JP2004200449A - 積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペースト組成物 - Google Patents
積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペースト組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004200449A JP2004200449A JP2002367859A JP2002367859A JP2004200449A JP 2004200449 A JP2004200449 A JP 2004200449A JP 2002367859 A JP2002367859 A JP 2002367859A JP 2002367859 A JP2002367859 A JP 2002367859A JP 2004200449 A JP2004200449 A JP 2004200449A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- conductive paste
- paste composition
- conductive
- powder
- organic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Ceramic Capacitors (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
Abstract
【課題】より少ない塗布量で、高い乾燥膜密度と、連続性に優れた焼成膜を誘電体シートに確保し、内部電極の薄層化に対応できる積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペースト組成物の提供する。
【解決手段】導電性ペースト組成物は、誘電体シートに電極を形成するための導電性ペースト組成物であって、Pd、Ag、Ni、Cuから選ばれる金属粉末または/および合金粉末からなる導電性粉末と、該誘電体シートを構成する材料と共通成分を含む共材と、有機バインダとを含み、該有機バインダが、エチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルブチラール、アクリル系ポリマーから選ばれる樹脂と、有機溶剤と、ステアリル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、オレイル基から選ばれる親油基およびポリエチレングリコール部位を有するカルボキシエステル構造の有機添加剤とから構成されている。
【解決手段】導電性ペースト組成物は、誘電体シートに電極を形成するための導電性ペースト組成物であって、Pd、Ag、Ni、Cuから選ばれる金属粉末または/および合金粉末からなる導電性粉末と、該誘電体シートを構成する材料と共通成分を含む共材と、有機バインダとを含み、該有機バインダが、エチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルブチラール、アクリル系ポリマーから選ばれる樹脂と、有機溶剤と、ステアリル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、オレイル基から選ばれる親油基およびポリエチレングリコール部位を有するカルボキシエステル構造の有機添加剤とから構成されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層セラミックコンデンサを構成する誘電体シートに内部電極を形成するための導電性ペーストに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品の軽薄短小化が進みチップ部品である積層セラミックコンデンサについても小型、大容量化の要求がますます高まりつつある。積層セラミックコンデンサの小型、大容量化を図る最も効果的な手段は内部電極と誘電体を薄くして多層化を図ることである。
【0003】
積層セラミックコンデンサは一般に次の工程を経て製造される。すなわちチタン酸バリウム等で代表される誘電体粉末とポリビニルブチラール、アクリル等の有機バインダからなる誘電体グリーンシート表面にPd、Ag、Ag/Pd、Ni、Ni/Cu、Cu等の導電性粉末を含有する導電性ペーストをスクリーン印刷し、これを乾燥する。次に内部電極とグリーンシートとが交互に重なるよう積層した後、熱圧着し、該熱圧着体を目的の大きさに切断する。続いて有機バインダ除去を目的として、通常250〜330℃、空気雰囲気、窒素雰囲気、あるいは空気と窒素との混合気体下で加熱して有機バインダを除去し、続いて約1300℃で焼成して内部電極、および誘電体を焼結させる。このようにして得た積層セラミックコンデンサ素体に、外部デバイスを接合するための外部電極が取り付けられ、製品となる。
【0004】
積層セラミックコンデンサに使用される導電性ペーストは、前記導電性粉末と、共材として誘電体グリーンシートを構成する材料成分のBaTiO3、BaTiZrO3、TiO2等と、有機バインダとを混合し、ボールミル、ビーズミル、スリーロールミル等によって前記導電性粉末と共材とを有機バインダ中に均一分散し、最終的に目的の粘度に合わせ込むため有機溶剤を希釈剤として加えて得る。有機バインダは、エチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルブチラール、アクリル等の樹脂、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、オクタノール、デカノール、トリデカノール、酢酸ブチル、石油系炭化水素等の有機溶剤、ペーストに所定のレオロジー特性を付与し、無機物の安定分散を実現させる目的で使用される各種界面活性剤等から構成される。
【0005】
粘度は一般的にブルックフィールド社製B型粘度計、HBTでスピンドルNo.14を用いスピンドルの回転が10rpmで約10〜80Pa・sの粘度を持ち、かつ10rpmと100rpmのときの粘度比(10rpm値/100rpm値)が4以下になるように調整される。
【0006】
かかる導電性ペーストは前述のように誘電体グリーンシート上にスクリーン印刷され、有機バインダを除去する工程を有するが、その際に得られる導電性ペーストの乾燥体が高い密度を有するかどうかが、焼成後の内部電極の薄層化を実現するために重要である。すなわち、少ない金属塗布量で、薄くて高密度、かつ目標容量値を有する内部電極を形成するためには導電性ペーストを乾燥後に得られる膜(以下、単に「乾燥膜」という。)の単位体積あるいはスクリーン印刷単位面積当りの導電性粉末の充填密度(これを「乾燥膜密度」という)をどれだけ高くできるかが大きな課題となる。
【0007】
導電性ペーストは、通常、導電性粉末と共材との分散性を上げる、導電性粉末と共材とが充填密度が高くなる形状と表面状態を有するようにする、真密度の高い導電性粉末を使用する、などを考慮し粒子形状、粒子の表面状態、粒径、真密度、材質、配合比等を目的とする焼成後の特性を満足させるように最初に決定し、有機バインダの成分を最適化する。
【0008】
有機添加剤等の使用に関しては、例えば、希釈溶剤として主溶剤より100℃以上低いものを用いることにより導電性微粒子と共材との分散性を上げる例が特開2001−67951号公報の段落番号0025に記載されている。さらに、ブレンステッド塩基構造を有する物質を添加してペースト粘度安定性を得る例が特開2002−245851号公報(段落番号0027参照)など多くある。しかし、有機バインダを除去して得る乾燥膜の充填密度の向上を目的として添加される例は、例えば、分散剤として水、アルコール、ケトン類に不溶で、かつ炭化水素系溶剤に可溶な分散剤を用いることにより緻密性の高い内部電極を得る例が特開2001−307942号公報(段落番号0011参照)等にわずかに見られるだけである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、より少ない塗布量で、高い乾燥膜密度と、連続性に優れた焼成膜を誘電体シートに確保し、内部電極の薄層化に対応できる積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペースト組成物の提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するためになされた本発明による導電性ペースト組成物は、誘電体シートに電極を形成するための導電性ペースト組成物であって、Pd、Ag、Ni、Cuから選ばれる金属粉末または/および合金粉末からなる導電性粉末と、該誘電体シートを構成する材料と共通成分を含む共材と、有機バインダとを含み、該有機バインダが、エチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルブチラール、アクリル系ポリマーから選ばれる樹脂と、有機溶剤と、ステアリル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、オレイル基から選ばれる親油基およびポリエチレングリコール部位を有するカルボキシエステル構造の有機添加剤とから構成されていることを特徴とすることを特徴としている。
