JPWO2006062186A1 - ニッケル粉及びその製造方法並びに導電性ペースト - Google Patents

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Abstract

微粒であり、粒度分布がシャープで、炭素等の不純物の含有量又は付着量の少ないニッケル粉を提供すること、及び該ニッケル粉を用いた導電性ペーストを提供することを目的とする。この目的を達成するため、ニッケル塩、ポリオール及び貴金属触媒を含む反応液を還元温度まで加熱し、該還元温度を維持しながら該反応液中のニッケルイオンを還元するニッケル粉の製造方法において、前記還元温度が、150℃〜210℃で且つ前記ポリオールの沸点より150℃〜10℃低い温度であるニッケル粉の製造方法等を採用する。前記反応液が、さらに分散剤を含むニッケル粉の製造方法を採用する。そして、前記方法で製造されたニッケル粉、前記ニッケル粉を含む導電性ペーストを提供する。

Description

本発明は、ニッケル粉及びその製造方法並びに導電性ペーストに関し、詳しくは、例えば、積層セラミックコンデンサの内部電極の形成に用いられるニッケルペーストの原料として用いられるニッケル粉及びその製造方法、並びに、該ニッケル粉を用いた導電性ペーストに関するものである。
ニッケル粉は種々の用途に用いられており、例えば、これを含む導電性ペーストで種々の電極や回路を形成する用途に用いられている。具体的には、積層セラミックコンデンサ(Multi−layer Ceramic Capacitor:MLCC)の内部電極として一般的にニッケルが用いられているが、該内部電極は、ニッケル粉を含む導電性ペーストをセラミック誘電体等に塗布し、焼成して得られるものである。
上記ニッケル粉の製造方法としては、例えば、特許文献1に、ニッケル等の水酸化物等の固体化合物を反応温度において液状のポリオール又はポリオール混合物に懸濁させた懸濁体を少なくとも85℃の温度に加熱することにより、上記固体化合物をポリオールにより還元し、生成した金属析出物を単離する還元方法が開示されている。該方法によれば、簡単で経済的にニッケル粉を得ることができる。
特開昭59−173206号公報(第1頁)
しかしながら、近年、MLCCの小型、大容量化の要請より、内部電極の薄型化及び電極表面の平滑化が求められており、このため、ニッケル粉にも微粒化、及び粒度分布のシャープさが求められている。また、内部電極の導電性の要請より、炭素等の不純物の含有量又は付着量の少ないニッケル粉が求められている。これに対し、上記特許文献1に記載の方法で得られたニッケル粉は、微粒化及び粒度分布のシャープさの点で十分でなく、また、ニッケル粉の表面に有機物が多く付着し易いという問題があった。
従って、本発明の目的は、微粒であり、粒度分布がシャープで、炭素等の不純物の含有量又は付着量の少ないニッケル粉を提供すること、及び該ニッケル粉を用いた導電性ペーストを提供することにある。
かかる実情において、本発明者は鋭意検討を行った結果、ニッケル塩、ポリオール及び貴金属触媒を含む反応液を還元温度まで加熱し、該還元温度を維持しながら該反応液中のニッケルイオンを還元するニッケル粉の製造方法において、前記還元温度が、特定範囲内であると、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本件発明に係るニッケル粉の製造方法: 本件発明に係るニッケル粉の製造方法は、ニッケル塩、ポリオール及び貴金属触媒を含む反応液を還元温度まで加熱し、該還元温度を維持しながら該反応液中のニッケルイオンを還元するニッケル粉の製造方法において、前記還元温度が、150℃〜210℃で且つ前記ポリオールの沸点より150℃〜10℃低い温度であることを特徴とするものである。
そして、本件発明に係るニッケル粉の製造方法において、前記反応液が、さらに分散剤を含ませることが好ましい。
本件発明に係るニッケル粉: 本件発明に係るニッケル粉は、上記製造方法で製造されたことを特徴とするものである。
そして、この本件発明に係るニッケル粉は、画像解析平均粒径が0.02μm〜0.2μmであることを特徴とするものである。
また、この本件発明に係るニッケル粉は、平均粒径D50が0.1μm〜0.5μmであることを特徴とするものである。
更に、この本件発明に係るニッケル粉は、最大粒径Dmaxが0.7μm以下であることを特徴とするものである。
そして、この本件発明に係るニッケル粉は、炭素含有量が0.6重量%以下であることを特徴とするニッケル粉を提供するものである。
本件発明に係る導電性ペースト: 本件発明に係る導電性ペーストは、上述のいずれかに記載のニッケル粉を含むことを特徴とするものである。
