JP2002153760A - 複合触媒、その製造方法、並びにそれを用いた水素発生方法及びガス浄化方法 - Google Patents

複合触媒、その製造方法、並びにそれを用いた水素発生方法及びガス浄化方法

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JP2002153760A
JP2002153760A JP2000349820A JP2000349820A JP2002153760A JP 2002153760 A JP2002153760 A JP 2002153760A JP 2000349820 A JP2000349820 A JP 2000349820A JP 2000349820 A JP2000349820 A JP 2000349820A JP 2002153760 A JP2002153760 A JP 2002153760A
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hydrogen
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Shigeru Sasaki
慈 佐々木
Kenichiro Suzuki
賢一郎 鈴木
Kazuhiro Fukumoto
和広 福本
Yoshitsugu Kojima
由継 小島
Yasuaki Kawai
泰明 河合
Toshio Yamamoto
敏生 山本
Hiroaki Hayashi
宏明 林
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Toyota Central R&D Labs Inc
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    • Y02E60/36Hydrogen production from non-carbon containing sources, e.g. by water electrolysis

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 錯金属水素化物を加水分解させて水素を発生
させるに際して十分な水素発生速度及び水素発生量を達
成することが可能であり、また、空気中のアルデヒド類
やチオール類、排ガス中のNOx等といった有害ガスを
常温あるいは従来よりも低温においてより確実に浄化す
ることが可能な触媒及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 金属酸化物及び炭素質材料からなる群か
ら選択される少なくとも一種の物質と金属微粒子とから
なる複合触媒であって、1.013×106Pa(10
atm)以上の圧力下でかつ該圧力下における沸点以上
の温度に維持された高温高圧流体を用いて前記物質に前
記金属微粒子を担持せしめた後に還元処理されたもので
あることを特徴とする複合触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属酸化物及び/
又は炭素質材料からなる担体上に金属微粒子が担持され
た複合触媒に関するものであり、より詳しくは、錯金属
水素化物からの水素発生やガス中のアルデヒド類、チオ
ール類、NOx等の除去に有用な複合触媒に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、燃料電池自動車等に燃料である水
素を供給するための新たな水素発生源として水溶性の錯
金属水素化物である水素化ほう素ナトリウムが注目され
ており、水素化ほう素ナトリウムからは以下の加水分解
反応: NaBH4+2H2O→NaBO2+4H2 等にしたがって水素が発生する。そして、水素化ほう素
ナトリウムから発生できる水素量は最大21.3重量%(水
素化ホウ素ナトリウム1gあたり)であり、水素化ナトリ
ウムを用いた方法等に比べて水素発生量が2倍以上とな
るため、燃料電池自動車に要求されるエネルギー密度を
満足することとなる。このような水素化ほう素ナトリウ
ムの加水分解は触媒の存在下で促進されることが知られ
ており、かかる触媒としては、従来、金属ハロゲン化物
(NiCl2、CoCl2等)、コロイド状白金、活性炭、ラネー
ニッケル等が知られている("Sodium Borohydride, Its
Hydrolysis and its Use as a Reducing Agent and in
the Generation of Hydrogen", H.I.Schlesinger et a
l., J.Am.Chem.Soc., vol.75, p.215-219 (1953))。し
かしながら、このような従来公知の触媒を用いた場合で
あっても、水素発生速度並びに水素発生量が未だ十分な
ものではなく、また、金属ハロゲン化物のように触媒が
水溶性の場合はその繰り返し利用並びに水素発生量のコ
ントロールが困難であるという点においても問題があっ
た。
【0003】一方、近年、人間を取り巻く環境に存在し
得る成分であって人体に影響を及ぼす可能性のある有害
ガス(例えば建築資材等から空気中に発散するアルデヒ
ド類や、排ガス中の有害成分であるNOx)を浄化する
ことが可能な技術の開発も望まれており、そのための触
媒として、例えば特開平8−24653号公報には、γ
−アルミナ、チタニア、ジルコニア等の多孔質無機酸化
物に白金属金属を含浸法、沈澱法、ゾル−ゲル法等によ
って担持せしめた第1の触媒と多孔質無機酸化物に銀化
合物を担持せしめた第2の触媒とを備えた排ガス浄化触
媒が記載されている。しかしながら、特開平8−246
53号公報に記載の排ガス浄化触媒であっても、150
〜650℃で排ガス中の窒素酸化物を還元できるにとど
まり、排ガス中の有害成分であるNOx等をエンジン始
動時(コールドスタート時)のように排ガス温度が低い
時からより確実に浄化するためには十分なものではなか
った。
【0004】また、特開平8−52351号公報には、
チタニアを主成分とする担体に主触媒活性金属成分とし
て白金族金属、助触媒成分として酸化ホウ素を含浸法で
担持せしめた揮発性有機塩素化合物分解用触媒が開示さ
れている。しかしながら、特開平8−52351号公報
に記載の触媒は400〜500℃で揮発性有機塩素化合
物を分解するものであり、空気中や排ガス中の有害成分
を低温で浄化するためには十分なものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の有する課題に鑑みてなされたものであり、錯金属水
素化物を加水分解させて水素を発生させるに際して十分
な水素発生速度及び水素発生量を達成することが可能で
あり、また、空気中のアルデヒド類やチオール類、排ガ
ス中のNOx等といった有害ガスを常温あるいは従来よ
りも低温においてより確実に浄化することが可能な触媒
及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】また、本発明は、錯金属水素化物を加水分
解させて水素を発生させるに際して十分な水素発生速度
及び水素発生量を達成することが可能な水素発生方法、
並びに、空気中のアルデヒド類やチオール類、排ガス中
のNOx等といった有害ガスを常温あるいは従来よりも
低温においてより確実に浄化することが可能なガス浄化
方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、金属酸化物及び炭
素質材料からなる群から選択される少なくとも一種の物
質に1.013×10 6Pa(10atm)以上の圧力
下でかつその圧力下における沸点以上の温度に維持され
た高温高圧流体を用いて金属微粒子を担持せしめた後に
更に還元処理を施すことによって、錯金属水素化物を加
水分解させて水素を発生させるに際して十分な水素発生
速度及び水素発生量を達成することが可能であり、か
つ、空気中のアルデヒド類やチオール類、排ガス中のN
Ox等といった有害ガスを常温あるいは従来よりも低温
においてより確実に浄化することが可能な触媒が得られ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の触媒は、金属酸化物及
び炭素質材料からなる群から選択される少なくとも一種
の物質と金属微粒子とからなる複合触媒であって、1.
