JP3674027B2 - 水素発生方法及び水素発生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素発生方法及び水素発生装置に関するものであり、より詳しくは、錯金属水素化物を水及び触媒の存在下で加水分解せしめて水素を発生させる水素発生方法並びにそのための水素発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現代社会において、水素は合成化学工業や石油精製などに多量に利用されている重要な化学原料である。一方、将来におけるエネルギー問題と環境問題を解決するために、クリーンなエネルギーとしての水素利用技術は重要な位置を占めると考えられ、水素を貯蔵し、それを燃料として稼働する燃料電池の開発が進められている。
【0003】
かかる燃料電池はガスで作動する電池であり、その際、水素と酸素との反応から得られるエネルギーを直接電気エネルギーに変換する。このような燃料電池は従来の燃焼エンジンに比べてきわめて高い効率を有するため、燃料電池を有する自動車はZEV(Zero Emission Vehicle)と称されている。
【0004】
一方、水素の貯蔵法としては、圧縮してボンベに貯蔵する方法、冷却して液体水素とする方法、活性炭に吸着させる方法、水素吸蔵合金を利用する方法が提案されている。これらの方法の中で燃料電池自動車などの移動媒体には水素吸蔵合金が主要な役割を果たすと考えられている。しかし、水素吸蔵合金に関しても、合金であるが故の重さ(単位重量当たりの吸蔵量が小さいこと)、吸蔵放出の繰り返しによる劣化(合金の微粉化や構造変化)、希少金属を含む場合にはその資源確保等、克服すべき課題は多い。
【0005】
そこで近年注目を集めているのが、パワーボール社から提案されている岩塩型アルカリ水素化物(水素化ナトリウム)を加水分解させて水素を発生させる方法である。水素化ナトリウムは水と接触すると激しく反応して水素を発生するため、水素化ナトリウムを樹脂皮膜でコートしておき、この皮膜を切断することによって水素を発生させている。しかしながら、水素化ナトリウムから発生できる水素量は最大8.4wt%(水素化ナトリウム1gあたり)であり、燃料電池自動車の燃料とするにはエネルギー密度が必ずしも十分ではないという問題を有していた。また、岩塩型アルカリ水素化物は水と接触すると激しく反応するために、安全性の面からも問題となっていた。
【0006】
このような背景の下で、新たな水素発生源として、水溶性の錯金属水素化物である水素化ほう素ナトリウムが注目されてきた。水素化ほう素ナトリウムからは以下の加水分解反応:
NaBH4+2H2O→NaBO2+4H2
等にしたがって水素が発生する。そして、水素化ほう素ナトリウムから発生できる水素量は最大21.3wt%(水素化ホウ素ナトリウム1gあたり)であり、上記水素化ナトリウムを用いた方法に比べて水素発生量が2倍以上となるため、燃料電池自動車に要求されるエネルギー密度を満足することとなる。このような水素化ほう素ナトリウムの加水分解は触媒の存在下で促進されることが知られており、かかる触媒としては、従来、金属ハロゲン化物(NiCl2、CoCl2等)、コロイド状白金、活性炭、ラネーニッケル等が知られている("Sodium Borohydride, Its Hydrolysis and its Use as a Reducing Agent and in the Generation of Hydrogen", H.I.Schlesinger et al., J.Am.Chem.Soc., vol.75, p.215-219 (1953))。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来公知の触媒を用いた場合であっても、水素発生速度並びに水素発生量が未だ十分なものではなく、また、金属ハロゲン化物のように触媒が水溶性の場合はその繰り返し利用並びに水素発生量のコントロールが困難であるという点においても問題があった。
【0008】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、水溶性の錯金属水素化物を加水分解させて水素を発生させるに際して十分な水素発生速度及び水素発生量を達成することが可能であり、しかも触媒の繰り返し利用並びに水素発生量のコントロールが容易な水素発生方法並びにそのための水素発生装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、錯金属水素化物と水を反応させて水素を生成させる加水分解反応において、触媒として金属酸化物、半金属酸化物及び炭素質材料からなる群から選択される少なくとも一種の物質と貴金属とからなるものを用いることによって水素発生速度及び水素発生量を十分に向上させることが可能となり、加えて触媒の繰り返し利用並びに水素発生量のコントロールが容易となることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明の水素発生方法は、錯金属水素化物を、水及び触媒の存在下で加水分解せしめて水素を発生させる方法であって、前記触媒が、金属酸化物、半金属酸化物及び炭素質材料からなる群から選択される少なくとも一種の物質と貴金属とからなるものであることを特徴とする方法である。
