JP7322540B2 - 導電性粉末の評価方法 - Google Patents
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Description
本発明の実施形態の導電性粉末の評価方法においては、先ず、評価対象の導電性粉末を等量ずつ小分けしてそれらの各々にビヒクルを同じ配合割合で添加し、更に界面活性剤を無添加を含む異なる添加量で添加して混合することで、複数種類の評価用ペーストを調製する。これら複数種類の評価用ペーストの数は2種類でもよいが、3種類以上が好ましく、4種類がより好ましい。また、各評価用ペーストの調製では、軟膏容器に導電性粉末、ビヒクル及び界面活性剤をそれぞれ秤量して投入し、自公転ミキサーで混合するのが好ましい。これにより均質な評価用ペーストを作製することができる。なお、本評価方法で評価できる導電性粉末には、Ni、Pd、Pt、Au、Cu及びこれらの少なくともいずれかの合金からなる群から選ばれる1種以上を挙げることができる。
上記の評価方法に用いるビヒクルとしては、エチルセルロース、ポリビニルブチラール等の樹脂を有機溶剤に溶解させたものを使用するのが好ましい。上記有機溶剤は、導電性ペーストに一般的に使用されるものであれば特に制限はなく、例えばターピネオール、ジヒドロターピネオール、ジヒドロターピネオールアセテート等を使用することが望ましい。評価用ペーストの調製では、導電性粉末100質量部に対して上記ビヒクルを10~50質量部添加するのが好ましく、25~35質量部添加するのがより好ましい。また、上記ビヒクルは1種類のみで使用してもよいし、2種以上を混合して使用しても良い。
上記の評価方法に用いる界面活性剤はアニオン系界面活性剤が好ましい。界面活性剤は、導電性粉末表面に吸着して分散性を付与し、導電性粉末が凝集することを防止する役割を担うため、アニオン系界面活性剤であれば導電性粉末表面への吸着力が大きく、その表面改質作用により導電性粉末などの無機物粒子の分散性が顕著に向上するからである。なお、アニオン系界面活性剤は、塗膜の平滑性や、内部電極用ペーストの膜を乾燥した際の密度(乾燥膜密度)を向上させる働きも有する。
上記にて調製した複数の評価用ペーストの各々に対して、回転式粘度計を用いて一定のせん断速度でローターを回転させながら所定の時間に亘り連続的に粘度測定を行う。上記回転式粘度計には、円錐形状のローターと円板状の静止板とで評価用ペーストを挟んだ状態で粘度測定を行うコーンプレート粘度計を用いるのが好ましい。この場合の粘度測定は、JIS K 5600-2-3(コーン・プレート粘度計法)の手順に準拠して行えばよい。この粘度測定では、導電性粉末に含まれる凝集体がせん断応力により徐々に解砕していった場合、該解砕の進行度合いが粘度変化(粘度低下)として表れる。
せん断開始時の評価用ペーストの粘度を初期粘度値とすると、せん断応力が働くことによって評価用ペースト中の導電性粉末に凝集体が含まれる場合は解砕される。そして、解砕された粒子の表面を界面活性剤が覆うことで粒子の分散が促進され、評価用ペーストの粘度は初期粘度値から徐々に低下し、導電性粉末に含まれる凝集体がそれ以上に解砕されなくなった時点で、粘度値はほぼ一定となる。
<評価用ペーストの調製>
内容積30mLの軟膏容器を4個用意し、それらの各々にニッケル粉末(ロットA)10gと、ビヒクルA(ターピネオールの質量に対して10質量%のエチルセルロースを溶解)3.5gと、ビヒクルB(ターピネオールの質量に対して10質量%のポリビニルブチラールを溶解)2.5gとを投入し、更に界面活性剤として、分子構造中にカルボキシル基を持つアニオン系界面活性剤を、表1に示すように、ニッケル粉末100質量部に対してそれぞれ異なる添加量となるように添加した。そして、各々自公転ミキサーを用いて2000rpmで30秒間撹拌し、評価用ペースト1~4を調製した。
上記にて調製した評価用ペースト1~4の各々に対して、レオメーター(Anton Paar社製、MCR501)を用いて、コーンプレート(コーン半径25mm、コーン角度3°)を取り付けて、25℃のステージ温度で1000s-1のせん断速度で20分間粘度を測定した。その結果を図1に示す。この図1に示す結果から、実施例1に係るニッケル粉末(ロットA)については、界面活性剤が無添加の評価用ペースト1は粘度がほとんど低下していないのに対して、界面活性剤の添加量が0.1質量部以上である評価用ペースト2~4は粘度の顕著な低下が確認された。このことから、ニッケル粉末(ロットA)は内部電極用ペーストに適したニッケル粉末であり、ニッケル粉末100質量部に対して界面活性剤を0.1質量部程度添加することが好ましいことが分かる。
