JP6539520B2 - ニッケル微粒子含有組成物及びその製造方法 - Google Patents

ニッケル微粒子含有組成物及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6539520B2
JP6539520B2 JP2015129664A JP2015129664A JP6539520B2 JP 6539520 B2 JP6539520 B2 JP 6539520B2 JP 2015129664 A JP2015129664 A JP 2015129664A JP 2015129664 A JP2015129664 A JP 2015129664A JP 6539520 B2 JP6539520 B2 JP 6539520B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nickel
nickel fine
fine particles
particles
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015129664A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017014545A (ja
Inventor
山田 勝弘
勝弘 山田
井上 修治
修治 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd filed Critical Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Priority to JP2015129664A priority Critical patent/JP6539520B2/ja
Publication of JP2017014545A publication Critical patent/JP2017014545A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6539520B2 publication Critical patent/JP6539520B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Description

本発明は、例えば積層セラミックスコンデンサ(MLCC)の内部電極材料などの用途に利用できるニッケル微粒子含有組成物及びその製造方法に関する。
MLCCは、セラミックス誘電体と内部電極とを交互に層状に重ねて圧着し、焼成して一体化させたものである。MLCCの内部電極を形成する際には、内部電極材料である金属ニッケル微粒子(以下、単に「ニッケル微粒子」ともいう。)をペースト化したのち、これをセラミックス基板上に印刷する。次いで、乾燥、積層及び圧着した後、通常、酸素雰囲気下で約250〜400℃に加熱して有機物を除去するための脱バインダー処理を行なう。このような加熱処理を行なうことによって、金属ニッケル微粒子は酸化され、それにより体積膨張が起きる。さらにその後、還元性雰囲気下で高温(例えばチタン酸バリウム系セラミックス誘電体では約1200〜1400℃)で焼結を行なう。この焼結により、一旦酸化された金属ニッケル微粒子が還元されるとともに、体積の収縮が生じる。
このように、MLCCの製造工程では、酸化反応や還元反応によって金属ニッケル微粒子が膨張・収縮して体積変化が生じる。また、セラミックス誘電体も焼結により膨張・収縮し、体積変化が生じる。ところが、金属ニッケル微粒子とセラミックス誘電体とでは、焼結時における膨張・収縮による体積変化の挙動が異なる。すなわち、金属ニッケル微粒子の焼結開始温度(約500℃)とセラミックス誘電体の焼結開始温度(約1000℃)が大きく異なるために、デラミネーションやクラック等の欠陥を生じるおそれがある。
粒子径が150nm以下のニッケル微粒子は、MLCC製造時の焼結過程で誘電体層との熱収縮の差が従来の大粒子径のニッケル微粒子に比べてより拡大し、内部電極層と誘電体層とのデラミネーションや内部電極層の膜切れが多くなり、やはり製品としての歩留まりに問題がある。
ニッケル微粒子の熱収縮を抑える方法として、ニッケル微粒子をタングステンなどの高融点金属によって合金化したり、ニッケル微粒子間の焼結による内部電極層の熱収縮防止のために金属酸化物の被膜を形成したりする方法が提案されている。しかし、これらの方法では、十分な焼結防止効果が得られていないばかりか、ニッケル以外の金属材料の混合により、誘電率の低下が免れない状況にある。
このような状況において、例えば特許文献1では、平均粒子径が50〜300nmであり、粒度分布の広いニッケル微粒子と、平均粒子径が10〜50nmで貴金属または貴金属とニッケルの合金からなる微粒子と、を混合することを提案している。特許文献1では、内部電極層の厚みが薄層化した場合においても、焼成段階でのNi粒子の粒成長を抑制し、粒子の球状化や内部電極の途切れなどを有効に防止し、静電容量の低下を効果的に抑制できる、とされている。
また、特許文献2では、ニッケルと貴金属の合金の平均粒子径が200〜400nmの第1の導電粒子と、ニッケルと貴金属の合金の平均粒子径が40〜80nmの第2の導電粒子とを混合することにより、特許文献1と同様な効果が得られることを提案している。
上記特許文献1、2に記載の方法では、いずれも粒度分布の広い微粒子を用いることから、粗大粒子の存在は回避できず、製品の歩留まりの低下が避けられない上、貴金属を使用することから、製造コストも高くなることが懸念される。また、平均粒子径が200nmを超える微粒子を用いるため、内部電極層の薄膜化にも限界があると考えられる。
本発明者らは、先に、走査型電子顕微鏡観察による平均粒子径が60〜150nmの範囲内であり、かつ、粒子径の変動係数が0.2以下である第1のニッケル微粒子と、走査型電子顕微鏡観察による平均粒子径が10〜60nmの範囲内であり、粒子径の変動係数が0.2以下であり、かつ、5%熱収縮率温度が、前記第1のニッケル微粒子の5%熱収縮率温度より50℃以上高い第2のニッケル微粒子を含有するニッケル微粒子含有組成物を提案した(例えば、特許文献3)。特許文献3のニッケル微粒子含有組成物は、焼結時の熱収縮が効果的に抑制されており、例えばMLCCの内部電極の材料などの用途に好適に用いることができるものである。しかし、特許文献3の技術では、第2のニッケル微粒子の熱収縮温度を高くする目的で、第2のニッケル微粒子を硫黄含有化合物、硫黄元素、リン含有有機化合物等で処理することが必要であった。しかし、これらの非金属化合物は、電極性能への影響を考慮すると、なるべく含有しないことがよいと考えられる。また、第2のニッケル微粒子を表面処理することによって、その表面状態が第1のニッケル微粒子とは異なるものとなり、分散挙動が変わる点においても改善の余地が残されていた。
特開2007−234588号公報 特開2008−53488号公報 特開2014−145117号公報
本発明の目的は、例えばMLCCの内部電極層等の用途に有用で、非金属元素化合物による処理を行わなくても、焼結時の熱収縮が抑制されており、焼結開始温度の高いニッケル微粒子を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、平均粒子径が異なる少なくとも2種類のニッケル微粒子を組み合わせるとともに、それぞれのニッケル微粒子に所定量の銅元素を含有させることによって、内部電極層の収縮や膜切れを効果的に抑えることが可能であるとの知見を得て本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のニッケル微粒子含有組成物は、次の成分A及びB;
A)銅元素を含有し、走査型電子顕微鏡観察による平均粒子径D50が40〜200nmの範囲内である第1のニッケル微粒子、
B)銅元素を含有し、走査型電子顕微鏡観察による平均粒子径D50が5〜40nmの範囲内である第2のニッケル微粒子、
を含有するとともに、
前記A成分と前記B成分の合計量に対する前記A成分の含有量が75〜99質量%の範囲内、前記B成分の含有量が1〜25質量%の範囲内であり、かつ、前記A成分及び前記B成分に含まれる銅元素の合計量が、前記A成分及び前記B成分の合計量に対し0.5〜10質量%の範囲内である。
本発明のニッケル微粒子含有組成物は、前記A成分に含まれる銅元素の量が0.01〜2質量%の範囲内であってもよい。
本発明のニッケル微粒子含有組成物は、前記B成分に含まれる銅元素の合計量が3〜40質量%の範囲内であってもよい。
本発明のニッケル微粒子含有組成物は、前記第1のニッケル微粒子と前記第2のニッケル微粒子は、ともに粒子径の変動係数が0.25以下であってもよく、平均粒子径の比(第1のニッケル微粒子の平均粒子径D50/第2のニッケル微粒子の平均粒子径D50)が4を超えるものであってもよい。
本発明のニッケル微粒子含有組成物は、さらに、溶媒を含有するスラリーの形態であってもよい。
本発明のニッケル微粒子含有組成物は、粉末状の形態をなしていてもよく、前記第1のニッケル微粒子の表面に前記第2のニッケル微粒子が付着していてもよい。
本発明のニッケル微粒子含有組成物の製造方法は、下記の工程a〜c;
a)湿式加熱還元によって、銅元素を含有し、走査型電子顕微鏡観察による平均粒子径D50が40〜200nmの範囲内である第1のニッケル微粒子のスラリーを得る工程、
b)湿式加熱還元によって、銅元素を含有し、走査型電子顕微鏡観察による平均粒子径D50が5〜40nmの範囲内である第2のニッケル微粒子のスラリーを得る工程、