【0011】
また、本発明の水素発生装置は、錯金属水素化物及び水が内部に配置されている第1の容器と、触媒が内部に配置されている第2の容器と、第1の容器と第2の容器とを連通している配管とを備えており、錯金属水素化物を水及び触媒の存在下で加水分解せしめて水素を発生させる水素発生装置であって、前記触媒が、金属酸化物、半金属酸化物及び炭素質材料からなる群から選択される少なくとも一種の物質と貴金属とからなるものであることを特徴とする装置である。
【0012】
本発明の水素発生方法及び装置においては、金属酸化物、半金属酸化物及び炭素質材料からなる群から選択される少なくとも一種の物質と貴金属とからなる触媒により錯金属水素化物の加水分解反応が著しく促進され、十分な水素発生速度及び水素発生量が達成される。さらに、本発明にかかる触媒は非水溶性の固体であるため、触媒を容易に分離・回収して繰り返し利用することが可能であり、また、反応に寄与する触媒量を増減して水素発生量をコントロールすることが容易となる。
【0013】
なお、上記本発明にかかる触媒により錯金属水素化物の加水分解反応が著しく促進される理由は定かではないが、大きな酸化力を有する貴金属と多くの酸点を有する金属酸化物、半金属酸化物又は炭素質材料との相乗効果によって達成されていると本発明者らは考えている。
【0014】
また、本発明の水素発生方法及び装置においては、前記触媒中の前記物質と貴金属との両者が、前記錯金属水素化物及び水に接触できるように存在するものであることが好ましい。
【0015】
本発明にかかる錯金属水素化物としては、NaBH4、NaAlH4、LiBH4、LiAlH4、KBH4、KAlH4、Mg(BH4)2、Ca(BH4)2、Ba(BH4)2、Sr(BH4)2及びFe(BH4)2からなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。このような錯金属水素化物は水素の含有率が高く、しかも上記本発明にかかる触媒の存在下で水と反応して水素が効率良く生成されるからである。
【0016】
また、本発明にかかる金属酸化物としては、酸化チタン、酸化ニッケル、酸化セリウム、ゼオライト、アルミナ、ジルコニア及び酸化マンガンからなる群から選択される少なくとも一種の金属酸化物からなる1000μm以下の平均粒径を有する粒子が好ましく、
半金属酸化物としては1000μm以下の平均粒径を有する酸化ケイ素粒子が好ましく、
炭素質材料としては、活性炭、黒鉛、活性チャー、コークス、ハードカーボン及びソフトカーボンからなる群から選択される少なくとも一種の炭素質材料からなる1000μm以下の平均粒径を有する粒子が好ましく、
貴金属としては白金族元素からなる100nm以下の平均粒径を有する微粒子が好ましい。このような貴金属と金属酸化物、半金属酸化物又は炭素質材料との組み合わせによれば、錯金属水素化物の加水分解がより効率良く進行して水素発生速度及び水素発生量がより向上する傾向にある。
【0017】
さらに、本発明にかかる触媒は、前記物質に超臨界流体を用いて前記貴金属を担持せしめたものであって貴金属が10nm以下の平均粒径を有する微粒子であることが好ましい。超臨界流体を用いることによって貴金属が10nm以下(特に好ましくは1nm以下)という微細な粒子サイズでかつ貴金属単体として担体に分散担持されるため、触媒活性がより向上し、それによって水素発生速度及び水素発生量がより顕著に向上する傾向にある。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、場合により図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0019】
本発明の水素発生方法は、錯金属水素化物を、水及び触媒の存在下で加水分解せしめて水素を発生させる方法であって、前記触媒が、金属酸化物、半金属酸化物及び炭素質材料からなる群から選択される少なくとも一種の物質と貴金属とからなるものであることを特徴とする方法である。
【0020】
すなわち、本発明にかかる触媒は、金属酸化物、半金属酸化物及び炭素質材料からなる群から選択される少なくとも一種の物質と貴金属とが共存したものである。その共存の形態は、上記物質を担体とし、その担体に貴金属を担持せしめたものでも、両者が混合したもの等でもよい。その中でも、上記物質からなる担体に貴金属を担持せしめたものの方が、触媒活性がより高くなる傾向にあるため好ましい。また、上記物質が粒子の形態、上記貴金属が微粒子の形態であると、触媒活性がより高くなる傾向にあるため好ましい。
【0021】
