JP2017150058A - ニッケル微粉末及びその製造方法 - Google Patents

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和彦 大久保
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【課題】凝集がなく、粒度分布がシャープであり、積層セラミックコンデンサの内部電極用の材料として好適に用いることができるニッケル微粉末及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係るニッケル微粉末は、粒径が200nm以下、好ましくは100nm以下であり、一次粒子が平均粒径±30%以内に95%以上の割合で存在しており、表面に厚さ1nm以上の酸化ニッケルを含む酸化膜を有する。このようなニッケル微粉末は、液相法により作製した粒径200nm以下のニッケル微粒子の水スラリーに有機溶剤を添加して置換する工程と、有機溶剤で置換して得られたニッケル有機溶剤スラリーに対して酸化剤を添加し、ニッケル微粒子の表面を酸化する工程とを少なくとも経ることによって製造することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば積層セラミックコンデンサの内部電極用の材料として好適に用いることができるニッケル微粉末及びその製造方法に関する。
一般に、積層セラミックコンデンサ(以下、「MLCC」ともいう)の内部電極に用いられるニッケルペーストは、ビヒクル中にニッケル粉を混練して製造され、多くのニッケル粉の凝集体を含んでいる。ニッケル粉の製造プロセスでは、その最終段階に、ニッケル粉の製造方法(気相法、液相法)を問わずに乾燥工程を有するのが通常であり、この乾燥工程における乾燥処理がニッケル粒子の凝集を促すことから、得られるニッケル粉には乾燥時に生じた凝集体が含まれていることが一般的である。
近年のMLCCは、小型で大容量化を達成させるために、内部電極層を伴ったセラミックグリーンシートの積層数を、数百から1000層程度にまで増加させることが要求されている。このため、内部電極層の厚みを従来の数ミクロンレベルからサブミクロンレベルに薄層化する検討がなされており、それに伴い、内部電極用の電極材料のニッケル粉の小粒径化が進められている。
しかしながら、小粒径になるほどニッケル粉の表面積は大きくなり、それに伴い表面エネルギーが大きくなって、凝集体を形成し易くなる。また、ニッケル超微粉等の金属超微粉は、分散性が悪く、凝集体が存在するようになると、セラミックコンデンサ製造時における焼成工程でニッケル粉が焼結する際にセラミックシート層を突き抜けてしまい、電極が短絡した不良品となる。また、たとえセラミックシート層を突き抜けない場合であっても、電極間距離が短くなることで部分的な電流集中が発生するため、積層セラミックコンデンサの寿命劣化の原因となっていた。
現在、熱CVD(化学気相成長)法やプラズマCVD法等の気相法では、得られる粒子径がばらばらであり(例えば特許文献1の図面を参照)、平均粒子径が200nm以下のニッケルナノ粒子を分級する技術は未完成である。また、分級の精度も満足できるものではなく、200nmを超える粗大粒子を完全に除去することができていないことから、粗大粒子による電極層同士のショートによる不良が問題となっている。
一方、液相法で合成されるニッケルナノ粒子は、気相法で合成されるものより粒度分布が狭いため、上述した内部電極用の材料としての用途に適している。
しかしながら、液相法により、分級しなくても粒度分布が狭く、200nm以下のニッケルナノ粒子を合成できるとしても、粒径が小さくなることでその表面積が大きくなるため、大気雰囲気に触れることで異常発熱をおこすおそれがある。また、発熱することで酸化ニッケルが生成され、強固な凝集体にもなってしまう。一方、水スラリー中でニッケルナノ粒子の表面の酸化処理を行うと、粒子表面の酸化と同時に水酸化ニッケルが生成されてしまい、ニッケルペーストにしたときの電気特性の悪化を招くため、MLCCの内部電極用の材料としては好ましくない。