並びに、
c)前記第1のニッケル微粒子と前記第2のニッケル微粒子の合計量に対する前記第1のニッケル微粒子の含有量が75〜99質量%の範囲内であり、前記第2のニッケル微粒子の含有量が1〜25質量%の範囲内であり、かつ、前記第1のニッケル微粒子及び前記第2のニッケル微粒子に含まれる銅元素の合計量が、前記第1のニッケル微粒子及び前記第2のニッケル微粒子の合計量に対し0.5〜10質量%の範囲内となるように、前記スラリーどうしを混合してニッケル微粒子含有組成物を得る工程、
を含んでいる。
本発明のニッケル微粒子含有組成物の製造方法は、前記工程a及び工程bにおける湿式加熱還元が、マイクロ波照射によるものであってもよい。
本発明のニッケル微粒子含有組成物の製造方法は、前記工程aにおいて、前記工程bで得られる第2のニッケル微粒子を種粒子として用いてもよい。
本発明のニッケル微粒子含有組成物の製造方法は、前記第1のニッケル微粒子に含まれる銅元素の量が0.01〜2質量%の範囲内であってもよい。
本発明のニッケル微粒子含有組成物の製造方法は、前記第2のニッケル微粒子に含まれる銅元素の合計量が3〜40質量%の範囲内であってもよい。
本発明のニッケル微粒子含有組成物によれば、平均粒子径が異なり、かつ、所定量の銅元素を含有する2種類のニッケル微粒子を混合しているため、粒度分布のピークを少なくとも2つ持っており、配合量の多い大きな第1のニッケル微粒子どうしの隙間を、配合量の少ない小さな第2のニッケル微粒子によって埋めることができる。そのため、ニッケル微粒子含有組成物の密度は、単一ピークの粒子径分布を持つ同体積のニッケル微粒子に比べて高くなる。しかも、2種類のニッケル微粒子にそれぞれ含まれる銅元素は、凝集の原因となるニッケル粒子の磁性を弱め、分散性の向上に寄与するため、第2のニッケル微粒子が第1のニッケル微粒子の周囲に均等に分布して配置されやすく、高密度な状態を取りやすい。このようなニッケル微粒子含有組成物は、例えば、MLCCの内部電極の材料などの用途に好適に用いることができる。また、本発明のニッケル微粒子含有組成物は、例えばMLCC製造時の焼結過程で、第2のニッケル微粒子を加熱段階で速やかに溶融させ、第1のニッケル微粒子どうしの隙間を埋めることができる。従って、本発明のニッケル微粒子含有組成物を用いることによって、積層セラミックコンデンサの製造過程で、焼結時のデラミネーションやクラック等の欠陥の発生を防ぐことができる。
本発明の一実施の形態に係るニッケル微粒子含有組成物の模式図である。 焼結時に第2のニッケル微粒子が溶融した状態を示す説明図である。
[ニッケル微粒子含有組成物]
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係るニッケル微粒子含有組成物の構成を示す模式図である。本実施の形態のニッケル微粒子含有組成物100は、次の成分A及びB;
A)銅元素を含有し、走査型電子顕微鏡観察による平均粒子径D50が40〜200nmの範囲内である第1のニッケル微粒子、
B)銅元素を含有し、走査型電子顕微鏡観察による平均粒子径D50が5〜40nmの範囲内である第2のニッケル微粒子、
を含有する。
なお、第1のニッケル微粒子10と第2のニッケル微粒子20の平均粒子径(メディアン径)D50は、いずれもSEM(走査型電子顕微鏡)により試料の写真を撮影して、その中から無作為に200個を抽出してそれぞれの粒子について面積を求め、真球に換算したときの粒子径から、個数基準にて求めることができる。
<第1のニッケル微粒子>
本実施の形態のニッケル微粒子含有組成物100において、第1のニッケル微粒子10は、走査型電子顕微鏡観察による平均粒子径D50が40〜200nmの範囲内であり、45〜150nmの範囲内が好ましい。
第1のニッケル微粒子10の平均粒子径D50が40nmを下回ると、それ自体の収縮温度が低くなり、誘電体層とのデラミネーションが激しくなることから、例えばMLCCの内部電極材料としての実用性を欠く。また、第1のニッケル微粒子10の平均粒子径D50が40nmを下回ると、脱バインダー時の加熱でニッケル微粒子含有組成物100同士が凝集又溶融しやすくなり、さらに酸素を取り込みやすくなるため、ニッケル微粒子含有組成物100の体積膨張や収縮変化が大きくなる。さらに、第1のニッケル微粒子10の平均粒子径D50が40nmを下回ると、第1のニッケル微粒子10どうしの隙間が小さくなって第2のニッケル微粒子20が隙間に入り込むことが困難になり、密度が低下する。そのため、例えばニッケル微粒子含有組成物100を用いてMLCCの内部電極を形成する場合に、熱収縮が大きくなる場合がある。
一方、第1のニッケル微粒子10の平均粒子径D50が200nmを上回ると、ペースト塗布後の平滑性が低下するとともに、最小径の粒子及び最大径の粒子の分布幅が大きくなり、薄膜化したMLCCの内部電極材料に利用した場合に、巨大粒子の存在によりショート不良を起こしやすい。
<第2のニッケル微粒子>
また、本実施の形態のニッケル微粒子含有組成物100において、第2のニッケル微粒子20は、走査型電子顕微鏡観察による一次粒子の平均粒子径D50が5〜40nmの範囲内であり、10〜30nmの範囲内が好ましい。第2のニッケル微粒子20の一次粒子の平均粒子径D50が5nmを下回ると、比表面積が増大し、焼結開始温度が低温化したり、表面自由エネルギーの増大により分散が困難になって第2のニッケル微粒子20どうしの凝集粒子が増加したりする。また、平均粒子径D50が5nm未満のニッケル微粒子は、表面の酸化物量が金属ニッケル量に対して大きくなり、還元時の収縮が大きくなってしまうほか、有機物の付着量も大きくなり、その消滅によるガス発生や熱収縮も大きくなるため、好ましくない。
一方、第2のニッケル微粒子20の一次粒子の平均粒子径D50が40nmを上回ると、第1のニッケル微粒子10どうしの隙間に入り込むことが困難になり、密度が低下するため、例えばニッケル微粒子含有組成物100を用いてMLCCの内部電極を形成する場合に、熱収縮が大きくなる場合がある。
本実施の形態のニッケル微粒子含有組成物100は、第1のニッケル微粒子10と第2のニッケル微粒子20との平均粒子径D50の比(第1のニッケル微粒子の平均粒子径D50/第2のニッケル微粒子の平均粒子径D50;以下、「平均粒子径比」と記すことがある)が4を超えることが好ましく、5以上がより好ましい。この平均粒子径比が4以下であると、第1のニッケル微粒子10どうしの隙間に第2のニッケル微粒子20が入り込むことが困難になり、密度が低下するため、例えばニッケル微粒子含有組成物100を用いてMLCCの内部電極を形成する場合に、熱収縮が大きくなる場合がある。なお、平均粒子径比の上限は特に制限はないが、例えば、第1のニッケル微粒子10の平均粒子径D50が100〜200nmの範囲内にある場合、平均粒子径比の上限は、20以下であることが好ましく、第1のニッケル微粒子10の平均粒子径D50が40〜100nm未満の範囲内にある場合、平均粒子径比の上限は、15以下であることが好ましい。上記上限を超えると、第2のニッケル微粒子20が小さくなり過ぎて、比表面積が増大し、焼結開始温度が低温化したり、表面自由エネルギーの増大により分散が困難になって、第2のニッケル微粒子20どうしの凝集粒子が増加したりする傾向になる。
本実施の形態のニッケル微粒子含有組成物100において、A成分とB成分の合計量に対する第1のニッケル微粒子10の含有量は75〜99質量%の範囲内であり、好ましくは80〜95質量%の範囲内である。また、本実施の形態のニッケル微粒子含有組成物100において、A成分とB成分の合計量に対する第2のニッケル微粒子20の含有量は1〜25質量%の範囲内であり、好ましくは5〜20質量%の範囲内である。第1のニッケル微粒子10の含有量が75質量%未満である場合、又は第2のニッケル微粒子20の含有量が25質量%を超える場合には、平均粒子径の小さな第2のニッケル微粒子20の比率が多くなり過ぎ、例えばニッケル微粒子含有組成物100を用いてMLCCの内部電極を形成する場合に、熱収縮が大きくなる場合がある。一方、第1のニッケル微粒子10の含有量が99質量%を超える場合、又は第2のニッケル微粒子20の含有量が1質量%を下回る場合には、第1のニッケル微粒子10どうしの隙間を第2のニッケル微粒子20で埋めることが困難になり、密度が低下するため、例えばニッケル微粒子含有組成物100を用いてMLCCの内部電極を形成する場合に、熱収縮が大きくなる場合がある。
本実施の形態のニッケル微粒子含有組成物100において、第1のニッケル微粒子10及び第2のニッケル微粒子20は、いずれも、粒子径の変動係数(CV)が0.25以下であることが好ましい。CV値を0.25以下とすることで、第1のニッケル微粒子10と第2のニッケル微粒子20の粒度分布がシャープとなるため、平均粒子径が異なるこれらの粒子を組み合わせる効果が高まる。従って、ニッケル微粒子含有組成物100を用いて、例えばMLCCの内部電極を形成する場合に、高い密度が得られ、熱収縮を抑制する効果が増大する。
