JP2007173528A - 結晶半導体粒子の製造方法および光電変換装置ならびに光発電装置 - Google Patents

結晶半導体粒子の製造方法および光電変換装置ならびに光発電装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 高品質な結晶シリコン粒子を安定して作製でき、量産性や低コスト性に優れた光電変換装置や光発電装置を提供することである。
【解決手段】 上面に複数個の半導体粒子101を載置した台板102を加熱炉内に導入し、半導体粒子101を加熱して溶融した半導体粒子101を台板102側から上方に向けて固化させる工程において、降温工程で表層に応力歪を形成しアニール処理工程を行うことで結晶半導体粒子101とする結晶半導体粒子101の製造方法であり、該製造方法により製造された光電変換効率特性に優れた高品質な結晶シリコン粒子101を用いた光電変換装置である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、特に太陽電池のような光電変換装置ならびに光発電装置に用いる好適な結晶半導体粒子の製造方法、およびその製造方法によって製造された結晶半導体粒子を用いた光電変換装置、ならびに光発電装置に関する。
従来より、光電変換装置は、性能面での効率の良さ、資源の有限性への配慮、あるいは製造コストの低さ等といった市場ニーズを捉えて開発が進められている。今後の市場において有望な光電変換装置の一つとして、太陽電池として使用される、半導体粒子を用いた光電変換装置がある。
半導体粒子、例えばシリコン粒子を作製するための原料としては、単結晶シリコンを粉砕した結果として発生するシリコンの微小粒子や、流動床法で気相合成された高純度シリコン等が用いられている。これらの原料からシリコン粒子を作製するには、それら原料をサイズあるいは重量によって分別した後に、赤外線や高周波を用いて容器内で溶融し、その後に自由落下させる方法(例えば、特許文献1および特許文献2を参照。)や、同じく高周波プラズマを用いる方法(例えば、特許文献3を参照。)によって粒子化することが行なわれる。
しかしながら、これらの方法で製造されたシリコン粒子は、そのほとんどが多結晶体である。多結晶体は、微小な結晶の集合体であるため、それら微小な結晶間に粒界が存在する。この粒界は、多結晶体を用いた半導体装置の電気特性を劣化させる。その理由は、粒界にはキャリアの再結合中心が集まっており、それによってキャリアの再結合が生ずることで少数キャリアのライフタイムが大幅に低減してしまうためである。
光電変換装置のように電気特性が少数キャリアの寿命の増大とともに大幅に向上する半導体装置の場合には、それに用いられるシリコン粒子中の粒界の存在は、電気特性を悪化させてしまい、特に大きな問題となる。逆に言えば、シリコン粒子を多結晶体から単結晶体にできれば、このシリコン粒子を光電変換素子に用いた光電変換装置の電気特性を著しく改善することができる。
また、多結晶体中の粒界は多結晶体のシリコン粒子の機械的強度を低下させることから、光電変換装置を製造する各工程の熱履歴や熱歪み、あるいは機械的な圧力等によってシリコン粒子が破壊されやすいという問題もあった。
従って、シリコン粒子を用いて光電変換装置を製造する場合には、粒界等が存在しない、結晶性に優れた多結晶体または単結晶体からなる結晶シリコン粒子を製造することが必要不可欠となる。
そのような結晶性に優れた単結晶体からなる結晶シリコン粒子を得る方法として、多結晶シリコンまたは無定形シリコンの表面上にシリコンの酸化膜等の珪素化合物被膜を形成し、その珪素化合物被膜の内側のシリコンを溶融した後に冷却して固化させて、結晶性に優れた多結晶体または単結晶体からなる結晶シリコン粒子を製造する方法が知られている(例えば、特許文献4を参照。)。
国際公開第99/22048号パンフレット 米国特許第4188177号明細書 特開平5−78115号公報 米国特許第4430150号明細書
しかしながら、シリコン粒子を加熱してその表面に形成された珪素化合物被膜、具体的には酸化シリコン被膜の内側でシリコンを溶融させ、その後に凝固させた場合には、CZ(チョクラルスキー)法やFZ(フローティングゾーン)法のような一般的なバルクのシリコン単結晶を育成する際の種結晶のような凝固起点がないため、一方向に凝固が起こらず多数核の発生による多結晶化が起こることが問題となる。この結晶シリコン粒子の多結晶化は上記のように様々な問題を生じ、その結晶シリコン粒子を光電変換素子に用いる光電変換装置の特性劣化を引き起こしてしまうという問題点がある。
また、結晶シリコン粒子の製造にあたって流動床法により気相合成された高純度シリコン等の多結晶体を原料に用いた場合には、多結晶シリコン中に含まれる出発原料や製造工程中からの混入を主原因とする鉄やニッケル等の金属不純物による汚染が問題となる。金属不純物はシリコン中では化学的な結合手を持たない格子間拡散をすることから、シリコン格子の隙間を縫って不純物原子が拡散する。そして、この拡散した金属不純物はシリコン内で深い準位を形成してキャリアの再結合中心として作用し、リーク電流の増加やライフタイムの低下の原因となって光劣化を引き起こす。
すなわち、従来の結晶シリコン粒子の製造方法では所望の高品質な結晶シリコン粒子を作製することが困難であり、それによって得られた結晶シリコン粒子を用いて電気特性に優れた光電変換装置を作製するための製造方法としては不向きなものであるという問題点がある状況であった。
