JP7091611B2 - ニッケルペースト及びその製造方法、並びにニッケル有機スラリーの製造方法 - Google Patents
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Description
ニッケル有機スラリー及びニッケルペーストの製造方法について説明する。
先ず、出発原料となる、平均粒径100nm未満のニッケルナノ粒子(ニッケル微粒子)を作製する。本実施の形態においては、液相法によりニッケル微粒子を作製し、そのニッケル微粒子を純水に添加してニッケル微粒子の水スラリーとする。
(B-1)解砕混合処理工程
次に、得られたニッケル微粒子の水スラリーに対して有機溶剤を添加して置換処理を施し、ニッケル微粒子が有機溶剤中に分散した「ニッケル有機スラリー」(以下、「有機スラリー」ということもある。)を生成させる。
有機溶剤としては、ニッケル水スラリーを有機溶剤のスラリーに置換可能なものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、ジヒドロターピネオールアセテート、イソボルニルプロピオナート、イソボルニルイソブチレート、ミネラルスピリット、0号ソルベント、ブチルカルビトール、酢酸イソブチル、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、ヘキサン、エタノール、ノナン、ノナノール、デカノール等が挙げられる。さらには、CnH2n+2、CnH2n、CnH2n-2で示される脂肪族炭化水素、CnH2n-6で示される芳香族炭化水素等を用いることもでき、具体的には、ジメチルオクタン、エチルメチルシクロヘキサン、メチルプロピルシクロヘプタン、トリメチルヘキサン、ブチルシクロヘキサン、トリデカン、テトラデカン、メチルノナン、エチルメチルヘプタン、トリメチルデカン、ペンチルシクロヘキサン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トルエン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、1種単独で、あるいは2種以上を併せて用いることができる。
分散移行促進剤としては、界面活性剤又は高分子構造を有する分散剤を使用することができる。ここで、ニッケル微粒子の表面は、塩基性の性質を有しているため、分散移行促進剤としては、陰イオン型界面活性剤構造を有するものやカルボン酸等の官能基(酸基)を備えた高分子構造を有するものを用いることができる。すなわち、このような構造を有する分散移行促進剤は、ニッケル微粒子の表面に効率的に吸着し、ニッケル微粒子表面を親油性に改質することで、ニッケル微粒子を水相から油相へ移動させることができる。また、ニッケルペースト中での分散性を向上させることもできる。
具体的に、陰イオン型界面活性剤構造を有する分散移行促進剤としては、例えば、下記一般式に示す特定構造を有する(1)~(3)の化合物のうちのいずれかを用いることができる。
また、高分子構造を有する分散移行促進剤としては、例えば、その末端に、あるいは分子中に、カルボン酸等の官能基(酸基)を備えた高分子構造を有する分散移行促進剤を使用することができる。
必須の態様ではないが、評価工程において、解砕混合処理工程で得られたニッケル有機スラリーについて、相転移の挙動とニッケル有機スラリー中の残留水分の確認を行う。
高圧分散工程では、有機スラリー製造工程にて得られたニッケル有機スラリーに、100MPa以上の圧力下で分散処理(高圧分散処理)を施す。このように、所定の圧力下で有機スラリーに対して分散処理を施すことで、ニッケル微粒子を含むニッケル有機スラリー中に残存している凝集体(フロック)を効率的に解砕することができ、スラリー中の分散性を高めることができる。
ペースト化工程においては、高圧分散工程にて分散処理を施したニッケル有機スラリーをペースト化する。具体的には、ニッケル微粒子が分散した有機スラリーに対して、例えば有機溶剤と樹脂からなる有機ビヒクルを添加し、混練することによりニッケルペーストを製造することができる。
本実施の形態に係るニッケルペーストは、上述した製造方法により得られるものであり、少なくとも、ニッケル微粒子と、分散移行促進剤とを含有する。そして、このニッケルペーストにおいては、当該ニッケルペーストを用いて形成される乾燥膜に対し、JIS Z-8741に準拠して測定されるグロス値(光沢度)が150以上である。
