JP4081987B2 - 金属粉末の製造方法,金属粉末,これを用いた導電性ペーストならびにこれを用いた積層セラミック電子部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属粉末の製造方法,金属粉末,これを用いた導電性ペーストならびにこれを用いて内部電極を形成した積層セラミック電子部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、積層セラミック電子部品、例えば積層セラミックコンデンサは、セラミック積層体と、内部電極と、端子電極とからなる。セラミック積層体は、例えば誘電体材料からなる生のセラミック層が複数積層された生のセラミック積層体が焼成されてなる。内部電極は、セラミック積層体内のセラミック層間にあって、複数の生のセラミック層上に導電性ペーストが印刷され、生のセラミック積層体と同時焼成されてなり、内部電極のそれぞれの端縁は、上述のセラミック層の何れかの端面に露出するように形成されている。端子電極は、セラミック積層体の端面に露出した内部電極の一端に接続されるように、導電性ペーストがセラミック積層体の端面に塗布され焼付けられてなる。
【0003】
このような積層セラミック電子部品、特に積層セラミックコンデンサの内部電極形成には導電性ペーストが用いられる。導電性ペーストは、導電成分として機能する金属粉末を含有し、金属粉末としては銀やパラジウム等の貴金属に加えて、近年ではニッケルや銅粉末等の卑金属が用いられるようになっている。また、積層セラミック電子部品はその小型化ならびに薄層化が進み、これに伴い内部電極形成に用いる導電性ペーストに含有する金属粉末の微粒化が求められる。
【0004】
従来、平均粒径の小さい金属粉末を製造する方法としては、例えば気相法があるが、気相法による金属粉末の製造はコストが高くつくという問題があるため、液相法によって平均粒径の小さい金属粉末を製造する方法が開発されている。
【0005】
このように、液相法によって平均粒径の小さい金属粉末を製造する方法としては、例えば特公平6−99143号公報において、ニッケル塩の溶液を水素化硼素ナトリウム等の水素化硼化物の還元液にて液相還元する工程を経て、平均粒径の小さい金属粉末を得る方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特公平6-99143号公報に記載の方法によれば、硼素が金属粉末中に合金もしくは不純物として析出するため、得られた金属粉末の純度が低下し、例えば、積層セラミック電子部品の内部電極を形成するための導電性ペーストに含まれるべき導電成分としては、電気的性能が劣る問題があった。
【0007】
また、液相法による金属粉末の製造方法でありながら、不純物の混入を抑制させる方法としては、例えば特開平5−43921号公報において、塩基性炭酸ニッケルを含む溶液を還元させることでニッケル粉末を製造する場合に、還元剤としてヒドラジンを用いる方法が開示されている。この方法によれば、ヒドラジンを還元剤として用いるため、還元反応中に不純物が析出することは実質的にない。
【0008】
しかし、この方法で得られる金属粉末の平均粒径は100nmを超え、積層セラミック電子部品のさらなる薄層化に寄与する内部電極を形成するための導電性ペーストに含まれるべき導電成分としては、平均粒径が大きすぎる問題がある。
【0009】
本発明の目的は、上述の問題点を解消すべくなされたもので、平均粒径が100nm以下の金属粉末が得られ、しかも還元剤による不純物が実質的に生じない、液相法による金属粉末の製造方法、このような方法によって得られる金属粉末、このような金属粉末を用いた導電性ペーストならびにこのような導電性ペーストを用いた積層セラミック電子部品を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の金属粉末の製造方法は、還元剤溶液を準備する工程と、ニッケル塩と、銅塩と、が溶媒に溶解した金属塩溶液を準備する工程と、還元剤溶液と金属塩溶液とを混合することで、銅塩を還元させて銅を析出させ、銅を核として、ニッケル塩を還元させてニッケルを析出させる工程と、を備える金属粉末の製造方法において、上述の銅塩の含有量は、ニッケル塩のNi換算100重量%に対して、Cu換算で5.0〜4.6×10 -7 重量%の範囲であることを特徴とする。
【0011】