このような金属酸化物としては、貴金族元素(Pt, Pd, Rh, Ru, Au等)や卑金属元素(Y, La, Ce, Pr, Nd, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Lu, Ca, Mg, Al, K, Ti, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Ga, Rb, Sr, Zr, Nb, Mo, In, Sn, Cs, Ba, Ta, W等)の酸化物が挙げられ、中でも酸化チタン、酸化ニッケル、酸化セリウム、ゼオライト、アルミナ、ジルコニア、酸化マンガンが好ましい。なお、本発明にかかる金属酸化物は、ゼオライトのように複数の金属元素を含有していてもよく、更に非金属元素を含んでいてもよい。また、酸化チタン−ジルコニア、酸化セリウム−ジルコニアのように、複数の金属酸化物からなるものであってもよい。
【0022】
このような金属酸化物を使用することにより、その物質自体も触媒として作用し、特に後述する貴金属との相乗効果によって錯金属水素化物の加水分解が顕著に促進され、十分な水素発生速度及び水素発生量が達成される。なお、金属酸化物が触媒として作用する理由は定かではないが、金属酸化物には酸点が多く存在するため、錯金属水素化物と水が反応して水素が発生すると共にアルカリ性の反応生成物を生じる反応系のpHを下げ、触媒活性が生じるものと本発明者らは考えている。
【0023】
本発明にかかる金属酸化物は、好ましくは1000μm以下、より好ましくは100μm〜10nm、特に好ましくは10μm〜10nm、の平均粒径を有する粒子である。平均粒径が1000μmを超えると粒子の表面積が低下し、十分な触媒活性が得られない傾向にある。また、金属酸化物の比表面積は1〜1000m2/g程度であることが好ましく、平均粒径が比較的大きい場合は多孔質粒子であることが好ましい。
【0024】
また、半金属酸化物としては、メタロイド元素(Si, Ge, As, Sb等)の酸化物が挙げられ、中でも酸化ケイ素が好ましい。このような半金属酸化物を使用した場合も、その物質自体が触媒として作用し、特に後述する貴金属との相乗効果によって錯金属水素化物の加水分解が顕著に促進され、十分な水素発生速度及び水素発生量が達成される。なお、半金属酸化物が触媒として作用する理由も定かではないが、半金属酸化物にも酸点が多く存在するため、錯金属水素化物と水が反応して水素が発生すると共にアルカリ性の反応生成物を生じる反応系のpHを下げ、触媒活性が生じるものと本発明者らは考えている。
【0025】
本発明にかかる半金属酸化物は、好ましくは1000μm以下、より好ましくは100μm〜10nm、特に好ましくは10μm〜10nm、の平均粒径を有する粒子である。平均粒径が1000μmを超えると粒子の表面積が低下し、十分な触媒活性が得られない傾向にある。また、半金属酸化物の比表面積は0.1〜500m2/g程度であることが好ましく、平均粒径が比較的大きい場合は多孔質粒子であることが好ましい。
【0026】
更に、炭素質材料としては、活性炭、黒鉛、活性チャー、コークス、ハードカーボン(難黒鉛化炭素)、ソフトカーボン(易黒鉛化炭素)が好ましい。このような炭素質材料を使用した場合も、その物質自体が触媒として作用し、特に後述する貴金属との相乗効果によって錯金属水素化物の加水分解が顕著に促進され、十分な水素発生速度及び水素発生量が達成される。なお、炭素質材料が触媒として作用する理由も定かではないが、炭素質材料にも酸点が多く存在するため、錯金属水素化物と水が反応して水素が発生すると共にアルカリ性の反応生成物を生じる反応系のpHを下げ、触媒活性が生じるものと本発明者らは考えている。
【0027】
本発明にかかる炭素質材料は、好ましくは1000μm以下、より好ましくは100μm〜10nm、特に好ましくは10μm〜10nm、の平均粒径を有する粒子である。平均粒径が1000μmを超えると粒子の表面積が低下し、十分な触媒活性が得られない傾向にある。また、炭素質材料の比表面積は1〜4000m2/g程度であることが好ましく、多孔質粒子であることが好ましい。
【0028】
上記本発明にかかる物質の形状は特に制限はなく、粉末状、ペレット状、モノリス状、板状、繊維状等の形状を使用条件に応じて選択することができる。
【0029】
本発明にかかる触媒は、上記物質に貴金属を共存せしめたものである。このような貴金属としては、Pt, Pd, Rh, Ru, Ir, Os, Au, Agが挙げられ、中でも白金族元素(Pt, Pd, Rh, Ru, Ir, Os)が好ましい。このような貴金属を前記物質と共存させて使用することにより、貴金属の触媒作用と前記物質の触媒作用との相乗効果によって錯金属水素化物の加水分解が顕著に促進され、十分な水素発生速度及び水素発生量が達成される。なお、貴金属が触媒として作用する理由は定かではないが、貴金属は酸化力が大きいため、錯金属水素化物と水が反応して水素が発生する反応系において触媒活性が生じるものと本発明者らは考えている。
【0030】
