JPWO2006001395A1 - エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明はその硬化物において高い耐熱性を有するエポキシ樹脂に関するものであり、従来の高耐熱性エポキシ樹脂に比べ、密着性や靭性において改善されたエポキシ樹脂を提供することを目的とする。【解決手段】(a)フェノール類とグリオキサールの縮合物であって、式(1)【化1】(式中、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜15の炭化水素基またはトリフルオロメチル基を表す。)で表される化合物を80%(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる面積%)以上含有するフェノール類縮合物と(b)(a)以外のフェノール類、あるいはフェノール樹脂の混合物をグリシジル化して得られるエポキシ樹脂。

Description

本発明は高信頼性半導体封止用に代表される電気・電子部品絶縁材料用、及び積層板(プリント配線板)やCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を始めとする各種電気・電子材料、成型材料、注型材料、積層材料、塗料、接着剤、レジスト、光学材料などの広範囲の用途に有用なエポキシ樹脂、これを含むエポキシ樹脂組成物及びその硬化物に関するものである。
エポキシ樹脂は種々の硬化剤で硬化させることにより、一般的に機械的性質、耐水性、耐薬品性、耐熱性、電気的性質などに優れた硬化物となり、接着剤、塗料、積層板、成形材料、注型材料などの幅広い分野に利用されている。
エポキシ樹脂としては常温で液状のものや軟化点50〜100℃程度のものが一般的に用いられている。近年前記分野のエポキシ樹脂やその硬化物においては、高純度化を始め耐熱性、耐湿性、密着性、低誘電性、速硬化性、難燃性、高靭性等、諸特性の一層の向上が求められている。中でも電気・電子産業、自動車、宇宙航空分野等の利用分野の高度化により、より一層の耐熱性、耐湿性、高靭性が強く要請されている。
さらにエポキシ樹脂を使用する上での問題点として、その貯蔵安定性が挙げられる。すなわち、エポキシ樹脂の使用方法としては硬化剤等と別々に保管しておき、使用時に混合する二液型と、はじめから硬化剤などと混合した状態で保管する一液型がある。一液型のほうが作業性の面では有利であるが、貯蔵時にエポキシ樹脂と硬化剤が徐々に反応してしまい、液状組成物の場合は粘度が、固形組成物の場合は流動性などが変化してしまうといった問題が指摘されている。
また近年その硬化条件の簡便さ、作業性から感光性樹脂組成物が多く使用されるようになっている。しかしながら単純に光で硬化させるだけではその耐湿性、耐熱性の低さから電気・電子材料に求められる高度な信頼性を達成できず、近年特に光・熱硬化性樹脂が注目されている。例えばソルダーレジストや穴埋めインキ、オーバーコート、各種接着剤等の分野においてはその成分にエポキシ樹脂を添加し、光で一次硬化させた後、さらに加熱して二次硬化させることを特徴とするエポキシ樹脂組成物が使用されてきている。このような分野においては二次硬化までのエポキシ樹脂の保存安定性が重要となる。このようなことからも結晶性エポキシ樹脂が注目されている。
また、一般的に耐熱性の高い硬化物はその代償として耐湿性が低くなる傾向にある。 このようなエポキシ樹脂として結晶性4官能エポキシ樹脂、例えば1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンをグリシジル化したエポキシ樹脂が報告されている(特許文献1)。このエポキシ樹脂は180℃近い融点を有し、これを含有するエポキシ樹脂組成物は、80℃で長時間放置しても経時変化がほとんどなく、貯蔵安定性に優れ、その硬化物の耐熱性が高いことが報告されているがその密着性、靭性等の諸物性については十分でない。
特開2004−43533号公報
本発明はその硬化物において高い耐熱性を有するエポキシ樹脂に関するものであり、従来の高耐熱性エポキシ樹脂に比べ、密着性や靭性において改善されたエポキシ樹脂を提供することを目的とする。
本発明者らは前記のような特性を持つエポキシ樹脂を開発すべく鋭意研究の結果、本発明を完成した。
即ち、本発明は、
(1)(a)フェノール類とグリオキサールの縮合物であって、式(1)
Figure 2006001395
(式中、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜15の炭化水素基またはトリフルオロメチル基を表す。)で表される化合物を80%(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる面積%)以上含有するフェノール類縮合物と(b)(a)以外のフェノール類、あるいはフェノール樹脂の混合物をグリシジル化して得られるエポキシ樹脂、
(2)成分(b)がフェノールアラルキル樹脂である上記(1)に記載のエポキシ樹脂、
(3)形状が結晶粉末であることを特徴とする上記(1)又は(2)のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂、
(4)融点が80〜170℃である上記(3)に記載のエポキシ樹脂、
(5)成分(a)と成分(b)の混合物全体に対して、成分(b)が占める割合が25重量%以下である上記(1)〜(4)いずれか一項に記載のエポキシ樹脂、
(6)成分(b)がビフェニル型フェノールアラルキル樹脂である上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂、
(7)上記(1)に記載の成分(a)と成分(b)の混合物をエピハロヒドリンでグリシジル化することを特徴とするエポキシ樹脂の製造法、
(8)成分(a)と成分(b)の合計量に対して、成分(a)が65〜95重量%であり、成分(b)が35〜5重量%である混合物をエピハロヒドリンでグリシジル化し、得られた反応液から、エポキシ樹脂結晶を析出させることを特徴とする上記(7)に記載のエポキシ樹脂の製造法、
(9)エポキシ樹脂結晶の析出のために、水を添加することを特徴とする上記(8)に記載のエポキシ樹脂の製造法、
(10)エポキシ樹脂結晶を析出させて得られる結晶分散溶液から、該分散液中に含まれる溶剤類を留去し、エポキシ樹脂結晶を得ることを特徴とする上記(7)〜(9)のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂の製造法、
(11)上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂及び硬化剤を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物、
(12)上記(11)に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化した硬化物、
(13)上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂及びエチレン性不飽和基を有する化合物を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物、
(14)成分(a)と成分(b)の混合物全体に対して、成分(b)が占める割合が35重量%以下である上記(1)〜(4)いずれか一項に記載のエポキシ樹脂、
に関する。
本発明のエポキシ樹脂は、従来のグリオキザールとフェノールの縮合物であるフェノール樹脂をグリシジル化して得られる高耐熱性のエポキシ樹脂と比較し、その硬化物において優れた耐熱性示し、もろさ、耐水性の改善されたエポキシ樹脂である。また、通常のエポキシ樹脂と比較すると、ガラス転移点が向上し、その線膨張率が大幅に低下していることから、耐熱性に優れるエポキシ樹脂であると言える。さらに本発明のエポキシ樹脂は結晶状とすることも可能であり、本発明のエポキシ樹脂を熱硬化性樹脂組成物、あるいは光・熱硬化性樹脂組成物に分散させることで熱安定性に優れたエポキシ樹脂組成物を得ることができる。従って、本発明のエポキシ樹脂組成物は電気・電子材料、成型材料、注型材料、積層材料、塗料、接着剤、レジスト、光学材料などの広範囲の用途にきわめて有用である。
本発明の結晶性エポキシ樹脂は、グリオキザールとフェノール類を縮合してなるフェノール類縮合物であって前記式(1)の化合物の含有割合が80%(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる面積%:より正確に測定したい時には高速液体クロマトグラフィー(274nm)が好ましい)以上、好ましくは95%以上であるフェノール類縮合物(a)と(a)以外のフェノール類、あるいはフェノール樹脂(b)の混合物とエピハロヒドリンとを反応させ、グリシジル化して得ることができる。
本発明において成分(a)と成分(b)の混合比は特に限定されない。好ましい態様の一つとして、該混合物のグリシジル化物を結晶として得る場合が挙げられる。この場合、成分(a)と成分(b)の混合物中(両者の合計量に対する割合)で成分(a)が占める割合が、場合により60重量%以上あればよいが、通常65重量%以上が好ましく、70重量%以上はより好ましい。75重量%以上は非常に好ましく、特に80重量%(以下特に断らない限り、重量%を示す)以上が最も好ましい。従って、成分(b)は、成分(a)と成分(b)の合計量に対して、35%以下、好ましくは25%以下、より好ましくは20%以下である。
成分(a)の上限は、本発明の効果が達成される限り、限定されないが、通常98%以下、より好ましくは95%以下、更に好ましくは92%以下であり、成分(b)の下限は成分(a)の残部となるが、好ましくは2%以上、より好ましくは5%以上であり、更に好ましくは8%以上である。
また、該混合物のグリシジル化物を結晶として得る必要がない場合には、成分(a)と成分(b)の両者の合計量に対する各成分の割合はより幅広く変更することができ、例えば成分(a)は場合により、5%以上であればよく、好ましくは10%以上であればよく、より好ましくは15%以上であり、上限は前記した同じである。成分(b)は下限は上記と同じであるが、上限は例えば95%以下、より好ましくは90%以下であり、更に好ましくは85%以下である。
