JP2002154896A - Gaドープシリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

Gaドープシリコン単結晶の製造方法

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JP2002154896A
JP2002154896A JP2000344994A JP2000344994A JP2002154896A JP 2002154896 A JP2002154896 A JP 2002154896A JP 2000344994 A JP2000344994 A JP 2000344994A JP 2000344994 A JP2000344994 A JP 2000344994A JP 2002154896 A JP2002154896 A JP 2002154896A
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Takao Abe
孝夫 阿部
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Shin Etsu Handotai Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Shin Etsu Handotai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Gaがドープされたシリコン単結晶の引き上
げ軸方向の抵抗率分布を改善し、均一な抵抗率を有する
シリコン単結晶を製造する。 【解決手段】 チョクラルスキー法によるGaドープシ
リコン単結晶の製造方法において、シリコン単結晶を引
き上げる際の雰囲気圧力を、500mtorrから10
00mtorr(6.67×10Pa〜1.33×1
Pa)の範囲の値から、10mtorrから200
mtorr(1.33Pa〜2.67×10Pa)の
範囲の値となるように低下させながらシリコン単結晶を
引き上げることを特徴とするGaドープシリコン単結晶
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば太陽電池セル
の材料として特に有用なCZ法によるGaドープシリコ
ン単結晶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイス技術の発展に伴い、チョ
クラルスキー(以下、CZ)法を用いたCZシリコン単
結晶に対する品質要求は多岐にわたっている。又、低コ
ストに対する要求も厳しい。特に太陽電池セル用の材料
としてシリコン単結晶を用いる場合は、変換効率の向上
とともに製造コストの低減が大きな課題となっている。
以下、太陽電池セル用の材料としてシリコン単結晶を用
いる技術的背景について説明する。
【0003】太陽電池をその基板材料を基に分類する
と、大きく分けて「シリコン結晶系太陽電池」「アモル
ファス(非晶質)シリコン系太陽電池」「化合物半導体
系太陽電池」の3種類が挙げられ、更にシリコン結晶系
太陽電池には「単結晶系太陽電池」と「多結晶系太陽電
池」がある。この中で太陽電池として最も重要な特性で
ある変換効率が高い太陽電池は「化合物半導体系太陽電
池」である。しかし、化合物半導体系太陽電池は、その
材料となる化合物半導体を作ることが非常に難しく、太
陽電池基板の製造コスト面で一般に普及するには問題が
あり、その用途は限られたものとなっている。
【0004】化合物半導体系太陽電池の次に変換効率の
高い太陽電池としては、シリコン単結晶系太陽電池が続
き、その発電効率は20%前後と化合物半導体太陽電池
に近い変換効率を持ち、太陽電池基板も比較的容易に調
達できることから、一般に普及している太陽電池の主力
となっている。
【0005】このようなシリコン単結晶系太陽電池の一
般的な製造方法は、まず太陽電池セルの基板となるシリ
コンウエーハを得るために、チョクラルスキー法或いは
浮遊帯域溶融法(以下、FZ法、Floating zone法と記
することがある。)により、円柱状のシリコン単結晶の
インゴットを作る。更に、このインゴットをスライスし
て薄いウエーハに加工し、ウエーハ表面をエッチングし