本実施の形態のニッケル微粒子含有組成物100において、第1のニッケル微粒子10及び第2のニッケル微粒子20は、例えば球状、疑似球状等の形状の微粒子であり、主成分としてニッケル元素を含有するとともに、ニッケル元素に対して相対的に少量の銅元素を含有する。第1のニッケル微粒子10及び第2のニッケル微粒子20は、それぞれ、ニッケル及び銅以外の元素を含有することができる。ニッケル及び銅以外の金属としては、例えば、チタン、コバルト、クロム、マンガン、鉄、アルミニウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、ジルコニウム、スズ、タングステン、モリブデン、バナジウム、バリウム、カルシウム、ストロンチウム、シリコン、アルミニウム、リン等の卑金属、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、ロジウム、レニウム、ネオジウム、ニオブ、ホロニウム、ディスプロヂウム、イットリウム等の貴金属、希土類金属を挙げることができる。これらは、単独で又は2種以上含有していてもよく、また、酸素、水素、炭素、窒素、硫黄、ボロン等の金属元素以外の元素を含有していてもよいし、これらの合金であってもよい。
第1のニッケル微粒子10は、分散性を向上させるため、銅元素の含有割合が、0.01質量%以上2質量%以下の範囲内であることが好ましく、0.01質量%以上1.2質量%以下の範囲内であることがより好ましい。第1のニッケル微粒子10中に含有される銅元素は、凝集の原因となるニッケル粒子の磁性を弱め、分散性の向上に寄与する。従って、第1のニッケル微粒子10において、ニッケル元素に対する銅元素の含有割合が0.01質量%未満であると、分散性の改善効果が得られない。一方、第1のニッケル微粒子10において、ニッケル元素に対する銅元素の含有割合が、2質量%を超えると銅元素の存在による粒子の酸化安定性の低下が生じ、さらには、MLCCの内部電極用の導電性ペースト材料として用いる場合に、脱バインダー工程において、銅の酸化が急速に起こり、クラックや層間剥離などの不具合が発生しやすくなる。また、第1のニッケル微粒子10において、銅元素の40〜90%は、第1のニッケル微粒子10の中心から径方向に±5nmの範囲より外側に分散し、ニッケル元素と合金化した状態で存在していることが好ましい。このような銅元素の分散状態によって、ニッケル粒子の磁性を弱め、凝集を抑制して分散性を改善することができる。
また、第2のニッケル微粒子20も、例えば3質量%以上40質量%以下の範囲内で銅元素を含有していることが好ましく、10質量%以上30質量%以下の範囲内であることがより好ましい。第2のニッケル微粒子20中に含有される銅元素は、凝集の原因となるニッケル粒子の磁性を弱め、分散性の向上に寄与する。従って、第2のニッケル微粒子20において、ニッケル元素に対する銅元素の含有割合が3質量%未満であると、分散性の改善効果が得られない。一方、第2のニッケル微粒子20において、ニッケル元素に対する銅元素の含有割合が、40質量%を超えると銅元素の存在による粒子の酸化安定性の低下が生じ、さらには、MLCCの内部電極用の導電性ペースト材料として用いる場合に、脱バインダー工程において、銅の酸化が急速に起こり、クラックや層間剥離などの不具合が発生しやすくなる。
また、本実施の形態のニッケル微粒子含有組成物100は、第1のニッケル微粒子10に含まれる銅元素及び第2のニッケル微粒子20に含まれる銅元素の合計量が、第1のニッケル微粒子10及び第2のニッケル微粒子20の合計量に対し、0.5質量%以上10質量%以下の範囲内であり、0.8質量%以上8.0質量%以下の範囲内であることがより好ましい。第1のニッケル微粒子10及び第2のニッケル微粒子20の全体に対する銅元素の含有割合が0.5質量%未満であると、分散性の改善効果が得られず、10質量%を超えると銅元素の存在による粒子の酸化安定性の低下が生じ、さらには、MLCCの内部電極用の導電性ペースト材料として用いる場合に、脱バインダー工程において、銅の酸化が急速に起こり、クラックや層間剥離などの不具合が発生しやすくなる。
また、第1のニッケル微粒子10及び第2のニッケル微粒子20は、金属として、銅以外のものを用いる場合、例えば、銀などのニッケル以外の異種金属によるマイグレーションによるショートや静電容量の低下などの製品不良を防止する観点から、銅以外の金属元素の含有量を0.01質量%以上2質量%以下の範囲内とすることが好ましい。
本実施の形態のニッケル微粒子含有組成物100において、第1のニッケル微粒子10及び第2のニッケル微粒子20は、それぞれ、金属成分を90質量%以上含有することが好ましい。金属成分の含有量が90質量%未満であると、電気抵抗が大きくなり、例えばMLCCの内部電極材料用途として好ましくない。なお、各種元素の含有量は、元素分析により確認することができる(以下、同様である)。
本実施の形態において、第1のニッケル微粒子10及び第2のニッケル微粒子20は、それぞれ、後述するように、ニッケル塩及び有機アミンを含む混合物から、湿式還元法によりニッケルイオンを還元し、金属ニッケルを析出させて得られるものであることが好ましい。特に、ニッケル塩及び有機アミンを含む錯化反応液をマイクロ波照射加熱によって湿式還元する方法では、錯化反応液の均一加熱が可能であり、かつエネルギーを媒体に直接与えることができるため、急速加熱を行なうことができる。これにより、錯化反応液全体を所望の温度に均一に加熱することができ、ニッケル錯体(又はニッケルイオン)の還元、核生成、核成長各々の過程を溶液全体において同時に生じさせ、CV値が小さい単分散なニッケル微粒子(第1のニッケル微粒子10又は第2のニッケル微粒子20)を短時間で容易に製造することができる。
また、第1のニッケル微粒子10及び第2のニッケル微粒子20を、ともに、金属塩及び有機アミンを含む錯化反応液から加熱還元して製造することによって、これら2種類のニッケル微粒子の表面状態(例えば、有機アミンなどの付着物、酸化皮膜など)が、ほぼ同様になるため、溶媒中での分散性も同程度となり、ハンドリングが容易になる。
本実施の形態のニッケル微粒子含有組成物100は、任意の溶媒に分散させたスラリーの状態でもよいし、溶媒を除去して乾燥させた粉末状の形態をなしていてもよい。スラリーとする場合の溶媒としては、第1のニッケル微粒子10及び第2のニッケル微粒子20を分散できるものであれば特に制限はないが、例えばエチレングリコール等のグリコール類、アルコール類、有機アミン類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトン等が挙げられる。
本実施の形態のニッケル微粒子含有組成物100は、上記溶媒以外の任意成分を含有していてもよい。そのような任意成分としては、例えば熱収縮温度を上げるために、誘電体組成と類似の共材、シリカ、マグネシア、カルシア、チタニア、希土類金属酸化物などの誘電体層に添加される金属酸化物等を挙げることができる。
共材としては、例えばMLCCの誘電体層の材料に用いるBaTiO、SrTiO、CaTiOなどを挙げることができる。共材を添加することによって、高密度化が可能になり、ニッケル微粒子含有組成物100を例えばMLCCの内部電極材料として使用する場合に収縮率を抑えることが可能となる。共材は、第2のニッケル微粒子20とほぼ同程度の大きさ、例えば、平均粒子径が10〜60nmの範囲内のものを使用することが好ましい。共材の添加量は、ニッケル微粒子含有組成物100全体に対して5〜20質量%程度とすることが好ましい。共材の添加量が5質量%を下回ると、添加の効果が得られず、20質量%を上回ると、例えばニッケル微粒子含有組成物100を用いてMLCCの内部電極を形成する場合に、共材が誘電体層へ拡散することで誘電体層の膜厚が増大し、電気容量が低下するのみならず、電気抵抗が上昇し、導電性が低下する場合がある。
本実施の形態のニッケル微粒子含有組成物100を粉末状の形態とする場合、第1のニッケル微粒子10と第2のニッケル微粒子20が凝集して2次粒子を形成していてもよい。この場合、第1のニッケル微粒子10の表面に、第2のニッケル微粒子20がほぼ均等に付着した状態であることが好ましい。また、個々の2次粒子における第1のニッケル微粒子10の含有比率が75〜99質量%の範囲内であり、かつ第2のニッケル微粒子20の含有比率が1〜25質量%の範囲内であることが好ましい。すなわち、本実施の形態のニッケル微粒子含有組成物100は、粉末状の形態である場合に、凝集粒子である2次粒子を有していてもよいが、個々の2次粒子内において、第1のニッケル微粒子10と第2のニッケル微粒子20との比率は、組成物全体における第1のニッケル微粒子10と前記第2のニッケル微粒子20の比率にほぼ等しいことが好ましい。このように、個々の2次粒子の組成と、組成物全体の組成が略等しいということは、組成物全体が均質な状態にあることを意味する。組成物が全体として均質であれば、個々の凝集粒子においても、第1のニッケル微粒子10どうしの隙間に第2のニッケル微粒子20が効率よく入り込んだ状態が維持されるため、粒子密度を高めることが可能になり、ニッケル微粒子含有組成物100を用いて例えばMLCCの内部電極を形成する場合の熱収縮を効果的に抑制できる。それに対し、例えば2次粒子毎に第1のニッケル微粒子10と第2のニッケル微粒子20との比率が大きく変動する場合には、組成物内部で第1のニッケル微粒子10及び第2のニッケル微粒子20の分布が偏在していることを意味する。このような場合は、粒子密度を高めることが困難になり、ニッケル微粒子含有組成物100を用いてMLCCの内部電極を形成する場合の熱収縮を抑制する効果が十分に得られなくなる。別の観点から、ニッケル微粒子含有組成物100中で第1のニッケル微粒子10と第2のニッケル微粒子20のそれぞれが偏在していない均質な状態であれば、ペースト化工程における均質化も比較的容易となり、工業的にも有利である。
[ニッケル微粒子含有組成物の製造方法]