成分(a)中の一般式(1)においてRはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜15の炭化水素基、トリフルオロメチル基を示す。ここでハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。また、炭素数1〜15の炭化水素基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、シクロヘプチル基、n−オクチル基、シクロオクチル基等の鎖状アルキル基または環状アルキル基、アリル基またはアリール基等が挙げられる。またアリール基としてはフェニル基、ナフチル基、トルイル基等が挙げられる。このうち水素原子、メチル基、アリル基またはtert−ブチル基が好ましい。Rの置換位置は特に限定されないが、水酸基のオルト位またはメタ位をそれぞれ独立してとる。本発明においては式(1)においてRが水素原子である1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンを用いることが好ましい。成分(a)の合成法としては、特許2897850号公報や特許3381819号公報に示される方法を採用することができる。
本発明において(a)以外のフェノール類、あるいはフェノール樹脂(b)はフェノール水酸基を有する化合物であれば特に限定はされず、具体的にはビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノールアラルキル樹脂、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、等が挙げられ、複数のフェノール性水酸基を有するものが好ましく、より好ましくはビスフェノール類及びフェノールアラルキル樹脂である。
(b)の成分として特に好ましいのはフェノールアラルキル樹脂である。フェノールアラルキル樹脂としては例えば芳香環がメチレン結合、イソプロピリデン基、又はエチリデン基を介してフェノール類と結合している分子構造を有する樹脂、具体的にはビフェニル型フェノールアラルキル樹脂、フェニル型フェノールアラルキル樹脂、フルオレニル型フェノールアラルキル樹脂、ナフタレン型フェノールアラルキル樹脂等が挙げられ、下記式(2)で表される化合物が好ましい。
Figure 2006001395
(式中、複数あるRはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜15の炭化水素基、トリフルオロメチル基、Arはフェニル基、ビフェニル基、フルオレニル基、ナフチル基であり、mは1〜4の整数、nは1〜10の整数を表し、繰り返し数の平均は通常0.5〜4.5、好ましくは1.0〜3.0)
式(2)の化合物は、式(2)に対応するフェノール類と下記式
X-CH2-Ar-CH2-X
(式中、Xはハロゲン、アルコキシ、ヒドロキシ、Arは前記式(2)と同じ基を示す)
で表されるビス置換メチルアリル、例えばフェニル、ビフェニル、フルオレニル又はナフチルのビスハロゲノメチル体、ビスアルコキシメチル体、ビスヒドロキシメチル体等(以下単にビス体ともいう)とそれぞれ縮合することで得ることができる。2つの置換メチル基のアリル基上の置換位置は特に限定されないが、アリル基上の4,4’位に置換したもの、即ち4,4’−ビス体が好ましい。ハロゲンとしてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。アルコキシ基としては、上記反応に支障がない限り特に制限はないが、通常C1〜C4程度のアルコキシ基が挙げられる。
一般式(2)においてRはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜15の炭化水素基またはトリフルオロメチル基を示す。炭素数1〜15の炭化水素基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、シクロヘプチル基、n−オクチル基、シクロオクチル基等の鎖状または環状のアルキル基、アリル基またはアリール基等が挙げられる。またアリール基としてはフェニル基、ナフチル基、トルイル基等が挙げられる。このうち水素原子、メチル基、アリル基またはtert−ブチル基が好ましく、特に水素原子が好ましい。Rの置換位置は特に限定されないが、水酸基に対してオルト位またはメタ位が好ましい。nは平均値で0〜10を示し、通常0.5〜4.5、好ましくは1〜3、場合により0〜3.0が好ましい。
フェノールアラルキル樹脂は市販品も入手可能で、具体的には三井化学製XLCシリーズ、明和化成製MEH−7851、大日本インク化学工業製CZ−236K、CZ−256A、CZ−256C等を挙げることができる。また、常法や特開昭63−238129記載の方法等により合成することも出来る。しかしこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂は成分(a)と成分(b)の混合物を、アルカリ金属水酸化物の存在下に、エピブロモヒドリン、エピクロロヒドリン、エピヨードヒドリン等のエピハロヒドリンでグリシジル化して得ることができる。本発明のエポキシ樹脂の製造には、好ましくは前記式(1)の化合物の含有割合が80%(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる面積%)以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上である高純度フェノール類縮合物を原料として使用するのが好ましい。本発明者らの知見によれば、成分(a)と成分(b)をそれぞれ別途にグリシジル化し、それらを混合しエポキシ樹脂混合物とする場合、成分(a)の中の式(1)の化合物の割合が高くなるにつれて、成分(a)はそのグリシジル化反応後、反応溶剤等を留去する際に、結晶が析出する傾向が高く、成分(a)からの溶媒除去等に支障を生ずるが、本発明においては、成分(b)を混合した後グリシジル化することにより、そのような現象はなく、溶媒等の除去もスムースに行うことができ、本発明のエポキシ樹脂は製造上のメリットも大きいものである。
本発明のエポキシ樹脂を得る反応において、アルカリ金属水酸化物は固形物のままでもまた、その水溶液でも、何れでも使用できる。好ましくは固形物である。水溶液を使用する場合は該アルカリ金属水酸化物の水溶液を連続的に反応系内に添加すると共に減圧下、または常圧下連続的に水及びエピハロヒドリンを留出させ、該留出分を分液し水は除去しエピハロヒドリンは反応系内に連続的に戻す方法でもよい。アルカリ金属水酸化物の使用量は成分(a)と成分(b)の混合物の水酸基1モルに対して通常0.5〜2.5モル、好ましくは0.9〜2.5モルである。
また、反応の進行を容易にするため4級アンモニウム塩を触媒として添加することができる。該4級アンモニウム塩としてはテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の、フェニル基を置換基として有してもよいC1−C4アルキルアンモニウムハライド等が挙げられる。4級アンモニウム塩の使用量としては成分(a)と成分(b)の混合物の水酸基1当量に対し通常0.1〜15重量部、好ましくは0.2〜10重量部(以下特に断らない限り、部は重量部を表す)である。
エピハロヒドリンの使用量は成分(a)と成分(b)の混合物の水酸基1モルに対し通常0.5〜20モル、好ましくは0.7〜12モルである。また、場合により0.7〜10モル程度でもよい。使用するエピハロヒドリンとしては工業的にはエピクロロヒドリンが使用しやすい。
本発明のエポキシ樹脂を得る反応において、成分(a)と成分(b)の混合物の流動性を高めるために溶剤中で反応させてもよい。使用できる溶剤としては、アルコール類又は非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。アルコール類としてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノールtert-ブタノールなどのアルコール類、好ましくはC1−C4アルコール、より好ましくはC1−C3アルコールが挙げられる。また、非プロトン性極性溶媒としてはジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の溶媒などが挙げられる。
アルコール類を使用する場合、その使用量はエピハロヒドリンの量に対し通常2〜50重量%、好ましくは4〜30重量%である。また非プロトン性極性溶媒を用いる場合はエピハロヒドリンの量に対し通常5〜100重量%、好ましくは10〜80重量%(以下特に断らない限り、%は重量%を表す)である。
反応温度は通常30〜90℃、好ましくは35〜80℃であり、温度は一定であっても、経時的に変化させてもよい。反応時間は通常0.5〜10時間、好ましくは1〜8時間である。
反応終了後、反応液から生成した塩を取り除くのが好ましい。反応液からの塩の除去は、通常反応液を水洗することにより行うことができる。また、場合により、反応液を室温まで冷却し、塩を析出させた後、ろ過により塩を取り除いてもよい。なお、水洗等の工程では使用した溶剤の一部も除去される。このようにして得られる塩を除去した反応液を便宜上反応液(A)とする。
反応液(A)からの反応生成物の取り出しは、特に限定されないが、下記(1)又は(2)の方法のようにして行うのが好ましい。
反応生成物は、成分(a)の配合量が少ない場合、例えば成分(a)と成分(b)の合計量に対して、75%以下、さらには70%以下、より確実には60%以下程度になると反応生成物は樹脂状で取り出される。成分(a)の配合量が多い場合、例えば、75%以上、さらには80%以上等の場合は、目的に応じて、樹脂状で取り出すこともできれば、また、晶析工程を行い、結晶粉末として取り出すこともできる。
反応生成物の取り出し法(1)(樹脂状での取り出し)
この方法は、上記反応液(A)から、直接エピハロヒドリンや溶媒等を留去することにより、残査として反応生成物を取り出すもので、成分(a)の配合量が少なく、反応生成物の結晶化が困難な場合、又は反応生成物の結晶化が可能であっても、結晶として取り出す必要のない場合などに用いることができる。
