JP4859362B2 - フレークニッケル粉及びその製造方法並びに導電性ペースト - Google Patents

フレークニッケル粉及びその製造方法並びに導電性ペースト Download PDF

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Description

本発明は、フレークニッケル粉及びその製造方法並びに導電性ペーストに関し、詳しくは、例えば、積層セラミックコンデンサの内部電極の形成に用いられるニッケルペーストの原料として用いられるフレークニッケル粉及びその製造方法、並びに、該フレークニッケル粉を用いた導電性ペーストに関するものである。
ニッケル粉は種々の用途に用いられており、例えば、これを含む導電性ペーストで種々の電極や回路を形成する用途に用いられている。具体的には、積層セラミックコンデンサ(Multi−layer Ceramic Capacitor:MLCC)の内部電極として一般的にニッケルが用いられているが、該内部電極は、ニッケル粉を含む導電性ペーストをセラミック誘電体等に塗布し、焼成して得られるものである。
従来、上記導電性ペーストに用いられるニッケル粉の形状としては、球状のものが用いられてきた。しかし、内部電極の低抵抗化を図るためにはニッケル粉同士の接触面積の大きいことが好ましい。このため、ニッケル粉の形状を、ニッケル粉同士の接触面積が大きいフレーク状としたニッケル粉が提案されている。
例えば、特開2004−084055号公報(特許文献1)には、平均粒径が0.5〜10μm、平均厚みが0.03〜0.5μm、アスペクト比が10〜100である積層セラミックコンデンサ電極用ニッケルフレークが開示されている。該ニッケルフレークは、良好な隠蔽性を有し、電極層を薄くしても焼成後の電極切れがほとんどなく、さらに、安価にかつ環境への負荷もなく製造することができる。
特開2004−084055号公報(第2頁)
しかしながら、近年、MLCCを小型化及び大容量化すること、並びに絶縁信頼性を向上させることが強く望まれており、このため、MLCCの内部電極の薄型化及び内部電極表面の平滑化が要望されている。そこで、原料であるニッケル粉には微粒化及び粒度分布のシャープさが求められているが、特許文献1に開示されているように、粒径数μm程度のニッケル粉に対して粒径数mm程度の磨砕メディアを用いると、フレーク化して得られるニッケルフレークは、フレーク処理の際に複数のフレークが重なり合うことにより生じたものと推測される大きなニッケルフレークが含まれてしまうため、粒径のバラツキが大きくなるという問題があった。
従って、本発明の目的は、微粒であり、粒度分布がシャープなフレークニッケル粉を提供すること、及び該フレークニッケル粉を用いた導電性ペーストを提供することにある。
かかる実情において、本発明者は鋭意検討を行った結果、ニッケル粉末、分散媒及び粒径が特定範囲内にある粉砕メディアを含むスラリーを、高速に流動させると、得られるフレークニッケル粉が上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明(1)は、ニッケル粉末、分散媒及び粉砕メディアを混合させ高速に流動させることにより、前記ニッケル粉末からフレークニッケル粉を得るフレークニッケル粉の製造方法であって、ニッケル粉末及び分散媒からなるスラリーをタンクに入れ、ベッセルにSEM観察平均粒径D SEM が0.03mm〜0.3mmである前記粉砕メディアを充填し、当該ベッセルとタンクとの間をスラリーが循環可能となるようにベッセルとタンクとを連結し、ベッセルとタンクとの間でスラリーを循環させ、且つ、当該ベッセル内において、当該スラリー及び粉砕メディアを高速に流動させることにより、前記ニッケル粉末からフレークニッケル粉を得ることを特徴とするフレークニッケル粉の製造方法を提供するものである。
また、本発明()は、本発明()に記載の方法で得られたフレークニッケル粉であって、該フレークニッケル粉は、平均長径が0.1μm〜20μm、アスペクト比が2〜100、粒径の標準偏差が0.05〜10であることを特徴とするフレークニッケル粉を提供するものである。
また、本発明()は、本発明()において、平均厚さが0.01μm〜2μmであることを特徴とするフレークニッケル粉フレークニッケル粉を提供するものである。
