JP4638012B2 - 半導体基板とこれを利用した太陽電池セルおよびそれらの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池等に利用される半導体基板とこれを利用して太陽電池セルを安価に製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、太陽電池用等の半導体基板の製造に用いられる結晶成長方法としては、CZ法(チョクラルスキー法、Czochralski Method)、FZ法(フローティングゾーン法、Floating Zone Method、浮遊帯域溶融法)あるいはキャスティング法(Casting Method)によって製造される場合が多い。
【0003】
ここでCZ法について説明すると、CZ法によってシリコン単結晶を成長させるには、ルツボに結晶原料を充填し、ルツボを加熱するヒータにより原料を加熱して原料融液とし、該融液に種結晶を接触させた後、回転させながらゆっくりと引上げることで単結晶を成長させることが行われている。そして、単結晶は上から拡径部、製品として使用できる定径部、縮径部を持つように引上げられ、縮径部を形成した後に融液から切り離し、チャンバー内で常温近くまで冷却した後、単結晶棒として炉外へ取り出される。
【0004】
一方、FZ法については、棒状の原料多結晶を上軸に保持し、直径の小さい単結晶の種を前記原料多結晶の直下に位置する下軸に保持し、高周波誘導加熱装置の高周波誘導加熱コイルにより原料多結晶を囲繞し、これを溶融して溶融帯を形成し、前記種結晶に融着させた後、種絞りにより無転位化しつつ加熱コイルと原料多結晶および単結晶を相対的に回転させ、かつ相対的に軸線方向に移動させながら棒状単結晶を成長させる方法である。
【0005】
また、キャスティング法は、高周波誘導加熱等により原料を溶融し、一方向に凝固させる方法であり、大型の多結晶棒を製造するのに用いられている。
【0006】
そして、上記成長方法によって得られた単結晶棒あるいは多結晶棒からウエーハをスライスして、これに太陽電池セル形成処理を行い、太陽電池製品が製造されている。
【0007】
ここで、太陽電池セルの形成工程は、上記単結晶棒あるいは多結晶棒をスライスして得られた、例えばP型ウエーハを用いた場合の構成について、次の工程順に処理される。
先ずエッチング工程(表面歪み層の除去)からリンドープ工程(PN接合の形成)、パッシベーション酸化膜形成工程、反射防止膜形成工程、Alドープ工程(p+ 層(裏面電解層)の形成)、表面電極形成工程、裏面電極形成工程等を経て太陽電池セルを完成している。
【0008】
この連続する太陽電池セルの形成工程においては、製造装置や補助材料等から金属不純物が少なからず基板に混入する。金属不純物は、セル中のPN接合領域中で、電子・正孔の再結合の中心として働く場合が多く、太陽電池の光電変換効率を低下させる原因となっている。この対策として、太陽電池セル形成工程中で、不純物を基板の一部分にゲッタリングさせ、これを除去する方法がとられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、太陽電池製品は低コスト化が強く要求されており、その普及は製造コストが如何に低減されるかにかかっている。しかし、結晶製造については、その製造コストを低減するには限界があった。すなわち、前記何れの方法も、原料多結晶を先ず、大量に溶融して固化させる方法であり、大型の引上げ装置と大きな電力を必要とする。このため結晶の製造コストは、装置のコストやその付帯設備のコスト、ルツボや炉内構造物といった補助材料のコストが加わり、これにさらに多額の電力費が加わるという不利がある。
【0010】
また、太陽電池セル形成工程においては、CZ法結晶中に含まれる酸素は、その析出物形成によるIG(Intrinsic Gettering、イントリンシック ゲッタリング)効果を期待できるものとして重要であるが、その一方で、酸素とボロンが結合することにより、光電変換効率の経時的劣化を引き起こすという問題もある。