ニッケル微粒子は、当該ニッケルペーストの構成成分である。このようなニッケル微粒子は、例えば積層セラミックコンデンサの内部電極の用途として好適に用いることができる。
分散移行促進剤は、ニッケル微粒子の表面に吸着してコートされ、ニッケルペースト中での分散性を向上させるように作用する。この分散移行促進剤としては、上述した陰イオン型界面活性剤構造を有する分散移行促進剤又は高分子構造を有する分散移行促進剤を使用することができる。ここで、ニッケル微粒子の表面は、塩基性の性質を有している。そのため、分散移行促進剤として陰イオン型界面活性剤構造を有する分散移行促進剤や高分子構造を有する分散移行促進剤を用いることによって、ニッケル微粒子の表面に効率的に吸着させることができ、分散性を向上させることができる。
ニッケルペーストはビヒクルを含有させることができる。ビヒクルは、原料のバインダー樹脂を有機溶剤に溶解させて得られるものである。このようなニッケルペーストでは、上述した分散移行促進剤を含有するとともに、特定のバインダー樹脂を含むビヒクルを含有させていることにより、ニッケル微粒子の表面に吸着した分散移行促進剤とビヒクルに含まれるバインダー樹脂とにより、そのニッケル微粒子の分散性を効果的に向上させることができ、ニッケル超微粒子を極めて凝集の少ない状態で分散させることができる。
なお、本実施の形態に係るニッケルペーストには、その作用を損なわせない範囲で、必要に応じて種々の添加剤を含有させることができる。具体的には、ニッケル微粒子の分散性をより向上させるための分散剤や、粘度を調整するための粘度調整剤、チクソ性を高めるためのレオロジーコントロール剤等を添加することができる。また、例えば、チタン酸バリウム等の誘電体等各種材料を共材として添加することもできる。
本実施の形態に係るニッケル有機スラリーは、少なくとも、ニッケル微粒子と、分散移行促進剤とを含有するニッケル有機スラリーであって、ニッケル有機スラリー中に含まれる粒子のメジアン径(D50)が700nm以下である。なお、このようなニッケル有機スラリーは、例えば、上述したようなニッケル有機スラリーの製造方法により得ることができる。
下記の実施例及び比較例に示す作製条件にて得られたニッケルペーストについて、以下の評価方法により評価を行った。
作製したペーストをブルックフィールド社製粘度計にて、10rpmの粘度を測定し、20~60Pa・sとなるものを○(良好)、それ以外のものを×(不良)と評価した。
アプリケーター(ギャップ厚5μm)を用いてガラス基板上にNiペーストを塗布後、120℃で5分間、空気中で乾燥させ、膜厚約3μmの乾燥膜を作製する。
乾燥膜密度は、ニッケルペーストをPETフィルム上に5×10cmの面積で膜厚30μmとなるように印刷後、120℃で40分間、空気中で乾燥させ、直径40mmの円板状に切断し、その厚みと質量を測定し、算出した。
グロスは、ニッケルペーストをPETフィルム上に5×10cmの面積で膜厚30μmとなるように印刷後、120℃で40分間、空気中で乾燥させ、直径40mmの円板状に切断し得られた乾燥膜を、携帯型分光測色計(株式会社東洋精機製作所製BYKガードナー・スペクトローガイド45/0)を用いて測定した。グロス値が150以上を○(良好)、150未満を×(不良)と評価した。
(C)高圧分散処理工程の有無の効果について検証するため、以下の参照例1~15及び比較例1~3にしたがい、ニッケルスラリーを製造した。なお、参照例1~15及び比較例1~3においては、分散剤を添加しなかった。
<(A)ニッケル水スラリー製造工程>
先ず、住友金属鉱山株式会社製のニッケル微粒子水スラリー200g(水分50質量%)(規格名:NR707、湿式還元法によるNi微粒子、平均粒径70nm)を出発原料として準備した。
〔(B-1)解砕混合処理工程〕
次に、ニッケル微粒子水スラリー200g(水分50質量%)に有機溶剤としてターピネオール(日本香料株式会社製)を30g(ニッケル微粒子に対して30質量%)、分散移行促進剤としてオレオイルザルコシン(日油株式会社製)を1g(ニッケル微粒子に対して1質量%)添加し軽く混ぜた後、エクセルオートホモジナイザー(日本精機社製)で周速10m/sの回転速度で2分間撹拌した。その後、撹拌処理したスラリーを減圧濾過で水とニッケル有機スラリーに分離し、ニッケル有機スラリーを得た。
次に、得られたニッケル有機スラリーについて、転相状態と残存水分量を確認した。