このような挙動は、取扱いが難しい上に製品不良を引き起こす可能性が懸念されており、したがって、液相法で合成されるニッケルナノ粒子については、粒子表面状態の改善が望まれている。
なお、特許文献2には、ニッケル粒子の表面の酸化処理についての技術が開示されており、液相法で作製したニッケル粉を純水に添加してスラリー化してから、過酸化水素で酸化することの技術事項が開示されている。
特開2009−024239号公報 特開平11−343501号公報
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、凝集がなく、その粒度分布がシャープであり、積層セラミックコンデンサの内部電極用の材料として好適に用いることができるニッケル微粉末及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、ニッケル微粒子を含む水スラリーを有機溶剤により置換し、得られた有機溶剤のスラリーに対して酸化処理を施すことにより、凝集がなく、粒度分布がシャープなニッケル微粉末が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)本発明の第1の発明は、粒径が200nm以下であり、一次粒子が平均粒径±30%以内に95%以上の割合で存在しており、表面に厚さ1nm以上の酸化ニッケルを含む酸化膜を有するニッケル微粉末である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、平均粒径が100nm以下である、ニッケル微粉末である。
(3)本発明の第3の発明は、有機溶剤中に、粒径が200nm以下であり、一次粒子が平均粒径±30%以内に95%以上の割合で存在し、表面に厚さ1nm以上の酸化ニッケルを含む酸化膜を有する、ニッケル微粉末が分散してなるニッケル粉有機スラリーである。
(4)本発明の第4の発明は、液相法により作製した粒径200nm以下のニッケル微粒子の水スラリーに有機溶剤を添加して、該有機溶剤のスラリーに置換し、置換して得られたニッケル有機溶剤スラリーに対して酸化剤を添加して、ニッケル微粒子の表面を酸化するニッケル微粉末の製造方法である。
(5)本発明の第5の発明は、第4の発明において、前記酸化剤は、過酸化水素である、ニッケル微粉末の製造方法である。
(6)本発明の第6の発明は、第4又は第5の発明において、前記酸化剤の添加量は、前記ニッケル微粒子の質量に対して0.1ml/g以上とする、ニッケル微粉末の製造方法である。
(7)本発明の第7の発明は、第1又は第2の発明に係るニッケル微粉末を含有してなる積層セラミックコンデンサ内部電極用のニッケルペーストである。
本発明によれば、凝集がなく、その粒度分布がシャープであり、積層セラミックコンデンサの内部電極用の材料として好適に用いることができるニッケル微粉末及びその製造方法を提供することができる。
ニッケル微粉末の製造プロセスの流れを示すフロー図である。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更することができる。
≪1.ニッケル微粉末≫
本実施の形態に係るニッケル微粉末は、径が200nm以下であり、その一次粒子が平均粒径±30%以内の範囲に95%以上の割合で存在しており、凝集体をほとんど含まないものである。また、このニッケル微粉末は、その表面に厚さ1nm以上の酸化ニッケルを含む酸化膜を有している。
このようなニッケル微粉末では、凝集がほとんどなく、粒度分布がシャープであって、自動車や携帯電話等の形態機器に搭載される積層セラミックコンデンサ(MLCC)の内部電極に用いられる材料として好適に用いることができる。
より具体的に、本実施の形態に係るニッケル微粉末は、粒径が200nm以下であって、好ましくは100nm以下である。このように粒径が200nm以下の微粉末であることにより、MLCCの内部電極用の材料として好適に用いることができ、またその内部電極層の薄層化にも有効に対応することができる。