上記反応液(A)を水洗後、または水洗無しに加熱減圧下でエピハロヒドリンや溶媒等を除去する。また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、回収したエポキシ樹脂をトルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて反応を行い、閉環を確実なものにすることも出来る。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量はエポキシ化に使用したフェノール樹脂の水酸基1モルに対して通常0.01〜0.3モル、好ましくは0.05〜0.2モルである。反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時間である。
反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、次いで油層から溶剤を留去することにより本発明の樹脂状のエポキシ樹脂が得られる。溶剤の留去は通常加熱減圧下に行うのが好ましく、前記未反応のエピハロヒドリンや溶媒等の留去に準じて行うことができる。
反応生成物の取り出し法(2)(結晶状での取り出し)
前記反応液(A)から目的とするエポキシ樹脂を晶析させるもので、成分(a)の配合量が多い場合、例えば成分(a)と成分(b)の合計量に対して、成分(a)を70%以上、さらには75%以上、より確実には80%以上用いた時、反応生成物を結晶状で取り出すことができる。
晶析方法としては、特に限定はなく、例えば反応混合物をいったん濃縮した後、溶剤を用いて再結晶を行う、あるいは貧溶剤を加え、再沈殿を行うなど種々のそれ自体公知の手法が採用可能であるが、下記する方法を採用するのが好ましい。
グリシジル化反応終了後の反応混合物から本発明の結晶性エポキシ樹脂を晶析させる好ましい方法としては、水溶性極性溶剤を先に添加し、その後該エポキシ樹脂をあまり溶解しない貧溶媒、好ましくは水で結晶を析出させ、濾過により結晶を得る方法(2−1)及び貧溶媒で結晶を析出させ、溶媒の全留去により結晶を得る方法(2−2)に大きく分けることができる。濾過に適した粒度の結晶を得るためには前者の2−1の方法が好ましいが、2−2の方法が好ましい場合もあるので、事情に応じて適宜選択するのが好ましい。
本発明で得られる結晶状エポキシ樹脂の融点は成分(b)の種類や配合量等により一概に言えないが、おおよそ80〜170℃、好ましくは110〜170℃、更に好ましくは120〜165℃の結晶である。高融点結晶を必要とするときには140〜170℃の融点を有するものが好ましい。
なお、本発明において貧溶媒といった場合、本発明のエポキシ樹脂が25℃において、該溶媒に対する溶解度が5%以下、好ましくは1%以下の溶媒を意味する。
結晶での取出し方法2−1
(水溶性極性溶剤と水で結晶を析出後濾過分離する方法)
必要に応じて該反応液(A)から過剰なエピハロヒドリン等を留去した後、若しくは留去すること無しに、反応液(A)に、水溶性極性溶剤を加え、必要に応じて過剰なエピハロヒドリン等の除去、濃縮、冷却を行い、次いで水で、エポキシ樹脂結晶を析出させるものである。
工程1:水溶性極性溶剤の添加及び過剰エピハロヒドリンの除去
まず、必要に応じて反応液(A)から過剰なエピハロヒドリン等の一部の留去を行い若しくは行うこと無しに、反応液(A)に、水溶性極性溶剤を加えて溶液又は懸濁液とする。必要に応じて、該溶剤の添加後若しくは添加前、好ましくは加熱減圧下、過剰なエピハロヒドリン等の留去を行い、結晶がでやすい濃度に濃縮する。
なお、水溶性極性溶剤の添加の前に、あらかじめ過剰なエピハロヒドリン等の一部の留去を行う場合は、好ましくは減圧下に、40〜140℃、好ましくは50〜110℃で、反応液における樹脂濃度が40〜90重量%程度、より好ましくは50〜80重量%になるように行うのが好ましい。
上記用いられる水溶性極性溶剤としてはジメチルスルホキシド、N,N’−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、アセトン、ジグライム、トリグライム等の非プロトン性極性溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、等のアルコール類、が挙げられる。本工程では前記に示した水溶性極性溶剤と共に、必要に応じて他の溶剤についても併用が可能である。併用可能な溶剤としては酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル等のエステル系の有機溶剤、好ましくはC1〜C4有機酸、より好ましくはC2〜C3有機酸のC1〜C4アルコールエステル、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系有機溶剤が挙げられる。通常は特に併用する必要がないときはこれらの溶剤を併用せずに行うのが好ましい。
水溶性極性溶剤の使用量は、理論収量に対し、20〜500重量%、好ましくは50〜300重量%である。他の溶媒を併用するときは、必要に応じて、適宜必要量において併用すればよい。
水溶性極性溶剤としては、高沸点溶剤(HBS)が好ましい。本発明において高沸点溶剤とは原料として過剰に使用したエピハロヒドリンより高沸点の溶剤を意味し、原料として使用するエピハロヒドリンの沸点より30℃以上高いものが好ましい。具体例としては、エピハロヒドリンとしてエピクロロヒドリン(沸点116℃)を使用した場合、これよりも30℃以上沸点の高い溶剤が好適に用いられ、N−メチルピロリドン(202.5℃)、ジメチルホルムアミド(沸点153℃)、ジメチルアセトアミド(沸点165.5℃)等のアミド化合物、ジグライム(162℃)、トリグライム(216℃)、テトラグライム(275℃)等のエーテル類、アノン等のケトン類、ジメチルスルホキシド(沸点189℃)等が挙げられる。HBSを使用した場合、HBSを添加後、加熱減圧下、過剰に存在する若しくは残存するエピクロロヒドリンを留去することで、製品化した際の結晶に含まれるエピクロロヒドリン量を確実に減量できる。 加熱減圧の条件は使用する溶剤により異なるので一概には範囲を特定できないが、通常は減圧度は−0.01MPa〜−0.1MPa程度で、50〜140℃程度、好ましくは50〜110℃程度に加熱し、エピハロヒドリンを留去するのが好ましい。より具体的には、例えばエピハロヒドリンとしてエピクロロヒドリン、HBSとしてジメチルスルホキシドを使用した場合、50〜100℃に加熱し、減圧度は−0.01MPa〜−0.1MPa程度とするのがよい。特にエピハロヒドリンが生成物に残ることは環境への影響から好ましくなく、この時点でできる限りエピハロヒドリンを除去することが好ましい。
工程2:結晶の析出
上記で得られた溶液からの反応生成物の結晶の析出は、上記得られた溶液に水を添加することにより行うことができる。
水の添加時期は、通常上記で得られた溶液を、適宜放冷等により、冷却しながら、又は冷却した後、添加するのが好ましい。
また、水の添加量は、多くても支障はないが、廃液処理等の観点から、水溶性極性溶剤の使用量に対して、50〜150%程度が好ましい。
また使用する水の温度は0〜70℃、好ましくは15〜50℃である。あまりに高温の水は分散した結晶の融着を招きかねないので注意が必要である。またこの水の温度等によって粒形を調節することができる。通常平均粒子径は5〜300ミクロン程度であるが、水の温度と使用する水溶性極性溶剤の組合せ等を変えることで500ミクロン以上の粒形に調節することも可能である。ろ過性、乾燥性のことを考慮すると20〜250ミクロン程度に調節することが好ましい。
工程3:結晶の分離
上記工程2で得られた結晶分散水溶液より、ろ過によって目的とするエポキシ樹脂の結晶を取り出す。このとき、より純度を上げるために、メタノール、エタノール等の有機溶剤、さらには水で洗浄することは好ましい。得られた結晶を乾燥することで目的とするエポキシ樹脂結晶粉末を得ることができる。
結晶での取出し方法2−2
(貧溶媒で結晶を析出させ、溶媒の留去、乾燥により分離する方法)
反応液(A)から貧溶媒での晶析を行うことにより得られる結晶分散液から溶剤類を全て留去、乾燥し、エポキシ樹脂結晶を得るものである。
工程1:貧溶媒での結晶の析出
前記反応液(A)に、貧溶剤、好ましくは使用したエピハロヒドリンと共沸する溶媒(以下単に共沸溶媒ともいう)を添加して結晶を析出させればよい。貧溶剤の添加に先だって、反応液から過剰なエピハロヒドリン等を一部留去し、エポキシ樹脂濃度を高め、結晶が析出し易くしておいてもよい。この場合、エポキシ樹脂の一部が結晶として反応液中に析出し、てもかまわない。過剰なエピハロヒドリン等の留去は減圧下で、必要に応じて加熱下で行うことが好ましい。このときの条件としては特に限定されないが、減圧度は−0.01MPa〜−0.1MPaが好ましく、そのときの温度は40℃以上で、140℃以下、特に100℃以下が好ましい。該留去後のエポキシ樹脂濃度としては樹脂濃度40〜90%が好ましく、好ましくは50〜80%である。
本発明で貧溶剤といった場合、本発明の結晶性エポキシ樹脂の溶解しにくい溶剤を意味し、特に限定されないが、例えば水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、等のアルコール類、および水、さらには酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル等のエステル系の有機溶剤や、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系有機溶剤が挙げられる。これらは単独で用いても併用してもかまわない。
また工程1における晶析は上記以外の溶剤を併用することもできる。以下に併用可能な溶剤を示すが、エポキシ樹脂骨格により、溶剤への溶解性が異なることから一部、上記貧溶剤と重複する溶剤も例に挙げる。
非プロトン性極性溶剤;ジメチルスルホキシド、N,N’−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、ジグライム、トリグライム等、