013×106Pa(10atm)以上の圧力下でかつ
該圧力下における沸点以上の温度に維持された高温高圧
流体を用いて前記物質に前記金属微粒子を担持せしめた
後に還元処理されたものであることを特徴とするもので
ある。
【0009】また、本発明の触媒の製造方法は、金属酸
化物及び炭素質材料からなる群から選択される少なくと
も一種の物質に、1.013×106Pa(10at
m)以上の圧力下でかつ該圧力下における沸点以上の温
度に維持された高温高圧流体を用いて金属微粒子を担持
せしめた後に還元処理を施すことを特徴とする方法であ
る。
【0010】更に、本発明の水素発生方法は、錯金属水
素化物を水及び触媒の存在下で加水分解せしめて水素を
発生させる方法であって、前記触媒が上記本発明の複合
触媒であることを特徴とする方法である。
【0011】また、本発明のガス浄化方法は、処理対象
となるガスと触媒とを接触させて該ガスを浄化する方法
であって、前記触媒が上記本発明の複合触媒であること
を特徴とする方法である。
【0012】なお、上記本発明の製造方法によって得ら
れる本発明の複合触媒によれば錯金属水素化物の加水分
解反応が著しく促進され、また、空気中のアルデヒド類
やチオール類、排ガス中のNOx等といった有害ガスが
常温あるいは従来よりも低温において十分に浄化される
理由は定かではないが、高温高圧流体を用いていること
から金属が微細な粒子として担持されており、しかも還
元処理によってその表面が十分に金属化(金属単体化)
されて酸化力が増大していることからその触媒活性が特
異的に増長され、更にかかる金属の触媒活性と金属酸化
物又は炭素質材料の触媒活性との相乗効果によって達成
されていると本発明者らは考えている。
【0013】また、本発明においては、前記物質に超臨
界流体を用いて前記金属微粒子を担持せしめ、その後に
還元処理を施すようにすることが好ましい。このように
超臨界流体を用いることによって金属が平均粒径5nm
以下(好ましくは2nm以下)という超微細な粒子サイ
ズでかつ均一に分散して担持されるため、触媒活性が更
に向上する傾向にある。
【0014】更に、本発明においては、前記物質に5n
m以下の平均粒径を有する前記金属微粒子を担持せしめ
た後に200〜800℃の還元性ガス雰囲気中で還元処
理を施すようにすることが好ましい。このような条件下
で還元処理することによってより確実に金属化されて酸
化力が増大すると共に、金属の平均粒径が5nm以下と
いう超微細であることと相俟って触媒活性が更に向上す
る傾向にある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて詳細に説明する。
【0016】本発明の触媒は、金属酸化物及び炭素質材
料からなる群から選択される少なくとも一種の物質と金
属微粒子とからなる複合触媒であって、以下に詳述する
本発明の触媒の製造方法、すなわち1.013×106
Pa(10atm)以上の圧力下でかつその圧力下にお
ける沸点以上の温度に維持された高温高圧流体を用いて
前記物質に前記金属微粒子を担持せしめた後に還元処理
を施すことによって得られるものである。
【0017】このような金属酸化物としては、貴金族元
素(Pt, Pd, Rh, Ru, Au等)、卑金属元素(Y, La, Ce,
Pr, Nd, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Lu, Ca, M
g, Al, K, Ti, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Ga, Rb, Sr,
Zr, Nb, Mo, In, Sn, Cs, Ba, Ta, W等)、メタロイド
元素(Si, Ge, As, Sb等)の酸化物が挙げられ、中でも
Ti,Al,Si,Ce,Zr,Fe,Mn,Ni,Zn,Cu,Mg,Coからなる群から
選択される少なくとも一種の金属の単独酸化物又は複合
酸化物が好ましく、酸化チタン(チタニア)、アルミ
ナ、酸化ケイ素(シリカゲル)、シリカ・アルミナ、酸
化セリウム(セリア)、ジルコニア、チタニア・ジルコ
ニア、セリア・ジルコニア、ゼオライト、酸化鉄、酸化
マンガン、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化銅がより好ま
しい。なお、本発明にかかる金属酸化物は、ゼオライ
ト、チタニア・ジルコニア、セリア・ジルコニアのよう
に複数の金属元素を含有していてもよく、更に非金属元
素を含んでいてもよい。また、ここでは「金属」の範疇
に「半金属」も含めることとする。
【0018】このような金属酸化物を使用することによ
り、その物質自体も触媒として作用し、特に後述する金
属微粒子との相乗効果によって触媒作用が十分に達成さ
れる。
【0019】本発明にかかる金属酸化物は、好ましくは
1000μm以下、より好ましくは100μm〜10n
m、特に好ましくは10μm〜10nm、の平均粒径を
有する粒子である。平均粒径が1000μmを超えると
粒子の表面積が低下し、十分な触媒活性が得られない傾
向にある。また、金属酸化物の比表面積は1〜1000
2/g程度であることが好ましく、平均粒径が比較的
大きい場合は多孔質粒子であることが好ましい。
【0020】また、炭素質材料としては、活性炭、黒
鉛、活性チャー、コークス、ハードカーボン(難黒鉛化
炭素)、ソフトカーボン(易黒鉛化炭素)が好ましい。
このような炭素質材料を使用した場合も、その物質自体
が触媒として作用し、特に後述する金属微粒子との相乗
効果によって触媒作用が十分に達成される。
【0021】本発明にかかる炭素質材料は、好ましくは
1000μm以下、より好ましくは100μm〜10n
m、特に好ましくは10μm〜10nm、の平均粒径を
有する粒子である。平均粒径が1000μmを超えると
