JP2014029013A - 複合ニッケル粒子 - Google Patents

複合ニッケル粒子 Download PDF

Info

Publication number
JP2014029013A
JP2014029013A JP2013061307A JP2013061307A JP2014029013A JP 2014029013 A JP2014029013 A JP 2014029013A JP 2013061307 A JP2013061307 A JP 2013061307A JP 2013061307 A JP2013061307 A JP 2013061307A JP 2014029013 A JP2014029013 A JP 2014029013A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nickel
composite
particles
hydroxide
composite nickel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013061307A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5993764B2 (ja
Inventor
Katsuhiro Yamada
勝弘 山田
Shuji Inoue
修治 井上
Kyoko Adachi
恭子 足立
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel and Sumikin Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel and Sumikin Chemical Co Ltd filed Critical Nippon Steel and Sumikin Chemical Co Ltd
Priority to JP2013061307A priority Critical patent/JP5993764B2/ja
Publication of JP2014029013A publication Critical patent/JP2014029013A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5993764B2 publication Critical patent/JP5993764B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Non-Insulated Conductors (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Abstract

【課題】粒子の凝集や融着、脱バインダー時の金属ニッケル粒子の急激な温度上昇を抑制しつつ、耐焼結性を向上させた複合ニッケル粒子を提供する。
【解決手段】 金属ニッケル粒子の表面に、水酸化物又は酸化物の被膜を有し、酸素元素を0.2〜2.5質量%の範囲内で含有する複合ニッケル粒子。水酸化物又は酸化物の被膜は、その平均厚さが1〜6nmの範囲内にあって、X線光電子分光によって水酸化ニッケル又は酸化ニッケルとして測定されるものであり、かつX線回折により結晶質の水酸化ニッケル及び酸化ニッケルが観測されない。
【選択図】図2