また、本発明()は、本発明()又は本発明()において、粒子表面の炭素の付着量が粒子の全重量に対して5000ppm未満であることを特徴とするフレークニッケル粉を提供するものである。
また、本発明()は、本発明()〜本発明(4)のいずれかに記載のフレークニッケル粉と樹脂とを含むことを特徴とする導電性ペーストを提供するものである。
発明に係る製造方法で得られたフレークニッケル粉は、微粒であり、粒度分布がシャープである。本発明に係るフレークニッケル粉の製造方法は、本発明に係るフレークニッケル粉を効率よく製造することができる。また、本発明に係る導電性ペーストは、導電性ペーストを焼成して得られるニッケル厚膜を、薄くすることができ、またニッケル厚膜表面を平滑化することができる。このため、例えば、本発明に係る導電性ペーストを用いれば、MLCCの内部電極を薄型化することができると共に電極表面を平滑化することができ、MLCCの小型、大容量化を図ることができる。
(本発明に係るフレークニッケル粉の製造方法)
本発明に係るフレークニッケル粉の製造方法は、ニッケル粉末、分散媒及び粉砕メディアを混合させ高速に流動させることにより、前記ニッケル粉末からフレークニッケル粉を得るフレークニッケル粉の製造方法であって、ニッケル粉末及び分散媒からなるスラリーをタンクに入れ、ベッセルにSEM観察平均粒径D SEM が0.03mm〜0.3mmである前記粉砕メディアを充填し、当該ベッセルとタンクとの間をスラリーが循環可能となるようにベッセルとタンクとを連結し、ベッセルとタンクとの間でスラリーを循環させ、且つ、当該ベッセル内において、当該スラリー及び粉砕メディアを高速に流動させることにより、前記ニッケル粉末からフレークニッケル粉を得るものである。
本発明で用いられるニッケル粉末は、本発明に係るフレークニッケル粉よりもアスペクト比の小さいものが用いられ、その粒子形状は、通常、球状又は異形状である。ここで、異形状とは、アスペクト比が球状と同等又は球状よりもやや大きい程度のものであって、針状や板状のようなアスペクトの極端に大きいもの又は小さいものを除いたものを意味する。また、異形状は、表面がなだらかな曲面で覆われた球状の変形したものであってもよいし、表面の一部又は全部がナイフで切り取られた又はえぐり取られたようなエッジを有する多面体であってもよい。前者の球状の変形したものとしては、例えば、川の下流で見られる角のとれた石のような形状が当てはまり、後者のエッジを有する多面体としては、例えば、川の上流で見られる角のある岩のような形状が当てはまる。
本発明で用いられるニッケル粉末は、平均粒径D50が、通常0.01μm〜15μm、好ましくは0.05μm〜0.6μmである。平均粒径D50が0.01μm未満であると、フレーク化が困難であるためあまり好ましくない。また、平均粒径D50が15μmを超えると、該フレークニッケル粉を含む導電性ペーストで形成したニッケル厚膜を十分に薄くし難く、また該ニッケル厚膜の表面の平滑性が悪くなり易いためあまり好ましくない。
本発明で用いられる分散媒は、粉砕メディアでニッケル粉末をフレーク化する際にニッケル粉末及び粉砕メディアの分散媒として用いられるものである。分散媒としては、水又は有機分散媒が用いられる。有機分散媒としては、通常有機溶媒と称されているものを用いることができ、例えば、炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒、エステル系溶媒、グリコールエーテル系溶媒、ケトン系溶媒、テルペン系溶媒等を用いることができる。また、アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール等が挙げられる。このうち、メタノールは、安価であり、また低沸点であることにより除去し易いため好ましい。上記分散媒は、1種単独で又は2種以上混合して用いることができる。例えば、水及びこれと混合可能な有機分散媒を混合して用いることができる。
本発明で用いられる粉砕メディアとしては、例えば、ジルコニア、アルミナ、窒化珪素、ガラス等が挙げられる。このうちジルコニアは、粉砕メディアの耐磨耗性が高く、粉砕メディアの磨耗によるフレークニッケル粉への不純物の混入が非常に少ないため好ましい。
