JP4549034B2 - ニッケル粉の製造方法及び積層セラミックコンデンサの製造方法 - Google Patents

ニッケル粉の製造方法及び積層セラミックコンデンサの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はニッケル粉の製造方法及び積層セラミックコンデンサの製造方法に関し、より詳しくは、凝集が少なく単分散状態に近いので、導電ペーストの調製において有機ビヒクル中での分散性が優れており、更に粒度分布がシャープであるので薄くて突起のない内部電極の形成に用いる導電ペーストの調製に適しており、ペースト化した後に得られる乾燥膜の密度が高く且つRaが小さく、積層セラミックコンデンサの製造に好適に用いることができるニッケル粉の製造方法及び積層セラミックコンデンサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリオール法でニッケル塩粉体又はニッケル水酸化物粉体を還元してニッケル粉を製造した場合には、高純度、高結晶、均一一次粒径のニッケル粉が得られることは公知である(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、一般に、乾式反応もしくは湿式反応により製造されたままの状態の金属粉は程度の差はあっても何れも凝集しており、ニッケル粉においても、この凝集の問題は大きく、特に導電ペーストの調製の際には有機ビヒクル中への分散性が重要なポイントであり、凝集のより少ない、いわゆるできるだけ単分散状態に近いニッケル粉が求められている。
【0004】
【特許文献1】
特公平4−24402号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ポリオール法で得られるニッケル粉は一次粒子同士が強固に凝集して二次粒子を形成しているので、そのままではペースト化が困難であり、またニッケル粉をペースト化した後に得られる乾燥膜の密度が低く、Raも悪い傾向がある。
【0006】
本発明は、凝集が少なく単分散状態に近いので、導電ペーストの調製において有機ビヒクル中での分散性が優れており、更に粒度分布がシャープであるので薄くて突起のない内部電極の形成に用いる導電ペーストの調製に適しており、ペースト化した後に得られる乾燥膜の密度が高く且つRaが小さく、積層セラミックコンデンサの製造に好適に用いることができるニッケル粉の製造方法及び積層セラミックコンデンサの製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、ポリオール法で製造したニッケル粉を湿式解砕法又は乾式解砕法による解砕処理を実施するか、又は振動流動乾燥機を用いることにより、ペースト化が容易であり、ペースト化した後に得られる乾燥膜の密度が高く且つRaが小さく、積層セラミックコンデンサの製造に好適に用いることのできる単分散ニッケル粉が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明のニッケル粉の製造方法は、貴金属化合物触媒及び分散剤を含有するポリオール中に、ニッケル塩粉体及びニッケル水酸化物粉体からなる群より選ばれる粉体を懸濁させ、該粉体をニッケル粉に還元するのに十分な温度に加熱してニッケル粉を生成させ、生成した凝集ニッケル粉を解砕処理して単分散化することを特徴とする。
【0009】
また、本発明のニッケル粉の製造方法は、貴金属化合物触媒及び分散剤を含有するポリオール中に、ニッケル塩粉体及びニッケル水酸化物粉体からなる群より選ばれる粉体を懸濁させ、該粉体をニッケル粉に還元するのに十分な温度に加熱してニッケル粉を生成させ、生成した凝集ニッケル粉を、沸点が100℃以下の有機溶媒又は該有機溶媒と水との混合溶媒で洗浄し、ボールを充填した振動乾燥機中で乾燥することを特徴とする。