【0011】
本発明の導電性ペースト組成物は、前記有機添加剤のカルボキシエステル構造がステアリル基およびポリエチレングリコール部位を有する。有機添加剤は、親油基としてステアリル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、オレイル基のものが使用できるが、なかでも分子量が大きいステアリル基のものが特に好ましい。
【0012】
このようにカルボキシエステル構造がステアリル基およびポリエチレングリコール部位を有する有機添加剤を採用したときは、HLBが11.0〜16.0である前記有機添加剤を、ペースト中に0.01〜5.00重量%の割合で含むことことにより好適に実施できる。
【0013】
HLB(Hydrophilic-Lipophilic Balance:親水性-親油性バランス)は、界面活性剤の特性を示すパラメータで、下記(1)〜(6)に例示する複数の計算式で算出される。HLBが少ないほうが親油性、多いほうが親水性となる。
(1)HLB=7+11.7log(Mw/Mo)
式中、Mw:親水性部の原子量の和 Mo:親油性部の原子量の和
(2)HLB=7−4.05logCMC
式中、CMC:臨界ミセル濃度(mol/l)
(3)1価アルコールのエチレンオキシド誘導体のHLB=E/5
式中、E:エチレンオキシドの重量%
(4)多価アルコールの脂肪酸エステルまたはそのエチレンオキシド誘導体の
HLB=20(1−s/A)
式中、s:エステルのケン化価 A:原料脂肪酸の中和価
(5)多価アルコール誘導体でケン化価を求めにくい場合
HLB=(E+P)/5
式中、E:エチレンオキシドの重量% P:多価アルコールの重量%
(6)HLB=Σ(親水性部の基数)−Σ(親油性部の基数)+7
【0014】
尚、HLBが未知のものは、いったんある油脂で乳化させ、別にHLBが既知である各種HLBの界面活性剤でその油脂を乳化させて乳化状態が同一となったときのHLBから決定する。
本発明の導電性ペースト組成物に使用される有機添加剤のHLB11.0〜16.0は、いずれの計算式で算出された価であっても適用できる。
【0015】
HLBが16.0を上回ると親水性が強すぎて分散不良を引き起こす。また、有機添加剤の分子量が大きくなりすぎ、立体障害が強くなり得られる導電性ペーストのゲル化が起きやすくなる。一方、HLBが11.0を下回ると親油性が強くなりすぎ、やはり溶剤への分散不良を引き起こす。その結果、HLBが11.6〜16.0の範囲において本発明の導電性ペーストの乾燥膜密度が最大となる。
【0016】
本発明の導電性ペースト組成物中の有機添加剤の添加量が0.01重量%以下では導電性金属粉末や共材粒子の表面の活性点に完全に吸着するだけの量に満たず、高い効果は得られない。一方、5.00重量%を超えると遊離の有機添加剤分子が、導電性金属粉末と共材との表面に吸着している有機添加剤分子と結びつき時間とともに隣接する粒子同士を拘束するため、導電性ペーストが経時的粘度上昇やゲル化が起こる。
【0017】
本発明の導電性ペースト組成物は、導電性微粉末の平均粒径が0.05〜2.0μmであることが好ましい。この平均粒径は、走査電子顕微鏡(SEM)写真より求められる値である。
【0018】
導電性金属粒子としてはPd、Ag、Ni、Cuなどの金属粒子やこれらの合金粒子が好ましく、さらに好ましくはNi、Cuなどの金属粒子やこれらの合金粒子である。平均粒径が2.0μmを超えると積層コンデンサの薄層化が難しくなる。また、平均粒径が0.05μmを下回ると金属粒子の表面活性が高くなりすぎ、適正な粘度特性が得られなかったり導電性ペーストの長期保存中に変質する恐れがある。
【0019】
導電性金属粒子の含有率は30〜70重量%とすることが好ましい。30重量%未満では焼成時に電極膜形成能力が低く、所定のコンデンサ容量を得ることが難しい。70m重量%を超えると電極膜の薄層化が困難となる。
【0020】
本発明の導電性ペースト組成物は、BaTiO3を含むグリーンシートからなる誘電体シートに電極を形成するためには、共材は、主要成分がBaTiO3、平均粒径が0.01〜2.0μm、ペースト中含有量が1〜30重量%であることが好ましい。平均粒径は、走査電子顕微鏡(SEM)写真より求めた値である。平均粒径がこの範囲を外れると焼成後の抵抗値が上昇したり電極膜形成が不充分で作成した積層コンデンサの静電容量が得られない。
【0021】
共材は、積層セラミックコンデンサの誘電体シートを構成する主要材料であり、導電性ペーストと誘電体シートとの馴染みを良くするために添加され、誘電体シートの誘電率に悪影響をおよぼさないようにする。そのため、BaTiO3を用いる場合には、共材中のBaTiO3を80重量%以上とすることが好ましい。
【0022】
有機バインダは、樹脂、有機溶剤、有機添加剤から構成されるが、樹脂含有量は1〜5重量%とすることが好ましい。1重量%未満ではスクリーン印刷に適した粘度を得ることが困難であり、5重量%を超えると脱バインダ時に残留カーボン量が増え、積層チップの層間剥離を引き起こす。
【0023】
有機溶剤としてはターピネオール(α、β、γおよびこれらの混合物)、オクタノール、デカノール、トリデカノール、フタル酸ジブチル、酢酸ブチル、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、石油系炭化水素等の使用が可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペースト組成物は、導電性粉末、共材、有機バインダを所定量の秤量し、ボールミル等によって導電性粉末と共材を有機バインダ中に均一分散混合させる。そして、有機溶剤を希釈剤として加え目的の粘度に合わせることで調製される。
【0025】
有機添加剤を添加する方法は特に制約されない。例えば、混練前に前処理として導電性金属粉末と共材と当該有機添加剤とを混合してもよいし、他の原料とともに混練する際に添加してもよい。導電性ペーストの製造行程の最後に添加し、混練しても添加効果は得られるが、導電性ペーストの製造工程の前段階で添加し、混練すると充分無機分表面にコートすることができるので望ましい。粘稠液体である導電性ペースト中での有機添加剤分子の物質移動速度を考えると、後工程で添加し、混練すると、混合攪拌が不充分で当該有機添加剤分子が完全に無機分粒子表面の吸着点を覆いつくすためには長い時間をかけて混練する事が必要となり、導電性ペーストの特性に経時変化をもたらす危険性があるからである。
【0026】
調製された導電性ペーストは、誘電体シート(例えばグリーンシート)上にスクリーン印刷してから、有機バインダを除去し導電性ペーストの乾燥体が得られる。本発明の次に実施例を用いてペーストの乾燥膜密度は有機添加剤の働きにより極めて高いものとなる。
【0027】
有機添加剤が乾燥膜密度を向上させるメカニズムは、有機添加剤の表面改質作用に関連している。すなわち、当該有機添加剤のカルボキシ部分が求核部位となって導電性金属粉末や共材の表面に吸着し、ステアリル基およびポリエチレングリコール部位が溶剤との充分な濡れを確保することにより導電性金属粉末や共材粒子の分散性が向上する。その際、分散性が最も良好となる親水性および親油性の比率が存在し、その範囲において乾燥膜密度が最も大きくなる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を適用する積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペースト組成物の実施例を詳細に説明する。
