JPWO2005120703A1 - 金属触媒とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、粒径が3nm以下であると共に、X線光電子分析装置を用いて測定され、金属固有の結合エネルギーピークを波形分離することで帰属される、金属結合状態の割合が40%以上である金属微粒子を含む金属触媒である。金属微粒子としては、白金微粒子が好ましい。また、金属微粒子は、担体粒子を分散させた液相の反応系中で、当該金属微粒子のもとになる金属のイオンを、還元剤の作用によって還元して、担体粒子の表面に微粒子状に析出させることによって、担体粒子の表面に担持されるのが好ましい。また、上記金属微粒子は、析出後に還元して酸化状態を低下させることによって、金属結合状態の割合が上記の範囲に調整される。

Description

本発明は、例えば、燃料電池用触媒や、自動車排ガス用触媒として好適に用いられる金属触媒と、その製造方法とに関するものである。
燃料電池用触媒や自動車排ガス用触媒としては、金属、特に、白金等の貴金属を用いた金属触媒が使用されるが、貴金属元素は地球上に限られた量しか存在しないことから、その使用量を極力減らし、しかも、触媒としての作用はできるだけ向上することが求められる。そこで、金属触媒としては、例えば、カーボンブラックや無機化合物等からなる担体粒子の表面に、白金等の金属の微粒子を担持させた構造を有するものが用いられる。
触媒作用は、主に、金属の表面において発揮されることから、上記構造の金属触媒において、良好な触媒作用を維持しつつ、金属の使用量をできるだけ少なくするためには、担体粒子の表面に担持させる金属微粒子を、できるだけ小粒径で、かつ、比表面積の大きいものとすることが有効である。
担体粒子の表面に、金属微粒子を担持させる方法としては、含浸法と呼ばれる高温処理法や、液相還元法、気相法等があり、特に、近年、製造設備の簡易化が容易な液相還元法、すなわち、担体粒子を分散させた液相の反応系中で、析出対象である金属のイオンを、還元剤の作用によって還元することで、担体粒子の表面に、微粒子状に析出させる方法が、広く普及しつつある。
液相還元法によって形成する金属微粒子の粒径を小さくするためには、金属のイオンの還元、析出速度を遅くするのが有効であり、そのためには、できるだけ還元力の弱い還元剤を選択して使用することが肝要である。そこで、エタノール等のアルコール、アルカノールアミン、アスコルビン酸等の還元力の弱い還元剤を用いることで、担体粒子の表面に、できるだけ粒径の小さい金属微粒子を還元、析出させて金属触媒を製造することが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
また、担体粒子の表面に金属微粒子を担持させた構造を有する金属触媒においては、金属微粒子の担持量と、担体粒子の表面における、隣り合う金属微粒子間の距離も、触媒活性を左右する重要な因子であると考えられている。例えば、ダイレクトメタノール型や固体高分子型等の、動作温度が100℃以下といった比較的低い温度である燃料電池用の触媒としては、カーボンの粒子の表面に、白金微粒子等の金属微粒子を担持させた金属触媒が用いられる。
しかし、かかる金属触媒において、カーボンの粒子の表面に担持された、隣り合う金属微粒子間の距離が遠すぎて、担持量が小さい場合には、十分な触媒活性が得られないという問題がある。すなわち、金属微粒子間の、酸素ガスや水素ガスが拡散する経路に、露出したカーボンの表面が広く存在することにより、ガスの拡散が阻害されて、触媒活性が低下する。
そのため、触媒活性を高めることを考慮すると、金属微粒子の担持量は、できるだけ大きいことが望ましいが、担持量が大きくなりすぎて、隣り合う金属微粒子間の距離が近づきすぎると、複数の金属微粒子が、水素ガスや酸素ガスに対して、あたかも、1つの触媒粒子として挙動するため、触媒活性が却って低下するという問題がある。
詳しく説明すると、担体粒子の表面に担持された、個々の金属微粒子の周囲には、その実質的な大きさを超えて、テリトリ(縄張り)と呼ばれる領域が存在し、例えば、燃料電池の正極の場合には、酸素ガスが、このテリトリを構成する薄い膜を通って金属微粒子の表面に達して還元反応される。ところが、隣り合う金属微粒子間の距離が近すぎると、このテリトリが重なり合うため、1つの酸素分子を、複数のテリトリが取り合う結果になり、触媒活性が低下する。
つまり、金属微粒子の担持量と、担体粒子表面における、隣り合う金属微粒子間の距離とは、二律背反の関係にある。そこで、特許文献4においては、テリトリが重なり合わない最小の、金属微粒子間の距離を規定することにより、金属微粒子の担持量と、金属微粒子間の距離とのバランスをとって、金属触媒の触媒活性を向上することが提案されている。
特開平4−298238号公報(請求項1、第0003欄〜第0005欄) 特開2000−107606号公報(第0012欄〜第0013欄) 特開2000−279811号公報(請求項1、2、第0013欄〜第0015欄) 特開平2−65064号公報(特許請求の範囲、第2頁右上欄第14行〜同頁左下欄第18行)
特許文献1〜3に記載された、還元力の弱い還元剤を用いた液相還元法によれば、例えば、粒径が3nm以下という、触媒活性の理論上、十分に粒径が小さく、かつ比表面積が大きい金属微粒子を形成することが可能である。しかし、かかる微細な金属微粒子を含む金属触媒の、実際の触媒活性は、金属微粒子の粒径と、比表面積とから予測される範囲に、十分に到達していないのが現状である。
また、特許文献4において規定された、15nm以上という、隣り合う金属微粒子の中心間の距離の範囲は、金属微粒子の粒径が3nmを超える、粒径の大きい金属微粒子において、二律背反の関係にある、金属微粒子の担持量と、金属微粒子間の距離とのバランスをとって、最も高い触媒効率を得るのに適した範囲に過ぎない。
発明者の検討によると、金属微粒子の粒径が3nm以下である金属触媒において、この距離の規定を適用すると、金属微粒子の担持量が著しく低下するため、たとえ、かかる微細な金属微粒子を含む金属触媒の、実際の触媒活性が、金属微粒子の粒径および比表面積から予測される範囲に到達したとしても、触媒活性が低下するおそれがある。
本発明は、粒径が小さく、かつ比表面積が大きい金属微粒子を含み、なおかつ、その金属微粒子の粒径と比表面積とに見合う高い触媒活性を有する金属触媒と、その製造方法とを提供することにある。
金属微粒子の表面における触媒活性のメカニズムは、その目的とする触媒反応によって異なり、例えば、白金による酸素還元反応の触媒活性は、白金の結晶面方位に依存することが知られている。また、一般に、触媒反応は、金属結晶で構成される平面よりも、キンク、ステップといった結晶中の特異点で起こりやすいとも言われている。
しかしながら、いずれの触媒反応においても、先ずは、被活性化種が触媒活性サイトに吸着する過程を経ることを考えると、金属微粒子の表面のうち、特に、活性サイトにおいて、金属元素が、金属の状態で露出していることが、触媒活性を向上する上で望ましい。
そのため、液相還元法等によって形成される微小な金属微粒子を含む、従来の金属触媒の触媒活性が、金属微粒子の粒径と比表面積とに見合う範囲に達しないのは、金属微粒子の表面において、金属元素が、金属の状態で十分に露出していないためであると考えられ、その原因としては、当該金属微粒子の、特に、表面において、大部分の金属元素が酸化されて、酸化物になっているためであると推測される。
すなわち、先に説明した液相還元法では、低酸化状態で金属微粒子が形成される気相法や、あるいは、金属微粒子の形成過程で高温状態を経る含浸法と違って、生成される金属微粒子が酸化されやすい傾向にあり、特に、還元力の弱い還元剤を用いて、できるだけ析出速度を遅くして、長い時間をかけて金属微粒子を形成する場合には、金属微粒子が酸化されやすくなる。のみならず、このようにして得られるnmオーダーの微細な金属微粒子においては、久保効果として知られる融点降下現象に代表されるように、その表面エネルギーが増大することで、表面活性が高くなることから、金属微粒子は、より一層、酸化されやすくなる。