転相状態は、熱質量測定TG-DTA2010SA(Bruker AXS製)により、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minとし20℃から300℃まで測定を行った。その結果、150℃までの減少に変曲点は無く、油中水滴(W/O)型エマルションであることを確認した。
得られたニッケル有機スラリーにターピネオールを添加し3倍に希釈し、アルティマイザーシステムHJP25005(スギノマシン社製)を用いて分散処理を行った。チャンバーノズル径φ0.12mm、圧力150MPaで、3倍に希釈したニッケル有機スラリーを全量処理することをパス回数1回として、パス回数5回処理を行い、高分散のニッケル有機スラリーを得た。その結果、レーザー回折散乱法を用いて測定した個数基準のメジアン径(D50)が200nmであった。
得られた高分散のニッケル有機スラリーを、エバポレーターを用いて溶剤の量を1/3に濃縮した。ニッケルペーストの組成が、ニッケル微粒子46.8質量%、共材(チタン酸バリウム)10.5質量%、エチルセルロース3.5質量%、溶剤39.2質量%となるように、濃縮後のニッケル有機スラリーに、10質量%に調整した有機ビヒクル(エチルセルロース:ターピネオール=10:90)と共材を添加し、3本ロールで分散し、0号ソルベント(JX日鉱日石エネルギー株式会社製)を添加し、粘度調整を行い、ニッケルペーストを作製した。なお、0号ソルベントは飽和炭化水素を99体積%以上含み、トリデカン、ノナン、シクロヘキサンを主成分として含むものである。
有機スラリー製造工程において、ニッケル微粒子水スラリー200g(水分50質量%)に分散移行促進剤としてオレオイルザルコシン(日油株式会社製)を0.5g(ニッケル微粒子に対して0.5質量%)添加したこと以外、参照例1と同様にしてニッケルペーストを作製した。
有機スラリー製造工程において、ニッケル微粒子水スラリー200g(水分50質量%)に分散移行促進剤としてオレオイルザルコシン(日油株式会社製)を3g(ニッケル微粒子に対して3質量%)添加したこと以外、参照例1と同様にしてニッケルペーストを作製した。
有機スラリー製造工程において、ニッケル微粒子水スラリー200g(水分50質量%)に有機溶剤としてターピネオール(日本香料株式会社製)を25g(ニッケル微粒子に対して25質量%)添加したこと以外、参照例1と同様にしてニッケルペーストを作製した。
有機スラリー製造工程において、ニッケル微粒子水スラリー200g(水分50質量%)に有機溶剤としてターピネオール(日本香料株式会社製)を40g(ニッケル微粒子に対して40質量%)添加したこと以外、参照例1と同様にしてニッケルペーストを作製した。
出発原料として、ニッケル微粒子水スラリー200g(水分40質量%)を用いたこと以外、参照例1と同様にしてニッケルペーストを作製した。
出発原料として、ニッケル微粒子水スラリー200g(水分60質量%)を用いたこと以外、参照例1と同様にしてニッケルペーストを作製した。
高圧分散工程において、圧力200MPaで、ニッケル有機スラリーを処理したこと以外、参照例1と同様にしてニッケルペーストを作製した。
高圧分散工程において、圧力245MPaで、ニッケル有機スラリーを処理したこと以外、参照例1と同様にしてニッケルペーストを作製した。
高圧分散工程において、パス回数20回処理を行ったこと以外、参照例1と同様にしてニッケルペーストを作製した。
有機スラリー製造工程において、ニッケル微粒子水スラリー200g(水分50質量%)に有機溶剤としてターピネオール(日本香料株式会社製)を10g(ニッケル微粒子に対して10質量%)添加したこと、及びエクセルオートホモジナイザーで32分撹拌したこと以外、参照例1と同様にしてニッケルペーストを作製した。
有機スラリー製造工程において、ニッケル微粒子水スラリー200g(水分50質量%)に有機溶剤としてターピネオール(日本香料株式会社製)を90g(ニッケル微粒子に対して90質量%)添加したこと、及びエクセルオートホモジナイザーで42分撹拌したこと以外、参照例1と同様にしてニッケルペーストを作製した。
出発原料として、ニッケル微粒子水スラリー200g(水分30質量%)を用いたこと以外、参照例1と同様にしてニッケルペーストを作製した。
出発原料として、ニッケル微粒子水スラリー200g(水分90質量%)を用いたこと、及びエクセルオートホモジナイザーで62分撹拌したこと以外、参照例1と同様にしてニッケルペーストを作製した。