【0029】
実施例1〜6:有機添加剤の添加量の効果
(導電性ペーストの製造)
ターピネオール(α、β、γ混合体)を70℃まで加熱し、インペラー(羽根車)で攪拌しながらダウケミカル(株)社製STD−100を所定量まで徐々に加えた。次いでこれに導電性金属粉末としてCVD法で作成された市販のNi粉(SEMで求めた平均粒径が0.4μm)と、共材として市販のSEMで求めた平均粒径が0.1μmのBaTiO3と、ステアリル基とポリエチレングリコール部位とを有するカルボキシエステル構造をもちかつそのHLB価が13.5のものを添加、混合し、スリーロールミルを用いて完全分散させた。表1の実施例1〜6に示す組成で導電性ペーストの試料を作成した。なお、粘度は全てブルックフィールド社製B型粘度計を用いて10rpm粘度が20〜50Pa・sになるよう調整した。
【0030】
(乾燥膜密度の評価)
各実施例の導電性ペーストの試料をPETフィルム上にのせ、幅50mm、ゲージの隙間250μmのアプリケータで長さ約100mmに延ばした。続いてこれを120℃、40分間乾燥した。この乾燥体を1インチ角に4枚切断し、PETフィルムをはがした上で各4枚の乾燥膜の厚み、重量を測定して乾燥膜密度Aを算出した。
次にHLB価が13.5のものを添加しないで得た導電性ペーストを用いて作成した乾燥膜(従来品)の密度Bを算出し、B−Aを乾燥膜密度上昇量とし、表1に併せて示した。
【0031】
【表1】
【0032】
実施例7〜12:有機添加剤のHLB価の効果
(導電性ペーストの製造)
ターピネオール(α、β、γ混合体)を70℃まで加熱し、インペラーで攪拌しながらダウケミカル(株)社製STD−100を所定量まで徐々に加えた。次いでこれに導電性金属粉末としてCVD法で作成された市販のNi粉と、共材として市販の平均粒径0.1μmのBaTiO3と、ステアリル基とポリエチレングリコール部位とを有するカルボキシエステル構造をもちかつそのHLB価が11.0〜16.0のものを添加、混合し、スリーロールミルを用いて完全分散させ表2の実施例7〜12に示す組成で導電性ペーストの試料を作成した。なお、粘度は全てブルックフィールド社製B型粘度計を用いて10rpm粘度が20〜50Pa・sになるよう調整した。
(乾燥膜密度の評価)
実施例1と同様にして乾燥膜密度上昇量を求め表2に併せて示した。
【0033】
【表2】
【0034】
実施例13〜17:共材量の効果
(導電性ペーストの製造)
ターピネオール(α、β、γ混合体)を70℃まで加熱し、インペラーで攪拌しながらダウケミカル(株)社製STD−100を所定量まで徐々に加えた。次いでこれに導電性金属粉末としてCVD法で作成された市販のNi粉(SEMで求めた粒径が0.05〜1.0μm)と、共材として市販の平均粒径0.1μmのBaTiO3と、ステアリル基とポリエチレングリコール部位とを有するカルボキシエステル構造をもちかつそのHLB価が13.5のものを添加、混合し、スリーロールミルを用いて完全分散させ、表3の実施例13〜17に示す組成で導電性ペーストの試料を作成した。なお、粘度は全てブルックフィールド社製B型粘度計を用いて10rpm粘度が20〜50Pa・sになるよう調整した。
(乾燥膜密度の評価)
実施例1と同様にして乾燥膜密度上昇量を求め表3に併せて示した。
【0035】
【表3】
【0036】
実施例18〜19:共材の粒径の効果
(導電性ペーストの製造)
ターピネオール(α、β、γ混合体)を70℃まで加熱し、インペラーで攪拌しながらダウケミカル(株)社製STD−100を所定量まで徐々に加えた。次いでこれに導電性金属粉末としてCVD法で作成された市販のNi粉(SEMで求めた粒径が0.05〜1.5μm)を50重量%となるようにし、共材として市販品を篩い分けして得たBaTiO3と、ステアリル基とポリエチレングリコール部位とを有するカルボキシエステル構造をもちかつそのHLB価が13.5のものを添加、混合し、スリーロールミルを用いて完全分散させ、表4の実施例18〜19に示す組成で導電性ペーストの試料を作成した。なお、粘度は全てブルックフィールド社製B型粘度計を用いて10rpm粘度が20〜50Pa・sになるよう調整した。
(乾燥膜密度の評価)
実施例1と同様にして乾燥膜密度上昇量を求め表4に併せて示した。
【0037】
【表4】
【0038】
実施例20〜23:金属粉末量の効果
(導電性ペーストの製造)
ターピネオール(α、β、γ混合体)を70℃まで加熱し、インペラーで攪拌しながらダウケミカル(株)社製STD−100を所定量まで徐々に加えた。次いでこれに導電性金属粉末としてCVD法で作成された市販のNi粉(SEMで求めた粒径が0.05〜1.0μm)と、共材として市販の平均粒径0.1μmのBaTiO3と、ステアリル基とポリエチレングリコール部位とを有するカルボキシエステル構造をもちかつそのHLB価が13.5のものを添加、混合し、スリーロールミルを用いて完全分散させ、表5の実施例20〜23に示す組成で導電性ペーストの試料を作成した。なお、粘度は全てブルックフィールド社製B型粘度計を用いて10rpm粘度が20〜50Pa・sになるよう調整した。
(乾燥膜密度の評価)
実施例1と同様にして乾燥膜密度上昇量を求め表5に併せて示した。
【0039】
【表5】
【0040】
実施例24〜25:金属粉末の粒径の効果
(導電性ペーストの製造)
ターピネオール(α、β、γ混合体)を70℃まで加熱し、インペラーで攪拌しながらダウケミカル(株)社製STD−100を所定量まで徐々に加えた。次いでこれに導電性金属粉末としてCVD法で作成された市販品を篩い分けして得たNi粉を50重量%となるようにし、共材として市販の平均粒径0.1μmのBaTiO3と、ステアリル基とポリエチレングリコール部位とを有するカルボキシエステル構造をもちかつそのHLB価が13.5のものを添加、混合し、スリーロールミルを用いて完全分散させ、表6の実施例24〜25に示す組成で導電性ペーストの試料を作成した。なお、粘度は全てブルックフィールド社製B型粘度計を用いて10rpm粘度が20〜50Pa・sになるよう調整した。
(乾燥膜密度の評価)
実施例1と同様にして乾燥膜密度上昇量を求め表6に併せて示した。
【0041】
【表6】
【0042】
実施例26〜29:金属粉末の種類の効果
(導電性ペーストの製造)
ターピネオール(α、β、γ混合体)を70℃まで加熱し、インペラーで攪拌しながらダウケミカル(株)社製STD−100を所定量まで徐々に加えた。次いでこれに導電性金属粉末としてAg、Pd、Cu、Ag/Pd各粉(SEMで求めた粒径が0.01〜2.0μmに入るもの)を50.0重量%になるようにし、共材として市販のSEMで求めた粒径が0.05〜1.0μmのBaTiO3と、ステアリル基とポリエチレングリコール部位とを有するカルボキシエステル構造をもちかつそのHLB価が13.5のものを添加、混合し、スリーロールミルを用いて完全分散させ、表7の実施例26〜29に示す組成で導電性ペーストの試料を作成した。なお、粘度は全てブルックフィールド社製B型粘度計を用いて10rpm粘度が20〜50Pa・sになるよう調整した。
(乾燥膜密度の評価)
実施例1と同様にして乾燥膜密度上昇量を求めたところ実施例1と同様であった。
【0043】
【表7】
【0044】
比較例1〜2:有機添加剤の添加量の効果
(導電性ペーストの製造)
ターピネオール(α、β、γ混合体)を70℃まで加熱し、インペラーで攪拌しながらダウケミカル(株)社製STD−100を所定量まで徐々に加えた。次いでこれに導電性金属粉末としてCVD法で作成された市販のNi粉(SEMで求めた粒径が0.05〜1.0μm)と、共材として市販のSEMで求めた粒径が0.05〜1.0μmのBaTiO3と、ステアリル基とポリエチレングリコール部位とを有するカルボキシエステル構造をもちかつそのHLB価が13.5のものを添加、混合し、スリーロールミルを用いて完全分散させ、表8の比較例1〜2に示す組成で導電性ペーストの試料を作成した。なお、粘度は全てブルックフィールド社製B型粘度計を用いて10rpm粘度が20〜50Pa・sになるよう調整した。
(乾燥膜密度の評価)
実施例1と同様にして乾燥膜密度上昇量を求め表8に併せて示した。
【0045】
【表8】
比較例1の試料では、導電性ペーストが経時的粘度上昇を引き起こし、使用上、印刷不良といった。
【0046】
比較例3〜4:有機添加剤のHLB価の効果
(導電性ペーストの製造)