次に、本実施の形態のニッケル微粒子含有組成物100の製造方法について説明する。ニッケル微粒子含有組成物100は、例えば、第1のニッケル微粒子10と第2のニッケル微粒子20を別々に調製した後、混合することによって製造することができる。第1のニッケル微粒子10及び第2のニッケル微粒子20は、それぞれ、例えば気相法や液相法などの方法により製造可能であり、その製造方法については特に限定されない。気相法は液相法に比べて製造コストが高価になりがちであるので、液相法を適用することが有利である。液相法のなかでも、粒子径分布が狭いニッケル微粒子を短時間で容易に製造できる方法として、湿式還元工程を有する方法が好ましい。第1のニッケル微粒子10と第2のニッケル微粒子20を共に後述する湿式還元法によって製造することによって、第1のニッケル微粒子10と第2のニッケル微粒子20の表面状態がほぼ同様の性質を持つようになる。そのため、第1のニッケル微粒子10と第2のニッケル微粒子20は、近似した分散挙動を示すようになり、両者を混合した後も、均一な分散状態を得ることができる。
本実施の形態のニッケル微粒子含有組成物100の好ましい製造方法は、例えば、下記の工程a〜cを含むことができる。
a)湿式還元によって、A成分である第1のニッケル微粒子10のスラリーを得る工程、
b)湿式還元によって、B成分である第2のニッケル微粒子20のスラリーを得る工程、
並びに、
c)第1のニッケル微粒子10と第2のニッケル微粒子20の合計量に対する第1のニッケル微粒子10の含有量が75〜99質量%の範囲内であり、第2のニッケル微粒子20の含有量が1〜25質量%の範囲内となるように、前記第1のニッケル微粒子10のスラリーと前記第2のニッケル微粒子20のスラリーを混合してニッケル微粒子含有組成物100を得る工程。
以下、工程a〜cについて説明する。
[工程a]
工程aでは、ニッケル塩と、脂肪族1級モノアミンと、を混合し、加熱することによってニッケル塩を有機アミンに溶解させたニッケル錯体溶液を準備し、このニッケル錯体溶液を湿式加熱還元することによって、第1のニッケル微粒子10を製造することができる。第1のニッケル微粒子10は、粒子内部に銅元素が拡散している。粒子内部に銅元素が拡散していることによって、第1のニッケル微粒子10は、ニッケルの磁性が緩和され、磁性による凝集が抑制されるため、分散性が向上する。
(ニッケル塩)
工程aにおいて、ニッケル塩の種類は特に限定されず、例えば水酸化ニッケル、塩化ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、カルボン酸ニッケル、Ni(acac)2(β−ジケトナト錯体)、ステアリン酸ニッケル等が挙げられるが、この中でも、塩化ニッケル又はカルボン酸ニッケルが好ましく、還元過程での解離温度(分解温度)が比較的低いカルボン酸ニッケルを用いることが有利である。カルボン酸ニッケルとしては、例えば、還元過程での解離温度(分解温度)が比較的低いギ酸ニッケル、酢酸ニッケルなどを用いることが好ましい。カルボン酸ニッケルは、無水物であってもよく、また水和物であってもよい。なお、カルボン酸ニッケルに代えて、塩化ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、水酸化ニッケル等の無機塩を用いることも考えられるが、無機塩の場合、解離(分解)が高温であるため、還元過程で高温での加熱が必要であり好ましくない。また、Ni(acac)(β−ジケトナト錯体)、ステアリン酸イオン等の有機配位子により構成されるニッケル塩を用いることも考えられるが、これらのニッケル塩を用いると、原料コストが高くなり好ましくない。カルボン酸ニッケルは単独で用いてもよいし、他のニッケル塩と併用することもできる。
(有機アミン)
有機アミンは、ニッケルイオンとの錯体を形成できるものであれば、特に限定されず、常温で固体又は液体のものが使用できる。ここで、常温とは、20℃±15℃をいう。常温で液体の有機アミンは、ニッケル錯体を形成する際の有機溶媒としても機能する。なお、常温で固体の有機アミンであっても、加熱によって液体であるか、又は有機溶媒を用いて溶解するものであれば、特に問題はない。
有機アミンとしては、脂肪族1級モノアミンを用いることが好ましい。一方、2級アミンは立体障害が大きいため、ニッケル錯体の良好な形成を阻害するおそれがあり、3級アミンはニッケルイオンの還元能を有しないため、いずれも使用できない。また、ジアミンは、金属イオンの中でも特にニッケルイオンと形成した錯体の安定性が高く、その還元温度は高くなるため反応性が非常に低く、生成するニッケル粒子に歪が生じやすくなるため好ましくない。
脂肪族1級モノアミンは、例えばその炭素鎖の長さを調整することによって生成する第1のニッケル微粒子10の粒径を制御することができる。第1のニッケル微粒子10の粒径を制御する観点から、脂肪族1級モノアミンは、その炭素数が6〜20程度のものから選択して用いることが好適である。炭素数が多いほど得られる第1のニッケル微粒子10の粒径が小さくなる。このようなアミンとして、例えばオクチルアミン、トリオクチルアミン、ジオクチルアミン、ヘキサデシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ミリスチルアミン、ラウリルアミン等を挙げることができる。
脂肪族1級モノアミンは、第1のニッケル微粒子10の生成時に表面修飾剤として機能するため、脂肪族1級モノアミンの除去後においても二次凝集を抑制できる。また、脂肪族1級モノアミンは、還元反応後の生成した第1のニッケル微粒子10の固体成分と溶剤又は未反応の脂肪族1級モノアミン等を分離する洗浄工程における処理操作の容易性の観点からも好ましい。更に、脂肪族1級モノアミンは、ニッケル錯体を還元して第1のニッケル微粒子10を得るときの反応制御の容易性の観点からは還元温度より沸点が高いものが好ましい。すなわち、脂肪族1級モノアミンは、沸点が180℃以上のものが好ましく、200℃以上のものがより好ましい。また、脂肪族1級モノアミンは、炭素数が9以上であることが好ましい。ここで、例えば炭素数が9である脂肪族1級モノアミンのC21N(ノニルアミン)の沸点は201℃である。
(有機溶媒)
脂肪族1級モノアミンは、有機溶媒として反応を進行させることができるが、均一溶液での反応をより効率的に進行させるために、第1のニッケル微粒子10の調製において、脂肪族1級モノアミンとは別の有機溶媒を新たに添加してもよい。使用できる有機溶媒としては、脂肪族1級モノアミンと、ニッケルイオン、銅イオンなどの金属イオンとの錯形成を阻害しないものであれば、特に限定するものではなく、例えば炭素数4〜30のエーテル系有機溶媒、炭素数7〜30の飽和又は不飽和の炭化水素系有機溶媒、炭素数8〜18のアルコール系有機溶媒等を使用することができる。また、マイクロ波照射による加熱条件下でも使用を可能とする観点から、使用する有機溶媒は、沸点が170℃以上のものを選択することが好ましく、より好ましくは200〜300℃の範囲内にあるものを選択することがよい。このような有機溶媒の具体例としては、例えばテトラエチレングリコール、n−オクチルエーテル、炭素数が20〜40の範囲内にあるポリアルファオレフィン等が挙げられる。
(ニッケル錯体溶液)
ニッケル錯体溶液中のニッケル錯体濃度は、例えば2〜11質量%の範囲内とすることが好ましく、4〜8質量%の範囲内とすることがより好ましい。一段階の合成法では、ニッケル錯体濃度が11質量%を超えると、反応性が低下するとともに、粒子径の制御が難しくなる。
2価のニッケルイオンは配位子置換活性種として知られており、形成する錯体の配位子は温度、濃度によって容易に配位子交換により錯形成が変化する可能性がある。例えばカルボン酸ニッケルおよび脂肪族1級モノアミンの混合物を加熱して反応液を得る工程において、用いるアミンの炭素鎖長等の立体障害を考慮すると、例えば、カルボン酸イオンが二座配位または単座配位のいずれかで配位する可能性があり、さらにアミンの濃度が大過剰の場合は外圏にカルボン酸イオンが存在する構造をとる可能性がある。目的とする反応温度(還元温度)において均一溶液とするには、配位子のうち少なくとも一箇所は脂肪族1級モノアミンが配位している必要がある。その状態をとるには、脂肪族1級モノアミンが過剰に反応溶液内に存在している必要があり、少なくともニッケルイオン1molに対し2mol以上存在していることが好ましく、2.2mol以上存在していることがより好ましい。また、脂肪族1級モノアミンの量の上限は特にはないが、例えば生産性の観点からは、ニッケルイオン1molに対して20mol以下とすることが好ましく、4mol以下とすることがより好ましい。つまり、脂肪族1級モノアミンの量は、ニッケルイオン1molに対して2〜20molの範囲内が好ましく、2〜4molの範囲内がより好ましく、2.2〜4molの範囲内が最も好ましい。
(錯形成反応)
錯形成反応は室温においても進行させることができるが、反応を確実かつより効率的に行うために、100℃以上の温度で加熱を行うことが好ましい。この加熱は、カルボン酸ニッケルとして、例えば酢酸ニッケル4水和物のようなカルボン酸ニッケルの水和物を用いた場合に特に有利である。加熱温度は、好ましくは100℃を超える温度とし、より好ましくは105℃以上の温度とすることで、カルボン酸ニッケルに配位した配位水と脂肪族1級モノアミンとの配位子置換反応が効率よく行われ、この錯体配位子としての水分子を解離させることができ、更にその水を系外に出すことができるので効率よく錯体を形成させることができる。例えば、酢酸ニッケル4水和物は、室温では2個の配位水と2座配位子である2個の酢酸イオン、外圏に2つの水分子が存在した錯体構造をとっているため、この2つの配位水と脂肪族1級モノアミンの配位子置換により効率よく錯形成させるには、100℃より高い温度で加熱することでこの錯体配位子としての水分子を解離させることが好ましい。また、加熱温度は、後に続く還元の過程と確実に分離し、錯形成反応を完結させるという観点から、175℃以下が好ましい。錯形成反応での加熱温度が高すぎると、ニッケル錯体の生成とニッケル(0価)への還元反応が同時に進行し、新たにニッケルの核が発生してしまうことで、粒子径の分布が狭い第1のニッケル微粒子10の生成が困難となるおそれがある。従って、錯形成反応のための加熱温度は、例えば105℃〜175℃の範囲内が好ましく、より好ましくは、125〜160℃の範囲内である。