Description

本発明は、焼結性に優れた複合ニッケル粒子に関し、より詳しくは、例えば積層セラミックスコンデンサ(MLCC)の内部電極形成用などの導電ペーストに好適に利用できる複合ニッケル粒子に関する。
MLCCは、セラミックス誘電体と内部電極とを交互に層状に重ねて圧着し、焼成して一体化させたものである。このようなMLCCの内部電極を形成する際には、内部電極材料である金属ニッケル粒子をペースト化したのち、これをセラミックス基板上に印刷する。次いで、乾燥、積層及び圧着した後、通常、酸素雰囲気下で約250〜400℃に加熱して有機物を除去するための脱バインダー処理を行なう。このような加熱処理を行なうことによって、金属ニッケル粒子は酸化され、それにより体積膨張が起きる。さらにその後、還元性雰囲気下で高温(例えばチタン酸バリウム系セラミックス誘電体では約1200〜1400℃)で焼結を行なうが、この焼結により、一旦酸化された金属ニッケル粒子が還元されるとともに、体積の収縮が生じる。
このように、MLCCの製造工程では、酸化反応や還元反応によって金属ニッケル粒子が膨張・収縮して体積変化が生じる。また、セラミックス誘電体も焼結により膨張・収縮し、体積変化が生じる。ところが、金属ニッケル粒子とセラミックス誘電体とでは、焼結時における膨張・収縮による体積変化の挙動が異なるため、デラミネーションやクラック等の欠陥を生じるおそれがある。
このような問題を解決する手段として、金属ニッケル粒子の表面に存在する水酸化物を熱処理により酸化物に変化させて結晶質の酸化被膜を形成した金属ニッケル粒子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような金属ニッケル粒子は、表面に緻密で厚い酸化被膜が形成されているので、金属ニッケル粒子の内部への酸化の進行は抑制されるものの、焼結時においては、拡散係数の大きな酸化物が、セラミックス誘電体中へ拡散する懸念がある。また、特許文献1のように、粒子表面の被膜が結晶性の高いものであると、脱バインダー工程で粒子の急激な温度上昇を抑制する作用が小さいため、粒子の焼結や凝集を引き起こす原因となりやすい。
国際公開WO2004−020128号パンフレット
本発明の目的は、粒子の凝集や融着、脱バインダー時の金属ニッケル粒子の急激な温度上昇を抑制しつつ、耐焼結性を向上させた複合ニッケル粒子を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、ニッケル粒子の酸化・還元処理時における熱挙動に着目し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の複合ニッケル粒子は、金属ニッケル粒子の表面に、水酸化物又は酸化物の被膜を有する複合ニッケル粒子である。この複合ニッケル粒子は、酸素元素を0.2〜2.5質量%の範囲内で含有するものである。また、本発明の複合ニッケル粒子において、前記水酸化物又は酸化物の被膜は、その平均厚さが1〜6nmの範囲内にあって、X線光電子分光によって水酸化ニッケル又は酸化ニッケルとして測定されるものであり、かつX線回折により結晶質の水酸化ニッケル及び酸化ニッケルが観測されないことを特徴とする。
本発明の複合ニッケル粒子は、塩化ニッケルを還元して得られるものであってもよい。
本発明の複合ニッケル粒子は、走査型電子顕微鏡観察による平均粒子径が20〜250nmの範囲内であり、粒子径の変動係数(標準偏差/平均粒子径)が0.2以下であってもよい。
本発明の複合ニッケル粒子は、酸素元素を0.2〜2.5質量%の範囲内で含有するものであり、平均厚さが1〜6nmの範囲内の水酸化物又は酸化物の被膜を有しているため、金属ニッケルの表面活性が抑制されている。また、この被膜は、X線光電子分光によって水酸化ニッケル又は酸化ニッケルとして測定されるものであり、かつX線回折により結晶質の水酸化ニッケル及び酸化ニッケルが観測されないアモルファス状態の被膜であるため、脱バインダー時に速やかに水分となって揮発することにより、粒子の急激な温度上昇を抑制し、400℃以下の低温での粒子の焼結や凝集を防ぐことができる。また、焼結時には複合ニッケル粒子の内部への急激な酸化を抑制することができるので、デラミネーションやクラック等の欠陥の発生を防ぐことができる。このような複合ニッケル粒子は、例えば積層セラミックコンデンサの内部電極の材料として好適に用いることができる。
実施例1−2で得た複合ニッケル粒子のX線光電子分光(XPS)のチャートである。 実施例1−2で得た複合ニッケル粒子のX線回折(XRD)のチャートである。 実施例2−1で得られた複合ニッケル粒子のSEM(走査型電子顕微鏡)写真(×5万倍)である。 実施例2−1で得られた複合ニッケル粒子のTMA(熱機械分析)のチャートである。 実施例2−2で得られた複合ニッケル粒子のSEM写真(×5万倍)である。 実施例2−2で得られた複合ニッケル粒子のTMAのチャートである。 実施例2−3で得られた複合ニッケル粒子のSEM写真(×5万倍)である。 実施例2−3で得られた複合ニッケル粒子のTEM(透過型電子顕微鏡)写真である。 実施例2−3で得られた複合ニッケル粒子の結晶子の模様を模式的に示す説明図である。 実施例2−5で得られた複合ニッケル粒子のSEM写真(×5万倍)である。 実施例2−6で得られた複合ニッケル粒子のSEM写真(×1万倍)である。 実施例2−9で得られた複合ニッケル粒子のSEM写真(×1万倍)である。
[複合ニッケル粒子]
本実施の形態の複合ニッケル粒子は、金属ニッケル粒子の表面に、水酸化物又は酸化物の被膜を有する複合ニッケル粒子である。この複合ニッケル粒子は、酸素元素を0.2〜2.5質量%の範囲内で含有するとともに、水酸化物又は酸化物の被膜は、その平均厚さが1〜6nmの範囲内にあって、X線光電子分光(XPS)によって水酸化ニッケル又は酸化ニッケルとして測定されるものであり、かつX線回折により結晶質の水酸化ニッケル及び酸化ニッケルが観測されないという特徴を有している。
本実施の形態の複合ニッケル粒子は、ニッケル元素を含有する。ニッケル元素の含有量は、その使用目的に応じて適宜選択すればよいが、ニッケル元素の量を、複合ニッケル粒子100質量部に対し、好ましくは90質量部以上、より好ましくは95質量部以上とすることがよい。ニッケル以外の金属としては、例えば、チタン、コバルト、銅、クロム、マンガン、鉄、アルミニウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、ジルコニウム、スズ、タングステン、モリブデン、バナジウム、バリウム、カルシウム、ストロンチウム、シリコン、アルミニウム、リン等の卑金属、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、ロジウム、レニウム、ネオジウム、ニオブ、ホロニウム、ディスプロヂウム、イットリウム等の貴金属、希土類金属を挙げることができる。これは、単独で又は2種以上含有していてもよく、また水素、炭素、窒素、硫黄、ボロン等の金属元素以外の元素を含有していてもよいし、これらの合金であってもよい。
本実施の形態の複合ニッケル粒子は、酸素元素を含有している。複合ニッケル粒子における酸素元素の含有量は0.2〜2.5質量%の範囲内であり、好ましくは0.5〜2.0質量%の範囲内がよい。酸素元素の含有量が、0.2質量%未満であると、複合ニッケル粒子の表面活性を抑制する効果が小さくなる傾向があり、2.5質量%を超えると、焼結時に体積変化が生じやすくなる傾向がある。この酸素含有量は、複合ニッケル粒子の元素分析により確認することができる。このような酸素含有量は、複合ニッケル粒子の表面に部分的に存在する水酸化物又は酸化物の被膜に含有される酸素元素に由来するものと考えられる。このことは、複合ニッケル粒子における水酸化物又は酸化物の被膜の厚みが、平均粒子径の大小によらず殆ど大差がないのに対し、複合ニッケル粒子の平均粒子径が小さくなるにつれ、酸素元素の含有量が高くなる傾向があることから推察される。すなわち、複合ニッケル粒子の平均粒子径が小さいほど、その総表面積(全ての複合ニッケル粒子の合計の表面積)が大きいので、複合ニッケル粒子全体に占める酸素元素の含有量が相対的に大きくなると考えられる。
本実施の形態の複合ニッケル粒子において、複合ニッケル粒子の表面に存在する水酸化物又は酸化物の被膜(酸素含有被膜)として、例えば水酸化ニッケル(Ni(OH))又は酸化ニッケル(NiO)の被膜が形成されている。このような被膜は、複合ニッケル粒子を構成する金属ニッケルの表面に部分的に存在する被膜でもよいし、該粒子の全表面に亘る被膜でもよい。なお、水酸化物の被膜には、金属ニッケルの表面に存在する吸着水を含んでいてもよい。このような水酸化物又は酸化物の被膜により、複合ニッケル粒子の表面活性が抑制され、脱バインダー工程におけるバインダーの低温燃焼又は急激な熱分解を抑制することができる。このとき、酸素含有被膜が水酸化物の被膜である場合、脱水によって酸化物の被膜となり、複合ニッケル粒子の焼結が抑制されると考えられる。また、還元雰囲気下での熱処理により、複合ニッケル粒子における酸化物の被膜が還元されて存在しなくなると、複合ニッケル粒子の焼結が開始される。
水酸化物又は酸化物の被膜は、X線光電子分光によって水酸化ニッケル又は酸化ニッケルとして測定されるものであり、かつX線回折により結晶質の水酸化ニッケル及び酸化ニッケルが観測されないという特徴を有している。このことは、本実施の形態の複合ニッケル粒子において、水酸化物又は酸化物の被膜が、いずれも結晶性が低いアモルファス状の水酸化ニッケル又は酸化ニッケルによって構成されていることを意味するものであり、あるいは水酸化物又は酸化物の被膜が、いずれもX線回折によって検出できないレベルのものであることを意味している。前記被膜が水酸化物の被膜である場合には、水酸化物の被膜がアモルファス状又はX線回折による検出限界以下とすることによって、結晶性の高い水酸化物の被膜に比べて脱バインダー工程において脱水がスムーズに行われる。すなわち、低酸素雰囲気で約250〜400℃に加熱処理される脱バインダー工程では、金属ニッケルを被覆する水酸化物の被膜から水分が揮発し、除去される。このような脱水反応は、水酸化物の被膜の結晶性が高い場合よりも、アモルファス状又はX線回折による検出限界以下である場合の方が速やかに進行しやすい。そして、金属ニッケルを被覆する水酸化物の被膜からの水分の揮発は、気化熱によって金属ニッケルの急激な温度上昇を抑制して、400℃以下の低温での焼結や凝集を防ぐ作用を有している。また、前記被膜が酸化物の被膜である場合には、酸化物の被膜がアモルファス状又はX線回折による検出限界以下とすることによって、結晶性の高い酸化物の被膜に比べて還元工程においてスムーズに還元が進行しやすい。