本発明に係るニッケル粉又は本発明に係る製造方法で得られたニッケル粉は、微粒であり、粒度分布がシャープで、炭素等の不純物の含有量又は付着量が少ない。また、本発明に係る導電性ペーストは、上記本発明に係るニッケル粉を用いるため、導電性ペーストを焼成して得られるニッケル厚膜を、薄くすることができ、またニッケル厚膜表面を平滑化することができる。このため、例えば、本発明に係る導電性ペーストを用いれば、MLCCの内部電極を薄型化することができると共に電極表面を平滑化することができ、MLCCの小型、大容量化を図ることができる。
本発明に係るニッケル粉の製造方法の形態: 本発明に係るニッケル粉の製造方法は、ニッケル塩、ポリオール及び貴金属触媒を含む反応液を特定温度範囲内で加熱し、該特定温度内の温度を維持しながら該反応液中のニッケル塩を還元するものである。
本発明で用いられるニッケル塩としては、特に限定されるものなく、例えば、水酸化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル及び酢酸ニッケル等が挙げられる。このうち、水酸化ニッケルは、MLCCの内部電極に含有されるとMLCCの動作に悪影響を及ぼすおそれがある硫黄、炭素、窒素等の元素を含んでいないため好ましい。本発明において、上記ニッケル塩は、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明で用いられるポリオールは、炭化水素鎖及び複数の水酸基を有する物質をいう。該ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール(沸点197℃)、ジエチレングリコール(沸点245℃)、トリエチレングリコール(沸点278℃)、テトラエチレングリコール(沸点327℃)、1,2−プロパンジオール(沸点188℃)、ジプロピレングリコール(沸点232℃)、1,2−ブタンジオール(沸点193℃)、1,3−ブタンジオール(沸点208℃)、1,4−ブタンジオール(沸点235℃)、2,3−ブタンジオール(沸点177℃)1,5−ペンタンジオール(沸点239℃)及びポリエチレングリコールからなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。このうちエチレングリコールは、沸点が低く、常温で液状であり取り扱い性に優れるため好ましい。本発明においてポリオールは、ニッケル塩に対する還元剤として作用すると共に、溶媒としても機能するものである。
本発明で用いられる貴金属触媒は、上記反応液中において、ポリオールによるニッケル塩の還元反応を促進するものであり、例えば、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、酢酸パラジウム、塩化アンモニウムパラジウム等のパラジウム化合物、硝酸銀、乳酸銀、酸化銀、硫酸銀、シクロヘキサン酸銀、酢酸銀等の銀化合物、塩化白金酸、塩化白金酸カリウム、塩化白金酸ナトリウム等の白金化合物、及び塩化金酸、塩化金酸ナトリウム等の金化合物等が挙げられる。このうち、硝酸パラジウム、酢酸パラジウム、硝酸銀又は酢酸銀は、得られるニッケル粉の純度が高くなり易く、また、製造コストが低くて済むため好ましい。上記触媒は、上記化合物そのままの形態で又は該化合物の溶液の形態で用いることができる。
本発明で反応液は、上記のニッケル塩、ポリオール及び貴金属触媒を含むものである。反応液は、例えば、水にニッケル塩、ポリオール及び貴金属触媒を投入し攪拌し、混合することにより調製することができ、また、貴金属触媒が硝酸パラジウム等のように水溶液として存在する場合は、水なしでニッケル塩、ポリオール及び貴金属触媒を混合するだけで調製することができる。反応液は、ニッケル塩、ポリオール及び貴金属触媒を混合する際、添加する順序や混合方法は、特に限定されない。例えば、ニッケル塩、ポリオール及び貴金属触媒、さらに必要により後述の分散剤を予備混合してスラリーを調製し、該スラリーとポリオールの残部とを混合して反応液を作製してもよい。
また、上記反応液は、必要により、さらに分散剤を含むと、得られるニッケル粉がより微粒になり、粒度分布がよりシャープになり易いため好ましい。本発明で用いられる分散剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、ポリ(2―メチル―2−オキサゾリン)等の含窒素有機化合物、及びポリビニルアルコールが挙げられる。このうち、ポリビニルピロリドンは、得られるニッケル粉の粒度分布がシャープになり易いため好ましい。本発明において、上記分散剤は、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明では、上記反応液を還元温度まで加熱し、該還元温度を維持しながら該反応液中のニッケル塩を還元し、ニッケル粉を製造する。本発明において上記還元温度は、異なる観点から規定された2つの温度範囲の両者を満たす温度範囲内にある。以下、第1の観点から規定した温度範囲を第1の温度範囲、第2の観点から規定した温度範囲を第2の温度範囲ともいう。