本発明にかかる貴金属は、上記物質からなる粒子より平均粒径が小さいものが望ましく、好ましくは100nm以下、より好ましくは10nm以下、特に好ましくは1nm以下、の平均粒径を有する微粒子である。平均粒径が100nmを超えると粒子の表面積が低下し、十分な触媒活性が得られない傾向にある。また、貴金属は貴金属酸化物等の貴金属化合物を一部に含有していてもよいが、より酸化力が強まることから貴金属単体であることが好ましい。
【0031】
本発明にかかる触媒中の貴金属の含有率は、触媒の全重量を基準にして0.01〜20重量%であることが好ましく、0.5〜5重量%であることがより好ましい。貴金属の含有率が0.01重量%未満では、貴金属による触媒作用が得られず、十分な水素の収率が達成されない傾向にある。
【0032】
上記物質に貴金属を共存せしめる方法は特に制限されず、例えば、貴金属及び/又は貴金属前駆体(貴金属のハロゲン化物、硝酸塩、炭酸塩、アセチルアセトナート、テトラアンミン塩、アルコキシド等)を用いていわゆる含浸法、沈澱法、混練法、イオン交換法等の技法によって上記物質からなる担体に貴金属を担持せしめて本発明にかかる触媒を得ることが可能であるが、国際公開番号WO99/10167号公報に記載の超臨界流体を用いた超臨界法によって本発明にかかる触媒を得ることが好ましい。超臨界流体を用いることによって貴金属が10nm以下(特に好ましくは1nm以下)という微細な粒子サイズでかつ貴金属単体として担体に分散担持されるため、触媒活性がより向上し、それによって水素発生速度及び水素発生量がより顕著に向上する傾向にある。
【0033】
更に、上記のようにして貴金属及び/又は貴金属前駆体を担体に担持せしめた後、必要に応じて窒素もしくは空気中での焼成処理、及び/又は、水素もしくは一酸化炭素もしくは炭化水素(メタン、アセトアルデヒド等)含有雰囲気中での還元処理を施すことが好ましい。このような焼成処理、還元処理の条件は特に制限されないが、例えば200〜800℃の温度で1〜10時間加熱するといった条件が採用される。
【0034】
なお、上記の超臨界法とは、貴金属及び/又は貴金属前駆体と溶媒とを含む溶液をその溶媒が超臨界流体になる状態で担体に接触させることにより担体表面に貴金属及び/又は貴金属前駆体を担持させる方法であり、その後に必要に応じて焼成処理及び/又は還元処理を施すことによって本発明にかかる触媒が得られる。ここで、超臨界流体とは臨界温度以上に加熱された流体を意味する。したがって、溶媒が超臨界流体になる状態とは、溶媒の臨界温度以上に溶媒が加熱された状態を意味する。圧力に関しては特に制限はないが、臨界圧力以上とすることが好ましい。このような超臨界流体は、液体と同等の溶解能力と、気体に近い拡散性及び粘性を有するため、担体の孔の深部や非常に微細な口径の孔にも、貴金属を容易且つ迅速に浸透させることができる。なお、上記の溶解能力は、温度、圧力、エントレーナー(添加物)等によって調整できる。
【0035】
このような超臨界流体となる溶媒としては特に制限はないが、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、エチレン、プロピレン等の炭化水素;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のモノオール;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール;アセトン、アセチルアセトン等のケトン;ジメチルエーテル等のエーテル;二酸化炭素;水;アンモニア;塩素;クロロホルム;フレオン類等を挙げることができる。また、貴金属及び/又は貴金属前駆体の超臨界流体への溶解度を高めるために、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール;アセトン、エチルメチルケトン、アセチルアセトン等のケトン;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等をエントレーナーとして用いることができる。
【0036】
本発明の水素発生方法においては、上述のようにして金属酸化物、半金属酸化物及び炭素質材料からなる群から選択される少なくとも一種の物質と貴金属とからなる触媒の存在下で錯金属水素化物と水とを接触させる。それによって錯金属水素化物の加水分解反応が著しく促進され、十分な水素発生速度及び水素発生量で水素が高収率で生成される。
【0037】
このような錯金属水素化物としては、水素の含有率が高く、前記触媒により水素が効率良く生成されることからNaBH4、NaAlH4、LiBH4、LiAlH4、KBH4、KAlH4、Mg(BH4)2、Ca(BH4)2、Ba(BH4)2、Sr(BH4)2及びFe(BH4)2が好ましい。かかる錯金属水素化物は単一種類で用いられてもよく、複数種類を組合せて用いてもよい。
【0038】
なお、NaBH4は低コストでそれ自身の水との反応性が低く、水素発生の理論容量が21.3wt%と高いことから、錯金属水素化物としてはNaBH4がより好ましい。
【0039】