加熱時間は、加熱温度や、各原料の含有量に応じて適宜決定することができるが、錯形成反応を確実に完結させるという観点から、15分以上とすることが好ましい。加熱時間の上限は特にないが、長時間加熱することは、エネルギー消費及び工程時間を節約する観点から無駄である。加熱の方法は、特に制限されず、例えばオイルバスなどの熱媒体による加熱であっても、マイクロ波照射による加熱であってもよいが、マイクロ波照射による加熱が好ましい。マイクロ波照射による加熱は、混合液内の均一加熱を可能とし、かつエネルギーをニッケルイオンに直接与えることができるため、急速加熱を行なうことができる。マイクロ波の使用波長は、特に限定するものではなく、例えば2.45GHzである。
カルボン酸ニッケルと脂肪族1級モノアミンとの錯形成反応は、カルボン酸ニッケルと脂肪族1級モノアミンを混合して得られる溶液を加熱したときに、溶液の色の変化によって確認することができる。また、この錯形成反応は、例えば紫外・可視吸収スペクトル測定装置を用いて、300nm〜750nmの波長領域において観測される吸収スペクトルの吸収極大の波長を測定し、原料の極大吸収波長(例えば酢酸ニッケル四水和物ではその極大吸収波長は710nmである。)に対する錯化反応液のシフトを観測することによって確認することができる。
(加熱還元)
次に、得られたニッケル錯体溶液中、又は混合液中のニッケルイオンを加熱還元し、第1のニッケル微粒子10に成長させる。この場合、種粒子を使用することが好ましく、後述する工程bで得られる第2のニッケル微粒子20を、工程aにおける種粒子として用いることがより好ましい。種粒子を用いることによって、一段階の合成法に比べ、均一な粒子径を有する第1のニッケル微粒子10を製造できる。また、工程bで得られる種粒子を所定量使用することによって、第1のニッケル微粒子10中に所望の量の銅元素を含有させることができる。
ここで、種粒子を用いる場合は、種粒子と、ニッケル錯体溶液とを混合して混合液を得る。種粒子又は種粒子を含むスラリーを、ニッケル錯体溶液に添加してもよいし、種粒子を含むスラリーに、ニッケル錯体溶液を添加してもよい。混合されたニッケル錯体は、新たな核の形成には利用されず、種粒子から第1のニッケル微粒子10への成長に利用される。つまり、混合液中のニッケル錯体の濃度が、核形成の臨界濃度を超えない限り、ニッケル錯体は粒子成長にのみ利用される。従って、目的とする粒子径の第1のニッケル微粒子10を得るためのニッケル錯体の量は、種粒子の粒子径に基づき、計算上、算出することができる。
種粒子としては、例えばニッケル元素に対する銅元素の含有割合が3質量%以上40質量%以下の範囲内のものを用いることが好ましい。種粒子におけるニッケル元素に対する銅元素の含有量が3質量%未満であると、銅の核材としての効果が低下し、微細な球状で粒度分布が均一な種粒子を作りにくくなり、また、成長したニッケル粒子の磁性を抑制する効果が十分に得られず、凝集が生じやすくなる傾向がある。一方、種粒子における銅元素の含有量が40質量%を超えると、銅の核材としての効果が飽和し、微細な種粒子を作る為の効果は得にくく、種粒子の段階で表面が酸化しやすくなる。また、金属として、ニッケル及び銅に加え、これら以外のものを用いる場合、例えば、銀などの異種金属によるマイグレーションによるショートや静電容量の低下などの製品不良を防止する観点から、ニッケル及び銅以外の金属元素の含有量を0.01質量%以上2質量%以下の範囲内とすることが好ましい。このような種粒子を用いる場合は、混合液中の種粒子が核として第1のニッケル微粒子10が成長するとともに、第1のニッケル微粒子10中で、銅原子を拡散させることができる。
加熱方法は、特に制限されず、例えばオイルバスなどの熱媒体による加熱であってもよいが、マイクロ波照射による加熱が好ましい。マイクロ波照射によるニッケル錯体の加熱は、ニッケル錯体の均一加熱を可能とし、かつエネルギーをニッケル錯体に直接与えることができるため、急速加熱を行なうことができる。これにより、反応液全体を所望の温度に均一にすることができ、ニッケル錯体(又はニッケルイオン)の還元と成長を溶液全体において同時に生じさせ、結果として粒子径分布の狭い単分散な粒子を短時間で容易に製造することができる。マイクロ波の使用波長は、特に限定するものではなく、例えば2.45GHzである。
加熱還元の温度は、得られる第1のニッケル微粒子10の形状のばらつきを抑制するという観点から、好ましくは170℃以上、より好ましくは180℃以上とすることがよい。また、加熱温度が低すぎると、ニッケル錯体からニッケル(0価)への還元反応速度が遅くなり、金属ニッケルの成長が遅くなる傾向がある。加熱温度の上限は特にないが、処理を能率的に行う観点からは例えば270℃以下とすることが好適である。また、270℃を超えると炭化反応が進行して炭化ニッケルが生成しやすくなるので、好ましくない。
加熱還元時の熱処理によって、加熱還元と同時に第1のニッケル微粒子10中の銅元素を拡散させることができる。
以上のようにして、第1のニッケル微粒子10を含有するスラリーを得ることが出来る。なお、工程aでは、第1のニッケル微粒子10を含有するスラリーを、例えば、静置分離し、上澄み液を取り除いた後、適当な溶媒を用いて洗浄し、乾燥することで第1のニッケル微粒子10を分取してもよい。
[工程b]
本工程は、走査型電子顕微鏡観察による平均粒子径D50が5nm以上40nm以下の範囲内である第2のニッケル微粒子20を準備する工程である。なお、第2のニッケル微粒子20は、工程aにおいて、第1のニッケル粒子10の成長の核(種粒子)としても利用できるものである。
工程bでは、少なくともカルボン酸ニッケルを含む金属塩と、脂肪族1級モノアミンと、を混合し、加熱することによって金属塩を有機アミンに溶解させたニッケル錯体溶液を準備し、このニッケル錯体溶液を湿式加熱還元することによって第2のニッケル微粒子20を製造することができる。例えば、ニッケル塩及び銅塩を含む原料から、有機アミンの存在下で加熱による湿式還元によって製造することが好ましい。この場合、銅とニッケルとの標準電極電位の相違から、まず、銅粒子が形成され、次に、銅粒子の表面にニッケル被膜が形成されることによって、第2のニッケル微粒子20が得られる。
(銅塩)
銅塩としては、例えばカルボン酸銅を用いることが好ましい。また、カルボン酸銅としては、例えば、還元過程での解離温度(分解温度)が比較的低いギ酸銅、酢酸銅などを用いることが好ましい。また、カルボン酸銅は、無水物であってもよく、水和物であってもよい。銅塩を配合することによって、第2のニッケル微粒子20の形成を促進できるとともに、第2のニッケル微粒子20の粒子径の制御が容易になる。
(ニッケル塩)
ニッケル塩としては、例えばカルボン酸ニッケルを用いることが好ましい。また、カルボン酸ニッケルとしては、例えば、還元過程での解離温度(分解温度)が比較的低いギ酸ニッケル、酢酸ニッケルなどを用いることが好ましい。カルボン酸ニッケルは、無水物であってもよく、また水和物であってもよい。なお、カルボン酸ニッケルに代えて、塩化ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、水酸化ニッケル等の無機塩を用いることも考えられるが、無機塩の場合、解離(分解)が高温であるため、還元過程で高温での加熱が必要であり好ましくない。また、Ni(acac)(β−ジケトナト錯体)、ステアリン酸イオン等の有機配位子により構成されるニッケル塩を用いることも考えられるが、これらのニッケル塩を用いると、原料コストが高くなり好ましくない。
なお、第2のニッケル微粒子20は、ニッケル及び銅以外の金属を含有していてもよい。その場合、第2のニッケル微粒子20の調製に際して、例えば、銀、金、白金及びパラジウムから選ばれる1種以上の金属の塩を使用してもよい。これらの金属の塩としては、例えば酢酸パラジウムなどのカルボン酸塩、硝酸銀などの硝酸塩、塩化金酸、塩化白金酸などの塩化物などを用いることが好ましい。金属塩は、無水物であってもよく、また水和物であってもよい。
第2のニッケル微粒子20における銅元素の含有量は、例えば3質量%以上40質量%以下の範囲内とすることが好ましい。第2のニッケル微粒子20における銅元素の含有量が3質量%未満であると、銅の核材としての効果が低下し、微細な球状で粒度分布が均一な第2のニッケル微粒子20を作りにくくなり、また、成長したニッケル粒子の磁性を抑制する効果が十分に得られず、凝集が生じやすくなる傾向がある。一方、第2のニッケル微粒子20における銅元素の含有量が40質量%を超えると、銅の核材としての効果が飽和し、微細な第2のニッケル微粒子20を作る為の効果は得にくく、第2のニッケル微粒子20の段階で表面が酸化しやすくなる。また、金属として、銅以外のものを用いる場合、例えば、銀などのニッケル以外の異種金属によるマイグレーションによるショートや静電容量の低下などの製品不良を防止する観点から、銅以外の金属元素の含有量を0.01質量%以上2質量%以下の範囲内とすることが好ましい。