本発明の課題は、多結晶シリコンのような半導体粒子を安定して高効率に結晶化するとともに高い結晶性を持った結晶シリコン粒子を低コストで製造することができる結晶半導体粒子の製造方法を提供することである。さらに、その結晶半導体粒子の製造方法によって製造された結晶半導体粒子を用いた、電気特性に優れた良好な光電変換装置ならびに光発電装置を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、溶融した半導体粒子を固化させる際に、該半導体粒子の載置された台板側から上方に向けて固化させて結晶化させた後に前記結晶半導体粒子の表層に応力歪が発生する温度勾配で降温させ、その後前記結晶半導体粒子にアニール処理を施し、前記表層を除去する結晶半導体粒子の製造方法を用いることにより、結晶半導体粒子を安定して高効率に結晶化するとともに高い結晶性を持った結晶半導体粒子を低コストで製造できることを見出して、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明における結晶半導体粒子の製造方法および光電変換装置ならびに光発電装置は、以下の構成を有する。
(1)上面に複数個の半導体粒子を載置した台板を加熱炉内に導入し、前記半導体粒子を加熱して溶融させた後に降温して、溶融した前記半導体粒子を結晶化させる結晶半導体粒子の製造方法であって、前記半導体粒子を固化させる際に、前記台板側から上方に向けて固化させて結晶化させた後に前記結晶半導体粒子の表層に応力歪が発生する温度勾配で降温させ、その後前記結晶半導体粒子にアニール処理を施し、前記表層を除去することを特徴とする結晶半導体粒子の製造方法。
(2)上面に複数個の半導体粒子を載置した台板を加熱炉内に導入し、前記半導体粒子を加熱して溶融させた後に降温して、溶融した前記半導体粒子を前記台板側から上方に向けて固化させて結晶化させた後に温度の異なる複数回のアニール処理を施す結晶半導体粒子の製造方法であって、前記各アニール処理の間に前記結晶半導体粒子の表層に応力歪が発生する温度勾配の降温工程があることを特徴とする結晶半導体粒子の製造方法。
(3)前記降温工程の温度勾配が前記アニール処理の温度勾配よりも大きいことを特徴とする(2)に記載の結晶半導体粒子の製造方法。
(4)基板上に一導電型を呈する半導体粒子を多数配設し、前記半導体粒子の間に絶縁体を配設し、前記半導体粒子上に逆導電型を呈する半導体層を設けた光電変換装置であって、前記半導体粒子は、(1)〜(3)のいずれか記載の結晶半導体粒子の製造方法によって製造されたものであることを特徴とする光電変換装置。
(5)(4)に記載の光電変換装置を発電手段として用い、該発電手段の発電電力を負荷へ供給するように成した光発電装置。
上記(1)によれば、半導体粒子を加熱して溶融させた後に降温して結晶化する際、凝固起点を半導体粒子と台板との接触部分に設定して、そこから半導体粒子の上方に向けて結晶化を進めさせることができるため、種結晶を用いなくとも結晶半導体粒子を一方向に徐々に凝固させることが可能となり、結晶半導体粒子の結晶性を大幅に向上させることができる。固化させる際に半導体材料に対する偏析係数が1よりも小さい不純物については固化の終端部に偏析させることができる。また、半導体粒子を固化させる際に前記結晶半導体粒子の表層に応力歪が発生する温度勾配で降温させ、その後前記結晶半導体粒子にアニール処理を施すことから、金属不純物等を応力歪が発生した表層にゲッタリングさせることができる。そして、結晶半導体粒子の表層部分をエッチング等で除去することによって、金属不純物の含有量を低減させることができ、高品質の結晶半導体粒子を得ることができる。
また、上記(2)によれば、上面に多数個の半導体粒子を載置した台板を加熱炉内に導入し、前記半導体粒子を加熱して溶融させた後に降温して、溶融した前記半導体粒子を前記台板側から上方に向けて固化させて結晶化させた後に温度の異なる複数回のアニール処理を施すことから、降温時にその表層に応力歪を複数形成することができ、アニール処理中に応力歪の形成された部分に一度ゲッタリングされた金属不純物で再溶解してしまった金属不純物を再ゲッタリングできるため、金属不純物のゲッタリング効果をより高めることができる。
さらに、上記(3)によれば、前記降温工程の温度勾配が前記アニール処理の温度勾配よりも大きいことから、表層に温度勾配に起因した応力歪が形成されやすく、アニール処理中の温度勾配は降温工程よりも小さいため金属不純物等は表層に発生した応力歪の方に固相拡散しやすくなりゲッタリング効果を高めることができる。したがって、得られた結晶半導体粒子の表層部分をエッチング等で除去することによって金属不純物等の不純物濃度が大幅に低減化された高品質な結晶シリコン粒子を製造することができる。
また、本発明の光電変換装置は、上記(4)によれば、結晶半導体粒子が上記(1)〜(3)のいずれかの構成の本発明の結晶半導体粒子の製造方法によって製造されたものであることから、電気特性に優れた高品質の結晶シリコン粒子であり、また、加熱炉での処理用の石英製の台板を多段に積層し、かつ台板上にシリコン粒子を高密度に配置することにより、安価に量産性よく製造することもできるため、光電変換素子として使用する結晶シリコン粒子に用いるシリコン材料を効率的に利用できるので、光電変換装置の高効率化および信頼性ならびに生産性の向上を図ることができる。
そして、本発明の光発電装置は、上記(5)によれば、上記の本発明の光電変換装置を発電手段として用い、この発電手段の発電電力を負荷へ供給するように成したことによって、高効率で信頼性が高い本発明の光電変換装置によって発電能力が向上し、長期間にわたって安定に信頼性を確保することができる。
以上により、本発明の結晶半導体粒子の製造方法によれば、多数個の結晶半導体粒子を安定して効率よく結晶化することができるとともに高い結晶性を持った結晶半導体粒子を容易に量産することができるので、これを用いることにより、光電変換特性に優れた良好な光電変換装置およびそれを用いた光発電装置を提供することができる。