本発明の水素発生方法においては、原料である錯金属水素化物と共に水を使用する。水の量は原料である錯金属水素化物に対して化学量論以上あればよく、錯金属水素化物1モルに対して2〜100モル倍であることが好ましい。水の量が2モル倍より少ないと高い水素発生量が得られない傾向にあり、他方、100モル倍より多くても添加効果が向上せず経済的でない傾向にある。
【0040】
また、本発明の水素発生方法における反応系には、錯金属水素化物と水と触媒以外の成分が含有されていてもよい。その他の成分としては、反応に不活性なガス(窒素、CO2、Ar等)が挙げられる。一方、酸素が存在すると発生した水素が燃焼し易くなる傾向にあるのでなるべく排除したほうがよい。
【0041】
なお、錯金属水素化物と水との初期反応の発生を防止するために、錯金属水素化物と水との溶液中にはアルカリ(水酸化ナトリウム等)を水溶液1リットルあたり10-4mol〜0.1mol程度添加しておくことが好ましい。
【0042】
本発明の水素発生方法における反応条件は特に制限されないが、温度は0〜100℃が好ましく、10〜30℃がより好ましい。反応温度が0℃より低いと水が凍結して水素発生速度が低下する傾向にあり、他方、100℃より高いと水が水蒸気になり水素の発生速度が低下する傾向にある。
【0043】
次に、本発明の水素発生装置の好適な実施形態について説明する。図1は本発明の水素発生装置の好適な実施形態の一例を示す模式図であり、貯蔵タンク(第1の容器)1と触媒容器(第2の容器)2とそれらを連通する配管3とを備えており、貯蔵タンク1には錯金属水素化物と水とを混合した水溶液4が入れられおり、触媒容器2には前記本発明にかかる水素発生用触媒5が入れられている。
【0044】
更に、図1に示す装置においては、触媒容器2への錯金属水素化物水溶液4の供給量を調節するためのスロットル6が配管3に設けられており、更に触媒容器2には配管7を介して未反応の錯金属水素化物と生成した水素を分離するための水素分離装置8が設置されている。そして、水素分離装置8で分離された錯金属水素化物を貯蔵タンク1に戻すための配管9が設けられており、更に錯金属水素化物水溶液4を安定して供給するため圧送器10がその配管9に接続されている。
【0045】
このような水素発生装置によれば、スロットル6及び圧送器10により供給量が調整されて錯金属水素化物水溶液4が貯蔵タンク1から触媒容器2に供給され、触媒5の存在下で錯金属水素化物と水とが接触することによって水素が高収率で生成される。そして、この装置で得られた水素は水素分離装置8で分離された後、例えば燃料電池用の反応セル(図示せず)に供給される。従って、電力として取り出したいエネルギー量に応じて所定量の錯金属水素化物水溶液4を触媒容器2に供給することによって、燃料電池用の反応セルに供給する水素量の調整が可能となり、必要とする電気出力を得ることができる。
【0046】
また、本発明の装置においては、触媒容器2内の触媒5が非水溶性の固体であるため、触媒を容易に分離・回収して繰り返し利用することが可能であり、また、反応に寄与する触媒量を増減して水素発生量をコントロールすることも容易である。更に、水素分離装置8で分離された未反応の錯金属水素化物を配管9を介して貯蔵タンク1に戻すことによって、錯金属水素化物の更なる有効利用が可能となる。
【0047】
以上、本発明の水素発生装置の好適な一実施形態について説明したが、本発明の装置は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、錯金属水素化物と水とを別途準備しておき、それらを同時又は順次触媒容器に供給するようにしてもよい。また、錯金属水素化物水溶液の中に触媒を取り出し可能な状態で添加し、その触媒量によって水素発生量を調整するようにしてもよい。
【0048】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0049】
実施例1〜4
白金アセチルアセトナート500mgをアセトン5mlに溶解させ、これをオートクレーブ中に導入し、更にチタニア粉末(Sachtleben Chemie GMBH製、UV100)1g及びドライアイス30gを入れ、オートクレーブを密閉した後に温度150℃、圧力300kg/cm2に加熱加圧して2時間保持し、二酸化炭素を超臨界流体とした状態でチタニア粉末に白金アセチルアセトナートを担持せしめた。次いで、このチタニア粉末を、105℃にて1時間保持して乾燥し、チタニア上に白金を担持した触媒(白金量1.3wt%)を得た。
【0050】
そして、このようにして得られた触媒を用いて以下のようにして水素発生速度と水素発生量を求めた。すなわち、表1に示す量の触媒と水素化ホウ素ナトリウム50mgとを三角フラスコに詰めた後、室温(約20℃)にて注射器を用いて水を5cc滴下し、柴田科学製ガス分析装置(商品コード:6071-4)により水素発生速度と量を求めた。
【0051】
また、担体粒子及び担持されている貴金属の平均粒径をTEM観察、SEM観察あるいはX線回折から求めた。なお、X線回折により粒子径を求める場合は、理学電機製X線回折装置RAD-Bを使用し、下記手法により実施した。
