JPH09173842A - 高分散型水蒸気改質触媒および水素製造方法 - Google Patents
高分散型水蒸気改質触媒および水素製造方法Info
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- JPH09173842A JPH09173842A JP7349894A JP34989495A JPH09173842A JP H09173842 A JPH09173842 A JP H09173842A JP 7349894 A JP7349894 A JP 7349894A JP 34989495 A JP34989495 A JP 34989495A JP H09173842 A JPH09173842 A JP H09173842A
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Abstract
用強度を兼備した水蒸気改質触媒と、該触媒を使用した
分子量の高い低廉な灯油等を原料とすることのできる水
素製造方法を提供する。 【解決手段】 (a)水酸化アルミニウム、(b)周期
表II族金属、III族金属およびランタノイド金属の
うちの少なくとも1種の炭酸塩、(c)オキシ酸を原料
として成型した担体基材を800〜950℃で焼成して
得た活性アルミナ複合体担体に、Ruを0.5〜5質量
%担持し、600〜950℃で還元処理した、Ru分散
性60%以上の触媒。硫黄含有量0.2ppm以下、芳
香族化合物含有量30容量%以下、炭素数6以上の安価
な液状炭化水素原料と、水蒸気を、上記の触媒に接触さ
せて水素を製造する。
Description
と、該触媒を使用する水素製造方法に関し、更に詳細に
は、活性金属であるルテニウムを高分散担持し、しかも
実用強度を兼ね備えた水蒸気改質触媒、および該触媒を
使用した分子量の高い低廉な灯油等を原料とすることの
できる水素製造方法に関する。
ては、水蒸気改質法が広く用いられている。これは、無
触媒部分酸化法等に較べて、電力原単位(製品単位量当
たりの電力使用量)や設備費が低廉であるためである。
はNi/アルミナ等のニッケル系触媒であり、原料炭化
水素は天然ガスからナフサ程度に限られているのが普通
であった。
脱硫、直接脱硫、深度脱硫、芳香族溶媒抽出など石油産
業の分野だけでも多岐に亘る。この他にも、一酸化炭素
の製造、各種の還元反応などの用途がある。また、近
年、環境保全対策として、ディーゼルエンジンの排気ガ
ス中の窒素酸化物を低減させるために、燃料である軽油
中の硫黄分削減が重要となり、水素の需要は高まってい
る。更に、大気温暖化の原因物質の一つである二酸化炭
素の固定化・再資源化の研究開発も活発に行われてお
り、この技術開発には水素の廉価な供給が不可欠と言わ
れている。
は、化学工業に対して経済的な効果を与えることは勿論
であるが、この他に環境保全技術の進展に対する寄与も
少なくない。
料炭化水素に市場価格の低廉な灯油等の液状炭化水素を
用いること、水蒸気改質反応時の次式で表される水蒸気
/炭素比(以下、S/C比と記す)を少なくすることが
最も有効な方法である。
数)/{反応器に供給される炭化水素(CnHm)のモ
ル数×n}
に触媒上への炭素析出が著しくなるため、分子量の高い
低廉な灯油等を原料とする場合は、長期連続運転はでき
ない。
来のアルミナを担体としたニッケル系触媒でも実施され
ている。例えば、特開昭50−18378号公報による
と、活性助成分として希土類を少量添加する方法が提案
されているが、使用できる炭化水素はメタンからブタン
までの軽質留分であり、ナフサ以上の液状炭化水素を用
いることはできない。仮に、それらを用いる場合には、
炭素析出を抑制するためにS/C比を相当高く設定しな
ければならず、運転操作が煩雑になる他、水蒸気原単位
(製品単位量当たりの水蒸気使用量)が増加し、経済性
に優れた灯油等の液状炭化水素を原料とする利点が失わ
れる。
たニッケル系触媒では、使用できる原料炭化水素の炭素
数に限界がある。このような理由から、灯油等の液状炭
化水素を原料とする水蒸気改質による水素製造法の実用
化は極めて難しいと言われている。
効果を保有しているため、ニッケル系触媒より少ないS
/C比条件で水蒸気改質反応を行うことができる点で注
目されている。このようなルテニウム系触媒の例として
は、アルミナ担体にルテニウムを担持させたもの(例え
ば、笠岡ら「燃料協会誌」59巻、25頁(1980
年)、岡田ら「触媒」35巻、224頁(1993
年))、アルカリ金属酸化物またはアルカリ土類金属酸
化物に酸化セリウムを担持した担体を用いたもの(特開
平4−265156号公報)、ジルコニア担体を使用し
たもの(特開平2−302304号公報、特開平2−2
