JP2005023415A - Ni粉末の分散方法及びその方法によって得られるNi粉末分散体 - Google Patents

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【課題】 平均一次粒子径が0.2μm以下、より好ましくは0.1μm以下という極めて微細な粒子径を有するNi粉末を、一次粒子に近い状態まで分散でき、このようなNi粉末を高濃度で含む場合であっても、長期保存において凝集を起こすことがない、Ni粉末の分散方法、並びに、上記Ni粉末の分散方法を用いて得られた、良好な印刷適性、塗工適性を有するインキ、塗料及び導電性ペースト等に利用できるNi粉末の分散体を提供する。
【解決手段】 Ni粉末を分散剤により溶剤中に分散させるNi粉末の分散方法であって、上記Ni粉末は、平均一次粒子径が0.2μm以下のNi粉末であり、上記分散剤は、ブチリル基含有量15〜55質量%、重合度75〜440のセルロースアセテートであるNi粉末の分散方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ニッケル(Ni)粉末の分散方法及びその方法から得られるNi粉末の分散体に関する。より詳しくは、平均一次粒子径が0.2μm以下の微細粒子からなるNi粉末を一次粒子まで分散でき、更にNi粉末を高濃度で含む場合においても、長期の分散安定性に優れるNi粉末の分散方法、並びに、その方法から得られる、インキ、塗料及び導電性ペースト等で好適に利用されるNi粉末の分散体に関する。
金属微粉末は、金属の持つ光沢や導電性等の特性を生かして、従来、光沢性被膜や導電性被膜を形成する材料として、インキや塗料の分野で利用されてきた。例えば、AlやCu合金等の微粉末は、金属光沢等の諸性能を有する印刷物や塗工物に利用され、また、Ag、Au、Cu、Pd、Niといった導電性の高い各種金属の微粉末は、古くは家電製品から最近では固体素子その他の精密電子材料までも含む広い分野において、プリント基板の電気回路や電子部品の電極を形成する材料として利用されている。
とりわけ、導電性材料として、Ag、Au、Cu等の貴金属に属するものは、導電性が非常に高い上に、化学的に安定で、酸化や腐食が起こりにくいといった優れた特性を有している。しかしながら、貴金属は高価であり、産業上の利用用途が限定されてしまうことになるため、その代わりに安価な卑金属系粉末の分散物を用いることが検討されており、本発明で対象とするNi粉末についても、種々検討が進められている。
従来、このような金属粉末は、それぞれの用途に適した分散媒体中に分散させて利用されるが、通常、金属粉末の一次粒子の平均粒子径は数十μm程度で、微細なものでも0.3μm程度である。例えば、少し粗い粒子径のものを用いた技術としては、AgとInの混合粉末をセルロースアセテートブチレートで分散した導電性ペーストを用いて、半導体用電極を形成する技術が開示されており、その実施例に記載されている金属粉末の平均粒子径は20μm程度である(例えば、特許文献1参照)。また、微細な粒子径のものを用いた技術としては、卑金属であって、特にNi粉末を好適な導電性材料として利用する技術が開示されており、Ni粉末の平均粒子径は0.3〜0.8μm程度が好ましい旨の記載がある(例えば、特許文献2参照)。
ところが、塗膜の平滑性や導電性等、諸性能の要求レベルは年々高くなり、特に塗膜中の金属粒子のパッキング性の向上、更には、プリント基板の電気回路や電子部品の電極の高集積化等により、最近では、使用する金属粒子が、平均一次粒子径が0.2μm以下という、金属としては非常に小さい粒子であることが要望されている。
しかしながら、一次粒子の凝集体である金属粉末においては、一次粒子の粒子径が小さくなるほど、粒子間の凝集力が強くなるため、分散させるのが困難となる。従って、導電性ペースト用途で一般的に分散剤として使用されているエチルセルロース樹脂やアクリル系樹脂では、一次粒子径が0.2μm以下のNi粉末を分散させるには不充分であった。