【0052】
すなわち、触媒を硝子製試料セルに詰め、グラファイトモノクロメータで単色化したCuKαを線源とし、反射式ディフラクトメータ法によって広角X線回折強度曲線を測定した。そして、粒子径(格子面に垂直方向の結晶の厚さ)Lcを、その格子面による回折線の半値幅β、波長λ、Bragg角θに基づいて以下のScherrerの式:
Lc=Kλ/βcosθ
(但し、K=0.90)
により求めた。
【0053】
上記の測定により得られた水素発生速度と水素発生量を、使用した触媒についてのデータと共に表1に示す。
【0054】
実施例5〜6
実施例1と同様のチタニア粉末100gを白金Pソルト溶液(白金の硝酸塩溶液、白金含有量50g/l、田中貴金属社製)33ml中に浸漬し、チタニア粉末に白金の硝酸塩を担持せしめた。次いで、このチタニア粉末を、250℃にて5時間保持して乾燥した後、空気中450℃にて2時間焼成し、更に水素中300℃にて3時間保持して還元せしめ、チタニア上に白金を担持した触媒(白金量1.64wt%)を得た。そして、このようにして得られた触媒を用いて実施例1と同様にして水素発生速度と水素発生量を求め、得られたデータを使用した触媒についてのデータと共に表1に示す。
【0055】
実施例7
白金アセチルアセトナートに代えてパラジウムアセチルアセトナート500mgを使用した以外は実施例1と同様にしてチタニア上にパラジウムを担持した触媒(パラジウム量1.3wt%)を得た。そして、このようにして得られた触媒を用いて実施例1と同様にして水素発生速度と水素発生量を求め、得られたデータを使用した触媒についてのデータと共に表1に示す。
【0056】
実施例8〜9
白金Pソルト溶液に代えてジニトロジアンミンパラジウム(II)硝酸性溶液(Pd含有量50g/l、田中貴金属社製)30.5ml(実施例8)又は硝酸ルテニウム溶液(Ru含有量50g/l、田中貴金属社製)30.5ml(実施例9)をそれぞれ使用した以外は実施例5と同様にしてチタニア上にパラジウム又はルテニウムを担持した触媒(実施例8:パラジウム量1.5wt%、実施例9:ルテニウム量1.5wt%)を得た。そして、このようにして得られた触媒を用いて実施例1と同様にして水素発生速度と水素発生量を求め、得られたデータを使用した触媒についてのデータと共に表1に示す。
【0057】
実施例10〜11
チタニア粉末に代えてγ−アルミナ粉末(日揮ユニバーサル社製)1gを使用した以外は実施例1と同様にしてγ−アルミナ上に白金を担持した触媒(白金量1.3wt%)を得た。そして、このようにして得られた触媒を用いて実施例1と同様にして水素発生速度と水素発生量を求め、得られたデータを使用した触媒についてのデータと共に表1に示す。
【0058】
実施例12〜13
チタニア粉末に代えてγ−アルミナ粉末(日揮ユニバーサル社製)100gを使用した以外は実施例5と同様にしてγ−アルミナ上に白金を担持した触媒(白金量1.64wt%)を得た。そして、このようにして得られた触媒を用いて実施例1と同様にして水素発生速度と水素発生量を求め、得られたデータを使用した触媒についてのデータと共に表1に示す。
【0059】
実施例14〜15
チタニア粉末に代えてセリアジルコニア固溶体粉末(特開平9-221304記載の方法により製造、セリアとジルコニアとのモル比1:1)1g又はチタニアジルコニア固溶体粉末(特願平11-068347記載の以下の方法により製造、チタニアとジルコニアとの重量比7:3)1gをそれぞれ使用した以外は実施例1と同様にしてセリアジルコニア固溶体又はチタニアジルコニア固溶体上に白金を担持した触媒(実施例14:白金量1.3wt%、実施例15:白金量1.5wt%)を得た。そして、このようにして得られた触媒を用いて実施例1と同様にして水素発生速度と水素発生量を求め、得られたデータを使用した触媒についてのデータと共に表1に示す。
【0060】
(チタニアジルコニア固溶体粉末の製造方法)
28%の四塩化チタン溶液305gと18%のオキシ硝酸ジルコニル水溶液200gとを混合し、それにイオン交換水1000gを加えて更に混合した。そして、その混合液に8%アンモニア水溶液1456gを加えて中和し、得られたゲルを150℃で乾燥させた後、400℃で仮焼し、更に500℃で焼成してチタニアジルコニア固溶体粉末を得た。
【0061】
実施例16
チタニア粉末に代えて酸化ケイ素粉末(UOP社製)100gを使用した以外は実施例5と同様にして酸化ケイ素上に白金を担持した触媒(白金量1.5wt%)を得た。そして、このようにして得られた触媒を用いて実施例1と同様にして水素発生速度と水素発生量を求め、得られたデータを使用した触媒についてのデータと共に表1に示す。
【0062】
【表1】
Figure 0003674027
【0063】
実施例17〜21
以下の触媒:
実施例17 白金-活性炭素(比表面積719m2/g)和光純薬社製
実施例18 パラジウム-活性炭素(比表面積769m2/g)和光純薬社製