86787号公報)、ルテニウム前駆体にルテニウム酸
ナトリウム等のアルカリ塩を使用したもの(特開昭60
−227834号公報)等を挙げることができる。
まれる硫黄分によって、容易に硫化(被毒)される。被
毒された触媒上には炭素析出が極めて起こり易く、硫黄
被毒が炭素析出の引き金になる欠点を有する(例えば、
岡田ら「燃料協会誌」68巻、39頁(1989
年))。このように、ルテニウム系触媒は、炭素析出抑
制性に秀でていても、原料中の硫黄分による被毒が起こ
り易く、被毒されれば、この触媒系の最大の長所が失わ
れ、実用上極めて問題になる。
硫黄化合物は脱硫過程で殆ど除去可能であることから余
り問題にならないが、灯油等の液状炭化水素は、難脱硫
性の硫黄化合物を含むため、硫黄分を完全に除去するこ
とは難しい。従って、これらの炭化水素を原料とする水
蒸気改質触媒には、耐炭素析出性の他に耐硫黄被毒性を
備えることが強く求められる。
は、灯油等の炭化水素を原料とする以上、炭素析出と硫
黄被毒を如何に抑制するかという問題を有している。ま
た、安価に水素を供給するには、市場価格の低廉な灯油
等の炭化水素を原料とする外にも、水蒸気原単位を抑制
することが重要になる。この水蒸気原単位の上昇を抑え
るためには、現行のS/C比の条件下で灯油等の液状炭
化水素の改質反応を実施する必要がある。つまり、現行
S/C比の条件で炭素析出を強く抑制することが要求さ
れる。
ケル系触媒等の公知の触媒では不可能であり、またこれ
らの触媒の多少の改良で対応することも困難である。上
記の要件を全て満たすためには、優れた炭素析出抑制性
と耐硫黄被毒性を兼ね備えた触媒、具体的には、充分な
強度を持った担体上に、活性金属が高分散担持され、か
つシンタリングを防ぐことのできる触媒が待たれるが、
現在、そのような触媒は殆ど見当たらない。
く、析出しても触媒性能の劣化が少なく、原料中にある
程度硫黄分が含有されていても活性低下を起さない触
媒、つまり炭素析出抑制性、耐炭素析出性、および耐硫
黄被毒性を有し、市場価格の低廉な灯油等の液状炭化水
素を用いても長期間連続した水蒸気改質反応を可能にす
る水蒸気改質触媒、およびこの触媒を用いて水素製造を
安価に行う方法を提供することを目的とする。
媒として、先に、周期表のII族(以下、「2族」と記
す)、III族(以下、「3族」と記す)、ランタノイ
ドの金属のうちの少なくとも1種とアルミナの複合体を
担体とし、活性成分であるルテニウムを高分散状態で担
持した触媒が適しており、このルテニウム高分散触媒は
CO吸着量を指標として選定できるとの知見の下に、特
願平7−18642号をを提案している。
上記複合体を調製する際の原料を特定のものとすれば、
60%以上の高い分散性でルテニウムを担持した触媒を
得ることができること、すなわち本発明者らによる上記
の先願におけるCO吸着量を指標とする選定工程を省略
できること、(2)この触媒を用いれば、灯油等の安価
な液状炭化水素を原料とし、S/C比を従来のニッケル
系触媒を用いたナフサ水蒸気改質と同等レベルの3〜1
0として水蒸気改質反応を行う場合に、原料炭化水素中
に硫黄化合物がある程度残存していても触媒が被毒され
難く、触媒上への炭素析出も抑制されること、を見出
し、本発明の高分散型水蒸気改質触媒および該触媒を使
用した水素製造方法を提案するに至った。
媒は、(a)水酸化アルミニウム、(b)周期表2族金
属、3族金属およびランタノイド金属よりなる群のうち
の少なくとも1種の炭酸塩、および(c)オキシ酸を原
料として成型した担体基材を800〜950℃で焼成し
て得た活性アルミナ複合体担体に、ルテニウムを0.5
〜5質量%担持し、600〜950℃で還元処理してな
り、ルテニウム分散性が60%以上であることを特徴と
する。このとき、アルミナ複合体担体にルテニウムを
0.5〜5質量%担持させたもの、また(b)成分とし
て炭酸セリウムを使用する場合、ルテニウムはセリウム
とルテニウムとの原子比が10未満となるように0.5
〜5質量%担持させたものが好ましい。
量が0.2ppm以下、芳香族化合物含有量が30容量
%以下、炭素数6以上の液状炭化水素からなる原料と水
蒸気とを上記の高分散型水蒸気改質触媒に接触させ、前
記数2で表されるS/C比を3〜10、LHSVを5h
−1以下、反応圧力を2気圧以上に保つことを特徴とす
る。
水蒸気改質触媒においては、担体原料として、(a)水
酸化アルミニウム、(b)2族金属、3族金属およびラ
ンタノイド金属よりなる群から選ばれる少なくとも1種
の炭酸塩、および(c)オキシ酸を使用する。
アルミナ前駆体として用いるもので、水酸化アルミニウ
ム無水物、水酸化アルミニウム水和物等を用いることが
できる。水和物の場合には、そのまま用いてもよいし、
予め脱水したものを用いても差し支えないが、取扱いが