(有機アミン)
有機アミンは、ニッケルイオンとの錯体を形成できるものであれば、特に限定されず、常温で固体又は液体のものが使用できる。ここで、常温とは、20℃±15℃をいう。常温で液体の有機アミンは、ニッケル錯体を形成する際の有機溶媒としても機能する。なお、常温で固体の有機アミンであっても、加熱によって液体であるか、又は有機溶媒を用いて溶解するものであれば、特に問題はない。
有機アミンとしては、脂肪族1級モノアミンを用いることが好ましい。一方、2級アミンは立体障害が大きいため、ニッケル錯体の良好な形成を阻害するおそれがあり、3級アミンはニッケルイオンの還元能を有しないため、いずれも使用できない。また、ジアミンは、金属イオンの中でも特にニッケルイオンと形成した錯体の安定性が高く、その還元温度は高くなるため反応性が非常に低く、生成するニッケル粒子に歪が生じやすくなるため好ましくない。
脂肪族1級モノアミンは、例えばその炭素鎖の長さを調整することによって生成する第2のニッケル微粒子20の粒径を制御することができる。第2のニッケル微粒子20の粒径を制御する観点から、脂肪族1級モノアミンは、その炭素数が6〜20程度のものから選択して用いることが好適である。炭素数が多いほど得られる第2のニッケル微粒子20の粒径が小さくなる。このようなアミンとして、例えばオクチルアミン、トリオクチルアミン、ジオクチルアミン、ヘキサデシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ミリスチルアミン、ラウリルアミン等を挙げることができる。
脂肪族1級モノアミンは、第2のニッケル微粒子20の生成時に表面修飾剤として機能するため、脂肪族1級モノアミンの除去後においても二次凝集を抑制できる。また、脂肪族1級モノアミンは、還元反応後の生成した第2のニッケル微粒子20の固体成分と溶剤又は未反応の脂肪族1級モノアミン等を分離する洗浄工程における処理操作の容易性の観点からも好ましい。更に、脂肪族1級モノアミンは、ニッケル錯体を還元して第2のニッケル微粒子20を得るときの反応制御の容易性の観点からは還元温度より沸点が高いものが好ましい。すなわち、脂肪族1級モノアミンは、沸点が180℃以上のものが好ましく、200℃以上のものがより好ましい。また、脂肪族1級モノアミンは、炭素数が9以上であることが好ましい。ここで、例えば炭素数が9である脂肪族1級モノアミンのC21N(ノニルアミン)の沸点は201℃である。
脂肪族1級モノアミンは、還元反応後の生成した第2のニッケル微粒子20の固体成分と溶剤または未反応の脂肪族1級モノアミン等を分離する洗浄工程における処理操作の容易性の観点から、室温で液体のものが好ましい。更に、脂肪族1級モノアミンは、銅錯体を還元して第2のニッケル微粒子20を得るときの反応制御の容易性の観点から、還元温度より沸点が高いものが好ましい。脂肪族1級モノアミンの量は、金属イオン(ニッケルイオン及び銅イオンの合計)1molに対して5mol以上用いることが好ましく、8mol以上用いることがより好ましい。脂肪族1級モノアミンの量が5mol未満では、得られるニッケル粒子の粒子径の制御が困難となり、粒子径がばらつきやすくなる。また、脂肪族1級モノアミンの量の上限は特にはないが、例えば生産性の観点からは、金属イオン1molに対して20mol以下とすることが好ましく、15mol以下とすることがより好ましい。つまり、脂肪族1級モノアミンの量は、金属イオン1molに対して5〜20molの範囲内が好ましく、8〜15molの範囲内がより好ましい。
(有機溶媒)
脂肪族1級モノアミンは、有機溶媒として反応を進行させることができるが、均一溶液での反応をより効率的に進行させるために、第2のニッケル微粒子20の調製において、脂肪族1級モノアミンとは別の有機溶媒を新たに添加してもよい。使用できる有機溶媒としては、脂肪族1級モノアミンと、ニッケルイオン、銅イオンなどの金属イオンとの錯形成を阻害しないものであれば、特に限定するものではなく、例えば炭素数4〜30のエーテル系有機溶媒、炭素数7〜30の飽和又は不飽和の炭化水素系有機溶媒、炭素数8〜18のアルコール系有機溶媒等を使用することができる。また、マイクロ波照射による加熱条件下でも使用を可能とする観点から、使用する有機溶媒は、沸点が170℃以上のものを選択することが好ましく、より好ましくは200〜300℃の範囲内にあるものを選択することがよい。このような有機溶媒の具体例としては、例えばテトラエチレングリコール、n−オクチルエーテル、炭素数が20〜40の範囲内にあるポリアルファオレフィン等が挙げられる。
(加熱還元)
第2のニッケル微粒子20を形成するための加熱還元方法は、特に制限されず、例えばオイルバスなどの熱媒体による加熱であっても、マイクロ波照射による加熱であってもよいが、均一、かつ急速な加熱が可能なマイクロ波照射による加熱が好ましい。マイクロ波の使用波長は、特に限定するものではなく、例えば2.45GHzである。
第2のニッケル微粒子20を形成するための加熱温度は、第2のニッケル微粒子20の形状のばらつきを抑制するという観点から、好ましくは170℃以上、より好ましくは180℃以上とすることがよい。加熱温度の上限は特にないが、処理を能率的に行う観点から、例えば270℃以下とすることが好適である。
以上のようにして、第2のニッケル微粒子20を含有するスラリーを得ることが出来る。なお、工程bでは、第2のニッケル微粒子20を含有するスラリーを、例えば、静置分離し、上澄み液を取り除いた後、適当な溶媒を用いて洗浄し、乾燥することで第2のニッケル微粒子20を分取してもよい。
工程c(混合工程):
工程cは、工程aで得られた第1のニッケル微粒子10のスラリーと、工程bで得られた第2のニッケル微粒子20のスラリーとを混合する。混合比率は、ニッケル微粒子含有組成物100中の第1のニッケル微粒子10と第2のニッケル微粒子20の合計量に対し、第1のニッケル微粒子10の含有量が75〜99質量%の範囲内、好ましくは80〜95質量%の範囲内であり、第2のニッケル微粒子20の含有量が1〜25質量%の範囲内、好ましくは5〜20質量%の範囲内であり、かつ、第1のニッケル微粒子10及び第2のニッケル微粒子20に含まれる銅元素の合計量が、第1のニッケル微粒子10及び第2のニッケル微粒子20の合計量に対し0.5〜10質量%の範囲内となるようにする。
混合工程では、第1のニッケル微粒子10と第2のニッケル微粒子20とを均一な混合、分散状態とするために、例えば撹拌、衝撃混合、せん断混合等の操作を行うことが好ましい。
以上のようにしてスラリー状態のニッケル微粒子含有組成物100を製造することができるが、本実施の形態のニッケル微粒子含有組成物100の製造方法は、上記工程a〜工程c以外に、任意の工程を含むことが可能であり、例えば、以下の工程dなどを含むことができる。
工程d(乾燥工程):
本工程では、工程cで得られたスラリー状態のニッケル微粒子含有組成物100を、例えば、静置分離し、上澄み液を取り除いた後、適当な溶媒を用いて洗浄し、乾燥することで、乾燥状態のニッケル微粒子含有組成物100が得られる。本工程で得られる乾燥後のニッケル微粒子含有組成物100は粉末状をなしていてもよい。この場合、第1のニッケル微粒子10と第2のニッケル微粒子20が凝集して2次粒子を形成していてもよいが、上記のとおり、個々の2次粒子における第1のニッケル微粒子10の含有比率が75〜99質量%であり、かつ第2のニッケル微粒子20の含有比率が1〜25質量%の範囲内であることが好ましい。
本実施の形態のニッケル微粒子含有組成物100は、平均粒子径が異なり、粒度分布の小さな2種類のニッケル微粒子を混合しているため、粒子径分布のピークを少なくとも2つ持っており、配合量の多い大きな粒子(第1のニッケル微粒子10)どうしの隙間を、配合量の少ない小さな粒子(第2のニッケル微粒子20)によって埋めることができる。そのため、ニッケル微粒子含有組成物100の密度は、単一ピークの粒子径分布を持つ同体積のニッケル微粒子に比べて高くなる。しかも、2種類のニッケル微粒子にそれぞれ含まれる銅元素は、凝集の原因となるニッケル粒子の磁性を弱め、分散性の向上に寄与するため、第2のニッケル微粒子20が第1のニッケル微粒子10の周囲に均等に配置されやすく、高密度な状態を取りやすい。従って、本実施の形態のニッケル微粒子含有組成物100を用いることによって、例えば積層セラミックコンデンサの製造過程で、焼結時のデラミネーションやクラック等の欠陥の発生を防ぐことができる。このようなニッケル微粒子含有組成物100は、積層セラミックコンデンサの内部電極の材料などの用途に好適に用いることができる。
また、通常、ニッケル微粒子は、平均粒子径が小さくなると焼結温度が低下するだけでなく、粒子の比表面積が大きくなることから、粒子表面の酸素量(及び有機物などの不純物)が多くなり、熱収縮量も大きくなる。これによって、例えばMLCC製造時の焼結過程で、図2に示すように、第2のニッケル微粒子20を加熱段階で速やかに溶融させ、第1のニッケル微粒子10どうしの隙間を溶融物20aで埋め、全体の熱収縮を抑制することができる。本実施の形態においては、このような溶融温度の差を利用し、混合粒子の熱収縮率を小さくすることによって、内部電極層と誘電体層とのデラミネーションや内部電極層の膜切れを防止することが可能になる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特にことわりのない限り各種測定、評価は下記によるものである。
