液を作製してガラスバルブの内面に流
入もしくは噴霧する湿式法で形成するか、あるいはまた
無機粉体を粉末のままで用い静電塗装のような乾式法で
形成する。
【0061】ところで、上述した各実施の形態では、蛍
光ランプLaとして図4のような無電極蛍光ランプを示
したが、蛍光ランプLaは図5に示すような直管形の有
電極蛍光ランプであってもよい。この蛍光ランプLaも
ガラスからなる透光性気密容器1の内部の気密空間2に
水銀蒸気および希ガスからなる放電媒体が封入される。
また、透光性気密容器1の長手方向の両端部の内部には
それぞれエネルギ供給手段として機能する電極4(熱陰
極型、冷陰極型のどちらでもよい)が配設されており、
各電極4が点灯装置20を介して電源6に接続される。
この蛍光ランプLaは図6に示すように、点灯装置20
とともに光源装置を構成する。
【0062】なお、図4に示した無電極蛍光ランプおよ
び図5に示した有電極蛍光ランプにおける透光性気密容
器1の形状は、図示したものに限らず各種形状を採用す
ることが可能である。たとえば、有電極蛍光ランプであ
れば、直管形以外に環形や屈曲形であってもよい。
【0063】
【実施例】以下では、本発明の実施例を説明する。以下
に説明する各実施例ないし比較例は、上述した実施の形
態に対応した蛍光ランプについて、保護材8、表面保護
層9、管保護層10を形成する無機粉体の物性値を種々
変化させて点灯実験を行った結果であり、いずれの場合
も上述した各実施の形態における物性値を選択すること
によてt、光束維持率に改善が見られた。
【0064】なお、蛍光ランプはいずれも無電極蛍光ラ
ンプであって、蛍光体粒子としては、蛍光体として代表
的な希土類蛍光体であるY23:Eu(3価ユーロピウ
ム付活酸化イットリウム)を用いた。また、点灯実験
は、点灯時の管壁負荷(ランプ入力を、発光面積すなわ
ち蛍光体被膜の塗布面積で除した値)を約150mW/
cm2に設定して行った。
【0065】(実施例1)以下に説明する実施例1は、
表面保護層9を形成した第1ないし第4の実施の形態に
対応するものである。
【0066】表1は表面保護層9を形成した蛍光ランプ
について今回検討した無機粉体の種類と物性値(充填率
および帯電量)とを一覧表としたものである。最上段は
無機粉体の組成、2〜4段目は成形体を形成する際の圧
力を2000kgf/cm2、3000kgf/cm2
4000kgf/cm2としたときの充填率をそれぞれ
示し、5段目は帯電量、6段目は光束維持率を示してい
る。光束維持率は、100時間点灯後の光束値を100
%とするとき、その後光束値が70%に低下するまでの
時間を求め、この時間について比較例2(従来例2)の
値に対する相対値を百分率で表した。
【0067】実施例1はイットリアであって、成形時の
圧力が3000kgf/cm2であるときの充填率が5
2.0%となっている。つまり、第1の実施の形態で説
明したように、充填率が46.1%を越え52%以下の
条件を満たす材料を用いている。また、この材料は帯電
量が0.32μC/gであって、第3の実施の形態で説
明した帯電量の絶対値が0.58μC/g未満の条件を
満たすものである。実施例1の材料にはシーアイ化成社
製のイットリア(製品名:NanoTek−Y23)を
用いた。
【0068】比較例1〜3(従来例1、従来例2、検討
例1)は、いずれも充填率および帯電量が第1の実施の
形態と第3の実施の形態とのどちらの条件も満たさない
ものである。具体的には、従来例1は住友化学社製のア
ルミナ(AKP−G015)を適用したものであり、従
来例2はデグサ社製のアルミナ(製品名:アルミニウム
オキサイドC:特表平9−504645号公報参照)を