以下、本発明の結晶半導体粒子の製造方法について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1(a)〜(e)はそれぞれ本発明の結晶半導体粒子の製造方法の実施の形態の一例における概略の様子を示す工程毎の縦断面図である。図1において、101は半導体粒子または結晶半導体粒子(シリコン粒子または結晶シリコン粒子)、102は台板であり、103は固化起点(一方の極)を示している。また、101aは半導体粒子(結晶半導体粒子)の表層に形成された応力歪を示している。
(結晶シリコン粒子)
以下の実施の形態の例では、半導体材料としてシリコンを用いた例について説明する。
まず、半導体材料として半導体グレードの結晶シリコンを用い、これを赤外線や高周波コイルを用いて容器内で溶融し、しかる後に溶融したシリコンを粒状の融液として自由落下させる溶融落下法等によって多結晶のシリコン粒子101を得る。
溶融落下法で作製された多結晶のシリコン粒子101には、所望の導電型および抵抗値にするために、通常はドーパントがドーピングされる。シリコンに対するドーパントとしては、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、リン、ヒ素、アンチモンがあるが、シリコンに対する偏析係数が大きい点やシリコン溶融時の蒸発係数が小さい点からは、ホウ素あるいはリンを用いることが望ましい。また、ドーパント濃度としては、シリコンの結晶材料に1×1014〜1×1018atoms/cm3程度添加される。
この溶融落下法によってシリコン粒子101を得た時点では、シリコン粒子101の形状は、ほぼ球形状のものの他にも涙滴型や流線形型、あるいは複数個の粒子が連結した連結型等である。このままの多結晶のシリコン粒子101を用いて光電変換装置を作製した場合は、良好な光電変換特性を得られないものとなる。この原因は、この多結晶のシリコン粒子101中に通常含有されているFe、Cr、Ni、Mo等の金属不純物による、および多結晶の結晶粒界におけるキャリアの再結合効果によるものである。これを改善するために、本発明の結晶半導体粒子101の製造方法によって、温度制御した加熱炉の中で多結晶のシリコン粒子101を再溶融させ、その後、例えば酸素・窒素雰囲気下で降温して固化させることにより作製される、不純物の含有量を非常に低く抑えた単結晶の結晶シリコン粒子101を用いる。
単結晶の結晶シリコン粒子101を作製するには、まず、図1(a)に示すように、多数個の多結晶のシリコン粒子101を台板102の上面に一層で並べて載置する。台板102上へのシリコン粒子101の載置は、一層で充填して行うのが望ましい。シリコン粒子101間にできるだけ隙間がないように充填するのが望ましいが、シリコン粒子101同士が接触していても構わない。また台板102は板状のものが望ましく、複数段に積み上げてもよい。台板102の材質は、シリコン粒子101との反応を抑えるために、石英ガラス、ムライト、酸化アルミニウム、炭化珪素、単結晶サファイヤ等が適するが、耐熱性、耐久性、耐薬品性に優れコストも安く、かつ扱い易いという点からは、石英ガラスが好適である。
また、台板102は、シリコン粒子101を溶融後に冷却し固化させて結晶化させるときの固化起点とするために用いる。このように台板102の上面に多数個のシリコン粒子101を載置することにより、それぞれのシリコン粒子101と台板102との接触部分に固化起点103を設定することができるため、この固化起点103を一方の極としてこの一方の極103から上方の対向する極に向けて固化(結晶化)方向を設定することができ、種結晶を用いることなく一方向に凝固させることが可能となり、サブグレイン等の発生を抑制して結晶シリコン粒子101の結晶性を大幅に向上させることができる。
シリコン粒子101を始めとする半導体粒子101の大きさは、通常はほぼ球状であることから、その粒子径は直径2000μm以下が望ましく、その形状が球に近いことが望ましい。ただし、半導体粒子101の形状は球状に限られるものではなく、立方体状や直方体状やその他の不定形の形状であってもよい。半導体粒子101の大きさが2000μmを超えて大きくなる場合には、シリコン粒子101ではその表面に形成される所定の珪素化合物被膜が相対的に薄くなり、またその被膜の厚さにバラツキを生じやすくなるので内側のシリコンの溶融時における半導体粒子101の形状を安定に保つことが難しくなる。またシリコンを完全に溶融させることも困難となり、その結果、溶融が不完全な場合にはサブグレインが生じ易くなるので望ましくない。他方、半導体粒子101の大きさが直径30μm未満と小さい場合には、シリコン粒子101では表面の珪素化合物被膜の厚みも薄くなるため溶融時に形状を維持することが困難となり、内側のシリコンの溶融時に隣接して配置されているシリコン粒子101同士が合体しやすくなるので望ましくない。従って、半導体粒子101の大きさは30〜2000μmであることが望ましく、これによって半導体粒子101同士の合体を抑制し、また半導体粒子101の形状を安定に維持して、サブグレインの発生がない球形状で良質な結晶シリコン粒子101を安定して作製することができる。
次に、図1(b)に示すように、シリコン粒子101を載置した台板102を加熱炉(図示せず)内に導入し、シリコン粒子101を加熱していくことにより、シリコン粒子101を溶融させる。加熱炉としては、半導体材料の種類に応じて種々のものが使用できるが、半導体材料としてシリコンを用いる場合であれば、セラミックスの焼成等に用いられる抵抗加熱型や誘導加熱型の雰囲気焼成炉あるいは半導体素子の製造工程で一般的に用いられる横型酸化炉等が適している。セラミックスの焼成等に用いられる抵抗加熱型の雰囲気焼成炉は、1500℃以上の昇温も比較的容易であり、結晶半導体粒子101の量産が可能な大型のものも比較的安価に入手できるので望ましい。