[平均粒子径の測定]
SEM(走査型電子顕微鏡)により試料の写真を撮影して、その中から無作為に200個を抽出してそれぞれの面積を求め、真球に換算したときの粒子径を個数基準として一次粒子の平均粒子径D50を算出した。また、CV値(変動係数)は、(標準偏差)÷(平均粒子径)によって算出した。なお、CV値が小さいほど、粒子径がより均一であることを示す。
[熱機械分析(TMA)、熱重量分析(TGA)、5%熱収縮温度]
試料を5Φ×2mmの円柱状成型器に入れ、プレス成型して得られる成型体を作製し、窒素ガス(水素ガス3%含有)の雰囲気下で、熱機械分析(TMA)および熱重量分析(TGA)を行った。また、熱機械分析装置(TMA)により測定される5%熱収縮の温度を5%熱収縮温度とした。また、この測定を行うための成型時の密度を測定した。
(合成例1)
<錯化反応液の調製>
6.0kgのオレイルアミンに50gのギ酸銅四水和物と350gのギ酸ニッケル二水和物を加え、窒素フロー下で120℃、60分間加熱することでギ酸銅とギ酸ニッケルをオレイルアミンに溶解した。
上記の溶解液にマイクロ波を照射して190℃、10分間加熱して、6.1kgのニッケル微粒子スラリー(1−A)を調製した。得られたニッケル微粒子スラリー(1−A)の100gを分取して、上澄み液を取り除いた後、トルエンとメタノールを用いてそれぞれ2回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してニッケル微粒子Aを調製した。
ニッケル微粒子AのSEM写真を参照すると、ニッケル微粒子Aの平均粒子径は20nm、CV値は0.14、銅元素の含有量は11.24質量%であった。
(合成例2)
<錯化反応液の調製>
6.0kgのオレイルアミンに133gのギ酸銅四水和物と350gのギ酸ニッケル二水和物を加え、窒素フロー下で120℃、60分間加熱することでギ酸銅とギ酸ニッケルをオレイルアミンに溶解した。
上記の溶解液にマイクロ波を照射して190℃、10分間加熱して、6.14kgのニッケル微粒子スラリー(2−A)を調製した。得られたニッケル微粒子スラリー(2−A)の100gを分取して、上澄み液を取り除いた後、トルエンとメタノールを用いてそれぞれ2回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してニッケル微粒子Bを調製した。
ニッケル微粒子BのSEM写真を参照すると、ニッケル微粒子Bの平均粒子径は12nm、CV値は0.13、銅元素の含有量は25.20質量%であった。
(合成例3)
<錯化反応液の調製>
6.0kgのオレイルアミンに5gのギ酸銅四水和物と350gのギ酸ニッケル二水和物を加え、窒素フロー下で120℃、60分間加熱することでギ酸銅とギ酸ニッケルをオレイルアミンに溶解した。
上記の溶解液にマイクロ波を照射して190℃、10分間加熱して、オレイルアミンで希釈した30gの10%ドデカンチオール溶液を20分間で滴下して、さらにその温度を20分間維持したのち放冷して、6.05kgのニッケル微粒子スラリー(3−A)を調製した。得られたニッケル微粒子スラリー(3−A)の100gを分取して、上澄み液を取り除いた後、トルエンとメタノールを用いてそれぞれ2回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してニッケル微粒子Cを調製した。
ニッケル微粒子CのSEM写真を参照すると、ニッケル微粒子Cの平均粒子径は50nm、CV値は0.17、銅元素の含有量は1.25質量%であった。
(合成例4)
<ニッケル錯体溶液の調製>
50.0kgのオレイルアミンに20.6kgの酢酸ニッケル四水和物を加え、窒素フロー下で140℃、4時間加熱することでニッケル錯体溶液を調製した。
<ニッケル微粒子の調製>
上記ニッケル錯体溶液の11.28kgを分取し、そこに、合成例1で得た200gのニッケル粒子スラリー(1−A)を加え、撹拌後、マイクロ波を照射して225℃、10分間加熱して、オレイルアミンで希釈した200gの10%ドデカンチオール溶液を15分間で滴下して、さらにその温度を20分間維持したのち放冷して、ニッケル微粒子スラリー(4−A)を調製した。得られたニッケル微粒子スラリー(4−A)を静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンとメタノールを用いてそれぞれ2回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してニッケル微粒子Dを調製した。
ニッケル微粒子DのSEM写真を参照すると、ニッケル微粒子Dの平均粒子径は125nm、CV値は0.13、銅元素の含有量は0.052質量%であった。
(合成例5)
<ニッケル錯体溶液の調製>
合成例4と同様にして、ニッケル錯体溶液を調製した。
<ニッケル微粒子の調製>
上記ニッケル錯体溶液の9.50kgを分取し、そこに、合成例2で得た100gのニッケル粒子スラリー(2−A)を加え、撹拌後、マイクロ波を照射して225℃、10分間加熱して、オレイルアミンで希釈した180gの10%ドデカンチオール溶液を15分間で滴下して、さらにその温度を20分間維持したのち放冷して、ニッケル微粒子スラリー(5−A)を調製した。得られたニッケル微粒子スラリー(5−A)を静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンとメタノールを用いてそれぞれ2回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してニッケル微粒子Eを調製した。
ニッケル微粒子EのSEM写真を参照すると、ニッケル微粒子Eの平均粒子径は80nm、CV値は0.14、銅元素の含有量は0.082質量%であった。
(合成例6)
<ニッケル錯体溶液の調製>
合成例4と同様にして、ニッケル錯体溶液を調製した。
<ニッケル微粒子の調製>
上記ニッケル錯体溶液の9.50kgを分取し、そこに、合成例2で得た20gのニッケル微粒子スラリー(2−A)を加え、撹拌後、マイクロ波を照射して225℃、10分間加熱することによってニッケル微粒子スラリー(6−A)を調製した。得られたニッケル微粒子スラリー(6−A)を静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンとメタノールを用いてそれぞれ2回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してニッケル微粒子Fを調製した。
ニッケル微粒子FのSEM写真を参照すると、ニッケル微粒子Fの平均粒子径は137nm、CV値は0.22、銅元素の含有量は0.083質量%であった。
(合成例7)
<ニッケル錯体溶液の調製>
合成例4と同様にして、ニッケル錯体溶液を調製した。
<ニッケル微粒子の調製>
上記ニッケル錯体溶液の10.50kgを分取し、そこに、合成例2で得た13gのニッケル微粒子スラリー(2−A)を加え、撹拌後、マイクロ波を照射して225℃、10分間加熱することによってニッケル微粒子スラリー(7−A)を調製した。得られたニッケル微粒子スラリー(7−A)を静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンとメタノールを用いてそれぞれ2回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してニッケル微粒子Gを調製した。
ニッケル微粒子GのSEM写真を参照すると、ニッケル微粒子Gの平均粒子径は162nm、CV値は0.31、銅元素の含有量は0.075質量%であった。
Figure 0006539520
[実施例1〜7]
上記合成例で得られたニッケル微粒子のスラリーを、表2に記載した比率となるように混合することによって、ニッケル微粒子含有組成物を調製した。得られたニッケル微粒子含有組成物の5%熱収縮温度、700℃収縮率、収縮率測定時の成型密度を表2に示した。
[比較例1〜5]
上記合成例で得られたニッケル微粒子のスラリーを、表2に記載した比率となるように混合することによって、ニッケル微粒子含有組成物を調製した。得られたニッケル微粒子含有組成物の5%熱収縮温度、700℃収縮率、収縮率測定時の成型密度を表2に示した。
Figure 0006539520
表2より、実施例1〜7のニッケル微粒子含有組成物は、いずれも比較例に比べ、成形密度が高くなっており、5%収縮温度が高く、かつ700℃での熱収縮が抑制されていた。
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。
10…第1のニッケル微粒子、20…第2のニッケル微粒子、20a…溶融物、100…ニッケル微粒子含有組成物

Claims (10)

  1. 次の成分A及びB;
    A)銅元素を含有し、走査型電子顕微鏡観察による平均粒子径D50が40〜200nmの範囲内である第1のニッケル微粒子、
    B)銅元素を含有し、走査型電子顕微鏡観察による平均粒子径D5010〜30nmの範囲内である第2のニッケル微粒子、
    を含有するとともに、
    前記A成分と前記B成分の合計量に対する前記A成分の含有量が75〜99質量%の範囲内、前記B成分の含有量が1〜25質量%の範囲内であり、かつ、前記A成分及び前記B成分に含まれる銅元素の合計量が、前記A成分及び前記B成分の合計量に対し0.5〜10質量%の範囲内であり、前記A成分に含まれる銅元素の量が0.01〜2質量%の範囲内であるニッケル微粒子含有組成物。
