JPWO2006101200A1 - 光電変換素子とその製造方法、及びこれを用いた光電変換モジュール - Google Patents

光電変換素子とその製造方法、及びこれを用いた光電変換モジュール Download PDF

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Abstract

p型の結晶Si半導体5と、結晶Si半導体5と接合してpn接合部を形成するためのn型半導体4と、n型半導体4上に設けられた電極1と、pn接合部を挟んで結晶Si半導体5側及びn型半導体4側に跨って形成される空乏領域10と、を備えた光電変換素子。空乏領域10のうち結晶Si半導体5側の領域5bを、電極1の側から見たときにこの電極1の下にある第一空乏領域5b1とそれ以外の第二空乏領域5b2に区分すれば、少なくとも第一空乏領域5b1中の酸素濃度は、1E18[atoms/cm3]以下となっている。電極1の焼成工程を経た太陽電池において、高特性・高歩留まりが得られる。

Description

本発明は、太陽電池に代表される光電変換素子とその製造方法、及びこれを用いた光電変換モジュールに関するものである。
この明細書において、aEnという表記は、a×10nを表すものとする。
現在、太陽電池の主流製品は、結晶Si基板を用いたバルク型結晶Si太陽電池である。
特許文献1に記載されているバルク型結晶Si太陽電池110の一般的な断面構造を図20に示す。
p型シリコンの半導体基板からなるp型バルク領域105の光入射面側に、P(リン)原子などが高濃度に拡散された逆導電型領域104が形成されることにより、p型バルク領域との間にpn接合部が形成される。さらに窒化シリコン膜や酸化シリコン膜などからなる反射防止膜106が設けられている。また、光入射面の反対側には、アルミニウムなどのp型半導体不純物を多量に含んだp+領域であるp+型領域107が設けられている。
光入射面から光が入射すると、逆導電型領域104とp型バルク領域105とp+型領域107とからなる半導体領域103で光生成キャリアが発生するが、これらを電流として集めて出力端子にまで導くために、光入射面側には銀などの金属材料を主成分とする表面電極(バスバー電極101、フィンガー電極102)が設けられ、反対側にはアルミニウムや銀などからなる裏面集電極108、銀を主成分とする裏面出力電極109が設けられている。
これらの電極は、通常、AlペーストやAgペーストの印刷・焼成によって形成される。このとき、ペースト組成や焼成温度を含んだ焼成条件は、
(1)電極/半導体界面のコンタクト特性(オーミック特性)
(2)電極/半導体界面の接着強度特性(電極強度特性)
(3)電極の抵抗率特性(直列抵抗特性)
(4)pn接合特性(接合部再結合電流(ダイオード電流)特性、リーク電流特性)
などを指標にして決められる。
特に、反射防止膜106上に電極形成用金属ペーストを直接塗布・焼成して電気的コンタクトを得る方法(ファイヤースルー法)を行う場合は、ペースト組成をそれに適合するように調整し、反射防止膜の
(5)ファイヤースルー性
も考慮に入れて焼成条件が決定される。
図21は、光入射面(表面)側から表面電極を見た図である。同図において101はバスバー電極、102はフィンガー電極を示す。
このように、表面電極は、一般的には線幅の狭いフィンガー電極102(枝電極)とそれらフィンガー電極102の少なくとも一端が接続される線幅が太いバスバー電極101(幹電極)とからなっている。
ここで、とりわけ表面電極については、有効受光面積をできるだけ大きくとるために、線幅をできる限り狭くする必要がある。しかし一般に線幅を狭くするほど表面電極の直列抵抗値が上がってしまい(直列抵抗ロスが増大してしまい)、太陽電池特性における曲線因子FFの特性が低下してしまう。そこで、金属材料中で最も導電率の高いAgを主成分としたAgペーストを用いるのが一般的である。
また、下記特許文献2では、C,O,B,Pなどの不純物相互の濃度関係を考慮した上で、高いエネルギー変換効率を得るための多結晶シリコンインゴットの製造条件を調べた結果を示している。
特開平8−274356号公報 特開平10−251010号公報 特開2000−332279号公報
上述のように、バルク型結晶Si太陽電池の表面電極は、Agペーストを用いた印刷・焼成法で形成するのが一般的である。しかしながら、この電極焼成工程を経た太陽電池の特性は必ずしも充分なものとは言えなかった。
また、再現性も十分でなく、同一焼成条件で焼成しても、素子ごとの特性ばらつきが大きいという課題があった。
また、わずかの焼成条件の違いで特性が大きく変化するために条件設定が非常に困難で、高い歩留まりを、安定して実現しにくいという課題があった。
特に、太陽電池の曲線因子FFの特性や開放電圧Vocの特性に対する影響が大きかった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、優れた特性を有する光電変換素子と、この光電変換素子を高い歩留まりで容易に得るための製造方法、さらにこの光電変換素子を用いた高特性の光電変換モジュールを提供することを目的とする。
本発明者は、pn接合部を構成する結晶Si半導体の空乏領域において、特に電極下の領域の酸素濃度がpn接合特性に大きく影響し、電極焼成を経た太陽電池特性の特性・歩留まりを大きく左右する要因であることを知見した。この知見をもとに、実験を繰り返し行い、以下に挙げた本発明の構成を見出すに至った。
すなわち、本発明に係る光電変換素子は、一導電型の結晶Si半導体と、前記結晶Si半導体と接合してpn接合部を形成する逆導電型半導体と、前記逆導電型半導体上に設けられた電極と、前記pn接合部を挟んで前記一導電型の結晶Si半導体側及び前記逆導電型半導体側に跨る空乏領域と、を備えた光電変換素子であって、前記空乏領域のうち前記一導電型の結晶Si半導体側の領域は、前記電極の下の領域において、酸素濃度を1E18[atoms/cm3]以下として成る。
なお、pn接合部における空乏領域とは、多数キャリア濃度が真性キャリア濃度に近づく方向に減少した領域(多数キャリアが空乏化した領域)を意味する。接合形成前のp型領域における真空準位を基準にしたフェルミレベルEfpと、n型領域におけるフェルミレベルEfnとが一致するように電荷の移動が生じることによって、pn接合部の両側に形成される(結果としてp側空乏領域にはマイナス電荷が、n側空乏領域にはプラスの電荷が生じ、電界Eがn側からp側に向かって生じる)。
また、p型領域のドープ濃度をNA、n型領域のドープ濃度をND、p型領域に形成される空乏領域厚さをWp、n型領域に形成される空乏領域厚さをWnとすると、電荷移動量は、電荷分布を階段型分布で近似すれば、電荷保存則から要請されるNA×Wp=ND×Wnを満たしつつ、かつ、電荷移動の際にp型領域及びn型領域に形成される拡散電位(=∫E・dx[x=−Wn〜+Wpの区間で積分]:階段型近似では、≒q・(ND・Wn+NA・Wp)/(2ε)、εはシリコンの誘電率)が|Efp−Efn|に一致するように決定され、pn接合部の空乏領域の厚さをWとするとW=Wp+Wnとなる。
例えば、以下に示す実施形態の例では、NA≒1E16[atoms/cm3]、ND≒1E19[atoms/cm3]、とすると、空乏領域の厚みはW≒Wp≒0.4μmとなる(WnはWpに比べれば充分小さく、今の場合無視できる)。
本発明の光電変換素子によれば、少なくとも前記第一空乏領域中の酸素濃度を1E18[atoms/cm3]以下とすることにより、電極焼成時に生じる酸素析出物の密度の増大や、酸素析出物の成長が抑制される。この結果、結晶Si中の転位や積層欠陥の発生が抑制され、太陽電池特性を向上させることができる。
前記電極は、金属の粒子を含んだペーストを塗布焼成して得られた焼成電極である場合に、本発明の効果は大きくなる。この理由は、焼成電極の形成に伴い酸素拡散を直接受ける前記電極の下の領域において酸素濃度を1E18[atoms/cm3]以下として成ることにより、電極焼成時に生じる酸素析出物の成長を、効果的に抑制することができるためである。
なお、前記空乏領域のうち、電極の下にない領域(第二空乏領域)は、電極の下にある領域(第一空乏領域)よりも高い酸素濃度となる部分を含んでいてもよい。第二空乏領域上には電極が存在していないため、太陽電池特性に与える影響が比較的少ないからである。
前記一導電型の結晶Si半導体は、前記pn接合部から深さ10μmの領域において3E17[atoms/cm3]以下の炭素濃度を有することが望ましい。炭素は酸素析出の核として作用し酸素析出を促進するためである。
本発明の光電変換素子の製造方法は、一方の表層部の酸素濃度が2E17[atoms/cm3]以下の一導電型の導電性を有する結晶Si基板を用意し、前記結晶Si基板の前記表層部から逆導電型のドーピング元素を熱拡散させて前記結晶Si半導体と接合した前記逆導電型半導体を形成する方法である。なお、「表層部」とは、基板表面から所定の深さの領域であって、素子化工程で酸素濃度[O]が上昇する可能性のある領域をいう。この方法であれば、前記結晶Si基板として、酸素濃度が2E17[atoms/cm3]以下のものを用いるので、表層部から逆導電型のドーピング元素を熱拡散させても、酸素拡散の影響を抑え、全素子化工程を経た後の第一空乏領域の酸素濃度を1E18[atoms/cm3]以下に抑えることができる。
また、本発明の光電変換素子の製造方法は、一導電型の導電性を有する結晶Si基板を用意し、前記結晶Si基板の一方の表層部に酸素濃度が2E17[atoms/cm3]以下の低酸素濃度領域を形成した後、前記結晶Si基板の表層部から逆導電型のドーピング元素を熱拡散させて前記結晶Si半導体と接合した前記逆導電型半導体を形成する方法である。この製造方法では、熱拡散工程に先立って、結晶Si基板の表層部に酸素濃度が2E17[atoms/cm3]以下の低酸素濃度領域を形成する。これにより、熱拡散工程における酸素拡散の影響を抑え、全素子化工程を経た後の第一空乏領域の酸素濃度を1E18[atoms/cm3]以下に抑えることができる。