雰囲気焼成炉による加熱を行なう前には、シリコン粒子101の表面に付着した金属や異物等を除去するためにRCA法であらかじめ溶液洗浄をしておくことが望ましい。RCA洗浄法とは、シリコンウェーハの標準的洗浄工程として半導体素子の製造工程で一般的に用いられている洗浄方法であり、3段の工程のうち1段目の工程において水酸化アンモニウムと過酸化水素との水溶液により酸化膜とシリコン表面とを除去し、2段目の工程においてフッ化水素水溶液により前段の工程で付いた酸化膜を除去し、3段目の工程において塩化水素と過酸化水素との水溶液により重金属等を除去して自然酸化膜を形成させるというものである。
また、加熱炉内における炉材や発熱体等からの汚染を防止するためには台板102上に載置したシリコン粒子101を覆うようなベルジャーを加熱炉内に設置することが望ましい。ベルジャーの材質は石英ガラス,ムライト,酸化アルミニウム,炭化珪素,単結晶サファイヤ等が適するが、耐熱性、耐久性、耐薬品性に優れコストも安く扱い易いという点からは、石英ガラスが好適である。
なお、シリコン粒子101の表面への有機物等の再付着汚染を防止するために、ベルジャー内は不活性ガス雰囲気で充分にガス置換されていることが望ましい。不活性ガスとしてはアルゴン,窒素,ヘリウム,水素が適するが、コストが低いという点や扱い易いという点からは、アルゴンあるいは窒素が好適である。
(珪素化合物被膜)
加熱炉内でシリコン粒子101を酸素ガスと窒素ガスとから成る反応性ガスを導入しながら加熱して、シリコンの融点より高い温度へ昇温していく過程で、シリコン粒子101の表面には珪素化合物被膜が形成される。
シリコン粒子101の表面に形成される珪素化合物被膜については、シリコンの酸化膜もしくは酸窒化膜が適するが、被膜の密度が高くて単位膜厚当りの強度が高く、汚染物や不純物等のシリコン粒子101の内部への拡散阻止力が大きいという点からは、シリコンの酸窒化膜が形成されることが好適である。
また、シリコン粒子101の表面にこの酸窒化膜を形成する際の反応性ガスによる加熱炉内の雰囲気は、酸素分圧および窒素分圧がそれぞれ0.5%以上であることが望ましい。雰囲気ガス中の酸素分圧あるいは窒素分圧が0.5%未満の場合は、内部を結晶化するシリコン粒子101の表面に形成される酸窒化膜の形成が不十分となって、珪素化合物被膜に亀裂が発生しやすくなり望ましくない。
なお、加熱炉内の雰囲気ガス中の各ガス分圧は、全ガス流量に対する各ガス流量で調整できる。雰囲気ガスは例えばガス供給手段からガスフィルタを通してベルジャー内に供給されるが、このガス供給手段にガスを供給する装置がガス圧力とガス濃度とを調整可能な機構を持つものであればよい。
加熱炉内に導入された半導体粒子101は、その半導体材料の融点以上に、シリコン粒子101であればシリコンの融点(1414℃)以上に、好ましくは1490℃以下の温度まで加熱される。この間にシリコン粒子101において表面の珪素化合物被膜の内側のシリコンが溶融する。このとき、シリコン粒子101の表面に形成された珪素化合物被膜によって、内側のシリコンを溶融させながらもシリコン粒子101の形状を維持することが可能である。ただし、半導体粒子101の形状を安定に維持するのが困難となるような温度、例えばシリコン粒子101の場合であれば1490℃を超える温度まで昇温させた場合には、内部のシリコンの溶融時にシリコン粒子101の形状を安定に保つことが難しくなり、隣接するシリコン粒子101との合体が生じやすくなり、また台板102と融着反応しやすくなるので望ましくない。
なお、シリコン粒子101の場合は、上記の粒子径の範囲(30〜2000μm)において、その表面に形成される珪素化合物被膜の厚みは0.1μm以上であることが望ましい。厚みが0.1μm未満と薄い場合には内部のシリコンの溶融時に表面の被膜が破れやすいので望ましくない。また、厚みが0.1μm以上で必要な強度を有する珪素化合物被膜であれば、内部のシリコンがその溶融時には表面張力で球形化しようとするのに対し、上記の温度領域であれば珪素化合物被膜は充分に変形可能であるため、内部を結晶化して得られる結晶シリコン粒子101を真球に近い形状とすることができる。一方、珪素化合物被膜の厚みが50μmを超えて厚くなる場合には、珪素化合物被膜が上記の温度領域で変形しにくくなり、得られる結晶シリコン粒子101の形状が真球に近い形状になりにくいので望ましくない。従って、シリコン粒子101の場合は、上記の粒子径の範囲(30〜2000μm)に対してその表面の珪素化合物被膜の厚みは0.1μm〜50μmであることが好ましく、これによって、真球に近い良好な形状の結晶シリコン粒子101を安定して得ることができ、この結晶シリコン粒子101を光電変換素子に用いることによって変換効率に優れた光電変換装置を得ることができるようになる。
次に、図1(c)に示すように、この溶融した半導体粒子101を、シリコン粒子101では珪素化合物被膜の内側の溶融したシリコンを固化させるために融点以下の約1400℃以下の温度まで降温させて固化させる。この際、融点以下の比較的に高温領域で固化する場合には、台板102上での接触部分を固化起点(一方の極)103として上方の対向する極へ向けて一方向に徐々に固化が進行するので、固化起点103の結晶性がそのまま半導体粒子101の全体に継承されて結晶が成長するため、得られる結晶シリコン粒子101が単結晶となり、結晶性を大幅に向上させることができる。
次に、図1(d)に示すように溶融した半導体粒子101を固化させる途中で半導体粒子101に対して表層に応力歪101aが発生する温度勾配で降温させる。表層とは珪素化合物被膜内側の結晶シリコン表面付近のことであり、結晶シリコンと珪素化合物被膜の界面付近において降温時の温度勾配により熱膨張係数差から応力歪が発生したものである。降温速度は毎分1℃以上であることが望ましい。降温速度が毎分1℃以下である場合には、その後のアニール処理を行なうことによって、珪素化合物被膜と内側の結晶シリコンとの界面に発生した界面歪みが緩和除去されやすくなるので望ましくない。