  2. 前記B成分に含まれる銅元素の合計量が3〜40質量%の範囲内である請求項1に記載のニッケル微粒子含有組成物。
  3. 前記第1のニッケル微粒子と前記第2のニッケル微粒子は、ともに粒子径の変動係数が0.25以下であるとともに、平均粒子径の比(第1のニッケル微粒子の平均粒子径D50/第2のニッケル微粒子の平均粒子径D50)が4を超える請求項1又は2に記載のニッケル微粒子含有組成物。
  4. さらに、溶媒を含有するスラリーの形態である請求項1からのいずれか1項に記載のニッケル微粒子含有組成物。
  5. 粉末状の形態をなし、前記第1のニッケル微粒子の表面に前記第2のニッケル微粒子が付着している請求項1からのいずれか1項に記載のニッケル微粒子含有組成物。
  6. 下記の工程a〜c;
    a)湿式加熱還元によって、銅元素を含有し、走査型電子顕微鏡観察による平均粒子径D50が40〜200nmの範囲内である第1のニッケル微粒子のスラリーを得る工程、
    b)湿式加熱還元によって、銅元素を含有し、走査型電子顕微鏡観察による平均粒子径D50が5〜40nmの範囲内である第2のニッケル微粒子のスラリーを得る工程、
    並びに、
    c)前記第1のニッケル微粒子と前記第2のニッケル微粒子の合計量に対する前記第1のニッケル微粒子の含有量が75〜99質量%の範囲内であり、前記第2のニッケル微粒子の含有量が1〜25質量%の範囲内であり、かつ、前記第1のニッケル微粒子及び前記第2のニッケル微粒子に含まれる銅元素の合計量が、前記第1のニッケル微粒子及び前記第2のニッケル微粒子の合計量に対し0.5〜10質量%の範囲内となるように、前記スラリーどうしを混合してニッケル微粒子含有組成物を得る工程、
    を含むニッケル微粒子含有組成物の製造方法。
  7. 前記工程a及び工程bにおける湿式加熱還元が、マイクロ波照射によるものである請求項に記載のニッケル微粒子含有組成物の製造方法。
  8. 前記工程aにおいて、前記工程bで得られる第2のニッケル微粒子を種粒子として用いる請求項6又は7に記載のニッケル微粒子含有組成物の製造方法。
  9. 前記第1のニッケル微粒子に含まれる銅元素の量が0.01〜2質量%の範囲内である請求項6から8のいずれか1項に記載のニッケル微粒子含有組成物の製造方法。
  10. 前記第2のニッケル微粒子に含まれる銅元素の合計量が3〜40質量%の範囲内である請求項6から9のいずれか1項に記載のニッケル微粒子含有組成物の製造方法。
JP2015129664A 2015-06-29 2015-06-29 ニッケル微粒子含有組成物及びその製造方法 Active JP6539520B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015129664A JP6539520B2 (ja) 2015-06-29 2015-06-29 ニッケル微粒子含有組成物及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015129664A JP6539520B2 (ja) 2015-06-29 2015-06-29 ニッケル微粒子含有組成物及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017014545A JP2017014545A (ja) 2017-01-19
JP6539520B2 true JP6539520B2 (ja) 2019-07-03

Family

ID=57828785

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015129664A Active JP6539520B2 (ja) 2015-06-29 2015-06-29 ニッケル微粒子含有組成物及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6539520B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018143220A1 (ja) * 2017-02-01 2018-08-09 太陽インキ製造株式会社 光硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、およびプリント配線板
JP7293591B2 (ja) * 2018-09-12 2023-06-20 住友金属鉱山株式会社 ニッケル粉末およびニッケル粉末の製造方法
KR102392379B1 (ko) * 2020-06-30 2022-04-29 삼성에스디아이 주식회사 니켈계 리튬 금속 복합 산화물, 그 제조방법 및 이를 포함하는 양극을 함유한 리튬이차전지

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4081987B2 (ja) * 2000-05-30 2008-04-30 株式会社村田製作所 金属粉末の製造方法,金属粉末,これを用いた導電性ペーストならびにこれを用いた積層セラミック電子部品
JP5327582B2 (ja) * 2007-10-18 2013-10-30 日立金属株式会社 還元析出型球状NiP微小粒子およびその製造方法
JP6042736B2 (ja) * 2013-01-30 2016-12-14 新日鉄住金化学株式会社 ニッケル微粒子含有組成物及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017014545A (ja) 2017-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6799936B2 (ja) ニッケル粒子、導電性ペースト、内部電極及び積層セラミックコンデンサ
JP7042372B2 (ja) ニッケル粉及びその製造方法、ニッケルペースト
JP2014029013A (ja) 複合ニッケル粒子
JP2024079671A (ja) 多層セラミックコンデンサにおける電極材料としての使用のための金属粉末並びにその製造方法及び使用方法
JP6539520B2 (ja) ニッケル微粒子含有組成物及びその製造方法
TWI284069B (en) Surface-treated ultrafine metal powder, method for producing the same, conductive metal paste of the same, and multilayer ceramic capacitor using said paste
JP5862835B2 (ja) 金属粉末の製造方法、導電性ペーストの製造方法、および積層セラミック電子部品の製造方法
JP5327442B2 (ja) ニッケル−レニウム合金粉末及びそれを含有する導体ペースト
JP6425367B1 (ja) ニッケル粉及びニッケルペースト
JP2015049973A (ja) 導電性ペースト及びそれに用いる複合ニッケル微粒子の製造方法
JP5046044B2 (ja) 酸化マグネシウムナノ粒子の製造方法及び酸化マグネシウムナノゾルの製造方法
JP2013023754A (ja) 複合ニッケルナノ粒子及びその製造方法
JP6799931B2 (ja) ニッケル微粒子含有組成物及びその製造方法、内部電極並びに積層セラミックスコンデンサ
JP2015151558A (ja) ニッケル微粒子スラリー、金属微粒子及びその製造方法
JP6558750B2 (ja) ニッケル微粒子含有組成物及びその製造方法
JP5993763B2 (ja) 複合ニッケル粒子
JP5993765B2 (ja) 複合ニッケル粒子
JPWO2013031670A1 (ja) 分散剤及び分散性金属ナノ粒子組成物
JP6644053B2 (ja) ニッケル粒子、その製造方法及び導電性ペースト
JP6614034B2 (ja) ニッケル微粉末、ニッケル微粉末の製造方法、ニッケル粉有機スラリー及びニッケルペースト
JP6608378B2 (ja) ニッケル粒子の製造方法
JP2022156863A (ja) ニッケルナノ粒子、その製造方法、ペースト材料及び積層セラミックコンデンサ
TW200831679A (en) Nickel-rhenium alloy powder and conductor paste containing the same
JP2024018487A (ja) ニッケル合金粉末及び、ニッケル合金粉末の製造方法
JP2024018489A (ja) ニッケル合金粉末及び、ニッケル合金粉末の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190402

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190329

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190529

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190604

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190610

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6539520

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250