前記低酸素濃度領域は、その厚みが1.0μm以上となるように形成することが好ましい。pn接合部の空乏領域の厚さは、通常、約0.4μmとなるので、低酸素濃度領域の厚みが1.0μm以上となるように形成しておけば、全素子化工程を経た後の空乏領域中の酸素濃度を、より確実に1E18[atoms/cm3]以下にすることができる。
前記低酸素濃度領域を形成する工程は、前記結晶Si基板を還元雰囲気中で加熱する熱処理工程を含むものであってもよく、前記結晶Si基板の表層部にレーザー光線を照射して、この表層部を溶融させた後に再結晶化させるレーザー再結晶化工程を含むものであってもよい。これらのいずれかの工程を行うことによって、低酸素濃度領域を効率よく形成することができ、本発明の光電変換素子を高い歩留まりで容易に形成することができる。
後者のレーザー再結晶化工程を採用する場合、レーザー光線を照射する領域は、電極形成に伴う酸素拡散を直接受ける、電極が形成される基板表層領域とすることが望ましい。
以上のように、前記結晶Si基板の一方の表層部に2E17[atoms/cm3]以下の低酸素濃度領域を形成して、その後熱拡散工程を行う場合、製造された結晶Si半導体の、前記pn接合部から深さ10μmを始点として前記pn接合部に向けてプロットした酸素濃度プロファイルは、低濃度方向に凸となる変曲点を有することになる。
また、本発明の光電変換モジュールは、本発明の複数の光電変換素子を直列あるいは並列に電気的に接続して形成されているので、高い特性の光電変換モジュールとなる。
本発明における上述の、又はさらに他の利点、特徴及び効果は、添付図面を参照して次に述べる実施形態の説明により明らかにされる。
本発明に係る光電変換素子である太陽電池素子の断面構造の一例を示す図である。 図1における表面電極/半導体pn接合部の部分拡大図である。 本発明に係る光電変換素子である太陽電池素子の電極形状の一例を、受光面側から見た上視図である。 非受光面側から見た下視図である。 素子化工程前後の、p型Si基板領域における酸素濃度プロファイルを示した模式図である。酸素濃度は2E17[atoms/cm3]より低い場合を示す。 素子化工程前後の、p型Si基板領域における酸素濃度プロファイルを示した模式図である。酸素濃度は2E17[atoms/cm3]より大きい場合を示す。 熱処理等により基板表面に低酸素濃度領域を設けた場合の、素子化工程前後の、基板領域における酸素濃度プロファイルを示した模式図である。 熱処理等により基板表面に低酸素濃度領域を設けた場合の、素子化工程前後の、基板領域における酸素濃度プロファイルを示した模式図である。 熱処理等により基板表面に低酸素濃度領域を設けた場合の、素子化工程前後の、基板領域における酸素濃度プロファイルを示した模式図である。 熱処理等により基板表面に低酸素濃度領域を設けた場合の、素子化工程前後の、基板領域における酸素濃度プロファイルを示した模式図である。 太陽電池モジュールの断面構造を示す図である。 受光面側から太陽電池モジュールを見た図である。 電極焼成工程時の焼成度(焼成温度×焼成時間)を変えた太陽電池の明V−Iカーブである。 電極焼成工程時の焼成度(焼成温度×焼成時間)を変えた太陽電池の暗V―Iカーブである。 太陽電池素子の開放電圧Vocの、インゴット底部からの高さ依存性を表すグラフである。 基板酸素濃度のインゴット底部からの高さ依存性を表すグラフである。 基板の酸素濃度と品質(少数キャリア拡散長)との関係を示すグラフである。 比較例に係る太陽電池素子の表面電極の下の位置において、結晶Si領域中の酸素濃度を、pn接合部を含む範囲で、深さ方向にSIMSで分析した結果を示すプロファイルである。 実施例に係る太陽電池素子の表面電極の下の位置において、結晶Si領域中の酸素濃度を、pn接合部を含む範囲で、深さ方向にSIMSで分析した結果を示すプロファイルである。 一般的なバルク型結晶Si太陽電池の断面構造を示す図である。 一般的なバルク型結晶Si太陽電池の光入射面(表面)側から表面電極を見た図である。
符号の説明
1:電極である表面電極
1a:バスバー電極
1b:フィンガー電極
3:半導体領域
4:逆導電型領域(逆導電型半導体)
4a:空乏領域(逆導電型半導体側)
5:p型バルク領域(結晶Si半導体)
5b:空乏領域(結晶Si半導体側)
5b1:第一空乏領域
5b2:第二空乏領域
6:反射防止膜
7:p+型領域
8:裏面集電極
9:裏面出力電極
10:空乏領域
11:太陽電池素子
21,21a〜21d:配線部材
22:透明部材
23:裏面保護材
24:表面側充填材
25:裏側充填材
26:出力取出し配線
27:端子ボックス
28:枠
101:バスバー電極
102:フィンガー電極
103:半導体領域
104:逆導電型領域
105:p型バルク領域
106:反射防止膜
107:p+型領域
108:裏面集電極
109:裏面出力電極
110:太陽電池
図1は、本発明に係る光電変換素子である太陽電池素子の断面構造の一例を示す図であり、図2は、図1の表面電極/半導体pn接合部の部分拡大図である。
さらに、図3,図4は、本発明に係る光電変換素子である太陽電池素子の電極形状の一例を示す図であり、図3は、図1の太陽電池素子を受光面側から見た上視図、図4は、図1の太陽電池素子を非受光面側から見た下視図である。以下、構造について簡単に説明する。
図1に示すように、p型バルク領域5を含むp型Si基板の光入射面側には、P(リン)原子などが高濃度に拡散されてn型となる逆導電型領域4が形成されている。この逆導電型領域4の厚さは通常0.2〜0.5μm程度である。逆導電型領域4とp型バルク領域との間にpn接合部が形成される。
光入射面側の半導体上には、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜などからなる反射防止膜6が設けられている。また、光入射面の反対側には、アルミニウムなどのp型半導体不純物を多量に含んだp+領域であるp+型領域7が設けられている。このp+型領域7はBSF(Back Surface Field)領域とも呼ばれ、光生成電子キャリアが裏面集電極8に到達して再結合損失する割合を低減する役割を果たす。これにより、光電流密度Jscが向上する。またこのp+型領域7では少数キャリア(電子)密度が低減されるので、このp+型領域7および裏面集電極8に接する領域でのダイオード電流量(暗電流量)を低減する働きをし、これにより開放電圧Vocが向上する。
銀などの金属材料を主成分とする表面電極1は、Si基板の光入射面側に設けられ、アルミニウムを主成分とする裏面集電極8、及び銀を主成分とする裏面出力電極9はSi基板の裏面側に設けられている。
表面電極1は、図3に示すようにバスバー電極1aとフィンガー電極1bとから成っている。すなわち、表面電極1は、一般的には線幅の狭いフィンガー電極1b(枝電極)とそれらフィンガー電極1bの少なくとも一端が接続される線幅が太いバスバー電極1a(幹電極)とからなっている。
この表面電極1での電力ロスをできるだけ低減するために、表面電極1には金属材料が使われる。本発明では、この表面電極1として、金属の粒子を含んだペーストを塗布焼成して得られた焼成電極を用いるようにすることが望ましい。この焼成電極を用いることにより、良好に本発明の効果を発揮することができる。
従来、このような焼成電極を用いる場合、焼成時にペースト中のガラスフリット等の酸素含成分や、焼成雰囲気からのSi基板への酸素の混入・拡散が避けられず、素子に悪影響を及ぼす要因となっていた。本発明は、これらの悪影響因子があっても、その影響力を低くできるよう基板条件や素子化工程の条件を制御することによって、良好な素子特性を得られるようにするものである。詳細については後述する。
なお、金属としては抵抗率の低い銀(Ag)を主成分としたAgペーストを用いるのが望ましく、通常はスクリーン印刷法により塗布・焼成して電極とする。
太陽電池素子11の光入射面側である反射防止膜6の側から光が入射すると、逆導電型領域4とp型バルク領域5とp+型領域7とからなる半導体領域3で光が吸収され、光電変換されて電子−正孔対(電子キャリアおよび正孔キャリア)が生成される。この光励起起源の電子キャリアおよび正孔キャリア(光生成キャリア)によって、太陽電池素子11の表側に設けられた略線状の表面電極と、裏側に設けられた裏側電極との間に光起電力を生じ、発生した光生成キャリアはこれらの電極で集められて、出力端子にまで導かれる。また、光起電力に応じて光電流とは反対方向に暗電流が流れる。
次に、本発明に係る構成についてさらに詳しく説明する。図1及び図2に示すように、本発明に係る光電変換素子である太陽電池素子11は、一導電型の結晶Si半導体であるp型バルク領域5と、このp型バルク領域5と接合してpn接合部を形成する逆導電型半導体であるn型の逆導電型領域4と、逆導電型領域4に設けられた電極である表面電極1と、pn接合部を挟んでp型バルク領域5の側及び逆導電型領域4の側に跨る空乏領域10を備えている。
この空乏領域10は、逆導電型領域4(n型領域)側に広がった空乏領域4aと、p型バルク領域5側に広がった空乏領域5bとから構成されている。
一般的には、p型バルク領域5のドープ濃度よりも逆導電型領域4のドープ濃度の方が1〜3桁程度高濃度であるので、空乏領域10がpn接合部を挟んでp型バルク領域5の側及び逆導電型領域4の側に跨るとは言っても、実質はほとんどp型バルク領域5側に広がることになる。すなわち、空乏領域10における主要領域は、p型バルク領域5側に広がった空乏領域5bとみなせる(以後特に断り無くpn接合部の空乏領域について言及する場合は、空乏領域の主要部分たるp型バルク領域5の側に広がった空乏領域5bを意味することとする)。
p型バルク領域5中のドープ濃度が1E16[atoms/cm3]程度の場合、空乏領域10の厚さは約0.4μm前後の値となり、ドープ濃度をこれより高めると、もっと小さい値となる。
この空乏領域の主要部分たるp型バルク領域5の側の空乏領域5bは、表面電極1の側から透視したときに、この表面電極1の陰すなわち表面電極1の下となる第一空乏領域5b1と、それ以外の第二空乏領域5b2とに分けることができる。