そのため、金属微粒子の、特に、表面近傍の金属元素の大部分は、金属の種類による程度の差こそあれ、室温の大気中で酸化されて、酸化物になっていると考えられる。そして、金属元素が酸化される度合いは、その種類によってほぼ一定であるため、金属微粒子が微細化すればするほど、その全容積に占める酸化物の割合が高くなって、触媒活性が低下するのである。
そこで、発明者は、粒径が3nm以下という微細な金属微粒子の表面において、どの程度の割合で、金属元素が金属の状態で露出していれば、その粒径に見合う高い触媒活性を有する金属触媒が得られるかについて検討した。その結果、X線光電子分析装置によって測定され、金属固有の結合エネルギーピークを波形分離することで帰属される、金属微粒子の金属結合状態の割合を40%以上に規定すれば、微細な金属微粒子を含む金属触媒の触媒活性を、その金属微粒子の粒径と比表面積とに見合う高いレベルに向上できることを見出した。
したがって、本発明の金属触媒は、金属微粒子の粒径が3nm以下で、かつ、X線光電子分析装置を用いて測定され、金属固有の結合エネルギーピークを波形分離することで帰属される、金属微粒子の金属結合状態の割合が40%以上であることを特徴とするものである。
ただし、金属微粒子の金属結合状態の割合が90%を超える場合には、触媒活性が高くなりすぎて、金属微粒子による触媒作用が、触媒毒によって阻害されやすくなるため、金属触媒の触媒活性が却って低下するおそれがある。触媒毒による影響を排除しつつ、金属触媒の触媒活性を向上するためには、金属微粒子の金属結合状態の割合は、上記の範囲内でも、特に、90%以下であるの好ましい。
また、触媒毒による影響を排除しつつ、金属触媒の触媒活性を向上する効果をさらに向上することを考慮すると、金属微粒子の金属結合状態の割合は、上記の範囲内でも、特に、50〜80%であるのが好ましい。
金属微粒子としては、良好な触媒活性を得ることを考慮すると、白金、パラジウム、金、銀、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム、コバルト、マンガン、ニッケル、鉄、クロム、モリブデン、およびチタンから選ばれる少なくとも1種の金属からなる微粒子が好ましい。
中でも、特に、白金微粒子が好ましく、かかる白金微粒子は、X線光電子分析装置を用いて測定され、白金固有の結合エネルギーピークであるPt4d5ピークを波形分離することで帰属される、白金微粒子の金属結合状態の割合が40%以上であるのが好ましい。
本発明の金属触媒は、その生産性や取り扱い性等を考慮すると、微細な金属微粒子が、多数、それよりも大きい担体粒子の表面に担持された構造を有しているのが好ましく、かかる構造を有する金属触媒における、多数の金属微粒子は、その粒径を小さくすることが可能な液相還元法によって、担体粒子の表面に担持されるのが好ましい。
すなわち、担体粒子を分散させた液相の反応系中で、析出対象である金属のイオンを、還元剤の作用によって還元して、担体粒子の表面に微粒子状に析出させることによって、多数の金属微粒子が、担体粒子の表面に担持されるのが好ましい。
また、発明者の検討によると、上記のように、多数の金属微粒子が担体粒子の表面に担持された構造を有し、なおかつ、担持される金属微粒子の粒径が3nm以下である金属触媒においては、いわゆる「縄張り効果」による触媒活性の低下は生じない。そのため、隣り合う金属微粒子の、中心間の距離を、特許文献4において規定された15nm未満として、その担持量を大きくして、金属触媒の触媒活性を向上することが可能である。
しかし、粒径が3nm以下という微小な金属微粒子は、表面活性が高いことから、隣り合うもの同士の、最接近する表面間の距離が0.3nm未満であると、100℃以下程度の比較的低温でも、クラスタリングを起こして粗大粒子化しやすく、金属微粒子が粗大粒子化すると、触媒活性が低下するという問題がある。
そのため、金属触媒の触媒活性をさらに向上することを考慮すると、担体粒子の表面で隣り合う金属微粒子は、その中心間の距離が15nm未満で、かつ、最近接する表面間の距離が0.3nm以上であるのが好ましい。
また、隣り合う金属微粒子の距離が上記の範囲内に規定された金属触媒の触媒活性を、さらに向上することを考慮すると、金属微粒子の重量の、金属触媒の重量に対する百分率で表される金属微粒子の担持量は10〜60重量%であるのが好ましい。
また、多数の金属微粒子が担体粒子の表面に担持された構造を有し、なおかつ、燃料電池の正極において、酸素ガスを還元反応させるために用いる金属触媒においては、各金属微粒子の、露出している結晶面方位が、上記還元反応の触媒活性に優れた(111)面に配向しているのが好ましい。
また、燃料電池用触媒の場合は、担体粒子として、導電性を有するカーボンブラックが好適に使用されるが、カーボンブラックのBET比表面積が小さいほど、液相還元法によって金属のイオンを還元して、カーボンブラックの表面に微粒子状に析出させた際に、析出した金属微粒子間の距離が近くなるため、隣り合う複数の金属微粒子が、その成長過程で融合して、金属微粒子の粒径が大きくなる傾向がある。
発明者の検討によると、上記融合が発生するのを防止して、3nm以下の範囲内で、できるだけ金属微粒子の粒径を小さくするためには、カーボンブラックのBET比表面積は500m/g以上であるのが好ましい。
一方、BET比表面積が1500m/gを超えるカーボンブラックは、導電性が低いため、特に、金属触媒を燃料電池用触媒として使用する際に、触媒効率が低下するおそれがある。そのため、液相還元法によって、担体粒子としてのカーボンブラックの表面に、できるだけ粒径の小さい金属微粒子を担持させることと、カーボンブラックの導電性を高めることとを併せ考慮すると、当該カーボンブラックのBET比表面積は500〜1500m/gであるのが好ましい。
また、カーボンブラックのBET比表面積を、上記の範囲内に調整するためには、当該カーボンブラックの嵩密度が10〜50g/リットルであるのが好ましい。
さらに、カーボンブラックのBET比表面積を、上記の範囲内に調整すると共に、複数の金属微粒子がクラスタリングを起こして、触媒活性が低下するのを防止するためには、当該カーボンブラックとして、鎖状構造を有する原料カーボンブラックを、鎖状構造を切断するように、粉砕処理したものを用いるのが好ましい。
上記本発明の金属触媒は、その高い触媒効率を利用して、燃料電池用触媒または自動車排ガス用触媒として好適に使用される。
また、上記本発明の金属触媒を製造するためには、形成した金属微粒子を還元処理すればよい。すなわち、本発明の金属触媒の製造方法は、金属微粒子を還元して酸化状態を低下させることによって、X線光電子分析装置を用いて測定され、金属固有の結合エネルギーピークを波形分離することで帰属される、金属微粒子の金属結合状態の割合を40%以上に調整する工程を含むことを特徴とするものである。
金属微粒子を還元する方法としては、金属微粒子を、液相中で、還元剤の作用によって還元する液相法が挙げられる。また、液相法においては、還元処理の効率を向上して、金属触媒の生産性を向上させるために、還元剤として、還元する金属よりも酸化還元電位が卑であるものを選択して用いることが好ましい。
金属微粒子が白金微粒子である場合に、白金よりも酸化還元電位が卑である還元剤としては、3価のチタンイオン、次亜リン酸ナトリウム、ヒドラジン、2価〜4価のバナジウムイオン、または水素化ホウ素ナトリウムが挙げられる。
金属微粒子を還元する他の方法としは、金属微粒子を、気相中で、還元剤の作用によって還元する気相法、金属微粒子を、マイクロ波によって加熱して還元するマイクロ波加熱法、または、金属微粒子を、電解液中で電流を流すことによって電気化学的に還元する電気化学法が挙げられる。
多数の金属微粒子が担体粒子の表面に担持された構造を有する金属触媒を製造するためには、上記の、金属微粒子の金属結合状態の割合を調整する工程を行うに先立って、担体粒子を分散させた液相の反応系中で、析出対象である金属のイオンを、還元剤の作用によって還元して、担体粒子の表面に微粒子状に析出させる工程を行うのが好ましく、その際の還元剤としては、析出させる金属微粒子の粒径をできるだけ小さくすることを考慮すると、アルコール類、糖アルコール類、および還元性糖類からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いるのが好ましい。