また、このニッケル微粉末は、その一次粒子が、平均粒径の±30%以内の範囲に95%の割合で存在している。ここで、一次粒子とは、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察される単位粒子を指し、単位粒子が凝集、結合してできた粒子、いわゆる二次粒子を意味するものではない。また、平均粒径は、SEMによる観察像の所定範囲内に存在する100個のニッケル微粒子の一次粒子の粒径を測定して求められる平均値である。なお、一次粒子の存在割合については、例えば、SEMにより求めた平均粒径に基づいて、平均粒径±30%の範囲における100個の一次粒子のうちの個数を測定することが求めることができる。
ニッケル微粉末の一次粒子が、平均粒径の±30%以内の範囲に95%以上の割合で存在していることは、すなわち、その粒度分布が極めてシャープなものであって均一な粒径のニッケル微粉末であり、しかも、粒径200nm以下の一次粒子が凝集せずに分散した状態で存在していることを意味している。
このようなニッケル微粉末によれば、凝集体を含めた粗大粒子が極めて少ないことから、MLCCの内部電極層の層同士のショート等の発生を防ぐことができる。
また、このニッケル微粉末では、その粒子表面に厚さ(膜厚)1nm以上、より好ましくは5nm以上の酸化膜を有しており、具体的にはその酸化膜は酸化ニッケルを含む。詳しくは後述するが、本実施の形態に係るニッケル微粉末の製造方法では、有機溶剤中に分散させたニッケル微粒子(ニッケル有機溶剤スラリー)に対して過酸化水素等の酸化剤により酸化処理を施し、その表面に酸化ニッケルの酸化膜を生成させるようにしている。なお、粒子表面の酸化膜の厚さについては、用途に応じて適宜設定することができる。MLCC用としては、後工程に還元雰囲気での熱処理工程があるため特に限定されないが、例えば導電性に影響が生じない程度であれば20nm以下程度とすることができる。
このように、酸化ニッケルを含む酸化膜を表面に有するニッケル微粉末によれば、粒径200nm以下の小粒径のものであっても、粒子同士の凝集を効果的に防ぐことができ、凝集体の生成を防ぐことができる。
また、本実施の形態に係るニッケル微粉末は、上述したように、ニッケル微粒子を有機溶剤中に分散させてニッケル有機スラリーとし、そのスラリーに対して酸化処理を施すようにしているため、水酸化ニッケルの生成を防ぐことができる。したがって、このニッケル微粉末においては、水酸化ニッケルを含有しない。なお、水酸化ニッケルの存在の確認については、SEMを用いた観察により行うことができる。
≪2.ニッケルペースト≫
上述したように、本実施の形態に係るニッケル微粉末は、粒径が200nm以下であって、その一次粒子が平均粒径±30%以内の範囲に95%以上の割合で存在しており、凝集体をほとんど含まないものである。また、このニッケル微粉末は、その表面に厚さ1nm以上の酸化ニッケルを含む酸化膜を有している。
このようなニッケル微粉末は、凝集体が存在せず、粒径が200nm以下のニッケル微粒子が良好に分散しているものであることから、このニッケル微粒子を原料としてニッケルペーストとすることにより、塗布後の乾燥膜密度に優れたペーストとすることができる。また、微粒子同士の凝集によるペースト粘度の上昇もない。このようなニッケルペーストは、MLCCの内部電極用のペーストとして好適に用いることができる。
ここで、ニッケルペーストは、例えばニッケル微粉末を純水中に投入して水スラリーとし、この水スラリーを、有機溶剤とバインダー樹脂とからなるビヒクルと混練することによって製造することができる。なお、ニッケルペーストの製造方法については、これに限定されるものではない。
≪3.ニッケル微粉末の製造方法≫
次に、上述した特徴を有するニッケル微粉末の製造方法について説明する。
本実施の形態に係るニッケル微粉末の製造方法は、液相法により作製したニッケル微粒子のスラリーに有機溶剤を添加して置換する工程と、有機溶剤で置換して得られたニッケル有機溶剤スラリーに対して酸化剤を添加してニッケル微粒子の表面を酸化する工程とを有することを特徴としている。