また、上述のニッケル塩または/および銅塩は、塩化物,硫酸塩および硝酸塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0013】
また、上述の還元剤溶液は、苛性アルカリと、ヒドラジンまたは/およびヒドラジン水和物と、が溶媒に溶解したものであることが好ましい。
【0014】
また、上述の苛性アルカリは、水酸化カリウム,水酸化ナトリウム,水酸化カルシウム,水酸化バリウムおよびアンモニアよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0015】
また、上述の溶媒は、アルコールと水の混合溶液であることが好ましい。
【0016】
本願発明の金属粉末は、上述の本発明の金属粉末の製造方法によって得られたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の金属粉末は、ニッケル粒子の内部に、銅からなる核を備える金属粉末において、上述の銅の含有量は、金属粉末のNi換算100重量%に対して、Cu換算で4.62〜4.54×10 -7 重量%の範囲であることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の金属粉末の平均粒径は、100nm以下であることが好ましい。
【0020】
本発明の導電性ペーストは、本発明の金属粉末と、有機ビヒクルと、を含有してなることを特徴とする。
【0021】
本発明の積層セラミック電子部品は、複数のセラミック層が積層されてなるセラミック積層体と、セラミック層間に形成された複数の内部電極と、を備え、内部電極は、本発明の導電性ペーストを用いて形成されていることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明は、ニッケル塩を含有する金属塩溶液中に銅塩を含有させることで、まず銅塩を還元させて銅を析出させ、この微粒な銅を核として、これに続いてニッケルを析出させることで、平均粒径の小さい金属粉末を容易に製造することに特徴がある。
【0023】
銅は、ニッケルよりも酸化還元電位が高い。ニッケルよりも酸化還元電位が高い金属である銅の塩を、ニッケル塩を含有する金属塩溶液中に含有させ、この金属塩溶液と還元剤溶液とを混合すると、銅が先に析出し、ニッケルが続いて析出する。後から析出したニッケルは、先に析出した銅の核に成長するため、ニッケルの核生成を伴わずにニッケル微粒子の生成を行なうことができる。
【0024】
ニッケル塩ならびに銅塩は、選択した溶媒に良好に溶解し得るものが好ましく、このような金属塩としては、塩化物,硫酸塩,硝酸塩等が挙げられる。
【0025】
金属塩溶液中の銅塩の含有量は、ニッケル塩のNi換算100重量%に対して、Cu換算で5.0〜4.6×10-7重量%の範囲であることが好ましい。金属塩溶液中に銅塩を含有することで銅が先に析出して微粒な核となる。銅塩の含有量がCu換算で5.0重量%以下であれば、析出する銅の量が過多にならず適当となり、得られた金属粉末の抵抗も過大にならず適当であるため、積層セラミック電子部品の内部電極を形成するための導電ペーストに含まれるべき導電成分として適当となる。他方、銅塩の含有量がCu換算で4.6×10-7重量%以上であれば、析出して核となる銅の量が過小にならず適当となり、本発明の効果が十分に得られる。
【0026】
還元剤溶液は、苛性アルカリと、ヒドラジンまたは/およびヒドラジン水和物と、が溶媒に溶解したものであることが好ましい。還元剤であるヒドラジンは、金属イオンを還元する際に、還元された金属中に不純物がほとんど析出しない特徴を持つ還元剤であるため、金属粉末の融点の低下を招く硼素等の不純物の析出を抑制することができる。
【0027】
苛性アルカリは、ヒドラジンが金属塩を還元させる際に必要とする水酸化物イオンを供給するために必須となる。このような苛性アルカリとしては、水酸化カリウム,水酸化ナトリウム,水酸化カルシウム,水酸化バリウムおよびアンモニアよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、より好ましくは、水酸化ナトリウム単体を用いる。
【0028】