ターピネオール(α、β、γ混合体)を70℃まで加熱し、インペラーで攪拌しながらダウケミカル(株)社製STD−100を所定量まで徐々に加えた。次いでこれに導電性金属粉末としてCVD法で作成された市販のNi粉(SEMで求めた粒径が0.05〜1.0μm)と、共材として市販の平均粒径0.1μmのBaTiO3と、ステアリル基とポリエチレングリコール部位とを有するカルボキシエステル構造をもちかつそのHLB価が11.0〜16.0の範囲外のものを添加、混合し、スリーロールミルを用いて完全分散させ、表9の比較例3〜4に示す組成で導電性ペーストの試料を作成した。なお、粘度は全てブルックフィールド社製B型粘度計を用いて10rpm粘度が20〜50Pa・sになるよう調整した。
(乾燥膜密度の評価)
実施例1と同様にして乾燥膜密度上昇量を求め表9に併せて示した。
【0047】
【表9】
【0048】
比較例5〜6:共材量の効果
(導電性ペーストの製造)
ターピネオール(α、β、γ混合体)を70℃まで加熱し、インペラーで攪拌しながらダウケミカル(株)社製STD−100を所定量まで徐々に加えた。次いでこれに導電性金属粉末としてCVD法で作成された市販のNi粉(SEMで求めた粒径が0.05〜1.0μm)と、共材として市販の平均粒径0.1μmのBaTiO3と、ステアリル基とポリエチレングリコール部位とを有するカルボキシエステル構造をもちかつそのHLB価が13.5のものを添加、混合し、スリーロールミルを用いて完全分散させ、表10の比較例5〜6に示す組成で導電性ペーストの試料を作成した。なお、粘度は全てブルックフィールド社製B型粘度計を用いて10rpm粘度が20〜50Pa・sになるよう調整した。
(乾燥膜密度の評価)
実施例1と同様にして乾燥膜密度上昇量を求め表10に併せて示した。
【0049】
【表10】
比較例5・6の試料では、共にNi粉末が島状になり、均一な膜が得られなかった。
【0050】
比較例7〜8:共材の粒径の効果
(導電性ペーストの製造)
ターピネオール(α、β、γ混合体)を70℃まで加熱し、インペラーで攪拌しながらダウケミカル(株)社製STD−100を所定量まで徐々に加えた。次いでこれに導電性金属粉末としてCVD法で作成された市販のNi粉(SEMで求めた粒径が0.05〜1.5μm)を50重量%となるようにし、共材として市販品を篩い分けして得たBaTiO3と、ステアリル基とポリエチレングリコール部位とを有するカルボキシエステル構造をもちかつそのHLB価が13.5のものを添加、混合し、スリーロールミルを用いて完全分散させ、表11の比較例7〜8に示す組成で導電性ペーストの試料を作成した。なお、粘度は全てブルックフィールド社製B型粘度計を用いて10rpm粘度が20〜50Pa・sになるよう調整した。
(乾燥膜密度の評価)
実施例1と同様にして乾燥膜密度上昇量を求め表11に併せて示した。
【0051】
【表11】
比較例7・8の試料では、共にNiが島状になり均一に分散していなかった。
【0052】
比較例9〜10:金属粉末量の効果
(導電性ペーストの製造)
ターピネオール(α、β、γ混合体)を70℃まで加熱し、インペラーで攪拌しながらダウケミカル(株)社製STD−100を所定量まで徐々に加えた。次いでこれに導電性金属粉末としてCVD法で作成された市販のNi粉(SEMで求めた粒径が0.05〜1.0μm)と、共材として市販の平均粒径0.1μmのBaTiO3と、ステアリル基とポリエチレングリコール部位とを有するカルボキシエステル構造をもちかつそのHLB価が13.5のものを添加、混合し、スリーロールミルを用いて完全分散させ、表12の比較例9〜10に示す組成で導電性ペーストの試料を作成した。なお、粘度は全てブルックフィールド社製B型粘度計を用いて10rpm粘度が20〜50Pa・sになるよう調整した。
(乾燥膜密度の評価)
実施例1と同様にして乾燥膜密度上昇量を求め表12に併せて示した。
【0053】
【表12】
比較例9の試料ではNiが島状となり緻密な乾燥膜が得られず、比較例10の試料では均一な薄膜とは言い難い乾燥膜しか得られなかった。
【0054】
以上の実施例、比較例より明らかなように、カルボキシエステル構造の有機添加剤を用いると、添加剤の無いものに比較して最大約0.3(g/cm3)の乾燥膜密度の上昇を実現することができる。
【0055】
【発明の効果】
以上詳細に説明したとおり、本発明を適用する積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペースト組成物は、カルボキシエステル構造の有機添加剤が添加されているから、導電性ペーストの乾燥膜密度が向上する。この有機添加剤の使用により、少ない金属塗布量でより高い焼成膜連続性を確保し、内部電極の薄層化に対応できる積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペーストを提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層セラミックコンデンサを構成する誘電体シートに内部電極を形成するための導電性ペーストに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品の軽薄短小化が進みチップ部品である積層セラミックコンデンサについても小型、大容量化の要求がますます高まりつつある。積層セラミックコンデンサの小型、大容量化を図る最も効果的な手段は内部電極と誘電体を薄くして多層化を図ることである。
【0003】
積層セラミックコンデンサは一般に次の工程を経て製造される。すなわちチタン酸バリウム等で代表される誘電体粉末とポリビニルブチラール、アクリル等の有機バインダからなる誘電体グリーンシート表面にPd、Ag、Ag/Pd、Ni、Ni/Cu、Cu等の導電性粉末を含有する導電性ペーストをスクリーン印刷し、これを乾燥する。次に内部電極とグリーンシートとが交互に重なるよう積層した後、熱圧着し、該熱圧着体を目的の大きさに切断する。続いて有機バインダ除去を目的として、通常250〜330℃、空気雰囲気、窒素雰囲気、あるいは空気と窒素との混合気体下で加熱して有機バインダを除去し、続いて約1300℃で焼成して内部電極、および誘電体を焼結させる。このようにして得た積層セラミックコンデンサ素体に、外部デバイスを接合するための外部電極が取り付けられ、製品となる。
【0004】
積層セラミックコンデンサに使用される導電性ペーストは、前記導電性粉末と、共材として誘電体グリーンシートを構成する材料成分のBaTiO3、BaTiZrO3、TiO2等と、有機バインダとを混合し、ボールミル、ビーズミル、スリーロールミル等によって前記導電性粉末と共材とを有機バインダ中に均一分散し、最終的に目的の粘度に合わせ込むため有機溶剤を希釈剤として加えて得る。有機バインダは、エチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルブチラール、アクリル等の樹脂、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、オクタノール、デカノール、トリデカノール、酢酸ブチル、石油系炭化水素等の有機溶剤、ペーストに所定のレオロジー特性を付与し、無機物の安定分散を実現させる目的で使用される各種界面活性剤等から構成される。
【0005】
粘度は一般的にブルックフィールド社製B型粘度計、HBTでスピンドルNo.14を用いスピンドルの回転が10rpmで約10〜80Pa・sの粘度を持ち、かつ10rpmと100rpmのときの粘度比(10rpm値/100rpm値)が4以下になるように調整される。
【0006】
かかる導電性ペーストは前述のように誘電体グリーンシート上にスクリーン印刷され、有機バインダを除去する工程を有するが、その際に得られる導電性ペーストの乾燥体が高い密度を有するかどうかが、焼成後の内部電極の薄層化を実現するために重要である。すなわち、少ない金属塗布量で、薄くて高密度、かつ目標容量値を有する内部電極を形成するためには導電性ペーストを乾燥後に得られる膜(以下、単に「乾燥膜」という。)の単位体積あるいはスクリーン印刷単位面積当りの導電性粉末の充填密度(これを「乾燥膜密度」という)をどれだけ高くできるかが大きな課題となる。
【0007】
導電性ペーストは、通常、導電性粉末と共材との分散性を上げる、導電性粉末と共材とが充填密度が高くなる形状と表面状態を有するようにする、真密度の高い導電性粉末を使用する、などを考慮し粒子形状、粒子の表面状態、粒径、真密度、材質、配合比等を目的とする焼成後の特性を満足させるように最初に決定し、有機バインダの成分を最適化する。