エステル系の有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル等
ケトン系有機溶剤;メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等
芳香族系有機溶剤;トルエン、キシレン等
が挙げられる。
添加する貧溶媒の使用量としては理論収量に対し、20〜500重量%、好ましくは50〜300重量%である。
貧溶媒以外の溶媒を併用する場合、その使用量は貧溶媒での結晶の析出収量等に悪影響を与えない範囲が好ましい。
また上記に挙げた貧溶剤、および併用可能な溶剤の中で好適なものはエピハロヒドリンと共沸する溶剤である。すなわち、水、アルコール類、芳香族系溶剤である。これらの共沸溶媒は例えば ポケットブック 有機合成化学協会編 オーム社 346−347ページなどを参照することで知ることが出来る。このような溶剤としては特に水の使用が好ましい。
工程2:溶剤類を留去
上記工程1で得られた結晶分散溶液から溶剤類を留去する工程である。
溶剤の留去は加熱減圧下で行うことが好ましく、その温度は析出したエポキシ樹脂結晶の溶融しない温度であれば特に制限はない。例えば該エポキシ樹脂の融点より10℃以上低い温度が好ましい。また、その減圧度は−0.01MPa〜−0.1MPaが好ましい。
全溶剤のうち90〜99.99重量%の溶剤の留去が終了した時点で乾燥に移る。乾燥温度は結晶の溶融しない温度で、かつ乾燥できる温度であれば特に限定はないが、好ましくは得られる結晶エポキシ樹脂の融点から100℃引いた温度〜該結晶エポキシ樹脂の融点から10℃引いた温度の範囲内である。燥時間としては通常、1時間〜36時間が好ましく、さらに好ましくは2〜24時間である。
上記で得られた樹脂状又は結晶状のエポキシ樹脂は、必要に応じて他のエポキシ樹脂と共に、硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物として、使用することができる。該エポキシ樹脂組成物からは耐熱性のある硬化物を得ることが出来、後記する種々の用途に使用することが出来る。また、本発明のエポキシ樹脂、好ましくは結晶状のエポキシ樹脂は、光重合開始剤及びエチレン性不飽和基を有する化合物と共に用いられて、感光性樹脂組成物とすることも出来る。
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物について説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、本発明のエポキシ樹脂は単独で、または他のエポキシ樹脂と併用して使用することができる。併用する場合、各エポキシ樹脂の混合比は任意に変える事が可能である。例えば本発明のエポキシ樹脂100部に対して、その他のエポキシ樹脂0〜500部程度、通常は0〜300部程度の範囲で変えることが出来る。併用する場合の1例としては本発明のエポキシ樹脂100部に対して、その他のエポキシ樹脂10〜200部程度、好ましくは20〜150部程度、より好ましくは30〜120部程度の範囲で使用することが出来る。
本発明のエポキシ樹脂組成物中における本発明のエポキシ樹脂の割合は幅広く使用することが可能であり、例えば1〜98%、好ましくは3〜95%程度、5〜90%程度の範囲で変更でき、残部が硬化剤及びその他必要に応じて添加される添加物、例えばその他のエポキシ樹脂、溶媒及びその他の添加剤等である。
本発明のエポキシ樹脂と併用されうる他のエポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、α,α,α’,α’−ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール、α,α,α’,α’−ビフェニルジメタノール等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’−ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、アルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられるが、通常用いられるエポキシ樹脂であればこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
特に本発明の結晶状エポキシ樹脂に併用する場合、併用するエポキシ樹脂としては、結晶性のエポキシ樹脂で90℃以上の軟化点あるいは融点を有するものが好ましく、2種類以上を併用してもかまわない。具体的にはジャパンエポキシレジン(株)製のYX−4000、日本化薬(株)製のCER−3000(何れも商品名)等のビキシレノール型もしくはビフェノール型結晶エポキシ樹脂またはそれらの混合物;ビスフェノールS型結晶エポキシ樹脂;ビスフェノールフルオレン型結晶エポキシ樹脂;ハイドロキノン型結晶エポキシ樹脂;日産化学工業(株)製のTEPIC(商品名)等の複素環式結晶エポキシ樹脂等が挙げられる。しかしながらこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化剤を含有する。硬化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノール系化合物など下記(a)〜(e)の硬化剤が挙げられる。
(a)アミン系化合物としては例えばジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン等、
(b)酸無水物系化合物としては例えば無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等、
(c)アミド系化合物としては例えばジシアンジアミド、若しくはリノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド樹脂等、
(d)フェノール系化合物としては例えば、
(i)多価フェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等)、
(ii)フェノール類(例えば、フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とアルデヒド類(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、フルフラール等)、若しくはケトン類(p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン等)、若しくはジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン等のジエン類等との縮合により得られるフェノール樹脂、
(iii)上記フェノール類と置換ビフェニル類(4,4’−ビス(クロルメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル等)、若しくは置換フェニル類{1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン等)等との重縮合により得られるフェノール樹脂、
(iv)上記フェノール類及び/又は上記フェノール樹脂の変性物、
(v)テトラブロモビスフェノールA、臭素化フェノール樹脂等のハロゲン化フェノール類、
(e)その他イミダゾール類、BF-アミン錯体、グアニジン誘導体、
これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.5〜2.0当量が好ましく、0.6〜1.5当量が特に好ましい。
また本発明のエポキシ樹脂組成物には硬化促進剤を含有させることもできる。用いうる硬化促進剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチレンジアミン、トリエタノールアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の有機ホスフィン類、オクチル酸スズなどの金属化合物、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩などが挙げられる。硬化促進剤を使用する場合の使用量はエポキシ樹脂100重量部に対して0.01〜15重量部が必要に応じ用いられる。
更に、本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて無機充填剤やシランカップリング剤、離型剤、顔料等の種々の配合剤、各種熱硬化性樹脂を添加することができる。無機充填材としては、結晶シリカ、溶融シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、フォステライト、ステアタイト、スピネル、チタニア、タルク等の粉体またはこれらを球形化したビーズ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