なお、金属塩溶液ならびに還元剤溶液の溶媒は、アルコールと水の混合溶液の混合溶液であることが好ましい。アルコール溶媒中に水を含有させ、溶媒中のアルコール濃度を変えることにより、析出する金属粉末の粒径を制御することができる。なお、アルコールのみを溶媒として用いると、金属イオンの溶解度を低くでき、そのため金属の析出速度を高くすることができ、析出する金属粉末の粒径を小さくすることができる反面、コスト高になる傾向がある。他方、単に水のみを溶媒として用いると、コスト安にはなるが、金属の析出速度が低く、析出する金属粉末の粒径が大きくなる傾向がある。
【0029】
より特定的に好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、まず、エタノールと水を50:50の割合で含有する混合溶媒中に水酸化ナトリウムを0.5〜5モル/リットルのモル濃度で溶解させるとともに、ヒドラジンまたは/およびヒドラジン水和物を、ニッケル塩と銅塩を還元するために化学量論的に必要な量から当該必要な量の15倍までの範囲で溶解させて得られる還元剤溶液を準備する。
【0030】
次いで、エタノールと水を50:50の割合で含有する混合溶媒中に、ニッケルの硫酸塩を1.0×10-2〜1.0モル/リットルと、銅塩である硫酸銅を溶解させて得られる金属塩溶液を準備する。
【0031】
次いで、還元剤溶液と金属塩溶液を20〜60℃に保持した状態で混合して、混合溶液を得る。混合溶液の温度、すなわち反応温度が20℃以上であれば、還元反応が進行しやすい。他方、混合溶液の温度が60℃以下であれば、溶媒中にエタノール等を含む場合であってもこれが気化しないため、混合溶液の濃度変化が生じにくい。還元反応はpHの高いアルカリ域で起こるが、還元剤溶液のpHは13程度、金属塩溶液のpHは5程度であるため、還元剤溶液に金属塩溶液を滴下するとpHが高い状態を維持して反応を進行させることができるため、混合手順としては、特に限定はしないが、攪拌している還元剤溶液に金属塩溶液を滴下することが好ましい。
【0032】
混合溶液中で、まず銅塩が還元され銅が微細な核として析出する。このとき、銅は酸化還元電位が高いためニッケルよりも速く析出し、またニッケルからなる核よりも微粒であるため、銅塩を含有しない金属塩溶液を用いて還元反応を行なった場合と比べて、核の数は多くなり、かつ微粒な金属粉末が生成される。
【0033】
銅が析出した後、順次ニッケルが析出する。上述したように、銅の核の方がニッケルの核よりも微粒であることから、順次析出するニッケルが微粒になる。こうして還元反応の終わった混合溶液中から金属を取出し、これを洗浄した後に乾燥して得られる金属粉末は、平均粒径が100nm以下で微粒あり、平均粒径のばらつきも少ない。
【0034】
本発明の金属粉末は、上述した本発明の金属粉末の製造方法によって得られる。その性状は、銅を核としたニッケル粉末であることに特徴がある。核を形成している銅の含有量は、金属粉末のNi換算100重量%に対して、Cu換算で4.62〜4.54×10-7重量%の範囲であることが好ましい。銅の含有量がCu換算で4.62重量%以下であれば、金属粉末の抵抗が過大にならず適当であるため、積層セラミック電子部品の内部電極を形成するための導電ペーストに含まれるべき導電成分として適当となる。他方、銅の含有量がCu換算で4.54×10-7重量%以上であれば、このような金属粉末を用いて積層セラミック電子部品の内部電極を形成した場合に、電極の剥離,カバレッジの低下,クラックの発生率,ESRの上昇が抑制されるという本発明の効果が十分に得られる。
【0035】
本発明の導電性ペーストは、本発明の金属粉末と、有機ビヒクルと、を含有してなる。有機ビヒクルは、特に限定はしないが、例えば、エチルセルロース樹脂とアルキド樹脂からなる有機バインダー25重量%と、エチルカルビトール,1−オクタノール,ケロシン系溶剤とからなる有機溶剤75重量%とを混合したもの等が適宜用いられる。
【0036】
本発明の導電性ペーストにおける金属粉末と有機ビヒクルの構成割合は、特に限定はしないが、例えば、金属粉末40重量部に対して、有機ビヒクル60重量部からなる。なお、本発明の導電性ペーストは、金属粉末と有機ビヒクルの他に、例えば、可塑剤,増粘防止剤,分散剤等の添加剤を含有することを妨げない。
【0037】
本発明の積層セラミック電子部品の一つの実施形態について、図1に基づいて詳細に説明する。すなわち、セラミック電子部品1は、セラミック積層体2と、内部電極3,3と、端子電極4,4と、めっき膜5,5とから構成される。
【0038】
セラミック積層体2は、BaTiO3を主成分とする誘電体材料からなるセラミック層2aが複数積層された生のセラミック積層体が焼成されてなる。
【0039】