本発明で用いられる粉砕メディアは、走査型電子顕微鏡観察により求めたSEM観察平均粒径DSEMが、0.03mm〜0.3mm、好ましくは0.03mm〜0.1mmである。ここでSEM観察平均粒径DSEMとは、走査型電子顕微鏡観察により、粉砕メディアの粒子の少なくとも100個について測定した粒径の平均値を意味する。該SEM観察平均粒径DSEMが該範囲内にあると、ニッケル粒のフレーク化処理が各ニッケル粒子に対して均一に行われ易いため好ましい。
一方、該SEM観察平均粒径DSEMが0.03mm未満であると、粉砕メディアの衝突エネルギーが小さいことによりニッケル粉を十分にフレーク化することが困難であるためあまり好ましくない。また、該SEM観察平均粒径DSEMが0.3mmを超えると、フレークニッケル粉の粒度分布がブロードになり易いためあまり好ましくない。
本発明では、上記ニッケル粉末、分散媒及び粉砕メディアから、これらを含むスラリーを調製する。スラリーの調製は、例えば、ニッケル粉末、分散媒及び粉砕メディアを混合することにより行うことができる。
なお、上記スラリーは、湿式分散機又は湿式微粉砕機を用いての高速流動処理の際に調製されていればよく、高速流動処理前又は高速流動処理後において、ニッケル粉末及び分散媒からなり粉砕メディアを含まないスラリー(以下、「予備スラリー」ともいう。)と粉砕メディアとに分離された状態であってもよい。例えば、高速流動処理前に、湿式分散機等において高速流動処理を行うベッセル内に予め粉砕メディアのみを導入しておくと共にベッセル以外のタンクに予備スラリーを調製しておき、高速流動処理を行う際にベッセル内に予備スラリーを導入してベッセル内においてニッケル粉末、分散媒及び粉砕メディアとからなるスラリーを調製する方法を用いてもよい。
上記スラリーは、必要によりさらに、公知の分散剤、還元剤、硬化剤等が含まれていてもよい。なお、本発明では、粉砕メディアの粒径が小さいことによりニッケル粉末からフレークニッケル粉へのフレーク化が容易に行われるため、フレーク金属粉の作製の際に通常必ず配合される滑剤を特に配合する必要がなく、滑剤は配合してもよいし配合しなくてもよい。ここにいう滑剤とは、例えば、オレイン酸等の脂肪酸、ステアリルアミン等の脂肪族アミン、脂肪族アルコール等である。このため、本発明で得られるフレークニッケル粉は、滑剤に起因する粒子表面への炭素の付着量が非常に少なくなる。
スラリー中のニッケル粉末及び粉砕メディアは、ニッケル粉末の平均粒径D50に対する粉砕メディアのSEM観察平均粒径DSEMの比率(粉砕メディアのSEM観察平均粒径DSEM/ニッケル粉末の平均粒径D50。以下、この比率を「粒径比率」ともいう。)が、通常10〜1000、好ましくは30〜500、さらに好ましくは50〜100である。上記粒径比率が該範囲内にあると、フレークニッケル粉の粒度分布がシャープになり易いため好ましい。
スラリー中、粉砕メディアの含有比率は、通常60容量%〜90容量%、好ましくは70容量%〜90容量%である。上記含有比率が該範囲内にあると、効率よくフレークニッケル粉を作製することができると共に、得られるフレークニッケル粉の粒度分布がシャープになり易いため好ましい。
本発明では、上記スラリーを高速に流動させることにより、スラリー中のニッケル粉末からフレークニッケル粉を得る。スラリーを高速に流動させる方法としては、メディアミル等の湿式分散機又は湿式微粉砕機を用いる方法が挙げられ、メディアミルとしては、例えば、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼズ株式会社製)、ウルトラビスコミル(アイメックス株式会社製)、ウルトラアペックスミル(寿工業株式会社製)、ピコグレンミル(浅田鉄工株式会社製)、スターミル(アシザワファインテック株式会社製)等が挙げられる。
(本発明に係るフレークニッケル粉)
本発明に係るフレークニッケル粉は、実質的にニッケルからなり、粒子形状が略フレーク状を呈する粉体である。本発明に係るフレークニッケル粉は、平均長径が0.1μm〜20μm、好ましくは0.3μm〜1.0μmである。平均長径が該範囲内にあると、薄い電極膜を作製し易いため好ましい。
一方、平均長径が0.1μm未満であると、酸化による抵抗の増加が起こり易く、また、粒径のバラツキが大きくなり易いためあまり好ましくない。また、平均長径が20μmを超えると、該フレークニッケル粉を含む導電性ペーストで形成した内部電極等のニッケル厚膜を十分に薄くし難く、また該ニッケル厚膜の表面の平滑性が悪くなり易いためあまり好ましくない。