これら無機充填剤は、特に半導体封止材用のエポキシ樹脂組成物を得る場合、硬化物の耐熱性、耐湿性、力学的性質などの面から、エポキシ樹脂組成物中で80〜93%を占める割合で使用するのが好ましい。この場合、残部は本発明のエポキシ樹脂、硬化剤及びその他の必要に応じて添加される添加剤であり、添加剤としてはその他のエポキシ樹脂及び、硬化促進剤等である。本発明のエポキシ樹脂は1ないし19%、好ましくは2〜18%程度、更に好ましくは3〜18%程度である。残部1〜9%、好ましくは2〜7%が硬化剤及び必要に応じて添加されるその他の添加剤である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記各成分を均一に混合することにより得られ、好ましい用途は半導体封止用である。本発明のエポキシ樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易にその硬化物とすることが出来る。例えば、本発明のエポキシ樹脂と硬化剤、並びに必要により硬化促進剤及び無機充填剤、配合剤、各種熱硬化性樹脂とを必要に応じて押出機、ニーダ、ロール等を用いて均一になるまで充分に混合して本発明のエポキシ樹脂組成物を得、そのエポキシ樹脂組成物を溶融注型法あるいはトランスファー成型法やインジェクション成型法、圧縮成型法などによって成型し、更にその融点以上で2〜10時間に加熱することにより本発明の硬化物を得ることが出来る。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は溶剤を含むワニスとすることもできる。本発明のワニスは、本発明エポキシ樹脂、硬化剤及び必要に応じてその他の添加剤を含む組成物をトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の有機溶剤に溶解又は均一に分散させることにより得ることが出来る。溶剤の量はワニス全体に対し通常10〜70%、好ましくは15〜65%である。本発明エポキシ樹脂はワニス中に10〜70%、好ましくは20〜50%程度であり、残部が硬化剤及び必要に応じてその他の添加剤である。本発明のワニスは、本発明エポキシ樹脂、硬化剤、必要に応じてその他の添加剤及び溶剤を含む溶液に、更に無機充填剤を加えて、無機充填剤を含むワニスとしてもよい。上記のようにして得られる本発明のワニスをガラス繊維、カーボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させ加熱乾燥することによりプリプレグを得ることが出来る。該プリプレグを熱プレス成型して硬化物を得ることも出来る。
本発明のエポキシ樹脂組成物の好ましい用途として半導体装置の封止剤材が挙げられる。半導体装置としては、例えばDIP(デュアルインラインパッケージ)、QFP(クワッドフラットパッケージ)、BGA(ボールグリッドアレイ)、CSP(チップサイズパッケージ)、SOP(スモールアウトラインパッケージ)、TSOP(シンスモールアウトラインパッケージ)、TQFP(シンクワッドフラットパッケージ)等が挙げられる。また本発明のエポキシ樹脂は着色が少なく、光透過性にすぐれるため、光半導体封止装置へも利用が可能である。本光半導体分野においては特に発光ダイオード(LED)、フォトトランジスタ、CCD(荷電結合素子)、UV−EPROMなどのEPROM等の光半導体素子(半導体チップ)の封止に好適に使用できる。
次に本発明のエポキシ樹脂を含有する光硬化性の樹脂組成物(感光性樹脂組成物)、好ましくは光・熱硬化性の樹脂組成物につき説明する。
本発明のエポキシ樹脂は、感光性樹脂組成物、好ましくは光・熱硬化性樹脂組成物における信頼性を向上させるための硬化剤として使用することができる。
この場合、本発明のエポキシ樹脂は結晶状のエポキシ樹脂が好ましい。
該本発明の感光性樹脂組成物は、少なくとも本発明のエポキシ樹脂とエチレン性不飽和基を有する化合物を含有するもので熱変性等が少なく、高性能半導体の封止剤等として有用である。好ましい該感光性樹脂組成物は、本発明のエポキシ樹脂、光重合開始剤及びエチレン性不飽和基を有する化合物、更に好ましくは、本発明のエポキシ樹脂、アルカリ水溶液可溶性樹脂(A)、架橋剤(B)、光重合開始剤(C)を含有する感光性樹脂組成物である。該感光性樹脂組成物は前記アルカリ水溶液可溶性樹脂(A)、架橋剤(B)、光重合開始剤(C)及び本発明のエポキシ樹脂を常法により均一に混合することにより得ることが出来る。該感光性樹脂組成物は必要に応じて前記の無機充填剤等を含有していてもよい。また、好ましい態様においては、熱硬化触媒を含むものである。
好ましい該感光性樹脂組成物は本発明のエポキシ樹脂、光重合開始剤及びエチレン性不飽和基を有する化合物を含むものである。この場合の各成分の含有量は、該3者の合計に対して、本発明のエポキシ樹脂を20〜80%、光重合開始剤を10〜70%、エチレン性不飽和基を有する化合物10〜70%である。
より好ましい該感光性樹脂組成物は本発明のエポキシ樹脂、アルカリ水溶液可溶性樹脂(A)、架橋剤(B)、光重合開始剤(C)を含有する感光性樹脂組成物である。この場合、これらの4者のそれぞれの含有割合は、これらの4者の合計に対して、本発明のエポキシ樹脂を5〜60%、好ましくは5〜40%、より好ましくは10〜30%、アルカリ水溶液可溶性樹脂(A)35〜80%、好ましくは40〜75%、架橋剤(B)3〜30%、好ましくは5〜20%、光重合開始剤を2〜30%、好ましくは4〜15%の範囲内で、4者の合計が100%になるようにそれぞれを含有する。該組成物は更に無機充填剤、溶剤等をを含んでいてもよい。
更に好ましい感光性樹脂組成物は上記4者に加えて、熱硬化触媒を含有する。
この場合、熱硬化触媒は上記4者合計に対して、そと割で0.3〜5%、好ましくは0.5〜3%である。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、本発明のエポキシ樹脂の含有量は内割りで通常1〜50重量%、好ましくは2〜30重量%である。
以下に、本発明の感光性樹脂組成物について説明する。
該感光性樹脂組成物に使用される本発明のエポキシ樹脂は前記したように結晶状のものが好ましく、特に融点が140℃〜170℃のものが好ましい。
光重合開始剤については、後記の光重合開始剤(C)の項で説明する。
エチレン性不飽和基を有する化合物としては、特に限定されないが、(メタ)アクリル基(アクリル基又はメタアクリル基を意味する)を有する化合物が好ましい。これらの化合物は特開2004−155916等に、アルカリ水溶液可溶性樹脂、架橋剤として開示され、公知のものである。なお、本明細書において「(メタ)アクリル」の語はアクリル又はメタアクリルを意味するものとする)
以下に、感光性樹脂組成物の好ましい態様に含まれる前記成分(A)〜(C)のそれぞれの成分につき具体的に説明する。
アルカリ水溶液可溶性樹脂(A);
アルカリ水溶液で溶解除去可能な樹脂であれば特に限定なく使用することが出来、従来公知のアルカリ水溶液可溶性樹脂は何れも使用できる。例えば分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)と分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸化合物(b)とを反応させて得られるエポキシカルボキシレート化合物に、多塩基酸無水物(c)を反応させて得られる反応生成物(カルボキシル基を有するアルカリ水溶液可溶性樹脂)等であり、例えば、特開2003−21898等に詳しく記載されている。具体的にはKAYARAD CCR−1159H、KAYARAD PCR−1169H、KAYARAD TCR−1310H、KAYARAD ZFR−1401H、KAYARAD ZAR−1395H(いずれも日本化薬株式会社製)等が挙げられる。
架橋剤(B);
従来公知の架橋剤は何れも使用できる。通常エチレン性不飽和基を有する多官能性化合物が好ましく、前記(メタ)アクリル基と他の官能基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。具体的にはKAYARAD HX−220、KAYARAD HX−620、KAYARAD DPHA、KAYARAD DPCA−60(いずれも日本化薬株式会社製)等が挙げられる。
光重合開始剤(C);
従来公知の公知の光重合開始剤は何れも使用できる。例えばベンゾイン類、アセトフェノン類、アントラキノン類、チオキサントン類、ケタール類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキサイド類等が挙げられ、具体的にはKAYACURE DETX-S(日本化薬株式会社製)、イルガキュア 907(チバスペシャリティーケミカル)等が挙げられる。
さらに必要に応じて各種の添加剤、例えば、タルク、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、シリカ、クレーなどの充填剤、好ましくは無機充填剤、アエロジルなどのチキソトロピー付与剤;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、酸化チタンなどの着色剤、シリコーン、フッ素系のレベリング剤や消泡剤;ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテルなどの重合禁止剤などを組成物の諸性能を高める目的で添加することが出来る。
充填剤の使用量は、前記4者(本発明のエポキシ樹脂、アルカリ水溶液可溶性樹脂(A)、架橋剤(B)、光重合開始剤(C))を含むより好ましい感光性樹脂組成物において、これらの4者の合計に対して、0〜100%、好ましくは0〜60%程度である。
本発明の感光性樹脂組成物は必要に応じて溶剤を含有してもかまわない。使用可能な溶剤としては、例えば、アセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、グルタル酸ジアルキル、コハク酸ジアルキル、アジピン酸ジアルキル等のエステル類、γ−ブチロラクトン等の環状エステル類、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤、などが挙げられるがこれらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
溶剤の使用量は、前記4者(本発明のエポキシ樹脂、アルカリ水溶液可溶性樹脂(A)、架橋剤(B)、光重合開始剤(C))を含むより好ましい感光性樹脂組成物において、これらの4者の合計に対して、0〜50%、好ましくは0〜20%程度である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、電子部品の層間の絶縁材、光部品間を接続する光導波路やプリント基板用のソルダーレジスト、カバーレイ等のレジスト材料として有用である他、カラーフィルター、印刷インキ、封止剤、塗料、コーティング剤、接着剤等としても使用できる。