適用したものである。また、検討例1はデグサ社製のシ
リカ(製品名:アエロジル130)を適用したものであ
る。
【0069】
【表1】 図7は表1に示した光束維持率を成形時の圧力が300
0kgf/cm2のときの充填率に着目してプロットし
たものである。図7によれば、充填率と光束維持率との
間に相関性が予想される。ここで、実施例1と比較例1
〜3とは材料の組成が異なるが、比較例1、2とは組成
の異なる比較例3との間においても充填率と光束維持率
との間に相関性が見られることから、第1の実施の形態
のように充填率に着目して表面保護層9を形成する無機
粉体材料を選択すれば、組成にかかわりなく光束維持率
が改善されると言える。
【0070】図8は表1に示した各材料について、成形
時の圧力と充填率との関係を表1とは別に測定したデー
タでプロットしたものであり、実施例1として用いた材
料は、比較例1〜3として示す材料のいずれに対して
も、成形時の圧力が200〜5000kgf/cm2
範囲において充填率が大きくなっている。比較例のうち
充填率が実施例1にもっとも近い値を示す材料は比較例
2(従来例2)であって、実施例1は上述した成形時の
圧力の全範囲において、比較例2より充填率が大きいも
のである。つまり、実施例1は光束維持率が比較例2よ
りも優れており、比較例2の材料は第2の実施の形態で
説明した対照材料の条件を満たすから、第2の実施の形
態で説明したように充填率について材料を選択すれば、
光束維持率が向上することがわかる。
【0071】図9は表1に示した各材料について、無機
粉体の帯電量に対する光束維持率をプロットしたもので
ある。図9によれば、帯電量と光束維持率との間に相関
性が予想される。すなわち、第3の実施の形態で説明し
たように帯電量に着目して表面保護層9を形成する無機
粉体材料を選択すれば、組成にかかわりなく光束維持率
が改善されると言える。また、比較例2(従来例2)の
帯電量は比較例1〜3の中ではもっとも小さいが、実施
例1の帯電量は比較例2よりも小さく、比較例2は、第
4の実施の形態として説明した対照材料の条件を満たす
から、第4の実施の形態で説明したように帯電量につい
て材料を選択すれば、光束維持率が向上することがわか
る。
【0072】(実施例2〜5)以下に説明する実施例2
〜5は、管保護層10を形成した第5ないし第8の実施
の形態に対応するものである。なお、実施例5は保護材
8を形成した第9および第10の実施の形態にも対応す
る。
【0073】表2は管保護層10の材料として今回検討
した無機粉体の種類と物性値(充填率および帯電量)と
を一覧表としたものである。最上段は無機粉体の組成、
2〜4段目は成形体を形成する際の圧力を2000kg
f/cm2、3000kgf/cm2、4000kgf/
cm2としたときの充填率をそれぞれ示し、5段目は帯
電量、6段目は光束維持率を示している。光束維持率は
前述の表1に関する説明と同様の方法により求めた相関
値として表示しており、ここでは表2中の従来例3の値
を100%としている。
【0074】実施例2はデグサ社製のシリカ(製品名:
アエロジル380PE)、実施例3はデグサ社製のシリ
カ(製品名:アエロジル130)、実施例4は徳山曹達
社製のシリカ(製品名:レオロシールQS−10)、実
施例5はデグサ社製のシリカ(製品名:アエロジルMO
X80)である。なお、実施例5は1%のアルミナを含
む。いずれの実施例も、成形時の圧力が3000kgf
/cm2であるときの充填率が42.5%未満であって
第5の実施の形態で説明した条件を満たしている。ま
た、実施例3は帯電量の絶対値が1.38μC/gであ
り、第7の実施の形態で説明した帯電量の絶対値が0.