(アニール処理)
次に、図1(e)に示すようにアニール処理を、例えば結晶シリコン粒子101の場合であれば700℃以上の一定温度にて30分間以上のアニール処理を行なうことが望ましい。このアニール処理を行なうことによって、固相拡散により金属不純物を結晶半導体粒子101の表層に発生した応力歪にゲッタリングすることができる。アニール処理を700℃以下の一定温度にて行った場合には温度に起因する拡散係数が小さくなり、固相拡散により金属不純物を結晶半導体粒子101の表層に発生した応力歪にゲッタリングするための時間もかかるので望ましくない。また、1000℃以下の温度では酸素析出欠陥も析出しやすくなるので望ましくない。
そして、本発明の結晶半導体粒子101の製造方法においては、以上のような、上面に多数個の半導体粒子101を載置した台板102を加熱炉内に導入し、半導体粒子101を加熱して溶融させる工程と、この溶融した半導体粒子101を台板102側の固化起点(一方の極)103から上方の対向する極に向けて固化させる工程において、図1(d)〜(e)に示すように複数回のアニール処理の間に前記結晶半導体粒子101の表層に応力歪が発生する温度勾配の降温工程があることが重要である。このように表層に応力歪を発生させる工程とアニール処理する工程とを繰り返すことによって、1回目で半導体粒子101の中央部に残存していた金属不純物やアニール処理中に応力歪から再溶解してしまった金属不純物を再ゲッタリングできるため、金属不純物のゲッタリング効果をより高めることができる。金属不純物をさらに表層の応力歪に集積させることができるので、1回目よりも高濃度に金属不純物を含有した応力歪をエッチング除去することにより、さらに純度の高い結晶半導体粒子101を得ることができる。さらに降温工程の温度勾配が前記アニール処理の温度勾配よりも大きいことから、表層に温度勾配に起因した応力歪が形成されやすく、アニール処理中の温度勾配は降温工程よりも小さいため金属不純物等は表層に発生した応力歪の方に固相拡散しやすくなりゲッタリング効果を高めることができる。
例えば、半導体材料がシリコンの場合であれば、鉄やニッケル等の金属不純物はシリコンに対する偏析係数が1よりも小さいため、溶融させたシリコン粒子101を固化させることによって固化の終端部に金属不純物を効果的に偏析させることができるが、その後の原子再配列や酸素外方拡散のためのアニール処理を行うと結晶シリコン粒子101中に再拡散しやすくなってしまう。そこで、シリコン粒子101を固化させる際に前記結晶シリコン粒子101の表層に応力歪が発生する温度勾配で降温させ、その後前記結晶シリコン粒子101にアニール処理を施すことにより偏析した金属不純物や結晶シリコン粒子101中に再拡散した金属不純物を固相拡散により表層の応力歪に効率よくゲッタリングすることができる。また、結晶化させた後に温度の異なる複数回のアニール処理を施すことや降温工程の温度勾配をアニール処理の温度勾配よりも大きくすることにより、ゲッタリングをより効果的に行うことができるため、得られた結晶シリコン粒子101の表層部分をエッチング等で除去することによって金属不純物の含有量を大幅に低減することができる。
本発明の結晶半導体粒子101の製造方法においては、半導体粒子101に対して表層に応力歪を発生させる工程とアニール処理をする工程とを繰り返すに当たっては、1回目の応力歪を発生させる工程とアニール処理をする工程を終了した後で2回目の応力歪を発生させる工程とアニール処理をする工程を繰り返しても構わないし、1回目の応力歪を発生させる工程とアニール処理をする工程を行ない、その後に室温程度まで降温させた後に再度加熱して2回目の応力歪を発生させる工程とアニール処理をする工程を繰り返しても構わない。3回目以降についても同様である。
図2は本発明の結晶半導体粒子101の製造方法における熱処理の温度処理プロファイルの例を模式的に示した線図である。図2において、横軸は時間(分)を、縦軸は温度(℃)を表わし、特性曲線(実線および点線)は結晶半導体粒子101がどのような温度を経過するかを示したものである。実線は1回目の熱処理における温度変化を示していて、室温より徐々に加熱されて半導体材料の融点以上にまで加熱されることにより、半導体粒子101が溶融される。次いで、一定時間、融点以上に保持した後、ゆっくりと温度を降下させていくと、台板102と接触しているところが固化起点103となり、上方の他方の極に向けて徐々に結晶化が進行することで、単結晶になるとともに、不純物の偏析効果により溶融部での不純物が固体中の不純物よりも多く存在することになるため、終端部(対向する極)に向けて不純物が高濃度に分布することになる。そして、半導体粒子101を固化させる際にその表層に応力歪が発生する温度勾配で降温させ、その後半導体粒子101にアニール処理を施すことによって金属不純物を応力歪にゲッタリングすることができる。
また、本発明の結晶半導体粒子101の製造方法においては、さらに点線で示すアニール処理の繰り返し工程を追加することで、金属不純物のゲッタリング効果をさらに高めることができる。つまり、1回目の応力歪を発生させる工程とアニール処理を行う工程が終了した時点より再び降温させ応力歪を発生させる工程とアニール処理を行うことでゲッタリング効果を高めることができるものである。