本発明の感光性樹脂組成物は、紫外線等のエネルギー線照射により及び加熱操作により硬化させることができる。紫外線等のエネルギー線照射による硬化は常法により行うことができる。例えば紫外線を照射する場合、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、紫外線発光レーザー(エキシマーレーザー等)等の紫外線発生装置を用いればよい。その後、必要に応じてさらに紫外線を照射し、次いで通常100〜20℃、好ましくは140〜180℃の温度で加熱処理をすることで本発明の硬化物を得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物は、例えばレジスト膜、ビルドアップ工法用の層間絶縁材や光導波路としてプリント配線板、光電子基板や光基板のような電気・電子・光基材に利用される。これらを使用した具体的な物品としては、例えば、コンピューター、家電製品、携帯機器等が挙げられる。
具体的には例えば光・熱硬化性の感光性樹脂組成物を使用して、プリント配線板を製造する場合は、まず、プリント配線用基板に、スクリーン印刷法、スプレー法、ロールコート法、静電塗装法、カーテンコート法等の方法により0.5〜160μmの膜厚で本発明の感光性樹脂組成物を塗布し、塗膜を通常50〜110℃、好ましくは60〜100℃で乾燥させることにより、塗膜が形成させる。その後、ネガフィルム等の露光パターンを形成したフォトマスクを通して塗膜に直接または間接に紫外線等の高エネルギー線を通常10〜2000mJ/cm程度の強さで照射し、未露光部分を後述する現像液を用いて、例えばスプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッビング等により現像する。その後、必要に応じてさらに紫外線を照射し、次いで通常100〜200℃、好ましくは140〜180℃の温度で加熱処理をすることにより、金メッキ性に優れ、耐熱性、耐溶剤性、耐酸性、密着性、屈曲性等の諸特性を満足する永久保護膜を有するプリント配線板が得られる。
上記、現像に使用される、アルカリ水溶液としては水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等の無機アルカリ水溶液やテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリ水溶液が使用できる。
次に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、以下において特に断りのない限り「部」は重量部であり、「%」は重量%である。なお、軟化点、エポキシ当量は以下の条件で測定した。
・軟化点
JIS K−7234に記載された方法で測定した。
・エポキシ当量
JIS K−7236に記載された方法で測定し、単位はg/eqである。
・融点:DSC法(外挿点を融点とする)
Seiko Instruments Inc.製 EXSTAR6000
測定試料 2mg〜5mg 昇温速度 10℃/min.
温度計、冷却官、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながらグリオキザールとフェノールの縮合物(TEP−DF;旭有機材工業製;式(1)の化合物濃度98%以上、高速液体クロマトグラフィー(274nm)で検出;ゲルパーミエーションクロマトグラフィーでは99%以上;以下同じ)90部、ビフェニル型フェノールアラルキル樹脂10部(式(2)のArがビフェニル基(主成分は4,4’−体)、Rは全て水素原子、n=1.41、水酸基当量204g/eq.)(カヤハードTM、GPH65,日本化薬(株)製)、エピクロルヒドリン429部、メタノール80部を仕込み溶解させた。更に70℃に加熱しフレーク状水酸化ナトリウム38部を90分かけて分割添加し、その後、更に70℃で60分間反応させた。反応終了後、水135部で二回洗浄した後、得られた有機層から加熱減圧下過剰のエピクロロヒドリン等を留去することで、本発明のエポキシ樹脂(EP1)145部(エポキシ当量 179g/eq.軟化点181℃)が、ほぼ無色の樹脂状固体として得られた。
温度計、冷却官、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながらグリオキザールとフェノールの縮合物(TEP−DF;旭有機材工業製)90部、ビフェニル型フェノールアラルキル樹脂10部(式(2)のArがビフェニル基(主成分は4,4’−体)、Rは全て水素原子、n=1.41、水酸基当量204g/eq.)、エピクロルヒドリン429部、メタノール80部を仕込み溶解させた。更に70℃に加熱しフレーク状水酸化ナトリウム38部を90分かけて分割添加し、その後、更に70℃で60分間反応させた。反応終了後、水135部で二回洗浄を行い生成した塩などを除去した後、ジメチルスルホキシド270部を加え、加熱減圧下(約70℃、−0.08MPa〜−0.09MPa)、撹拌しながら、3時間かけて、過剰のエピクロルヒドリン等を留去した。徐々に放冷しながらメタノール150部を加え15分撹拌した後、つづいて水300部を徐々に加えた。この溶液を減圧濾過することで目的とする結晶状エポキシ樹脂が得られた。さらにこの結晶をメタノール200部、さらに水200部で十分洗浄し、乾燥することで本発明のエポキシ樹脂(EP2)(エポキシ当量 179g/eq.融点161℃)が白色〜淡黄色の粉末状結晶として140部得られた。
実施例2においてグリオキザールとフェノールの縮合物(TEP−DF 旭有機材工業製)の使用量を80部に、ビフェニル型フェノールアラルキル樹脂の使用量を20部に、エピクロルヒドリンの使用量を425部、フレーク状水酸化ナトリウムの使用量を35部とした以外は実施例2と同様にしたところ、本発明のエポキシ樹脂(EP3)(エポキシ当量 182g/eq.融点149℃)が白色〜淡黄色の粉末状結晶として134部得られた。
実施例2においてグリオキザールとフェノールの縮合物(TEP−DF 旭有機材工業製)の使用量を90部に、ビフェニル型フェノールアラルキル樹脂をフェノールとp−キシレノールとの縮合物であるフェニル型フェノールアラルキル樹脂(式(2)のArがフェニル基、Rは全て水素原子、n=1.37、水酸基当量146g/eq.)(特開昭63−238129記載の方法に準じて合成)に、エピクロルヒドリンを436部、フレーク状水酸化ナトリウムの使用量を39部とした以外は実施例2と同様にしたところ、本発明のエポキシ樹脂(EP4)(エポキシ当量 173g/eq.融点153℃)が白色の粉末状結晶として142部得られた。
実施例2においてグリオキザールとフェノールの縮合物(TEP−DF 旭有機材工業製)の使用量を90部に、ビフェニル型フェノールアラルキル樹脂をフェノールノボラック(明和化成工業株式会社製 軟化点83℃、水酸基当量106g/eq.)に、エピクロルヒドリンを455部、フレーク状水酸化ナトリウムの使用量を40部とした以外は実施例2と同様にしたところ、本発明のエポキシ樹脂(EP5)(エポキシ当量 172g/eq.融点159℃)が白色の粉末状結晶として147部得られた。
実施例2においてグリオキザールとフェノールの縮合物(TEP−DF 旭有機材工業製)の使用量を90部に、ビフェニル型フェノールアラルキル樹脂をビスフェノールFに、エピクロルヒドリンを460部、フレーク状水酸化ナトリウムの使用量を40部とした以外は実施例2と同様にしたところ、本発明のエポキシ樹脂(EP6)(エポキシ当量 172g/eq.融点158℃)が白色の粉末状結晶として144部得られた。
実施例2においてグリオキザールとフェノールの縮合物(TEP−DF 旭有機材工業製)の使用量を90部に、ビフェニル型フェノールアラルキル樹脂をビスフェノールSに、エピクロルヒドリンを455部、フレーク状水酸化ナトリウムの使用量を39部とした以外は実施例2と同様にしたところ、本発明のエポキシ樹脂(EP7)(エポキシ当量 179g/eq.融点160℃)が白色の粉末状結晶として144部得られた。
比較例1
温度計、冷却官、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながらグリオキザールとフェノールの縮合物(TEP−DF; 旭有機材工業製)100部、エピクロルヒドリン462部、メタノール80部を仕込み溶解させた。更に70℃に加熱しフレーク状水酸化ナトリウム40部を90分かけて分割添加し、その後、更に70℃で60分間反応させた。反応終了後、水150部で二回洗浄した後、得られた有機層から200℃で加熱減圧下過剰のエピクロロヒドリン等を留去することでエポキシ樹脂(EP8)149部(エポキシ当量 168g/eq.軟化点 84℃)が無色の樹脂として得られた。
比較例2
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながらグリオキザールとフェノールとの縮合物99.5部、エピクロルヒドリン460部、メタノール100部を仕込み、撹拌下で約70℃まで昇温し、溶解させた。次いでフレーク状水酸化ナトリウム40部を90分かけて分割添加し、その後、更に還流温度で1時間反応させた。反応終了後、水250部を加えて水洗を行い生成した塩などを除去した後、ジメチルスルホキシド250部を加え、加熱減圧下(約70℃、−0.08MPa〜−0.09MPa)、撹拌しながら、3時間かけて、過剰のエピクロルヒドリン等を留去した。残留溶液を50℃に保ちながらメタノール100部を加え15分撹拌した後、さらに70℃まで昇温し、水500部を徐々に加えた。室温まで冷却後減圧濾過することで、比較用のエポキシ樹脂が得られた。さらにこの結晶をメタノール100部、水300部の混合溶液で十分洗浄し、乾燥することでエポキシ樹脂(EP9)(エポキシ当量 166g/eq.融点174℃)が粉末状結晶として142部得られた。
(比較例3を含む)
エポキシ樹脂として実施例1で得られたエポキシ樹脂(EP1)(実施例8)又は比較例1で得られたエポキシ樹脂(EP8)(比較例3)を使用し、硬化剤としてフェノールノボラック(軟化点83℃、水酸基当量106g/eq)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(TPP)を用いて表1の「配合物の組成」の欄に示す重量比で配合し、トランスファー成型により樹脂成形体を調製し、160℃で2時間、更に180℃で8時間で硬化させた。
このようにして得られた硬化物の物性を測定した結果を表1に示す。
尚、物性値の測定は以下の方法で行った。
・ガラス転移温度(TMA):真空理工(株)製 TM−7000
昇温速度 2℃/min.