81μC/gを越えるという条件を満たす材料となって
いる。
【0075】なお、比較例として用いた材料は、実施例
1における比較例1(従来例1)、比較例2(従来例
2)として示した材料と、実施例1において表面保護層
9の形成に用いた材料とである。以下では、実施例1で
表面保護層9の形成に用いた材料を検討例2とする。こ
れらの比較例は、表2からわかるように、いずれも充填
率および帯電量が第5の実施の形態と第7の実施の形態
とのどちらの条件も満たさないものである。
【0076】
【表2】 図10は表2に示した光束維持率を成形時の圧力が30
00kgf/cm2のときの充填率に着目してプロット
したものである。図10によれば、充填率と光束維持率
との間に相関性が予想される。実施例2〜5と各比較例
(従来例1、従来例2、検討例2)とは材料の組成が異
なるが、従来例1、2とは組成の異なる検討例3との間
においても充填率と光束維持率との間に相関性が見られ
ることから、第5の実施の形態のように充填率に着目し
て管保護層10を形成する無機粉体材料を選択すれば、
組成にかかわりなく光束維持率が改善されると言える。
【0077】図11は表2に示した各材料について、成
形時の圧力と充填率との関係をプロットしたものであ
り、実施例2〜5として用いた材料は、比較例として示
す材料のいずれに対しても、成形時の圧力が2000〜
4000kgf/cm2の範囲において充填率が小さく
なっている。比較例のうち充填率が実施例2〜5にもっ
とも近い値を示す材料は従来例1であって、実施例2〜
5は上述した成形時の圧力の全範囲において、従来例1
より充填率が小さいものである。つまり、実施例2〜5
は光束維持率が従来例1よりも優れており、従来例1の
材料は第6の実施の形態で説明した対照材料の条件を満
たすから、第6の実施の形態で説明したように充填率に
ついて材料を選択すれば、光束維持率が向上することが
わかる。
【0078】図12は表2に示した各材料のうち帯電量
を測定した実施例3と3つの比較例とについて、無機粉
体の帯電量に対する光束維持率をプロットしたものであ
る。図12によれば、帯電量と光束維持率との間に相関
性が予想される。すなわち、第7の実施の形態で説明し
たように帯電量に着目して管保護層10を形成する無機
粉体材料を選択すれば、組成にかかわりなく光束維持率
が改善されると言える。また、従来例1の帯電量は比較
例の中ではもっとも大きいが、実施例3の帯電量は従来
例2よりも大きく、従来例2は、第8の実施の形態とし
て説明した対照材料の条件を満たすから、第8の実施の
形態で説明したように帯電量について材料を選択すれ
ば、光束維持率が向上することがわかる。
【0079】図13は第9および第10の実施の形態の
ように表面保護層9および管保護層10に加えて蛍光体
被膜3中に充填される保護材8を設けた場合について、
成形時の圧力が3000kgf/cm2であるときの充
填率と光束維持率の関係をプロットしたものである。こ
こで、実験検討した材料は、表1に示した各材料のう
ち、実施例1、従来例2、検討例1である。
【0080】実施例1として用いた材料は、成形時の圧
力が3000kgf/cm2であるときの充填率が5
2.0%であって、46.1%を越えているから、第9
の実施の形態として説明した条件を満たすものである。
図13によれば、第9の実施の形態で説明した充填率の
条件によって無機粉体材料を選択すれば光束維持率が向
上すると言える。また、上述のように実施例1の材料
は、従来例2の材料に対して、成形時の圧力が200〜
5000kgf/cm2の範囲において充填率が大きく
なっているから、比較例のうち充填率が実施例1にもっ
とも近い値を示す従来例2の材料に対して、実施例1の
材料は上述した成形時の圧力の全範囲において、従来例
2より充填率が大きいものである。つまり、実施例1の
材料は保護材8として用いた場合に、光束維持率が従来
例2よりも優れており、従来例2の材料は第10の実施
の形態で説明した対照材料の条件を満たすから、第10
の実施の形態で説明したように材料を選択すれば、光束
維持率が向上することがわかる。
【0081】以上説明したように、蛍光体被膜3中の保
護材8には、成形時の圧力が3000kgf/cm2
あるときの充填率が46.1%を越える充填率が比較的
高い材料を用い、充填率の大きい材料からなる表面保護
層9および充填率の低い材料からなる管保護層10を併
用することによって、光束維持率を大幅に改善すること
が可能になる。
【0082】また、表面保護層9や管保護層10を形成
する無機粉体材料について、充填率以外に帯電量を考慮
することによっても光束維持率の向上が期待でき、単に
紫外線(主として波長が185nmの紫外線)に着目し