水酸化物又は酸化物の被膜の平均厚みは、複合ニッケル粒子の凝集を効果的に抑制する観点から、例えば1〜6nmの範囲内であり、2〜5nmの範囲内であることが好ましい。水酸化物又は酸化物の被膜の平均厚みが1nm未満では、脱バインダー時の凝集抑制効果が十分に得られず、6nmを超える場合は、焼結時の収縮が大きくなりすぎる。
本実施の形態の複合ニッケル粒子は、炭素元素を含有していてもよい。複合ニッケル粒子の炭素元素の量は、複合ニッケル粒子に対し、好ましくは0.1〜1.5質量%の範囲内であり、より好ましくは0.5〜1.0質量%の範囲内である。この炭素元素の量は、複合ニッケル粒子の元素分析により確認することができる。炭素元素は、複合ニッケル粒子の表面に存在する有機化合物に由来するものであるが、炭素元素の一部が複合ニッケル粒子の内部に存在していてもよい。複合ニッケル粒子の表面に存在する炭素元素は、複合ニッケル粒子の凝集を抑制し、分散性向上に寄与し、複合ニッケル粒子に含有する酸素元素の還元を促進させる。従って、炭素元素が0.1質量%未満では、複合ニッケル粒子の凝集が生じやすくなり、1.5質量%を超えると、焼結時に炭化して残炭となり、これがガス化することによって粒子の膨れの原因となる。
本実施の形態の複合ニッケル粒子は、塩化ニッケルを還元して得られるものであることが好ましい。塩化ニッケルを原料とすることによって、複合ニッケル粒子の主成分である金属ニッケルの結晶性を高くすることができる。また、別の観点から、複合ニッケル粒子の一次粒子径に対して、その結晶子径が20%以上とすることが好ましい。このように、結晶性を高め、結晶子径を大きくすることにより、アモルファス性の金属ニッケルを主体とする複合ニッケル粒子に比べて、低温焼結を抑制する効果が大きくなる。このような高い結晶性を得るため、原料として用いるニッケル前駆体の50質量%以上が塩化ニッケルであることが好ましい。なお、複合ニッケル粒子を製造する方法については、後述する。
本実施の形態の複合ニッケル粒子は、塩化ニッケルを原料として好ましく製造されるが、塩化ニッケルを原料として用いると、複合ニッケル粒子中に塩素元素が残留する場合がある。塩素元素の含有量は、900質量ppm未満であることが好ましく、100質量ppm未満であることがより好ましい。複合ニッケル粒子中の塩素は、複合ニッケル粒子の酸化を促進させ該粒子の劣化の原因となるばかりでなく、導電ペーストを形成した際の経時劣化や、該粒子を用いてMLCCの電極を形成した場合にその特性に影響する可能性があり、極力低減することが好ましい。複合ニッケル粒子に含有される塩素は、複合ニッケル粒子を酸処理することによって除去することができる。この酸処理の方法については後述する。
本実施の形態に係る複合ニッケル粒子は、走査型電子顕微鏡観察による平均粒子径が20〜250nmの範囲内、好ましくは40〜150nmの範囲内がよい。別の観点から、BET測定による平均粒子径が20〜250nmの範囲内、好ましくは40〜150nmの範囲内がよい。複合ニッケル粒子の平均粒子径が上記下限値を下回ると、脱バインダー時の加熱で複合ニッケル粒子同士が凝集又溶融しやすくなり、また酸素を取り込みやすくなるため、複合ニッケル粒子の体積膨張や収縮変化が大きくなる。一方、複合ニッケル粒子の平均粒子径が上記上限値を上回ると、最小径の粒子及び最大径の粒子の分布幅が大きくなり、複合ニッケル粒子をMLCCの電極に利用した場合に、巨大粒子の存在によりショート不良を起こしやすい。
本実施の形態に係る複合ニッケル粒子は、粒子径の変動係数(CV)が0.2以下であることが好ましい。変動係数を0.2以下とすることで、ペースト塗布後の乾燥塗膜の表面平滑性が得られやすい。
[複合ニッケル粒子の製造方法]
次に、本実施の形態の複合ニッケル粒子の製造方法について説明する。
本実施の形態の複合ニッケル粒子は、気相法や液相法などの方法により得られるが、その製造方法については特に限定されない。気相法では、例えば、気化部、反応部、冷却部を有する反応装置を用いるとともに、原料として塩化ニッケルを用い、この塩化ニッケルを気化部で加熱気化した後にキャリアガスで反応部に移送し、ここで水素と接触させることによって粒子状に金属を析出させ、その後、得られた複合ニッケル粒子を冷却部で冷却するようにして得ることができる。反応温度は、例えば950℃〜1100℃程度に制御すればよい。
この方法における複合ニッケル粒子の粒径制御は、例えばキャリアガスの流速を制御することによって実施できる。一般に、キャリアガスの流速を上昇させれば、得られる複合ニッケル粒子の粒径は小さくなる傾向がある。また、得られた複合ニッケル粒子は、例えば遠心力を用いた分級手段などを用いることによって変動係数を制御することもできる。
気相法は液相法に比べて製造コストが高価になりがちであるので、液相法を適用することは有利である。液相法のなかでも、粒子径分布が狭い複合ニッケル粒子を短時間で容易に製造する方法として、下記の工程A〜C;
A)金属ニッケルの前駆体であるニッケル塩を有機溶媒に溶解して、ニッケル錯体を生成させた錯化反応液を得る工程、
B)錯化反応液を、マイクロ波照射によって加熱して、複合ニッケル粒子のスラリーを得る工程、
C)複合ニッケル粒子のスラリーから複合ニッケル粒子を単離する工程、
を具える方法が好ましい。
マイクロ波照射による錯化反応液の加熱は、該反応液内の均一加熱を可能とし、かつエネルギーを媒体に直接与えることができるため、急速加熱を行なうことができる。これにより、反応液全体を所望の温度に均一にすることができ、ニッケル錯体(又はニッケルイオン)の還元、核生成、核成長各々の過程を溶液全体において同時に生じさせ、結果として粒子径分布の狭い単分散な粒子を短時間で容易に製造することができる。特に、走査型電子顕微鏡観察による平均粒子径が20〜150nmの範囲内にある複合ニッケル粒子を製造するのに好適である。
工程A)錯化反応液生成工程:
ニッケル前駆体(ニッケル塩)としては、例えば塩化ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、カルボン酸ニッケル、Ni(acac)(β−ジケトナト錯体)、ステアリン酸ニッケル等を挙げることができる。これらの中でも、塩化ニッケル(II)が最も好ましい。例えば、塩化ニッケル六水和物(NiCl・6HO)は、錯体であるtrans―[NiCl(HO)]と、それに弱く結合した2個の水分子からなり、6個の水分子のうち4個のみが直接ニッケルと結合した構造を有している。このような構造のニッケル六水和物の水分子は容易にアミンなどによって置換され得るため、アミンと混合することで容易にアミン錯体を形成することができる。ニッケル前駆体の一部もしくは全部として塩化ニッケル(II)を用いることで、結晶性が高い金属ニッケルを生成することができる。また、塩化ニッケルは、カルボン酸ニッケルなどを用いる場合に比べ、アミド由来の水分の副生成を抑制することができる。
また、ニッケル前駆体として、上記塩化ニッケルとともに、還元過程での解離温度(分解温度)が比較的低いカルボン酸ニッケルを用いることが好ましい。カルボン酸ニッケルとしては、例えば炭素数が1〜12のカルボン酸ニッケルを用いることができる。カルボン酸ニッケルは、カルボキシ基が1つのモノカルボン酸であってもよく、カルボキシ基が2つ以上のカルボン酸であってもよい。また、非環式カルボン酸であってもよく、環式カルボン酸であってもよい。好ましいカルボン酸ニッケルとして、例えばギ酸ニッケル、酢酸ニッケル等を用いることができるが、還元温度が低く、複合ニッケル粒子の生成のための核を生じさせる作用も併有するギ酸ニッケルを用いることがより好ましい。
複合ニッケル粒子の結晶性を高くするために、原料として用いるニッケル前駆体の50質量%以上が塩化ニッケルであることが好ましく、50〜95質量%の範囲内が塩化ニッケルであることがより好ましく、別途、核剤(ニッケル前駆体となりうるものを除く)を添加する場合には、ニッケル前駆体の全部(100質量%)が塩化ニッケルであることが最も好ましい。
有機溶媒は、ニッケル塩を溶解できるものであれば、特に限定されず、例えばエチレングリコール、アルコール類、有機アミン類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトン等が挙げられるが、金属塩に対して還元作用があるエチレングリコール、アルコール類、有機アミン類等の有機溶媒が好ましい。このなかでも特に、1級の有機アミン(以下、「1級アミン」と略称する。)は、ニッケル塩との混合物を溶解することにより、ニッケルイオンとの錯体を形成することができ、ニッケル錯体(又はニッケルイオン)に対する還元能を効果的に発揮しやすく、加熱による還元温度が高温のニッケル塩に対して有利に使用できる。1級アミンは、ニッケルイオンとの錯体を形成できるものであれば、特に限定するものではなく、常温で固体又は液体のものが使用できる。ここで、常温とは、20℃±15℃をいう。
常温で液体の1級アミンは、ニッケル錯体を形成する際の有機溶媒としても機能する。なお、常温で固体の1級の有機アミンであっても、加熱によって液体であるか、又は有機溶媒を用いて溶解するものであれば、特に問題はない。