前記第一空乏領域5b1は、電極形成に伴う酸素拡散を直接受ける領域であり、前記第二空乏領域5b2は、電極が直上に存在しない領域なので電極形成に伴う酸素拡散が極めて小さい領域である。
本実施の形態では、少なくとも第一空乏領域5b1中において、酸素濃度が1E18[atoms/cm3]以下となるようにしている。
このように少なくとも第一空乏領域5b1中の酸素濃度が低くなるような構成としたので、光電流/暗電流の比を高め、太陽電池の特性を向上させることができる。
酸素が所定量以上で存在すると、素子化工程における熱処理による酸素析出物(SiO2等)の生成確率が急速に増大し、これに起因した歪・応力誘起によって、結晶中に転位や積層欠陥を発生させやすくなる。また、焼成電極の場合には、電極焼成工程時にガラスフリット等から酸素の拡散が発生し、前記酸素析出物の生成確率がさらに増大すると同時に、昇降温熱履歴での熱歪・熱応力誘起により、結晶中に転位や積層欠陥が発生する。
表面電極1の下となる領域である第一空乏領域5b1における転移や積層欠陥は、キャリアの再結合中心となり、pn接合部における再結合電流密度が増大して品質が劣化し、太陽電池の曲線因子FF特性や開放電圧Voc特性の低下を招来するのである。
なお、第二空乏領域5b2は、第一空乏領域5b1よりも高い酸素濃度であっても構わない。第一空乏領域5b1は、表面電極1の下となる領域なので、第二空乏領域5b2に比べて、pn接合形成後の酸素濃度を1E18[atoms/cm3]以下としたときに、太陽電池特性に与える影響がより大きいからである。
なお、上述のような本発明の構成を得るためには、一導電型の結晶Si半導体の主要部分(p型バルク領域5)を形成する結晶Si基板の酸素濃度が2E17[atoms/cm3]以下のものを用いることが一つの実施形態である。これによれば、後述する素子化工程においてデバイス中に酸素が拡散しても、第一空乏領域5b1の酸素濃度を1E18[atoms/cm3]以下に抑えた本発明の光電変換素子の構造とすることが容易となるからである。
なお、結晶Si基板の酸素濃度が2E17[atoms/cm3]よりも高い場合、あるいは、基板の薄型化を実現するために基板強度を高める目的で積極的に2E17[atoms/cm3]よりも高いものを用いたい場合がある。この場合、素子化工程を経た素子が、pn接合部から深さ10μmの領域において2E17[atoms/cm3]よりも高い酸素濃度を有するとともに、この領域を始点としてpn接合部に向けてプロットした酸素濃度プロファイルは、下に向かって、すなわち酸素濃度の低い方に向かって凸となる変曲点を有するように形成することが一つの実施形態となる。また、このとき、酸素濃度プロファイルの極小値は、2E17[atoms/cm3]以下となるようにすることがより望ましい。この実現方法については、素子化工程の説明の箇所において詳述する。
なお、この酸素濃度及びそのプロファイルはSIMS(二次イオン質量分析)によって測定を行い、試料の深さ方向に対する濃度値を求めることができる。一次イオン源としては、Cs+を用い、標準試料との比較によって、濃度値を求めれば良い。
次に、図1に示した本発明の光電変換素子を製造するための、本発明の光電変換素子の製造方法に係る素子化工程について説明する。
まず一導電型の半導性を有する結晶Si基板として、p型バルク領域5を含むp型Si基板を用意する。このときp型化ドーピング元素としてはB(ボロン)を用いることが望ましく、濃度は1×1016〜1×1017[atoms/cm3]程度とし、このとき基板の比抵抗値は0.2〜2Ω・cm程度となる。
ここで、Si基板厚は500μm以下にし、より好ましくは350μm以下にする。Si基板としては、キャスト法で鋳造された多結晶Siインゴットをスライスして基板にした多結晶Si基板や単結晶Si基板などを用いる。特に低コストで本発明の効果を十分に得ることができる多結晶Si基板を用いることが望ましい。
p型Si基板に対するドーピングとしては、ドーピング元素単体を適量シリコンインゴット製造時に含ませても良いし、既にドープ濃度の分かっているB含有シリコン塊を適量含ませても良い。
p型Si基板の酸素濃度としては、上述したように2E17[atoms/cm3]以下のものを用いて形成することが望ましい。
図5、図6に、素子化工程前後の、基板領域における酸素濃度プロファイルを示した模式図を示す。図5はp型Si基板の酸素濃度が2E17[atoms/cm3]以下のとき、図6はp型Si基板の酸素濃度が2E17[atoms/cm3]より大きいときのそれぞれの酸素濃度プロファイルを示し、いずれも左が素子化工程前、右が素子化工程後を示す。
酸素濃度プロファイルは、左端が基板表面若しくはpn接合部の主要な空乏領域を示し、右方向は基板の内部方向と一致する。実際は、基板の酸素濃度プロファイルは一定値を取るとは限らないが、説明を簡単にするために一定としている。また、素子化工程を経た場合、基板の表面側から内側に向かって、逆導電型領域4が形成されるため、実際にpn接合部の主要な空乏領域が形成される位置は、基板表面とは一致しないが、説明を簡単にするため詳細な構造は省略している。
図5に示されるように、基板の酸素濃度が2E17[atoms/cm3]以下のときは、素子化工程によって、逆導電型領域4を形成する際のPの熱拡散に伴う酸素拡散や、表面電極1の焼成形成時に伴う酸素拡散の影響がある程度あっても、これらの影響を抑え、安定した品質で、第一空乏領域5b1の酸素濃度を1E18[atoms/cm3]以下に抑えた本発明の光電変換素子を形成することができる。
それに対して、図6に示されるように、基板の酸素濃度が2E17[atoms/cm3]より大きいときは、素子化工程を経たときに第一空乏領域5b1の酸素濃度が1E18[atoms/cm3]を超えてしまう可能性がある。
なお、発明者は、基板の酸素濃度を2E17[atoms/cm3]以下に低減させた多結晶Siを得るためには、キャスト法を用いて次のようにすれば良いことを知見した。
まず、石英坩堝中でSi塊を溶解してSi融液とし、これを炭素材や石英材の鋳型に注湯して融液を凝固させるときに、鋳型の内壁面には主成分がSiNである離型材を塗布しておく。石英坩堝中のSi融液は、石英からSi融液に溶け込む大量の酸素によって、その酸素濃度は1E18[atoms/cm3]を超えるような(飽和溶解度2E18[atoms/cm3]に近い)高濃度な値となっている。この高酸素濃度Si融液が鋳型に注湯されて時間とともに鋳型底部から頭部(頂部)に向かって凝固が進んでいくのであるが、上述のように鋳型の内壁面にSiNの離型材が塗布されたものを用いることによって、鋳型からのSi融液中への酸素の溶け込みはほとんど無視できるようになる。
残ったSi融液中の酸素はSi融液表面からSiOガスの形で脱ガスし、Si融液中の酸素濃度を時間経過とともに次第に減少させることができるが、このとき鋳造中炉内雰囲気はArなどの不活性ガス雰囲気、あるいはこれに還元ガスたるH2などを微量に加えた雰囲気とし、炉内ガス圧力は5E3Pa以下、より好ましくは3E3Pa以下の減圧状態とし、さらにArガス流量を30L/min以上、より好ましくは50L/min以上とすれば、この効果をさらに促進させることができる。
約80kgのSi融液を約8hrで凝固させた場合、Siインゴットの90〜95%以上の領域(固化率0%のインゴット底部から固化率5〜10%までの領域を除いた領域)において、結晶中の酸素濃度を2E17[atoms/cm3]以下に低減させることができる。すなわち、その領域から切り出された基板の酸素濃度を2E17[atoms/cm3]以下に保証することができる。
なお、「固化率」とは、インゴットにおける固化の方向に沿って規定した位置をいう。本実施形態でのキャスト法で鋳型底部から頭部(頂部)に向かって凝固させる場合、もっとも固化の早いインゴット底部を固化率0%、もっとも固化の遅いインゴット頂部を固化率100%とする。
また、凝固時間を短縮させると、すなわち凝固速度を向上させると、融液からのSiO蒸発速度が同じであれば、より多くの酸素が固化時に結晶中に取り込まれることになって、結晶中酸素濃度は上がる方向となる。そこで、凝固時間を短縮させる場合には、上記炉内Arガス圧はさらに減圧化する方向に、またArガス流量をさらに増大させる方向に調節する。必要であれば、注湯後しばらくは凝固を控えて融液状態を保つようにすれば、SiO蒸発を促進できるので酸素低減をより効果的に実現することができる。
また、p型Si基板として、酸素濃度が2E17[atoms/cm3]より大きい場合であっても、後述する逆導電型領域4を形成する熱拡散工程に先立って、後にpn接合が形成されるべき基板の表層部に酸素濃度が2E17[atoms/cm3]以下の低酸素濃度領域を形成するようにするとよい。これにより、後に素子化工程において酸素の拡散が起こったときに、表面電極1の下となる第一空乏領域5b1の酸素濃度を1E18[atoms/cm3]以下に抑えることが容易となる。したがって、そのままでは使用に耐えなかった高酸素濃度基板も使えるようになり、結果的として基板生産量に対する素子歩留まりを大幅に向上させることも可能となる。
ただし、このときのSi基板中の炭素濃度は、pn接合部から深さ10μmの領域において3E17[atoms/cm3]以下とすることが望ましい(より好ましくは後述の基板薄型化にも対応できる1E17[atoms/cm3]以下である)。なお、基板中炭素濃度は、素子化前にSIMS(デプスプロファイル分析モードでもよいが、より分析感度を上げるにはバルク分析モードとするのが望ましい)によって測定することができるが、素子化後であってもpn接合部から深さ10μm程度の領域での値は基板中炭素濃度とみなすことができる。
ここで炭素濃度が低い方がよいのは、炭素は酸素析出の核として作用し酸素析出を促進するためである。酸素析出の弊害については既述した通りである。