以下では、より具体的に、この製造方法を、下記(A)工程〜(E)工程に分けてそれぞれ詳細に説明する。すなわち、図1に示すように、このニッケル微粉末の製造方法は、ニッケルナノ粒子を作製する工程(A)、ニッケルナノ粒子の水スラリーを有機溶剤で置換する工程(B)、有機溶剤で置換して得られたニッケル有機溶剤スラリーに対して酸化処理を施す工程(C)、ニッケル有機スラリーとして保存する工程(D)または、ニッケル有機スラリーを真空乾燥して乾燥粉として保存する工程(E)を有する。
[(A)ニッケルナノ粒子の作製工程]
先ず、出発原料となる、粒径200nm以下のニッケルナノ粒子(ニッケル微粒子)を作製する。本実施の形態においては、液相法によりニッケル微粒子を作製し、作製したニッケル微粒子を純水に添加してニッケル微粒子の水スラリーとする。
具体的に、液相法としては、ニッケル塩化合物を含有するニッケル塩溶液に対してヒドラジン等の還元剤を用いた湿式還元法等を挙げることができる。なお、液相法により作製したニッケル微粒子の水スラリーとしては、住友金属鉱山株式会社製のニッケル粉水スラリーである、規格名:NR707(湿式還元法によるニッケル超微粉、平均粒径70nm)、NR720(湿式還元法によるニッケル超微粉、平均粒径200nm)等が市販されており、有効に用いることができる。
[(B)有機溶剤による置換工程]
次に、得られたニッケル微粒子の水スラリー(ニッケル水スラリー)に対して有機溶剤を添加して置換処理を施し、ニッケル微粒子が有機溶剤中に分散した「ニッケル有機溶剤スラリー」を生成させる。
有機溶剤としては、ニッケル水スラリーを有機溶剤のスラリーに置換可能なものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、ジヒドロターピネオールアセテート、イソボルニルプロピオナート、イソボルニルイソブチレート、ミネラルスピリット、0号ソルベント、ブチルカルビトール、酢酸イソブチル、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、ヘキサン、エタノール、ノナン、ノナノール、デカノール等が挙げられる。さらには、CnH2n+2、CnH2n、CnH2n−2で示される脂肪族炭化水素、CnH2n−6で示される芳香族炭化水素等を用いることもでき、具体的には、ジメチルオクタン、エチルメチルシクロヘキサン、メチルプロピルシクロヘプタン、トリメチルヘキサン、ブチルシクロヘキサン、トリデカン、テトラデカン、メチルノナン、エチルメチルヘプタン、トリメチルデカン、ペンチルシクロヘキサン、デカン、ウンデカン、ドデカン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、1種単独で、あるいは2種以上を併せて用いることができる。
具体的に、有機溶剤による置換処理は、ニッケル微粒子の水スラリーに対して所定量の有機溶剤を添加し、軽く撹拌してデカンテーションを行う。そして、このようなデカンテーションを3回繰り返して行い、これにより、ニッケル水スラリーからニッケル有機溶剤スラリーに置換させる。
[(C)酸化処理を施す工程]
次に、得られたニッケル有機溶剤スラリー、すなわち、有機溶剤中に分散したニッケル微粒子に対して、酸化剤による酸化処理を施す。この酸化処理により、ニッケル微粒子の表面に酸化ニッケルを含む酸化膜を生成させる。
酸化剤としては、特に限定されず、過酸化水素、オゾン等を用いることができるが、低コストであって扱いやすいという観点から過酸化水素を用いることが好ましい。
具体的に、この酸化処理では、ニッケル有機溶剤スラリーに過酸化水素等の酸化剤を少しずつ添加して撹拌することによって行う。例えば、酸化剤として過酸化水素を用いる場合、その添加量としては、ニッケル有機溶剤スラリー中に存在するニッケル微粒子1gに対して過酸化水素を0.1ml/g以上の割合で添加することが好ましく、1ml/g以上の割合で添加することがより好ましい。