1級アミンは、芳香族1級アミンであってもよいが、反応液におけるニッケル錯体形成の容易性の観点からは脂肪族1級アミンが好適である。脂肪族1級アミンは、例えばその炭素鎖の長さを調整することによって生成する複合ニッケル粒子の粒径を制御することができる。複合ニッケル粒子の粒径を制御する観点から、脂肪族1級アミンは、その炭素数が6〜20程度のものから選択して用いることが好適である。炭素数が多いほど得られる複合ニッケル粒子の粒径が小さくなる。このようなアミンとして、例えばオクチルアミン、トリオクチルアミン、ジオクチルアミン、ヘキサデシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ミリスチルアミン、ラウリルアミン等を挙げることができる。
1級アミンは、還元反応後の生成した複合ニッケル粒子の固体成分と溶剤または未反応の1級アミン等を分離する洗浄工程における処理操作の容易性の観点からは室温で液体のものが好ましい。更に、1級アミンは、ニッケル錯体を還元して複合ニッケル粒子を得るときの反応制御の容易性の観点からは還元温度より沸点が高いものが好ましい。1級アミンの量は、ニッケル塩1molに対して2mol以上用いることが好ましく、2.2mol以上用いることがより好ましい。1級アミンの量が2mol未満では、得られる複合ニッケル粒子の粒子径の制御が困難となり、粒子径がばらつきやすくなる。また、1級アミンの量の上限は特にはないが、例えば生産性の観点からは20mol以下とすることが好ましい。
均一溶液での反応をより効率的に進行させるために、1級アミンとは別の有機溶媒を新たに添加してもよい。使用できる有機溶媒としては、1級アミンとニッケルイオンとの錯形成を阻害しないものであれば、特に限定するものではなく、例えば炭素数4〜30のエーテル系有機溶媒、炭素数7〜30の飽和又は不飽和の炭化水素系有機溶媒、炭素数8〜18のアルコール系有機溶媒等を使用することができる。また、マイクロ波照射による加熱条件下でも使用を可能とする観点から、使用する有機溶媒は、沸点が170℃以上のものを選択することが好ましく、より好ましくは200〜300℃の範囲内にあるものを選択することがよい。このような有機溶媒の具体例としては、例えばテトラエチレングリコール、n−オクチルエーテル等が挙げられる。
錯形成反応は室温に於いても進行することができるが、十分且つ、より効率の良い錯形成反応を行うために、例えば100℃〜165℃の範囲内に加熱して反応を行う。この加熱は、後に続くニッケル錯体(又はニッケルイオン)のマイクロ波照射による加熱還元の過程と確実に分離し、前記の錯形成反応を完結させるという観点から、上記上限を適宜設定することができる。なお、この加熱の方法は、特に制限されず、例えばオイルバスなどの熱媒体による加熱であっても、マイクロ波照射による加熱であってもよい。
ニッケル塩として塩化ニッケルを用いる場合、錯化反応液には、複合ニッケル粒子を構成する金属ニッケルを生成する際の核となる物質(核剤)を配合することが好ましい。核剤としては、核形成が可能な物質であれば特に制限なく使用可能であり、上述のギ酸ニッケルを利用できるほか、例えばギ酸銅、硝酸銀、硝酸銅、パラジウム塩、白金塩、金塩等を用いることができる。これらの核剤を用いることで、塩化ニッケルから結晶性の高い金属ニッケルを効率よく生成させることができる。
核剤の配合量は、塩化ニッケルに対して、0.1〜50モル%の範囲内が好ましい。核剤の配合量が塩化ニッケルに対して0.1モル%未満では、塩化ニッケルから金属ニッケルの生成を促す効果が得られず、塩化ニッケルに対して50モル%を超えると、核が多く生成しすぎる結果、複合ニッケル粒子の粒子径が小さくなる傾向がある。なお、核剤は、工程A(錯化反応液生成工程)に限らず、工程B(複合ニッケル粒子スラリー生成工程)におけるマイクロ波照射の前までに配合すればよい。
工程B)複合ニッケル粒子スラリー生成工程:
本工程では、ニッケル塩と有機溶媒との錯形成反応によって得られた錯化反応液を、マイクロ波照射によって加熱し、錯化反応液中のニッケルイオンを還元して金属ニッケルを生成させ、複合ニッケル粒子のスラリーを得る。マイクロ波照射によって加熱する温度は、得られる複合ニッケル粒子の形状のばらつきを抑制するという観点から、好ましくは170℃以上、より好ましくは180℃以上とすることがよい。加熱温度の上限は特にないが、処理を効率的に行う観点からは例えば270℃以下とすることが好適である。なお、マイクロ波の使用波長は、特に限定するものではなく、例えば2.45GHzである。
均一な粒径を有する複合ニッケル粒子を生成させるには、錯化反応液生成工程の加熱温度を特定の範囲内で調整し、複合ニッケル粒子スラリー生成工程におけるマイクロ波による加熱温度よりも確実に低くしておくことで、粒径・形状の整った粒子が生成し易い。例えば、錯化反応液生成工程で加熱温度が高すぎるとニッケル錯体の生成とニッケル(0価)への還元反応が同時に進行し異種の金属種が発生することで、複合ニッケル粒子スラリー生成工程での粒子形状の整った粒子の生成が困難となるおそれがある。また、複合ニッケル粒子スラリー生成工程の加熱温度が低すぎるとニッケル(0価)への還元反応速度が遅くなり核の発生が少なくなるため粒子が大きくなるだけでなく、複合ニッケル粒子の収率の点からも好ましくはない。
複合ニッケル粒子スラリー生成工程においては、必要に応じ、前述した有機溶媒を加えてもよい。なお、前記したように、錯形成反応に使用する1級アミンを有機溶媒としてそのまま用いることは、本発明の好適な実施の形態である。
工程C)複合ニッケル粒子単離工程:
本工程では、マイクロ波照射によって加熱して得られる複合ニッケル粒子スラリーを、例えば、静置分離し、上澄み液を取り除いた後、適当な溶媒を用いて洗浄し、乾燥することで、複合ニッケル粒子が得られる。
上記にようにして結晶性の高い金属ニッケルを有する複合ニッケル粒子を製造することができるが、例えば複合ニッケル粒子スラリーの状態で有機溶媒中に所定時間保持することや、複合ニッケル粒子スラリーを低酸素状態で乾燥させることなどによって、複合ニッケル粒子の表面に所定の水酸化物又は酸化物の被膜を形成することができる。
また、本実施の形態では、複合ニッケル粒子に対し、さらに、酸処理を行うことが好ましい。酸処理によって、ニッケル前駆体である塩化ニッケル由来の塩素元素が除去され、塩素元素の含有量を好ましくは900質量ppm未満、より好ましくは100質量ppm未満に低下させることができる。また、酸処理には、複合ニッケル粒子の表面に付着した微粒子などを除去したり、酸素元素の含有量を調節したりする作用もある。複合ニッケル粒子の酸処理に使用可能な酸としては、弱酸が好ましく、例えば、炭酸などの無機酸や、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、マロン酸、コハク酸、アスコルビン酸、クエン酸などの有機酸を用いることができる。酸処理は、例えば複合ニッケル粒子を酸溶液で洗浄する方法、複合ニッケル粒子のスラリー中にガス化した酸(例えば炭酸ガス)を吹き込む方法などにより行うことができる。複合ニッケル粒子を酸溶液で洗浄する方法では、複合ニッケル粒子を例えばpH3.5〜6.5の範囲内、好ましくはpH4.5〜6.0の酸溶液で洗浄することが好ましい。酸溶液がpH3.5未満であると、複合ニッケル粒子の表面の酸化や溶解が進み、焼結しやすくなるばかりでなく、粒子を球状にすることが困難となる。酸溶液がpH6.5を超える場合は、酸処理の効果が十分に得られない。
以上のようにして製造される複合ニッケル粒子は、酸素元素を0.2〜2.5質量%の範囲内で含有し、平均厚さが1〜6nmの範囲内の水酸化物又は酸化物の被膜を有しているため、金属ニッケルの表面活性が抑制されている。また、この被膜は、X線光電子分光によって水酸化ニッケル又は酸化ニッケルとして測定されるものであり、かつX線回折により結晶質の水酸化ニッケル及び酸化ニッケルが観測されないアモルファス状態の被膜である。そのため、脱バインダー時に被膜から速やかに水分が脱水されることにより、粒子の急激な温度上昇を抑制し、400℃以下の低温での粒子の焼結や凝集を防ぐことができる。また、焼結時には複合ニッケル粒子の内部への急激な酸化を抑制することができるので、デラミネーションやクラック等の欠陥の発生を回避できる。このような複合ニッケル粒子は、例えば積層セラミックコンデンサの内部電極の材料として好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特にことわりのない限り各種測定、評価は下記によるものである。
[平均粒子径の測定]
SEM(走査電子顕微鏡)により試料の写真を撮影して、その中から無作為に200個を抽出してそれぞれの粒子径を求め、平均粒子径を算出した。具体的には、抽出した微粒子のそれぞれについて面積を求め、真球に換算したときの粒子径を個数基準として一次粒子の平均粒子径とした。
また、BET測定による平均粒子径(BET換算径)は、ニッケルナノ粒子の単位重量当たりの表面積(BET値)を実測し、そのBET値から下記式を用いてBET換算径を算出した。
BET換算径(nm)={[6÷BET値(m/g)]÷真密度(g/cm)}×1000
また、CV値(変動係数)は、(標準偏差)÷(平均粒子径)によって算出した。なお、CV値が小さいほど、粒子径がより均一であることを示す。
[複合ニッケル粒子の結晶子径]
粉末X線回折(XRD)結果からシェラーの式により算出した。
[被膜の平均厚さの測定]
無作為に200個抽出した複合ニッケル粒子の表面を、加速電圧300KVの透過型電子顕微鏡で観察し、コントラストの濃い格子面間隔からも金属Niと判別できる末端から、コントラストの薄い部分の末端までの長さを測定した。10個の複合ニッケル粒子における測定結果の平均を水酸化物又は酸化物の被膜の平均厚みとした。
[熱機械分析(TMA)、熱重量分析(TGA)、5%熱収縮温度]
試料を5Φ×2mmの円柱状成型器に入れ、プレス成型して得られる成型体を作製し、窒素ガス(水素ガス3%含有)の雰囲気下で、熱機械分析(TMA)および熱重量分析(TGA)を行った。また、熱機械分析装置(TMA)により測定される5%熱収縮の温度を5%熱収縮温度とした。
[脱バインダー時微分ピーク温度]