【0011】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたもので、半導体基板の製造コストを大幅に低減できる半導体基板とその製造方法、および光電変換効率の経時的劣化がない太陽電池セルを製造する方法とこれによって製造された太陽電池セルを提供することを主たる目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に関わる半導体基板の製造方法の発明は、半導体基板を製造する方法において、少なくとも半導体原料に所望のドーパント不純物をドープして成長させた多結晶棒をスライスして多結晶ウエーハを作製する工程と、前記多結晶ウエーハの片側の表面から所望の深さまでをゾーンメルトリクリスタライゼーション法により結晶粒の大粒径化あるいは単結晶化させる工程とを有することを特徴としている(請求項1)。
【0013】
このように、ドーパントをドープした多結晶棒を成長させ、これから直接ウエーハを切り出し、その表面の一部を改質することにより、CZ法等の結晶成長工程が不要となり、半導体基板の製造コストの大幅な低減が可能となる。また、多結晶棒の成長条件を制御することにより、所望の大きさの粒径を得ることができ、これとゾーンメルトリクリスタライゼーション時の粒径制御を太陽電池に適合したサイズとすることができる最適条件とを組み合わせれば、ウエーハの表面側は高品質化され、裏面側は小粒径の多結晶によりゲッタリング能力の高いウエーハを、高い生産性で得ることができる。
【0014】
そして、本発明に関わる太陽電池セルの製造方法の発明は、前記半導体基板を出発材料として、ゾーンメルトリクリスタライゼーションした面側から受光するように太陽電池セルを形成し、セル形成工程における少なくとも裏面に電極を形成する工程よりも以前の工程で、裏面の少なくとも不純物がゲッタリングされた層を除去することを特徴としている(請求項2)。
【0015】
このように、基板の表面側のみ大粒径化あるいは単結晶化されて太陽電池用に最適化され、反対面側に小粒径の多結晶層を有する半導体基板を出発材料として太陽電池セル形成工程に流すことにより、太陽電池セル工程中の金属不純物は小粒径の多結晶層に効果的にEG(Entrinsic Gettering、エントリンシック ゲッタリング)され、最後にこの金属不純物をゲッタリングした裏面の多結晶層を除去することにより、セル特性に対する金属不純物の影響を完全に取り除くことが可能となる。しかも、多結晶基板には酸素が含まれていないので、ドーパントとして例えボロンをドープしてもボロンと酸素が結合することによる光電変換効率が低下する恐れは全くない。
【0016】
そして本発明の製造方法により製造された半導体基板(請求項3)は、表面から所望の深さまでは太陽電池に適合するよう改質された大粒径の多結晶層あるいは単結晶化された層であり、反対面側は小粒径の多結晶層のままで構成されており、しかも低コストであるので、太陽電池セル形成用の出発材料として極めて有効である。
【0017】
さらに本発明の製造方法により製造された太陽電池セル(請求項4)は、少なくとも、表面から所望の深さまでは太陽電池に適合した大粒径の多結晶層あるいは単結晶化された改質層で、太陽電池セルの太陽光受光面として最適化されたものとなっているとともに、基板の裏面側の小粒径の多結晶層は太陽電池セル形成工程中の金属不純物をEGして完全に除去されているので、セル特性に対する金属不純物の影響はほぼ完全に取り除かれたものとなっている。しかも、出発材料としての通常の多結晶基板には酸素が含まれていないので、ドーパントとしてドープするボロンと酸素が結合することによる光電変換効率が低下する恐れが全くなく、低コストかつ高品質の太陽電池セルである。
【0018】
また、本発明は、主表面側に大粒径の多結晶または単結晶を備え、前記主表面とは反対の面(裏面)側に小粒径の多結晶を備えた半導体基板である
【0019】
この場合、主表面側における大粒径の多結晶または単結晶は、その層の厚さが100〜400μm、前記大粒径の粒径サイズが少なくとも1mm以上かあるいは単結晶であり、かつ裏面側における小粒径の多結晶は、その層の厚さが100〜400μm、前記粒径サイズが1〜500μmとなっている半導体基板であることが好ましい
【0020】