内部電極3,3は、セラミック積層体2内のセラミック層2a間にあって、複数の生のセラミック層2a上に導電性ペーストが印刷され、生のセラミック層と同時焼成されてなり、内部電極3,3のそれぞれの端縁は、セラミック層2の何れかの端面に露出するように形成されている。
【0040】
端子電極4,4は、セラミック積層体2の端面に露出した内部電極3,3の一端と電気的かつ機械的に接合されるように、導電性ペーストがセラミック積層体2の端面に塗布され焼付けられてなる。
【0041】
めっき膜5,5は、例えば、SnやNi等の無電解めっきや、はんだめっき等からなり、端子電極上4,4上に少なくとも1層形成されてなる。
【0042】
なお、本発明のセラミック電子部品のセラミック積層体2の材料は、上述の実施形態に限定されることなく、例えばPbZrO3等その他の誘電体材料や、絶縁体、磁性体、半導体材料からなっても構わない。また、本発明の積層セラミック電子部品の内部電極3の枚数は、上述の実施形態に限定されることなく、何層形成されていても構わない。また、端子電極4,4の形状,形成位置,個数は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、セラミック積層体上に設けられた配線パターンであっても構わない。また、めっき膜5,5は、上述の実施形態に限定されることなく、必ずしも備えている必要はなく、また何層形成されていても構わない。また、セラミック積層体2の内部に、さらにビアホール等を備えていても構わない。
【0043】
【実施例】
(実施例1)
まず、水酸化ナトリウム12gと80%抱水ヒドラジン30gをエタノール50mlに溶解して還元剤溶液を作製した。次いで、硫酸ニッケル30.0g(Ni含有量7.4g)と、硫酸銅を表1に示した添加量、すなわち試料1から順に10.0〜1.0×10-9g(Cu含有量3.7〜3.7×10-10g)とを、エタノール100mlに溶解させた、試料1〜11の金属塩溶液を作製した。
【0044】
次いで、硫酸ニッケル30.0gのみをエタノール100mlに溶解させた、試料12の金属塩溶液を作製した。
【0045】
【表1】
【0046】
次いで、還元剤溶液と金属塩溶液を60℃に保持した後、還元剤溶液中に金属塩溶液を投入して混合溶液を得て、還元反応させた。
【0047】
還元反応が終了した後、固液分離させて粉末を回収し純水で洗浄した後にアセトンで洗浄しオーブン中で乾燥させて、試料1〜12の金属粉末を得た。
【0048】
他方、比較例として気相法によってニッケル粉末を作製し、これを試料13の金属粉末とした。
【0049】
そこで、得られた試料1〜13の金属粉末について、Ni,Cu換算含有量、Ni換算100重量%に対するCuの含有割合ならびに平均粒径を測定し、平均粒径について評価を付して、これらを表2にまとめた。
【0050】
なお、各試料の金属粉末中におけるNi,Cu換算の含有量は、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−AES)を用いて測定した。
【0051】
また、評価については、気相法による試料13の金属粉末より平均粒径が小さい試料は○、特に平均粒径が小さく優れる試料は◎、○◎に該当する試料を除いて、銅を含有しない試料12の金属粉末より平均粒径が小さい試料は△、従来技術である試料12は×、比較例である試料13は評価なし−とした。
【0052】
【表2】
【0053】
表2から明らかであるように、銅を核とする試料1〜11の金属粉末は、銅を含有しない試料12の金属粉末の平均粒径95nmより小さくなった。
【0054】
また、銅の含有量が多いほど平均粒径が小さくなる傾向が見られ、金属粉末のNi換算100重量%に対して、Cu換算含有量が1.25×102重量%である試料1の金属粉末が31nmで最も粒径が小さく、優れる結果となった。
【0055】
次に、試料1〜13の金属粉末を含有する導電性ペーストを作製し、これを用いて内部電極を形成した積層セラミック電子部品を作製した。
まず、有機バインダであるエチルセルロース系樹脂10重量部を溶剤であるテルピネオール90重量部に溶解して作製した有機ビヒクル40重量%と、試料1〜11の金属粉末50重量%とを、テルピネオール10重量%に添加して、3本ロールミルを用いて入念に分散混合処理を行ない、試料1〜13の導電性ペーストを作製した。
【0056】
次いで、セラミック粉末として、加水分解法で作製した平均粒径(D50)が0.5μmのチタン酸バリウム(BaTiO3)粉末を準備した。