脱バインダー時微分ピーク温度は、窒素下でTGAを測定し、その減少率の微分から燃焼のピーク温度を算出し、そのピーク温度位置を微分ピーク温度とした。
実施例1−1
<溶解工程>
酢酸ニッケル四水和物60.0g(241.1mmmol)にオレイルアミン690g(2.58mol)を加え、窒素フロー下で140℃、20分間加熱することによって酢酸ニッケルをオレイルアミンに溶解させた。
<還元工程>
次いで、その溶液にマイクロ波を照射して250℃まで加熱し、その温度を5分保持することによって複合ニッケル粒子スラリーを得た。
<洗浄・乾燥工程>
複合ニッケル粒子スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンとメタノールを用いて3回洗浄し、70℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥して複合ニッケル粒子を得た。元素分析の結果、C;0.5、O;1.3(単位は質量%)であった。
<炭酸水調製>
純水にCOガスをバブリングさせて、pHが4.5となるように炭酸水を調製した。
<炭酸洗浄>
複合ニッケル粒子10gに炭酸水100gを加えて1回洗浄を行い、メタノールでさらに1回洗浄した後、70℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥して複合ニッケル粒子を得た。元素分析の結果、C;0.6、O;1.6(単位は質量%)であった。また、複合ニッケル粒子の表面の水酸化物又は酸化物の被膜は、X線光電子分光(XPS)によって水酸化ニッケル又は酸化ニッケルとして測定されたが、X線回折(XRD)では結晶質の水酸化ニッケル及び酸化ニッケルは観測されなかった。この被膜の平均厚みは3nmであった。得られた複合ニッケル粒子(BET値;8.4m/g、真密度;8.6g/cm)の平均粒子径、CV値を表1に、5%熱収縮温度、及び脱バインダー時の温度変化の微分ピークを表2に示した。また、この複合ニッケル粒子の結晶子径は、22nmであった。
[実施例1−2]
<溶解工程>
ギ酸ニッケル二水和物6.0g(32.6mmmol)と塩化ニッケル六水和物54.0g(227.8mmol)にオレイルアミン690g(2.58mol)を加え、窒素フロー下で140℃、20分間加熱することによって、ギ酸ニッケルと塩化ニッケルをオレイルアミンに溶解させた。
<還元工程>
次いで、その溶液にマイクロ波を照射して250℃まで加熱し、その温度を5分間保持することによって、複合ニッケル粒子スラリーを得た。
<洗浄・乾燥工程>
複合ニッケル粒子スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンとメタノールを用いて3回洗浄し、70℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥して複合ニッケル粒子を得た。元素分析の結果、C;0.4、O;1.3、S;<0.01、Cl;0.13(単位は質量%)であった。また、複合ニッケル粒子の表面の水酸化物又は酸化物の被膜は、X線光電子分光(XPS)によって水酸化ニッケル又は酸化ニッケルとして測定されたが、X線回折(XRD)では結晶質の水酸化ニッケル及び酸化ニッケルは観測されなかった。この被膜の平均厚みは3nmであった。得られた複合ニッケル粒子(BET値;8.5m/g、真密度;8.7g/cm)の平均粒子径、CV値を表1に、5%熱収縮温度、及び脱バインダー時微分ピーク温度を表2に示した。また、この複合ニッケル粒子の結晶子径は、30nmであった。
[実施例1−3]
<炭酸水調製>
純水にCOガスをバブリングさせて、pHが4.5となるように炭酸水を調製した。
<炭酸洗浄>
実施例1−2で得られた複合ニッケル粒子10gに炭酸水100gを加えて1回洗浄を行い、メタノールでさらに1回洗浄した後、70℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥して複合ニッケル粒子を得た。元素分析の結果、C;0.6、O;2.0、S;<0.01、Cl;<0.01(単位は質量%)であった。また、複合ニッケル粒子の表面の水酸化物又は酸化物の被膜は、X線光電子分光(XPS)によって水酸化ニッケル又は酸化ニッケルとして測定されたが、X線回折(XRD)では結晶質の水酸化ニッケル及び酸化ニッケルは観測されなかった。この被膜の平均厚みは2nmであった。得られた複合ニッケル粒子(BET値;8.5m/g、真密度;8.7g/cm)の平均粒子径、CV値を表1に、5%熱収縮温度、及び脱バインダー時微分ピーク温度を表2に示した。
比較例1−1
実施例1−2で得られた複合ニッケル粒子10gに水100gを加えて5回洗浄して塩素を除去し、メタノールでさらに1回洗浄した後、70℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥して複合ニッケル粒子を得た。元素分析の結果、C;0.5、O;3.5、S;<0.1、Cl;<0.04(単位は質量%)であった。また、複合ニッケル粒子の表面の水酸化物又は酸化物の被膜は、X線光電子分光(XPS)によって水酸化ニッケル又は酸化ニッケルとして測定されたが、X線回折(XRD)では結晶質の水酸化ニッケル及び酸化ニッケルは観測されなかった。この被膜の平均厚みは8nmであった。得られた複合ニッケル粒子(BET値;8.8m/g、真密度;7.8g/cm)の平均粒子径、CV値を表1に、5%熱収縮温度、及び脱バインダー時微分ピーク温度を表2に示した。
実施例1−1〜1−3の複合ニッケル粒子は、酸素元素を0.2〜2.5質量%の範囲内で含有するものであり、水酸化物又は酸化物の被膜は、平均厚さが1〜6nmの範囲内にあって、XPSによって水酸化ニッケル又は酸化ニッケルとして測定されたが、XRDでは結晶質の水酸化ニッケル及び酸化ニッケルは観測されなかった。代表的に、実施例1−2で得られた複合ニッケル粒子の被膜をXPSで測定した結果を図1に、XRDで測定した結果を図2に示した。このように、被膜を構成する水酸化物又は酸化物の結晶性が低いアモルファス構造であることによって、実施例1−1〜1−3の複合ニッケル粒子は、脱バインダー時の微分ピーク温度が高く、脱バインダー時の重量減少の急激な変動がより高温側にシフトしており、良好な挙動を示した。つまり、脱バインダー工程で水酸化物の被膜が速やかに脱水されて酸化物の被膜に変化することにより、粒子の急激な温度上昇を抑制し、300℃以下の低温での粒子の焼結や凝集を防ぐことができると考えられる。また、生成した酸化物の被膜により、焼結時には複合ニッケル粒子の内部への急激な酸化を抑制することができるので、デラミネーションやクラック等の欠陥の発生を抑制できるものと考えられる。一方、比較例1−1の複合ニッケル粒子は、水洗を繰り返したことによって複合ニッケル粒子の表面の酸化物の被膜が増膜して厚くなっており、酸素元素の含有量が多いため、焼結時の熱収縮が大きくなった。
また、図2から、実施例1−2の複合ニッケル粒子は、XRDチャートの金属ニッケル結晶を示すピークの幅(半値幅)が狭く、結晶性が高いことが確認された。
[実施例2−1]
塩化ニッケル六水和物1297g(5.47mol)とギ酸ニッケル二水和物226.4g(1.23mol)にオレイルアミン7087g(26.5mol)を加え、窒素フロー下で120℃、120分間加熱することによって、塩化ニッケルとギ酸ニッケルのアミン錯体を形成させた。
次いで、上記アミン錯体を含む溶液を、マイクロ波を用いて250℃まで加熱し、その温度を5分間保持することによって、複合ニッケル粒子1を含むスラリーを得た。収率は100%であった。
得られたスラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンとメタノールを用いて3回洗浄した後、70℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥して、複合ニッケル粒子1(平均粒子径;150nm、CV値;0.19、5%熱収縮温度;420℃、結晶子径;40nm)を得た。収率は100%であった。また、元素分析の結果、C;0.3、O;1.0、Cl;0.10(単位は質量%)であった(C/O比=0.30)。また、複合ニッケル粒子の表面の水酸化物又は酸化物の被膜は、X線光電子分光(XPS)によって水酸化ニッケル又は酸化ニッケルとして測定されたが、X線回折(XRD)では結晶質の水酸化ニッケル及び酸化ニッケルは観測されなかった。この被膜の平均厚みは2nmであった。実施例2−1で得られた複合ニッケル粒子1のSEM写真(×5万倍)を図3に示した。また、複合ニッケル粒子1のTMAのチャートを図4に示した。
上記の複合ニッケル粒子1の10gに、炭酸水(純水にCOガスをバブリングさせて、pHが4.5となるように炭酸水を調製したもの)の100gを加えて1回洗浄を行い、メタノールでさらに1回洗浄した後、70℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥して、複合ニッケル粒子1’を得た。元素分析の結果、C;0.3、O;1.2、Cl;<0.01(単位は質量%)であった(C/O比=0.25)。
[実施例2−2]
塩化ニッケル六水和物1297g(5.47mol)、ギ酸ニッケル二水和物166g(0.9mol)、及びオレイルアミン10700g(40mol)を使用したこと以外、実施例2−1と同様にして、複合ニッケル粒子2(平均粒子径;120nm、CV値;0.16、5%熱収縮温度;390℃、結晶子径;39nm)を得た。収率は100%であった。また、元素分析の結果、C;0.3、O;0.6、Cl;0.09(単位は質量%)であった(C/O比=0.50)。また、複合ニッケル粒子の表面の水酸化物又は酸化物の被膜は、X線光電子分光(XPS)によって水酸化ニッケル又は酸化ニッケルとして測定されたが、X線回折(XRD)では結晶質の水酸化ニッケル及び酸化ニッケルは観測されなかった。この被膜の平均厚みは2nmであった。実施例2−2で得られた複合ニッケル粒子2のSEM写真(×5万倍)を図5に示した。また、複合ニッケル粒子2のTMAのチャートを図6に示した。