て加工歪みを取り除き、太陽電池セルとなるウエーハ
(基板)が得られる。このウエーハの片側にPN接合面
を形成した後、両面に電極を付け、最後に太陽光の入射
側表面に反射防止膜を付けることで太陽電池セルが完成
する。
【0006】昨今、太陽電池は環境問題を背景に、クリ
ーンエネルギーの一つとして需要は拡大しつつあるが、
一般の商用電力と比較してエネルギーコストの高いこと
がその普及の障害となっている。シリコン単結晶太陽電
池のコストを下げるためには、基板の製造コストを下げ
る一方でその変換効率を更に高めることが必要である。
【0007】また太陽電池セルにおいては、より大電流
を得るために、より大面積の太陽電池セルを製造するこ
とが重要である。大面積の太陽電池セルを製造するため
の基板材料となる大直径シリコンウエーハを得る方法と
しては、大直径のシリコン単結晶を容易に製造すること
ができ、製造される単結晶の強度にも優れたCZ法が適
している。そのため、太陽電池セル用シリコン結晶の製
造はCZ法によるものが主流となっている。
【0008】また、その一方で単結晶系太陽電池の基板
材料となるシリコンウエーハとしては、その特性の一つ
である基板ライフタイム(以下、Lifetime、LTと記す
ることがある。)の値が10μs以上でなければ太陽電
池基板として利用することはできず、更には、変換効率
の高い太陽電池を得るためには基板ライフタイムは好ま
しくは200μs以上であることが要求されている。
【0009】しかし、現在の単結晶棒製造方法の主流で
あるCZ法で作った単結晶は、太陽電池セルに加工した
際に太陽電池セルに強い光を照射すると太陽電池基板の
ライフタイムの低下が起こり、光劣化を生じるために十
分な変換効率を得ることができず、太陽電池セルの性能
の面でも改善が求められている。
【0010】このCZ法シリコン単結晶を用いて太陽電
池セルを作った時に、強い光を太陽電池セルに当てると
ライフタイムが低下し光劣化が起こる原因は、単結晶基
板中に存在するボロンと酸素による影響であることが知
られている。現在、太陽電池セルとして用いられている
ウエーハの導伝型はP型が主流であり、通常このP型ウ
エーハにはボロンがドーパントとして添加されている。
そして、このウエーハの材料となる単結晶棒は、CZ法
(MCZ法を含む)、あるいはFZ法によって製造する
ことができるが、FZ法では単結晶棒の製造コストがC
Z法に比べ高いことに加えて、前述のようにCZ法の方
が大直径のシリコン単結晶を製造し易いことから、現在
はもっぱら比較的低コストで大直径の単結晶を作ること
ができるCZ法によって製造されている。
【0011】しかし、CZ法によって製造される結晶中
には高濃度の酸素が存在し、このためP型CZ法シリコ
ン単結晶中のボロンと酸素によってライフタイム特性に
影響を与え光劣化が生じると言う問題点があった。
【0012】このような問題点を解決するため本出願人
らは先の出願(特願平11−264549及び特願20
00−061435)において、p型のドープ剤として
B(ボロン)の代わりにGa(ガリウム)を使用するこ
とを提案した。これにより、光劣化が生じにくく、高い
変換効率を有するシリコン単結晶が得られるようになっ
た。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、チョク
ラルスキー法によりGaをドープしたシリコン単結晶を
引き上げる場合、Bに比べてGaの偏析係数は極めて小
さいため、結晶引き上げ方向の抵抗率分布の幅が大きく
なってしまうという問題があった。
【0014】図2の2本の破線は、CZ法によりシリコ
ン単結晶を引き上げる際のシリコン融液の固化率と抵抗
率の関係を、GaとBの偏析係数をそれぞれ0.00
8、0.8として計算により求めた結果を示す。引き上
げ初期の抵抗率を5Ωcmとすると、Bの場合、融液の
約90%が結晶化した状態でも、引き上げ結晶の抵抗率
は約3Ωcmに維持されているのに対し、Gaの場合は
抵抗率が1桁程度低下してしまうことがわかる。これ
は、引き上げ結晶に求められる抵抗率範囲が狭い場合、
GaドープはBドープに比べて不利であり、規格抵抗率
を満たす領域が少なくなる結果、引上げ結晶の製造コス
トの上昇を招いてしまうことを示すものである。