【0057】
次いで、チタン酸バリウム粉末に添加物(0.02Dy+0.02Mg+0.02Mnおよび3Si焼結助材)を、酸化物粉末あるいは炭酸化物粉末の状態で添加混合し、加えてポリビニルブチラール系バインダおよびエタノール等の有機溶剤を加え、ボールミルを用いて湿式混合して、セラミックスラリーを調整した。
【0058】
次いで、セラミックスラリーにドクターブレード法を適用して、ドクターブレードのスリット幅を調整することにより、厚み1.4μmのセラミックグリーンシートを成形した。
【0059】
次いで、セラミックグリーンシート上に試料1〜13の導電性ペーストを、所定枚数のセラミックグリーンシートの表面上に、その一方の端縁が最終的に得られるセラミック積層体の何れかの端面側に露出し、他方の端縁がセラミック積層体の内部に留まるようにスクリーン印刷して、スクリーンパターンの厚みを変更することにより、乾燥後の厚みが0.6μmとなる電極膜を備える試料1〜13セラミックグリーンシートを複数枚作製した。
【0060】
次いで、電極膜を備える試料1〜13のセラミックグリーンシートを複数枚積層して、熱プレスで一体化させた後に所定の寸法に切断して、試料1〜13の生のセラミック積層体を得た。次いで、N2雰囲気中にて400℃で加熱して有機バインダを燃焼させた後、酸素分圧が9×10-12MPaのH2−N2−H2Oガスからなる還元性雰囲気中において1200℃を最高焼成温度として3時間保持して、試料1〜13のセラミック積層体を得た。なお、焼成後のセラミック積層体における有効誘電体セラミック層の層数は200であり、1層あたりの内部電極の面積は16.2×10-6m2であった。
【0061】
次いで、試料1〜13のセラミック積層体の端面に露出した内部電極に電気的かつ機械的に接合するように、Agを導電成分とする端子電極形成用の導電性ペーストを塗布し乾燥させ、これを焼付けて一対の端子電極を形成し、試料1〜13の積層セラミック電子部品を作製した。
【0062】
そこで、試料1〜13の積層セラミック電子部品について、セラミック層間の剥離発生率、カバレッジ(内部電極の被覆面積率)、クラック発生率、ESR(等価直列抵抗)を測定し、さらに積層セラミックコンデンサとしての評価を付して、これらを表3にまとめた。
【0063】
なお、剥離発生率については、試料1〜13の積層セラミック電子部品を長さ方向に直行する面で切断し、切断面を研磨した後に顕微鏡観察することにより、層間剥離が発生している試料を目視判定して計数し、各試料100個について層間剥離が発生した試料個数の比率を求めた。
【0064】
また、カバレッジについては、試料1〜13の積層セラミック電子部品の内部電極面を剥離し、内部電極面に穴があいている様子を顕微鏡で写真撮影し、これを画像解析処理することによって定量化して求めた。
【0065】
また、クラック発生率については、試料1〜13の積層セラミック電子部品を樹脂に埋め込んだ後に長さ方向に直行する面で切断し、切断面を研磨した後に顕微鏡観察することにより、内部電極内にひびが発生している試料を目視判定して計数し、各試料100個についてクラックが発生した試料個数の比率を求めた。
【0066】
また、ESRについては、試料1〜13の積層セラミック電子部品の両端面にAgを導電成分とする導電性厚膜ペーストを塗布し、これを焼付けて端子電極を形成した後に測定し、各試料100個のESRの平均値を求めた。
【0067】
また、評価については、気相法による試料13の金属粉末と比較して剥離発生率、カバレッジ、クラック発生率ならびにESRが何れも特に優れる試料については◎、◎に該当する試料を除き、気相法による試料13の金属粉末と比較して、ESRを除く上述の項目が何れも優れる試料については○、◎○に該当する試料を除いて積層セラミック電子部品として実用的な範囲内である試料については△、液相法による比較例である試料12は×、気相法による比較例である試料13は評価なし−とした。
【0068】
【表3】
【0069】
表1および表3から明らかであるように、銅塩の含有量が、ニッケル塩のNi換算100重量%に対して、Cu換算で5.0〜4.6×10-7重量%の範囲である金属塩溶液を用いて作製した金属粉末を含有してなる導電性ペーストを用いて内部電極を形成した試料2〜9の積層セラミック電子部品は、剥離発生率とクラック発生率が0%、カバレッジが87%以上、ESRも205Ω以下で、積層セラミック電子部品として優れる結果となった。なお、気相法によって金属粉末を作製した試料13の積層セラミック電子部品と比較すると、試料3〜9の積層セラミック電子部品は、剥離発生率,クラック発生率ならびにESRの何れの点においても優れ、本発明の積層セラミック電子部品の最も優れる範囲となった。