本発明の金属触媒における、金属微粒子の金属結合状態の割合を測定するために用いる、X線光電子分析装置の構成を説明する概略図である。 本発明の実施例1において、担体粒子の表面に担持させた白金微粒子を、上記X線光電子分析装置を用いて測定した際に得られた、電子の結合エネルギーと、その電子のシグナル強度との関係を表すスペクトルを示すグラフである。 図2のスペクトルのうち、白金の固有の結合エネルギーピークであるPt4d5ピークを波形分離したスペクトルを示すグラフである。 本発明の実施例22の白金触媒における、白金微粒子の担持状態を示す透過型電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例22の白金触媒において、1つの白金微粒子を拡大した状態を示す透過型電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例21〜25、および比較例1における、白金微粒子の金属結合状態と、酸素還元電流との関係を示すグラフである。
《金属触媒》
本発明の金属触媒は、粒径が3nm以下の金属微粒子を含み、なおかつ、この金属微粒子の、X線光電子分析装置を用いて測定され、金属固有の結合エネルギーピークを波形分離することで帰属される金属結合状態の割合が40%以上であることを特徴とするものである。
本発明において、金属微粒子の粒径が3nm以下に限定されるのは、粒径が3nmを超える金属微粒子は、比表面積が小さいため、たとえ、その金属結合状態の割合を40%以上にしても、金属触媒の触媒効率を向上する効果が得られないためである。また、かかる粒径の大きな金属微粒子は、そもそも金属状態が強いことから、その表面における、金属結合状態の割合を40%以上にすると、金属微粒子による触媒作用が触媒毒によって阻害されやすくなるという問題も生じる。したがって、金属微粒子の粒径は3nm以下に限定される。
また、触媒毒による影響を排除しつつ、金属触媒の触媒活性をできる限り向上することを考慮すると、金属微粒子の粒径は、上記の範囲内でも、特に、2nm以下であるのが好ましく、1nm以下であるのがさらに好ましい。なお、金属微粒子の粒径の下限値については、特に、限定されず、前述した液相還元法によって析出可能で、なおかつ、触媒として機能しうる最小限の粒径のものまで使用可能である。
X線光電子分析装置(XPSまたはESCA)は、代表的な表面分析装置の1つで、固体の表面から数nmの深さまでの領域における元素の種類と、その化学結合状態の分析とに用いられる。また、Arイオンを照射してエッチングすることにより、最表面の汚染物を除去した面や、サブミクロンオーダーまでの深さ方向の分析も可能である。
上記X線光電子分析装置を用いた測定では、高真空中において、図1に一点鎖線の矢印で示すように、固体試料1の表面に、照射X線源2から特定エネルギーの軟X線(AlKα線またはMgKα線)を照射する。そうすると、その光電効果によって、固体試料1から、図中に二点鎖線で示すように電子(光電子)が放出されるので、この電子を、マグネッティックレンズ3、アパーチャー4、静電レンズ5等を介してアナライザー6に導き、電子の運動エネルギーによって分離させて、検出器7によって検出することで、固体試料1の表面状態が、運動エネルギーの異なる電子のスペクトルとして検出される。
なお、光電子は、固体試料の深い領域からも放出されるが、試料表面に到達するまでに、非弾性散乱によって運動エネルギーを失うため、スペクトルにおいて、ピークとしては検出されず、スペクトルのバックグラウンドとなる。したがって、非弾性散乱せずに試料表面から脱出し得る、数nmの深さ領域の光電子のみがピークとして検出され、分析に用いられる。
スペクトルの横軸は、電子の結合エネルギー、縦軸は、その電子の出現頻度、すなわちシグナル強度で表示される。結合エネルギー(Eb)は、照射した軟X線のエネルギー(E0)から、光電子の運動エネルギー(Ek)を引いた差として求められる(Eb=E0−Ek)。各種原子の内殻電子は、固有の結合エネルギーを持っているので、検出された電子の結合エネルギーから、元素の種類を、また、シグナル強度から、元素の比率を調べることができる。検出可能な元素はLiからUまでである。また、検出限界は、元素によって異なるが0.1%程度である。
また、各種元素の化学結合状態が異なると、結合エネルギーがわずかに変化するため、スペクトルが区別されて検出される。これにより、有機物の官能基分析(C−O,C=Oの定量等)や、無機物の酸化状態の分析(メタルと酸化状態の定量)等が可能となる。なお、Arイオンエッチングによる深さ方向の分析は、イオン照射による状態変化が起こりにくい無機物に有効である。
上記のX線光電子分析装置を用いて、金属触媒の金属微粒子を分析すると、得られるスペクトル中の、当該金属微粒子を形成する金属固有の結合エネルギーピークを波形分離することで帰属される、金属微粒子表面の金属結合状態の割合を求めることができる。すなわち、X線光電子分析装置を用いて、金属微粒子に特定エネルギーの軟X線を照射すると、横軸が電子の結合エネルギー、縦軸がその電子のシグナル強度を表す、図2に示すようなスペクトルが得られる。図2のスペクトルは、後述する実施例1の白金微粒子について、測定した結果である。白金の場合は、固有の結合エネルギーピークとして、Pt4d5ピークが波形分離される。
図3は、Pt4d5ピークを波形分離したスペクトルを表す図であって、この図3において、最上部の細かな波形を有する曲線が、実際に測定されたスペクトルを示し、このスペクトに重ね合わされている滑らかな曲線は、それを近似させた近似曲線、その下の3つの曲線は、上記近似曲線から波形分離された、シグナル強度が強いもの(ピーク高さの高いもの)から順に、白金元素同士の金属結合状態を示すピーク、白金元素と酸素元素の準安定な結合状態を示すピーク、そして、白金元素と酸素元素の安定な結合状態を示すピークである。これら波形分離されたスペクトルから金属結合状態の割合を求めるには、各ピークの面積を計測し、その総計に占める、金属結合状態を示すピークの面積の割合を求める等すればよい。
本発明においては、上記のようにして求められる、金属微粒子表面の金属結合状態の割合が40%以上に限定される。金属結合状態の割合が40%未満では、金属微粒子の粒径と比表面積とに見合う、高い触媒活性を有する金属触媒が得られないためである。また、金属結合状態の割合は、触媒毒による影響を排除しつつ、金属触媒の触媒活性を、できる限り向上することを考慮すると、上記の範囲内でも90%以下であるのが好ましく、その中でも50〜80%であるのが好ましい。
金属微粒子としては、白金、パラジウム、金、銀、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム、コバルト、マンガン、ニッケル、鉄、クロム、モリブデン、およびチタンから選ばれる少なくとも1種の金属からなる微粒子が挙げられ、特に、白金微粒子が好ましい。白金微粒子において、金属結合状態の割合を求めるために波形分離される固有の結合エネルギーピークは、前記のようにPt4d5ピークである。
本発明の金属触媒は、上で説明した特性を満足する金属微粒子単体で構成してもよいが、その生産性や取り扱い性等を考慮すると、微細な金属微粒子が、多数、それよりも大きい担体粒子の表面に担持された構造を有しているのが好ましい。担体粒子としては、無機化合物や、カーボンの粒子が挙げられる。
このうち、無機化合物の粒子としては、γ−アルミナ等のアルミナ、酸化チタン、シリカ、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、および、これらの複合酸化物等の金属酸化物の粒子や、窒化チタン、窒化鉄、窒化ケイ素等の金属窒化物の粒子、あるいは、硫化銀の粒子等が挙げられる。無機化合物の粒子の粒径は、触媒の用途等に応じて、適宜の範囲に設定することができるが、比表面積で表して50〜500m/gであるのが好ましい。
また、カーボンの粒子としては、種々のカーボンブラックが使用できるが、特に、そのBET比表面積が500〜1500m/gであるものが、好適に使用される。カーボンブラックのBET比表面積が500m/g未満では、液相還元法によって金属のイオンを還元して、カーボンブラックの表面に、微粒子状に析出させた際に、析出した金属微粒子間の距離が近くなるため、隣り合う複数の金属微粒子が、その成長過程で融合して、金属微粒子の粒径が、前記3nm以下の範囲内でも、大きめになる傾向がある。