粒子の表面積が低下し、十分な触媒活性が得られない傾
向にある。また、炭素質材料の比表面積は1〜4000
2/g程度であることが好ましく、多孔質粒子である
ことが好ましい。
【0022】上記本発明にかかる物質の形状は特に制限
はなく、粉末状、ペレット状、モノリス状、板状、繊維
状等の形状を使用条件に応じて選択することができる。
【0023】本発明の触媒は、上記物質に金属微粒子を
共存せしめたものである。このような金属としては、、
Pt,Pd,Rh,Ru,Ir,Os,Au,Ag,Cu,Mn,Fe,Niが挙げられ、中
でも貴金属元素(Pt,Pd,Rh,Ru,Ir,Os,Au,Ag)が好まし
く、白金族元素(Pt,Pd,Rh,Ru,Ir,Os)がより好まし
い。このような金属の微粒子を前記物質と共存させて使
用することにより、金属微粒子の触媒作用と前記物質の
触媒作用との相乗効果によって触媒作用が十分に達成さ
れる。
【0024】本発明にかかる金属微粒子は平均粒径が5
nm以下であることが好ましく、より好ましくは2nm
以下、特に好ましくは1nm以下の平均粒径を有する超
微粒子である。金属微粒子の平均粒径が5nm以下であ
ると、金属微粒子の表面積が増大して触媒活性が向上
し、錯金属水素化物の加水分解反応がより著しく促進さ
れる傾向にあり、また、空気中のアルデヒド類や排ガス
中のNOx等といった有害ガスが常温あるいは従来より
も低温においてより確実に浄化される傾向にある。
【0025】本発明の触媒中の金属微粒子の含有率は、
触媒の全重量を基準にして0.01〜20重量%である
ことが好ましく、0.05〜5重量%であることがより
好ましく、0.2〜2重量%であることが特に好まし
い。金属微粒子の含有率が0.01重量%未満では、金
属微粒子による触媒作用が十分に得られない傾向にあ
る。
【0026】また、本発明の触媒においては、前記金属
酸化物が光増感作用を有する金属酸化物でありかつ前記
金属超微粒子が2nm以下の平均粒径を有する貴金属超
微粒子であることが好ましい。このような光増感作用を
有する金属酸化物としては、酸化チタン、酸化ニッケ
ル、酸化亜鉛、酸化銅、酸化鉄、酸化セリウム、酸化ニ
オブ、酸化タングステンが挙げられ、酸化チタンが特に
好ましい。このように光の照射によって触媒活性が促進
されるいわゆる光増感作用を有する金属酸化物に2nm
以下の平均粒径を有する貴金属超微粒子を担持せしめる
ことにより、驚くべきことに光を照射しない状態であっ
ても有害ガスの触媒反応に対して高い触媒活性を示すよ
うになることを本発明者らが見出したものである。かか
る知見は従前のいわゆる光触媒に関する当業者の常識を
覆すものであり、光の照射なしで光触媒の触媒活性を増
長させる手法として極めて有用な手法である。
【0027】更に、本発明の触媒においては、前記金属
酸化物が酸化チタンでありかつ前記金属超微粒子が2n
m以下の平均粒径を有する白金超微粒子であることが特
に好ましい。このような組み合わせとすることによっ
て、常温(好ましくは−20〜80℃)でかつ光を照射
しない状態であっても空気中のアルデヒド類の分解反応
に対して非常に高い触媒活性を示す「常温空気浄化用触
媒」、あるいは、200℃以下という低温でかつ光を照
射しない状態であっても排ガス中のNOxの分解反応に
対して高い触媒活性を示す「低温排ガス浄化用触媒」が
得られる傾向にある。
【0028】上記物質に金属微粒子を共存せしめる方法
として、本発明においては以下に説明するいわゆる高温
高圧法が用いられ、いわゆる超臨界法が用いられること
が特に好ましい。
【0029】高温高圧法とは、1.013×106Pa
(10atm)以上、より好ましくは1.520×10
6Pa(15atm)以上、の圧力下でかつその圧力下
における沸点以上の温度に維持された高温高圧流体を用
いて前記物質に前記金属微粒子を担持せしめる方法であ
る。より具体的には、 金属及び/又は金属前駆体と溶媒とを含む溶液を、そ
の溶媒が上記の高温高圧流体になる状態で上記物質から
なる担体に接触させることにより担体表面に金属及び/
又は金属前駆体の微粒子を担持させる方法、あるいは 金属及び/又は金属前駆体を用いていわゆる含浸法、
沈澱法、混練法、イオン交換法等の技法によって上記物
質からなる担体に金属及び/又は金属前駆体を仮担持せ
しめ、必要に応じて乾燥させた後、その担体に上記の高
温高圧流体になる状態で溶媒を接触させることにより担
体表面に金属及び/又は金属前駆体の微粒子を担持させ
る方法、である。
【0030】このような高温高圧流体は、液体に近い溶
解能力と、気体に近い拡散性及び粘性を有する傾向にあ
るため、担体の孔の深部や非常に微細な口径の孔にも、
金属を迅速にかつ均一に微細な状態で浸透させることが
できる。なお、上記の溶解能力は、温度、圧力、エント
レーナー(添加物)等によって調整できる。従って、こ
のような高温高圧流体を用いることによって金属が5n
m以下(好ましくは2nm以下)という超微細な粒子サ
イズでかつ均一な圧力下で均一に分散して担持されるた
め、触媒活性が非常に向上する。
【0031】また、超臨界法とは、本発明者らによる国
際公開番号WO99/10167号公報に記載の超臨界
流体を用いて前記物質に前記金属微粒子を担持せしめる
方法である。より具体的には、 金属及び/又は金属前駆体と溶媒とを含む溶液を、そ
の溶媒が超臨界流体になる状態で上記物質からなる担体
に接触させることにより担体表面に金属及び/又は金属
前駆体の微粒子を担持させる方法、あるいは 金属及び/又は金属前駆体を用いていわゆる含浸法、
沈澱法、混練法、イオン交換法等の技法によって上記物
質からなる担体に金属及び/又は金属前駆体を仮担持せ
しめ、必要に応じて乾燥させた後、その担体に超臨界流
体になる状態で溶媒を接触させることにより担体表面に