過酸化水素の添加量が、ニッケル微粒子1gに対して0.1ml/g未満であると、そのニッケル微粒子の表面に酸化膜は存在するようになるものの、厚さが1nm未満と極薄い酸化膜となる可能性がある。これにより、得られるニッケル微粉末において凝集が発生する可能性がある。なお、添加量の上限値としては、特に限定されないが、ニッケル微粒子1gに対して20ml/g以下程度とすることが好ましく、10ml/g以下程度とすることがより好ましい。過酸化水素の添加量が20ml/gより多いと、酸化膜としては十分であるものの、無駄にコストがかかり非効率となる。
このように、本実施の形態に係るニッケル微粉末の製造方法では、ニッケル微粒子に対して酸化処理を施して酸化膜を形成させるとともに、その酸化処理を有機溶剤中に分散させた状態のニッケル微粒子に対して行うことが重要となる。これにより、得られるニッケル微粉末の乾燥時における凝集をより効果的に防ぐことができる。また、水酸化ニッケルの発生を防ぐことができる。
[(D)ニッケル有機スラリーとして保存する工程]
上述したように、過酸化水素等の酸化剤により酸化処理を施すことで、表面に酸化ニッケルを含む酸化膜を有するニッケル微粒子(ニッケル微粉末)のスラリーが得られる。ここで、その酸化膜を表面に有するニッケル微粉末のスラリーを、「ニッケル有機スラリー」という。
このようにして生成したニッケル有機スラリーは、そのままの状態で保存することができる。また、そのニッケル有機スラリーをそのまま原料として、すなわち乾燥粉にすることなく、ニッケルペーストを製造することができる。具体的には、例えば、保存していたニッケル有機スラリーを原料として用い、有機溶剤とバインダー樹脂とからなるビヒクルに添加して混練することによって、ニッケルペーストを製造することができる。
本実施の形態においては、上述した酸化処理によってニッケル微粒子の表面に酸化ニッケルを含む酸化膜が形成されていることにより、得られたニッケル有機スラリー中においても、そのニッケル微粒子同士の凝集を抑制することができ、ニッケル微粉末の粗大化を防ぐことができる。
[(E)乾燥処理を施して乾燥粉とする工程]
また、上述のようにして得られたニッケル有機スラリーについては、さらに乾燥処理を施すことによって乾燥粉とすることができる。
具体的に、乾燥処理の方法としては、特に限定されないが、例えば、温度70℃〜150℃程度の条件で真空乾燥を3時間〜15時間程度実施することによって、スラリー中の溶剤成分を乾燥蒸発させ、乾燥粉(ニッケル微粉末)を得ることができる。
本実施の形態においては、上述した酸化処理によってニッケル微粒子の表面に酸化ニッケルを含む酸化膜が形成されていることにより、真空乾燥等の乾燥処理を施した場合でも、その乾燥による凝集を抑制でき、ニッケル微粉末の粗大化を防ぐことができる。
なお、このようにして得られた乾燥粉であるニッケル微粉末においては、例えばそのニッケル微粉末を純水に投入して水スラリーとして、ニッケルペーストの製造原料とすることができる。
以下では、本発明の実施例を示してさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
≪ニッケル有機スラリー、ニッケル微粉末(乾燥粉)の製造≫
(ニッケルナノ粉の準備)
先ず、住友金属鉱山株式会社製のニッケル粉水スラリー(水分量80%)1000g(規格名:NR707、湿式還元法によるニッケル超微粉、平均粒径70nm)を出発原料として準備した。
(有機溶剤による置換)
次に、有機溶剤としてジヒドロターピネオール(日本香料株式会社製)を用意し、その有機溶剤1000gをニッケル粉水スラリーに入れ、軽く撹拌してデカンテーションを行った。このデカンテーションを3回繰り返し、ニッケル水スラリーを有機溶剤のスラリーに置換して、ニッケル有機溶剤スラリーを生成させた。
(酸化処理)