一方、BET比表面積が1500m/gを超えるカーボンブラックは、導電性が低いため、特に、金属触媒を燃料電池用触媒として使用する際に、触媒効率が低下するおそれがある。なお、液相還元法によって、担体粒子としてのカーボンブラックの表面に、できるだけ粒径の小さい金属微粒子を担持させることと、カーボンブラックの導電性を高めることとを併せ考慮すると、カーボンブラックのBET比表面積は、上記の範囲内でも700〜1300m/g、特に、900〜1200m/gであるのが好ましい。
また、カーボンブラックのBET比表面積を、上記の範囲内に調整するためには、当該カーボンブラックの嵩密度が10〜50g/リットル、中でも15〜40g/リットル、特に、22〜35g/リットルであるのが好ましい。カーボンブラックの嵩密度がこの範囲未満では、BET比表面積が先の範囲未満となって、担持させる金属微粒子の粒径が大きくなる傾向があり、逆に、嵩密度が上記の範囲を超える場合には、BET比表面積が先の範囲を超えて、導電性が低下するため、金属触媒を燃料電池用触媒として使用する際に、触媒効率が低下するおそれがある。
さらに、カーボンブラックのBET比表面積を、前記の範囲内に調整すると共に、複数の金属微粒子がクラスタリングを起こして、触媒活性が低下するのを防止するためには、当該カーボンブラックとして、鎖状構造を有する原料カーボンブラックを、鎖状構造を切断するように、粉砕処理したものを用いるのが好ましい。
カーボンブラックは、周知のように、無定形炭素からなる単位粒子が、多数、鎖状に連携して、ストラクチャーと呼ばれる鎖状構造を形成した状態で供給され、この原料の状態では、単位粒子同士の接合部分が多数存在することから、各単位粒子の表面において、金属微粒子を担持させることができる領域の表面積が制限される。そのため、全体としての比表面積が、前記の範囲より小さくなって、その表面に、液相還元法によって担持させる金属微粒子の粒径が、前述した成長過程での融合によって、大きくなる傾向がある。また、担持させた、隣り合う金属微粒子同士の間隔が近すぎるため、多数の金属微粒子が、100℃以下程度の比較的低温でも、クラスタリングを起こして粗大粒子化しやすく、金属微粒子が粗大粒子化すると、触媒活性が低下するおそれがある。
これに対し、鎖状構造を有する原料カーボンブラックを、当該鎖状構造を切断するように、粉砕処理したカーボンブラックは、単位粒子同士の接合部分が減少して、単位粒子の表面における、金属微粒子を担持させることができる領域の表面積が増加する分、全体としての比表面積が増加する。そのため、カーボンブラックのBET比表面積を、前記の範囲内に調整して、担持される金属微粒子の融合を防止することで、その粒径を、できるだけ小さくすることができると共に、複数の金属微粒子がクラスタリングを起こして、触媒活性が低下するのを防止することができる。
原料カーボンブラックの鎖状構造を切断するように粉砕処理する方法としては、例えば、シロッコファンを用いて高速回転粉砕する方法や、ボールミル、ロールミル等を用いた粉砕方法等が挙げられる。
担体粒子の表面に、多数の、粒径が3nm以下という微小な金属微粒子が担持された構造を有する金属触媒においては、隣り合う金属微粒子の、中心間の距離が15nm未満であるのが好ましい。中心間の距離が15nm以上では、金属微粒子の担持量が小さすぎるため、金属触媒の触媒活性が低下するおそれがある。また、隣り合う金属微粒子の、最近接する表面間の距離は0.3nm以上であるのが好ましい。表面間の距離が0.3nm未満では、100℃以下程度の比較的低温でも、クラスタリングを起こして粗大粒子化しやすく、金属微粒子が粗大粒子化すると、触媒活性が低下するという問題がある。
なお、クラスタリングの発生を防止しながら、金属粒子の担持量をできるだけ大きくして、触媒活性をさらに向上することを考慮すると、隣り合う金属微粒子間の距離は、最近接する表面間の距離で表して1.0〜5.0nmであるのがさらに好ましい。隣り合う金属微粒子の、中心間の距離、および最接近する表面間の距離は、いずれも、透過型電子顕微鏡を用いて実測した値とする。また、隣り合う金属微粒子間の距離を上記の範囲内とするためには、担体粒子の比表面積を調整したり、金属微粒子の担持量を調整したりすればよい。
また、金属触媒の触媒活性を、さらに向上することを考慮すると、金属微粒子の重量の、金属触媒の重量に対する百分率で表される金属微粒子の担持量は10〜60重量%であるのが好ましい。担持量が10重量%未満では、隣り合う金属微粒子間の距離が前記の範囲を上回って、金属微粒子間の、酸素ガスや水素ガスが拡散する経路に、露出したカーボンの表面が広く存在することにより、ガスの拡散が阻害されて、触媒活性が低下するおそれがある。
また、担持量が60重量%を超える場合には、隣り合う金属微粒子間の距離が前記の範囲を下回って、100℃以下程度の比較的低温でもクラスタリングを起こして粗大粒子化しやすくなり、粗大粒子化すると触媒活性が低下するおそれがある。なお、クラスタリングの発生を防止しながら、触媒活性をさらに向上することを考慮すると、金属微粒子の担持量は15〜50重量%であるのがさらに好ましい。
また、特に、担体の表面に多数の金属微粒子が担持された構造を有し、なおかつ、前述した燃料電池の正極において酸素ガスを還元反応させるために用いる金属触媒においては、金属微粒子の、露出している結晶面方位が、上記還元反応の触媒活性に優れた(111)面に配向しているのが好ましい。これにより、酸素ガスを還元反応させる際の触媒活性を、さらに向上させることができる。
金属微粒子の、露出している結晶面方位を(111)面に配向させるためには、組み合わせる担体粒子と金属微粒子の種類を選択したり、金属微粒子の析出方法を選択したり、担体粒子の表面状態を調整したりすればよい。例えば、担体粒子として、カーボンブラック等の、カーボンの粒子を使用すると共に、このカーボンの粒子の表面に、液相還元法によって白金を析出させて白金微粒子を担持させると、自動的に、その露出している結晶面方位を(111)面に配向させることができる。
《金属触媒の製造方法》
(金属微粒子の形成)
担体粒子の表面に担持させる金属微粒子の粒径を3nm以下とするためには、当該金属微粒子を、液相還元法によって形成するのが好ましい。具体的には、所定量の担体粒子を分散させると共に、還元剤と、金属のイオン源となる金属化合物とをそれぞれ所定の濃度で含む液相の反応系を調製し、この反応系を、所定の温度条件下で一定時間、反応させることにより、液相中に分散した担体粒子の表面に、還元された金属を、微粒子状に析出させることができる。
この際、液の温度や粘度、かく拌の有無、かく拌する場合はかく拌速度等を変更することにより、形成される金属微粒子の粒径を調整することができる。すなわち、液の温度が低いほど、また粘度が高いほど、さらに、かく拌する場合はかく拌速度が低いほど、形成される金属微粒子の粒径が小さくなる傾向がある。したがって、形成する金属微粒子の種類や粒径、使用する還元剤の種類、その他の条件を考慮しながら、液の温度、粘度、かく拌条件等を設定するのが好ましい。
金属微粒子のもとになる金属のイオン源としては、金属元素を含む種々の、液相の反応系に可溶の金属化合物が、いずれも使用可能である。また、金属化合物は、可能であれば、核成長の起点となって異常な核成長を生じさせるおそれのある、ハロゲン元素(塩素等)、硫黄、リン、ホウ素等の不純物元素を含まないのが好ましい。ただし、不純物元素を含む金属化合物を使用する場合でも、反応条件等を調整することにより、異常な核成長を抑えて、担体粒子の表面に、小粒径の金属微粒子を担持させることは可能である。
金属のイオン源として好適な金属化合物としては、これに限定されないが、例えば、白金の場合、ジニトロジアンミン白金(II)(Pt(NO(NH)、ヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物(H〔PtCl〕・6HO)等が挙げられ、特に、ジニトロジアンミン白金(II)が好ましい。