金属及び/又は金属前駆体の微粒子を担持させる方法、
である。
【0032】ここで、超臨界流体とは臨界温度以上に加
熱された流体を意味する。したがって、溶媒が超臨界流
体になる状態とは、溶媒の臨界温度以上に溶媒が加熱さ
れた状態を意味する。圧力に関しては特に制限はない
が、臨界圧力以上とすることが好ましい。このような超
臨界流体は、液体と同等の溶解能力と、気体に近い拡散
性及び粘性を有するため、担体の孔の深部や非常に微細
な口径の孔にも、金属を迅速にかつ均一に微細な状態で
浸透させることができる。なお、上記の溶解能力は、温
度、圧力、エントレーナー(添加物)等によって調整で
きる。従って、このように超臨界流体を用いることによ
って金属が5nm以下(好ましくは2nm以下)という
超微細な粒子サイズでかつ金属単体として均一に分散し
て担持されるため、触媒活性が顕著に向上する。
【0033】なお、金属前駆体としては、金属のハロゲ
ン化物、硝酸塩、炭酸塩、アセチルアセトナート、テト
ラアンミン塩、アルコキシド等が用いられる。
【0034】また、このような高温高圧流体又は超臨界
流体となる溶媒としては特に制限はないが、例えば、メ
タン、エタン、プロパン、ブタン、エチレン、プロピレ
ン等の炭化水素;メタノール、エタノール、イソプロパ
ノール等のモノオール;エチレングリコール、プロピレ
ングリコール等のグリコール;アセトン、アセチルアセ
トン等のケトン;ジメチルエーテル等のエーテル;二酸
化炭素;水;アンモニア;塩素;クロロホルム;フレオ
ン類等を挙げることができる。また、金属及び/又は金
属前駆体の流体への溶解度を高めるために、メタノー
ル、エタノール、プロパノール等のアルコール;アセト
ン、エチルメチルケトン、アセチルアセトン等のケト
ン;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
等をエントレーナーとして用いることができる。
【0035】更に、上記のようにして金属及び/又は金
属前駆体を担体に担持せしめた後、必要に応じて焼成処
理を施してもよい。このような焼成処理の条件は特に制
限されないが、例えば空気、窒素等の雰囲気中で200
〜800℃の温度で1〜10時間加熱するといった条件
が採用される。
【0036】そして、本発明においては、上記のように
して上記物質からなる担体に金属及び/又は金属前駆体
の微粒子を担持せしめた後、得られた金属微粒子担持担
体に還元処理が施されることによって本発明の複合触媒
が得られる。このような還元処理の方法は特に制限され
ないが、例えば、(i)還元性ガス雰囲気中で上記金属微
粒子担持担体を加熱する方法、あるいは(ii)還元性薬剤
に上記金属微粒子担持担体を接触させる方法、が好適に
採用される。このように金属微粒子担持担体に還元処理
が施されることによってその表面が十分に金属化(金属
単体化)されて酸化力が増大し、それによって触媒活性
が特異的に増長される。
【0037】ここで、本発明にかかる還元処理について
より詳細に説明する。先ず、還元処理方法(i)について
説明するが、前記還元性ガスとしては水素、一酸化炭
素、炭化水素類(メタン等)、アルデヒド類(アセトア
ルデヒド、ホルムアルデヒド等)等の還元性成分を含有
するガスが好ましく、水素含有ガスが特に好ましい。こ
のような還元性ガス中の還元性成分の含有量は0.1容
量%以上が好ましく、1容量%以上がより好ましいが、
還元性成分が水素である場合は水素の含有量が1〜20
容量%であることが好ましく、2〜10容量%であるこ
とがより好ましい。還元性成分(水素等)の含有量が上
記下限未満では還元処理が不十分となって触媒活性が十
分に向上しない傾向にあり、他方、水素の含有量が上記
上限を超えると安全上取扱いが困難となる。なお、還元
性ガス中の還元性成分以外のガスとしては、窒素や不活
性ガスが好ましい。
【0038】そして、還元処理方法(i)においては、金
属微粒子担持担体を上記還元性ガス雰囲気中で好ましく
は200〜800℃(より好ましくは300〜600
℃)の温度で好ましくは1〜10時間加熱することによ
って還元処理がなされる。この温度が上記下限未満では
還元処理が不十分となって触媒活性が十分に向上しない
傾向にあり、他方、上記上限を超えると担体に熱履歴が
加わることにより、あるいは担持金属のシンタリングが
生じることにより、触媒の活性が低下する可能性があ
る。
【0039】次に、還元処理方法(ii)について説明する
が、前記還元性薬剤としてはヒドラジン、エチレングリ
コール、含水素無機化合物(水素化ホウ素ナトリウム等
のケミカルハイドライド)等の還元性化合物を含有する
溶液が好ましく、このような還元性薬剤中の還元性化合
物の含有量は1重量%以上が好ましい。なお、還元性薬
剤中の還元性化合物以外の成分(溶媒)としては、水が
好ましい。
【0040】そして、還元処理方法(ii)においては、金
属微粒子担持担体を上記還元性薬剤に好ましくは10分
〜12時間接触(例えば浸漬)させることによって還元
処理がなされ、必要に応じて乾燥処理及び/又は焼成処
理を施してもよい。このような焼成処理の条件は特に制
限されないが、例えば空気、窒素等の雰囲気中で150
〜400℃の温度に加熱するといった条件が採用され
る。
【0041】以上、本発明の複合触媒及びその製造方法
について説明したが、続いて本発明の複合触媒の使用方
法について説明する。本発明の複合触媒の用途は特に制
限されないが、本発明の複合触媒によれば錯金属水素化
物を加水分解させて水素を発生させるに際して十分な水
素発生速度及び水素発生量を達成することが可能であ
り、また、空気中のアルデヒド類や排ガス中のNOx等
といった有害ガスを常温あるいは従来よりも低温におい
てより確実に浄化することが可能であることから、水素
発生触媒や有害ガス浄化触媒として好適に用いられる。