【0070】
また、銅塩の含有量が、ニッケル塩のNi換算100重量%に対して、Cu換算で5.0重量%を上回る金属塩溶液を用いて作製した金属粉末を含有してなる導電性ペーストを用いて内部電極を形成した試料1の積層セラミック電子部品は、剥離発生率は0%、カバレッジは93%、クラック発生率が0%で、試料1〜11のうちで最も優れる結果となったが、ESRが512Ωで高く、積層セラミック電子部品としては、上述の試料2〜9と比較して多少劣る結果となった。
【0071】
また、銅塩の含有量が、ニッケル塩のNi換算100重量%に対して、Cu換算で4.6×10-7重量%を下回る金属塩溶液を用いて作製した金属粉末を含有してなる導電性ペーストを用いて内部電極を形成した試料10,11の積層セラミック電子部品は、ESRが118Ωで、試料1〜11のうちで最も低く優れる結果となったが、剥離発生率が13〜15%、クラック発生率が12〜13%、カバレッジが84%で、積層セラミック電子部品としては、上述の試料2〜9と比較して多少劣る結果となった。
【0072】
これに対して、銅を含有しない試料12の金属粉末を含有してなる導電性ペーストを用いて内部電極を形成した試料12の積層セラミック電子部品は、剥離発生率が67%、カバレッジが59%、クラック発生率が60%で低く劣ったため、ESRの測定が不能になる等、積層セラミック電子部品としては、上述の試料2〜9と比較して明らかに劣る結果となった。
【0073】
上述の金属粉末の平均粒径に係る評価(表2)と、積層セラミック電子部品に係る評価(表3)を考慮して、総合評価を付し、これを表3にまとめた。なお、総合評価については、表2に示した金属粉末の平均粒径に係る評価と、表3に示す積層セラミック電子部品に係る評価のうち、特に優れて本発明の範囲内となった試料については○、○に該当する試料を除いて本発明の範囲内となった試料については△、何れの評価も×であった本発明の範囲外の試料については×、比較例である試料13は評価なし−とした。
【0074】
表1および表3から明らかであるように、銅を核として、ニッケルを析出させた試料1〜11は、何れも本発明の範囲内となった。
【0075】
(実施例2)
実施例2は、実施例1において溶媒として用いたエタノールに代えて、エタノールと水を50:50の割合で含有する混合溶媒を用いたこと、ニッケル塩として硫酸ニッケルを表4に示した添加量、すなわち50.0g(Ni含有量12.3g)と、硫酸銅として表4に示した添加量、すなわち試料14から順に1.5×10〜1.5×10-9g(Cu含有量5.6〜5.6×10-10g)を用いたことを除いて、実施例1と同様の方法により、表4ならびに表5に示した試料14〜25の金属粉末を作製した。
【0076】
【表4】
【0077】
そこで、得られた試料14〜25ならびに実施例1にて比較例として挙げた気相法で作製した試料13の金属粉末について、Ni,Cu換算含有量、Ni100重量%に対するCuの含有割合ならびに平均粒径を測定し、平均粒径について評価を付して、これらを表5にまとめた。なお、測定方法ならびに評価方法については、実施例1と同様に行なった。
【0078】
また、銅を核とする試料16と、従来技術である試料25の金属粉末を走査型電子顕微鏡で観察した際の写真を、それぞれ図2および図3に示した。
【0079】
【表5】
【0080】
表5から明らかであるように、銅を核とする試料14〜22の金属粉末は、銅を含有しない試料25の金属粉末の平均粒径241nmより小さくなった。
【0081】
また、銅の含有量が多いほど平均粒径が小さくなる傾向が見られ、金属粉末のNi換算100重量%に対して、Cu換算含有量が4.35×10重量%である試料14の金属粉末が49nmで最も粒径が小さく、優れる結果となった。
【0082】
また、図2に示した本発明の金属粉末は、図3に示した従来の金属粉末と比較して粒径が小さく、粒径も100nmを下回っていることが分かる。
【0083】
次いで、実施例1における試料1〜13の金属粉末に代えて、試料14〜25の金属粉末を用いたことを除いて、実施例1と全く同様にして、試料14〜25の導電性ペーストならびに積層セラミック電子部品を作製した。