パラジウムの場合は、塩化パラジウム(II)溶液(PdCl)、金の場合は、テトラクロロ金(III)酸四水和物(HAuCl・4HO)等が挙げられる。銀の場合は、硝酸銀(I)(AgNO)、メタンスルホン酸銀(CHSOAg)等が挙げられ、特に、硝酸銀(I)が好ましい。ロジウムの場合は、塩化ロジウム(III)溶液(RhCl・3HO)、イリジウムの場合は、ヘキサクロロイリジウム(III)酸六水和物(2(IrCl)・6HO)、ルテニウムの場合は、硝酸ルテニウム(III)溶液(Ru(NO))、オスミウムの場合は、酸化オスミウム(VIII)(OsO)等が挙げられる。
コバルトの場合は、硝酸コバルト(II)六水和物(Co(NO・6HO)、硫酸コバルト(II)七水和物(CoSO・7HO)、塩基性炭酸コバルト(II)(xCoCO・yCo(OH)・zHO、x、y、zは製法により異なる、通常はx=2、y=3、z=1)、塩化コバルト(II)六水和物(CoCl・6HO)、アセチルアセトンコバルト(II)(Co〔CH(COCH)、酢酸コバルト(II)四水和物(Co(CHCOO)・4HO)等が挙げられる。マンガンの場合は、硝酸マンガン(II)水和物(Mn(NO・nHO、n=4〜6)、塩化マンガン(II)四水和物(MnCl・4HO)、硫酸アンモニウムマンガン(II)六水和物(Mn(NH(SO・6HO)等が挙げられる。
ニッケルの場合は、硝酸ニッケル(II)六水和物(Ni(NO・6HO)、塩化ニッケル(II)六水和物(NiCl・6HO)、硫酸ニッケル(II)七水和物(NiSO・7HO)、アセチルアセトンニッケル(II)(Ni〔CH(COCH)、塩基性炭酸ニッケル(II)(aNiCO・bNi(OH)・cHO、a、b、cは製法により異なる、通常はa=2、b=3、c=4)、酢酸ニッケル(II)四水和物(Ni(CHCOO)・4HO)等が挙げられる。鉄の場合は、硝酸鉄(III)六水和物、九水和物(Fe(NO・6HO、9HO)、塩化鉄(II)四水和物(FeCl・4HO)、硫酸鉄(II)七水和物(FeSO・7HO)、アセチルアセトン鉄(III)(Fe〔CH(COCH)等が挙げられる。
クロムの場合は、アセチルアセトンクロム(III)(Cr〔CH(COCH)、塩化クロム(II)(CrCl)、硝酸クロム(III)九水和物(Cr(NO・9HO)等が挙げられる。モリブデンの場合は、塩化モリブデン(V)(MoCl)、チタンの場合は塩化チタン(IV)溶液(TiCl)等が挙げられる。
還元剤としては、先に述べたように、できるだけ還元力の弱い還元剤が、好適に使用される。還元力の弱い還元剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類や、アスコルビン酸等を挙げることができる他、エチレングリコール、グルタチオン、有機酸類(クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等)、還元性糖類(グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、スクロース、マルトース、ラフィノース、スタキオース等)、および糖アルコール類(ソルビトール等)等を挙げることができ、特に、還元性糖類や、その誘導体としての糖アルコール類、あるいは、アルコール類が好ましい。また、還元剤として、アルコール類と、その他の還元剤とを併用すると、担体粒子の表面に担持させる金属微粒子の担持率を増加させることができる。
また、液相の反応系中には、例えば、そのpHを、金属イオンの還元析出に適した範囲に調整するためのpH調整剤、担体粒子を分散させるための分散剤、液相の粘度を調整するための粘度調整剤等の、各種の添加剤を添加してもよい。
このうち、pH調整剤としては、各種の酸やアルカリが何れも使用可能であるが、特に、核成長の起点となって異常な核成長を生じさせるおそれのある不純物元素を含まない、酸やアルカリを使用するのが好ましい。かかる、不純物元素を含まない酸としては、硝酸等を挙げることができ、アルカリとしては、アンモニア水等を挙げることができる。
液相のpHの好適な範囲は、析出させる金属の種類や、そのもとになる金属のイオン源としての、金属化合物の種類等によって異なり、また、その好適な範囲内でpHを小さくするほど、形成される金属微粒子の粒径が小さくなる傾向がある。よって、形成する金属微粒子の種類や粒径、使用する還元剤の種類、その他の条件を考慮しながら、pH調整剤を添加するか否か、添加する場合は、どの程度の量を添加するか、を選択するのが好ましい。
また、分散剤や粘度調整剤としては、従来公知の種々の化合物を用いることができるが、この両者の機能を兼ね備えた高分子分散剤を使用するのが好ましい。かかる高分子分散剤としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン等のアミン系の高分子分散剤や、カルボキシメチルセルロース等の、分子中にカルボン酸基を有する炭化水素系の高分子分散剤、あるいは、1分子中にポリエチレンイミン部分とポリエチレンオキサイド部分とを有する共重合体(以下「PEI−PO共重合体」とする)等を挙げることができる。
高分子分散剤の添加量は、特に、限定されないが、添加量を多くするほど液相の粘度が上昇して、形成される金属微粒子の粒径が小さくなる傾向があることから、製造する金属微粒子の粒径や、使用する還元剤の種類、その他の条件を考慮しながら、好適な添加量の範囲を設定するのが好ましい。
(金属微粒子の還元処理)
上記の工程で形成した金属微粒子の、金属結合状態の割合を、前述した40%以上に調整して、本発明の金属触媒を製造するためには、先に説明したように、金属微粒子を還元して酸化状態を低下させる還元処理を行うのが好ましい。還元処理の方法としては、例えば、金属微粒子を、液相中で、還元剤の作用によって還元する液相法、気相中で、還元剤の作用によって還元する気相法、マイクロ波を用いて加熱して還元するマイクロ波加熱法、電解液中で電流を流すことによって電気化学的に還元する電気化学法等が挙げられる。
このうち液相法においては、金属微粒子を担持させた担体粒子を、還元剤を所定の濃度で含む液相の処理液で処理することによって、金属微粒子が還元される。還元剤としては、還元処理の効率を向上して、金属触媒の生産性を向上させるために、還元する金属よりも酸化還元電位が卑であるものを選択して用いることが好ましく、その具体例としては、例えば、金属微粒子が白金微粒子である場合、3価のチタンイオン、次亜リン酸ナトリウム、ヒドラジン、2価〜4価のバナジウムイオン、水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。
上記のうち、次亜リン酸ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウムは還元力に優れており、金属微粒子の表面を効率的に還元して、その金属結合状態の割合を、前記40%以上の範囲内でもできる限り高い値に調整することができる。また、3価のチタンイオンは、自身が4価に酸化される際に、同じ反応系中に存在する金属微粒子の表面を還元して、その金属結合状態の割合を40%以上に調整するために機能する。また、チタンイオンが4価に酸化された液を電解処理してチタンイオンを3価に還元することで、何度でも、繰り返して還元処理に使用できるという利点がある。処理の温度は、例えば、還元剤として水素化ホウ素ナトリウム等を用いる場合は40〜70℃であるのが好ましく、3価のチタンイオンを用いる場合は30〜50℃であるのが好ましい。
気相法では、金属微粒子を担持させた担体粒子を、例えば、水素ガス等の還元性雰囲気中で、100〜300℃に加熱して5〜60分間程度、処理することによって、金属微粒子が還元される。還元剤としては、上記水素ガスの他に、例えば、アンモニアガス等が挙げられる。また、還元処理には、例えば、横型環状炉等が使用される。金属微粒子を担持させた担体粒子は、例えば、石英ガラスボート等に入れた状態で、上記横型環状炉等に収容されて還元処理される。
マイクロ波加熱法では、金属微粒子を担持させた担体粒子を、不活性ガス雰囲気中、あるいは還元性ガス雰囲気中で、マイクロ波によって加熱することで、金属微粒子が還元される。処理の条件は、出力300〜600W、処理時間20〜60秒間程度である。マイクロ波加熱には、電子レンジを使用することができる。この方法では、通常の電気炉を使用する高温で長時間の加熱に比べて、熱源が、ミクロに、かつ均一に分散しているため、金属微粒子を瞬間的に昇温、加熱することができ、金属微粒子の凝集や焼結を極力、回避しながら還元処理することができる。