【0042】先ず、本発明の複合触媒を水素発生触媒と
して使用する場合、すなわち本発明の水素発生方法につ
いて説明する。
【0043】本発明の水素発生方法においては、錯金属
水素化物を、水及び上述の本発明の複合触媒の存在下で
加水分解せしめて水素を発生させる。それによって錯金
属水素化物の加水分解反応が著しく促進され、十分な水
素発生速度及び水素発生量で水素が高収率で生成され
る。
【0044】このような錯金属水素化物としては、水素
の含有率が高く、前記触媒により水素が効率良く生成さ
れることからNaBH4、NaAlH4、LiBH4、LiAlH4、KBH4、KA
lH4、Mg(BH4)2、Ca(BH4)2、Ba(BH4)2、Sr(BH4)2及びFe
(BH4)2が好ましい。かかる錯金属水素化物は単一種類で
用いられてもよく、複数種類を組合せて用いてもよい。
【0045】なお、NaBH4は低コストでそれ自身の水と
の反応性が低く、水素発生の理論容量が21.3重量%と高
いことから、錯金属水素化物としてはNaBH4がより好ま
しい。
【0046】本発明の水素発生方法においては、原料で
ある錯金属水素化物と共に水を使用する。水の量は原料
である錯金属水素化物に対して化学量論以上あればよ
く、錯金属水素化物1モルに対して1.5〜100モル
倍であることが好ましい。水の量が1.5モル倍より少
ないと高い水素発生量が得られない傾向にあり、他方、
100モル倍より多くても添加効果が向上せず経済的で
ない傾向にある。
【0047】また、本発明の水素発生方法における反応
系には、錯金属水素化物と水と触媒以外の成分が含有さ
れていてもよい。その他の成分としては、反応に不活性
なガス(窒素、CO2、Ar等)が挙げられる。一方、酸素
が存在すると発生した水素が燃焼し易くなる傾向にある
のでなるべく排除したほうがよい。
【0048】なお、錯金属水素化物と水との初期反応の
発生を防止するために、錯金属水素化物と水との溶液中
にはアルカリ(水酸化ナトリウム等)を水溶液1リット
ルあたり10-4mol〜0.1mol程度添加しておく
ことが好ましい。
【0049】本発明の水素発生方法における反応条件は
特に制限されないが、温度は0〜100℃が好ましく、
10〜30℃がより好ましい。反応温度が0℃より低い
と水が凍結して水素発生速度が低下する傾向にあり、他
方、100℃より高いと水が水蒸気になり水素の発生速
度が低下する傾向にある。
【0050】次に、本発明の複合触媒を有害ガス浄化触
媒として使用する場合、すなわち本発明のガス浄化方法
について説明する。
【0051】本発明のガス浄化方法においては、処理対
象となるガスと上記本発明の複合触媒とを接触させてそ
のガスを浄化する。その際の具体的な接触方法は特に制
限されず、例えば処理対象となる有害ガスを含む気体と
触媒とをバッチ式あるいは連続的に接触させることによ
って触媒による有害ガスの浄化が達成される。処理対象
となる有害ガスとしては、空気中のVOC類(Volatile
Organic Chemicals)、特にアルデヒド類、アミン類、メ
ルカプタン類(チオール類);空気中及び排ガス中のN
Ox、CO、HC、SOx;またSVOC類(Semi Vola
tile Organic Chemicals)として挙げられるフタル酸エ
ステル類、アルキルフェノール類、クロロフェノール類
が挙げられる。
【0052】また、本発明の複合触媒を使用する場合の
反応条件は特に制限されないが、前述の通り従来より低
温において有害ガスの浄化を行なえるようになるため、
触媒による浄化処理可能温度の下限が従来より下がるこ
ととなる。なお、効率良く浄化できる温度領域は使用す
る触媒と処理対象となる有害ガスとの組み合わせにより
相違するため、実際の処理温度はその組み合わせに応じ
て好ましくは−20℃〜500℃の間で適宜選択され
る。例えば、空気中のアルデヒド類やチオール類を対象
とする場合は好ましくは0〜80℃の処理温度で浄化す
ることが可能となり、また、排ガス中のNOx等を対象
とする場合は好ましくは150〜200℃の処理温度で
浄化することが可能となる。
【0053】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を
より具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定
されるものではない。
【0054】実施例1 白金アセチルアセトナート500mgをアセトン5ml
に溶解させ、これをオートクレーブ中に導入し、更にセ
リアジルコニア固溶体粉末(特開平9-221304記載の方法
により製造、セリアとジルコニアとのモル比1:1)1
g及びドライアイス30gを入れ、オートクレーブを密
閉した後に温度150℃、圧力300kg/cm2に加
熱加圧して2時間保持し、二酸化炭素を超臨界流体とし
た状態でセリアジルコニア固溶体粉末に白金アセチルア
セトナートを担持せしめた。次いで、このセリアジルコ
ニア固溶体粉末を、105℃にて1時間保持して乾燥し
た後、水素/窒素気流(水素ガス50ml/min+窒素ガス95
0ml/min)中500℃にて1時間保持して還元せしめ、
セリアジルコニア固溶体粉末上に白金を担持した触媒
(白金量1.3重量%)を得た。
【0055】そして、このようにして得られた触媒を用
いて以下のようにして水素発生速度と水素発生量を求め
た。すなわち、触媒3.8mgと水素化ホウ素ナトリウ
ム50mgとを三角フラスコに詰めた後、室温(約20
℃)にて注射器を用いて水を5ml滴下し、柴田科学製
ガス分析装置(商品コード:6071-4)により水素発生速
度と水素発生量を求めた。なお、試験開始から表1に示
す時間(最大120分)の間に発生した水素の量を測定
し、水素発生量の測定値とした。また、水素発生速度
(NaBH4 1gあたり1秒間に発生する水素量)は、試験開