炭素濃度を低く制御するためには、Siの溶解工程及び凝固工程におけるSi融液の炭素汚染を低減することが重要である。この炭素汚染源としては、溶解・凝固時雰囲気中のCOガスとSi融液の反応によるものや、鋳型内壁面に塗布する離型材からSi融液中に溶け込むもの、などがある。前者に対しては、雰囲気中のCOガス濃度を低減したり、溶解時間や凝固時間の短縮によって反応時間を短縮することが有効である。後者については離型材の事前脱媒を充分に行う。ここで、雰囲気中COガスは、リーク起源のもの以外に、リーク起源の酸素や融液中から蒸発するSiOガスなど酸素含ガスと炉内炭素系材料(カーボンヒーターやカーボン系断熱材、あるいはグラファイト製鋳型)との反応によって生じるものがある。COガス濃度を低減するには、リークを低減することはもちろんであるが、SiOガスが原因で生じるものについては、Arガス流量を増量してCOガス排気を高めたり、Si融液と雰囲気ガスとの接触を極力遮断できる蓋を溶解坩堝や凝固鋳型に配置することが非常に有効である。またBなどのドーパントのSi融液への投入はできるだけ凝固直前に行う方が炭素汚染を低減させることができる。
なお、素子化前後で基板中の炭素濃度は極表層部(拡散範囲)を除いて変化することはない。拡散が問題となる範囲は表面からせいぜい数μm深さ以下の領域であるので、表面から10μm程度の深さでの炭素濃度を測定すれば、その値はもともとの基板中に存在した炭素の濃度と見做すことができる。
また、Si基板中の酸素濃度が2E17[atoms/cm3]より大きい場合でも、基板表層部の酸素濃度を低減可能であれば、基板の薄型化を実現するために基板強度を高める目的で積極的に酸素濃度を高めた基板も使用可能となり、素子歩留まりを大幅に向上させることができる。
なお、このように酸素濃度を高めて基板強度を高めた基板とは、例えば、基板に含まれる不純物元素が、次のような不等式の関係を同時に満たす多結晶シリコン基板をいう。
[Oi]≧2E17 [atoms/cm3]
[C]≦1E17 [atoms/cm3]
(ただし、[C]:二次イオン質量分析法で計測した全炭素濃度[atoms/cm3]、[Oi]:フーリエ変換赤外分光法で計測した格子間酸素濃度[atoms/cm3]、シリコンの格子間位置における酸素は1106cm−1近傍にピークを有し、このピークを標準サンプルのピークと比較することによってその絶対濃度を測定可能)。
このように酸素を格子間に一定量以上存在させることによって、シリコン基板の強度を高めることが可能となる。
上述した基板の表面に低酸素濃度領域を形成する方法としては、基板を還元雰囲気中で加熱する方法(熱処理工程)や、基板の表層部にレーザーを照射して、この表層部を溶融させた後に再結晶化させる方法(レーザー再結晶化工程)等が挙げられる。以下この2つの方法について説明する。
まず、熱処理工程によって、基板の表層部に酸素濃度が2E17[atoms/cm3]以下の低酸素濃度領域を形成する場合、還元雰囲気(例えば、Ar、N2、H2等、あるいはこれらの混合ガスの雰囲気下)で、温度1000℃〜1200℃、処理時間2分〜90分程度で行えば良い(例えば、具体的な処理条件としては、1000℃・45〜90分程度あるいは1200℃・2〜4分程度)。これによって酸素を外方拡散させて、低酸素濃度領域を基板の表層部に形成することができる。ここで低酸素濃度領域をさらに深く形成したい場合は処理時間を延長して調節すれば良い。なお、酸素の外方拡散をより促進するためには、還元雰囲気を、特に水素雰囲気とすることが望ましい。
次に、レーザー再結晶化工程によって、基板の表層部に酸素濃度が2E17[atoms/cm3]以下の低酸素濃度領域を形成する場合は、例えば、YAG レーザー装置により、波長532 nmの光を、直径1mmのスポットあたり0.1〜10Wのパワー密度で、毎秒10〜50cmのスピードで移動させながら照射する。パルス幅は5〜10ナノ秒、パルス周波数5〜50kHzである。
酸素はレーザー照射して溶融した領域からSiOガスの形で素早く気化脱酸するので、上述の熱処理工程によって外方拡散させるよりも効率的に酸素濃度の低減を実現することができるし、基板を高温に熱処理する必要もなく、処理時間も比較的短時間で済むので、低コスト化に有利である。
なお、レーザー再結晶化を適用する領域としては、電極形成に伴う酸素拡散を直接受ける、表面電極1が形成される基板表層領域とすることが望ましい。特に、バスバー電極1aの領域及びフィンガー電極1bの領域の両方とすることが望ましい。
しかし、バスバー電極1aの領域だけでもある程度の効果を得ることができる。
なお、上述したように、素子化工程を経た光電変換素子が、そのpn接合部から深さ10μmの領域において2E17[atoms/cm3]よりも高い酸素濃度を有する場合は、この領域を始点としてpn接合部に向けてプロットした酸素濃度プロファイルが、低濃度方向に向かって凸となる変曲点を有するように形成することが望ましい。なお、pn接合部から深さ10μmの領域とは、素子化工程を経ても酸素濃度に有意な変化が見られない領域を意味し、この領域においては、素子化前の結晶Si基板(p型Si基板)と同じ酸素濃度であると見なせる。
酸素濃度プロファイルについて図7〜図10を用いて説明する。図7〜図10は、低酸素濃度領域を設けた場合の素子化工程前後の、基板領域における酸素濃度プロファイルを示した模式図である。
図7〜図10は、いずれも素子化前のp型Si基板の酸素濃度が2E17[atoms/cm3]よりも大きいときに、上述した低酸素濃度領域を形成する工程(図中には熱処理等と記載)によって基板の表層部に低酸素濃度領域を所定厚みで形成し、その後、素子化工程を経たときのそれぞれの酸素濃度プロファイルを示す。いずれも左が低酸素濃度領域を形成する前、中央が低酸素濃度領域を形成後で素子化工程前、右が素子化工程後を示している。
図5、図6と同様に、酸素濃度プロファイルは、左端が基板表面若しくはpn接合部の主要な空乏領域を示し、右方向は基板の内部方向と一致する。実際は、基板の酸素濃度プロファイルは一定値を取るとは限らないが、説明を簡単にするために一定としている。また、素子化工程を経た場合、基板の表面側から内側に向かって後述する逆導電型領域4が形成されるため、実際にpn接合部の主要な空乏領域が形成される位置は基板表面とは一致しないが、説明を簡単にするため詳細な構造は省略している。
図7、図8は、基板の酸素濃度が同程度の状態であり、図9は基板の酸素濃度が、より高いときの状態を示す。そして、図8は、図7や図9よりも低酸素濃度領域の厚みが大きい場合を示す。
いずれも素子化工程によって、pn接合部の主要な空乏領域に向かって酸素濃度が高くなっている。そして素子化工程によって酸素濃度が変化を受けない領域(pn接合部から深さ10μmの領域)からpn接合部に向けてプロットした酸素濃度プロファイルが、低濃度方向に凸となる変曲点を有している。
なお、図10のように、基板の酸素濃度が図7や図8と同程度の場合でも酸素濃度プロファイルに低濃度方向に凸となった変曲点ができないときがある。
このような変曲点は、例えば、低酸素濃度領域の形成が不十分なときや、素子化工程において酸素の拡散が大きすぎるとき(逆導電型領域4や焼成電極を形成するときの処理温度が高かったり、回数が多かったりした場合など)には形成されにくい傾向にある。逆に言えば、このような変曲点が形成されている場合は、形成されていない場合よりも、低酸素濃度領域の形成条件や素子化工程の条件がより適切であるということができ、確実に良好な特性を発揮できる光電変換素子となる。
なお、この酸素濃度プロファイルの極小値は、図8に示すように2E17[atoms/cm3]以下となるようにすることがより望ましい。このような極小値は、低酸素濃度領域の厚みを大きくする他、低酸素濃度領域の酸素濃度を小さくしたり、素子化工程において酸素の拡散を抑える条件(処理温度を下げる、処理回数を減らす等)としたりすることによって、低くする方向に調整することができる。この極小値がこの範囲となるように形成した本発明の光電変換素子は、より確実に発明の効果を奏するものとなり、特性の歩留まりも高いものとなる。なお、この極小値としては、図8に示すように変曲点自体が極小値となっていても良いし、変曲点以外の点であっても構わない。
なお、低酸素濃度領域は、その厚みが少なくとも1.0μm以上となるようにすることが望ましい。後述する逆導電型領域4はこの低酸素濃度領域に対して、逆導電型のドーピング元素であるPを熱拡散させて形成するものであり、通常0.2〜0.5μm程度の厚さで形成され、pn接合部を形成する。そしてpn接合部の空乏領域の厚さは約0.4μmとなるので、低酸素濃度領域の厚みが少なくとも1.0μm以上となるように形成しておけば、全素子化工程を経た後のp型バルク領域5側の空乏領域5b中の酸素濃度を、より確実に1E18[atoms/cm3]以下にし、本発明の光電変換素子の構成とすることができる。
その後の工程として、基板のスライスにともなう基板表層部の機械的ダメージ層や汚染層を除去するために、この基板の表面側および裏面側の表層部をNaOHやKOHあるいは、フッ酸と硝酸の混合液などでそれぞれ10〜20μm程度エッチングし、その後、純水などで洗浄する。
次に光入射面となる基板表面側に光反射率低減機能を有する凹凸構造を形成する(不図示)。この凹凸構造の形成にあたっては、上述の基板表層部を除去する際に用いるNaOHなどのアルカリ液による異方性ウェットエッチング法を適用することができるが、Si基板がキャスト法などによる多結晶Si基板である場合は、基板面内での結晶面方位が結晶粒ごとにランダムにばらつくので、基板全域にわたって光反射率を効果的に低減せしめる良好な凹凸構造を一様に形成することは困難である。そこでこの場合は、例えばRIE(Reactive Ion Etching)法などによるガスエッチングを行えば比較的容易に良好な凹凸構造を基板全域にわたって一様に形成することができる(特許文献3等参照)。
なお、上述した基板表層部に低酸素濃度領域を形成する熱処理工程やレーザー再結晶化工程は、本凹凸構造形成プロセス後に適用しても同様の効果を得ることができる。
次にn型の逆導電型領域4を形成する。n型化ドーピング元素としてはP(リン)を用いることが望ましく、ドーピング濃度は1E18〜5E21[atoms/cm3]程度とし、シート抵抗が30〜300Ω/□程度のn+型とする。これによって上述のp型バルク領域5との間にpn接合部が形成される。ここで、pn接合部は、p型バルク領域5側に広がった空乏領域5bと逆導電型領域4側に広がった空乏領域4aからなる空乏領域10で構成される。