ニッケル粉末をロットBとしたこと以外は上記実施例1と同様に評価用ペースト5~8を調製し、粘度測定を行った。その結果を図2に示す。この図2に示す結果から界面活性剤が無添加の評価用ペースト5及び界面活性剤の添加量0.1質量部である評価用ペースト6では粘度は初期粘度値とほとんど変化がなく、界面活性剤添加量0.2質量部以上である評価用ペースト7、8において粘度の顕著な低下が確認された。このことから、ニッケル粉末(ロットB)は、内部電極用ペーストに適したニッケル粉末であり、ニッケル粉末100質量部に対して界面活性剤量を0.2質量部程度添加することが好ましいことが分かる。
ニッケル粉末をロットCとしたこと以外は実施例1と同様に評価用ペースト9~12を調製し、粘度測定を行った。その結果を図3に示す。この図3に示す結果から作製した全ての評価用ペースト9~12で初期粘度値からの粘度の低下は確認されなかった。このことから、ニッケル粉末(ロットC)はその100質量部に対して界面活性剤量を0.4質量部を超えて添加する必要が生じうることが分かる。すなわち、このニッケル粉末(ロットC)を用いた場合には、凝集を解砕させるためには過剰量の界面活性剤が必要となるか、あるいは強固な凝集により容易に解砕するのが困難であり、この場合はニッケルペーストの製造に多くのコストがかかることになるため、内部電極用ペーストとしては適さないニッケル粉末であることが分かる。
ニッケル粉末の内部電極用ペーストへの適用の可否についての評価を、走査型電子顕微鏡(SEM)による粒子観察で行うべく、ロットAからサンプリングしたニッケル粉末の粒子径を測定して粒度分布を求めたところ、得られた粒度分布は280nm~450nmであった。この結果から、ロットAのニッケル粉末は内部電極用ペーストに適したニッケル粉末であると判断することはできた。しかし、走査型電子顕微鏡(SEM)による粒子観察を行い、粒子径を測定することで粒度分布を求める方法で粗粒評価を行った場合は、3日間程度の時間を要した。これに対して、上記実施例の1~3の評価方法では評価時間は2時間程度であったため、極めて迅速に評価を行うことができた。
Claims (5)
- 導電性ペーストへの適用の可否を評価する導電性粉末の評価方法であって、評価対象の導電性粉末を小分けしてそれらの各々にビヒクルを同じ配合割合で添加し、更に該導電性粉末100質量部に対して0.4質量部以下の範囲で界面活性剤を無添加を含む異なる添加量で添加して自公転ミキサーのみを用いて撹拌することで複数種類の評価用ペーストを調製した後、これら複数種類の評価用ペーストの各々に対して一定のせん断速度で粘度測定を行い、前記界面活性剤を添加したものの粘度が、前記界面活性剤が無添加のものの粘度に比べて低下している場合は、該評価対象の導電性粉末は解砕容易な凝集体を含むので適用可と判断することを特徴とする導電性粉末の評価方法。
- 前記界面活性剤を添加したもの及び前記界面活性剤が無添加のもの全てにおいて粘度が初期粘度値のまま変化しない場合は、前記評価対象の導電性粉末は解砕困難な凝集体を含むので適用不可と判断することを特徴とする、請求項1に導電性粉末の評価方法。
- 前記複数種類の評価用ペーストの数が3種類以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の導電性粉末の評価方法。
- 前記界面活性剤がアニオン系界面活性剤であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の導電性粉末の評価方法。
- 前記評価用ペーストに対して各々1000s-1のせん断速度で粘度測定を行うことを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の導電性粉末の評価方法。
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