始から1分後の水素発生量から計算して求めた。
【0056】また、担体粒子及び担持されている金属微
粒子の平均粒径をTEM観察、SEM観察あるいはX線回折か
ら求めた。なお、X線回折により粒子径を求める場合
は、理学電機製X線回折装置RAD-Bを使用し、下記手法に
より実施した。
【0057】すなわち、触媒を硝子製試料セルに詰め、
グラファイトモノクロメータで単色化したCuKαを線源
とし、反射式ディフラクトメータ法によって広角X線回
折強度曲線を測定した。そして、粒子径(格子面に垂直
方向の結晶の厚さ)Lcを、その格子面による回折線の半
値幅β、波長λ、Bragg角θに基づいて以下のScherrer
の式: Lc=Kλ/βcosθ (但し、K=0.90)により求めた。
【0058】上記の測定により得られた水素発生速度と
水素発生量を、使用した触媒についてのデータと共に表
1に示す。
【0059】実施例2 セリアジルコニア固溶体粉末に代えてチタニアジルコニ
ア固溶体粉末(特願平11-068347記載の以下の方法によ
り製造、チタニアとジルコニアとの重量比7:3)1g
を使用した以外は実施例1と同様にしてチタニアジルコ
ニア固溶体粉末上に白金を担持した触媒(白金量1.3重
量%)を得た。そして、このようにして得られた触媒を
用いて実施例1と同様にして水素発生速度と水素発生量
を求め、得られた結果を使用した触媒についてのデータ
と共に表1に示す。 (チタニアジルコニア固溶体粉末の製造方法)28%の
四塩化チタン溶液305gと18%のオキシ硝酸ジルコ
ニル水溶液200gとを混合し、それにイオン交換水1
000gを加えて更に混合した。そして、その混合液に
8%アンモニア水溶液1456gを加えて中和し、得ら
れたゲルを150℃で乾燥させた後、400℃で仮焼
し、更に500℃で焼成してチタニアジルコニア固溶体
粉末を得た。
【0060】実施例3 セリアジルコニア固溶体粉末に代えてチタニア粉末(Sa
chtleben Chemie GMBH製、UV100)1gを使用した以外
は実施例1と同様にしてチタニア粉末上に白金を担持し
た触媒(白金量1.3重量%)を得た。そして、このよう
にして得られた触媒3.9mgを用いて実施例1と同様
にして水素発生速度と水素発生量を求め、得られた結果
を使用した触媒についてのデータと共に表1に示す。
【0061】実施例4〜5 使用する触媒の量を0.5mg(実施例4)、0.05
mg(実施例5)とした以外は実施例1と同様にして水
素発生速度と水素発生量を求め、得られた結果を使用し
た触媒についてのデータと共に表1に示す。
【0062】比較例1〜5 水素/窒素気流中における還元処理を施さなかった以外
は実施例1〜5と同様にして得た触媒を用いて実施例1
と同様にして水素発生速度と水素発生量を求め、得られ
た結果を使用した触媒についてのデータと共に表1に示
す。
【0063】
【表1】
【0064】比較例6 触媒を添加しなかった以外は実施例1と同様にして水素
発生速度と水素発生量を求め、得られた結果を表2に示
す。
【0065】比較例7〜8 以下の触媒: 比較例7 塩化コバルト 和光純薬社製 比較例8 塩化ニッケル ナカライテスク社製 を使用した以外は実施例1と同様にして水素発生速度と
水素発生量を求め、得られた結果を使用した触媒の量と
共に表2に示す。
【0066】
【表2】
【0067】表1〜表2に示した結果から明らかなよう
に、金属酸化物の粒子に金属微粒子を所定の加圧条件下
で担持せしめた後に還元処理を施した本発明の触媒によ
れば、従来の触媒を用いた場合はもとより還元処理を施
さなかった触媒に比べても水素発生速度及び水素発生量
が著しく向上することが確認された。
【0068】実施例6 白金アセチルアセトナート500mgをアセトン5ml
に溶解させ、これをオートクレーブ中に導入し、更にチ
タニア粉末(Sachtleben Chemie GMBH製、UV100)1g
及びドライアイス30gを入れ、オートクレーブを密閉
した後に温度150℃、圧力25MPaに加熱加圧して
2時間保持し、二酸化炭素を超臨界流体とした状態でチ
タニア粉末に白金アセチルアセトナートを担持せしめ
た。次いで、このチタニア粉末を、105℃にて1時間
保持して乾燥した後、水素/窒素気流(水素ガス50ml/m
in+窒素ガス950ml/min)中500℃にて1時間保持し
て還元せしめ、チタニア粉末上に白金を担持した触媒
(白金量1.4重量%)を得た。
【0069】そして、このようにして得られた触媒を用
いて以下のようにしてアセトアルデヒド除去性能試験、
メチルメルカプタン除去性能試験及びNOx浄化性能試
験を行なった。得られた結果を使用した触媒についての
データと共に表3〜5に示す。
【0070】[アセトアルデヒド浄化性能試験]試験対
象の触媒を0.1g、モデルガスとして20ppmアセ
トアルデヒド含有ガス(O220%/N2バランス)を1
0リットル用いて、以下の条件下でガスを触媒に連続的
に接触させ、アセトアルデヒド濃度の経時的変化から触
媒によるアセトアルデヒド浄化性能を評価した。
【0071】評価装置としては循環閉鎖系の装置を使用
し、20ppmアセトアルデヒド含有ガス10リットル
を流速5リットル/minで循環させて触媒に接触さ
せ、10分毎にサンプリングしてガスクロマトグラフィ
ーにてアセトアルデヒドの濃度を測定した。なお、装置
内には光が照射しないように遮光した状態とし、温度は
20℃に維持した。
【0072】得られたアセトアルデヒドの残存濃度の経
時的変化を時間に対して対数表示し、その傾きから触媒
活性の指標としてアセトアルデヒド除去反応速度定数を
求めた。得られた結果を表3に示す。
【0073】[メチルメルカプタン浄化性能試験]試験
対象の触媒を0.1g、モデルガスとして20ppmメ
チルメルカプタン含有ガス(O220%/N2バランス)