【0015】そこで、このような偏析現象による抵抗率
変動を抑えるために、結晶が成長するに従って、雰囲気
圧力を低下させたり雰囲気流速を変化させることにより
ルツボ内の原料融液からドーパントの蒸発を促進させ
て、成長する単結晶のドーパント濃度の変動を抑えると
いう発明が提案された。例えば特公昭44−21014
号公報では、Sbドープシリコン結晶を成長させる際に
雰囲気圧力を10torrから3torrに減少させる
ことにより、シリコン単結晶全長にわたって均一にSb
をドープする発明が提案されている。また、特公平3−
7637号公報には、Sbドープシリコン結晶を成長さ
せる際に、雰囲気ガス圧力を200torr〜1tor
rの範囲で制御し、雰囲気流速を変化させることによ
り、結晶全長にわたり均一なドーパント濃度を有するS
bドープシリコン結晶を製造する方法が提案されてい
る。
【0016】しかし、このような方法をそのままGaド
ープシリコン単結晶に適用しても、満足する結果は得ら
れなかった。図2に示す実線はシリコン融液の固化率と
抵抗率の関係を示すものであり、CZ法によるGaドー
プシリコン単結晶の引上げ開始時に雰囲気圧力を200
torr(2.67×10Pa)に設定しておき、引
上げと共に一定割合で雰囲気圧力を低下させ、結晶の尾
部で1torr(1.33×10Pa)となるような
条件で引き上げた結晶の抵抗率値を示すものである。図
2より、雰囲気圧力を結晶が成長するにつれて減少させ
たにもかかわらず、抵抗率の変動はそのような方法を全
く行なわない場合とあまり変化がないことが判る。した
がって、上記のSbドープシリコン結晶についての方法
をGaドープシリコン結晶にそのまま適用しても実効性
はなく、適当な解決手段が望まれていた。
【0017】本発明はこのような問題点を解決するため
になされたものであり、Gaがドープされたシリコン単
結晶の引き上げ軸方向の抵抗率分布を改善し、均一な抵
抗率を有するシリコン単結晶を製造することを目的とす
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために為されたもので、本発明は、チョクラルス
キー法によるGaドープシリコン単結晶の製造方法にお
いて、シリコン単結晶を引き上げる際の雰囲気圧力を、
500mtorrから1000mtorr(6.67×
10Pa〜1.33×10Pa)の範囲の値から、
10mtorrから200mtorr(1.33Pa〜
2.67×10Pa)の範囲の値となるように低下さ
せながらシリコン単結晶を引き上げることを特徴とする
Gaドープシリコン単結晶の製造方法である(請求項
1)。
【0019】このように、Gaドープシリコン単結晶を
引き上げる際の引き上げ装置内の雰囲気圧力を、500
mtorrから1000mtorr(6.67×10
Pa〜1.33×10Pa)の範囲の値から、10m
torrから200mtorr(1.33Pa〜2.6
7×10Pa)の範囲の値となるように、従来Sbド
ープシリコン単結晶等では行なわれていなかった極低圧
力範囲で低下させながらシリコン単結晶を引き上げるこ
とにより、原料融液から十分な量のGaを蒸発させ、融
液中のGa濃度を下げることができる。そのため、固化
率の増加と共に結晶中に取り込まれるGa濃度が増えて
抵抗率が低下する現象を抑制することができ、引き上げ
軸方向に均一な抵抗率を有するGaドープシリコン単結
晶を製造することができる。
【0020】この場合に、引上装置内の雰囲気圧力が1
000mtorrを超えると十分なGaの蒸発効果が得
られず、逆に10mtorr未満では融液からのSiO
の蒸発が激しいので、真空度自体の維持が困難となる。
そこで雰囲気圧力は、上記のように500mtorrか
ら1000mtorrの範囲の値から、10mtorr
から200mtorrの範囲の値となるように低下させ
る。
【0021】このような雰囲気圧力で結晶を引き上げれ
ば、例えば太陽電池セル用として好適に用いられるGa
ドープシリコン単結晶のような抵抗率が0.1〜数Ωc
m程度(より好ましくは0.5±0.3Ωcm)のシリ
コン単結晶について、引き上げ方向に均一な抵抗率分布
を実現することができるので、著しいコスト低減効果を
得ることができる。