また、たとえ最初の段階で一次粒子まで分散できたとしても、微粒子の分散状態を維持することは極めて困難であり、経時的に再凝集して大粒子径化を起こすという問題があった。更に、Niは微粒子になると磁気を帯びるようになり、粒子同士が引きつけられて、ますます分散安定性が低下するという問題があった。
このような理由で、未分散のまま残った大粒子径のNi粒子の分散組成物、又は、一次粒子まで分散しても、凝集して再び大粒子径化したNi粒子の分散組成物では、系の流動性が低下して良好な印刷物や塗工物が得られなくなる。
このように流動性が低下した金属分散組成物から得られる皮膜は、平滑性が低いため、例えば電極として利用した場合には、表面接触の確実性といった面で電極機能としての信頼性が損なわれるという問題があった。また、均一な膜厚が要求される精密電子部品の回路として利用した場合は、導電性も微妙に変化して、設計した回路どおりの電流値や電圧値が得られない等の問題があった。
更に、Niの電気伝導度は、Agと比較して1/4程度であり、高導電度を維持するために、金属粉末をより高濃度で含有させると、ますます分散安定性と流動性が低下して、これらの問題が顕著になる。
特開2002−25942号公報 特開平10−92226号公報
そこで、本発明の課題は、上記の問題点を全て解決することである。すなわち、平均一次粒子径が0.2μm以下、より好ましくは0.1μm以下という極めて微細な粒子径を有するニッケル(Ni)粉末を、一次粒子に近い状態まで分散でき、このようなNi粉末を高濃度で含む場合であっても、長期保存において凝集を起こすことがない、Ni粉末の分散方法を提供することである。更に、上記Ni粉末の分散方法を用いて得られた、良好な印刷適性、塗工適性を有するインキ、塗料及び導電性ペースト等に利用できるNi粉末の分散体を提供することである。
金属粒子は有機顔料やポリマー粒子等と比較して、表面エネルギーが非常に大きいという特徴がある。そして、表面エネルギーが大きい粒子では粒子間の凝集力が強固となるため、一旦、凝集を起こすと再分散のために大きなエネルギーが必要となる。また、比表面積の大きな微細粒子はより表面エネルギーが高いために、表面積を小さくしようとして、粒子を凝集させる力が働くことになる。更に、Fe、Co、Ni等の強磁性体は、微粒子になると磁気を帯び、磁力によって粒子同士が引きつけられるという性質がある。
このような理由から、微細な一次粒子の凝集体からなるNi粉末を、一次粒子まで再分散させること、また、分散状態を維持することは共に極めて困難であり、従来の分散手法や分散剤がそのまま適用できるものではなかった。
事実、導電性ペースト用途で一般的に使用されているエチルセルロース樹脂やアクリル系樹脂等は、一次粒子径が0.2μm以下のNi粉末を分散させるには不充分であった。
そこで、本発明者らは、分散の際に大きなエネルギーを付加でき、かつ、Ni表面に良好な吸着性を有するという観点から、分散剤について検討した結果、セルロースアセテートブチレートであって、ブチリル基含有量が15〜55質量%及び重合度が75〜440であれば、一次粒子径が0.2μm以下のNi粉末を一次粒子の状態で分散でき、安定な分散状態を維持できることを見出したものである。
本発明は、Ni粉末を分散剤により溶剤中に分散させるNi粉末の分散方法であって、上記Ni粉末は、平均一次粒子径が0.2μm以下のNi粉末であり、上記分散剤は、ブチリル基含有量15〜55質量%、重合度75〜440のセルロースアセテートであるNi粉末の分散方法である。
本発明はまた、上記分散方法によって得られるNi粉末分散体である。
通常、固体微粒子を含む(特に多く含む)流動体は、見かけの粘度が高くても、セン断力がかかると急激に粘度が低下して(非ニュートン流動と呼ばれている)、充分な分散力が得られなくなる。しかしながら、ブチリル基含有量及び重合度が上記範囲内にあるセルロースアセテートブチレートを利用すると、Ni粉末の含有量が多い系であっても、分散処理時の粘度の低下が少ないことから、高い分散力を得ることができる。これに対して、ブチリル基含有量が15%より少ないもの、重合度が440より多いものについては、分散処理時の粘度の低下が大きくなる傾向がある。