また、本発明の結晶半導体粒子101の製造方法においては、以上のようにして得られた結晶半導体粒子101に対して、必要に応じて表面処理等を行なってもよい。例えば、結晶シリコン粒子101に対しては、良好な結晶性の高純度の結晶シリコン粒子101とするために、表面に形成された1μm以上の珪素化合物被膜をフッ酸でエッチング除去するとよい。またここで、結晶シリコン粒子101の結晶表面の不純物濃度の高い結晶表面歪層を除去するために、フッ硝酸により厚さ1μm以上にわたって結晶シリコン粒子101の表面に対してエッチング処理を行なうことが望ましい。
結晶半導体粒子101が結晶シリコン粒子101であり、光電変換装置に用いられる場合であれば、以上に加えて、結晶シリコン粒子101の表面に微細な凹凸を形成することも有効である。その方法としては、ガスエッチング、あるいは水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ液エッチング等がある。このような表面の凹凸は、この結晶シリコン粒子101を光電変換素子に用いて光電変換装置を構成したときに、その表面の凹凸による光の乱反射によって入射光の利用効率を改善するように機能するものとなる。この表面の凹凸は大き過ぎても小さ過ぎても十分な効果が期待できず、表面の算術平均粗さRaが0.01μm〜5μmの粗面になるような凹凸とすることで、光電変換装置において光の乱反射により入射光の利用効率を良好に改善することができる。
本発明の結晶半導体粒子101の製造方法によれば、以上のようにして良好な結晶性であり、かつ不要な不純物量が低減された結晶半導体粒子101を安定して製造することができる。
(光電変換装置)
次に、本発明の光電変換装置の実施の形態の一例について、その縦断面図を図3に示す。図3において、406は結晶シリコン粒子、407は導電性基板、408は結晶シリコン粒子406と導電性基板407との接合層、409は絶縁物質、410は半導体層、411は透光性導体層、412は電極である。
本発明の結晶シリコン粒子406を用いた光電変換装置においては、導電性基板407の一主面、この例では上面に、第1導電型、例えばp型の結晶シリコン粒子406が多数個、その下部を例えば接合層408によって導電性基板407に接合され、結晶シリコン粒子406の隣接するもの同士の間に絶縁物質409を介在させるとともにそれら結晶シリコン粒子406の上部を絶縁物質409から露出させて配置されて、これら結晶シリコン粒子406に第2導電型、例えばn型の半導体層410および透光性導体層411が順次設けられた構成となっている。なお、電極412は、この光電変換装置を太陽電池として使用する際に、透光性導体層411の上に所定のパターン形状に被着形成されるものであり、例えばフィンガー電極およびバスバー電極である。
そして、本発明の光電変換装置においては、このような構成において、結晶シリコン粒子406は、上記のような本発明の結晶半導体粒子101の製造方法によって製造されたものであることを特徴とするものである。
本発明の光電変換装置によれば、このように結晶シリコン粒子406が本発明の結晶半導体粒子101の製造方法によって製造されたものであることから、不純物濃度が極めて低い高品質のシリコン材料を得ることができるので、高い光電変換効率を得るために重要な因子となる少数キャリア寿命を向上させることができ、光電変換装置の形成材料として好ましい結晶シリコン粒子406を得ることができる。
(結晶シリコン粒子)
次に、この本発明の光電変換装置における結晶シリコン粒子406を前述の結晶シリコン粒子101の製造方法と同様に製造する。
結晶シリコン粒子406の出発原料として用いるシリコン粒子101は、所望の抵抗値になるように第1導電型のドーパントとしてp型の半導体不純物がドーピングされていることが望ましい。p型ドーパントとしては前述のようにホウ素、アルミニウム、ガリウム等が望ましく、その添加量は1×1014〜1×1018atoms/cm3が望ましい。以上の本発明の結晶半導体粒子101の製造方法によって製造された結晶シリコン粒子101(406)は、本発明の光電変換装置を作製するために使用される。そして、この光電変換装置を発電手段として用い、この発電手段からの発電電力を負荷に供給するように成した光発電装置とすることができる。
図3に示した例は、以上のようにして得られた結晶シリコン粒子406を用いて作製されたものである。この光電変換装置を得るには、まず、結晶シリコン粒子406の表面に形成された珪素化合物被膜をフッ酸でエッチング除去する。このとき除去される珪素化合物被膜の厚みは径方向で1μm以上である。さらに、珪素化合物被膜と結晶シリコン粒子406との界面歪みや結晶シリコン粒子406の表面に偏析されたp型ドーパントや酸素、炭素や金属等の不純物を除去するために、結晶シリコン粒子406の表面をフッ硝酸等でエッチング除去しても構わない。その際に除去される結晶シリコン粒子406の表面層の厚みは、径方向で100μm以下であることが望ましい。
次に、導電性基板407の上に結晶シリコン粒子406を多数個配置する。そして、これを還元雰囲気中にて全体的に加熱して生じた接合層408を介して結晶シリコン粒子406を導電性基板407に接合させる。なお、この接合層408は、例えばアルミニウムとシリコンとの合金である。
このとき、導電性基板407をその表面にアルミニウムを少なくとも含む金属基板とすることにより、低温で結晶シリコン粒子406を接合することができ、軽量かつ低価格の光電変換装置を提供することができる。また、導電性基板407の表面を粗面にすることにより、導電性基板407の表面まで到達する非受光領域の入射光の反射をランダムにすることができ、入射した光を斜めに反射させてモジュール表面へ再反射させることができ、これを結晶シリコン粒子406の光電変換部でさらに光電変換することにより、入射光を有効に利用することができる。