・吸水率:直径5cm×厚み4mmの円盤状の試験片を100℃の水中で72時間煮沸した後の重量増加率(%)
・IZOD衝撃試験:JIS K−6911に記載の方法。
・K1C:JIS K−6911に記載の方法。
Figure 2006001395
(比較例4を含む)
エポキシ樹脂として実施例2で得られたエポキシ樹脂(EP2)(実施例9)又はエピコート1031S(ジャパンエポキシレジン製、テトラキスフェノールエタンタイプのエポキシ樹脂 エポキシ当量 195g/eq.軟化点92℃)とNC−3000(日本化薬(株)製、ビフェニル型フェノールアラルキルタイプのエポキシ樹脂、一般式(2)において、R=H、Ar=ビフェニル、n=1.75、エポキシ当量 271g/eq.軟化点53℃)の重量比9:1混合物(EP10)(比較例4)、硬化剤としてフェノールノボラック(軟化点83℃、水酸基当量106g/eq;表1中PN)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(TPP)をカルビトールアセテート(表2中;CA)に均一に分散、あるいは溶解させ、ワニスを調製した。なお、ワニスの組成比は表2の「ワニスの組成」の欄に部単位で示した。このワニスの粘度を混合後1時間後、および70度℃で10時間放置した後、25℃における粘度を測定した。結果を表2の「ワニスの物性」の欄に示す。
Figure 2006001395
(比較例5を含む)
エポキシ樹脂として実施例2で得られたエポキシ樹脂(EP2)(実施例10)又は比較例1で得られたエポキシ樹脂(EP8)(比較例5)、硬化剤としてフェノールノボラック(軟化点83℃、水酸基当量106g/eq)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(TPP)を下記表3の「配合物の組成の欄」に示される組成で配合し、トランスファー成型により樹脂成形体を調製し、160℃で2時間、更に180℃で4時間、200℃で1時間かけて硬化させた。この試験片のガラス転移点、および耐衝撃性を試験した結果を表3の「硬化物の物性」の欄に示した。
尚、物性値の測定は前記同様、またピール強度は以下の方法で行った。
・ピール強度:JIS K−6911に記載の方法。
Figure 2006001395
以上の結果より、本発明の結晶性エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物は、高い保存安定性を有することが確認できた。また得られたエポキシ樹脂の硬化物は従来の4官能のエポキシ樹脂に比べ、その靭性、密着性において大きく改善されたものである。したがって本発明の結晶性エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物の硬化物は、電気・電子部品用絶縁材料及び積層板(プリント配線板など)やCFRPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料、レジスト材料等に使用する場合に極めて有用である。
(比較例6を含む)
前記実施例2得られたエポキシ樹脂(EP2)(実施例11)又は比較例2で得られたエポキシ樹脂(EP9)(比較例6)を用い、表4に示す配合割合で混合、3本ロールミルで混練し、本発明のエポキシ樹脂組成物及び比較用エポキシ樹脂組成物を得た。これをスクリーン印刷法により、乾燥膜厚が15〜25μmの厚さになるように約10cm角のプリント基板に塗布し塗膜を80℃の熱風乾燥器で30分乾燥させた。次いで、紫外線露光装置((株)オーク製作所、型式HMW−680GW)を用い回路パターンの描画されたマスクを通して紫外線を照射した。その後、1%炭酸ナトリウム水溶液でスプレー現像を行い、紫外線未照射部の樹脂を除去した。水洗乾燥した後、プリント基板を150℃の熱風乾燥器で60分加熱硬化反応させ硬化膜を得た。それらの結果を表5に示す。なお、試験方法及び評価基準は次のとおりである。
タック性:基板に塗布した乾燥後の膜に脱脂綿をこすりつけ、膜のタック性を評価した。
○・・・・脱脂綿は張り付かない。
×・・・・脱脂綿の糸くずが、膜に張り付く。
熱安定性:80℃での乾燥時間を30、40、50分で行った時の現像性を評価し、下記の評価基準を使用した。現像時、完全にインキが除去され、現像できた時間で評価を行った。
○・・・・60秒以内
×・・・・60秒以上。
解像性:乾燥後の塗膜に、50μmのネガパターンを密着させ積算光量300mJ/cmの紫外線を照射露光する。次に1%の炭酸ナトリウム水溶液で60秒間、2.0kg/cmのスプレー圧で現像し、転写パターンを顕微鏡にて観察する。下記の基準を使用した。
○・・・・パターンエッジが直線で、解像されている。
×・・・・剥離もしくはパターンエッジがぎざぎざである。
光感度:乾燥後の塗膜に、ステップタブレット21段(コダック社製)を密着させ積算光量500mJ/cmの紫外線を照射露光する。次に1%の炭酸ナトリウム水溶液で60秒間、2.0kg/cmのスプレー圧で現像し、現像されずに残った塗膜の段数を確認する。
密着性:試験片に1mmの碁盤目を100ケ作りセロハンテープ(R)によるピーリング試験(JIS K 5600-5-6)を行い、試験片へ密着しているレジストのマス数で評価した。結果の記載は下記の基準を使用した。
○・・・・100/100 異常なし
△・・・・100/100 ただし、角、エッジの部分に剥がれが見られる。
×・・・・≦99/100
耐熱性:試験片にロジン系フラックスを塗布し260℃の半田槽に5秒間浸漬した。これを1サイクルとし、3サイクル繰り返した。室温まで放冷した後、セロテープTMによるピーリング試験を行い、次の基準で評価した。
〇・・・・塗膜外観に異常がなく、フクレや剥離のないもの
△・・・・若干フクレや剥離のあるもの
×・・・・塗膜にフクレや剥離のあるもの
Figure 2006001395

*1 日本化薬製 :クレゾールノボラック型のアルカリ水溶液可溶性樹脂
*2 日本化薬製 :ジペンタエリスリトールポリアクリレート
*3 Vantico製 :2−メチル−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノ−1−プロパン
*4 日本化薬製 :2,4−ジエチルチオキサントン
*5 ビックケミー製:レベリング剤
*6 信越化学製 :消泡剤
Figure 2006001395
実施例2においてグリオキザールとフェノールの縮合物(TEP−DF 旭有機材工業製)の使用量を80部に、ビフェニル型フェノールアラルキル樹脂をオルソクレゾールノボラック(軟化点 81℃)20部に、エピクロルヒドリンを455部、フレーク状水酸化ナトリウムの使用量を38部とした以外は実施例2と同様にしたところ、本発明のエポキシ樹脂(エポキシ当量 180g/eq.融点145℃)が白色の粉末状結晶として137部得られた。
実施例2においてグリオキザールとフェノールの縮合物(TEP−DF 旭有機材工業製)の使用量を70部に、ビフェニル型フェノールアラルキル樹脂をメタ、パラ混合クレゾールノボラック(旭有機材工業製 EP5000)30部に、エピクロルヒドリンを455部、フレーク状水酸化ナトリウムの使用量を35部とした以外は実施例2と同様にしたところ、本発明のエポキシ樹脂(エポキシ当量 189g/eq.融点162℃)が白色の粉末状結晶として137部得られた。
温度計、冷却官、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながらグリオキザールとフェノールの縮合物(TEP−DF;旭有機材工業製)20部、ビスフェノールF80部、エピクロルヒドリン429部、メタノール40部を仕込み溶解させた。更に70℃に加熱しフレーク状水酸化ナトリウム40部を90分かけて分割添加し、その後、更に70℃で60分間反応させた。反応終了後、水150部で1回洗浄を行い生成した塩などを除去した後、油層から加熱減圧下過剰のエピクロロヒドリン等を除去し、残留物に450部のメチルイソブチルケトンに溶解させた。この溶液を70度に加温した後、30%水酸化ナトリウム水溶液7部を添加し、1時間反応させた。ついで洗浄液が中性になるまで水洗を行い、油層から加熱減圧下、メチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂が145部得られた。エポキシ当量は163g/eq.、の液状のエポキシ樹脂であった。25℃における粘度は129Pa・s(E型粘度計)であった。
