JP2004161565A - 粒状シリコン結晶の製造方法 - Google Patents

粒状シリコン結晶の製造方法 Download PDF

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英義 田辺
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

【課題】粒状シリコン結晶の製造方法において、結晶性や開放電圧特性に優れた高品質な粒状シリコン結晶を安定して作製でき、量産性に優れた低コストな粒状シリコン結晶を製造する。
【解決手段】酸素ガスと窒素ガスの反応性ガスを含む雰囲気ガス中で粒状シリコンを加熱して表面に前記ガスの成分を含む珪素化合物被膜を形成して内側のシリコンを溶融させた後、降温して凝固させて結晶化する粒状シリコン結晶の製造であって、上記粒状シリコンを溶融させる前に950〜1300℃の温度で10〜180分間の熱アニールを行うことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は粒状シリコン結晶の製造方法に関し、特に太陽電池に用いる粒状シリコンを製造するのに好適な粒状シリコン結晶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
太陽電池は、性能面での効率、資源の有限性、あるいは製造コストなどといった市場ニーズを捉えて開発がされている。有望な太陽電池の一つとして、粒状シリコンを用いた太陽電池がある。
【0003】
粒状シリコンを作製するための原料としては、単結晶シリコンを粉砕した結果として発生するシリコンの微小粒子や流動床法で気相合成された高純度シリコンを用いている。それら原料をサイズあるいは重量によって分別した後に、赤外線や高周波コイルを用いて容器内で溶融し、その後に自由落下させる方法(例えば特許文献1、特許文献2参照)や、同じく高周波プラズマを用いる方法(例えば特許文献3参照)で球状化させる。
【0004】
しかしながら、これらの方法で製造された粒状シリコンはそのほとんどが多結晶体である。多結晶体は微結晶の集合体であるため微結晶間には粒界が存在する。粒界は半導体装置の電気特性を劣化させる。粒界の境界にはキャリヤの再結合中心が集まっており、再結合が生ずることで少数キャリヤの寿命が大幅に低減するためである。
【0005】
太陽電池のように電気特性が少数キャリヤの寿命の増大とともに大幅に向上する装置の場合には、シリコン中の粒界の存在は特に大きな問題となる。逆に言えば多結晶体から単結晶体にできれば太陽電池の電気特性を著しく改善できる。
【0006】
また、粒界は粒状シリコンの機械的強度を弱くすることから、太陽電池を製造する各工程の熱履歴、熱歪、あるいは機械的な圧力などで粒状シリコンが破壊されるという問題もあった。
【0007】
以上のことから、粒状シリコンで太陽電池を製造する場合、粒界などが存在しない結晶性に優れた粒状シリコン結晶の製造が必要不可欠となる。
【0008】
粒状シリコン結晶を得る方法として、多結晶シリコンまたは無定形シリコンの表面上にシリコンの酸化膜などの珪素化合物被膜を形成し、その被膜の内側のシリコンを溶融して冷却して固化させて結晶体を製造する方法が知られている(例えば特許文献4参照)。
【0009】
しかしながら、シリコン酸化被膜の内側でシリコンを溶融させるためには被膜を充分に厚くする必要がある。シリコンとシリコン酸化膜との界面に形成されているSi−O結合は非常に不安定であり、界面で歪や酸素誘起積層(OSF)欠陥が発生することを抑制できない。しかも被膜が厚くなればなるほど界面状態が劣化する。シリコンとシリコン酸化膜との界面、つまりシリコンの表面劣化は後工程で形成するpn接合部の劣化にもつながり、太陽電池の電気特性を大幅に低下させる原因となる。
【0010】
またシリコン酸化膜の膜質もシリコンが溶融した時の形状安定性や凝固後のシリコン結晶の結晶性に大きな影響を及ぼす。すなわちシリコン酸化膜の膜質が劣化すればシリコンが溶融した時に形状を安定に保つことができず、その結果凝固後のシリコン結晶中にサブグレインや転位欠陥が発生しやすくなるという問題も生ずる。シリコン酸化膜の膜質は形成時の温度や時間、雰囲気ガスのなどの各条件に依存するが、酸化膜形成前のシリコン表面の粒界密度やその存在状態、あるいは転位欠陥などの結晶性にも起因するところが大きい。従って、電気特性の優れた粒状シリコン結晶を製造するためにはより高品質な酸化シリコン膜を形成する必要があり、そのためには酸化膜を形成する前にシリコン表面付近の粒界や歪などの結晶欠陥の低減化をする必要がある。