【0008】
有機添加剤等の使用に関しては、例えば、希釈溶剤として主溶剤より100℃以上低いものを用いることにより導電性微粒子と共材との分散性を上げる例が特開2001−67951号公報の段落番号0025に記載されている。さらに、ブレンステッド塩基構造を有する物質を添加してペースト粘度安定性を得る例が特開2002−245851号公報(段落番号0027参照)など多くある。しかし、有機バインダを除去して得る乾燥膜の充填密度の向上を目的として添加される例は、例えば、分散剤として水、アルコール、ケトン類に不溶で、かつ炭化水素系溶剤に可溶な分散剤を用いることにより緻密性の高い内部電極を得る例が特開2001−307942号公報(段落番号0011参照)等にわずかに見られるだけである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、より少ない塗布量で、高い乾燥膜密度と、連続性に優れた焼成膜を誘電体シートに確保し、内部電極の薄層化に対応できる積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペースト組成物の提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するためになされた本発明による導電性ペースト組成物は、誘電体シートに電極を形成するための導電性ペースト組成物であって、Pd、Ag、Ni、Cuから選ばれる金属粉末または/および合金粉末からなる導電性粉末と、該誘電体シートを構成する材料と共通成分を含む共材と、有機バインダとを含み、該有機バインダが、エチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルブチラール、アクリル系ポリマーから選ばれる樹脂と、有機溶剤と、ステアリル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、オレイル基から選ばれる親油基およびポリエチレングリコール部位を有するカルボキシエステル構造の有機添加剤とから構成されていることを特徴とすることを特徴としている。
【0011】
本発明の導電性ペースト組成物は、前記有機添加剤のカルボキシエステル構造がステアリル基およびポリエチレングリコール部位を有する。有機添加剤は、親油基としてステアリル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、オレイル基のものが使用できるが、なかでも分子量が大きいステアリル基のものが特に好ましい。
【0012】
このようにカルボキシエステル構造がステアリル基およびポリエチレングリコール部位を有する有機添加剤を採用したときは、HLBが11.0〜16.0である前記有機添加剤を、ペースト中に0.01〜5.00重量%の割合で含むことことにより好適に実施できる。
【0013】
HLB(Hydrophilic-Lipophilic Balance:親水性-親油性バランス)は、界面活性剤の特性を示すパラメータで、下記(1)〜(6)に例示する複数の計算式で算出される。HLBが少ないほうが親油性、多いほうが親水性となる。
(1)HLB=7+11.7log(Mw/Mo)
式中、Mw:親水性部の原子量の和 Mo:親油性部の原子量の和
(2)HLB=7−4.05logCMC
式中、CMC:臨界ミセル濃度(mol/l)
(3)1価アルコールのエチレンオキシド誘導体のHLB=E/5
式中、E:エチレンオキシドの重量%
(4)多価アルコールの脂肪酸エステルまたはそのエチレンオキシド誘導体の
HLB=20(1−s/A)
式中、s:エステルのケン化価 A:原料脂肪酸の中和価
(5)多価アルコール誘導体でケン化価を求めにくい場合
HLB=(E+P)/5
式中、E:エチレンオキシドの重量% P:多価アルコールの重量%
(6)HLB=Σ(親水性部の基数)−Σ(親油性部の基数)+7
【0014】
尚、HLBが未知のものは、いったんある油脂で乳化させ、別にHLBが既知である各種HLBの界面活性剤でその油脂を乳化させて乳化状態が同一となったときのHLBから決定する。
本発明の導電性ペースト組成物に使用される有機添加剤のHLB11.0〜16.0は、いずれの計算式で算出された価であっても適用できる。
【0015】
HLBが16.0を上回ると親水性が強すぎて分散不良を引き起こす。また、有機添加剤の分子量が大きくなりすぎ、立体障害が強くなり得られる導電性ペーストのゲル化が起きやすくなる。一方、HLBが11.0を下回ると親油性が強くなりすぎ、やはり溶剤への分散不良を引き起こす。その結果、HLBが11.6〜16.0の範囲において本発明の導電性ペーストの乾燥膜密度が最大となる。
【0016】
本発明の導電性ペースト組成物中の有機添加剤の添加量が0.01重量%以下では導電性金属粉末や共材粒子の表面の活性点に完全に吸着するだけの量に満たず、高い効果は得られない。一方、5.00重量%を超えると遊離の有機添加剤分子が、導電性金属粉末と共材との表面に吸着している有機添加剤分子と結びつき時間とともに隣接する粒子同士を拘束するため、導電性ペーストが経時的粘度上昇やゲル化が起こる。
【0017】
本発明の導電性ペースト組成物は、導電性微粉末の平均粒径が0.05〜2.0μmであることが好ましい。この平均粒径は、走査電子顕微鏡(SEM)写真より求められる値である。
【0018】
導電性金属粒子としてはPd、Ag、Ni、Cuなどの金属粒子やこれらの合金粒子が好ましく、さらに好ましくはNi、Cuなどの金属粒子やこれらの合金粒子である。平均粒径が2.0μmを超えると積層コンデンサの薄層化が難しくなる。また、平均粒径が0.05μmを下回ると金属粒子の表面活性が高くなりすぎ、適正な粘度特性が得られなかったり導電性ペーストの長期保存中に変質する恐れがある。
【0019】
導電性金属粒子の含有率は30〜70重量%とすることが好ましい。30重量%未満では焼成時に電極膜形成能力が低く、所定のコンデンサ容量を得ることが難しい。70m重量%を超えると電極膜の薄層化が困難となる。
【0020】
本発明の導電性ペースト組成物は、BaTiO3を含むグリーンシートからなる誘電体シートに電極を形成するためには、共材は、主要成分がBaTiO3、平均粒径が0.01〜2.0μm、ペースト中含有量が1〜30重量%であることが好ましい。平均粒径は、走査電子顕微鏡(SEM)写真より求めた値である。平均粒径がこの範囲を外れると焼成後の抵抗値が上昇したり電極膜形成が不充分で作成した積層コンデンサの静電容量が得られない。
【0021】
共材は、積層セラミックコンデンサの誘電体シートを構成する主要材料であり、導電性ペーストと誘電体シートとの馴染みを良くするために添加され、誘電体シートの誘電率に悪影響をおよぼさないようにする。そのため、BaTiO3を用いる場合には、共材中のBaTiO3を80重量%以上とすることが好ましい。
【0022】
有機バインダは、樹脂、有機溶剤、有機添加剤から構成されるが、樹脂含有量は1〜5重量%とすることが好ましい。1重量%未満ではスクリーン印刷に適した粘度を得ることが困難であり、5重量%を超えると脱バインダ時に残留カーボン量が増え、積層チップの層間剥離を引き起こす。
【0023】
有機溶剤としてはターピネオール(α、β、γおよびこれらの混合物)、オクタノール、デカノール、トリデカノール、フタル酸ジブチル、酢酸ブチル、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、石油系炭化水素等の使用が可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペースト組成物は、導電性粉末、共材、有機バインダを所定量の秤量し、ボールミル等によって導電性粉末と共材を有機バインダ中に均一分散混合させる。そして、有機溶剤を希釈剤として加え目的の粘度に合わせることで調製される。
【0025】
有機添加剤を添加する方法は特に制約されない。例えば、混練前に前処理として導電性金属粉末と共材と当該有機添加剤とを混合してもよいし、他の原料とともに混練する際に添加してもよい。導電性ペーストの製造行程の最後に添加し、混練しても添加効果は得られるが、導電性ペーストの製造工程の前段階で添加し、混練すると充分無機分表面にコートすることができるので望ましい。粘稠液体である導電性ペースト中での有機添加剤分子の物質移動速度を考えると、後工程で添加し、混練すると、混合攪拌が不充分で当該有機添加剤分子が完全に無機分粒子表面の吸着点を覆いつくすためには長い時間をかけて混練する事が必要となり、導電性ペーストの特性に経時変化をもたらす危険性があるからである。