て光束維持率を改善しようとしてきた従来構成と比較し
て、より高いレベルで光束維持率を向上させることが期
待できるものである。
【0083】なお、上述した実施例では無電極蛍光ラン
プに本発明の技術思想を適用した例を示したが、有電極
蛍光ランプ(熱陰極型、冷陰極型を問わない)に対して
適用してもよいのは言うまでもない。
【0084】
【発明の効果】請求項1の発明は、少なくとも水銀を含
む放電媒体を封入した透光性気密容器と、前記透光性気
密容器の内面に形成された蛍光体被膜と、前記蛍光体被
膜の放電空間側の内表面に形成した無機粉体からなる表
面保護層とを有し、当該無機粉体として、圧力を300
0kgf/cm2として圧縮成形したときの成形体の充
填率が46.1%を越える光束寿命を向上させる材料を
用いるものである。この構成によれば、主として波長が
185nmの紫外線による蛍光体被膜の劣化を抑制する
ために材料を選択するのではなく、表面保護層を形成す
る無機粉体材料を、その充填率に着目して光束寿命を向
上させるように選択するのであって、充填率が上記範囲
となる無機粉体材料を選択して用いることによって、光
束劣化の原因となる種々のダメージが抑制され、結果的
に光束劣化を抑制することが可能となる。
【0085】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記無機粉体として、圧力を3000kgf/cm
2として圧縮成形したときの成形体の充填率が46.1
%を越え52.0%以下となる材料を用いるものであ
る。充填率をこの範囲で選択すれば、請求項1の発明の
範囲内において、光束寿命の向上効果が高いレベルで発
揮される。
【0086】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、前記無機粉体として、圧力が200〜5000kg
f/cm2の範囲において圧縮成形したときの成形体の
充填率が、塩化アルミニウムから生成されるγ−アルミ
ナでかつ1次粒子径が略15nmかつ比表面積のBET
値が略100m2/gとなる対照材料の充填率を越える
光束寿命を向上させる材料を用いるものである。この構
成によれば、主として波長が185nmの紫外線による
蛍光体被膜の劣化を抑制するために材料を選択するので
はなく、表面保護層を形成する無機粉体材料を、その充
填率に着目して光束寿命を向上させるように選択するの
であって、充填率が上記範囲となる無機粉体材料を選択
して用いることによって、光束劣化の原因となる種々の
ダメージが抑制され、結果的に光束劣化を抑制すること
が可能となる。とくに、従来用いられてきた対照材料よ
りも高い効果が期待できるものである。
【0087】請求項4の発明は、少なくとも水銀を含む
放電媒体を封入した透光性気密容器と、前記透光性気密
容器の内面に形成された蛍光体被膜と、前記蛍光体被膜
の放電空間側の内表面に形成した無機粉体からなる表面
保護層とを有し、当該無機粉体として、帯電量の絶対値
が0.58μC/g未満である光束寿命を向上させる材
料を用いるものである。この構成によれば、主として波
長が185nmの紫外線による蛍光体被膜の劣化を抑制
するために材料を選択するのではなく、表面保護層を形
成する無機粉体材料を、その帯電量に着目して光束寿命
を向上させるように選択するのであって、帯電量が上記
範囲となる無機粉体材料を選択して用いることによっ
て、光束劣化の原因となる種々のダメージが抑制され、
結果的に光束劣化を抑制することが可能となる。
【0088】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、前記無機粉体として、帯電量の絶対値が、塩化アル
ミニウムから生成されるγ−アルミナでかつ1次粒子径
が略15nmかつ比表面積のBET値が略100m2
gとなる対照材料の帯電量未満である光束寿命を向上さ
せる材料を用いるものである。この構成によれば、主と
して波長が185nmの紫外線による蛍光体被膜の劣化
を抑制するために材料を選択するのではなく、表面保護
層を形成する無機粉体材料を、その帯電量に着目して光
束寿命を向上させるように選択するのであって、帯電量
が上記範囲となる無機粉体材料を選択して用いることに
よって、光束劣化の原因となる種々のダメージが抑制さ
れ、結果的に光束劣化を抑制することが可能となる。と
くに、従来用いられてきた対照材料よりも高い効果が期
待できるものである。
【0089】請求項6の発明は、請求項1ないし請求項
5の発明において、前記透光性気密容器の内表面と前記
蛍光体被膜との間に形成された無機粉体からなる管保護
層を有し、当該無機粉体として、圧力を3000kgf
/cm2として圧縮成形したときの成形体の充填率が4