[実施例2−3]
塩化ニッケル六水和物581g(2.45mol)、ギ酸ニッケル二水和物193g(1.05mol)、及びドデシルアミン9360g(35mol)を使用したこと以外、実施例2−1と同様にして、複合ニッケル粒子3(平均粒子径;80nm、CV値;0.15、5%熱収縮温度;345℃、結晶子径;32nm)を得た。収率は100%であった。また、元素分析の結果、C;0.8、O;1.6、Cl;0.12(単位は質量%)であった(C/O比=0.50)。また、複合ニッケル粒子の表面の水酸化物又は酸化物の被膜は、X線光電子分光(XPS)によって水酸化ニッケル又は酸化ニッケルとして測定されたが、X線回折(XRD)では結晶質の水酸化ニッケル及び酸化ニッケルは観測されなかった。この被膜の平均厚みは2nmであった。実施例2−3で得られた複合ニッケル粒子3のSEM写真を図7に示した。また、複合ニッケル粒子3のTEM写真を図8A示した。また、図8Bは、図8Aに示した複合ニッケル粒子3の結晶格子を模式的に示した説明図であり、一点鎖線の斜線は結晶格子模様を表している。図8Aでは、図8Bに示したように、結晶格子模様がはっきりと観察されており、単結晶に近いことが推測された。
[実施例2−4]
塩化ニッケル六水和物1896g(8mol)とギ酸ニッケル二水和物368g(2mol)にオレイルアミン10700g(40mol)を加え、窒素フロー下で120℃、120分間加熱することによって、塩化ニッケルとギ酸ニッケルのアミン錯体を形成させた。
次いで、上記アミン錯体を含む溶液を90℃まで冷却して、硝酸銀8.5g(0.05mol)を添加して、30分間撹拌して硝酸銀を溶解した後、マイクロ波を用いて250℃まで加熱し、その温度を5分間保持することによって、複合ニッケル粒子4を含むスラリーを得た。収率は100%であった。
実施例2−1と同様にして、得られたスラリーを乾燥して、複合ニッケル粒子4(平均粒子径;90nm、CV値;0.16、5%熱収縮温度;360℃、結晶子径;25nm)を得た。収率は100%であった。また、元素分析の結果、C;0.4、O;1.2、Cl;0.12(単位は質量%)であった(C/O比=0.33)。また、複合ニッケル粒子の表面の水酸化物又は酸化物の被膜は、X線光電子分光(XPS)によって水酸化ニッケル又は酸化ニッケルとして測定されたが、X線回折(XRD)では結晶質の水酸化ニッケル及び酸化ニッケルは観測されなかった。この被膜の平均厚みは2nmであった。
[実施例2−5]
塩化ニッケル六水和物2133g(9mol)、ギ酸ニッケル二水和物184g(1mol)、硝酸銀0.85g(0.005mol)及びドデシルアミン13375g(50mol)を使用したこと以外、実施例2−4と同様にして、複合ニッケル粒子5(平均粒子径;130nm、CV値;0.17、5%熱収縮温度;415℃、結晶子径;38nm)を得た。収率は100%であった。また、元素分析の結果、C;0.3、O;0.7、Cl;0.11(単位は質量%)であった(C/O比=0.43)。また、複合ニッケル粒子の表面の水酸化物又は酸化物の被膜は、X線光電子分光(XPS)によって水酸化ニッケル又は酸化ニッケルとして測定されたが、X線回折(XRD)では結晶質の水酸化ニッケル及び酸化ニッケルは観測されなかった。この被膜の平均厚みは2nmであった。実施例2−5で得られた複合ニッケル粒子5のSEM写真を図9に示した。
[実施例2−6]
塩化ニッケル六水和物1659g(7mol)、ギ酸ニッケル二水和物552g(3mol)、硝酸銀2.55g(0.015mol)及びオレイルアミン10700g(40mol)を使用したこと以外、実施例2−4と同様にして、複合ニッケル粒子6(平均粒子径;70nm、CV値;0.15、5%熱収縮温度;360℃、結晶子径;25nm)を得た。収率は100%であった。また、元素分析の結果、C;0.8、O;1.6、Cl;0.07(単位は質量%)であった(C/O比=0.50)。また、複合ニッケル粒子の表面の水酸化物又は酸化物の被膜は、X線光電子分光(XPS)によって水酸化ニッケル又は酸化ニッケルとして測定されたが、X線回折(XRD)では結晶質の水酸化ニッケル及び酸化ニッケルは観測されなかった。この被膜の平均厚みは2nmであった。実施例2−6で得られた複合ニッケル粒子6のSEM写真を図10に示した。
[実施例2−7]
塩化ニッケル六水和物1896g(8mol)、ギ酸ニッケル二水和物368g(2mol)、及びドデシルアミン16050g(60mol)を使用したこと以外、実施例2−1と同様にして、複合ニッケル粒子7(平均粒子径;90nm、CV値;0.17、5%熱収縮温度;430℃、結晶子径;32nm)を得た。収率は100%であった。また、元素分析の結果、C;0.6、O;1.3、Cl;0.13(単位は質量%)であった(C/O比=0.46)。また、複合ニッケル粒子の表面の水酸化物又は酸化物の被膜は、X線光電子分光(XPS)によって水酸化ニッケル又は酸化ニッケルとして測定されたが、X線回折(XRD)では結晶質の水酸化ニッケル及び酸化ニッケルは観測されなかった。この被膜の平均厚みは2nmであった。
[実施例2−8]
塩化ニッケル六水和物2133g(9mol)、ギ酸ニッケル二水和物184g(1mol)、硝酸銀5.1g(0.03mol)及びドデシルアミン16050g(60mol)を使用したこと以外、実施例2−4と同様にして、複合ニッケル粒子8(平均粒子径;60nm、CV値;0.15、5%熱収縮温度;420℃、結晶子径;30nm)を得た。収率は100%であった。また、元素分析の結果、C;1.2、O;1.8、Cl;0.14(単位は質量%)であった(C/O比=0.67)。また、複合ニッケル粒子の表面の水酸化物又は酸化物の被膜は、X線光電子分光(XPS)によって水酸化ニッケル又は酸化ニッケルとして測定されたが、X線回折(XRD)では結晶質の水酸化ニッケル及び酸化ニッケルは観測されなかった。この被膜の平均厚みは2nmであった。
[実施例2−9]
塩化ニッケル六水和物1297g(5.47mol)とギ酸銅四水和物 189g(1.23mol)にオレイルアミン7087g(26.5mol)を加え、窒素フロー下で120℃、120分間加熱することによって、塩化ニッケルとギ酸ニッケルのアミン錯体を形成させた。
次いで、上記アミン錯体を含む溶液を、マイクロ波を用いて250℃まで加熱し、その温度を5分間保持することによって、複合ニッケル粒子9を含むスラリーを得た。収率は100%であった。
得られたスラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンとメタノールを用いて3回洗浄した後、70℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥して、複合ニッケル粒子9(平均粒子径;170nm、CV値;0.17、5%熱収縮温度;400℃、結晶子径;38nm)を得た。収率は100%であった。また、元素分析の結果、C;0.4、O;1.3、Cl;0.08(単位は質量%)であった(C/O比=0.31)。また、複合ニッケル粒子の表面の水酸化物又は酸化物の被膜は、X線光電子分光(XPS)によって水酸化ニッケル又は酸化ニッケルとして測定されたが、X線回折(XRD)では結晶質の水酸化ニッケル及び酸化ニッケルは観測されなかった。この被膜の平均厚みは2nmであった。実施例2−9で得られた複合ニッケル粒子9のSEM写真を図11に示した。
[実施例2−10]
塩化ニッケル六水和物1297g(5.47mol)、ギ酸ニッケル二水和物74g(0.4mol)、及びオレイルアミン10700g(40mol)を使用したこと以外、実施例2−1と同様にして、複合ニッケル粒子10(平均粒子径;180nm、CV値;0.19、5%熱収縮温度;430℃、結晶子径;41nm)を得た。収率は100%であった。また、元素分析の結果、C;0.4、O;1.1、Cl;0.08(単位は質量%)であった(C/O比=0.36)。また、複合ニッケル粒子の表面の水酸化物又は酸化物の被膜は、X線光電子分光(XPS)によって水酸化ニッケル又は酸化ニッケルとして測定されたが、X線回折(XRD)では結晶質の水酸化ニッケル及び酸化ニッケルは観測されなかった。この被膜の平均厚みは2nmであった。
[実施例2−11]
塩化ニッケル六水和物1297g(5.47mol)、ギ酸ニッケル二水和物828g(4.5mol)、及びオレイルアミン10700g(40mol)を使用したこと以外、実施例2−1と同様にして、複合ニッケル粒子11(平均粒子径;85nm、CV値;0.17、5%熱収縮温度;410℃、結晶子径;27nm)を得た。収率は100%であった。また、元素分析の結果、C;0.8、O;1.1、Cl;0.11(単位は質量%)であった(C/O比=0.73)。また、複合ニッケル粒子の表面の水酸化物又は酸化物の被膜は、X線光電子分光(XPS)によって水酸化ニッケル又は酸化ニッケルとして測定されたが、X線回折(XRD)では結晶質の水酸化ニッケル及び酸化ニッケルは観測されなかった。この被膜の平均厚みは2nmであった。
上記実施例2−1〜2−11で原料として用いた塩化ニッケル及びギ酸塩に含まれる全金属換算の金属元素100モル部に対するギ酸塩のモル部並びに硝酸銀のモル部と、各実施例で得られたニッケル粒子の物理的特性を表3〜表4に示した。なお、MLCCの内部電極用途に使用するニッケル粒子の物理的特性は、例えば以下のとおりである。平均粒子径は30〜200nmの範囲内が好ましく、CV値は0.2以下であることが好ましい。さらに、十分な耐焼結性を確保する観点から、5%熱収縮温度は300℃以上であることが好ましく、結晶子径は出来るだけ大きい方が好ましいが、例えば25〜60nmの範囲内であればよい。
表3〜表4から、実施例2−1〜2−11では、粒子径が200nm以下に制御され、結晶性が高く、低温焼結が抑制されていた。
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。