上記還元温度は、第1の温度範囲が、150℃〜210℃、好ましくは150℃〜200℃である。還元温度が該範囲内にあると、還元反応が速く終了し、且つ反応終了後に得られるニッケル粉が不純物を含んだりニッケル粉に不純物が付着したりし難いため好ましい。
一方、還元温度が150℃未満であると、還元反応が非常に遅くなり易いためあまり好ましくない。また、還元温度が210℃を超えると、粗粒化し易く、また還元反応で得られる生成物が炭素を含有して炭化ニッケル粉になり易いためあまり好ましくない。
上記還元温度は、さらに、第2の温度範囲が、ポリオールの沸点より150℃〜10℃低い温度、好ましくは100℃〜20℃低い温度、さらに好ましくは80℃〜30℃低い温度である。還元温度が該範囲内にあると、得られるニッケル粉が粗大粒子になったり凝集したりし難くなり、且つ、ポリオールの反応副生成物であると推測される有機化合物のニッケル粉表面への付着を抑制することができるため好ましい。
一方、還元温度がポリオールの沸点より150℃低い温度未満であると、還元反応がほとんど進行しなくなるおそれがあるためあまり好ましくない。また、還元温度がポリオールの沸点より10℃低い温度を超えると、ポリオールの反応副生成物であると推測される有機化合物がニッケル粉の表面に付着し易いためあまり好ましくない。
本発明では、還元温度が、上記第1の温度範囲及び第2の温度範囲の両者を満たすと、得られるニッケル粉が微粒であり、粒度分布がシャープで、炭素等の不純物の含有量又は付着量の少ないものとなる。
反応液を上記還元温度に維持する時間は、反応液の組成や還元温度により適切な時間が異なるため一概に特定できないが、通常1時間〜20時間、好ましくは2時間〜15時間である。反応液を上記還元温度に維持する時間が該範囲内であると、ニッケル粉の核の成長が抑制されると共にニッケル粉の核が多数発生し易い雰囲気となることにより系内でのニッケル粉の粒成長が略均一となるため、得られるニッケル粉が粗大粒子になったり凝集したりすることを抑制することができる。このため、本発明では、上記還元温度に上記時間維持すれば、これ以後は、反応液の温度を上記還元温度の範囲外の温度にしてもよい。例えば、還元反応の速度を向上させるために、反応液の温度を上記還元温度を超える温度にしてもよい。以上の工程を行うことにより本発明に係るニッケル粉が得られる。本発明に係るニッケル粉は、上記条件で製造されたものであるため、以下に記載する物性を備えたものとなる。
本発明に係るニッケル粉: 本発明に係るニッケル粉は、実質的にニッケルからなり、粒子形状が略球形を呈する粉体である。本発明に係るニッケル粉は、画像解析平均粒径が、通常0.02μm〜0.2μm、好ましくは0.03μm〜0.1μmである。画像解析平均粒径が0.02μm未満であると、1次粒子同士の凝集が起こり易くなるため好ましくない。また、画像解析平均粒径が0.2μmを超えると、1次粒子径の最大値が大きくなりすぎて薄く平滑な電極膜が得られ難くなるためあまり好ましくない。本発明において、画像解析平均粒径とは、試料粉体を走査型電子顕微鏡(SEM)又は透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて画面内の1次粒子の数が100個以上になる倍率(例えば50000倍程度)で観察し、旭エンジニアリング株式会社製高精細画像解析装置IP−1000PCを用いて該画像に基づいて画像解析して得られる100個の1次粒子の平均粒径を意味する。
本発明に係るニッケル粉は、平均粒径D50が、通常0.1μm〜0.5μm、好ましくは0.2μm〜0.3μmである。平均粒径D50が、0.1μm未満であると、粒子が小さすぎてニッケル粒子が酸化され易いため好ましくない。また、平均粒径D50が、0.5μmを超えると、該ニッケル粉を含む導電性ペーストで形成したニッケル厚膜を十分に薄くし難く、また該ニッケル厚膜の表面の平滑性が悪くなり易いためあまり好ましくない。本発明において、D50とは、日機装株式会社製マイクロトラックHRAを用いてレーザー回折散乱法で求められる累積体積が50%の時点における粒径(μm)を意味する。