[参照例15]
分散移行促進剤として、親水基としてリン酸基を有し、親油基としてポリアミドを有する高分子分散剤(商品名:Solsperse36000、日本ルーブリゾール社製)を用いたこと以外、参照例3と同様にしてニッケルペーストを作製した。
有機スラリー製造工程において、分散移行促進剤を使用しなかったこと以外、参照例1と同様にしてニッケルペーストを作製した。
有機スラリーに高圧分散処理を施さなかった(パス回数0回)こと以外、参照例1と同様にしてニッケルペーストを作製した。
高圧分散工程において、圧力50MPaで、ニッケル有機スラリーを処理したこと以外、参照例1と同様にしてニッケルペーストを作製した。
次に、(C)高圧分散工程において、有機スラリーに対し分散剤を添加する効果について検証するため、以下の実施例1~8にしたがい、ニッケルスラリーを製造した。
(C)高圧分散工程において、得られたニッケル有機スラリーにターピネオールを添加し3倍に希釈した後、分散剤としてオレオイルザルコシンをニッケル微粒子50質量%に対し1質量%添加したこと以外、参照例1と同様にしてニッケルペーストを作製した。
(C)高圧分散工程において、分散剤としてラウロイルサルコシン(商品名:ソイポンSLA、川研ファインケミカル社製)をニッケル微粒子50質量%に対し1質量%添加したこと以外、実施例1と同様にしてニッケルペーストを作製した。
(C)高圧分散工程において、分散剤としてラウロイルメチル-β-アラニン(商品名:アラノンALA、川研ファインケミカル社製)をニッケル微粒子50質量%に対し1質量%添加したこと以外、実施例1と同様にしてニッケルペーストを作製した。
(C)高圧分散工程において、分散剤としてミリストイルメチル-β-アラニン(商品名:アラノンAMA、川研ファインケミカル社製)をニッケル微粒子50質量%に対し1質量%添加したこと以外、実施例1と同様にしてニッケルペーストを作製した。
(C)高圧分散工程において、分散剤としてオレオイルザルコシンをニッケル微粒子50質量%に対し5質量%添加したこと以外、実施例1と同様にしてニッケルペーストを作製した。
(C)高圧分散工程において、分散剤としてラウロイルサルコシン(商品名:ソイポンSLA、川研ファインケミカル社製)をニッケル微粒子50質量%に対し5質量%添加したこと以外、実施例1と同様にしてニッケルペーストを作製した。
(C)高圧分散工程において、分散剤としてラウロイルメチル-β-アラニン(商品名:ALA、川研ファインケミカル社製)をニッケル微粒子50質量%に対し5質量%添加したこと以外、実施例1と同様にしてニッケルペーストを作製した。
(C)高圧乳化処理中のニッケルに対して分散剤のミリストイルメチル-β-アラニン(商品名:アラノンAMA、川研ファインケミカル社製)をニッケル微粒子50質量%に対し5質量%添加したこと以外、実施例1と同様にしてニッケルペーストを作製した。
Claims (13)
- 液相法により作製した粒径100nm未満のニッケル微粒子に水を添加して水スラリーを製造する水スラリー製造工程と、
前記水スラリーに、有機溶剤と分散移行促進剤を添加して、該有機溶剤のスラリーに置換して有機スラリーを製造する有機スラリー製造工程と、
前記有機スラリーに分散剤を添加し、分散剤の存在下、100MPa以上の圧力下で分散処理を施す高圧分散工程と、
分散処理を施した前記有機スラリーをペースト化するペースト化工程と、を有し、
前記分散移行促進剤が、N-オレイル-N-メチルグリシン、ウレタン系高分子分散剤、ラウロイルサルコシン、ココイルサルコシネート、ラウロイルメチル-β-アラニン、及びミリストイルメチル-β-アラニンからなる群から選ばれる一種以上の化合物であり、
前記分散剤が、N-オレイル-N-メチルグリシン、ラウロイルサルコシン、ラウロイルメチル-β-アラニン、及びミリストイルメチル-β-アラニンからなる群から選ばれる一種以上の化合物である
ニッケルペーストの製造方法。 - 前記水スラリー製造工程において、前記ニッケル微粒子に、前記水スラリー中の水含有量が30質量%以上90質量%以下となるように水を添加する
請求項1に記載のニッケルペーストの製造方法。 - 前記有機スラリー製造工程において、前記水スラリーに、前記ニッケル微粒子100質量%に対して10質量%以上70質量%以下の有機溶剤を添加する