を10リットル用いて、以下の条件下でガスを触媒に連
続的に接触させ、メチルメルカプタン濃度の経時的変化
から触媒によるメチルメルカプタン浄化性能を評価し
た。
【0074】評価装置としては循環閉鎖系の装置を使用
し、20ppmメチルメルカプタン含有ガス10リット
ルを流速5リットル/minで循環させて触媒に接触さ
せ、30分後にサンプリングしてガスクロマトグラフィ
ーにてメチルメルカプタンの残存濃度を測定した。な
お、装置内には光が照射しないように遮光した状態と
し、温度は20℃に維持した。得られた結果を表4に示
す。
【0075】[NOx浄化性能試験〜昇温評価による初
期活性試験〜]試験対象の触媒を粒子径1mm〜2mm
のペレット形状にしたもの1g、モデル排ガスとして以
下の組成: CO:7000ppm NOx:1200ppm C36(THC):1600ppmC1(メタン換算) O2:6460ppm CO2:10% H2O:5% N2:バランス を有するガスを用いて、以下の条件: (測定条件) 測定温度領域:50℃→350℃ 昇温速度:12℃/min ガス流速:3500ml/min SV:210000/hr 下でガスを触媒にワンパスで接触させ、達成されたNO
x浄化率の最大値(最高NOx浄化率)とその最高NO
x浄化率に到達した時の温度(最高NOx浄化率を示し
た温度)を求めた。得られた結果を表5に示す。
【0076】実施例7 白金アセチルアセトナート500mgをアセトン5ml
に溶解させた溶液中に実施例6と同様のチタニア粉末1
gを浸漬し、続いてこのチタニア粉末を取り出して70
℃にて1時間保持して乾燥させることによってチタニア
粉末に白金アセチルアセトナートを仮担持せしめた。次
に、このチタニア粉末及びドライアイス30gをオート
クレーブ中に入れ、オートクレーブを密閉した後に温度
150℃、圧力25MPaに加熱加圧して2時間保持
し、二酸化炭素を超臨界流体とした状態でチタニア粉末
に白金アセチルアセトナートを担持せしめた。次いで、
このチタニア粉末を、105℃にて1時間保持して乾燥
した後、水素/窒素気流(水素ガス50ml/min+窒素ガス
950ml/min)中500℃にて1時間保持して還元せし
め、チタニア粉末上に白金を担持した触媒(白金量1.4
重量%)を得た。
【0077】そして、このようにして得られた触媒を用
いて実施例6と同様にしてアセトアルデヒド除去性能試
験、メチルメルカプタン除去性能試験及びNOx浄化性
能試験を行なった。得られた結果を使用した触媒につい
てのデータと共に表3〜5に示す。
【0078】実施例8 白金アセチルアセトナートに代えてパラジウムアセチル
アセトナート500mgを使用した以外は実施例6と同
様にしてチタニア粉末上にパラジウムを担持した触媒
(パラジウム量0.5重量%)を得た。そして、このよう
にして得られた触媒を用いて実施例6と同様にしてアセ
トアルデヒド除去性能試験及びメチルメルカプタン除去
性能試験を行なった。得られた結果を使用した触媒につ
いてのデータと共に表3〜4に示す。
【0079】比較例9〜11 水素/窒素気流中における還元処理を施さなかった以外
は実施例6〜8と同様にして得た触媒を用いて実施例6
と同様にしてアセトアルデヒド除去性能試験、メチルメ
ルカプタン除去性能試験及びNOx浄化性能試験を行な
った(比較例11においてはアセトアルデヒド除去性能
試験及びメチルメルカプタン除去性能試験)。得られた
結果を使用した触媒についてのデータと共に表3〜5に
示す。
【0080】比較例12 実施例6と同様のチタニア粉末150gを白金アンミン
塩水溶液(白金含有量50g/l、田中貴金属社製)4
0ml中に浸漬し、チタニア粉末に白金アンミン塩を担
持せしめた。次いで、このチタニア粉末を、105℃に
て5時間保持して乾燥した後、空気中450℃にて2時
間焼成し、チタニア粉末上に白金を担持した触媒(白金
量1.3重量%)を得た。そして、このようにして得られ
た触媒を用いて実施例6と同様にしてアセトアルデヒド
除去性能試験を行ない、得られた結果を使用した触媒に
ついてのデータと共に表3に示す。
【0081】比較例13 実施例6と同様のチタニア粉末150gを白金アンミン
塩水溶液(白金含有量50g/l、田中貴金属社製)4
0ml中に浸漬し、チタニア粉末に白金アンミン塩を担
持せしめた。次いで、このチタニア粉末を、105℃に
て5時間保持して乾燥した後、空気中450℃にて2時
間焼成し、さらに水素/窒素気流(水素ガス50ml/min+
窒素ガス950ml/min)中500℃にて1時間保持して還
元せしめ、チタニア粉末上に白金を担持した触媒(白金
量1.3重量%)を得た。そして、このようにして得られ
た触媒を用いて実施例6と同様にしてアセトアルデヒド
除去性能試験を行ない、得られた結果を使用した触媒に
ついてのデータと共に表3に示す。
【0082】
【表3】
【0083】
【表4】
【0084】
【表5】
【0085】表3〜4に示した結果から明らかなよう
に、金属酸化物の粒子に金属微粒子を所定の加圧条件下
で担持せしめた後に還元処理を施した本発明の触媒によ
れば、このような加圧履歴を与えなかった触媒はもとよ
り還元処理を施さなかった触媒に比べても、常温でかつ
光を照射しない状態において空気中のアルデヒド類やチ
オール類の分解反応に対して非常に高い触媒活性を示す
ことが確認された。
【0086】また、表5に示した結果から明らかなよう
に、本発明の触媒によれば、還元処理を施さなかった触
媒に比べてNOxの分解反応に対する触媒活性が非常に
高く、140℃程度という低温領域で十分に高い触媒活
性を示すことが確認された。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の複合触媒
によれば、錯金属水素化物を加水分解させて水素を発生