本発明に係るニッケル粉は、最大粒径Dmaxが、通常0.7μm以下、好ましくは0.5μm以下である。最大粒径Dmaxが0.7μmを超えると、該ニッケル粉を含む導電性ペーストで形成したニッケル厚膜を十分に薄くし難く、また該ニッケル厚膜の表面の平滑性が悪くなり易いためあまり好ましくない。本発明において、Dmaxとは、日機装株式会社製マイクロトラックHRAを用いてレーザー回折散乱法で求められる最大粒径(μm)を意味する。
本発明に係るニッケル粉は、粒径の標準偏差SDが、通常0.05〜0.2、好ましくは0.05〜0.1である。ニッケル粉のSDが該範囲内にあると、該ニッケル粉を含む導電性ペーストで形成したニッケル厚膜を十分に薄くし易く、また該ニッケル厚膜の表面の平滑性が悪くなり難いため好ましい。本発明において、SDとは、日機装株式会社製マイクロトラックHRAを用いてレーザー回折散乱法で粒度分布を測定する際に求められる粒径の標準偏差を意味する。
本発明に係るニッケル粉は、炭素含有量が通常0.6重量%以下、好ましくは0.3 重量%以下である。炭素含有量が該範囲内にあると、ニッケル粉の導電性が高くなることにより、MLCCの静電容量が大きくなり、電極膜密度が大きくなり易いため好ましい。本発明に係るニッケル粉は、特に上記本発明に係るニッケル粉の製造方法により製造すると炭素等の不純物の含有量又は付着量の少ないニッケル粉が得られ、炭素含有量が上記範囲内になり易い。
本発明に係る導電性ペーストの形態: 本発明に係る導電性ペーストは、上記本発明に係るニッケル粉を含むものであり、ニッケル粉以外に樹脂及び溶媒を含むものである。本発明で用いられる樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース類や、ブチルメタクリレート、メチルメタクリレート等のアクリル樹脂等が挙げられる。本発明において、上記樹脂は1種単独で又は2種以上混合して用いることができる。また、本発明で用いられる溶剤としては、例えば、ターピネオール、ジヒドロターピネオール等のテルペン類や、オクタノール、デカノール等のアルコール等が挙げられる。本発明において、上記溶剤は1種単独で又は2種以上混合して用いることができる。
本発明に係る導電性ペーストは、本発明に係るニッケル粉の含有量が、通常40重量%〜70重量%、好ましくは50重量%〜60重量%である。上記ニッケル粉の含有量が該範囲内にあると、ペーストが良好な導電性を有し、充填性が高く、耐熱収縮性が小さいものとなり易いため好ましい。
上記本発明に係るニッケル粉は、例えば、導電性ペーストの製造に用いられる公知のペーストと混合することにより、ニッケル粉の分散した導電性ペーストが得られる。該導電性ペーストは、例えば、積層セラミックコンデンサの内部電極の形成のために用いられるニッケルペーストとして使用することができる。
以下に実施例を示すが、本発明はこれらに限定されて解釈されるものではない。
予備混合工程: タンクにエチレングリコール(三井化学株式会社製)50L(56kg)、水酸化ニッケル(OM Group株式会社製)12.47kg、100g/lに調製した硝酸パラジウム水溶液(田中貴金属株式会社製)53ml及びポリビニルピロリドンK30(和光純薬工業株式会社製)0.67kgを混合し、攪拌して溶液(溶液A)を調製した。
混合工程: 一方、別のタンクにエチレングリコール(三井化学株式会社製)80L(89kg)を入れ、攪拌した状態で、これに溶液Aの全量を添加し、混合して溶液(溶液B)を調製した。
還元工程: 溶液Bを反応槽に送液し、さらにエチレングリコール(三井化学株式会社製)29L(32kg)を添加し、混合して反応液(反応液A)を調製した。該反応液Aを加温し、160℃で10時間保持した。これらの操作によりスラリー(スラリーA)が得られた。
洗浄工程: この後、スラリーA中の上部にあるエチレングリコールを反応槽上部から140L排出した。この後、残ったスラリーAを吸引濾過して固液分離した。分離されたケークに水200Lを加えてデカンテーションを行った後、水を除去した。水を除去して得られた粉末にメタノール50Lを加えてデカンテーションを行った後、メタノールを除去した。メタノール除去後の粉末を80℃で5時間乾燥させたところ、ニッケル粉が得られた。
得られたニッケル粉を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。該ニッケル粉の走査型電子顕微鏡写真を図1に示す。そして、得られたニッケル粉について、下記測定方法により、画像解析平均粒径、D10、D50、D90、Dmax、SD及び炭素残留量を測定した。結果を表1に示す。また、粒度分布のグラフを図2に示す。