2.5%未満となる光束寿命を向上させる材料を用いる
ものである。この構成によれば、表面保護層に加えて管
保護層を設けているから、光束劣化の原因となる種々の
ダメージをより一層抑制することが可能になり、光束寿
命をより向上させることが可能になる。しかも、表面保
護層を形成する無機粉体には充填率が比較的高くなる材
料を選択し、管保護層を形成する無機粉体には充填率が
比較的低くなる材料を選択するのであって、各場所ごと
に光束劣化の抑制機能をよりよく発揮できるように充填
率を考慮して無機粉体材料を選択するから、光束寿命の
より高いレベルでの向上が望める。
【0090】請求項7の発明は、請求項1ないし請求項
5の発明において、前記透光性気密容器の内表面と前記
蛍光体被膜との間に形成された無機粉体からなる管保護
層を有し、当該無機粉体として、圧力が2000〜40
00kgf/cm2の範囲において圧縮成形したときの
成形体の充填率が、水酸化アルミニウムから生成される
γ−アルミナでかつ1次粒子径が0.1μmかつ比表面
積のBET値が略148m2/gとなる対照材料の充填
率未満の光束寿命を向上させる材料を用いるものであ
る。この構成によれば、表面保護層に加えて管保護層を
設けているから、光束劣化の原因となる種々のダメージ
をより一層抑制することが可能になり、光束寿命をより
向上させることが可能になる。しかも、表面保護層を形
成する無機粉体には充填率が比較的高くなる材料を選択
し、管保護層を形成する無機粉体には充填率が比較的低
くなる材料を選択するのであって、各場所ごとに光束劣
化の抑制機能をよりよく発揮できるように充填率を考慮
して無機粉体材料を選択するから、光束寿命のより高い
レベルでの向上が望める。とくに、従来用いられてきた
対照材料に比較して光束寿命の向上が望めるものであ
る。
【0091】請求項8の発明は、請求項1ないし請求項
5の発明において、前記透光性気密容器の内表面と前記
蛍光体被膜との間に形成された無機粉体からなる管保護
層を有し、当該無機粉体として、帯電量の絶対値が0.
81μC/gを越える光束寿命を向上させる材料を用い
るものである。この構成によれば、表面保護層に加えて
管保護層を設けているから、光束劣化の原因となる種々
のダメージをより一層抑制することが可能になり、光束
寿命をより向上させることが可能になる。しかも、表面
保護層を形成する無機粉体には帯電量が比較的小さい材
料を選択し、管保護層を形成する無機粉体には帯電量が
比較的大きい材料を選択するのであって、各場所ごとに
光束劣化の抑制機能をよりよく発揮できるように帯電量
を考慮して無機粉体材料を選択するから、光束寿命のよ
り高いレベルでの向上が望める。
【0092】請求項9の発明は、請求項1ないし請求項
5の発明において、前記透光性気密容器の内表面と前記
蛍光体被膜との間に形成された無機粉体からなる管保護
層を有し、当該無機粉体として、帯電量の絶対値が、水
酸化アルミニウムから生成されるγ−アルミナでかつ1
次粒子径が0.1μm以下でありBET法による比表面
積が略148m2/gとなる対照材料の帯電量の絶対値
を越える光束寿命を向上させる材料を用いるものであ
る。この構成によれば、表面保護層に加えて管保護層を
設けているから、光束劣化の原因となる種々のダメージ
をより一層抑制することが可能になり、光束寿命をより
向上させることが可能になる。しかも、各場所ごとに光
束劣化の抑制機能をよりよく発揮できるように帯電量を
考慮して無機粉体材料を選択するから、光束寿命のより
高いレベルでの向上が望める。とくに、従来用いられて
きた対照材料に比較して光束寿命の向上が望めるもので
ある。
【0093】請求項10の発明は、請求項1ないし請求
項9の発明において、前記蛍光体被膜中に蛍光体粒子以
外の無機粉体を前記蛍光体粒子と少なくとも混合あるい
は前記蛍光体粒子に付着させる態様で併存させた保護材
を有し、当該無機粉体として、圧力を3000kgf/
cm2として圧縮成形したときの成形体の充填率が4
6.1%を越える光束寿命を向上させる材料を用いるも
のである。この構成によれば、表面保護層や管保護層に
加えて、蛍光体被膜中に保護材を充填しているから、光
束劣化の原因となる種々のダメージをより一層抑制する
ことが可能になり、光束寿命をより向上させることが可
能になる。しかも、各場所ごとに光束劣化の抑制機能を
よりよく発揮できるように充填率を考慮して無機粉体材
料を選択するから、光束寿命のより高いレベルでの向上
が望める。
【0094】請求項11の発明は、請求項1ないし請求
項9の発明において、前記蛍光体被膜中に蛍光体粒子以
外の無機粉体を前記蛍光体粒子と少なくとも混合あるい
は前記蛍光体粒子に付着させる態様で併存させた保護材
を有し、当該無機粉体として、圧力が200〜5000