させるに際して十分な水素発生速度及び水素発生量を達
成することが可能となり、また、空気中のアルデヒド類
やチオール類、排ガス中のNOx等といった有害ガスを
常温あるいは従来よりも低温においてより確実に浄化す
ることが可能となる。
【0088】従って、本発明の複合触媒は、錯金属水素
化物を加水分解させて水素を発生させるための「水素発
生用触媒」、常温で空気中のアルデヒド類、チオール類
等の有害ガスを浄化するための「常温空気浄化用触
媒」、200℃以下という低温で排ガス中のNOx等の
有害ガスを浄化するための「低温排ガス浄化用触媒」と
して非常に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 23/63 C01B 3/06 37/16 B01D 53/36 ZABC C01B 3/06 B01J 23/56 301M (72)発明者 福本 和広 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 小島 由継 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 河合 泰明 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 山本 敏生 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 林 宏明 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 4D048 AA01 AA06 AA19 AA22 BA01Y BA02Y BA03Y BA05Y BA06Y BA07X BA08X BA11Y BA14Y BA15Y BA17Y BA18Y BA19X BA20Y BA21Y BA22Y BA24Y BA25Y BA26Y BA27Y BA28Y BA30X BA31X BA32Y BA33Y BA34Y BA35Y BA36Y BA37Y BA38Y BA41Y BA42X BB01 BB17 4G069 AA03 AA08 BA01A BA02A BA03A BA04A BA04B BA05A BA07A BA08A BB02A BB02B BB04A BB06A BB06B BC03A BC05A BC06A BC09A BC10A BC12A BC13A BC17A BC18A BC22A BC23A BC26A BC27A BC31A BC32A BC33A BC40A BC42A BC43A BC43B BC44A BC51A BC51B BC55A BC56A BC58A BC59A BC60A BC62A BC66A BC67A BC68A BC69A BC70A BC71A BC72A BC72B BC73A BC74A BC75A BC75B CA13 CA17 CC40 EA02Y EB18Y EC02Y EC03Y EC04Y FA02 FB18 FB43 FB44 FB45 FC07 FC10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属酸化物及び炭素質材料からなる群か
    ら選択される少なくとも一種の物質に、1.013×1
    6Pa(10atm)以上の圧力下でかつ該圧力下に
    おける沸点以上の温度に維持された高温高圧流体を用い
    て金属微粒子を担持せしめた後に還元処理を施すことを
    特徴とする、前記物質と前記金属微粒子とからなる複合
    触媒の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記物質に超臨界流体を用いて前記金属
    微粒子を担持せしめた後に還元処理を施すことを特徴と
    する、請求項1に記載の複合触媒の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記物質に5nm以下の平均粒径を有す
    る前記金属微粒子を担持せしめた後に200〜800℃
    の還元性ガス雰囲気中で還元処理を施すことを特徴とす
    る、請求項1又は2に記載の複合触媒の製造方法。
  4. 【請求項4】 金属酸化物及び炭素質材料からなる群か
    ら選択される少なくとも一種の物質と金属微粒子とから
    なる複合触媒であって、1.013×106Pa(10
    atm)以上の圧力下でかつ該圧力下における沸点以上
    の温度に維持された高温高圧流体を用いて前記物質に前
    記金属微粒子を担持せしめた後に還元処理されたもので
    あることを特徴とする複合触媒。
  5. 【請求項5】 前記複合触媒が、前記物質に超臨界流体
    を用いて前記金属微粒子を担持せしめた後に還元処理さ
    れたものであることを特徴とする、請求項4に記載の複
    合触媒。
  6. 【請求項6】 前記複合触媒が、前記物質に5nm以下
    の平均粒径を有する前記金属微粒子を担持せしめた後に
    200〜800℃の還元性ガス雰囲気中で還元処理され
    たものであることを特徴とする請求項4又は5に記載の
    複合触媒。
  7. 【請求項7】 錯金属水素化物を、水及び触媒の存在下
    で加水分解せしめて水素を発生させる方法であって、前
    記触媒が請求項4〜6のうちのいずれか一項に記載の複
    合触媒であることを特徴とする水素発生方法。
  8. 【請求項8】 処理対象となるガスと触媒とを接触させ
    て該ガスを浄化する方法であって、前記触媒が請求項4
    〜6のうちのいずれか一項に記載の複合触媒であること
    を特徴とするガス浄化方法。
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