【0022】この場合、前記雰囲気圧力を低下させなが
ら引き上げるシリコン単結晶の領域が直胴部であること
が好ましい(請求項2)。このように前記雰囲気圧力を
低下させながら引き上げるシリコン単結晶の領域を直胴
部とすることができる。少なくとも直胴部の引き上げ軸
方向における抵抗率分布が均一であれば、引き上げられ
たシリコン単結晶をシリコンウエーハに加工する部分は
直胴部であるので、抵抗率規格を満足するシリコンウエ
ーハを無駄なく製造することができる。
【0023】そして、本発明のGaドープシリコン単結
晶の製造方法により製造されたGaドープシリコン単結
晶は(請求項3)、例えば太陽電池セルを製造するため
に用いれば、BではなくGaをドープされているために
光劣化が生じることがなく、高効率の太陽電池セルを製
造することができる。また、シリコン単結晶の長さ方向
の抵抗率変動を最小限に抑えることができるために歩留
りを高いものとすることができ、太陽電池セル製造のコ
ストを低減することができる。
【0024】以下、本発明に関してより詳細に説明す
る。前述したように、p型のドーパントとしてBの代わ
りにGaを用いてシリコン単結晶を引き上げる場合、そ
の偏析係数が非常に小さいため、固化率が増加するに従
ってシリコン融液中のGa濃度も増加する。その結果、
結晶中に取り込まれるGa濃度も増加するので、引き上
げ結晶の尾部(テール部)に向って抵抗率が低下してし
まう(図2破線参照)。
【0025】そして、Sbドープシリコン単結晶の製造
で行なわれていたように、雰囲気圧力を結晶の成長に従
って200torrから1torr程度(2.67×1
Pa〜1.33×10Pa)に減圧して、ルツボ
内融液からドーパントの蒸発を促進させたとしても、抵
抗率変動を抑える効果はほとんど変わらず、Bドープシ
リコン結晶並みに均一な抵抗率分布を得ることはできな
かった(図2実線参照)。
【0026】本発明者らは、Sbドープシリコン単結晶
の製造で有効であった方法が、Bドープシリコン結晶で
は効果をあげることができない原因として、雰囲気圧力
の高さにあるのではないかと仮定した。すなわち、従来
のSbドープシリコン結晶において提案された方法では
工業的な条件により雰囲気圧力の下限は1torr
(1.33×10Pa)程度が適当とされており、そ
れより低い雰囲気圧力にすることは行なわれていなかっ
た。
【0027】しかし、Gaの蒸発速度は2×10−3
m/secであり、Bの蒸発速度である8×10−6
m/secに比べれば蒸発しやすいが、Sbの蒸発速度
である1.3×10−1cm/secに比べればはるか
に蒸発しにくい。また、Ga等のドーパント濃度は高く
なればなるほど融液からの蒸発の効果は大きくなること
が考えられるが、太陽電池セル用のGaドープシリコン
単結晶は、その抵抗率が0.1〜5Ωcm程度のものが
好ましく、0.5±0.3Ωcm程度がより好ましいの
で、この程度のドーパント濃度では、さらにドーパント
が蒸発しやすい条件にする必要がある。
【0028】そこで本発明者らは、SbとGaの蒸発速
度の違いを考慮して、雰囲気圧力を従来の200tor
r〜1torr(2.67×10Pa〜1.33×1
Pa)から、それよりもさらに格段に減圧した10
00mtorr〜10mtorr(1.33×10
a〜1.33Pa)の範囲で雰囲気圧力を制御すること
を発想した。このような低圧雰囲気下であれば、Gaを
ドーパントとする場合であっても融液から十分な量のド
ーパントを蒸発させることができる。そこで、固化率が
大きくなりGaが融液中に濃縮されるにつれて低圧雰囲
気ガスの圧力をさらに低下させていけば、Gaの蒸発速
度が高まり融液中のGa濃度を一定にできるのではない
かと考え、本発明を完成させた。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、詳細に説明する。本発明でGaを添加したシリコン
単結晶を製造する場合のGaをドープする方法として、
原料多結晶シリコンを溶融する前、あるいは溶融したシ
リコン融液にGaを直接入れてもよいが、工業的に量産
するためには、予め高濃度のGaを添加したシリコン結
晶を育成し、これを砕いて適切な量を添加する方法によ
れば、太陽電池セル用材料として適切な濃度範囲に制御