【0011】
さらに、シリコンとシリコン酸化膜との界面状態の劣化や結晶欠陥等の増加はシリコン内部への大量の酸素拡散を促進することになり、シリコン中に大量に混入した酸素は後工程の熱履歴によって析出すると積層欠陥となるため、太陽電池の電気特性を大幅に劣化させる。
【0012】
すなわち、多数のシリコン粒子が必要な太陽電池を形成するための粒状シリコン結晶の作製工程としては不向きなものである。
【0013】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、多結晶シリコンを安定して高効率に結晶化すると同時に、高い結晶性をもった粒状シリコン結晶を低コストで製造する方法を提供することを目的とする。
【0014】
【特許文献1】
国際公開第99/22048号パンフレット
【特許文献2】
米国特許第4188177号明細書
【特許文献3】
特開平5−78115号公報
【特許文献4】
米国特許第290917号明細書
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る粒状シリコン結晶の製造方法では、酸素ガスと窒素ガスの反応性ガスを含む雰囲気ガス中で粒状シリコンを加熱して表面に前記ガスの成分を含む珪素化合物被膜を形成して内側のシリコンを溶融させた後、降温して凝固させて結晶化する粒状シリコン結晶の製造において、前記粒状シリコンを溶融させる前に950〜1300℃の温度で10〜180分間の熱アニールを行うことを特徴とする。
【0016】
上記粒状シリコン結晶の製造方法では、前記熱アニールを不活性ガスの雰囲気中で行うことが望ましい。
【0017】
上記粒状シリコン結晶の製造方法では、前記反応性ガスの導入開始温度が熱アニール後であることが望ましい。
【0018】
上記粒状シリコン結晶の製造方法では、前記雰囲気ガス中にアルゴンガスを含むことが望ましい。
【0019】
上記粒状シリコン結晶の製造方法では、前記珪素化合物被膜がシリコンの酸窒化膜であることが望ましい。
【0020】
上記粒状シリコン結晶の製造方法では、前記粒状シリコンの大きさが直径1200μm以下であることが望ましい。
【0021】
上記粒状シリコン結晶の製造方法では、前記粒状シリコンを石英ガラス上に載置して熱アニールすることが望ましい。
【0022】
上記粒状シリコン結晶の製造方法では、前記粒状シリコンを溶融させた後に1400℃以下の温度で所定時間保持することが望ましい。
上記粒状シリコン結晶の製造方法では、前記粒状シリコンを溶融して凝固させた後に700℃までの冷却時間を1時間以上とすることが望ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
結晶化する粒状シリコンは所望の抵抗値に半導体不純物がドープされていることが望ましい。粒径は1200μm以下が望ましく、それらの形が球に近いことが望ましい。ただし、その他の形であってもよい。粒径が1200μm以上の場合には粒状シリコンを完全に溶融させることが困難であり、完全に溶融できない場合にはサブグレインが生じ易いので望ましくない。粒状シリコンは、その表面に付着した異物や金属不純物等を除去するためにRCA洗浄法であらかじめ溶液洗浄しておくことが望ましい。RCA洗浄法とはシリコンウェーハの標準的洗浄工程として半導体で一般的に用いられている方法であり、三段の工程のうち一段目に水酸化アンモニウムと過酸化水素の水溶液により酸化膜とシリコン表面を除去し、二段目にフッ化水素水溶液により前段でついた酸化膜を除去、三段目に塩化水素と過酸化水素の水溶液により重金属等を除去し自然酸化膜を形成させる。
【0024】