請求項1又は2に記載のニッケルペーストの製造方法。 - 前記有機スラリー製造工程において、前記水スラリーに、前記ニッケル微粒子100質量%に対して0.1質量%以上3質量%以下の分散移行促進剤を添加する
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のニッケルペーストの製造方法。 - 前記高圧分散工程において、酸化剤の存在下で分散処理を施す
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のニッケルペーストの製造方法。 - 前記高圧分散工程において、前記分散剤を、ニッケル微粒子100質量%に対し、0.01質量%以上5.5質量%以下となる割合で前記有機スラリーに添加する
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のニッケルペーストの製造方法。 - 前記有機スラリー製造工程において、油中水滴型エマルション型の有機スラリーを製造する
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のニッケルペーストの製造方法。 - 有機スラリー製造工程において得られる有機スラリー中の水含有量は、3質量%以下である
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のニッケルペーストの製造方法。 - 液相法により作製した粒径100nm未満のニッケル微粒子に水を添加して水スラリーを製造する水スラリー製造工程と、
前記水スラリーに、有機溶剤と分散移行促進剤を添加して、該有機溶剤のスラリーに置換して有機スラリーを製造する有機スラリー製造工程と、
前記有機スラリーに分散剤を添加し、分散剤の存在下、100MPa以上の圧力下で分散処理を施す高圧分散工程と、を有し、
前記分散移行促進剤が、N-オレイル-N-メチルグリシン、ウレタン系高分子分散剤、ラウロイルサルコシン、ココイルサルコシネート、ラウロイルメチル-β-アラニン、及びミリストイルメチル-β-アラニンからなる群から選ばれる一種以上の化合物であり、
前記分散剤が、N-オレイル-N-メチルグリシン、ラウロイルサルコシン、ラウロイルメチル-β-アラニン、及びミリストイルメチル-β-アラニンからなる群から選ばれる一種以上の化合物である
ニッケル有機スラリーの製造方法。 - 少なくとも、ニッケル微粒子と、分散移行促進剤とを含有するニッケルペーストであって、
前記ニッケル微粒子の平均粒径が100nm未満であり、
前記ニッケルペーストを膜厚30μmとなるように印刷後、120℃で40分間、空気中で乾燥させ得られた乾燥膜を直径40mmの円板状に切断し、JIS Z-8741に準拠して、入射角45°で測定したグロス値が、150以上であり、
前記分散移行促進剤が、N-オレイル-N-メチルグリシン、ウレタン系高分子分散剤、ラウロイルサルコシン、ココイルサルコシネート、ラウロイルメチル-β-アラニン、及びミリストイルメチル-β-アラニンからなる群から選ばれる一種以上の化合物である
ニッケルペースト。 - 前記ニッケルペーストをアプリケーター(ギャップ厚5μm)を用いてガラス基板上に塗布後、120℃で5分間、空気中で乾燥させ、作成した膜厚3μmの乾燥膜について、光干渉式表面形状測定装置を用いて測定した場合の表面粗さが0.06μm以下である
請求項10に記載のニッケルペースト。 - 前記ニッケルペーストを膜厚30μmとなるように印刷後、120℃で40分間、空気中で乾燥させ得られた乾燥膜を直径40mmの円板状に切断し、厚み及び質量を測定し、該厚み及び該質量より算出した乾燥膜密度が5g/cm3以上である
請求項10又は11に記載のニッケルペースト。 - 少なくとも、ニッケル微粒子と、分散移行促進剤とを含有するニッケル有機スラリーであって、
前記ニッケル有機スラリー中に含まれるニッケル微粒子は、その平均粒径が100nm未満であり、且つレーザー回折散乱法を用いて測定した個数基準のメジアン径(D50)が700nm以下であり、
前記分散移行促進剤が、N-オレイル-N-メチルグリシン、ウレタン系高分子分散剤、ラウロイルサルコシン、ココイルサルコシネート、ラウロイルメチル-β-アラニン、及びミリストイルメチル-β-アラニンからなる群から選ばれる一種以上の化合物である
ニッケル有機スラリー。
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