更に、本発明の積層セラミックコンデンサの製造方法は、上記のニッケル粉の製造方法でニッケル粉を製造し、該ニッケル粉を用いて導電ペーストを調製し、該導電ペーストを用いて乾燥膜の密度が4.8g/cm 3 以上であり且つRaが0.20μm以下である内部電極を形成することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法で用いることのできる貴金属化合物触媒として、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、酢酸パラジウム、塩化アンモニウムパラジウム、酸化パラジウム等のパラジウム化合物、硝酸銀、乳酸銀、酸化銀、硫酸銀、シクロヘキサン酸銀、酢酸銀等の銀化合物、塩化白金酸、塩化白金酸カリウム、塩化白金酸ナトリウム等の白金化合物、塩化金酸、塩化金酸ナトリウム等の金化合物等を挙げることができ、コスト、ニッケル粉の純度の観点から、硝酸パラジウム、酢酸パラジウム、酸化パラジウム、硝酸銀、酢酸銀、酸化銀が好ましい。
【0011】
本発明の製造方法で用いることのできる分散剤として、例えばポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、ポリ(2−メチル−2−オキサゾリン)等の含窒素有機化合物や、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。
【0012】
本発明の製造方法で用いることのできるポリオールとして、特公平4−24402号公報に記載されている種々のポリオールを挙げることができ、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、それらの混合物を挙げることができる。本発明の製造方法においては、反応温度において液状のポリオールを用いる。
【0013】
本発明の製造方法で用いるニッケル塩、ニッケル水酸化物として、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、水酸化ニッケル等を挙げることができる。
【0014】
本発明の製造方法においては、反応速度を考慮して、ニッケル塩粉及びニッケル水酸化物粉からなる群より選ばれる粉体が懸濁している懸濁液を、該粉体をニッケル粉に還元するのに十分な温度に加熱する必要がある。この加熱温度は85℃以上であることが好ましく、100℃以上であることが一層好ましい。加熱温度の上限は分散剤の沸点又は分解温度、ポリオールの沸点の内で一番低い温度によって制限される。
【0015】
本発明の製造方法においては、分散剤の沸点又は分解温度が100℃以上であり、上記懸濁液の加熱温度が85℃以上で該分散剤の沸点又は分解温度未満であることが好ましい。
【0016】
本発明の製造方法においては、分散剤の含有量がポリオールの量の0.01質量%以上、好ましくはポリオールの量の0.05〜5質量%であることが好適である。分散剤の含有量がポリオールの量の0.01質量%未満である場合には、本発明で目的としている効果が不十分となる傾向がある。
【0017】
本発明の製造方法においては、解砕処理として、例えば、湿式解砕法又は乾式解砕法を採用することができ、例えば、ニッケル粉を高速で回転している回転部に衝突させて粉砕させる高速回転式衝突粉砕処理、ニッケル粉をビーズ等と共に攪拌して粉砕させるメディア攪拌式粉砕処理、ニッケル粒子のスラリーを高水圧で2方向から衝突させて粉砕させる高水圧式解砕処理、噴流衝合処理等を挙げることができる。
【0018】
そのような処理を実施するための装置の分類として、高速動体衝突式気流型粉砕機、衝撃式粉砕機、ケージミル、媒体攪拌形ミル、軸流ミル、噴流衝合装置等がある。具体的には、スーパーハイブリッドミル(石川島播磨重工製)、ジェットミル(荏原製作所製)、スーパーマスコロイダー(増幸産業製)、ビーズミル(入江商会製)、アルティマイザー(スギノマシン製)、NCミル(石井粉砕機械製作所製)、ディスインテグレータ(大塚鉄工製)、ACMパルベライザ(ホソカワミクロン製)、ターボミル(マツボー製)、スーパーミクロン(ホソカワミクロン製)、マイクロス(奈良機械製)、ニューコスモマイザー(奈良機械製)、ファインビクトルミル(ホソカワミクロン製)、エコプレックス(ホソカワミクロン製)、CFミル(宇部興産製)、ハイブリダイザ(奈良機械製)、ピンミル(アルピネー製)、圧力ホモジナイザ(日本精機製作所製)、ハレルホモジナイザ(国産精工製)、メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン製)、サンドミル(ヨドキャスティング製)等がある。