することが容易になる。
【0030】本発明で使用するCZ法による単結晶引上
げ装置の構成例を図3を参照して説明する。単結晶引上
げ装置100は原料を溶融するルツボ102を収容する
ボトムチャンバー101と、引き上げた単結晶を収容し
取り出すトップチャンバー110から構成されている。
そしてトップチャンバー110の上部には単結晶を引き
上げるためのワイヤー巻き取り機構109が備えつけら
れており、単結晶の育成に従ってワイヤー1を巻き下ろ
したり、巻き上げたりの操作を行っている。そして、こ
のワイヤー1の先端には、シリコン単結晶を引き上げる
ため種結晶Sが種ホルダ22に取り付けられている。
【0031】一方、ボトムチャンバー101内のルツボ
102は内側を石英103、外側を黒鉛104で構成さ
れており、このルツボ102の周囲にはルツボ内に仕込
まれた多結晶シリコン原料を溶かすためのヒータ105
が配置されており、さらにヒータは断熱材106で囲わ
れている。そしてルツボ内部にはヒータで加熱すること
によって溶解されたシリコンの融液Lが満たされてい
る。そして、このルツボは回転動、上下動することが可
能な支持軸107により支持されており、そのための駆
動装置108がボトムチャンバー下部に取り付けられて
いる。
【0032】これらの機器とは別に、炉内に導入される
不活性ガスを整流するための整流筒2を用いてもよい。
あるいは、特公平3−7637号公報で開示されている
ような、単結晶の融液近傍の下端を同軸に包囲するドー
ナツ状円板または下方に向かって拡がるようにされた裁
頭円錐形ガス整流板を用いても良い。このような整流筒
や整流板を用いて、雰囲気ガスの圧力の他に、雰囲気ガ
スの流速、流れの方向を制御することによっても、ドー
パントの蒸発速度を制御でき、結晶の成長方向の抵抗率
分布を一様に制御できる。また、結晶断面内の抵抗率分
布も一様に制御することも可能になる。
【0033】次に、上記装置を用いて本発明によるシリ
コン単結晶の製造方法について説明する。まず、最初に
多結晶シリコン原料を石英ルツボ103内に入れ、ヒー
タ105で加熱して原料を溶融する。次に、前述の高濃
度のGaドープシリコン結晶を細かく砕いて作製したド
ープ剤を所望濃度になるよう調整して投入する。このよ
うにすることにより、正確な濃度のドーピングが可能と
なる。
【0034】次に、引上げ機構のワイヤー1先端に単結
晶棒を育成するための種結晶Sを取り付け、ワイヤー1
を静かに巻き降ろして種結晶先端をシリコン融液Lに接
触させる。このときルツボ102と種結晶Sは互いに逆
方向に回転しており、また引上機内部は排気管111を
通じて真空ポンプ112により排気することによって減
圧状態にある。そして、炉内上部から流すアルゴン等の
不活性ガスの量と制御弁114を調整することによる排
気量とを制御することによって、炉内を所望圧力に調整
する。炉内圧力は圧力計113によって検出され、不図
示のコントローラにより、制御弁114およびAr流量
を制御することができる。なお、本発明ではGaの蒸発
を促すため、従来の方法よりも極低圧の500mtor
rから1000mtorr(6.67×10Pa〜
1.33×10Pa)程度の圧力とする。
【0035】このような、炉内雰囲気圧力の初期値の調
整は、基板となる結晶の直胴部の成長が開始される結晶
棒の肩部までに行なえばよいが、いわゆるネック部やコ
ーン部形成中、すなわち結晶の引き上げ開始後に行うと
結晶に転位が入ることがあるので、引き上げを開始する
当初より圧力を調整しておくのが好ましい。
【0036】種結晶周囲の温度が安定したら、種結晶S
とルツボ102を互いに逆方向に回転させながら静かに
ワイヤー1を巻き取り種結晶の引き上げを開始する。そ
して、種結晶に生じているスリップ転位を消滅させるた
めのネッキングを実施する。ネッキングをスリップ転位
が消滅する太さ、長さまで行なったら、徐々に径を拡大
して単結晶のコーン部を作製し、所望の直径まで拡径す
る。所定直径までコーン径が広がったところで、単結晶
棒の定径部(直胴部)の作製に移行する。
【0037】ここで結晶が成長するに従って、偏析によ
り融液中のドーパント濃度が増加するため、これを一定
に保つために雰囲気圧力を初期値の500mtorr〜