主表面側が単結晶層であれば高い光電変換効率の太陽電池セルが形成できるので最適であり、あるいは多結晶であっても粒径サイズを少なくとも1mm以上とすればある程度高い光電変換効率の太陽電池セルが形成できるので好適である。また、太陽電池用セルとして機能するためには、前記層厚さが少なくとも100μm必要であり、ゾーンメルトリクリスタライゼーション工程における製造効率を考慮すると400μmが限界となる。さらに、裏面側多結晶の粒径サイズは、トリクロロシランにより育成した多結晶では10μmから3mm程度、モノシランにより形成した多結晶では1μmから50μm程度の範囲で制御できるが、ゲッタリングサイトとして効率よく機能するためには、小粒径であることが好ましく、1〜500μmの範囲が好適である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、半導体基板としてP型多結晶シリコン基板を作製し、これに太陽電池セルを形成する場合を例として説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0022】
本発明者等は、多結晶棒の製造に始まり太陽電池セルの製造に至るまで、要求される技術について調査し、鋭意研究を重ねて諸条件を確立し、本発明を完成させた。
【0023】
その結果、下記のような理由から、従来のCZ法等の結晶成長方法を省略し、多結晶棒から直接ウエーハを得て、この多結晶ウエーハの表面の一部のみを改質して粒径を操作することにより、太陽電池セルの形成に極めて有用な半導体基板を得ることを発想し、本発明を完成するに到ったものである。
【0024】
(1) 太陽電池に使用される半導体基板の領域は、通常表面から100〜200μm程度の深さである。従って、すなわち、少なくともこの領域だけでも結晶性を向上させておけば、太陽電池として有効であり、必ずしもウエーハ全体が単結晶である必要はない。
(2) ゲッタリングにはIGに限らず、粒径サイズの小さい多結晶によるEGの手法も有効である。すなわち、EGが低コストで使用できるならば、結晶中に格子間酸素を必要とするIGは不要である。
(3) 多結晶の粒界は溶融・凝固により容易に大粒径化するから、多結晶基板の表面のみ大粒径化すれば素子の光電変換効率を向上させることができると考えられる。
(4) 多結晶原料には酸素が殆ど含まれていない。従って、酸素とボロンの相互作用による光電変換効率の劣化は生じない。
(5) 多結晶原料の製造中に容易にドーパントのドーピングが可能であり、P型基板の場合、通常用いられているボロンをドーパントとして使用することができる。
【0025】
以下、半導体多結晶棒の育成、半導体基板の製造、太陽電池セルの形成の順に本発明の実施の形態について説明する。
(A) 半導体多結晶棒の育成工程は、半導体シリコンの場合には、トリクロロシランやモノシランといった原料シランガスを水素還元することによって、種結晶棒の周囲にシリコンを堆積させる方法が一般的であり、この点は本発明における多結晶棒の育成も従来の一般的な方法を採用すればよい。
この場合、本発明では原料となる多結晶棒育成時に、例えばジボランガス等のガスを導入することによりボロン等のドーパントをドープしながら堆積を行う。
従来のノンドープの多結晶棒は、FZ法においてはそのまま原料多結晶となり、またCZ法においては結晶塊にして結晶原料となる。そして、ドーパントは、単結晶育成時にドープされるが、本発明では原料多結晶棒に直接ドープする。
【0026】
尚、後工程のゾーンメルトリクリスタライゼーションにおいて、より大きい粒径に改質するためには、成長したままの多結晶棒の粒径がある程度大きい方が有利である。都合の良いことに、粒径の大きい多結晶棒を成長させるためには、多結晶の堆積速度を速くすることが有効であり、これにより多結晶棒の生産性を高める効果も得られる。
【0027】
(B) 多結晶棒から基板(ウエーハ)を製造する工程は、従来の半導体単結晶ウエーハ製造工程で使用されている技術と同様にすることができ、例えば内周辺スライサーやワイヤーソー等を用いて多結晶棒からウエーハをスライスすれば良い。スライスする厚さは400〜700μm程度とすれば良いが、太陽電池セルで所望とされる厚さに応じてスライスする厚さの設定を変えることができる。また、ウエーハスライス工程に先立ち、多結晶棒を円筒研削して直径を揃えておくのが好ましい。また、ウエーハの割れ、欠けを防止するために、スライス後のウエーハの外周は面取りしておくことが好ましい。