【0026】
調製された導電性ペーストは、誘電体シート(例えばグリーンシート)上にスクリーン印刷してから、有機バインダを除去し導電性ペーストの乾燥体が得られる。本発明の次に実施例を用いてペーストの乾燥膜密度は有機添加剤の働きにより極めて高いものとなる。
【0027】
有機添加剤が乾燥膜密度を向上させるメカニズムは、有機添加剤の表面改質作用に関連している。すなわち、当該有機添加剤のカルボキシ部分が求核部位となって導電性金属粉末や共材の表面に吸着し、ステアリル基およびポリエチレングリコール部位が溶剤との充分な濡れを確保することにより導電性金属粉末や共材粒子の分散性が向上する。その際、分散性が最も良好となる親水性および親油性の比率が存在し、その範囲において乾燥膜密度が最も大きくなる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を適用する積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペースト組成物の実施例を詳細に説明する。
【0029】
実施例1〜6:有機添加剤の添加量の効果
(導電性ペーストの製造)
ターピネオール(α、β、γ混合体)を70℃まで加熱し、インペラー(羽根車)で攪拌しながらダウケミカル(株)社製STD−100を所定量まで徐々に加えた。次いでこれに導電性金属粉末としてCVD法で作成された市販のNi粉(SEMで求めた平均粒径が0.4μm)と、共材として市販のSEMで求めた平均粒径が0.1μmのBaTiO3と、ステアリル基とポリエチレングリコール部位とを有するカルボキシエステル構造をもちかつそのHLB価が13.5のものを添加、混合し、スリーロールミルを用いて完全分散させた。表1の実施例1〜6に示す組成で導電性ペーストの試料を作成した。なお、粘度は全てブルックフィールド社製B型粘度計を用いて10rpm粘度が20〜50Pa・sになるよう調整した。
【0030】
(乾燥膜密度の評価)
各実施例の導電性ペーストの試料をPETフィルム上にのせ、幅50mm、ゲージの隙間250μmのアプリケータで長さ約100mmに延ばした。続いてこれを120℃、40分間乾燥した。この乾燥体を1インチ角に4枚切断し、PETフィルムをはがした上で各4枚の乾燥膜の厚み、重量を測定して乾燥膜密度Aを算出した。
次にHLB価が13.5のものを添加しないで得た導電性ペーストを用いて作成した乾燥膜(従来品)の密度Bを算出し、B−Aを乾燥膜密度上昇量とし、表1に併せて示した。
【0031】
【表1】
【0032】
実施例7〜12:有機添加剤のHLB価の効果
(導電性ペーストの製造)
ターピネオール(α、β、γ混合体)を70℃まで加熱し、インペラーで攪拌しながらダウケミカル(株)社製STD−100を所定量まで徐々に加えた。次いでこれに導電性金属粉末としてCVD法で作成された市販のNi粉と、共材として市販の平均粒径0.1μmのBaTiO3と、ステアリル基とポリエチレングリコール部位とを有するカルボキシエステル構造をもちかつそのHLB価が11.0〜16.0のものを添加、混合し、スリーロールミルを用いて完全分散させ表2の実施例7〜12に示す組成で導電性ペーストの試料を作成した。なお、粘度は全てブルックフィールド社製B型粘度計を用いて10rpm粘度が20〜50Pa・sになるよう調整した。
(乾燥膜密度の評価)
実施例1と同様にして乾燥膜密度上昇量を求め表2に併せて示した。
【0033】
【表2】
【0034】
実施例13〜17:共材量の効果
(導電性ペーストの製造)
ターピネオール(α、β、γ混合体)を70℃まで加熱し、インペラーで攪拌しながらダウケミカル(株)社製STD−100を所定量まで徐々に加えた。次いでこれに導電性金属粉末としてCVD法で作成された市販のNi粉(SEMで求めた粒径が0.05〜1.0μm)と、共材として市販の平均粒径0.1μmのBaTiO3と、ステアリル基とポリエチレングリコール部位とを有するカルボキシエステル構造をもちかつそのHLB価が13.5のものを添加、混合し、スリーロールミルを用いて完全分散させ、表3の実施例13〜17に示す組成で導電性ペーストの試料を作成した。なお、粘度は全てブルックフィールド社製B型粘度計を用いて10rpm粘度が20〜50Pa・sになるよう調整した。
(乾燥膜密度の評価)
実施例1と同様にして乾燥膜密度上昇量を求め表3に併せて示した。
【0035】
【表3】
【0036】
実施例18〜19:共材の粒径の効果
(導電性ペーストの製造)
ターピネオール(α、β、γ混合体)を70℃まで加熱し、インペラーで攪拌しながらダウケミカル(株)社製STD−100を所定量まで徐々に加えた。次いでこれに導電性金属粉末としてCVD法で作成された市販のNi粉(SEMで求めた粒径が0.05〜1.5μm)を50重量%となるようにし、共材として市販品を篩い分けして得たBaTiO3と、ステアリル基とポリエチレングリコール部位とを有するカルボキシエステル構造をもちかつそのHLB価が13.5のものを添加、混合し、スリーロールミルを用いて完全分散させ、表4の実施例18〜19に示す組成で導電性ペーストの試料を作成した。なお、粘度は全てブルックフィールド社製B型粘度計を用いて10rpm粘度が20〜50Pa・sになるよう調整した。
(乾燥膜密度の評価)
実施例1と同様にして乾燥膜密度上昇量を求め表4に併せて示した。
【0037】
【表4】
【0038】
実施例20〜23:金属粉末量の効果
(導電性ペーストの製造)
ターピネオール(α、β、γ混合体)を70℃まで加熱し、インペラーで攪拌しながらダウケミカル(株)社製STD−100を所定量まで徐々に加えた。次いでこれに導電性金属粉末としてCVD法で作成された市販のNi粉(SEMで求めた粒径が0.05〜1.0μm)と、共材として市販の平均粒径0.1μmのBaTiO3と、ステアリル基とポリエチレングリコール部位とを有するカルボキシエステル構造をもちかつそのHLB価が13.5のものを添加、混合し、スリーロールミルを用いて完全分散させ、表5の実施例20〜23に示す組成で導電性ペーストの試料を作成した。なお、粘度は全てブルックフィールド社製B型粘度計を用いて10rpm粘度が20〜50Pa・sになるよう調整した。
(乾燥膜密度の評価)
実施例1と同様にして乾燥膜密度上昇量を求め表5に併せて示した。
【0039】
【表5】
【0040】
実施例24〜25:金属粉末の粒径の効果
(導電性ペーストの製造)
ターピネオール(α、β、γ混合体)を70℃まで加熱し、インペラーで攪拌しながらダウケミカル(株)社製STD−100を所定量まで徐々に加えた。次いでこれに導電性金属粉末としてCVD法で作成された市販品を篩い分けして得たNi粉を50重量%となるようにし、共材として市販の平均粒径0.1μmのBaTiO3と、ステアリル基とポリエチレングリコール部位とを有するカルボキシエステル構造をもちかつそのHLB価が13.5のものを添加、混合し、スリーロールミルを用いて完全分散させ、表6の実施例24〜25に示す組成で導電性ペーストの試料を作成した。なお、粘度は全てブルックフィールド社製B型粘度計を用いて10rpm粘度が20〜50Pa・sになるよう調整した。
(乾燥膜密度の評価)
実施例1と同様にして乾燥膜密度上昇量を求め表6に併せて示した。
【0041】
【表6】
【0042】
実施例26〜29:金属粉末の種類の効果
(導電性ペーストの製造)
ターピネオール(α、β、γ混合体)を70℃まで加熱し、インペラーで攪拌しながらダウケミカル(株)社製STD−100を所定量まで徐々に加えた。次いでこれに導電性金属粉末としてAg、Pd、Cu、Ag/Pd各粉(SEMで求めた粒径が0.01〜2.0μmに入るもの)を50.0重量%になるようにし、共材として市販のSEMで求めた粒径が0.05〜1.0μmのBaTiO3と、ステアリル基とポリエチレングリコール部位とを有するカルボキシエステル構造をもちかつそのHLB価が13.5のものを添加、混合し、スリーロールミルを用いて完全分散させ、表7の実施例26〜29に示す組成で導電性ペーストの試料を作成した。なお、粘度は全てブルックフィールド社製B型粘度計を用いて10rpm粘度が20〜50Pa・sになるよう調整した。