【0019】
本発明の製造方法においては、上記の諸条件下で実施することにより、凝集が少なく単分散状態に近いので、導電ペーストの調製において有機ビヒクル中での分散性が優れており、更に粒度分布の標準偏差σが0.18以下のシャープな粒度分布であるので薄くて突起のない内部電極の形成に用いる導電ペーストの調製に適しており、ペースト化した後に得られる乾燥膜の密度を4.8g/cm以上にでき、且つRaを0.20μm以下にでき、積層セラミックコンデンサの製造に好適に用いることができる単分散ニッケル粉を製造することができる。
【0020】
次に、積層セラミックコンデンサ用導電ペーストの好ましい製造方法及び積層セラミックコンデンサの製造方法について述べる。
積層セラミックコンデンサ用導電ペーストは、本発明の製造方法で得られるニッケル粉、樹脂、溶剤等で構成され、更に必要により分散剤、焼結抑制剤等を含有することができる。具体的には、樹脂としてエチルセルロース等のセルロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール等のビニル系の非硬化型樹脂、エポキシ、アクリル等の好ましくは過酸化物を併用した熱硬化性樹脂等を用いることができる。また、溶剤として、テルピネオール、テトラリン、ブチルカルビトール、カルビトールアセテート等を単独で又は混合して用いることができる。また、このペーストには必要に応じてガラスフリットを加えてもよい。本発明の積層セラミックコンデンサ用導電ペーストは以上の原料をボールミル、三本ロール等の混合用機械を用いて混合攪拌することにより得られる。このような導電ペーストを用いて積層セラミックコンデンサを製造する方法は周知である。
【0021】
【実施例】
以下に実施例及び比較例に基づいて本発明を具体的に説明する。
実施例1
50Lのタンクにエチレングリコール(三井化学株式会社製)30Kg及び分散剤としてポリビニルピロリドンK30(和光純薬工業株式会社製)0.81Kgを加え、小型攪拌機を用いて回転数350rpmで攪拌してポリビニルピロリドンK30を溶解させた(この溶液を便宜上、溶液Aと記す)。
【0022】
次に、溶液Aに、水酸化ニッケル(OM Group社製)16.28Kg及び100g/Lに調製した硝酸パラジウム溶液(田中貴金属工業株式会社製)10.6mLを添加した(この溶液を便宜上、溶液Bと記す)。この溶液Bを200Lの反応槽へ送液し、更にエチレングリコール152.9Kgを添加し、190℃まで加温した。昇温に伴い、反応槽内の液色が緑色から黒色へと変化した。なお、副生成する水及び有機物等は留去ラインで留出させた。190℃に到達後、1時間ごとにサンプリングを行い、反応の進行状態をXRDで確認した。5時間で完全に還元されてニッケル粉が生成していることが確認された。
【0023】
反応終了後、室温まで降温させ、磁選機を用いて上澄みをカットし、濃度80質量%のスラリーを得た。このスラリーを70Lのタンクに入れ、純水30Lを加えて強撹拌した後、磁選機を用いて上澄みをカットした。この操作を2回行った。
【0024】
得られたスラリーに純水を加えて濃度10質量%に調整した。湿式微粒化装置(アルティマイザーシステム:スギノマシン製)を使用し、圧力245MPaの条件で解砕処理を行った。
【0025】
解砕処理した後に80℃で5時間乾燥させて得られたニッケル微粒子のSEM観察による平均一次粒径(1次粒子の平均粒径)は0.3μmであった。また、粒度分布をレーザー回折散乱式粒度分布測定装置X100(マイクロトラック社製)で測定した結果、D10が0.29μm、D50が0.38μm、D90が0.55μm、及びDmaxは0.97μmであり、粒度分布の標準偏差(σ)は0.098であった。また、真比重は8.61g/cm、タップ密度は3.8g/cm、及び比表面積は2.58m/gであった。
【0026】