次に、有機溶剤置換して得られたニッケル有機溶剤スラリー(溶剤量80%)1000gに対して、過酸化水素200ml(スラリー中のニッケル微粒子1gに対して1ml/g)を少しずつ投入していき、撹拌しながら酸化処理を行った。これにより、スラリー中のニッケル微粒子の表面に酸化膜を形成させた、ニッケル有機スラリーを得た。
(真空乾燥処理)
続いて、得られたニッケル有機スラリーから乾燥粉を得るために、そのスラリーを真空乾燥機内に投入し、温度70℃、3時間の条件で真空乾燥を実施した。この真空乾燥処理により、ニッケル微粉末の乾燥粉を得た。
≪評価≫
(ニッケル有機スラリー中のニッケル微粉末の凝集評価)
得られたニッケル有機スラリーについて、ニッケル微粉末の凝集の評価を行った。具体的には、ニッケル有機スラリーを、エクセルオートホモジナイザー(日本精機株式会社製)を用いて周速10m/sの回転速度で2分間混合撹拌した。その後、0.1μmの濾紙で減圧濾過処理を行い、濾紙上に残存したニッケル微粉末を確認した。なお、出発原料として、平均粒径70nmのニッケル微粒子を用いた場合には0.1μmの濾紙を用いて減圧濾過し、平均粒径200nmのニッケル微粒子を用いた場合には0.3μmの濾紙を用いて減圧濾過した。
減圧濾過後、濾紙上にほとんどニッケル微粉末が残らなかった場合を、凝集が生じずに分散性が良好(『良』)であったと評価した。一方で、濾紙上にニッケル微粉末の大半が残存した場合を、凝集が生じて分散性が不良(『不良』)であったと評価した。
(平均粒径及び一次粒子の存在率)
得られた乾燥粉(ニッケル微粉末)を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、SEM観察像の所定範囲内に存在する100個の一次粒子の粒径を測定し、その平均値を平均粒径とした。また、その平均粒径に基づいて、100個の一次粒子のうちの平均粒径±30%の範囲内に存在する割合を求めた。
(水酸化ニッケルの発生の有無)
得られた乾燥粉(ニッケル微粉末)のSEM観察により、水酸化ニッケルの発生の有無を確認した。水酸化ニッケルの発生が確認された場合を『有り』、確認されなかった場合を『無し』として評価した。
(乾燥粉の凝集評価)
また、得られた乾燥粉(ニッケル微粉末)のSEM観察により、そのニッケル微粉末の凝集の発生を確認した。凝集の発生が確認された場合を『有り』、確認されなかった場合を『無し』として評価した。なお、凝集が若干確認されたものの、ほとんど発生無しと判断されたものを『ほぼ無し』として評価した。
(酸化膜の膜厚)
また、得られた乾燥粉(ニッケル微粉末)における酸化ニッケルからなる酸化膜の膜厚を、エネルギー分散型X線分析(EDS分析)で測定した。具体的には、EDS分析によりニッケル量と酸素量とを測定し、得られた数値から酸化換算して酸化膜厚を求めた。
[実施例2]
置換する有機溶剤としてアセトンを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてニッケル微粉末を製造した。そして、得られたニッケル有機スラリー、乾燥粉について、実施例1と同様にして評価した。
[実施例3]
置換する有機溶剤としてエタノールを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてニッケル微粉末を製造した。そして、得られたニッケル有機スラリー、乾燥粉について、実施例1と同様にして評価した。
[実施例4]
置換する有機溶剤としてエチレングリコールを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてニッケル微粉末を製造した。そして、得られたニッケル有機スラリー、乾燥粉について、実施例1と同様にして評価した。
[実施例5]
酸化処理に用いる過酸化水素の添加量を20ml(スラリー中のニッケル微粒子1gに対して0.1ml/g)にしたこと以外は、実施例4と同様にしてニッケル微粉末を製造した。そして、得られたニッケル有機スラリー、乾燥粉について、実施例1と同様にして評価した。
[実施例6]
酸化処理に用いる過酸化水素の添加量を2000ml(スラリー中のニッケル微粒子1gに対して10ml/g)にしたこと以外は、実施例4と同様にしてニッケル微粉末を製造した。そして、得られたニッケル有機スラリー、乾燥粉について、実施例1と同様にして評価した。