(乾燥膜密度の評価)
実施例1と同様にして乾燥膜密度上昇量を求めたところ実施例1と同様であった。
【0043】
【表7】
【0044】
比較例1〜2:有機添加剤の添加量の効果
(導電性ペーストの製造)
ターピネオール(α、β、γ混合体)を70℃まで加熱し、インペラーで攪拌しながらダウケミカル(株)社製STD−100を所定量まで徐々に加えた。次いでこれに導電性金属粉末としてCVD法で作成された市販のNi粉(SEMで求めた粒径が0.05〜1.0μm)と、共材として市販のSEMで求めた粒径が0.05〜1.0μmのBaTiO3と、ステアリル基とポリエチレングリコール部位とを有するカルボキシエステル構造をもちかつそのHLB価が13.5のものを添加、混合し、スリーロールミルを用いて完全分散させ、表8の比較例1〜2に示す組成で導電性ペーストの試料を作成した。なお、粘度は全てブルックフィールド社製B型粘度計を用いて10rpm粘度が20〜50Pa・sになるよう調整した。
(乾燥膜密度の評価)
実施例1と同様にして乾燥膜密度上昇量を求め表8に併せて示した。
【0045】
【表8】
比較例1の試料では、導電性ペーストが経時的粘度上昇を引き起こし、使用上、印刷不良といった。
【0046】
比較例3〜4:有機添加剤のHLB価の効果
(導電性ペーストの製造)
ターピネオール(α、β、γ混合体)を70℃まで加熱し、インペラーで攪拌しながらダウケミカル(株)社製STD−100を所定量まで徐々に加えた。次いでこれに導電性金属粉末としてCVD法で作成された市販のNi粉(SEMで求めた粒径が0.05〜1.0μm)と、共材として市販の平均粒径0.1μmのBaTiO3と、ステアリル基とポリエチレングリコール部位とを有するカルボキシエステル構造をもちかつそのHLB価が11.0〜16.0の範囲外のものを添加、混合し、スリーロールミルを用いて完全分散させ、表9の比較例3〜4に示す組成で導電性ペーストの試料を作成した。なお、粘度は全てブルックフィールド社製B型粘度計を用いて10rpm粘度が20〜50Pa・sになるよう調整した。
(乾燥膜密度の評価)
実施例1と同様にして乾燥膜密度上昇量を求め表9に併せて示した。
【0047】
【表9】
【0048】
比較例5〜6:共材量の効果
(導電性ペーストの製造)
ターピネオール(α、β、γ混合体)を70℃まで加熱し、インペラーで攪拌しながらダウケミカル(株)社製STD−100を所定量まで徐々に加えた。次いでこれに導電性金属粉末としてCVD法で作成された市販のNi粉(SEMで求めた粒径が0.05〜1.0μm)と、共材として市販の平均粒径0.1μmのBaTiO3と、ステアリル基とポリエチレングリコール部位とを有するカルボキシエステル構造をもちかつそのHLB価が13.5のものを添加、混合し、スリーロールミルを用いて完全分散させ、表10の比較例5〜6に示す組成で導電性ペーストの試料を作成した。なお、粘度は全てブルックフィールド社製B型粘度計を用いて10rpm粘度が20〜50Pa・sになるよう調整した。
(乾燥膜密度の評価)
実施例1と同様にして乾燥膜密度上昇量を求め表10に併せて示した。
【0049】
【表10】
比較例5・6の試料では、共にNi粉末が島状になり、均一な膜が得られなかった。
【0050】
比較例7〜8:共材の粒径の効果
(導電性ペーストの製造)
ターピネオール(α、β、γ混合体)を70℃まで加熱し、インペラーで攪拌しながらダウケミカル(株)社製STD−100を所定量まで徐々に加えた。次いでこれに導電性金属粉末としてCVD法で作成された市販のNi粉(SEMで求めた粒径が0.05〜1.5μm)を50重量%となるようにし、共材として市販品を篩い分けして得たBaTiO3と、ステアリル基とポリエチレングリコール部位とを有するカルボキシエステル構造をもちかつそのHLB価が13.5のものを添加、混合し、スリーロールミルを用いて完全分散させ、表11の比較例7〜8に示す組成で導電性ペーストの試料を作成した。なお、粘度は全てブルックフィールド社製B型粘度計を用いて10rpm粘度が20〜50Pa・sになるよう調整した。
(乾燥膜密度の評価)
実施例1と同様にして乾燥膜密度上昇量を求め表11に併せて示した。
【0051】
【表11】
比較例7・8の試料では、共にNiが島状になり均一に分散していなかった。
【0052】
比較例9〜10:金属粉末量の効果
(導電性ペーストの製造)
ターピネオール(α、β、γ混合体)を70℃まで加熱し、インペラーで攪拌しながらダウケミカル(株)社製STD−100を所定量まで徐々に加えた。次いでこれに導電性金属粉末としてCVD法で作成された市販のNi粉(SEMで求めた粒径が0.05〜1.0μm)と、共材として市販の平均粒径0.1μmのBaTiO3と、ステアリル基とポリエチレングリコール部位とを有するカルボキシエステル構造をもちかつそのHLB価が13.5のものを添加、混合し、スリーロールミルを用いて完全分散させ、表12の比較例9〜10に示す組成で導電性ペーストの試料を作成した。なお、粘度は全てブルックフィールド社製B型粘度計を用いて10rpm粘度が20〜50Pa・sになるよう調整した。
(乾燥膜密度の評価)
実施例1と同様にして乾燥膜密度上昇量を求め表12に併せて示した。
【0053】
【表12】
比較例9の試料ではNiが島状となり緻密な乾燥膜が得られず、比較例10の試料では均一な薄膜とは言い難い乾燥膜しか得られなかった。
【0054】
以上の実施例、比較例より明らかなように、カルボキシエステル構造の有機添加剤を用いると、添加剤の無いものに比較して最大約0.3(g/cm3)の乾燥膜密度の上昇を実現することができる。
【0055】
【発明の効果】
以上詳細に説明したとおり、本発明を適用する積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペースト組成物は、カルボキシエステル構造の有機添加剤が添加されているから、導電性ペーストの乾燥膜密度が向上する。この有機添加剤の使用により、少ない金属塗布量でより高い焼成膜連続性を確保し、内部電極の薄層化に対応できる積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペーストを提供することができる。
Claims (5)
- 積層セラミックコンデンサの誘電体シートに内部電極を形成するための導電性ペースト組成物であって、
Pd、Ag、Ni、Cuから選ばれる金属粉末または/および合金粉末からなる導電性粉末と、該誘電体シートを構成する材料と共通成分を含む共材と、有機バインダとを含み、
該有機バインダが、エチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルブチラール、アクリル系ポリマーから選ばれる樹脂と、有機溶剤と、ステアリル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、オレイル基から選ばれる親油基およびポリエチレングリコール部位を有するカルボキシエステル構造の有機添加剤とから構成されていることを特徴とする導電性ペースト組成物。 - 前記有機添加剤のカルボキシエステル構造がステアリル基およびポリエチレングリコール部位を有することを特徴とする請求項1に記載の導電性ペースト組成物。
- HLBが11.0〜16.0である前記有機添加剤を、ペースト中に0.01〜5.00重量%の割合で含むことを特徴とする請求項2に記載の導電性ペースト組成物。
- 前記導電性微粉末の平均粒径が0.05〜2.0μmであることを特徴とする請求項1、2または3に記載の導電性ペースト組成物。
- BaTiO3を含むグリーンシートからなる該誘電体シートに電極を形成するための導電性ペースト組成物であって、前記共材は、主要成分がBaTiO3、平均粒径が0.01〜2.0μm、ペースト中含有量が1〜30重量%であることを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の導電性ペースト組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002367859A JP2004200449A (ja) | 2002-12-19 | 2002-12-19 | 積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペースト組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002367859A JP2004200449A (ja) | 2002-12-19 | 2002-12-19 | 積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペースト組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004200449A true JP2004200449A (ja) | 2004-07-15 |