次に、接合された結晶シリコン粒子406の隣接するもの同士の間に介在するように、導電性基板407上に絶縁物質409を、これら結晶シリコン粒子406の上部、少なくとも天頂部を絶縁物質409から露出させて配置する。
ここで、隣接する結晶シリコン粒子406同士の間の絶縁物質409の表面形状を、結晶シリコン粒子406側が高くなっている凹形状をしているものとすることにより、絶縁物質409とこの上を被って付与される光電変換モジュールの封止樹脂との屈折率の差により、光電変換材料としての結晶シリコン粒子406のない非受光領域における、結晶シリコン粒子406への入射光の乱反射を促進することができる。
次に、これら結晶シリコン粒子406の露出した上部に第2導電型、例えばn型の半導体層410および透光性導体層411を設ける。n型の半導体層410は、アモルファスまたは多結晶の半導体層410を成膜することにより、あるいは熱拡散等により半導体層410を形成することにより設けられる。このとき、結晶シリコン粒子406はp型であるので、半導体層410であるシリコン層はn型の半導体層410とする。さらに、その半導体層410の上に透光性導体層411を形成する。そして、太陽電池として所望の電力を取り出すために所定のパターン形状に銀ペースト等を塗布して、グリッド電極あるいはフィンガー電極およびバスバー電極等の電極412を形成する。このようにして、導電性基板407を一方の電極にし、電極412をもう一方の電極とすることにより、太陽電池としての光電変換装置が得られる。
なお、第2導電型の半導体層410を形成するには、結晶シリコン粒子406の導電性基板407への接合に先立って、結晶シリコン粒子406の表面に工程コストの低い熱拡散法により形成してもよい。この場合は、例えば、第2導電型のドーパントとして、第1導電型がp型の場合はn型としてV族のP,As,Sb等を、第1導電型がn型の場合はp型としてIII族のB,Al,Ga等を用い、石英からなる拡散炉に結晶シリコン粒子406を収容し、ドーパントを導入しながら加熱して結晶シリコン粒子406の表面に第2導電型の半導体層410を形成する。
以上のような本発明の光電変換装置によれば、金属不純物をゲッタリング効果により濃度低減化できるので、金属不純物の少ない高品質化された多数個の結晶シリコン粒子406を量産性よく製造でき、光電変換装置に使用するシリコン材料を効率的に利用できると同時に、高品質な結晶シリコン粒子406であることによって光電変換装置の高効率化および信頼性ならびに生産性の向上を図ることができ、高効率で低コストの光電変換装置を提供することができる。
そして、本発明の光発電装置によれば、上記の本発明の光電変換装置を発電手段として用い、この発電手段の発電電力を負荷へ供給するように成したことによって、高効率で信頼性が高い本発明の光電変換装置によって発電能力が向上し、長期間にわたって安定に信頼性を確保することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明の結晶半導体粒子406の製造方法および光電変換装置を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
本発明の結晶半導体粒子101の製造方法およびこれによって製造した結晶シリコン粒子406を用いた光電変換装置について具体例を作製工程に沿って説明する。
ホウ素濃度が1.0×1016atoms/cm3であり、平均粒子径が約500μmの結晶シリコン粒子101を石英ガラス製の台板102上に一層に多数個載置し、加熱炉であるアルゴン不活性ガス雰囲気で満たされた雰囲気焼成炉の内部に設置した石英ガラス製のベルジャー内に収容して酸素ガスと窒素ガスとの反応ガスをガス供給手段から導入しながら加熱し、シリコンの融点以上の1440℃まで加熱し3分間保持して表面のシリコン酸窒化被膜の内側のシリコンを溶融させた後、降温速度を毎分4℃として冷却させながら、固化起点(一方の極)103から上方の他方の極に向かって固化させた。その後、さらに1300℃まで降温させてからアルゴン不活性ガスを導入しながら120分間のアニール処理を行なった。そしてアニール処理後に室温付近まで降温させ、本発明の結晶半導体粒子101の製造方法によって結晶シリコン粒子101を作製した。
このとき、結晶シリコン粒子101の表面にシリコンの酸窒化膜を形成する際の加熱炉内の酸素ガスおよび窒素ガスの全ガス流量に対する分圧はそれぞれ20%および80%とし、全ガス流量に対する酸素ガスおよび窒素ガスの流量で調整し、また、降温速度は、炉内温度を台板102の近くに設置した熱電対で測定するとともに発熱体への入力電力を制御することにより調整した。
回収した結晶シリコン粒子101の表面に形成されたシリコンの酸窒化被膜をフッ酸にて除去し、所定の厚さ(20μm)までフッ硝酸で結晶シリコン粒子101の表面を深さ方向にエッチング除去した。
この結晶シリコン粒子101を石英製ボートに載せて、900℃に制御された石英管の中に導入し、POCl3ガスを窒素でバブリングさせて石英管に送り込み、30分で結晶シリコン粒子101(406)の表面におよそ1μmの厚さのn型の半導体層410を形成し、その後、フッ酸にて表面の酸窒化膜を除去した。
次に、図3に示すように、導電性基板407として50mm×50mm×厚さ0.3mmのアルミニウム基板を用い、この上面にこの結晶シリコン粒子406を最密充填に配置した後、アルミニウムとシリコンとの共晶温度である577℃を超える600℃で、5%の水素を含む窒素の還元雰囲気炉中で加熱して、多数個の結晶シリコン粒子406の下部を導電性基板407と接合させた。このとき、結晶シリコン粒子406が導電性基板407のアルミニウムと接触している部分ではアルミニウムとシリコンとの共晶から成る接合層408が形成されており、強い接着強度を呈していた。