kgf/cm2の範囲において圧縮成形したときの成形
体の充填率が、塩化アルミニウムから生成されるγ−ア
ルミナでかつ1次粒子径が略15nmかつ比表面積のB
ET値が略100m2/gとなる対照材料の充填率を越
える光束寿命を向上させる材料を用いるものである。こ
の構成によれば、表面保護層や管保護層に加えて、蛍光
体被膜中に保護材を充填しているから、光束劣化の原因
となる種々のダメージをより一層抑制することが可能に
なり、光束寿命をより向上させることが可能になる。し
かも、各場所ごとに光束劣化の抑制機能をよりよく発揮
できるように充填率を考慮して無機粉体材料を選択する
から、光束寿命のより高いレベルでの向上が望める。と
くに、従来より用いられてきた対照材料と比較してより
高い効果が期待できる。
【0095】請求項14の発明は、請求項1ないし請求
項5のいずれかに記載の蛍光ランプと、前記透光性気密
容器の内部と外部との少なくとも一方に配設されて前記
放電媒体を放電させるようにエネルギを供給するエネル
ギ供給手段と、前記エネルギ供給手段を介して前記蛍光
ランプを点灯させる点灯装置とを備える光源装置であ
る。この構成によれば、光束寿命の向上効果を十分に引
き出すことが可能な光源装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1ないし第4の実施の形態の要部断
面図である。
【図2】本発明の第5ないし第8の実施の形態の要部断
面図である。
【図3】本発明の第9および第10の実施の形態の要部
断面図である。
【図4】本発明の光源装置の概略構成図である。
【図5】本発明の他の光源装置の概略構成図である。
【図6】本発明の光源装置を一般化して示した概略構成
図である。
【図7】本発明の実施例を説明するグラフ図である。
【図8】本発明の実施例を説明するグラフ図である。
【図9】本発明の実施例を説明するグラフ図である。
【図10】本発明の実施例を説明するグラフ図である。
【図11】本発明の実施例を説明するグラフ図である。
【図12】本発明の実施例を説明するグラフ図である。
【図13】本発明の実施例を説明するグラフ図である。
【符号の説明】
1 透光性気密容器 2 放電空間 3 蛍光体被膜 7 蛍光体粒子 8 保護材 9 表面保護層 10 管保護層 20 点灯装置

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも水銀を含む放電媒体を封入し
    た透光性気密容器と、前記透光性気密容器の内面に形成
    された蛍光体被膜と、前記蛍光体被膜の放電空間側の内
    表面に形成した無機粉体からなる表面保護層とを有し、
    当該無機粉体として、圧力を3000kgf/cm2
    して圧縮成形したときの成形体の充填率が46.1%を
    越える光束寿命を向上させる材料を用いることを特徴と
    する蛍光ランプ。
  2. 【請求項2】 前記無機粉体は、圧力を3000kgf
    /cm2として圧縮成形したときの成形体の充填率が4
    6.1%を越え52.0%以下となる材料であることを
    特徴とする請求項1記載の蛍光ランプ。
  3. 【請求項3】 前記無機粉体として、圧力が200〜5
    000kgf/cm 2の範囲において圧縮成形したとき
    の成形体の充填率が、塩化アルミニウムから生成される
    γ−アルミナでかつ1次粒子径が略15nmかつ比表面
    積のBET値が略100m2/gとなる対照材料の充填
    率を越える光束寿命を向上させる材料を用いることを特
    徴とする請求項1記載の蛍光ランプ。
  4. 【請求項4】 少なくとも水銀を含む放電媒体を封入し
    た透光性気密容器と、前記透光性気密容器の内面に形成
    された蛍光体被膜と、前記蛍光体被膜の放電空間側の内
    表面に形成した無機粉体からなる表面保護層とを有し、
    当該無機粉体として、帯電量の絶対値が0.58μC/
    g未満である光束寿命を向上させる材料を用いることを
    特徴とする蛍光ランプ。
  5. 【請求項5】 前記無機粉体として、帯電量の絶対値
    が、塩化アルミニウムから生成されるγ−アルミナでか
    つ1次粒子径が略15nmかつ比表面積のBET値が略
    100m2/gとなる対照材料の帯電量未満である光束
    寿命を向上させる材料を用いることを特徴とする請求項
    4記載の蛍光ランプ。
  6. 【請求項6】 前記透光性気密容器の内表面と前記蛍光
    体被膜との間に形成された無機粉体からなる管保護層を
    有し、当該無機粉体として、圧力を3000kgf/c
    2として圧縮成形したときの成形体の充填率が42.