比較例7
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量164g/eq.、25℃における粘度3590mPa・s 日本化薬製 製品名 RE−404S)とテトラキスフェノールエタン型エポキシ樹脂(エポキシ当量167g/eq.融点 173℃ 日本化薬製 GTR−1800)を8:2の比で混合し、溶融させたところ、液状のエポキシ樹脂となった。25℃における粘度は198Pa・s(E型粘度計)であった。
実施例14、比較例7で得られたエポキシ樹脂を比較すると、いずれもテトラキスフェノールエタン型エポキシ樹脂とビスフェノールF型のエポキシ樹脂の比はいずれも2:8であるが本発明のエポキシ樹脂はその粘度を比較すると単純に混ぜたものに比べ(本比較例に使用したビスフェノールF型エポキシ樹脂は中でも低粘度な液状エポキシ樹脂であるのにもかかわらず)、非常に低粘度であることがわかる。
(比較例8を含む)
実施例14で得られた液状エポキシ樹脂82部に対し、カヤハードA−A(ビス3−エチル4−アミノフェニル)メタン 日本化薬株式会社製 アミン系硬化剤)32部を均一に混合し本発明のエポキシ樹脂組成物を得した。これを金型に注型し120℃で2時間、150℃で3時間、180℃で2時間硬化させることにより硬化物の試験片を得た。また同様にしてビスフェノールF型エポキシ樹脂(RE−304S 日本化薬製エポキシ樹脂 エポキシ当量 172g/eq.)86部を使用し、いずれもカヤハードA−A32部で組成物を得、同様にして硬化した。得られた硬化物の試験片のDMA(動的粘弾性測定装置)を用いてガラス転移温度を、TMA(熱機械測定装置 真空理工(株)製 TM−7000)を用いてガラス転移温度と線膨張率を測定し、曲げ強度をJIS K−6911に準じて測定した。結果を下記表Cに示す。
Figure 2006001395
通常のエポキシ樹脂と比較すると、ガラス転移点が向上し、その線膨張率が大幅に低下していることから、耐熱性に優れるエポキシ樹脂であると言える。
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながらグリオキザールとフェノールとの縮合物{内1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン含有量98面積%(HPLC UV274nmで検出) 旭有機材工業株式会社製 TEP−DF}95部、ビフェニル型フェノールアラルキル樹脂5部(式(2)のArがビフェニル基(主成分は4,4’−体)、Rは全て水素原子、n=1.39 水酸基当量202g/eq. 日本化薬株式会社製 カヤハードTMGPH65)、エピクロルヒドリン555部、メタノール110部を仕込み撹拌下で還流温度まで昇温し、溶解させた。次いでフレーク状水酸化ナトリウム40部を100分かけて分割添加し、その後、更に還流温度で1時間反応させた。反応終了後、水150部を加えて水洗を2回行い、生成した塩などを除去することでエポキシ樹脂反応液を得た。徐々に温度、減圧度を上げ、最終的に約70℃、約−0.08MPaとし、樹脂濃度が約80重量%になるまでエピクロロヒドリン等を留去した。得られた溶液にアセトン200部を加え、さらに25℃のイオン交換水170部を加えることで結晶分散溶液を得た。さらに、徐々に温度、減圧度を上げ、最終的に約80℃、約−0.09MPaになるように調節し、溶剤の流出が見られなくなるまで溶剤を留去した。さらに約120℃、約−0.095MPaまで条件を厳しくし、12時間乾燥工程を行った。このようにして目的とする結晶エポキシ樹脂が149部得られた。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は169g/eq.であり、その融点は165℃であった。
本発明のエポキシ樹脂の硬化物は、従来のテトラキスフェノールエタンをグリシジル化して得られるエポキシ樹脂の硬化物と同等な耐熱性を示すと共に、もろさ、耐水性等も改善される。また、結晶状の本発明のエポキシ樹脂を配合した熱硬化性樹脂組成物、あるいは光・熱硬化性樹脂組成物で形成した硬化膜は、従来のものに比して、密着性等の点で優れ、封止剤等として電気・電子材料、成型材料、注型材料、積層材料、塗料、接着剤、レジスト、光学材料などの広範囲の用途に極めて有用である。

Claims (14)

  1. (a)フェノール類とグリオキサールの縮合物であって、式(1)
    Figure 2006001395
    (式中、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜15の炭化水素基またはトリフルオロメチル基を表す。)で表される化合物を80%(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる面積%)以上含有するフェノール類縮合物と(b)(a)以外のフェノール類、あるいはフェノール樹脂の混合物をグリシジル化して得られるエポキシ樹脂。
  2. 成分(b)がフェノールアラルキル樹脂である請求項1に記載のエポキシ樹脂。
  3. 形状が結晶粉末であることを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂。
  4. 融点が80〜170℃である請求項3に記載のエポキシ樹脂。
  5. 成分(a)と成分(b)の混合物全体に対して、成分(b)が占める割合が25重量%以下である請求項1〜4いずれか一項に記載のエポキシ樹脂。
  6. 成分(b)がビフェニル型フェノールアラルキル樹脂である請求項1〜5のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂。
  7. 請求項1に記載の成分(a)と成分(b)の混合物をエピハロヒドリンでグリシジル化することを特徴とするエポキシ樹脂の製造法。
  8. 成分(a)と成分(b)の合計量に対して、成分(a)が65〜95重量%であり、成分(b)が35〜5重量%である混合物をエピハロヒドリンでグリシジル化し、得られた反応液から、エポキシ樹脂結晶を析出させることを特徴とする請求項7に記載のエポキシ樹脂の製造法。
  9. エポキシ樹脂結晶の析出のために、水を添加することを特徴とする請求項8に記載のエポキシ樹脂の製造法。
  10. エポキシ樹脂結晶を析出させて得られる結晶分散溶液から、該分散液中に含まれる溶剤類を留去し、エポキシ樹脂結晶を得ることを特徴とする請求項項7〜9のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂の製造法。
  11. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂及び硬化剤を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  12. 請求項11に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化した硬化物。
  13. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂及びエチレン性不飽和基を有する化合物を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  14. 成分(a)と成分(b)の混合物全体に対して、成分(b)が占める割合が35重量%以下である請求項1〜4いずれか一項に記載のエポキシ樹脂。
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