さらに、この上から結晶シリコン粒子406同士の間にそれらの上部を露出させてポリイミドから成る絶縁物質409を塗布乾燥し、下部電極となる導電性基板407と、上部電極となる透光性導体層411とを電気的に絶縁分離するようにした。
この上に上部電極膜としての透光性導体層411を、スパッタリング法によって全面に約100nmの厚みで形成した。
最後に、銀ペーストをディスペンサーでグリッド状にパターン形成して、フィンガー電極およびバスバー電極からなる電極412を形成し、本発明にかかる光電変換装置を作製した。なお、この銀ペーストのパターンは、大気中500℃で焼成を行なった。
本発明の実施例1においては、上記したように、図1に示した本発明にかかる結晶シリコン粒子101の表層に応力歪を発生させる工程とアニール処理を行う工程を1回としたもので、温度プロファイルは図3の実線に示すプロファイルに従った時間−温度とした。すなわち、結晶シリコン粒子101を石英製の台板102上に載置し(図1(a))、アルゴン不活性ガス雰囲気の加熱炉に導入しながら加熱し、溶融温度を超える1440℃で3分間保持して溶融させた(図1(b))。次に、毎分4℃の降温速度で固化させ、1300℃まで降温させた(図1(c))後、1回のアニール処理(図1(e))を行なった。
実施例1と同様に1回のアニール処理(図1(e))を行った後、毎分10℃の降温速度で固化させ、1000℃まで降温させた後、その温度を保持しながらアルゴン雰囲気で60分間、2回目のアニール処理(図1(e))を行った以外は実施例1と同様にして光電変換装置を作製した。
[比較例1]
実施例1と同様に溶融温度を超える1440℃で3分間保持して溶融させた(図1(b))後に、降温速度は毎分4℃を毎分0.5℃に代えて固化させた以外は実施例1と同様にして光電変換装置を作製した。
[比較例2]
実施例1と同様に溶融温度を超える1440℃で3分間保持して溶融させた(図1(b))後に毎分4℃の降温速度で固化させ、アニール処理を行なわず室温まで降温させた以外は実施例1と同様にして光電変換装置を作製した。
(評価試験)
前記作製した実施例1,2および比較例1,2の光電変換装置について、所定の強度および所定の波長の光を照射して、電気特性を示す変換効率(単位:%)を測定した。電気特性の測定は、ソーラーシミュレータ(WACOM社製:WXS155S−10)を用いて、JIS C 8913に基づいた方法により実施した。その結果を表1に示す。
Figure 2007173528
表1に示す通り、降温速度を毎分0.5℃として作製した結晶シリコン粒子406を用いた光電変換装置(比較例1)、およびアニール処理を行なわないで作製した結晶シリコン粒子406を用いた光電変換装置(比較例2)に比べて、本発明の製造方法で作製した結晶シリコン粒子406を用いた光電変換装置(実施例1,2)は、いずれも光電変換効率が高く良好な結果であった。
なお、本発明は以上の実施形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることは何ら差し支えない。例えば、半導体粒子101を加熱して溶融させるのに加熱炉ではなく、台板102の上面に載置した半導体粒子101の上部からレーザ光等の光エネルギーを照射することで溶融させる方式を用いてもよく、その場合には、雰囲気を真空雰囲気として溶融・固化工程を繰り返すことができるので、雰囲気ガスからの酸素等の結晶半導体粒子101の内部への混入を抑制することができるものとなる。
本発明の結晶半導体粒子の製造方法の実施の形態の一例における概略の様子を示す工程毎の縦断面図である。 本発明の結晶半導体粒子の製造方法における熱処理の温度処理プロファイルの例を模式的に示す線図である。 本発明の光電変換装置の実施の形態の一例を示す縦断面図である。
符号の説明
101・・・半導体粒子又は結晶半導体粒子(シリコン粒子又は結晶シリコン粒子)
101a・・表層に形成された応力歪
102・・・台板
406・・・結晶シリコン粒子
407・・・導電性基板
408・・・接合層
409・・・絶縁物質
410・・・半導体層
411・・・透光性導体層
412・・・電極

Claims (5)

  1. 上面に複数個の半導体粒子を載置した台板を加熱炉内に導入し、前記半導体粒子を加熱して溶融させた後に降温して、溶融した前記半導体粒子を結晶化させる結晶半導体粒子の製造方法であって、
    前記半導体粒子を固化させる際に、前記台板側から上方に向けて固化させて結晶化させた後に前記結晶半導体粒子の表層に応力歪が発生する温度勾配で降温させ、その後前記結晶半導体粒子にアニール処理を施し、前記表層を除去することを特徴とする結晶半導体粒子の製造方法。
  2. 上面に複数個の半導体粒子を載置した台板を加熱炉内に導入し、前記半導体粒子を加熱して溶融させた後に降温して、溶融した前記半導体粒子を前記台板側から上方に向けて固化させて結晶化させた後に温度の異なる複数回のアニール処理を施す結晶半導体粒子の製造方法であって、前記各アニール処理の間に前記結晶半導体粒子の表層に応力歪が発生する温度勾配の降温工程があることを特徴とする結晶半導体粒子の製造方法。
  3. 前記降温工程の温度勾配が前記アニール処理の温度勾配よりも大きいことを特徴とする請求項2記載の結晶半導体粒子の製造方法。
  4. 基板上に一導電型を呈する半導体粒子を多数配設し、前記半導体粒子の間に絶縁体を配設し、前記半導体粒子上に逆導電型を呈する半導体層を設けた光電変換装置であって、前記半導体粒子は、請求項1〜3のいずれかに記載の結晶半導体粒子の製造方法によって製造されたものであることを特徴とする光電変換装置。
  5. 請求項4記載の光電変換装置を発電手段として用い、該発電手段の発電電力を負荷へ供給するように成した光発電装置。
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