電気化学法においては、金属微粒子を担持させた担体粒子を、例えば、多孔質の表面を有する陰極の、多孔質の孔に充てんする等して担持させた状態で、電解液中に浸漬して、例えば、チタン、白金等の、電解液に不溶性の材料からなる陽極との間に直流電流を流すことによって、金属微粒子が還元される。この方法では、両極間に流す電流値等の条件を変化させることで、金属微粒子の金属結合状態の割合を、40%以上の範囲内の任意の値に調整できるという利点がある。
かくして製造される本発明の金属触媒は、粒径が小さく、かつ、比表面積が大きい金属微粒子を含み、しかも、その金属微粒子の粒径と比表面積とに見合う高い触媒活性を有することから、先に述べたように、燃料電池用触媒や、自動車排ガス用触媒等として好適に使用することができる。
実施例1:
純水に、担体粒子としてのカーボンブラック〔Cabot社製のVulcan XC−72R Carbon、BET比表面積:222m/g、嵩密度:95g/リットル〕と、還元剤としてのエタノールおよびフルクトースと、ジニトロジアンミン白金(II)の硝酸溶液〔白金濃度50g/リットル〕とを添加し、さらに、アンモニア水を添加してpHを1.5に調整して、液相の反応系を調製した。反応系における、カーボンブラックの濃度は2g/リットル、エタノールの濃度は10ml/リットル、フルクトースの濃度は0.10M(モル/リットル)、ジニトロジアンミン白金(II)の硝酸溶液の濃度(白金イオン濃度)は0.02Mとした。
次に、この反応系を、マグネチックスターラを用いて、かく拌速度400rpmでかく拌しながら、反応温度を40℃に維持しつつ還流下で240時間、反応させて、カーボンブラックの表面に白金微粒子を析出させ、固液分離後、得られた固形分を、水素化ホウ素ナトリウム水溶液〔濃度10g/リットル〕を用いて、40℃で洗浄処理して白金微粒子を還元させて、白金触媒を製造した。
実施例2:
還元剤としてのフルクトースの濃度を0.20Mとしたこと以外は実施例1と同様にして、白金触媒を製造した。
実施例3:
還元剤としてのフルクトースの濃度を0.20Mとし、かつ、反応系のpHを5に調整したこと以外は実施例1と同様にして、白金触媒を製造した。
実施例4:
還元剤としてのフルクトースの濃度を0.20Mとし、かつ、反応系のpHを9に調整したこと以外は実施例1と同様にして、白金触媒を製造した。
実施例5〜8:
固液分離後の固形分を、三塩化チタン水溶液〔チタンイオンの濃度0.5モル/リットル〕を用いて、40℃で洗浄処理して白金微粒子を還元させたこと以外は実施例1〜4と同様にして、白金触媒を製造した。
実施例9〜12:
固液分離後の固形分を、石英ガラスボートに入れて横型環状炉内に収容すると共に、炉内に水素ガスを充てんした還元性雰囲気中で、100℃に加熱して60分間の処理を行って白金微粒子を還元させたこと以外は実施例1〜4と同様にして、白金触媒を製造した。
実施例13〜16:
固液分離後の固形分を、電子レンジ内に収容すると共に、レンジ内に不活性ガスを充てんした不活性ガス雰囲気中で、300Wのマイクロ波によって20秒間、加熱して白金微粒子を還元させたこと以外は実施例1〜4と同様にして、白金触媒を製造した。
実施例17〜20:
固液分離後の固形分を、多孔質のカーボン陰極の、多孔質の孔に充てんして担持させた状態で、電解液としての0.1M過塩素酸水溶液中に浸漬して、液温30℃の条件下、陽極としての白金黒電極との間に電流密度10μA/gの直流電流を20分間、流すことによって、白金微粒子を電気化学的に還元させたこと以外は実施例1〜4と同様にして、白金触媒を製造した。
比較例1〜4:
固液分離後の固形分を還元処理せず、水洗のみを行ったこと以外は実施例1〜4と同様にして、白金触媒を製造した。
比較例5〜8:
固液分離後の固形分を、不活性ガス雰囲気下、電気炉中で、250℃×24時間、加熱して白金微粒子を還元させたこと以外は実施例1〜4と同様にして、白金触媒を製造した。
比較例9:
還元剤として、フルクトースに代えて、同量のマンノースを使用すると共に、反応温度を20℃としたこと以外は実施例1と同様にして、白金触媒を製造した。
上記各実施例、比較例の白金触媒について、下記の各試験を行って、その特性を評価した。
白金微粒子の粒径測定:
白金微粒子の粒径は、下記の手順で求めた。すなわち、CO吸着法により、製造した白金触媒を前処理温度120℃、吸着温度50℃の条件で処理してCO吸着量を求め、その結果から、カーボンブラックの表面に担持された白金微粒子の表面積を算出した。また、製造した白金触媒における白金微粒子の担持量を、ICP(Inductively Coupled Plazma、誘導結合プラズマ)分光分析法によって測定して、この担持量と、先の表面積とから、カーボンブラックの表面に担持された白金微粒子の粒径を算出した。
金属結合状態の割合測定:
製造した白金触媒を、X線光電子分析装置を用いて分析して、電子の結合エネルギーと、その電子のシグナル強度との関係を示すスペクトルを求め、このスペクトルのうち、白金の固有の結合エネルギーピークであるPt4d5ピークを、白金元素同士の金属結合状態を示すピーク、白金元素と酸素元素の準安定な結合状態を示すピーク、および白金元素と酸素元素の安定な結合状態を示すピークに波形分離して、それぞれの面積を計測し、その総計に占める、金属結合状態を示すピークの面積の割合を、白金微粒子の表面における、金属結合状態の割合として求めた。分析は、X線源としてはMONO Al Kαを用い、透過エネルギーを17.90eVに設定して行った。
なお、測定結果の例として、実施例1における、電子の結合エネルギーと、その電子のシグナル強度との関係を示すスペクトルを図2に示す。また、図2のスペクトルのうち、白金の固有の結合エネルギーピークであるPt4d5ピークを波形分離したスペクトルを図3に示す。
電気化学表面積の測定:
製造した白金触媒の触媒活性(電気化学活性)を示す、水素吸着波から求められる電気化学表面積(m/g-Pt)を、触媒の製造直後(初期)、および触媒を0.01Mの塩酸中に100時間、浸漬した後(耐久後)の2回にわたって測定した。測定は、3極式セルを用いた分極測定法によって行った。この際、参照極としては標準水素電極、対極としては白金電極、そして作用極としては、後述する酸素還元電流の測定Iと同様にして作製した、測定試料である白金触媒を担持させたカーボン電極を用いた。
白金微粒子の担持量測定:
白金微粒子の担持量は、前記のように、ICP(Inductively Coupled Plazma、誘導結合プラズマ)分光分析法によって測定した。
隣り合う金属微粒子間の距離測定および結晶面方位の確認:
製造した白金触媒における、カーボンブラックの表面に担持された、隣り合う金属微粒子の、中心間の距離と、最接近する表面間の距離を、透過型電子顕微鏡を用いて実測した。また、製造した白金触媒における、各白金微粒子の、露出している結晶面方位を、透過型電子顕微鏡を用いて確認した。なお、透過型電子顕微鏡写真の例として、後述する実施例22における、透過型電子顕微鏡写真を図4に示す。また、実施例22における、1つの白金微粒子を拡大した透過型電子顕微鏡写真を図5に示す。図5は、白金微粒子の、露出している結晶面方位が(111)面に配向している状態を示している。
以上の結果を、表1、2に示す。
表より、白金微粒子を還元処理しなかった比較例1〜4の白金触媒は、白金微粒子の表面における、金属結合状態の割合が40%を下回っていると共に、電気化学表面積が、初期の段階において小さいことから、触媒活性が不十分であることがわかった。また、白金微粒子を電気炉での加熱によって還元処理した比較例5〜8の白金触媒は、白金微粒子の表面における、金属結合状態の割合が40%を上回っていると共に、電気化学表面積が、初期においては高いものの、耐久後に大きく低下していることから、白金微粒子の凝集や焼結が発生していることがわかった。