画像解析平均粒径の測定方法: 試料粉体を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて画面内の1次粒子の数が100個以上になる倍率(50000倍)で観察し、旭エンジニアリング株式会社製高精細画像解析装置IP−1000PCを用いて該画像に基づいて画像解析し、100個の1次粒子の平均粒径を測定した。
粒径D10、D50、D90、Dmax、SDの測定方法: 200ccのサンプル容器に試料約0.1gを採り、0.1g/lの分散剤(サンノブコ株式会社製SNディスパーサント5468)を100ml添加混合後、超音波分散機(日本精機株式会社製US−300T)により10分間分散しサンプル液を調製した。該サンプル液につき、日機装株式会社製マイクロトラックHRAを用いてレーザー回折散乱法で求められる累積体積が10%、50%及び90%の時点における粒径(μm)を、D10、D50及びD90とし、最大粒径をDmaxとした。また、これらの測定の際に得られた粒度分布の標準偏差をSDとした。
炭素残留量の測定方法: 株式会社堀場製作所製炭素・硫黄同時分析装置EMIA−320Vを用い、0.5gの試料を175mAの出口設定で加熱して燃焼させ、赤外線吸収法により炭素量を測定した。
比較例1
予備混合工程及び混合工程: 予備混合工程及び混合工程を実施例1と同様に行い、溶液Bを調製した。
還元工程: 溶液Bを反応槽に送液し、さらにエチレングリコール(三井化学株式会社製)29L(32kg)を添加し、混合して反応液(反応液A)を調製した。該反応液Aを加温し、190℃で5時間保持したところスラリー(スラリーB)が得られた。
洗浄工程: この後、スラリーB中の上澄みを反応槽上部から140L排出した。この後、残ったスラリーBを吸引濾過して固液分離した。分離されたケークに水200Lを加えてデカンテーションを行った後、水を除去した。さらに、粉末にメタノール50Lを加えてデカンテーションを行った後、メタノールを除去した。メタノール除去後の粉末を80℃で5時間乾燥させたところ、ニッケル粉が得られた。
得られたニッケル粉を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。該ニッケル粉の走査型電子顕微鏡写真を図3に示す。そして、得られたニッケル粉について、実施例1と同様にして、諸特性を測定した。結果を表1に示す。また、粒度分布のグラフを図4に示す。
表1より、実施例1のニッケル粉は、比較例1のニッケル粉に対してDmax及びSDが小さく、残留炭素量も少なくなっていることが判る。
本発明に係るニッケル粉及び導電性ペーストは、例えば、積層セラミックコンデンサの内部電極の形成のために用いられるニッケルペースト及びその原料として使用することができる。
実施例1のニッケル粉の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例1のニッケル粉の粒度分布を示すグラフである。 比較例1のニッケル粉の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例1のニッケル粉の粒度分布を示すグラフである。

Claims (8)

  1. ニッケル塩、ポリオール及び貴金属触媒を含む反応液を還元温度まで加熱し、該還元温度を維持しながら該反応液中のニッケルイオンを還元するニッケル粉の製造方法において、 前記還元温度が、150℃〜210℃で且つ前記ポリオールの沸点より150℃〜10℃低い温度であることを特徴とするニッケル粉の製造方法。
  2. 前記反応液が、さらに分散剤を含むことを特徴とする請求項1に記載のニッケル粉の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の方法で製造されたことを特徴とするニッケル粉。
  4. 画像解析平均粒径が0.02μm〜0.2μmであることを特徴とする請求項3に記載のニッケル粉。
  5. 平均粒径D50が0.1μm〜0.5μmであることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のニッケル粉。
  6. 最大粒径Dmaxが0.7μm以下であることを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載のニッケル粉。
  7. 炭素含有量が0.6重量%以下であることを特徴とする請求項3〜請求項6のいずれか1項に記載のニッケル粉。
  8. 請求項3〜請求項7のいずれか1項に記載のニッケル粉を含むことを特徴とする導電性ペースト。
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