本発明において、平均長径とは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い1000倍〜50000倍で直接観察して得られるSEM像から測定した個々のフレークニッケル粉の長径(μm)の測定サンプル数は10個以上における平均粒径(μm)を意味する。
本発明に係るフレークニッケル粉は、平均厚さが、通常0.01μm〜2μm、好ましくは0.05μm〜0.1μmである。平均厚さが該範囲内にあると、ニッケル厚膜を十分に薄くし易いため好ましい。
一方、平均厚さが0.01μm未満であると、強度が不十分であることによりフレークニッケル粉が変形したり破れたりし易いためあまり好ましくない。また、平均厚さが2μmを超えると、該フレークニッケル粉を含む導電性ペーストで形成した内部電極等のニッケル厚膜を十分に薄くし難く、また該ニッケル厚膜の表面の平滑性が悪くなり易いためあまり好ましくない。
本発明において、フレークニッケル粉の平均厚さとは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い1000倍〜50000倍で直接観察して得られるSEM像から測定した個々のフレークニッケル粉の厚さ(μm)の測定サンプル数は10個以上における平均厚さ(μm)を意味する。
本発明に係るフレークニッケル粉は、アスペクト比が2〜100、好ましくは5〜30、さらに好ましくは10〜20である。アスペクト比が、該範囲内にあると、フレークニッケル粉同士の接触面積が大きく、該フレークニッケル粉を含む導電性ペーストで形成した内部電極等のニッケル厚膜の抵抗が低くなるため好ましい。
一方、アスペクト比が2未満であると、フレークニッケル粉同士の接触面積が小さく、該フレークニッケル粉を含む導電性ペーストで形成した内部電極等のニッケル厚膜の抵抗が高くなり易いためあまり好ましくない。また、アスペクト比が100を超えると、該フークニッケル粉を含む導電性ペーストで形成した内部電極等のニッケル厚膜を十分に薄くし難く、また該ニッケル厚膜の表面の平滑性が悪くなり易いためあまり好ましくない。
本明細書において、フレークニッケル粉のアスペクト比とは、上記平均長径を上記平均厚さで除した値を意味する。従って、アスペクト比が大きくなると、フレークニッケル粉の扁平度合いが大きくなることを意味する。
本発明に係るフレークニッケル粉は、粒径の標準偏差が0.05〜10、好ましくは0.05〜1、さらに好ましくは0.05〜0.3である。粒径の標準偏差が、該範囲内にあると、フレークニッケル粉同士の粒度分布がシャープで、該フレークニッケル粉を含む導電性ペーストで形成した内部電極等のニッケル厚膜を十分に薄くし易く、また該ニッケル厚膜の表面の平滑性が高くなり易いため好ましい。
一方、粒径の標準偏差が0.05未満であると、フレークニッケル粉同士の接触面積が小さく、該フレークニッケル粉を含む導電性ペーストで形成した内部電極等のニッケル厚膜の抵抗が高くなり易いためあまり好ましくない。また、粒径の標準偏差が10を超えると、該フレークニッケル粉を含む導電性ペーストで形成した内部電極等のニッケル厚膜を十分に薄くし難く、また該ニッケル厚膜の表面の平滑性が悪くなり易いためあまり好ましくない。
本明細書において、標準偏差とは、後述の平均粒径D50を測定する際に求められる粒径の標準偏差を意味する。
本発明に係るフレークニッケル粉は、平均粒径D50が、通常0.2μm〜10μm、好ましくは0.2μm〜1μmである。平均粒径D50が0.2μm未満であると、酸化による抵抗の増加が起こり易いためあまり好ましくない。また、平均粒径D50が10μmを超えると、該フレークニッケル粉を含む導電性ペーストで形成したニッケル厚膜を十分に薄くし難く、また該ニッケル厚膜の表面の平滑性が悪くなり易いためあまり好ましくない。本明細書において、D50とは、日機装株式会社製マイクロトラックHRAを用いてレーザー回折散乱法で求められる累積体積が50%の時点における粒径(μm)を意味する。