【0028】
(C) ゾーンメルトリクリスタライゼーション工程は、上記多結晶ウエーハの表層から100〜400μm程度の深さまでを、レーザー照射や高周波誘導加熱装置によりスキャンして溶融・凝固させ、粒径の大きい、少なくとも1mm以上の大粒径の多結晶層に改質させる工程である。このスキャニングを繰り返すことにより、粒径が大きくなり、大面積の単結晶層を形成することも可能である。この場合、ウエーハの深さ方向全体を融かさないように、ウエーハ裏面を冷却したステージに熱的に接触させておき、多結晶の粒径サイズ1〜500μmを維持できることが好ましい。また、初期の粒径サイズについては、前述したように表面側を大粒径化し裏面側を小粒径とすることを考慮すると数十(20ないし30)μm〜400μmがより好ましい。
【0029】
図1は、ゾーンメルトリクリスタライゼーション装置を用いて多結晶ウエーハの表層を所望の深さまでゾーンメルトリクリスタライゼーションしている状況を示している。
このゾーンメルトリクリスタライゼーション法は、図1に示したように、冷却装置を具備したステージ6の上に多結晶ウエーハ1を載置し、レーザー照射装置4からレーザー光5を多結晶ウエーハ1の表面に直接照射し、所望の深さまで溶融して融液3とし、レーザー光5をスキャンして融液層を拡張して行く。一方、一度溶融した融液層は冷却されて再凝固層2を形成し、粒径の大きい多結晶層に改質されるというものである。
【0030】
ゾーンメルトリクリスタライゼーション法の詳細については、例えば、「MATERIALS LETTERS Volume 1,Number 1,p33,June,1982、 IEEE ELECTRON DEVICE LETTERS, VOL.EDL−2,No.10,October,1981,p241」に記載されている。この文献では、シリコン単結晶上に絶縁膜とポリシリコンと最上層に絶縁膜を順次形成された試料にレーザ光を照射し、ポリシリコンを単結晶化する技術が紹介されている。
【0031】
(D) 本発明における太陽電池セル形成工程は、上記半導体基板を出発材料として、ゾーンメルトリクリスタライゼーションした面側から太陽光を受光するように太陽電池セルを形成し、太陽電池セル形成工程における少なくとも裏面に電極を形成する工程よりも以前の工程で、裏面の少なくとも不純物がゲッタリングされた層、100〜400μmを除去することを特徴としている。
【0032】
太陽電池セルの形成工程は、通常行われている方法を採用することができるが、本発明では、ゾーンメルトリクリスタライゼーションした面が受光面となるようにして、太陽電池セルを形成する。例えば、ゾーンメルトリクリスタライゼーションしたP型のウエーハに、リンドープ工程(n++層の形成)、熱酸化工程(マスク用酸化膜の形成)、表面電極パターン形成工程、選択的n++部形成工程、リンドープ工程(再度n++層の形成)、パッシベーション酸化膜形成工程、SiN反射防止膜形成工程、Alドープ工程(p+ 層の形成)、表面電極形成工程、裏面ゲッタリング層除去工程、裏面電極形成工程等を施して太陽電池セルを完成させることができる。
【0033】
本発明においては、太陽電池セル形成工程中の金属不純物は裏面の小粒径の多結晶層に効果的にEGされる。従って、最後の裏面電極形成工程直前の工程でこの多結晶層を研磨あるいはエッチング処理等により除去する。これにより、上記多結晶層にゲッタリングされていた金属不純物も共に除去されるので、後工程の裏面電極形成工程で電極を基板になじませるシンタリング(400〜600℃程度)において、金属不純物が再防出されてPN接合領域が金属不純物で汚染される等の不具合が発生することを防止することができる。また、電極のオーミックコンタクトを得るためにも除去した方が良い。
【0034】
【実施例】
以下、本発明の実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