pn接合の形成方法としては、ガス状態にしたPOCl3(オキシ塩化リン)を拡散源とした熱拡散法を用いて、温度700〜1000℃程度でp型Si基板の表層部にドーピング元素(P)を拡散させることによって形成する。このとき拡散層厚は0.2〜0.5μm程度とするが、これは拡散温度と拡散時間を調節して、所望のドーププロファイルを形成することによって実現できる。
ここで、通常、POCl3を用いた熱拡散法では、Pとともに酸素の拡散も避けられないが、空乏領域5bを含む基板表層領域(少なくとも基板表面から1μm程度までの領域)の酸素濃度は、上述したように予め基板状態で所定の値(2E17[atoms/cm3])以下に制御されているので、本pn接合部形成工程を含む素子化後の空乏領域5b中の酸素濃度を1E18[atoms/cm3]以下にすることができる。
なお、酸素の拡散をできるだけ抑えるため、拡散温度をできるだけ低めにし、拡散時間をできるだけ短くすることが有効である。拡散温度を低くしたり拡散時間を短くしたりするとPの拡散も抑えられるので逆導電型領域4のシート抵抗値は上昇する。したがって、シート抵抗値をもって酸素の拡散程度の目安とすることができる。通常、好ましいシート抵抗値は45〜100Ω/□程度であるが、より好ましくは65〜90Ω/□程度とする。
なお、上述の通常のガス拡散源を用いた熱拡散法では、目的とする面とは反対側の面にも拡散領域が形成されるが、その部分は後からエッチングして除去すれば良い。このとき、この基板の表面側以外の逆導電型領域4の除去は、Si基板の表面側にレジスト膜を塗布し、フッ酸と硝酸の混合液を用いてエッチング除去した後、レジスト膜を除去することにより行う。また、後述するように、裏面のp+型領域7(BSF領域)をアルミニウムペーストによって形成する場合は、p型ドープ剤であるアルミニウムを充分な濃度で充分な深さまで拡散させることができるので、既に拡散してあった浅いn型拡散層の影響は無視できるようにすることができ、この裏面側に形成されたn型拡散層を特に除去する必要はない。
なお、逆導電型領域4の形成方法は熱拡散法に限定されるものではなく、例えば薄膜技術および条件を用いて、水素化アモルファスシリコン膜や、微結晶Si膜を含む結晶質シリコン膜などを基板温度400℃程度以下で形成しても良い。このように逆導電型領域4を熱拡散法に代えて薄膜技術を用いて低温度で形成する場合は、この工程での酸素の基板側への拡散は無視できるので、基板状態での基板中酸素濃度は最大1E18[atoms/cm3]程度まで許容される。
また基板中酸素濃度がこれよりも高い場合に上述した熱処理工程やレーザー再結晶化工程を基板表層部に適用する場合でも、酸素濃度はpn接合部の空乏領域が形成される範囲内で1E18[atoms/cm3]以下とできればよく、pn接合形成前基板状態での酸素濃度要求値を大幅に緩めることができる。
なお、逆導電型領域4を、薄膜技術を用いて形成する場合は、以下に述べる各工程の温度を考慮して後段プロセスほど低い工程温度となるようにその形成順序を決めることが必要である。
ここで水素化アモルファスシリコン膜を用いて逆導電型領域4を形成する場合はその厚さは50nm以下、好ましくは20nm以下とし、結晶質シリコン膜を用いて形成する場合はその厚さは500nm以下、好ましくは200nm以下とする。なお、逆導電型領域4を上記薄膜技術で形成するときは、p型バルク領域5と逆導電型領域4との間にi型シリコン領域(不図示)を厚さ20nm以下で形成すると特性向上に有効である。
次に反射防止膜6を形成する。反射防止膜6の材料としては、Si膜、TiO膜、SiO膜、MgO膜、ITO膜、SnO膜、ZnO膜などを用いることができる。厚さは材料によって適宜選択され入射光に対する無反射条件を実現する(材料の屈折率をnとし、無反射にしたいスペクトル領域の波長をλとすれば、(λ/n)/4=dが反射防止膜の最適膜厚となる)。例えば、一般的に用いられるSi膜(n=約2)の場合は、無反射目的波長を、太陽光スペクトル特性を考慮して600nmとしたいならば、膜厚を75nm程度とすれば良い。
反射防止膜の製法としては、PECVD法、蒸着法、スパッタ法などを用い、pn接合部を熱拡散法で形成した場合は温度400〜500℃程度で、薄膜技術で形成した場合は温度400℃以下で形成する。
なお反射防止膜6は、後述するファイヤースルー法で表面電極1を形成しない場合は、表面電極1を形成するために所定のパターンでパターニングしておく。パターニング法としてはレジストなどマスクに用いたエッチング法(ウェットあるいはドライ)や、反射防止膜6形成時にマスクを予め形成しておき、反射防止膜6形成後にこれを除去する方法を用いることができる。
一方、反射防止膜6の上に表面電極1の電極材料を直接塗布し焼き付けることによって表面電極1と逆導電型領域4を電気的に接触させるいわゆるファイヤースルー法を用いる場合は前記パターニングの必要はない。このSi3N4膜には、形成の際には表面パッシベーション効果、その後の熱処理の際にはバルクパッシベーション効果があり、反射防止の機能と併せて、太陽電池素子の電気特性を向上させる効果がある。
次に、p+型領域7(BSF領域)を形成する。具体的には、アルミニウム粉末と有機ビヒクルとガラスフリットをアルミニウム100重量部に対してそれぞれ10〜30重量部、0.1〜5重量部を添加してペースト状にしたアルミニウムペーストを、例えばスクリーン印刷法で印刷し、乾燥後に600〜850℃で数秒〜数十分程度の範囲で熱処理する。これによってアルミニウムがSi基板中に拡散して裏面で発生したキャリアが再結合することを防ぐp+型領域7(BSF領域)が形成される。p+型領域7のアルミニウムドープ濃度は、1E18〜5E21[atoms/cm3]程度とする。
このとき、このペースト中の金属成分のうちp+型領域7の形成に使われずこのp+型領域7の上に残存したものは、そのまま裏側電極たる裏面集電極8の一部として使うこともでき、この場合は残存成分を塩酸などで特に除去する必要はない。なお、本明細書では、このp+型領域7の上に残存したアルミニウムを主成分とする裏面集電極8が存在するものとして扱うが、除去した場合は代替電極材料を形成すれば良い。この代替電極材料としては、後述する裏面集電極8となる銀ペーストを使うことが、裏面に到達した長波長光の反射率を高めるために望ましい。なお、p型化ドーピング元素としてはB(ボロン)を用いることもできる。
また、印刷焼成法を用いてこのp+型領域7を形成する場合は、既に述べたように基板表面側の逆導電型領域4形成時に同時に基板裏面側にも形成されているn型の領域を除去する必要もなくすことができる。
さらに、このp+型領域7(裏面側)は、印刷焼成法に代えて、ガスを用いた熱拡散法で形成することも可能である。この場合は、BBr3を拡散源として温度800〜1100℃程度で形成する。このとき、既に形成してある逆導電型領域4(表面側)には酸化膜などの拡散バリアをあらかじめ形成しておく。また、この工程によって反射防止膜6にダメージが生じる場合は、この工程を反射防止膜形成工程の前に行うことができる。またドーピング元素濃度は1E18〜5E21[atoms/cm3]程度とする。これによってp型バルク領域5とこのp+型領域7との間にLow−High接合を形成することができる。
なお、p+型領域7の形成方法は、印刷焼成法やガスを用いた熱拡散法に限定されるものではなく、例えば薄膜技術を用いて水素化アモルファスシリコン膜や微結晶Si相を含む結晶質シリコン膜などを基板温度400℃程度以下で形成しても良い。特にpn接合部を、薄膜技術を用いて形成した場合は、p+型領域7の形成も薄膜技術を用いて行う。このとき膜厚は10〜200nm程度とする。このとき、p+型領域7とp型バルク領域5との間にi型シリコン領域(不図示)を厚さ20nm以下で形成すると特性向上に有効である。ただし薄膜技術を用いて形成する場合は、以下に述べる各プロセスの温度を考慮して後段プロセスほど低いプロセス温度となるようにその形成順序を決めることが望ましい。
次に、基板の表面及び裏面に銀ペーストを塗布・焼成することにより、表面電極1および裏面出力電極9を形成する。これらは、銀粉末と有機ビヒクルとガラスフリットを銀100重量部に対してそれぞれ10〜30重量部、0.1〜5重量部を添加してペースト状にした銀ペーストを、例えばスクリーン印刷法で印刷、乾燥後に同時に600〜800℃で数秒〜数分程度焼成することにより印刷面に焼き付けられる。ここで、後述するpn接合特性の品質劣化を抑えるためには、遠赤外線(IR)を用いた高速(短時間)焼成であるRT(Rapid Thermal)処理とするのが望ましい。この方法を用いれば焼成時間は数秒〜数十秒程度以下に短くすることができる。
なお、表面電極1と裏面出力電極9とは同時に(1回で)焼成することがコスト的には望ましいが、特に裏面電極の電極強度特性の関係上、2回に分けて焼成した方が良い場合もある(例えば、先に表面電極1を印刷焼成し、次いで裏面出力電極9を印刷焼成する、など)。ただし2回焼成とする場合は、後述する理由によって特に2回目の焼成でpn接合特性が劣化することが多いので、2回目の焼成はできるだけ低温・短時間で行うようにするのが望ましく、必要であれば特に低温焼成用に用意された低温焼成ペーストを用いることもできる。
なお、電極の製法としては印刷焼成法以外にも、スパッタ法、蒸着法などの真空製膜法を用いることができるが、特にペーストを用いた印刷焼成法では、いわゆるファイヤースルー法によって、反射防止膜6をパターニングすることなしに、表面電極1となる金属含ペーストを反射防止膜6上に直接印刷し焼成処理をすることによって表面電極1と逆導電型領域4との間に電気的コンタクトをとることができ、製造コスト低減に非常に有効である。なお、表面電極1の形成は、裏面側のp+型領域7の形成に先立って行われても良い。
さらに電極と半導体領域との接着強度を特に高めるため、ペーストを用いた印刷焼成法ではTiO2などの酸化物成分をペースト中にわずかに含ませ、また、真空製膜法では電極と半導体領域との界面にTiを主成分とした金属層を挿入すると良い。なお、裏側電極の場合は、Ti主成分金属層の厚さは5nm以下として金属層が挿入されることによる反射率低減を抑制することが望ましい。裏面集電極8は基板裏面全面に形成することが裏面に到達した長波長光の反射率を高めるために望ましい。