このニッケル粉50g、エチルセルロース2.5g及びターピネオール47.5gを混合し、3本ロールで混練してペースト化した。塗工機で成膜した後、80℃で乾燥させた。得られた乾燥膜の密度は5.23g/cmであり、Raは0.12μmであった。
【0027】
実施例2
反応操作までは実施例1と同一の操作を実施してニッケル粉を生成させた。
反応終了後、室温まで降温させ、磁選機を用いて上澄みをカットし、濃度80質量%のスラリーを得た。このスラリーを70Lのタンクに加え、純水30Lを加えて強撹拌した後、磁選機を用いて上澄みをカットした。この操作を2回行った。
得られたスラリーを80℃で5時間乾燥してニッケル粉を得た。得られたニッケル粉をハイブリダイザー(奈良機械製作所製)を用いて解砕処理した。
【0028】
解砕処理した後、ニッケル微粒子のSEM観察による平均一次粒径(1次粒子の平均粒径)は0.3μmであった。また、粒度分布をレーザー回折散乱式粒度分布測定装置X100(マイクロトラック社製)で測定した結果、D10が0.29μm、D50が0.41μm、D90が0.64μm、及びDmaxは1.38μmであり、粒度分布の標準偏差(σ)は0.133であった。また、真比重は8.71g/cm、タップ密度は3.5g/cm、及び比表面積は2.89m/gであった。
【0029】
このニッケル粉50g、エチルセルロース2.5g及びターピネオール47.5gを混合し、3本ロールで混練してペースト化した。塗工機で成膜した後、80℃で乾燥させた。得られた乾燥膜の密度は5.02g/cmであり、Raは0.13μmであった。
【0030】
実施例3
反応操作までは実施例1と同一の操作を実施してニッケル粉を生成させた。
反応終了後、室温まで降温させ、磁選機を用いて上澄みをカットし、濃度80質量%のスラリーを得た。このスラリーを70Lのタンクに入れ、純水30Lを加え、強撹拌した後、磁選機を用いて上澄みをカットした。この操作を2回行った。
【0031】
このスラリーを70Lのタンクに入れ、さらにメタノール30Lを加え、強撹拌を行った。この操作を2回行った。
得られたスラリーを洗浄した後、濃度を60質量%に調整し、ボールを充填させた振動流動乾燥機(中央化工機製)を用いて80℃で5時間の条件で乾燥させた。
【0032】
得られたニッケル微粒子のSEM観察による平均一次粒径(1次粒子の平均粒径)は0.3μmであった。また、粒度分布をレーザー回折散乱式粒度分布測定装置X100(マイクロトラック社製)で測定した結果、D10が0.30μm、D50が0.43μm、D90が0.66μm、及びDmaxは1.38μmであり、粒度分布の標準偏差(σ)は0.140であった。また、真比重は8.65g/cm、タップ密度は3.4g/cm、及び比表面積は2.69m/gであった。
【0033】
このニッケル粉50g、エチルセルロース2.5g及びターピネオール47.5gを混合し、3本ロールで混練してペースト化した。塗工機で成膜した後、80℃で乾燥させた。得られた乾燥膜の密度は4.91g/cmであり、Raは0.18μmであった。
【0034】
比較例1
湿式解砕処理を実施しなかった以外は実施例1と同様な操作を実施してニッケル粉を生成させた。
80℃で5時間乾燥させた後、粒度分布をレーザー回折散乱式粒度分布測定装置X100(マイクロトラック社製)で測定した結果、D10が0.38μm、D50が0.68μm、D90が1.10μm、及びDmaxは2.75μmであり、標準偏差(σ)は0.270であった。また、真比重は8.60g/cm、タップ密度は3.0g/cm、及び比表面積は2.48m/gであった。
【0035】
このニッケル粉50g、エチルセルロース2.5g及びターピネオール47.5gを混合し、3本ロールで混練してペースト化した。塗工機で成膜した後、80℃で乾燥させた。得られた乾燥膜の密度は4.17g/cmであり、Raは0.89μmであった。
【0036】
比較例2
乾式解砕処理を実施しなかった以外は実施例2と同様な操作を実施してニッケル粉を生成させた。
80℃で5時間乾燥させた後、粒度分布をレーザー回折散乱式粒度分布測定装置X100(マイクロトラック社製)で測定した結果、D10が0.35μm、D50が0.69μm、D90が1.26μm、及びDmaxは5.50μmであり、標準偏差(σ)は0.346であった。また、真比重は8.71g/cm、タップ密度は2.9g/cm、及び比表面積は2.75m/gであった。