次に、粒状シリコンを板状のサヤ上に密に一層で充填する。密とはできるだけ隙間がないようにという意味であり、粒同士が接触していてもよい。このサヤは粒状シリコンを溶融後に冷却させて結晶化させるときの凝固起点とするために用いる。サヤの材質は粒状シリコンとの反応を抑えるために、石英ガラス、酸化アルミニウム、炭化珪素、単結晶サファイヤなどが適するが、コストの面や扱い易さからは石英ガラスが適する。石英ガラスを用いる場合にはフッ酸溶液による洗浄を行なった後、水洗と乾燥を行なって使用する。サヤは何段に積み上げてもよい。
【0025】
加熱装置としてはセラミックの焼成などに用いられる雰囲気焼成炉あるいは半導体で一般的に用いられる横型酸化炉などが適するが、温度分布の均一性やコスト面、扱い易さからは雰囲気焼成炉が適する。ただし、二珪化モリブデンや炭化珪素などの抵抗加熱型の発熱体やアルミナ系の炉材、断熱材からの金属不純物等の汚染を防止するために、雰囲気焼成炉内に石英ガラスのベルジャーを設置しその中にサヤを配設することが望ましい。
【0026】
RCA洗浄後のシリコン表面のダングリングボンドは結合状態が不安定であるために、炉の加熱を行う前に炉内の真空処理を行うか不活性ガス雰囲気で充分にガス置換されていることが望ましい。不活性ガスはアルゴン、窒素、ヘリウム、水素が適するが、コスト面や扱い易さからはアルゴンが適している。
【0027】
次に、炉内で誘導加熱または抵抗加熱ヒータ(不図示)で粒状シリコン全体を加熱する。粒状シリコンをアルゴン雰囲気のみで満たされた状態で昇温していき、融点以下の高温で保持して熱アニールを行う。熱アニールは950〜1300℃の温度で10〜180分間の処理を行う。通常、融点の2/3以上の温度から結晶粒間の結合が緻密化し焼結密度が高まることが知られており、粒状シリコン内の粒界減少や原子の再配列による結晶内の歪低減や欠陥等を減少させるためにはより高温であることが望ましい。ただし、1300℃以上の温度あるいは180分間以上の熱アニールでは粒状シリコンが石英ガラスのサヤと反応し易くなり、その後の珪素化合物被膜を安定して形成しにくくなるとともに形状も球形に安定して保持しにくくなるので望ましくない。950℃以下の場合や10分以下の場合、結晶粒子間の結合が緻密化しなかったり焼結密度が高まらない。
【0028】
次にシリコンの表面にシリコンの珪素化合物被膜を形成するために、炉内の温度をシリコンの融点以下のより高い温度へ上げていく。珪素化合物被膜はシリコンの酸化膜もしくは酸窒化膜が適するが、膜の密度や単位膜厚あたりの強度、汚染物や不純物等のシリコン中への拡散阻止力等からは酸窒化膜が適する。
【0029】
また、アルゴンガスを含む酸素ガスと窒素ガスの反応性ガスは熱アニール後に導入するのが望ましい。すなわち熱アニール中に反応性ガスを導入した場合、シリコン表面付近の粒界や歪などの結晶欠陥の低減化が充分でないため酸窒化膜からシリコン中に拡散した酸素原子が粒界や結晶欠陥付近において酸素欠陥を形成しやすくなる。1300℃以上の温度で反応性ガスを導入した場合は形成されるシリコンの酸窒化被膜の膜厚が十分でないためシリコン溶融時に被膜が破れやすく、その結果石英ガラスのサヤと融着固化反応するおそれがある。
【0030】
反応性ガスの雰囲気は酸素分圧が1%以上で窒素分圧が4%以上であることが望ましい。すなわち、雰囲気ガス中の酸素分圧が1%未満で窒素分圧が4%未満の場合、粒子同志の結合が発生しやすくなって望ましくない。また、雰囲気ガス中の酸素分圧が20%以上で窒素分圧が80%以上の場合、結晶化するシリコン表面に形成された酸窒化被膜に亀裂が発生しやすくなるので望ましくない。
【0031】
次に、1370℃付近まで温度を上昇させる。酸窒化被膜の内側でシリコンを溶融させる場合、融点よりも若干低い1370℃程度の温度で5分間程度保持することが望ましい。すなわち約1370℃に保持することで炉内あるいはシリコンの温度分布の均一性が向上する。以上の状態で形成された酸窒化被膜はシリコンが溶融するときにそれを充分に保持することが可能である。
【0032】
次に、シリコンの融点以上の1420〜1450℃まで昇温し、約2分間その温度を保持する。この間にシリコンが溶融し始める。シリコンが溶融する前に熱アニールを行うことによってシリコン中の粒界、歪、欠陥が低減し、その結果結晶密度が向上することで熱伝導性も向上しより速く均一的に溶融させることができる。
【0033】