本発明に係るフレークニッケル粉は、最大粒径Dmaxが、通常20μm以下、好ましくは2μm以下である。最大粒径Dmaxが20μmを超えると、該フレークニッケル粉を含む導電性ペーストで形成したニッケル厚膜を十分に薄くし難く、また該ニッケル厚膜の表面の平滑性が悪くなり易いためあまり好ましくない。本明細書において、Dmaxとは、上記平均粒径D50の測定の際に求められる最大粒径(μm)を意味する。
本発明に係るフレークニッケル粉は、粒子表面の炭素の付着量が粒子の全重量に対して通常5000ppm未満、好ましくは1000ppm未満である。該付着量が、該範囲内にあると、該フレークニッケル粉を含む導電性ペーストで形成した内部電極等のニッケル厚膜の導電性が高くなり易いため好ましい。
本発明に係るフレークニッケル粉は、例えば、下記の本発明に係るフレークニッケル粉の製造方法により製造することができる。
(本発明に係る導電性ペースト)
本発明に係る導電性ペーストは、上記本発明に係るフレークニッケル粉と樹脂とを含むものである。本発明に係る導電性ペーストに用いられる樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。
また、本発明に係る導電性ペーストは、本発明に係るフレークニッケル粉の含有量が、通常30重量%〜98重量%、好ましくは40重量%〜90重量%であることが望ましい。フレークニッケル粉の含有量が該範囲内にあると、該導電性ペーストから形成される例えばMLCCのニッケル内部電極等のニッケル厚膜の比抵抗が低くなり易いため好ましい。
上記本発明に係るフレークニッケル粉は、例えば、導電性ペーストの製造に用いられる公知のペーストと混合することにより、フレークニッケル粉の分散した導電性ペーストが得られる。該導電性ペーストは、例えば、積層セラミックコンデンサの内部電極の形成のために用いられるニッケルペーストとして使用することができる。
以下に実施例を示すが、本発明はこれらに限定されて解釈されるものではない。
平均粒径D50が0.15μmのニッケル粉末1kgにメタノール2.3kgを加えて30重量%のスラリーを調製し、タンクに保存した(スラリーA)。
一方、ピコグレンミル(浅田鉄工株式会社製PCM−C2M)のベッセル(容量0.17L)に、ベッセルの内容積に対して80容量%になるようにSEM観察平均粒径DSEMが0.1mmのジルコニアビーズを充填した。
ピコグレンミルを稼動し、タンク内のスラリーAをポンプを介してベッセルの導入口からベッセル内に流速1L/minで連続的に導入し、ベッセル内においてジルコニアビーズとスラリーAとの合計量がベッセルの内容積の100容量%になるようにすると共に、ベッセルを通過した後のスラリーをスクリーンを介してベッセルの排出口から流速1L/minで連続的に排出し(スラリーC)、上記タンクに戻した。タンクに戻したスラリーCは、タンク内でスラリーAと混合した後、再びベッセルの導入口からベッセル内に上記流速で連続的に導入し、スラリーがタンクとベッセルとの間で循環するようにした。なお、ベッセル内では、ジルコニアビーズとスラリーAとの混合物からなるスラリー(スラリーB)を周速12m/sで高速に流動させて微粉砕・分散処理を行った。上記操作を180分間行った後、ピコグレンミルを停止し、タンク内のスラリーを濾過し、濾滓を80℃で5時間加熱し、乾燥させてフレークニッケル粉を得た。
得られたフレークニッケル粉を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。該フレークニッケル粉の走査型電子顕微鏡写真を図1に示す。得られたフレークニッケル粉について、下記測定方法により、D10、D50、D90、Dmax、SD、平均厚さ及び炭素残留量を測定し、アスペクト比を算出した。結果を表1及び表2に示す。また、粒度分布のグラフを図2に示す。
(粒径D10、D50、D90、Dmax、SDの測定方法)
200ccのサンプル容器にニッケル粉試料約0.1gを採り、分散媒として0.1g/lのSNディスパーサント5468(サンノブコ株式会社製)を100ml添加し、超音波分散機(日本精機株式会社製US−300T)により10分間分散しサンプル液を調製した。該サンプル液につき、日機装株式会社製マイクロトラックHRA 9320−X100を用いてレーザー回折散乱法で求められる累積体積が10%、50%及び90%の時点における粒径(μm)を、D10、D50及びD90とし、最大粒径をDmaxとした。また、これらの測定の際に得られた粒度分布の標準偏差をSDとした。