なお、裏面集電極8と裏面出力電極9とは重なり合って厚くなると割れやピールが生じやすいので、出力取出用の裏面出力電極9を形成した後、裏面集電極8は、裏面出力電極9をできるだけ覆わないように導通が取れる程度の状態で形成するのが望ましい。また、この裏面出力電極9と裏面集電極8を形成する順番はこの逆でも良い。また、裏側電極においては上記構造をとらず、表面電極と同様の銀を主成分とするバスバー部とフィンガー部で構成された構造としても良い。
なお、逆導電型領域4やp+型領域7を、薄膜技術を用いて形成した場合も、表面電極1、裏面集電極8、及び裏面出力電極9は、印刷法、スパッタ法、蒸着法、などを用いて形成することができるが、工程温度は薄膜層のダメージを考慮して400℃以下にする。
最後に、必要に応じて半田ディップ処理によって表面電極および裏側電極上に半田領域を形成する(不図示)。なお、半田材料を用いない半田レス電極とする場合は半田ディップ処理を省略する。
以上によって本発明に係る光電変換素子である太陽電池素子11を形成することができる。
次に、本発明の光電変換モジュールの一実施形態である、本発明の太陽電池モジュールについて説明する。
上述のようにして形成された光電変換素子である太陽電池素子は、通常、太陽電池素子一枚では発生する電気出力が小さいため、一般的に複数の太陽電池素子を直列あるいは並列に電気的に接続した太陽電池モジュールとして用いられる。そして、さらにこの太陽電池モジュールを複数枚組み合わせることによって、実用的な電気出力が取り出せるように構成される。この太陽電池モジュールは、本発明の光電変換素子に係る太陽電池素子を含むように構成されているので、複数の光電変換素子を直列あるいは並列に電気的に接続して形成され、高い特性の光電変換モジュールとなる。
図11は太陽電池モジュールの断面構造を示す図であり、図12は受光面側からこの太陽電池モジュールを見た図である。11は太陽電池素子、21は太陽電池素子同士を電気的に接続する配線部材、22は透明部材、23は裏面保護材、24は表面側充填材、25は裏側充填材、26は出力取出配線、27は端子ボックス、28は枠を示す。
図11に示すようにガラスなどからなる透明部材22、透明のエチレンビニルアセテート共重合体(EVA)などからなる表側充填材24、配線部材21によって隣接した太陽電池素子の表面電極と裏面電極とを交互に接続された複数の太陽電池素子11、EVAなどからなる裏側充填材25、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)や金属箔をポリフッ化ビニル樹脂(PVF)で挟みこんだ裏面保護材23を順次積層して、ラミネータの中で脱気、加熱して押圧することによって一体化させ太陽電池モジュールを完成することができる。その後必要に応じてアルミニウムなどの枠28を周囲にはめ込む。さらに直列接続された複数の素子の最初の素子と最後の素子の電極の一端は出力取出部である端子ボックス27に、出力取出配線26によって接続される。
なお、これらの太陽電池素子11同士を接続する配線部材21としては、通常、厚さ0.1〜0.2mm程度、幅2mm程度の銅箔の全面を半田材料によって被覆したものを、所定の長さに切断し、太陽電池素子11の電極上に半田付けして用いる。
なお、図12に示すように、太陽電池素子11同士は、配線部材21aによって、例えば、直列に接続され、太陽電池素子群を形成する。そして、このような太陽電池素子群同士がさらに別の配線部材24b、24c、さらには素子−端子ボックス間の配線部材24dなどによって接続され、太陽電池モジュールが形成される。
本発明に係る太陽電池モジュールは、本発明に係る太陽電池素子を少なくとも一つ以上含んでいれば、本発明の効果を奏するが、望ましくは、全ての太陽電池素子を本発明に係る太陽電池素子とすることが、素子特性を最大限に発揮できることから望ましい。
次に、本発明の光電変換素子に係る構成によって、上述したような優れた効果が得られる理由について、発明者が実際に行った実験の結果と共に詳細に説明する。
まず、本発明の光電変換素子の構成(第一空乏領域5b1中の酸素濃度を1E18[atoms/cm3]以下とした)とすることにより、光電流/暗電流の比を高め、太陽電池の特性を向上させることができる。この理由について以下のように推測する。
まず、暗電流をダイオード電流とリーク電流とからなると定義する。ダイオード電流には、主に、表面電極/逆導電型領域4界面、反射防止膜6/逆導電型領域4界面、逆導電型領域4、pn接合部を構成する空乏領域10、p型バルク領域5、p+型領域7、及びp+型領域/裏電極(裏面集電極8及び裏面出力電極9)界面起源の成分がそれぞれある。また、リーク電流はpn接合部を構成する空乏領域10を流れる。
このように暗電流は、少なくともその一部がpn接合部を構成する空乏領域10起源であるため、この部分の結晶品質が重要である。しかしながら、従来は太陽電池素子を作製する工程において、素子の内部に拡散する酸素濃度については、全く着目されていなかったので、特に素子に対して加熱が伴う工程において空乏領域10の酸素濃度が1E18[atoms/cm3]より大きくなってしまっていた。
図13、図14に、電極焼成工程時の焼成度(焼成温度×焼成時間)を変えた試料の明V−Iカーブ(図13)及び暗V―Iカーブ(図14)を示す。横軸は電圧、縦軸は電流値である。
図13、図14から明らかなように、過焼成の場合(焼成度高)ではFF特性とVoc特性とが劣化しているが、これは上述したように、pn接合部の再結合電流が増大しているためと考えられる。このように電極焼成条件によって素子特性が大きく左右されていることから、電極焼成工程での酸素析出が問題となっているものと推測される。
酸素濃度を低濃度とすることによって発明の効果を得ることができる理由については以下のように推測する。
逆導電型領域4を形成するPの熱拡散工程ではPOCl3(オキシ塩化リン)を拡散源とすることから酸素が混入・拡散し得る。また、表面電極1の焼成工程においては金属ペースト(銀ペースト)中に含まれるガラスフリット等に含まれる酸素が混入・拡散し得る。また焼成雰囲気からの酸素の混入・拡散も生じうる。
このように素子を形成する工程において混入・拡散した酸素は、素子内においてそれ自体が酸素析出核形成に寄与するとともに、さらにはSiO2相などの析出物を形成する。
ここで、P熱拡散工程での酸素拡散や熱履歴においては、析出核は相当程度形成されている可能性があるが、析出物はまだそれほど多くはなく(あるいは大きくはなく)、この段階では素子特性劣化に至るほどではない。しかしながら、その後の電極焼成工程での酸素拡散と熱履歴においては、P熱拡散工程における酸素析出核や析出物を起源にした析出物成長、新たな析出核形成と析出物形成が生じ、焼成条件によっては素子特性に影響する程度にまで析出物形成や成長が進む可能性がある。特に電極焼成を複数回にして、過焼成の状態となれば、それだけ酸素析出が進行し、素子特性への影響度が増加する恐れがある。
このような酸素の析出物形成や成長時の歪・応力誘起、電極焼成工程の昇降温熱履歴での熱歪・熱応力誘起(例えば、SiO2相形成では約2倍の体積膨張があり、SiO2相とSi相との間には熱膨張係数差による熱歪が生ずる)により、結晶に対して転位や積層欠陥が発生する。このような転移や積層欠陥は太陽電池素子に対して、再結合中心となるため、pn接合部における再結合電流密度が増大して品質が劣化し、太陽電池の曲線因子FF特性や開放電圧Voc特性の低下を招来するものと考えられる。
本発明に係る光電変換素子は、この最も酸素が拡散混入しやすい電極の直下の空乏領域である第一空乏領域5b1中の酸素濃度を1E18[atoms/cm3]以下とする。
図15〜図17に多結晶Siインゴット(キャスト法)について評価した結果を示す。
図15は、インゴット底部からの位置を変えて切り出した基板を用いて作製した太陽電池素子に関し、太陽電池素子のVocのインゴット底部からの高さ依存性を表すグラフである。
図16は、図15と同じインゴットにおいて、酸素濃度(素子化工程前の基板状態での値)のインゴット底部からの高さ依存性を表すグラフである。
また、図17は、図16で測定した基板(素子化工程前)の酸素濃度とインゴットの品質(少数キャリア拡散長)との関係を示すグラフである。
図15から、インゴット高さ情報と素子特性の間には相関があり、インゴット底部に近い基板を用いた場合ほど素子特性(Voc特性)が低くなることがわかる。
また図16から、インゴット底部に近い基板ほど酸素濃度が高いことがわかる。これらを合わせて鑑みれば、酸素濃度が高い基板を用いて形成した太陽電池素子は、特性が低くなるものと推測できる。
この素子化工程前の基板における酸素濃度の閾値としては、図16から、素子特性が下がり始めるインゴット高さ位置(インゴット底部から約70mm以上)である2E17[atoms/cm3]であることがわかる。
次に、図17より、基板中の酸素濃度と基板品質(少数キャリア拡散長が長いほど基板品質が良好)とが強い相関関係を持っていることが明らかである。特に酸素濃度1E18[atoms/cm3]を境にしてそれ以上の酸素濃度で急激に基板品質が劣化することが特徴的に示されている。
このように、太陽電池素子特性から見たときの素子化工程前結晶Si基板中の酸素濃度閾値は約2E17[atoms/cm3]にあり、拡散長特性(素子化工程前の基板状態での値)から見たときの素子化工程前結晶Si基板中の酸素析出閾値である約1E18[atoms/cm3]よりもやや低い値となっているが、発明者はこの差が素子化工程での酸素拡散に対応しているものと考えた。
すなわち、逆導電型領域4を形成する際のPの熱拡散に伴う酸素拡散や、表面電極1の焼成形成時に伴う酸素拡散によってpn接合部空乏領域を含む結晶Si基板表層部の酸素濃度が上昇し、酸素濃度が約1E18[atoms/cm3]以上となった部分で結晶品質劣化が急激に進行し、素子特性劣化を引き起こすものと考えた。
それを防止するために本発明の光電変換素子の製造方法を見出した。