実施例19〜21 ルテニウム-活性炭素(比表面積832m2/g)和光純薬社製
を使用した以外は実施例1と同様にして水素発生速度と水素発生量を求め、得られたデータを使用した触媒についてのデータと共に表2に示す。
【0064】
【表2】
Figure 0003674027
【0065】
比較例1
触媒を添加しなかった以外は実施例1と同様にして水素発生速度と水素発生量を求め、得られたデータを表3に示す。
【0066】
比較例2〜3
以下の触媒:
比較例2 塩化コバルト 和光純薬社製
比較例3 塩化ニッケル ナカライテスク社製
を使用した以外は実施例1と同様にして水素発生速度と水素発生量を求め、得られたデータを使用した触媒の量と共に表3に示す。
【0067】
【表3】
Figure 0003674027
【0068】
比較例4〜11
以下の触媒:
比較例4〜6 白金黒 和光純薬社製
比較例7 ニッケル粒子 添川理化学社製
比較例8〜9 チタン粉末 高純度化学研究所製
比較例10〜11 ルテニウム粉末 高純度化学研究所製
を使用した以外は実施例1と同様にして水素発生速度と水素発生量を求め、得られたデータを使用した触媒についてのデータと共に表4に示す。
【0069】
【表4】
Figure 0003674027
【0070】
比較例12〜23
以下の触媒:
比較例12〜13 チタニア粉末 Sachtleben Chemie GMBH製(UV100)
比較例14〜16 チタニア粉末 デグサ社製(P-25)
比較例17 酸化ニッケル粉末 和光純薬社製
比較例18 酸化チタン粉末(TiO) レアメタリックス社製
比較例19 酸化チタン粉末(Ti2O3) アルファ社製
比較例20〜21 酸化ケイ素粉末 富士シリシア社製
比較例22 ゼオライト 東ソー社製(モルデナイト30)
比較例23 γ−アルミナ 日揮ユニバーサル社製
を使用した以外は実施例1と同様にして水素発生速度と水素発生量を求め、得られたデータを使用した触媒についてのデータと共に表5に示す。
【0071】
【表5】
Figure 0003674027
【0072】
比較例24〜30
以下の触媒:
比較例24 活性炭(比表面積1500m2/g)キャタラー社製
比較例25 活性炭(比表面積3100m2/g)関西熱化学社製(30-SPD)
比較例26〜28 活性炭(比表面積3224m2/g)大阪ガスケミカル製(M-30)
比較例29〜30 人造黒鉛(比表面積1m2/g)大阪ガスケミカル製(MCMB-25-28)
を使用した以外は実施例1と同様にして水素発生速度と水素発生量を求め、得られたデータを使用した触媒についてのデータと共に表6に示す。
【0073】
【表6】
Figure 0003674027
【0074】
表1〜表6に示した結果から、金属酸化物、半金属酸化物又は炭素質材料の粒子に貴金属微粒子を担持せしめた本発明にかかる触媒によれば、従来の触媒を用いた場合に比べて水素発生速度及び水素発生量が著しく向上することが確認された。
【0075】
そして、かかる効果は、金属酸化物粒子、半金属酸化物粒子又は炭素質材料粒子を単独で使用した場合の触媒作用並びに貴金属微粒子を単独で使用した場合の触媒作用から予期される程度を超えた効果であること、すなわち両者の相乗効果を伴うものであることが確認された。
【0076】
更に、本発明にかかる触媒において、貴金属微粒子の平均粒径が1nm以下である場合には特に顕著に水素発生速度及び水素発生量が向上することが確認された。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の水素発生方法及び水素発生装置によれば、金属酸化物、半金属酸化物及び炭素質材料からなる群から選択される少なくとも一種の物質の触媒作用と貴金属の触媒作用との相乗効果によって錯金属水素化物の加水分解反応が著しく促進され、十分な水素発生速度及び水素発生量が達成される。さらに、本発明にかかる触媒は非水溶性の固体物質であるため、触媒を容易に分離・回収して繰り返し利用することが可能であり、また、反応に寄与する触媒量を増減して水素発生量をコントロールすることが容易となる。
【0078】
従って、本発明の水素発生方法及び水素発生装置は、錯金属水素化物を燃料電池の水素供給源として利用可能とする上で非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水素発生装置の好適な一実施形態を示す模式図である。
【符号の説明】
1…貯蔵タンク、2…触媒容器、3…配管、4…錯金属水素化物水溶液、5…触媒、6…スロットル、7…配管、8…水素分離装置、9…配管、10…圧送器。

Claims (20)

  1. 錯金属水素化物を、水及び触媒の存在下で加水分解せしめて水素を発生させる方法であって、
    前記触媒が、金属酸化物、半金属酸化物及び炭素質材料からなる群から選択される少なくとも一種の物質と貴金属とからなるものであることを特徴とする水素発生方法。