    5%未満となる光束寿命を向上させる材料を用いること
    を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載
    の蛍光ランプ。
  7. 【請求項7】 前記透光性気密容器の内表面と前記蛍光
    体被膜との間に形成された無機粉体からなる管保護層を
    有し、当該無機粉体として、圧力が2000〜4000
    kgf/cm2の範囲において圧縮成形したときの成形
    体の充填率が、水酸化アルミニウムから生成されるγ−
    アルミナでかつ1次粒子径が0.1μmかつ比表面積の
    BET値が略148m2/gとなる対照材料の充填率未
    満の光束寿命を向上させる材料を用いることを特徴とす
    る請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の蛍光ラン
    プ。
  8. 【請求項8】 前記透光性気密容器の内表面と前記蛍光
    体被膜との間に形成された無機粉体からなる管保護層を
    有し、当該無機粉体として、帯電量の絶対値が0.81
    μC/gを越える光束寿命を向上させる材料を用いるこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記
    載の蛍光ランプ。
  9. 【請求項9】 前記透光性気密容器の内表面と前記蛍光
    体被膜との間に形成された無機粉体からなる管保護層を
    有し、当該無機粉体として、帯電量の絶対値が、水酸化
    アルミニウムから生成されるγ−アルミナでかつ1次粒
    子径が0.1μm以下でありBET法による比表面積が
    略148m2/gとなる対照材料の帯電量の絶対値を越
    える光束寿命を向上させる材料を用いることを特徴とす
    る請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の蛍光ラン
    プ。
  10. 【請求項10】 前記蛍光体被膜中に蛍光体粒子以外の
    無機粉体を前記蛍光体粒子と少なくとも混合あるいは前
    記蛍光体粒子に付着させる態様で併存させた保護材を有
    し、当該無機粉体として、圧力を3000kgf/cm
    2として圧縮成形したときの成形体の充填率が46.1
    %を越える光束寿命を向上させる材料を用いることを特
    徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の蛍
    光ランプ。
  11. 【請求項11】 前記蛍光体被膜中に蛍光体粒子以外の
    無機粉体を前記蛍光体粒子と少なくとも混合あるいは前
    記蛍光体粒子に付着させる態様で併存させた保護材を有
    し、当該無機粉体として、圧力が200〜5000kg
    f/cm2の範囲において圧縮成形したときの成形体の
    充填率が、塩化アルミニウムから生成されるγ−アルミ
    ナでかつ1次粒子径が略15nmかつ比表面積のBET
    値が略100m2/gとなる対照材料の充填率を越える
    光束寿命を向上させる材料を用いることを特徴とする請
    求項1ないし請求項9のいずれかに記載の蛍光ランプ。
  12. 【請求項12】 前記無機粉体の粒子径が1〜100n
    mであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のい
    ずれかに記載の蛍光ランプ。
  13. 【請求項13】 前記無機粉体の比表面積のBET値が
    150m2/g以上であることを特徴とする請求項1な
    いし請求項5のいずれかに記載の蛍光ランプ。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし請求項5のいずれかに
    記載の蛍光ランプと、前記透光性気密容器の内部と外部
    との少なくとも一方に配設されて前記放電媒体を放電さ
    せるようにエネルギを供給するエネルギ供給手段と、前
    記エネルギ供給手段を介して前記蛍光ランプを点灯させ
    る点灯装置とを備えることを特徴とする光源装置。
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