[実施例7]
液相法により作製された200nm以下の超微粒ニッケル粉としては、住友金属鉱山株式会社製のニッケル粉水スラリー規格名:NR720(湿式還元法によるニッケル超微粉、平均粒径200nm)を用いて出発原料としたこと以外は、実施例4と同様にしてニッケル微粉末を製造した。そして、得られたニッケル有機スラリー、乾燥粉について、実施例1と同様にして評価した。
[実施例8]
酸化処理に用いる過酸化水素の量を20ml(スラリー中のニッケル微粒子1gに対して0.1ml/g)にしたこと以外は、実施例7と同様にしてニッケル微粉末を製造した。そして、得られたニッケル有機スラリー、乾燥粉について、実施例1と同様にして評価した。
[比較例1]
比較例1では、有機溶剤による置換を行わず、ニッケル水スラリーのままの状態で酸化処理を施したこと以外は、実施例1と同様にしてニッケル微粉末を製造した。そして、得られたニッケル有機スラリー、乾燥粉について、実施例1と同様にして評価した。
[比較例2]
比較例2では、酸化処理に用いる過酸化水素の量を2ml(スラリー中のニッケル微粒子1gに対して0.01ml/g)にしたこと以外は、実施例4と同様にしてニッケル微粉末を製造した。
下記表1に、実施例1〜8、比較例1、2にて得られたニッケル微粉末の製造条件、及びその評価結果をまとめて示す。
Figure 2017150058
表1に示すように、実施例1〜7にて得られたニッケル微粉末は、ニッケル有機スラリーにおいても凝集が発生せず、良好な分散性を有していた。また、乾燥粉においても、凝集はほとんど発生せず、酸化膜も1nm以上のものが形成され、酸化されていることが確認された。また、水酸化ニッケルの発生も確認されなかった。これらのことから、得られたニッケル微粉末は、小粒径なものであって、積層セラミックコンデンサの内部電極用の材料として好ましいものであった。
これに対して、比較例1では、得られた乾燥粉には5nmの酸化膜が形成されており酸化されていることが確認されたが、凝集が発生しまった。また、水酸化ニッケルの発生も確認された。これらのことから、得られたニッケル微粉末は、積層セラミックコンデンサの内部電極等の材料として使用するには好ましくないものであった。
また、比較例2では、乾燥粉に関しては、水酸化ニッケルは生じなかったものの、凝集が生じた。また、ニッケル有機スラリー中において凝集が生じ、分散性の悪いものであることが確認された。

Claims (7)

  1. 粒径が200nm以下であり、
    一次粒子が平均粒径±30%以内に95%以上の割合で存在しており、
    表面に厚さ1nm以上の酸化ニッケルを含む酸化膜を有する
    ニッケル微粉末。
  2. 平均粒径が100nm以下である
    請求項1に記載のニッケル微粉末。
  3. 有機溶剤中に、
    粒径が200nm以下であり、一次粒子が平均粒径±30%以内に95%以上の割合で存在し、表面に厚さ1nm以上の酸化ニッケルを含む酸化膜を有する、ニッケル微粉末が分散してなる
    ニッケル粉有機スラリー。
  4. 液相法により作製した粒径200nm以下のニッケル微粒子の水スラリーに有機溶剤を添加して、該有機溶剤のスラリーに置換し、
    置換して得られたニッケル有機溶剤スラリーに対して酸化剤を添加して、ニッケル微粒子の表面を酸化する
    ニッケル微粉末の製造方法。
  5. 前記酸化剤は、過酸化水素である
    請求項4に記載のニッケル微粉末の製造方法。
  6. 前記酸化剤の添加量は、前記ニッケル微粒子の質量に対して0.1ml/g以上とする
    請求項4又は5に記載のニッケル微粉末の製造方法。
  7. 請求項1又は2に記載のニッケル微粉末を含有してなる
    積層セラミックコンデンサ内部電極用のニッケルペースト。
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