酸窒化被膜の膜厚は1μm以上であることが望ましい。膜厚が1μm以下である場合にはシリコンの溶融時に被膜が破れやすいので望ましくない。シリコンの溶融時に酸素ガスと窒素ガスも引き続き導入することによって、高温における酸窒化被膜の割れ目などを補整できる。さらにシリコン溶融時には表面張力で球形化しようとするが、上記の温度領域であれば酸窒化被膜は充分に変形可能であり、単結晶化するシリコンを真球に近い形にできる。
【0034】
次に、溶融したシリコンを凝固させるために約1400℃以下の温度まで降温させる。その際には10分程度温度を保持することが望ましい。1350℃よりも温度が低い場合や保持時間が10分間よりも短い場合は、サブグレインなどが生じ易く結晶化させることが困難となり望ましくない。
【0035】
次に、酸窒化被膜を形成するときやシリコンを溶融させたときに酸窒化被膜の内側のシリコン中に混入した酸素を除去するために、あるいは凝固後の粒状シリコン結晶の結晶性を向上させるために、700℃までの冷却時間を1時間以上とすることが望ましい。すなわち700℃付近の温度までの冷却時間が1時間よりも短い場合には、過冷却によるクラック発生や酸窒化被膜とシリコンとの界面において急冷による熱歪が発生し易くなるので望ましくない。また、700℃より温度が低い場合は酸素サーマルドナー等が発生しやすいので700℃以下の温度では速やかに室温まで降温することが望ましい。
【0036】
炉内のアルゴン不活性ガス、酸素ガス、および窒素ガスを含む雰囲気ガス中の酸素ガスと窒素ガスの分圧は、アルゴン流量に対する酸素ガスと窒素ガスの流量で調整できる。圧力とガス濃度が調整可能な機構を持つものであればよい。また、酸素ガスと窒素ガスの分圧は酸窒化膜の形成から室温までの降温過程まで変化させず一定に保ってもよい。
【0037】
このようにして得られる粒状シリコン結晶は、太陽電池を形成するために使用される。
【0038】
図1に得られた粒状シリコン結晶106を用いて形成する太陽電池を示す。まず、粒状シリコン106の表面に形成された酸窒化膜をフッ酸およびフッ硝酸でエッチング除去する。除去される酸窒化膜の膜厚は1μm以上である。次に、金属基板107の上に粒状シリコン106を配置する。次に、これを全体的に加熱して粒状シリコン106を金属基板107に接合層108を介して接合させる。粒状シリコン106の間に、金属基板107上に絶縁層109を形成する。これらの上側の全体にわたってアモルファスまたは多結晶のシリコン膜110を成膜する。このとき、粒状シリコン106は第1導電形のp型またはn型であるので、シリコン膜110は第2導電形のn型またはp型で成膜する。さらに、その上から透明導電膜111を形成する。このようにして、金属基板107を一方の電極にし、シリコン膜110上に銀ペースト等を塗布してもう一方の電極112とする光電変換素子が得られる。
【0039】
【実施例】
RCA洗浄した粒径約500μmの粒状シリコンを石英ガラスのサヤ上に一層に充填し、雰囲気焼成炉内にセットしてシリコン全体をアルゴンガスで満たされた環境下で加熱した。室温から約1000℃まで昇温させてその温度で120分間の熱アニール処理を行った。続いてアルゴンガスを含む酸素ガスと窒素ガスの反応ガスを熱アニール後1000℃以上の温度で導入してシリコン表面に酸窒化被膜を形成し、約1430℃で約2分間保持して被膜の内側のシリコンを溶融させた後、凝固過程で約1360℃で約10分程度温度を保持した。その後、700℃まで2時間で降温させ、700℃以下の温度では速やかに室温まで降温させて粒状シリコン結晶を作製した。
【0040】
炉内の酸素ガスと窒素ガスのアルゴンガスに対する分圧はそれぞれ10%と40%とし、アルゴン流量に対する酸素ガスと窒素ガスの流量で調整した。酸素ガスと窒素ガスの分圧は終始一定に保ちつつアニール後の降温で室温状態になるまで流しつづけた。
【0041】
回収した粒状シリコン結晶の表面に形成された酸窒化膜をフッ酸およびフッ硝酸でエッチング除去した。
【0042】
一方、比較例として、溶融前に熱アニールを行わないで粒状シリコン結晶を作製した。
【0043】
各粒子から、図1に示すような太陽電池を作製し、所定の強度、所定の波長の光を照射して、太陽電池の電気特性を示す開放電圧(Voc:open circuit voltage)を測定した結果を図2に示す。
【0044】