【0084】
そこで、試料14〜25ならびに実施例1にて比較例として挙げた試料13の積層セラミック電子部品について、セラミック層間の剥離発生率、カバレッジ(内部電極の被覆面積率)、クラック発生率、ESR(等価直列抵抗)を測定し、さらに積層セラミックコンデンサとしての評価を付して、これらを表6にまとめた。なお、測定方法については、実施例1と同様に行なった。
【0085】
また、評価については、気相法による試料13の金属粉末と比較して、ESRを除く剥離発生率、カバレッジならびにクラック発生率が何れも特に優れる試料については◎、◎に該当する試料を除き、気相法による試料13の金属粉末と比較して、ESRを除く上述の項目が何れも優れるまたは略同等である試料については○、◎○に該当する試料を除いて積層セラミック電子部品として実用的な範囲内である試料については△、液相法による比較例である試料12は×、気相法による比較例である試料13は評価なし−とした。
【0086】
【表6】
【0087】
表4および表6から明らかであるように、銅塩の含有量が、ニッケル塩のNi換算100重量%に対して、Cu換算で5.0〜4.6×10-7重量%の範囲である金属塩溶液を用いて作製した金属粉末を含有してなる導電性ペーストを用いて内部電極を形成した試料15〜22の積層セラミック電子部品は、剥離発生率とクラック発生率が0%、カバレッジが82%以上、ESRも205Ω以下で、積層セラミック電子部品として優れる結果となった。なお、気相法によって金属粉末を作製した試料13の積層セラミック電子部品と比較すると、試料16〜22の積層セラミック電子部品は、ESRを除く剥離発生率ならびにクラック発生率においても優れまたは略同等であり、本発明の積層セラミック電子部品の最も優れる範囲となった。
【0088】
また、銅塩の含有量が、ニッケル塩のNi換算100重量%に対して、Cu換算で4.6重量%を上回る金属塩溶液を用いて作製した金属粉末を含有してなる導電性ペーストを用いて内部電極を形成した試料14の積層セラミック電子部品は、剥離発生率は0%、カバレッジは90%、クラック発生率が0%で、試料14〜24のうちで最も優れる結果となったが、ESRが498Ωで高く、積層セラミック電子部品としては、上述の試料15〜22と比較して多少劣る結果となった。
【0089】
また、銅塩の含有量が、ニッケル塩のNi換算100重量%に対して、Cu換算で4.6×10-7重量%を下回る金属塩溶液を用いて作製した金属粉末を含有してなる導電性ペーストを用いて内部電極を形成した試料23,24の積層セラミック電子部品は、ESRが158〜160Ωで、試料14〜24のうちで最も低く優れる結果となったが、剥離発生率が61〜67%、クラック発生率が64〜68%、カバレッジが59〜62%で、積層セラミック電子部品としては、上述の試料15〜22と比較して多少劣る結果となった。
【0090】
これに対して、銅を含有しない試料25の金属粉末を含有してなる導電性ペーストを用いて内部電極を形成した試料25の積層セラミック電子部品は、剥離発生率が67%、カバレッジが59%、クラック発生率が100%で低く劣ったため、ESRの測定が不能になる等、積層セラミック電子部品としては、上述の試料15〜22比較して明らかに劣る結果となった。
【0091】
上述の金属粉末の平均粒径に係る評価(表5)と、積層セラミック電子部品に係る評価(表6)を考慮して、総合評価を付し、これを表6にまとめた。なお、総合評価の方法は、実施例1と同様に行なった。
【0092】
表4および表6から明らかであるように、銅を核として、ニッケルを析出させた試料14〜24は、何れも本発明の範囲内となった。
【0093】
【発明の効果】
以上のように本発明の金属粉末の製造方法によれば、還元剤溶液を準備する工程と、ニッケル塩と、銅塩と、が溶媒に溶解した金属塩溶液を準備する工程と、還元剤溶液と金属塩溶液とを混合することで、銅塩を還元させて銅を析出させ、銅を核として、ニッケル塩を還元させてニッケルを析出させる工程と、を備えることを特徴とすることで、液相法によって、平均粒径が100nm以下であり、積層セラミック電子部品の内部電極形成に好適な金属粉末が得られる効果がある。
【0094】
また、金属塩溶液に含有する銅塩の含有量は、ニッケル塩のNi換算100重量%に対して、Cu換算で5.0〜4.6×10-7重量%の範囲であることで、液相法によって、平均粒径が100nm以下であり、かつ積層セラミック電子部品の内部電極形成に好適な金属粉末が確実に得られる効果がある。