すなわち、以上の知見によって、素子化工程での酸素析出を予め考慮し、素子化工程前の結晶Si基板において、pn接合部の空乏領域を含む領域中の酸素濃度は1E18[atoms/cm3]よりも低い値である2E17[atoms/cm3]以下にしておく必要があることを見出したのである。
具体的には、(a)結晶Si基板は、酸素濃度が2E17[atoms/cm3]以下のものを用いる、(b)熱拡散工程に先立って、結晶Si基板の表層部に低酸素濃度領域(2E17[atoms/cm3]以下)を形成する、のいずれかを行うことによって、素子化工程後にpn接合部の空乏領域の主要領域となる表層部に酸素濃度が2E17[atoms/cm3]以下の低酸素濃度領域を形成すれば、素子化工程における逆導電型領域を形成する際のPの熱拡散に伴う酸素拡散や、表面電極の焼成形成時に伴う酸素拡散の影響を抑えて、安定した品質で本発明の光電変換素子を形成することができる。
なお、低酸素濃度領域を形成するためには、熱拡散工程に先立って、例えば、(b1)結晶Si基板を還元雰囲気中で熱処理させる、(b2)結晶Si基板の表層部にレーザー照射して、この表層部を溶融させた後に再結晶化させる、などの処理を行えば良い。
なお、図16において、多結晶Si基板の酸素濃度がインゴット底部から頭部に向かって減少するプロファイルとなっているのは、ここで採用しているキャスト法に依っている。
すなわち、ここでのキャスト法は、石英坩堝中でSi塊を溶解してSi融液とし、これを鋳型に注湯して融液を凝固させるものであるが、石英坩堝中のSi融液は石英からSi融液に溶け込む大量の酸素によって、その酸素濃度は1E18[atoms/cm3]を超えるような(飽和溶解度2E18[atoms/cm3]に近い)非常に高濃度な値となっている。この高酸素濃度Si融液が鋳型に注湯されて時間とともに鋳型底部から頭部(頂部)に向かって凝固が進んでいくのであるが、一般的に内壁にSiNを主成分とした離型材を塗布してある鋳型からのSi融液中への酸素の溶け込みはほとんど無視できることと、Si融液中の酸素はSi融液表面からSiOガスの形で急速に脱ガスしていくことから、Si融液中の酸素濃度は時間経過とともに次第に減っていく。このため結晶Siインゴット中の酸素濃度は、図16に示すような凝固後半ほど酸素濃度が低減するプロファイルとなるのである。
このときSiOガスの気化を充分に行わせるためには、鋳造中炉内ガス圧力を減圧状態とするのが望ましい。また雰囲気は還元ガス雰囲気あるいは不活性ガス雰囲気とするのが望ましい。
なお、本発明の実施形態は上述の例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることはもちろんである。
例えば、上述の説明では、p型Si基板を用いた太陽電池について説明したが、n型Si基板を用いた場合にも、説明中の極性を逆にすれば同様の工程によって本発明の効果を得ることができる。
また、熱処理工程とレーザー再結晶化工程の双方を組み合わせてもよく、さらに高い素子特性が得られる。また、レーザー照射の波長、パワー、照射速度、照射時間などの条件は、基板の表層部を溶融させる条件であればよく、上述したものに限定されるものではない。
また、上述の説明では、シングル接合の場合について説明したが、半導体多層膜からなる薄膜接合層をバルク基板使用接合素子に積層して形成した多接合型であっても、本発明を適用することができる。
また、上述の説明では、結晶Si半導体としてキャスト法を用いた多結晶Si基板を例にとったが、基板はキャスト法に限る必要はなく、また多結晶Siに限る必要もない。また基板状の結晶Siに限る必要もなく、薄膜状の結晶Si膜一般にも適用できる。
また、上述の説明では、バルク型シリコン太陽電池を例にとったが、本発明はこれらに限定されるものではなく、発明の原理・目的を逸脱しない限り任意の形態とすることができる。すなわち、光入射面を有する結晶Siを構成要素にもつpn接合部を備えた光電変換素子であって、前記光入射面への光照射によって前記半導体領域で生じた光生成キャリアを電流として集める太陽電池以外の光センサなどの光電変換素子一般に適用できる。
以下、上述の実施形態に沿って作製した本発明に係る光電変換素子であるバルク型多結晶Siの太陽電池素子について、表面電極1のpn接合部の酸素濃度と特性との関係を調べた実験結果について説明する。
主な素子作製条件は以下である。結晶Si基板としては、キャスト法で製造された、比抵抗約2Ωcm、厚さ約300μm、サイズ150mm×155mm、の平板状のBドープp型多結晶Si基板を用いた。
逆導電型領域4は、シート抵抗65Ω/□を狙いとしてPOCl3を拡散源とした熱拡散法で形成した。また表面電極1は銀を主成分としたAgペーストを用いて印刷焼成法で形成した。このときの焼成は、IR炉を用いたRT処理とし、またファイヤースルー法を適用した。また、表面電極1は、基板端辺155mm方向に平行に2mm幅のバスバー電極1aを2本、基板端辺150mm方向に平行に100μm幅のフィンガー電極1bを63本配置したパターンとした。
本発明の製造方法に係る基本条件としては、キャスト法を行う際に、Si融液中からのSiOガスによる脱ガスを十分に促進させるようにして、酸素濃度が1.9E17[atoms/cm3]のp型多結晶のシリコンインゴットを作製し、これをスライスして作製した基板を用いて、本発明の試料作製を行った。
また従来の試料として、Si融液中からの酸素の除去に関して特に意識せずに行ったp型多結晶のSi基板を用いて同様に試料の作製を行った。なお、従来試料を作製した結晶Si基板の酸素濃度は、2.2E17[atoms/cm3]であった。
上述のようにして作製した光電変換素子の各試料は、JIS C 8913(1998)に規定される結晶系太陽電池セル出力測定方法によって太陽電池素子の開放電圧Voc及び曲線因子FFの特性評価を行った。
このとき、従来試料はVocが0.606V、FFが0.720であったのに対して、本発明の製造方法に係る試料はVocが0.618V、FFが0.745となり、より良好な素子特性が得られた。
次に、この本発明の試料と従来試料の2つの太陽電池素子の表面電極1(バスバー電極1a)の下の箇所において、結晶Si領域中の酸素濃度を、pn接合部を含む範囲で、深さ方向にSIMSで分析した。
図18、図19は分析結果の酸素濃度プロファイルであり、図18は従来試料、図19は本発明に係る試料を示す。
なお、SIMSは、加速して細く絞った一次イオンビーム(酸素、セシウムなど、今回はCs)を真空中で試料に照射し、スパッタリングにより試料表面から飛び出す粒子のうち、二次イオンを電場で引き出して質量分析を行う方法である。標準サンプルと比較することによって絶対濃度を換算することができる。今回の測定条件は、次の通りである。
使用装置:Cameca社 IMS−4f
一次イオン種:Cs+
一次イオン加速電圧:14.5kV
一次イオン電流:120nA
ラスター領域:125μm
分析領域:30μmφ
測定真空度:1E−7
なお、SIMS分析には、デプスプロファイル分析モードとバルク分析モードとがある。不純物のデプスプロファイル(濃度の深さ方向分布)を得るには当然前者のモードで行うが、単に基板中の平均不純物濃度を得たい場合には、前記いずれの分析モードでも測定可能である。ただし、不純物の濃度が非常に低い場合等、分析感度を上げる必要がある場合には、特にバルク分析モードとするのが望ましい。
各試料は、測定部位の電極(バスバー電極1a)を王水によって除去し、レーザーで所定サイズに切断した後にSIMS測定を実施した。
図18、図19において、"W"で示した領域は「Pプロファイルと基板中B濃度とから推定された空乏領域幅」である。
なお、ここで示したSIMSデータは、表面に凹凸のある素子状態で分析したものであるため、濃度プロファイルにはこの凹凸の影響が含まれている。すなわち、深さは実際の値を示すものではなく目安であり、濃度値もある程度の深さ範囲情報を含んだ平均的なものとなっている。このためPプロファイルを、接合深さを定義する目安としている。すなわち、P濃度値がB濃度値である約1E16[atoms/cm3]と一致する深さをpn接合深さと定義し、その位置から基板内部方向に向かってW幅で空乏領域が広がっていると考える。実際の接合深さは上記定義で求めた深さよりもやや浅いと考えられる。したがって、このW幅で示される領域の酸素濃度が、本発明に係る第一空乏領域5b1の酸素濃度において規定された範囲に入っていれば、本発明の光電変換素子であるかどうかを判定できる。
図18より、従来試料は、電極の下となった第一空乏領域5b1の酸素濃度が1E18[atoms/cm3]を超えており、本発明に係る光電変換素子の範囲外であることを確認した。従来試料は、この部位において酸素析出によってpn接合部が品質低下し、Vocが低くなったものと推測される。
一方、図19に示すように、本発明の試料は、電極の下となった第一空乏領域5b1の酸素濃度が1E18[atoms/cm3]以下であり、本発明に係る光電変換素子となっていることを確認した。
キャスト法による多結晶シリコンインゴットの作製時に、Si融液表面からのSiOガスの脱ガスの時間を調整して素子化前の結晶Si基板の酸素濃度を変えた他は、実施例1に示したのと全く同様に太陽電池素子の試料を作製・評価を行った。
その結果を表1に示す。
表1より、酸素濃度が2E17[atoms/cm3]以下の結晶Si基板を用いた場合、特に電極焼成工程での酸素拡散の影響を受けやすい第一空乏領域5b1で、第一空乏領域5b1の酸素濃度を1E18[atoms/cm3]以下にすることができ、太陽電池素子を高特性かつ高歩留まりで得られることを確認した。
素子化前の結晶Si基板中の酸素濃度が2E17[atoms/cm3]を超えている基板に対して、本発明の光電変換素子の製造方法に係る熱処理工程、又はレーザー再結晶化工程を適用して、本発明に係る低酸素濃度領域を形成した後に素子化した。
素子化前の結晶Si基板の酸素濃度は4E17[atoms/cm3]に統一した。
さらに、熱処理工程、レーザー再結晶化工程の条件は以下の通りである。
[熱処理工程]