1000mtorr(6.67×10Pa〜1.33
×10Pa)から、直胴部における最終値が10mt
orr〜200mtorr(1.33Pa〜2.67×
10Pa)になるように低下させ、融液中のGaを蒸
発させながらシリコン単結晶を引き上げる。この減圧の
しかたは、一定の割合で減圧しても良いし、Gaの偏析
濃度あるいは規格に応じて任意に減圧する割合を調整し
ても良い。この時、ルツボの回転速度、引上げ速度等
は、育成する単結晶に含まれる酸素濃度に合わせて適宜
調整する。また、結晶直径は、温度と引上げ速度を調整
することによって制御される。
【0038】単結晶直胴部を所定の長さ引上げたら、今
度は結晶直径を縮径しテール部を作製したのち、テール
先端をシリコン融液面から切り離し、育成したシリコン
単結晶をトップチャンバー110まで巻き上げて、結晶
が冷えるのを待つ。単結晶棒が取り出し可能な温度まで
冷却されたら、引上機から取り出し、結晶をウエーハに
加工する工程に移る。
【0039】この製造方法において、抵抗率が数〜10
Ωcm程度の結晶を引き上げる場合には、例えば100
0mtorr(1.33×10Pa)に設定してお
き、結晶の引き上げ開始時(あるいは、直胴部にさしか
かった時点)から引き上げと共にArの流量と制御弁1
14を調整することによって圧力を徐々に低下させ、結
晶の尾部の形成に入るまでに10mtorr(1.33
Pa)になるように適宜調整する。抵抗率の目標値が
0.1〜1Ωcm程度のように比較的低抵抗の場合は、
圧力差は小さくてすみ、例えば500mtorrから5
0mtorr(6.67×10Pa〜6.67Pa)
程度まで低下させればよい。また、雰囲気ガスの圧力だ
けでなく前記整流筒等を合せて用いることによって蒸発
速度をより精緻に制御することができる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例および比較例
を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。 (実施例1)図3に示す一般的に用いられるCZ単結晶
引上げ装置を用いて、24インチの石英ルツボに多結晶
シリコン原料を100kgチャージし、直径8インチ、
結晶方位<100>、Gaがドープされたシリコン単結
晶を引き上げた。Gaのドープは、高濃度のGaを添加
したシリコン結晶を砕いて適切な量を添加する方法によ
り行った。
【0041】この実施例1では引き上げ結晶の抵抗率の
狙い値を5Ωcmとし、結晶の引き上げ開始時のシリコ
ン融液面上の炉内雰囲気圧力を1000mtorr
(1.33×10Pa)に設定しておき、引上げ結晶
の肩部(直胴上端部)にさしかかった時点から雰囲気圧
力を一定割合で低下させ始め、結晶のテール部に入ると
ころで10mtorr(1.33Pa)となるような条
件で引き上げた。
【0042】引き上げられたシリコン単結晶からウエー
ハを切り出し、四探針法により抵抗率を測定し、固化率
(引上げ結晶の引上げ軸方向の位置に相当する。)との
関係を図1に示した。図1より、本発明の製造方法で製
造されたGaドープシリコン単結晶は、結晶の引上げ軸
方向の抵抗率の変動が少なく、ウエーハを製造する際の
歩留りが極めて高いものであることが判る。
【0043】(実施例2)Gaドープシリコン単結晶を
ほぼ実施例1と同様の方法で製造した。この実施例2で
は、引上げ結晶の抵抗率の狙い値を0.5Ωcmとし、
シリコン融液面上の炉内雰囲気圧力を500mtorr
(6.67×10Pa)に設定しておき、引き上げ結
晶の肩部(直胴上端部)にさしかかった時点から雰囲気
圧力を一定割合で低下させ始め、直胴の下端部で50m
torr(6.67Pa)となるような条件で引き上げ
た。
【0044】引き上げられたシリコン単結晶からウエー
ハを切り出し、四探針法により抵抗率を測定し、固化率
との関係を図1に併記した。図1から、引上げ結晶の抵
抗率が低い場合は、500mtorrから50mtor
r程度の圧力差の減圧であっても、結晶の成長軸方向の
抵抗率分布が平坦なGaドープシリコン単結晶が得られ
ることがわかる。従って、雰囲気圧力は、狙いとする結
晶の抵抗率に応じて初期値および変動幅を調整すればよ
いことがわかる。