(平均長径の測定方法)
ニッケル粉試料をSEMで直接観察(倍率:1000倍〜50000倍)してニッケル粉試料中のニッケル粉粒子の円板の長径(μm)をニッケル粉粒子200個について測定し、得られた10個の長径の平均値を求めた。
(平均厚さの測定方法及びアスペクト比の算出方法)
走査型電子顕微鏡を用いて粉末の平均厚さ(t(μm))を測定し、上記平均長径を該tで除した値をアスペクト比とした。
(炭素残留量の測定方法)
株式会社堀場製作所製炭素・硫黄同時分析装置EMIA−320Vを用い、0.5gの試料を175mAの出口設定で加熱して燃焼させ、赤外線吸収法により炭素量を測定した。
使用したジルコニアビーズを表1に示すビーズ径のものにした以外は実施例1と同様にしてフレークニッケル粉を得た。得られたフレークニッケル粉について、実施例1と同様にして諸特性を測定した。結果を表1及び表2に示す。また、フレークニッケル粉の走査型電子顕微鏡写真を図3に示し、粒度分布のグラフを図4に示す。
使用したジルコニアビーズを表1に示すビーズ径のものにした以外は実施例1と同様にしてフレークニッケル粉を得た。得られたフレークニッケル粉について、実施例1と同様にして諸特性を測定した。結果を表1及び表2に示す。また、フレークニッケル粉の走査型電子顕微鏡写真を図5に示し、粒度分布のグラフを図6に示す。
比較例1
使用したジルコニアビーズを表1に示すビーズ径のものにした以外は実施例1と同様にしてニッケル粉を得た。得られたニッケル粉について、実施例1と同様にして諸特性を測定した。結果を表1及び表2に示す。また、ニッケル粉の走査型電子顕微鏡写真を図7に示し、粒度分布のグラフを図8に示す。
表1及び表2並びに図1〜図8より、径の小さいビーズを用いた場合は、得られるニッケル粉は、アスペクト比が大きく且つ粒度分布がシャープであることが判る。
本発明に係るフレークニッケル粉及び導電性ペーストは、例えば、積層セラミックコンデンサの内部電極の形成のために用いられるニッケルペースト及びその原料として使用することができる。
図1は、実施例1のフレークニッケル粉の走査型電子顕微鏡写真である。 図2は、実施例1のフレークニッケル粉の粒度分布を示すグラフである。 図3は、実施例2のフレークニッケル粉の走査型電子顕微鏡写真である。 図4は、実施例2のフレークニッケル粉の粒度分布を示すグラフである。 図5は、実施例3のフレークニッケル粉の走査型電子顕微鏡写真である。 図6は、実施例3のフレークニッケル粉の粒度分布を示すグラフである。 図7は、比較例1のニッケル粉の走査型電子顕微鏡写真である。 図8は、比較例1のニッケル粉の粒度分布を示すグラフである。

Claims (5)

  1. ニッケル粉末、分散媒及び粉砕メディアを混合させ高速に流動させることにより、前記ニッケル粉末からフレークニッケル粉を得るフレークニッケル粉の製造方法であって、
    ニッケル粉末及び分散媒からなるスラリーをタンクに入れ、
    ベッセルにSEM観察平均粒径D SEM が0.03mm〜0.3mmである前記粉砕メディアを充填し、
    当該ベッセルとタンクとの間をスラリーが循環可能となるようにベッセルとタンクとを連結し、
    ベッセルとタンクとの間でスラリーを循環させ、且つ、当該ベッセル内において、当該スラリー及び粉砕メディアを高速に流動させることにより、前記ニッケル粉末からフレークニッケル粉を得ることを特徴とするフレークニッケル粉の製造方法。
  2. 請求項1に記載の方法で得られたフレークニッケル粉であって、該フレークニッケル粉は、平均長径が0.1μm〜20μm、アスペクト比が2〜100、粒径の標準偏差が0.05〜10であることを特徴とするフレークニッケル粉。
  3. 平均厚さが0.01μm〜2μmである請求項2に記載のフレークニッケル粉。
  4. 粒子表面の炭素の付着量が粒子の全重量に対して5000ppm未満である請求項2又は請求項3に記載のフレークニッケル粉。
  5. 請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載のフレークニッケル粉と樹脂とを含むことを特徴とする導電性ペースト。
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