更に、ブチリル基含有量及び重合度が上記範囲内にあるセルロースアセテートブチレートは、他の既知の分散剤と比較して、Ni表面に対する濡れ性が極めて高いことから、平均一次粒子径が0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下という非常に微細なNi粒子であっても凝集が起こらずに、長期保存において安定な分散を可能にする。
特に、上記セルロースアセテートブチレートの中でも、ブチリル基含有量が高く重合度の低いものと、更にテルピネオール等の極性の低い溶剤との組み合わせから得られるNi粉末の分散体は、優れた分散安定性を有する上に、セラミックコンデンサーの電極等の形成材料として用いた場合には、セラミックグリーンシートを侵すことがなく、また、皮膜が平滑で電気的特性が良好であるという、従来にない極めて高い性能を有するNi粉末分散体である。
以下、本発明の金属粉末の分散方法について詳細に説明する。
1.金属粉末
本発明で使用できるニッケル(Ni)粉末は、平均一次粒子径が0.2μm以下であって、とりわけ、平均一次粒子径が0.1μm以下で、更に、粗粒子を極力含まず、ほとんどの一次粒子の粒子径が0.2μm以下であることが好ましい。このような微細な一次粒子径を有するNi粉末は、例えば溶媒中のNiイオンを還元剤等で還元・析出させる還元析出法、Ni蒸気を分散安定化ガス中で凝集させるガス中蒸発法等で製造可能である。
これらNi粉末の含有量としては、通常、得られるNi粉末分散体100質量部当り30〜80質量部程度であるが、目的とする用途に合わせて適宜使用量を決定してかまわない。
2.分散剤
本発明で分散剤として使用するセルロースアセテートブチレートは、ブチリル基の含有量の範囲が15〜55質量%、より好ましくは45〜55質量%、重合度の範囲が75〜440、より好ましくは75〜250である。ブチリル基の含有量及び重合度がこの範囲にないものを用いると、Ni粉末を微細粒子まで分散させることができず、更に、Ni粒子が保存の間に凝集が起こしやすくなり好ましくない。
上記分散剤の含有量は、得られるNi粉末分散体100質量部中に0.3〜30質量部が好ましい。また、上記Ni粉末:上記セルロースアセテートブチレートの質量比率としては、(Ni粉末の質量):(セルロースアセテートブチレートの質量)=1:0.01〜1:0.5であることが好ましい。
分散剤の量が上記範囲より少なくなると、金属粉末表面に吸着する分散剤量が充分といえず、金属粉末が凝集を起こしやすくなる。一方、分散剤の量が上記範囲より必要量以上に多くなっても、分散性が変わらないばかりか、導電性インキ用途では導電性を阻害する不純物として残り、好ましくない。
3.溶剤
本発明で使用できる溶剤成分としては、通常の印刷インキ、塗料、導電性インキ等の分野で用いられている有機溶剤が利用でき、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系有機溶媒、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、(ポリ)グリセリン等の多価アルコール及びその誘導体、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系有機溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系有機溶媒、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素系有機溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の脂環族炭化水素系有機溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系有機溶媒;テルピネオール、ブチルカルビトール、ケロシン等が挙げられ、これらはセルロースアセテートブチレートを溶解できる範囲で、それぞれ用途に応じて単独又は適宜組み合わせて使用できる。
更に、本発明のNi粉末の分散方法によって得られた分散体を、導電性材料としてセラミックコンデンサー等の積層電子材料の電極形成用途に利用する場合、極性の高い溶剤ではセラミックグリーンシートを侵す可能性が高いため、極性の低い溶剤であることが好ましい。