図2に示すようにシリコンを溶融させる前に熱アニールを行って作製した粒状シリコン結晶の太陽電池の開放電圧は、同じくシリコンを溶融させる前に熱アニールを行わずに作製した粒状シリコン結晶の太陽電池に比較してばらつきが大幅に改善されていた。また開放電圧の絶対値も全体的に高かった。
【0045】
次に、表1に示すように熱アニールの温度と時間を段階的に変化させた条件で粒状シリコン結晶の太陽電池を作製し、同様に開放電圧を測定した。
【0046】
【表1】
Figure 2004161565
【0047】
その結果、熱アニール温度が950℃よりも低い場合はいずれも開放電圧が低くばらつきも大きく、熱アニールが1350℃の場合には10分間で粒状シリコンと石英ガラスのサヤとが融着して固化反応を起こし、開放電圧特性を示さなかった。熱アニールの温度が950〜1300℃で時間が10〜180分間においてはいずれも開放電圧が上記の場合に比較して高く、そのばらつきも小さかった。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る粒状シリコン結晶の製造方法では、シリコンを溶融させる前に不活性ガス雰囲気中において950〜1300℃の温度で10〜180分間の熱アニールを行うことにより、シリコン中の粒界や歪、転位等の結晶欠陥を低減することができより高品質な酸窒化被膜を形成することができる。また、シリコンの酸窒化被膜ならば酸化被膜に比べ膜の密度や単位膜厚あたりの強度、汚染物や不純物等のシリコン中への拡散阻止力、粒子同士の結合抑止力等が向上するためシリコンとの界面状態も大幅に向上しより高品質な粒状シリコン結晶を作製することができる。以上より、太陽電池向けに用いる高品質化された粒状シリコン結晶を安価に量産性よく製造できるため、太陽電池に効率的なシリコン材料を利用できると同時にその高効率化と信頼性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法で得られる粒状シリコン結晶を用いて作製した太陽電池を示す図である。
【図2】本発明に係る太陽電池の開放電圧を測定した結果を示す図である。
【符号の説明】
106 粒状シリコン
107 金属基板
108 接合層
109 絶縁層
110 シリコン膜
111 透明導電層
112 電極

Claims (9)

  1. 酸素ガスと窒素ガスの反応性ガスを含む雰囲気ガス中で粒状シリコンを加熱して表面に前記ガスの成分を含む珪素化合物被膜を形成して内側のシリコンを溶融させた後、降温して凝固させて結晶化する粒状シリコン結晶の製造において、前記粒状シリコンを溶融させる前に950〜1300℃の温度で10〜180分間の熱アニールを行うことを特徴とする粒状シリコン結晶の製造方法。
  2. 前記熱アニールを不活性ガスの雰囲気中で行うことを特徴とする請求項1に記載の粒状シリコン結晶の製造方法。
  3. 前記反応性ガスの導入開始温度が熱アニール後であることを特徴とする請求項1に記載の粒状シリコン結晶の製造方法。
  4. 前記雰囲気ガス中にアルゴンガスを含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の粒状シリコン結晶の製造方法。
  5. 前記珪素化合物被膜がシリコンの酸窒化膜であることを特徴とする請求項1に記載の粒状シリコン結晶の製造方法。
  6. 前記粒状シリコンの大きさが直径1200μm以下であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の粒状シリコン結晶の製造方法。
  7. 前記粒状シリコンを石英ガラス上に載置して熱アニールすることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の粒状シリコン結晶の製造方法。
  8. 前記粒状シリコンを溶融させた後に1400℃以下の温度で所定時間保持することを特徴とする請求項1に記載の粒状シリコン結晶の製造方法。
  9. 前記粒状シリコンを溶融して凝固させた後に700℃までの冷却時間を1時間以上とすることを特徴とする請求項1に記載の粒状シリコン結晶の製造方法。
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