基板に対して水素雰囲気下1200℃・最長4分の熱処理を加え、基板中の酸素を外方拡散させ、基板表面から最大で(1200℃・4分条件で)約1.5μmの深さまで酸素濃度が2E17[atoms/cm3]以下である領域を形成した。
なお、このときの深さは、フラット基板を別途用意し、これに同一の熱処理を施したときのSIMSプロファイルから求めた値である。
[レーザー再結晶化工程]
基板に対して、YAG レーザー装置により、波長532 nmの光を照射した。
照射条件は、基板表面から少なくとも2μm程度の深さまでを溶融させる条件とした。具体的には、直径1mmのスポットあたり0.1〜10Wのパワー密度で、毎秒10〜50cmのスピードで移動させながら照射した。パルス幅は5〜10ナノ秒、パルス周波数5〜50kHzである。レーザー走査領域は、表面電極1のバスバー電極1aが形成される領域とした。またレーザー処理中の雰囲気は水素ガスと窒素ガスの混合ガス雰囲気とした。
このようなレーザー照射により、基板表面を溶融・再結晶化させた。
以後の素子化工程は、実施例1に示したのと全く同様である。そして、作製された太陽電池素子の試料を作製・評価を行った。
比較のため、同じ酸素濃度の基板を用いて、全く熱処理、レーザー再結晶化処理を行わない試料も作製して、同じ評価を行った。結果を表2に示す。
表2に示されているように、本発明の光電変換素子の製造方法に係る熱処理工程、若しくはレーザー再結晶化工程を適用して本発明に係る低酸素濃度領域を形成したことにより、次のような結果が得られた。
熱処理工程を行った試料については、素子化後にバスバー電極1a下の酸素濃度プロファイルをSIMSで調べたところ(表面に凹凸のある状態で調べたところ)、1200℃・4分の条件の試料において、素子特性(効率など)が最も良好であった。
すなわち、表層から基板内部方向に向かう1〜1.5μm(凹凸素子状態でのSIMS分析であるため目安深さ)程度までの深さにわたる領域のうち、pn接合部空乏領域の主要部にあたる部分では1E18[atoms/cm3]以下の濃度を維持しつつ、基板内部方向に向かって次第に減少して極小値に至り、次いで前記深さよりさらに深い領域に進むと酸素濃度は、基板内部方向に向かって次第に増大する傾向に転じ、pn接合部から深さ10μmの領域において、最終的には4E17[atoms/cm3]程度の値で一定値となる酸素濃度プロファイル(図8とほぼ同じもの)が得られた。このとき酸素濃度の極小値は2E17[atoms/cm3]以下(1.8E17[atoms/cm3])であった。
次に、レーザー再結晶化工程を行った試料については、素子化後にバスバー電極1a下の酸素濃度プロファイルを、SIMSを使って調べたところ、前記の熱処理工程を行った試料と同様に、表層から基板内部方向に向かう1〜1.5μm(凹凸素子状態でのSIMS分析であるため目安深さ)程度までの深さにわたる領域のうち、pn接合部空乏領域の主要部にあたる部分では1E18[atoms/cm3]以下の濃度を維持しつつ基板内部方向に向かって次第に減少して極小値に至り、次いで前記深さよりさらに深い領域に進むと、酸素濃度は、今度は基板内部方向に向かって次第に増大する傾向に転じて、pn接合部から深さ10μmの領域において、最終的には4E17[atoms/cm3]程度の値で一定値となる酸素濃度プロファイル(図8とほぼ同じもの)が得られた。酸素濃度の極小値は2E17[atoms/cm3]以下(1.4E17[atoms/cm3])であった。
なお、レーザー再結晶化を適用しなかった部分(SiN膜下の半導体領域)では、結晶Si基板表層から深さ方向に向かって約1.2E18[atoms/cm3]程度の値から4E17[atoms/cm3]程度の値にまで漸減する酸素濃度プロファイルが得られた(不図示)。
実施例1に示した方法によって、キャスト法による多結晶シリコンインゴットの作製時にSi融液表面からのSiOガスの脱ガスの時間を調整して、素子化前の結晶Si基板の酸素濃度を2.5E17[atoms/cm3](SIMSのバルク測定モードにより確認)とするとともに、インゴットの凝固中のAr流量を変化させたり、鋳型にSi融液と雰囲気ガスの接触を極力減らすための蓋(Arガスの出入口は設けてある)を設けたりすることによって、基板中に含有される炭素濃度を変更した結晶Si基板を作製した。
その後、実施例3に示す条件でレーザー再結晶化工程を適用して本発明に係る低酸素濃度領域を形成した。
以降は実施例1に示したのと全く同様に太陽電池素子の試料を作製・評価を行った。
なお、素子化後にバスバー電極1a下である第一空乏領域5b1の酸素濃度が本発明の構成(1E18[atoms/cm3]以下)となっていることは確認済である。
表3に、基板中炭素濃度と素子特性の関係を示す。なお、炭素濃度については素子化後の値であり、pn接合部から深さ10μmの領域までSIMSによって掘り進めた後、バルク測定モードにより測定を行った。
表3に示したものはいずれも本発明の範囲内の試料であり、実施例1に示した従来試料と比べて良好な素子特性が得られている。特に、基板の炭素濃度を3E17[atoms/cm3]未満としたときには、さらに良好な結果が得られることがわかった。

Claims (20)

  1. 一導電型の結晶Si半導体と、
    前記結晶Si半導体と接合してpn接合部を形成する逆導電型半導体と、
    前記逆導電型半導体上に設けられた電極と、
    前記pn接合部を挟んで前記一導電型の結晶Si半導体側及び前記逆導電型半導体側に跨る空乏領域と、を備えた光電変換素子であって、
    前記空乏領域のうち前記一導電型の結晶Si半導体側の領域は、前記電極の下の領域において、酸素濃度を1E18[atoms/cm3]以下として成る光電変換素子。
  2. 前記電極は、金属の粒子を含んだペーストを塗布焼成して得られた焼成電極である請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記一導電型の結晶Si半導体は、前記pn接合部から深さ10μmの領域において2E17[atoms/cm3]よりも高い酸素濃度を有するとともに、この領域を始点として前記pn接合部に向けてプロットした酸素濃度プロファイルは、低濃度方向に凸となる変曲点を有する請求項1に記載の光電変換素子。
  4. 前記酸素濃度プロファイルの極小値は、2E17[atoms/cm3]以下である請求項3に記載の光電変換素子。
  5. 前記空乏領域のうち前記一導電型の結晶Si半導体側の領域は、前記電極の下となる第一空乏領域とそれ以外の第二空乏領域とから成るとともに、
    前記第二空乏領域は、前記第一空乏領域よりも高い酸素濃度となる部分を含む請求項1に記載の光電変換素子。
  6. 前記一導電型の結晶Si半導体は、前記pn接合部から深さ10μmの領域において3E17[atoms/cm3]以下の炭素濃度を有する請求項1に記載の光電変換素子。
  7. 前記一導電型の結晶Si半導体は、多結晶Si半導体である請求項1に記載の光電変換素子。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光電変換素子を製造するための方法であって、
    一方の表層部の酸素濃度が2E17[atoms/cm3]以下の一導電型の導電性を有する結晶Si基板を用意する工程と、
    前記結晶Si基板の前記表層部から逆導電型のドーピング元素を熱拡散させて前記結晶Si半導体と接合した前記逆導電型半導体を形成する工程とを含む、光電変換素子の製造方法。
  9. 前記一導電型の導電性を有する結晶Si基板は、内壁面の離型材の主成分がSiNである鋳型を用いて、キャスト法により製造されたものである請求項8に記載の光電変換素子の製造方法。
  10. 前記一導電型の導電性を有する結晶Si基板は、3E17[atoms/cm3]以下の炭素濃度を有する請求項8に記載の光電変換素子の製造方法。
  11. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光電変換素子を製造するための方法であって、
    一導電型の導電性を有する結晶Si基板を用意する工程と、
    前記結晶Si基板の一方の表層部に酸素濃度が2E17[atoms/cm3]以下の低酸素濃度領域を形成する工程と、
    前記結晶Si基板の前記表層部から逆導電型のドーピング元素を熱拡散させて前記結晶Si半導体と接合した前記逆導電型半導体を形成する工程とを含む、光電変換素子の製造方法。
  12. 前記低酸素濃度領域を形成する工程は、前記結晶Si基板を還元雰囲気中で加熱する熱処理工程を含む請求項11に記載の光電変換素子の製造方法。
  13. 前記熱処理工程において、基板温度1000℃〜1200℃、処理時間2分〜90分で加熱処理を行う請求項12に記載の光電変換素子の製造方法。
  14. 前記低酸素濃度領域を形成する工程は、前記結晶Si基板の表層部にレーザー光線を照射して、この表層部を溶融させた後に再結晶化させるレーザー再結晶化工程を含む請求項11に記載の光電変換素子の製造方法。
  15. レーザー光線の走査領域を、電極が形成される領域とする請求項14に記載の光電変換素子の製造方法。
  16. 前記レーザー再結晶化工程において、基板表面から少なくとも2μm程度の深さまでを溶融させる条件でレーザー光線を照射する請求項14に記載の光電変換素子の製造方法。
  17. 前記一導電型の導電性を有する結晶Si基板は、2E17[atoms/cm3]よりも高い酸素濃度を有する請求項11に記載の光電変換素子の製造方法。
  18. 前記低酸素濃度領域は、その厚みが1.0μm以上となるように形成した請求項11に記載の光電変換素子の製造方法。
  19. 前記一導電型の半導性を有する結晶Si基板は、3E17[atoms/cm3]以下の炭素濃度を有する請求項11に記載の光電変換素子の製造方法。
  20. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の複数の光電変換素子を直列あるいは並列に電気的に接続した光電変換モジュール。
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