さらに、白金微粒子の粒径が3nmを超える比較例9の白金触媒は、白金微粒子の表面における、金属結合状態の割合が40%を上回っているものの、電気化学表面積が、初期の段階において小さいことから、触媒活性が不十分であることがわかった。これに対し、実施例1〜20の白金触媒は、いずれも、白金微粒子の表面における、金属結合状態の割合が40%を上回っていると共に、電気化学表面積が、初期において高い値を示し、しかも、耐久後の低下量も少ないことから、長期間にわたって、触媒活性に優れることが確認された。
なお、比較例9では、金属イオン析出の際の還元剤として、マンノースを使用することで、金属微粒子の粒径が3nmを上回ったため、前記のように、触媒活性が不十分になってしまったが、この比較例9は、還元剤としてマンノースを排除することを意味するものではない。還元剤としてマンノースを使用すると共に、その他の条件を調整して、金属微粒子の粒径を3nm以下とすることは可能であり、その場合には、形成した白金微粒子を還元処理して、その表面における、金属結合状態の割合を40%以上とし、それによって、触媒活性を向上することも可能である。
実施例21〜25:
純水に、担体粒子としてのカーボンブラック〔Cabot社製のVulcan XC−72R Carbon、BET比表面積:222m/g、嵩密度:95g/リットル〕と、還元剤としてのエタノールおよびフルクトースと、ジニトロジアンミン白金(II)の硝酸溶液〔白金濃度50g/リットル〕とを添加し、さらにアンモニア水を添加してpHを2に調整して、液相の反応系を調製した。反応系における、カーボンブラックの濃度は2g/リットル、エタノールの濃度は10ml/リットル、フルクトースの濃度は0.01M(モル/リットル)、ジニトロジアンミン白金(II)の硝酸溶液の濃度(白金イオン濃度)は0.02Mとした。
次に、この反応系を、マグネチックスターラを用いて、かく拌速度400rpmでかく拌しながら、反応温度を90℃に維持しつつ還流下で6時間、反応させて、カーボンブラックの表面に白金微粒子を析出させた。そして、固液分離後、得られた固形分を、下記の各方法で還元処理して白金微粒子を還元させて、白金触媒を製造した。
実施例21:固液分離後の固形分を、電子レンジ内に収容すると共に、レンジ内に不活性ガスを充てんした不活性ガス雰囲気中で、300Wのマイクロ波によって20秒間、加熱して白金微粒子を還元させた。
実施例22:固液分離後の固形分を、水素化ホウ素ナトリウム水溶液〔濃度10g/リットル〕を用いて、40℃で洗浄処理して白金微粒子を還元させた。
実施例23:固液分離後の固形分を、石英ガラスボートに入れて横型環状炉内に収容すると共に、炉内に水素ガスを充てんした還元性雰囲気中で、100℃に加熱して60分間の処理を行って白金微粒子を還元させた。
実施例24:固液分離後の固形分を、三塩化チタン水溶液〔チタンイオンの濃度0.5モル/リットル〕を用いて、40℃で洗浄処理して白金微粒子を還元させた。
実施例25:固液分離後の固形分を、多孔質のカーボン陰極の、多孔質の孔に充てんして担持させた状態で、電解液としての0.1M過塩素酸水溶液中に浸漬して、液温30℃の条件下、陽極としての白金黒電極との間に電流密度10μA/gの直流電流を20分間、流すことによって、白金微粒子を電気化学的に還元させた。
比較例10:固液分離後の固形分を還元処理せず、水洗のみを行ったこと以外は実施例21〜25と同様にして、白金触媒を製造した。
実施例26〜30、比較例11:
還元剤として、メタノールとガラクトースとを使用すると共に、反応系における、メタノールの濃度を10ml/リットル、ガラクトースの濃度を0.10M(モル/リットル)としたこと以外は実施例21〜25、比較例10と同様にして、白金触媒を製造した。
実施例31〜35、比較例12:
還元剤として、イソプロピルアルコールとフルクトースとを使用すると共に、反応系における、イソプロピルアルコールの濃度を10ml/リットル、フルクトースの濃度を0.10M(モル/リットル)としたこと以外は実施例21〜25、比較例10と同様にして、白金触媒を製造した。
実施例36〜40、比較例13:
還元剤としてエチレングリコールを使用すると共に、反応系における、エチレングリコールの濃度を500ml/リットルとし、かつアンモニア水を添加しなかったこと以外は実施例21〜25、比較例10と同様にして、白金触媒を製造した。
実施例41〜45、比較例14:
還元剤として、メタノールとガラクトースとを使用し、かつ添加剤として、高分子分散剤であるPEI−PO共重合体〔(株)日本触媒製のエポミン(登録商標)PAO306〕を添加すると共に、反応系における、メタノールの濃度を10ml/リットル、ガラクトースの濃度を0.10M(モル/リットル)、PEI−PO共重合体の濃度を2g/リットルとしたこと以外は実施例21〜25、比較例10と同様にして、白金触媒を製造した。
実施例46〜50、比較例15:
還元剤として、メタノールとガラクトースとを使用し、かつ添加剤として、高分子分散剤であるポリビニルピロリドン(分子量約1万)を添加すると共に、反応系における、メタノールの濃度を10ml/リットル、ガラクトースの濃度を0.10M(モル/リットル)、ポリビニルピロリドンの濃度を2g/リットルとしたこと以外は実施例21〜25、比較例10と同様にして、白金触媒を製造した。
実施例51〜55、比較例16:
還元剤としてプロピレングリコールを使用すると共に、反応系における、プロピレングリコールの濃度を500ml/リットルとし、かつアンモニア水を添加しなかったこと以外は実施例21〜25、比較例10と同様にして、白金触媒を製造した。
実施例56〜60、比較例17:
還元剤として三塩化チタンを使用し、かつ添加剤として、高分子分散剤であるポリビニルピロリドン(分子量約1万)を添加すると共に、反応系における、三塩化チタンの濃度を0.20M(モル/リットル)、ポリビニルピロリドンの濃度を2g/リットルとしたこと以外は実施例21〜25、比較例10と同様にして、白金触媒を製造した。
実施例61〜65、比較例18:
還元剤として硫酸バナジウムを使用し、かつ添加剤として、高分子分散剤であるポリビニルピロリドン(分子量約1万)を添加すると共に、反応系における、硫酸バナジウムの濃度を0.20M(モル/リットル)、ポリビニルピロリドンの濃度を2g/リットルとしたこと以外は実施例21〜25、比較例10と同様にして、白金触媒を製造した。
上記各実施例、比較例の白金触媒について、前記の各試験を行うと共に、下記の試験を行って、その特性を評価した。
酸素還元電流の測定I:
測定には、カーボン製の回転ディスク電極と、ポテンションスタットとを用い、まず、所定量の白金触媒を、水+エタノール混合溶媒(体積比1:1)に分散させ、マイクロシリンジを用いて回転ディスク電極上に滴下して乾燥させた後、パーフルオロスルホン酸−ポリテトラフルオロエチレン共重合樹脂(H型)〔デュポン社製のナフィオン(登録商標)〕を0.1重量%の濃度で含有するエタノール溶液を、回転ディスク電極上の白金触媒上に滴下して乾燥させて、作用極としての試料電極を作製した。
次に、上記作用極と、対極としての白金電極と、参照極としての標準水素電極とを組み合わせて3極式セルを構成し、電解液として0.1M濃度の過塩素酸水溶液を用いて、分極測定法によって、上記試料電極上の、白金触媒の酸素還元電流を測定した。測定に際しては、あらかじめ、窒素をバブリングして、電解液中の溶存酸素を除去し、次いで、0.01→1.4Vの範囲で、プラス側に、走査速度5〜10mV/秒の条件で、サイクリックボルタンメトリーによって、電気化学表面積を測定した。
次に、純度99.99%の酸素ガスを10分間以上、バブリングして、電解液中に酸素を飽和させた後、回転ディスク電極を、400〜2000rpmの範囲内の所定の回転速度で回転させながら、1.1→0Vまで分極させた際の、0.9Vの時点での還元電流値の平均値を測定することで、触媒の酸素還元電流を求めた。
以上の結果を表3〜5に示す。また、実施例21〜25、比較例10における、金属結合状態と、酸素還元電流との関係を図6に示す。
これらの表および図より、触媒毒による影響を排除しつつ、金属触媒の触媒活性を向上するためには、白金微粒子の金属結合状態が、40%以上である必要があり、その中でも90%以下、特に50〜80%であるのが好ましいことが確認された。
実施例66〜72:
純水に、担体粒子としての、下記のいずれかのカーボンブラックと、還元剤としてのエタノールおよびフルクトースと、ジニトロジアンミン白金(II)の硝酸溶液〔白金濃度50g/リットル〕とを添加し、さらにアンモニア水を添加してpHを1.5に調整して、液相の反応系を調製した。反応系における、カーボンブラックの濃度は2g/リットル、エタノールの濃度は50ml/リットル、フルクトースの濃度は0.10M(モル/リットル)、ジニトロジアンミン白金(II)の硝酸溶液の濃度(白金イオン濃度)は0.02Mとした。
実施例66:Cabot社製のVulcan XC72−R、BET比表面積:222m/g、嵩密度:95g/リットル
実施例67:ライオン(株)製のケッチェンブラックECをHで表面処理したもの、BET比表面積:513m/g、嵩密度:17g/リットル
実施例68:ライオン(株)製のケッチェンブラックEC、BET比表面積:804m/g、嵩密度:15g/リットル
実施例69:ライオン(株)社製のケッチェンブラックECP、BET比表面積:820m/g、嵩密度:32g/リットル
実施例70:ライオン(株)製のケッチェンブラックEC600JD、BET比表面積:1270m/g、嵩密度:20g/リットル
実施例71:ライオン(株)社製のケッチェンブラックECP600JD、BET比表面積:1301m/g、嵩密度:42g/リットル
実施例72:フェノール樹脂の水蒸気賦活炭をシロッコファンで粉砕した活性炭、BET比表面積:2015m/g、嵩密度:100g/リットル
次に、この反応系を、マグネチックスターラを用いて、かく拌速度400rpmでかく拌しながら、反応温度を90℃に維持しつつ還流下で6時間、反応させて、カーボンブラックの表面に白金微粒子を析出させた。そして、固液分離後の固形分を、石英ガラスボートに入れて横型環状炉内に収容すると共に、炉内に水素ガスを充てんした還元性雰囲気中で、100℃に加熱して30分間の処理を行って白金微粒子を還元させて、白金触媒を製造した。
上記各実施例の白金触媒について、前記の各試験を行うと共に、下記の試験を行って、その特性を評価した。
酸素還元電流の測定II:
前記酸素還元電流の測定Iと同様にして作製した作用極と、対極としての白金電極と、参照極としての標準水素電極とを組み合わせて3極式セルを構成し、電解液として0.1M濃度の過塩素酸水溶液を用いて、分極測定法によって、上記試料電極上の、白金触媒の酸素還元電流を測定した。
測定に際しては、まず、継続的に窒素をバブリングして、電解液中の溶存酸素を除去しながら、0.01→1.4Vの範囲で、プラス側に、走査速度0.1V/秒の条件で電圧を変化させる操作を1000回、繰り返し行った。次に、純度99.99%の酸素ガスを、継続的にバブリングしながら、1.1→0.2Vの範囲で、マイナス側に、走査速度0.01V/秒の条件で電圧を変化させた際の、0.9Vの時点での還元電流値を、触媒の、単位白金あたりの酸素還元電流とした。
結果を表6に示す。
表より、液相還元法によって、担体粒子としてのカーボンブラックの表面に、できるだけ粒径の小さい金属微粒子を担持させると共に、カーボンブラックの導電性を高めるためには、担体粒子としてのカーボンブラックのBET比表面積が、500〜1500m/g、嵩密度が10〜50g/リットルであるのが好ましいことが確認された。

Claims (21)

  1. 金属微粒子を含む金属触媒であって、金属微粒子の粒径が3nm以下で、かつ、X線光電子分析装置を用いて測定され、金属固有の結合エネルギーピークを波形分離することで帰属される、金属微粒子の金属結合状態の割合が40%以上であることを特徴とする。
  2. 請求項1記載の金属触媒であって、金属微粒子の金属結合状態の割合が90%以下であることを特徴とする。
  3. 請求項1記載の金属触媒であって、金属微粒子の金属結合状態の割合が50〜80%であることを特徴とする。
  4. 請求項1記載の金属触媒であって、金属微粒子が、白金、パラジウム、金、銀、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム、コバルト、マンガン、ニッケル、鉄、クロム、モリブデン、およびチタンから選ばれる少なくとも1種の金属からなる微粒子であることを特徴とする。
  5. 請求項1記載の金属触媒であって、金属微粒子が白金微粒子であると共に、X線光電子分析装置を用いて測定され、白金固有の結合エネルギーピークであるPt4d5ピークを波形分離することで帰属される、白金微粒子の金属結合状態の割合が40%以上であることを特徴とする。
  6. 請求項1記載の金属触媒であって、担体粒子を分散させた液相の反応系中で、析出対象である金属のイオンを、還元剤の作用によって還元して、担体粒子の表面に微粒子状に析出させることによって、多数の金属微粒子が、担体粒子の表面に担持されることを特徴とする。
  7. 請求項1記載の金属触媒であって、多数の金属微粒子が、担体粒子の表面に担持されると共に、隣り合う金属微粒子の、中心間の距離が15nm未満で、かつ、最近接する表面間の距離が0.3nm以上であることを特徴とする。
  8. 請求項7記載の金属触媒であって、金属微粒子の担持量が10〜60重量%であることを特徴とする。
  9. 請求項1記載の金属触媒であって、多数の金属微粒子が、担体粒子の表面に担持されると共に、各金属微粒子の、露出している結晶面方位が(111)面に配向していることを特徴とする。
  10. 請求項1記載の金属触媒であって、多数の金属微粒子が、担体粒子としてのカーボンブラックの表面に担持されると共に、カーボンブラックのBET比表面積が500〜1500m/gであることを特徴とする。
  11. 請求項10記載の金属触媒であって、カーボンブラックの嵩密度が10〜50g/リットルであることを特徴とする。
  12. 請求項10記載の金属触媒であって、カーボンブラックとして、鎖状構造を有する原料カーボンブラックを、鎖状構造を切断するように粉砕処理したものを用いることを特徴とする。
  13. 請求項1記載の金属触媒であって、燃料電池用触媒または自動車排ガス用触媒として用いられることを特徴とする。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の金属触媒を製造するための、金属触媒の製造方法であって、金属微粒子を還元して酸化状態を低下させることによって、X線光電子分析装置を用いて測定され、金属固有の結合エネルギーピークを波形分離することで帰属される、金属微粒子の金属結合状態の割合を40%以上に調整する工程を含むことを特徴とする。
  15. 請求項14記載の金属触媒の製造方法であって、金属微粒子を、液相中で、還元剤の作用によって還元することを特徴とする。
  16. 請求項15記載の金属触媒の製造方法であって、還元剤として、還元する金属よりも酸化還元電位が卑である還元剤を用いることを特徴とする。
  17. 請求項16記載の金属触媒の製造方法であって、金属微粒子が白金微粒子であると共に、還元剤として3価のチタンイオン、次亜リン酸ナトリウム、ヒドラジン、2価〜4価のバナジウムイオン、または水素化ホウ素ナトリウムを用いることを特徴とする。
  18. 請求項14記載の金属触媒の製造方法であって、金属微粒子を、気相中で、還元剤の作用によって還元することを特徴とする。
  19. 請求項14記載の金属触媒の製造方法であって、金属微粒子を、マイクロ波によって加熱して還元することを特徴とする。
  20. 請求項14記載の金属触媒の製造方法であって、金属微粒子を、電解液中で電流を流すことによって電気化学的に還元することを特徴とする。
  21. 請求項14記載の金属触媒の製造方法であって、金属微粒子の金属結合状態の割合を調整する工程に先立って、担体粒子を分散させた液相の反応系中で、析出対象である金属のイオンを、還元剤の作用によって還元して、担体粒子の表面に微粒子状に析出させることで、多数の金属微粒子を、担体粒子の表面に担持させる工程を含むと共に、金属のイオンを還元して析出させる還元剤として、アルコール類、糖アルコール類、および還元性糖類からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることを特徴とする。
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