上記のように、セルロースアセテートブチレートを溶解し、セラミックグリーンシートを侵すことが少ないという条件を満足する代表的な溶剤としてテルピネオール等を挙げることができる。本発明の分散方法においては、特に、上記セルロースアセテートブチレートのブチリル基含有量が45〜55質量%、重合度が75〜250であり、上記溶剤がテルピネオールである組み合わせが好ましい。
4.その他の樹脂
本発明で併用できる、セルロースアセテートブチレート以外のその他の樹脂としては、一般に印刷インキ、塗料、導電性インキ等の分野で用いられている樹脂が使用でき、例えば、セルロースアセテートブチレート以外のセルロース系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、スチレン−アクリル−マレイン酸系樹脂、ウレタン−アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、アルキッド系樹脂、ロジンエステル系樹脂、アミノプラスト樹脂等が例示できる。導電性ペースト用途においては、セルロ−ス樹脂やアクリル系樹脂が好ましい。
上記樹脂を用いると、印刷や塗工に必要な粘度や流動性の調整、フィルムやシートに対する接着性や(Ni+樹脂)皮膜の凝集力の付与等が可能であり、それぞれの目的とする性能に合わせて、単独又は適宜組み合わせて併用することができる。その他の樹脂の使用量としては特に制限はないが、通常、金属粉末分散体100質量部中に0〜40質量部程度である。
5.分散方法
これらの材料を使用して金属粉末分散体を分散する方法としては、一般的に知られている分散機を用いることができ、例えば、セルロースアセテートブチレート、必要に応じてその他の樹脂を溶解した溶剤中にNi粉末を添加混合し、3本ロール、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、パールミル、アトライター、ニーダー、高速攪拌装置、高圧乳化機等の各種分散機を用いて分散する方法が利用できる。
なお、Ni粉末の一次粒子の凝集力が非常に高いことから、充分な分散力を得ることができるように、分散時の配合処方、分散機種、分散時間等の条件を設定することが好ましい。
6.Ni粉末の分散体の特徴と用途
以上の方法から得られたNi粉末の分散体は、微細なNi粉末の一次粒子を高濃度で含む場合であっても、長期保存において凝集を起こすことがなく、良好な印刷適性、塗工適性を有する、インキ、塗料及び導電性ペースト等に利用できるNi粉末の分散体である。
更に、テルピネオール等の極性の低い溶剤を用いて得られる導電性ペーストは、セラミックコンデンサーの電極等の形成材料として利用しても、セラミックグリーンシートを侵すことがなく、また、高集積化された電子材料においても安定した電気的特性が得られる等、より安価な材料で優れた性能を有する導電性ペーストである。
本発明のNi粉末の分散方法を利用すると、平均一次粒子径が0.2μm以下のNi粉末を、一次粒子の状態で分散することが可能であり、更に上記Ni粉末を高濃度で含む場合においても、長期間に渡って優れた分散安定性を有するNi粉末の分散体を製造することができる。また、このような分散方法を用いて得られたNi粉末の分散体は、微細なNi粉末が凝集することなく安定に分散したものであり、インキ、塗料、導電性ペースト等に好適に用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1〜12、比較例1〜15
表1に示す配合で、導電性粉末、分散剤、溶剤及び他の樹脂成分を均一に攪拌混合した後、3本ロールミルによって混練、分散処理を行い、実施例1〜12、比較例1〜15のNi粉末分散体を得た。
上記方法から得られた実施例1〜12及び比較例1〜15について下記の評価を行った。
(評価)
1.Ni粉末分散体の粘度
B型粘度計(トキメック社製/ローターNo.4)を用いて、25℃にて金属粉末分散体の粘度測定を行い、その初期粘度測定値を表2に示した。スクリーン印刷によってパターニングを行うインキとしては、初期粘度測定値が15±5Pa・sであるものが好適であることから、この範囲のものを○、この範囲から外れたものを×として評価を行った。また、40℃で1ヶ月経過した後の粘度を上記と同一の条件で測定した時、(初期粘度測定値×0.67)〜(初期粘度測定値×1.5)の範囲のものを○、その範囲より粘度の増減が大きなものを×として経時粘度の評価を行った。なお、比較例1〜15については、いずれも初期粘度の評価が悪いものであるため、経時粘度についての評価は行わなかった。