【0045】(比較例)Gaドープシリコン単結晶を実
施例1と同様に図3の装置を用いて製造した。この比較
例では、引き上げ結晶の抵抗率の狙い値を5Ωcmと
し、結晶の引き上げ開始時のシリコン融液面上の炉内雰
囲気圧力を200torr(2.66×10Pa)に
設定しておき、引上げ結晶の肩部(直胴上端部)にさし
かかった時点から雰囲気圧力を一定割合で低下させ、結
晶の尾部で1torr(1.33×10Pa)となる
ような条件で引き上げた。
【0046】引き上げられたシリコン単結晶からウエー
ハを切り出し、四探針法により抵抗率を測定し、固化率
との関係を図1に併記した。図1から、この比較例の結
晶は、雰囲気圧力を低下させながら引き上げられたにも
かかわらず、結晶の成長軸方向に抵抗率が大きく変動し
ていることがわかる。これは、雰囲気圧力の範囲が高い
ために、原料融液から蒸発するGaの量が少なかったた
めと考えられる。
【0047】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0048】例えば、上記説明においては、主に通常の
チョクラルスキー法によってGa添加シリコン単結晶を
製造する場合につき説明したが、本発明はMCZ法にも
適用できるものであり、本発明の特許請求の範囲に記載
したチョクラルスキー法には、このMCZ法も含まれる
ものである。すなわち、MCZ法においても、高歩留り
のGaドープシリコン単結晶を製造するためには、本発
明の製造方法が有効である。また、本発明のGaドープ
シリコン単結晶は太陽電池セル用のみならず、Gaドー
プシリコン単結晶が必要とされる全ての技術分野におい
て、有用であることは言うまでもない。
【0049】
【発明の効果】本発明は、チョクラルスキー法でGaド
ープシリコン単結晶を製造する際に、適量のGaを原料
融液から蒸発させることができるため、結晶成長方向の
抵抗率変動を抑えることができる。そのため、例えば太
陽電池セル用のシリコン単結晶を製造すれば、光劣化を
生じることがない高効率の太陽電池セルを低生産コスト
で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、実施例2、及び比較例のシリコン融
液の固化率と抵抗率の関係を示した図である。
【図2】CZ法によりシリコン単結晶を引き上げる際の
シリコン融液の固化率と抵抗率の関係を示した図であ
る。
【図3】本発明で使用したCZ法による単結晶引上げ装
置の構成例図である。
【符号の説明】
1…ワイヤー、 2…整流筒、22…種ホルダ、100
…単結晶引上げ装置、 101…ボトムチャンバー、1
02…ルツボ、 103…石英ルツボ、 104…黒鉛
ルツボ、105…ヒータ、 106…断熱材、 107
…支持軸、108…駆動装置、 109…ワイヤー巻き
取り機構、110…トップチャンバー、 111…排気
管、 112…真空ポンプ、113…圧力計、 114
…制御弁C…成長結晶、 L…シリコン融液、 S…種
結晶。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チョクラルスキー法によるGaドープシ
    リコン単結晶の製造方法において、シリコン単結晶を引
    き上げる際の雰囲気圧力を、500mtorrから10
    00mtorr(6.67×10Pa〜1.33×1
    Pa)の範囲の値から、10mtorrから200
    mtorr(1.33Pa〜2.67×10Pa)の
    範囲の値となるように低下させながらシリコン単結晶を
    引き上げることを特徴とするGaドープシリコン単結晶
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記雰囲気圧力を低下させながら引き上
    げるシリコン単結晶の領域が直胴部であることを特徴と
    する請求項1に記載のGaドープシリコン単結晶の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のGaド
    ープシリコン単結晶の製造方法により製造されたGaド
    ープシリコン単結晶。
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