Claims (3)

  1. 金属ニッケル粒子の表面に、水酸化物又は酸化物の被膜を有する複合ニッケル粒子であって、
    前記複合ニッケル粒子は、酸素元素を0.2〜2.5質量%の範囲内で含有するものであり、
    前記水酸化物又は酸化物の被膜は、その平均厚さが1〜6nmの範囲内にあって、X線光電子分光によって水酸化ニッケル又は酸化ニッケルとして測定されるものであり、かつX線回折により結晶質の水酸化ニッケル及び酸化ニッケルが観測されないことを特徴とする複合ニッケル粒子。
  2. 前記複合ニッケル粒子が、塩化ニッケルを還元して得られるものである請求項1に記載の複合ニッケル粒子。
  3. 前記複合ニッケル粒子の走査型電子顕微鏡観察による平均粒子径が20〜250nmの範囲内であり、粒子径の変動係数(標準偏差/平均粒子径)が0.2以下である請求項1又は2に記載の複合ニッケル粒子。
JP2013061307A 2012-04-04 2013-03-25 複合ニッケル粒子 Active JP5993764B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013061307A JP5993764B2 (ja) 2012-04-04 2013-03-25 複合ニッケル粒子

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012085831 2012-04-04
JP2012085831 2012-04-04
JP2012145294 2012-06-28
JP2012145294 2012-06-28
JP2013061307A JP5993764B2 (ja) 2012-04-04 2013-03-25 複合ニッケル粒子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014029013A true JP2014029013A (ja) 2014-02-13
JP5993764B2 JP5993764B2 (ja) 2016-09-14