原料シランガス(HSiCl3 )を約1100℃で水素還元して種結晶棒の周囲に多結晶シリコンを堆積させて、直径132mm、長さ1500mmの多結晶棒を育成した。この時多結晶中のボロン濃度が2×1016atoms/cm3 となるようにジボランガス流量を調節して、シランガスとともに成長炉に導入した。育成したままの多結晶棒の横断面を観察したところ、粒径の平均サイズは約380μmであった。また、赤外線吸収測定法によって多結晶中の酸素濃度を測定したが、検出限界以下であった。
【0035】
次に、多結晶棒の直径が130mmになるように円筒研削を行った後、ワイヤーソーを用いてウエーハ厚さが600μmとなるようにしてスライスした。得られたウエーハの外周部は面取り処理を行った。
【0036】
次いで、図1に示したゾーンメルトリクリスタライゼーション装置を用いて、多結晶ウエーハの表層約300μmを溶融・凝固させた。再凝固した粒径の平均サイズは30mmであった。
【0037】
次にゾーンメルトリクリスタライゼーションされた面を受光面として、リンドープ工程(PN接合の形成)、パッシベーション酸化膜形成工程、反射防止膜形成工程、Alドープ工程(p+ 層(裏面電解層)の形成)、表面電極形成工程、裏面電極形成工程等を施して太陽電池セルの形成を行った。そして、最終的に裏面に電極を形成する前に、裏面の多結晶層を約300μm研磨除去した。その後、裏面電極を形成し、太陽電池セルを完成させた。光電変換効率を測定したところ、14.5%と良好であり、経時変化も見られなかった。
【0038】
尚、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。上記の実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様の作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0039】
例えば、上記では多結晶ウエーハの表面を一度ゾーンメルトリクリスタライゼーションする場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれには限定されず、ゾーンメルトリクリスタライゼーションを繰り返し、表面をほぼ単結晶化してから太陽電池セルを形成するようにしても良い。
【0040】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の太陽電池セルの製造方法によれば、CZ法等の大型の結晶成長装置を用いることもなく、高品質の太陽電池用半導体基板および太陽電池セルを低コストで製造することが可能となる。また、PN接合領域が金属不純物で汚染されるのを防止でき、しかも、多結晶基板には酸素が含まれていないので、ドーパントとしてドープするボロンと酸素が結合することによる光電変換効率が低下する恐れの全くない高品質の太陽電池セルを供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゾーンメルトリクリスタライゼーション法の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…多結晶ウエーハ、 2…再凝固層、 3…融液、
4…レーザー照射装置、 5…レーザー光、 6…ステージ。

Claims (4)

  1. 半導体基板を製造する方法において、少なくとも半導体原料に所望のドーパント不純物をドープして成長させた多結晶棒をスライスして多結晶ウエーハを作製する工程と、前記多結晶ウエーハの片側の表面から所望の深さまでをゾーンメルトリクリスタライゼーション法により結晶粒の大粒径化あるいは単結晶化させる工程とを有することを特徴とする半導体基板の製造方法。
  2. 請求項1の方法により製造された半導体基板を出発材料としてゾーンメルトリクリスタライゼーションした面側から太陽光を受光するように太陽電池セルを形成し、前記太陽電池セル形成工程における少なくとも裏面に電極を形成する工程よりも以前の工程で、前記裏面の少なくとも不純物がゲッタリングされた層を除去することを特徴とする太陽電池セルの製造方法。
  3. 請求項1に記載の方法によって製造されたことを特徴とする半導体基板。
  4. 請求項2に記載の方法によって製造されたことを特徴とする太陽電池セル。
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