Family
ID=32764614
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002367859A Pending JP2004200449A (ja) | 2002-12-19 | 2002-12-19 | 積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペースト組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004200449A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103545018A (zh) * | 2013-10-25 | 2014-01-29 | 江苏惠星新能源科技有限公司 | 一种太阳能用背银浆料及其制备方法 |
KR20170037988A (ko) | 2014-07-31 | 2017-04-05 | 스미토모 긴조쿠 고잔 가부시키가이샤 | 적층 세라믹 콘덴서 내부 전극용 페이스트 및 적층 세라믹 콘덴서 |
JP2018125433A (ja) * | 2017-02-01 | 2018-08-09 | 住友金属鉱山株式会社 | 内部電極用ペーストとその製造方法、及び積層セラミックコンデンサ |
JP2021057352A (ja) * | 2015-07-24 | 2021-04-08 | 住友金属鉱山株式会社 | ニッケルペースト及びニッケルペーストの製造方法 |
CN113290237A (zh) * | 2021-04-08 | 2021-08-24 | 广东工业大学 | 一种常温成型的纳米导电金属膏与制备方法和应用 |
CN113823437A (zh) * | 2021-09-28 | 2021-12-21 | 大连海外华昇电子科技有限公司 | 一种用于mlcc凹版印刷工艺的辊印浆料及其制备工艺 |
CN114694898A (zh) * | 2022-06-01 | 2022-07-01 | 西北工业大学 | 一种mlcc镍内电极浆料的制备方法 |
WO2024192552A1 (en) * | 2023-03-17 | 2024-09-26 | Eastman Chemical (China) Co., Ltd. | Conductive paste compositions |
-
2002
- 2002-12-19 JP JP2002367859A patent/JP2004200449A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103545018A (zh) * | 2013-10-25 | 2014-01-29 | 江苏惠星新能源科技有限公司 | 一种太阳能用背银浆料及其制备方法 |
KR20170037988A (ko) | 2014-07-31 | 2017-04-05 | 스미토모 긴조쿠 고잔 가부시키가이샤 | 적층 세라믹 콘덴서 내부 전극용 페이스트 및 적층 세라믹 콘덴서 |
JP2021057352A (ja) * | 2015-07-24 | 2021-04-08 | 住友金属鉱山株式会社 | ニッケルペースト及びニッケルペーストの製造方法 |
JP7207391B2 (ja) | 2015-07-24 | 2023-01-18 | 住友金属鉱山株式会社 | ニッケルペースト及びニッケルペーストの製造方法 |
JP2018125433A (ja) * | 2017-02-01 | 2018-08-09 | 住友金属鉱山株式会社 | 内部電極用ペーストとその製造方法、及び積層セラミックコンデンサ |
JP7064684B2 (ja) | 2017-02-01 | 2022-05-11 | 住友金属鉱山株式会社 | 内部電極用ペーストとその製造方法、及び積層セラミックコンデンサ |
CN113290237A (zh) * | 2021-04-08 | 2021-08-24 | 广东工业大学 | 一种常温成型的纳米导电金属膏与制备方法和应用 |
CN113823437A (zh) * | 2021-09-28 | 2021-12-21 | 大连海外华昇电子科技有限公司 | 一种用于mlcc凹版印刷工艺的辊印浆料及其制备工艺 |
CN113823437B (zh) * | 2021-09-28 | 2023-02-14 | 大连海外华昇电子科技有限公司 | 一种用于mlcc凹版印刷工艺的辊印浆料及其制备工艺 |
CN114694898A (zh) * | 2022-06-01 | 2022-07-01 | 西北工业大学 | 一种mlcc镍内电极浆料的制备方法 |
WO2024192552A1 (en) * | 2023-03-17 | 2024-09-26 | Eastman Chemical (China) Co., Ltd. | Conductive paste compositions |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6531541B2 (ja) | 導電性ペースト | |
WO2017150438A1 (ja) | 導電性ペースト、電子部品及び積層セラミックコンデンサ | |
WO2019220667A1 (ja) | 導電性ペースト、電子部品及び積層セラミックコンデンサ | |
CN106575574B (zh) | 叠层陶瓷电容器内部电极用膏体及叠层陶瓷电容器 | |
JP7059636B2 (ja) | 導電性ペースト及びその乾燥膜並びに該乾燥膜を焼成してなる内部電極及び該内部電極を有する積層セラミックコンデンサ | |
JP4930808B2 (ja) | 導電性ペースト | |
CN113168930A (zh) | 导电性糊剂 | |
JP2004200449A (ja) | 積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペースト組成物 | |
WO2020067362A1 (ja) | 導電性ペースト、電子部品、及び積層セラミックコンデンサ | |
TWI838578B (zh) | 導電性糊及使用其的電子零件的製造方法 | |
JP3642000B2 (ja) | 導電性厚膜ペーストの製造方法,導電性厚膜ペーストおよび積層セラミック電子部品 | |
JP2009170242A (ja) | 積層セラミックコンデンサ内部電極用水性導電性ペースト組成物 | |
JPWO2019188775A1 (ja) | 導電性ペースト、電子部品、及び積層セラミックコンデンサ | |
JP2018109232A (ja) | 接合材及びそれを用いた接合方法 | |
JP5630363B2 (ja) | 導電性ペーストおよびその製造方法 | |
JP4161472B2 (ja) | 導電性厚膜ペーストおよびその製造方法ならびにこれを用いた積層セラミックコンデンサ | |
JPWO2020166361A1 (ja) | 導電性ペースト、電子部品及び積層セラミックコンデンサ | |
JP6637097B2 (ja) | 導電性ペースト | |
JP2004220807A (ja) | 導電性ペースト組成物及びそれを用いた積層セラミックコンデンサ | |
JP7147582B2 (ja) | 導電性ペーストの製造方法 | |
JP2002255657A (ja) | セラミックスラリー、セラミックグリーンシートおよび積層セラミック電子部品 | |
TWI696508B (zh) | 鎳糊及鎳糊之製造方法 | |
JP7559489B2 (ja) | 導電性ペースト、電子部品、及び、積層セラミックコンデンサ | |
JP7119454B2 (ja) | 有機ビヒクルの製造方法、及び、導電性ペーストの製造方法 | |
JP2002020570A (ja) | 焼成型ペースト用アクリル系バインダー樹脂組成物 |