Family

ID=50201751

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013061307A Active JP5993764B2 (ja) 2012-04-04 2013-03-25 複合ニッケル粒子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5993764B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014029014A (ja) * 2012-04-04 2014-02-13 Nippon Steel & Sumikin Chemical Co Ltd 複合ニッケル粒子
JP2014029012A (ja) * 2012-04-04 2014-02-13 Nippon Steel & Sumikin Chemical Co Ltd 複合ニッケル粒子
JP5922810B1 (ja) * 2015-02-03 2016-05-24 古河電気工業株式会社 微粒子、微粒子分散溶液、及び微粒子の製造方法
KR20160084402A (ko) 2014-06-20 2016-07-13 소에이 가가쿠 고교 가부시키가이샤 탄소 피복 금속분말, 탄소 피복 금속분말을 함유하는 도전성 페이스트 및 이를 이용한 적층 전자부품, 및 탄소 피복 금속분말의 제조방법
JP2017150058A (ja) * 2016-02-26 2017-08-31 住友金属鉱山株式会社 ニッケル微粉末及びその製造方法
JP2017210641A (ja) * 2016-05-24 2017-11-30 住友金属鉱山株式会社 ニッケル微粉末、ニッケル微粉末の製造方法、ニッケル粉有機スラリー及びニッケルペースト
WO2021020522A1 (ja) * 2019-07-31 2021-02-04 住友金属鉱山株式会社 ニッケル粉末、ニッケル粉末の製造方法
CN114774854A (zh) * 2015-02-10 2022-07-22 大日本印刷株式会社 金属板以及蒸镀掩模的制造方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000045002A (ja) * 1998-07-27 2000-02-15 Toho Titanium Co Ltd 金属ニッケル粉末
JP2001152202A (ja) * 1999-11-22 2001-06-05 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 耐酸化性が優れたニッケル粉とその製造方法
JP2003522835A (ja) * 2000-02-18 2003-07-29 カナディアン・エレクトロニクス・パウダーズ・コーポレーション 卑金属電極多層化セラミックコンデンサの電極として使用するためのニッケル粉末
US20040161608A1 (en) * 2003-02-19 2004-08-19 Samsung Electronics Co., Ltd. Method of coating the surface of an inorganic powder and a coated inorganic powder manufactured using the same
JP2004330247A (ja) * 2003-05-08 2004-11-25 Murata Mfg Co Ltd ニッケル粉末、及び導電性ペースト、並びに積層セラミック電子部品
JP2010174354A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 水酸化ニッケル被覆ニッケル粒子及びその製造方法
WO2012173187A1 (ja) * 2011-06-16 2012-12-20 新日鉄住金化学株式会社 電子部品の接合材、接合用組成物、接合方法、及び電子部品
JP2014029012A (ja) * 2012-04-04 2014-02-13 Nippon Steel & Sumikin Chemical Co Ltd 複合ニッケル粒子
JP2014029014A (ja) * 2012-04-04 2014-02-13 Nippon Steel & Sumikin Chemical Co Ltd 複合ニッケル粒子

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000045002A (ja) * 1998-07-27 2000-02-15 Toho Titanium Co Ltd 金属ニッケル粉末
JP2001152202A (ja) * 1999-11-22 2001-06-05 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 耐酸化性が優れたニッケル粉とその製造方法
JP2003522835A (ja) * 2000-02-18 2003-07-29 カナディアン・エレクトロニクス・パウダーズ・コーポレーション 卑金属電極多層化セラミックコンデンサの電極として使用するためのニッケル粉末
US20040161608A1 (en) * 2003-02-19 2004-08-19 Samsung Electronics Co., Ltd. Method of coating the surface of an inorganic powder and a coated inorganic powder manufactured using the same
JP2004330247A (ja) * 2003-05-08 2004-11-25 Murata Mfg Co Ltd ニッケル粉末、及び導電性ペースト、並びに積層セラミック電子部品
JP2010174354A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 水酸化ニッケル被覆ニッケル粒子及びその製造方法
WO2012173187A1 (ja) * 2011-06-16 2012-12-20 新日鉄住金化学株式会社 電子部品の接合材、接合用組成物、接合方法、及び電子部品
JP2014029012A (ja) * 2012-04-04 2014-02-13 Nippon Steel & Sumikin Chemical Co Ltd 複合ニッケル粒子
JP2014029014A (ja) * 2012-04-04 2014-02-13 Nippon Steel & Sumikin Chemical Co Ltd 複合ニッケル粒子

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014029014A (ja) * 2012-04-04 2014-02-13 Nippon Steel & Sumikin Chemical Co Ltd 複合ニッケル粒子
JP2014029012A (ja) * 2012-04-04 2014-02-13 Nippon Steel & Sumikin Chemical Co Ltd 複合ニッケル粒子
KR20160084402A (ko) 2014-06-20 2016-07-13 소에이 가가쿠 고교 가부시키가이샤 탄소 피복 금속분말, 탄소 피복 금속분말을 함유하는 도전성 페이스트 및 이를 이용한 적층 전자부품, 및 탄소 피복 금속분말의 제조방법
KR20160114202A (ko) 2014-06-20 2016-10-04 소에이 가가쿠 고교 가부시키가이샤 탄소 피복 금속분말의 제조방법
US9943909B2 (en) 2014-06-20 2018-04-17 Shoei Chemical Inc. Carbon-coated metal powder, conductive paste containing carbon-coated metal powder and multilayer electronic component using same, and method for manufacturing carbon-coated metal powder
EP3444048A1 (en) 2014-06-20 2019-02-20 Shoei Chemical Inc. Carbon-coated-metal powder, electroconductive paste containing carbon-coated-metal powder, and layered electronic component in which said paste is used
US10569333B2 (en) 2014-06-20 2020-02-25 Shoei Chemical Inc. Carbon-coated metal-powder, conductive paste containing carbon-coated metal powder and multilayer electronic component using same, and method for manufacturing carbon-coated metal powder
JP5922810B1 (ja) * 2015-02-03 2016-05-24 古河電気工業株式会社 微粒子、微粒子分散溶液、及び微粒子の製造方法
CN114774854A (zh) * 2015-02-10 2022-07-22 大日本印刷株式会社 金属板以及蒸镀掩模的制造方法
JP2017150058A (ja) * 2016-02-26 2017-08-31 住友金属鉱山株式会社 ニッケル微粉末及びその製造方法
JP2017210641A (ja) * 2016-05-24 2017-11-30 住友金属鉱山株式会社 ニッケル微粉末、ニッケル微粉末の製造方法、ニッケル粉有機スラリー及びニッケルペースト
WO2021020522A1 (ja) * 2019-07-31 2021-02-04 住友金属鉱山株式会社 ニッケル粉末、ニッケル粉末の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5993764B2 (ja) 2016-09-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5993764B2 (ja) 複合ニッケル粒子
CN108430673B (zh) 镍粉末
JP7042372B2 (ja) ニッケル粉及びその製造方法、ニッケルペースト
JP6135935B2 (ja) 湿式ニッケル粉末の製造方法
JP2009161425A (ja) ジスプロシウム酸化物ナノ粒子の製造方法及びジスプロシウム酸化物ナノゾルの製造方法
WO2006069513A1 (fr) Poudre de nickel spherique ultrafine presentant une densite apres tassement elevee et procede de preparation par voie humide
JP6425367B1 (ja) ニッケル粉及びニッケルペースト
JP5831967B2 (ja) 複合ニッケルナノ粒子及びその製造方法
JP6082278B2 (ja) ニッケルナノ粒子の表面改質方法
JP5818318B2 (ja) ニッケルナノ粒子の製造方法
JP5046044B2 (ja) 酸化マグネシウムナノ粒子の製造方法及び酸化マグネシウムナノゾルの製造方法
JP5993763B2 (ja) 複合ニッケル粒子
JP2015049973A (ja) 導電性ペースト及びそれに用いる複合ニッケル微粒子の製造方法
JP6539520B2 (ja) ニッケル微粒子含有組成物及びその製造方法
Dulina et al. Obtaining of Ni/NiO nanopowder from aqua solutions of Ni (CH 3 COO) 2 ammonia complexes
JP2015151558A (ja) ニッケル微粒子スラリー、金属微粒子及びその製造方法
JP2011214144A (ja) 金属複合ニッケルナノ粒子の製造方法
JP5993765B2 (ja) 複合ニッケル粒子
JP2012224885A (ja) 金属多孔質体の製造方法
JP2013043157A (ja) 分散剤及び分散性金属ナノ粒子組成物
JP6284363B2 (ja) ニッケル粒子
JP6608378B2 (ja) ニッケル粒子の製造方法
JP2013108141A (ja) 金属微粒子組成物及びその製造方法
JP6558750B2 (ja) ニッケル微粒子含有組成物及びその製造方法
JP2013231229A (ja) 複合ニッケル粒子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150910

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160520

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160607

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160720

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160816

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160822

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5993764

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250