  2. 前記触媒中の前記物質と貴金属との両者は、前記錯金属水素化物及び水に接触できるように存在するものであることを特徴とする請求項1に記載の水素発生方法。
  3. 前記錯金属水素化物が、NaBH4、NaAlH4、LiBH4、LiAlH4、KBH4、KAlH4、Mg(BH4)2、Ca(BH4)2、Ba(BH4)2、Sr(BH4)2及びFe(BH4)2からなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水素発生方法。
  4. 前記金属酸化物が、酸化チタン、酸化ニッケル、酸化セリウム、ゼオライト、アルミナ、ジルコニア及び酸化マンガンからなる群から選択される少なくとも一種の金属酸化物からなる1000μm以下の平均粒径を有する粒子であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の水素発生方法。
  5. 前記半金属酸化物が、1000μm以下の平均粒径を有する酸化ケイ素粒子であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の水素発生方法。
  6. 前記炭素質材料が、活性炭、黒鉛、活性チャー、コークス、ハードカーボン及びソフトカーボンからなる群から選択される少なくとも一種の炭素質材料からなる1000μm以下の平均粒径を有する粒子であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の水素発生方法。
  7. 前記貴金属が、白金族元素からなる100nm以下の平均粒径を有する微粒子であることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の水素発生方法。
  8. 前記触媒が、前記物質に超臨界流体を用いて前記貴金属を担持せしめたものであることを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の水素発生方法。
  9. 前記貴金属が、10nm以下の平均粒径を有する微粒子であることを特徴とする請求項1〜8のうちのいずれか一項に記載の水素発生方法。
  10. 前記貴金属の含有率が、触媒の全重量を基準にして0.01〜20重量%であることを特徴とする請求項1〜9のうちのいずれか一項に記載の水素発生方法。
  11. 錯金属水素化物及び水が内部に配置されている第1の容器と、触媒が内部に配置されている第2の容器と、第1の容器と第2の容器とを連通している配管とを備えており、錯金属水素化物を水及び触媒の存在下で加水分解せしめて水素を発生させる水素発生装置であって、
    前記触媒が、金属酸化物、半金属酸化物及び炭素質材料からなる群から選択される少なくとも一種の物質と貴金属とからなるものであることを特徴とする水素発生装置。
  12. 前記触媒中の前記物質と貴金属との両者は、前記錯金属水素化物及び水に接触できるように存在するものであることを特徴とする請求項11に記載の水素発生装置。
  13. 前記錯金属水素化物が、NaBH4、NaAlH4、LiBH4、LiAlH4、KBH4、KAlH4、Mg(BH4)2、Ca(BH4)2、Ba(BH4)2、Sr(BH4)2及びFe(BH4)2からなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項11又は12に記載の水素発生装置。
  14. 前記金属酸化物が、酸化チタン、酸化ニッケル、酸化セリウム、ゼオライト、アルミナ、ジルコニア及び酸化マンガンからなる群から選択される少なくとも一種の金属酸化物からなる1000μm以下の平均粒径を有する粒子であることを特徴とする請求項11〜13のうちのいずれか一項に記載の水素発生装置。
  15. 前記半金属酸化物が、1000μm以下の平均粒径を有する酸化ケイ素粒子であることを特徴とする請求項11〜13のうちのいずれか一項に記載の水素発生装置。
  16. 前記炭素質材料が、活性炭、黒鉛、活性チャー、コークス、ハードカーボン及びソフトカーボンからなる群から選択される少なくとも一種の炭素質材料からなる1000μm以下の平均粒径を有する粒子であることを特徴とする請求項11〜13のうちのいずれか一項に記載の水素発生装置。
  17. 前記貴金属が、白金族元素からなる100nm以下の平均粒径を有する微粒子であることを特徴とする請求項11〜16のうちのいずれか一項に記載の水素発生装置。
  18. 前記触媒が、前記物質に超臨界流体を用いて前記貴金属を担持せしめたものであることを特徴とする請求項11〜17のうちのいずれか一項に記載の水素発生装置。
  19. 前記貴金属が、10nm以下の平均粒径を有する微粒子であることを特徴とする請求項11〜18のうちのいずれか一項に記載の水素発生装置。
  20. 前記貴金属の含有率が、触媒の全重量を基準にして0.01〜20重量%であることを特徴とする請求項11〜19のうちのいずれか一項に記載の水素発生装置。
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