【0037】
このニッケル粉50g、エチルセルロース2.5g及びターピネオール47.5gを混合し、3本ロールで混練してペースト化した。塗工機で成膜した後、80℃で乾燥させた。得られた乾燥膜の密度は4.02g/cmであり、Raは1.15μmであった。
【0038】
比較例3
メタノールによる処理を実施しなかった以外は実施例3と同様な操作を実施してニッケル粉を生成させた。
80℃で5時間乾燥させた後、粒度分布をレーザー回折散乱式粒度分布測定装置X100(マイクロトラック社製)で測定した結果、D10が0.48μm、D50が0.84μm、D90が1.31μm、及びDmaxは3.27μmであり、標準偏差(σ)は0.314であった。また、真比重は8.64g/cm、タップ密度は2.8g/cm、及び比表面積は2.57m/gであった。
【0039】
このニッケル粉50g、エチルセルロース2.5g及びターピネオール47.5gを混合し、3本ロールで混練してペースト化した。塗工機で成膜した後、80℃で乾燥させた。得られた乾燥膜の密度は4.11g/cmであり、Raは1.21μmであった。
【0040】
上記の実施例、比較例のデータから明らかなように、解砕処理等を実施しなかった比較例1〜3の場合には、凝集があるので、標準偏差σが大きく、粒度分布はブロードであり、ペースト化した後に得られる乾燥膜の密度が小さく、Raが大きい。
【0041】
これに対して、実施例1〜3の本発明の製造方法では、凝集が少なく単分散状態に近く、粒度分布の標準偏差σが0.18以下のシャープな粒度分布であり、ペースト化した後に得られる乾燥膜の密度が4.8g/cm以上であり、且つRaが0.20μm以下であり、積層セラミックコンデンサの製造に好適に用いることができる単分散ニッケル粉を製造することができる。
【0042】
【発明の効果】
本発明の製造方法で得られる単分散ニッケル粉は、凝集が少なく単分散状態に近いので、導電ペーストの調製において有機ビヒクル中での分散性が優れており、更に粒度分布の標準偏差σが0.18以下のシャープな粒度分布であるので薄くて突起のない内部電極の形成に用いる導電ペーストの調製に適しており、ペースト化した後に得られる乾燥膜の密度を4.8g/cm以上にでき、且つRaを0.20μm以下にでき、積層セラミックコンデンサの製造に好適に用いることができる単分散ニッケル粉である。

Claims (5)

  1. 貴金属化合物触媒及び分散剤を含有するポリオール中に、ニッケル塩粉体及びニッケル水酸化物粉体からなる群より選ばれる粉体を懸濁させ、該粉体をニッケル粉に還元するのに十分な温度に加熱してニッケル粉を生成させ、生成した凝集ニッケル粉を解砕処理して単分散化することを特徴とするニッケル粉の製造方法。
  2. 解砕処理を湿式解砕法又は乾式解砕法で実施する請求項1記載のニッケル粉の製造方法。
  3. 貴金属化合物触媒及び分散剤を含有するポリオール中に、ニッケル塩粉体及びニッケル水酸化物粉体からなる群より選ばれる粉体を懸濁させ、該粉体をニッケル粉に還元するのに十分な温度に加熱してニッケル粉を生成させ、生成した凝集ニッケル粉を、沸点が100℃以下の有機溶媒又は該有機溶媒と水との混合溶媒で洗浄し、ボールを充填した振動乾燥機中で乾燥することを特徴とするニッケル粉の製造方法。
  4. 粒度分布の標準偏差σが0.18以下である単分散ニッケル粉を製造する請求項1〜3の何れかに記載のニッケル粉の製造方法。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載のニッケル粉の製造方法でニッケル粉を製造し、該ニッケル粉を用いて導電ペーストを調製し、該導電ペーストを用いて乾燥膜の密度4.8g/cm3 以上であり且つRa0.20μm以下である内部電極を形成することを特徴とする積層セラミックコンデンサの製造方法
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