2.Ni粉末分散体の分散状態の判定
電子顕微鏡(日本電子社製、JSM−T330型)を用いて、初期の分散状態の判定を目視にて行った。分散状態の判定においては、ほぼ1粒子ずつが単独で分散しているものを○、いくつかの粒子の凝集体形成が認められるものを×として評価を行った。また、40℃で1ヶ月経過したものについて、上記電子顕微鏡を用いて、経時の分散状態の判定を目視にて行い、ほぼ1粒子ずつが単独で分散しているものを○、いくつかの粒子の凝集体形成が認められるものを×として経時の分散性の評価を行った。これらの評価結果を表2示した。なお、比較例1〜15については、いずれも初期分散性の評価が悪いものであるため、経時分散性についての評価は行わなかった。
Figure 2005023415
Figure 2005023415
表1において、「CAB」は、セルロースアセテートブチレートを表す。
以上の評価結果から明らかなように、実施例1〜12のNi粉末分散体においては、初期及び経時の粘度、分散状態がともに○判定で、分散性の良好なNi粉末分散体が得られた。それに対して、本発明で特定するブチリル基含有量や重合度とは異なる範囲のブチリル基含有量や重合度を有するセルロースアセテートブチレート又は従来の分散剤を用いた比較例1〜15においては、非常に粘度の高いNi粉末分散体だけしか得られず、また、Ni粉末分散体の分散性が不充分であった事から、本発明におけるNi粉末の分散方法は、従来の技術と一線を画す、優れた技術といえるものである。
更に、実施例5のNi粉末分散体は、Ni粉末の含有量が70重量%と多い系であるにもかかわらず、良好な分散性が得られていることから、塗膜中のNi粒子のパッキング性の向上効果が見込めるものである。そして、実施例1〜5、10〜12のNi粉末分散体は、テルピネオールを溶媒として用いており、セラミックコンデンサーの電極等の形成材料として用いた場合には、セラミックグリーンシートを侵すことのない優れた導電性ペーストを製造することができる。
本発明のNi粉末の分散方法を利用すると、平均一次粒子径が0.2μm以下のNi粉末を、一次粒子の状態まで分散することが可能であり、更に上記Ni粉末を高濃度で含む場合においても、長期間に渡って優れた分散安定性を有するNi粉末の分散体を製造することができる。
また、この方法から得られたNi粉末の分散体は、良好な印刷適性、塗工適性を有し、インキ、塗料及び導電性ペースト等に好適に利用でき、特に、極性の低い溶剤を利用して得られる導電性ペーストは、セラミックコンデンサーの電極等の形成材料として利用しても、セラミックグリーンシートを侵すことがなく、また、高集積化された電子材料においても安定した電気的特性が得られる等の優れた性能を有するものである。

Claims (4)

  1. Ni粉末を分散剤により溶剤中に分散させるNi粉末の分散方法であって、前記Ni粉末は、平均一次粒子径が0.2μm以下のNi粉末であり、前記分散剤は、ブチリル基含有量15〜55質量%、重合度75〜440のセルロースアセテートブチレートである
    ことを特徴とするNi粉末の分散方法。
  2. 前記セルロースアセテートブチレートのブチリル基含有量が45〜55質量%、重合度が75〜250であり、前記溶剤がテルピネオールである
    ことを特徴とする請求項1記載のNi粉末の分散方法。
  3. 前記Ni粉末:前記セルロースアセテートブチレートの質量比率=1:0.01〜1:0.5である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のNi粉末の分散方法。
  4. 請求項1〜3記載の分散方法によって得られる
    ことを特徴とするNi粉末分散体。
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