【0095】
また、上述の還元剤溶液として、苛性アルカリと、ヒドラジンまたは/およびヒドラジン水和物と、が溶媒に溶解したものを用いることにより、液相法によって、平均粒径が100nm以下で、還元剤による不純物の混入が実質的にない、かつ積層セラミック電子部品の内部電極形成に好適な金属粉末がより確実に得られる効果がある。
【0096】
または、上述の金属塩溶液ならびに還元剤溶液の溶媒として、アルコールと水の混合溶液を用いることにより、溶媒中のアルコール濃度を変え、析出する金属粉末の粒径を制御することができる効果がある。
【0097】
また、本発明の導電性ペーストは、本発明の金属粉末と、有機ビヒクルと、を含有してなることを特徴とすることで、積層セラミック電子部品のさらなる薄層化に寄与し得る内部電極を形成することができる効果がある。
【0098】
また、本発明の積層セラミック電子部品は、複数のセラミック層が積層されてなるセラミック積層体と、セラミック層間に形成された複数の内部電極と、を備える積層セラミック電子部品であって、内部電極は、本発明の導電性ペーストを用いて形成されていることを特徴とすることで、従来に比してさらに薄層の内部電極を備えながら、なおかつ電極の剥離、カバレッジの低下、クラックの発生率ならびにESRの上昇が抑制されるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一つの実施形態の積層セラミック電子部品の断面図である。
【図2】本発明に係る一つの実施形態の金属粉末を走査型電子顕微鏡を用いて撮影した写真である
【図3】従来技術に基づく金属粉末を走査型電子顕微鏡を用いて撮影した顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 積層セラミック電子部品
2 セラミック積層体
2a セラミック層
3 内部電極
Claims (10)
- 還元剤溶液を準備する工程と、
ニッケル塩と、銅塩と、が溶媒に溶解した金属塩溶液を準備する工程と、
前記還元剤溶液と前記金属塩溶液とを混合することで、前記銅塩を還元させて銅を析出させ、前記銅を核として、前記ニッケル塩を還元させてニッケルを析出させる工程と、を備える金属粉末の製造方法において、
前記銅塩の含有量は、前記ニッケル塩のNi換算100重量%に対して、Cu換算で5.0〜4.6×10 -7 重量%の範囲であることを特徴とする、金属粉末の製造方法。 - 前記ニッケル塩または/および前記銅塩は、塩化物,硫酸塩および硝酸塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1に記載の金属粉末の製造方法。
- 前記還元剤溶液は、苛性アルカリと、ヒドラジンまたは/およびヒドラジン水和物と、が溶媒に溶解したものであることを特徴とする、請求項1または2に記載の金属粉末の製造方法。
- 前記苛性アルカリは、水酸化カリウム,水酸化ナトリウム,水酸化カルシウム,水酸化バリウムおよびアンモニアよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の金属粉末の製造方法。
- 前記溶媒は、アルコールと水の混合溶液であることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載の金属粉末の製造方法。
- 請求項1〜5の何れかに記載の製造方法によって得られたことを特徴とする、金属粉末。
- ニッケル粒子の内部に、銅からなる核を備えることを特徴とする金属粉末において、
前記銅の含有量は、前記金属粉末のNi換算100重量%に対して、Cu換算で4.62〜4.54×10 -7 重量%の範囲であることを特徴とする、金属粉末。 - 平均粒径が100nm以下であることを特徴とする、請求項6または7に記載の金属粉末。
- 請求項6〜8の何れかに記載の金属粉末と、有機ビヒクルと、を含有してなることを特徴とする、導電性ペースト。
- 複数のセラミック層が積層されてなるセラミック積層体と、前記セラミック層間に形成された複数の内部電極と、を備える積層セラミック電子部品であって、
前記内部電極は、請求項9に記載の導電性ペーストを用いて形成されていることを特徴とする、積層セラミック電子部品。
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