容易である点から無水物が好ましい。
を用いる理由は、加熱、焼成段階で水(水蒸気)を発生
し、担体を多孔質(porous)にするためである。
ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウム、ラジウムが使用できるが、特にマグネシ
ウム、バリウムが好ましい。3族金属としては、スカン
ジウム、イットリウム等が使用できるが、特にイットリ
ウムが好ましい。ランタノイド金属としては、ランタ
ン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウ
ム、サマリウム等が使用できるが、特にセリウム、ラン
タン、イットリウムが好ましい。これら2族金属、3族
金属およびランタノイド金属の炭酸塩は、いずれか1種
をそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上を組み合わ
せて使用してもよい。
イド金属を、炭酸塩として用いる理由は、加熱、焼成段
階で脱炭酸により炭酸ガスが発生し、坦体の多孔質部分
が増大するためである。
族、3族、ランタノイドを、塩化物、硝酸塩、硫酸塩等
として用いる場合には、製品触媒中に、これらの陰イオ
ン、硫酸イオン等の陰イオン原子団が残渣(例えば、硫
酸根)として残る虞があり、好ましくない。
ル酸、乳酸、ヒドロアクリル酸、α−オキシ酪酸、グリ
セリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸
等の脂肪族オキシ酸;サリチル酸、m−オキシ安息香
酸、p−オキシ安息香酸、没食子酸、マンデル酸、トロ
バ酸等の芳香族オキシ酸等、種々のオキシ酸;これらオ
キシ酸のカルボキシル基の一部をメチル化等のアルキル
化処理したもの(以下、「アルキル化オキシ酸」と記
す);を使用することができる。これらのオキシ酸やア
ルキル化オキシ酸(以下、これらをまとめて「オキシ
酸」と記すこともある)は、それぞれ単独で用いてもよ
いし、2種以上を混合して用いてもよい。2種以上混合
使用する場合にあっては、脂肪族オキシ酸と芳香族オキ
シ酸を、脂肪族オキシ酸と脂肪族アルキル化オキシ酸
を、脂肪族アルキル化オキシ酸と芳香族アルキル化オキ
シ酸を、芳香族オキシ酸と芳香族アルキル化オキシ酸
を、それぞれ混合して用いても差し支えない。
ル化オキシ酸を用いる理由は、脱炭酸を起こし、担体の
多孔質化を促進するためである。つまり、これらのオキ
シ酸やアルキル化オキシ酸は、焼成温度以下で、脱炭酸
を起こし分解する特性を有しており、この特性を本発明
の触媒調製に活かすためである。なお、オキシ酸のアル
キル化(例えばメチル化)を行うことにより、オキシ酸
の上記分解温度領域を若干変化させることもできる。
ニウムと、2族金属、3族金属およびランタノイド金属
よりなる群のうちの少なくとも1種の炭酸塩と、オキシ
酸とを混合するが、この混合は、アセトン、メタノー
ル、エタノール等の有機溶媒または分散媒中に所定量溶
解または分散させて行う。これらの溶媒、分散媒は、上
記のアセトン等に限定されず、ケトン類、芳香族化合
物、飽和・不飽和炭化水素、脂環式有機化合物等を用い
ることもできる。いずれを用いる場合も、焼成時に炭素
塊等の残渣が残らず、またオキシ酸が解離し難いものを
選ぶ。
金属炭酸塩、および(c)オキシ酸の混合順序は、特に
限定されない。例えば、(a)水酸化アルミニウムと
(b)金属炭酸塩を充分混合しこれに(c)オキシ酸を
加え更に混合してもよいし、(a)水酸化アルミニウム
と(c)オキシ酸を充分混合しこれに(b)金属炭酸塩
を加え更に混合してもよいし、また(b)金属炭酸塩と
(c)オキシ酸を充分混合しこれに(a)水酸化アルミ
ニウムを加えて更に混合してもよい。
ない範囲内で、他の金属酸化物など、他成分を添加する
ことを妨げない。
この成型に際し、担体原料が溶媒または分散媒を含んで
いる場合は、溶媒または分散媒を完全に除去することが
好ましく、通常、常圧または減圧で常温または加熱下の
乾燥を行う。加熱乾燥する場合の温度は、特に制限はな
いが、100℃前後で行うことが好ましい。
は均一に混合し、細かい粉体にするのが好ましい。この
とき、50メッシュ、好ましくは100メッシュ、更に
好ましくは200メッシュの篩を通過するものが適して
いる。
種々の成型方法が適応できるが、加圧成型が好ましい。
加圧成型には、打錠成型、射出成型、プレス成型等が挙
げられるが、水蒸気改質反応の行われる条件を考慮する
と打錠成型が特に好ましい。
状、角柱状、円柱状、中空状、打錠状、針状等の各種粒
状体;膜等;各種の形状でよく、特に限定されるもので
はないが、一般の水蒸気改質触媒に用いられるような円
柱状、中空状、打錠状のものとするのがよい。
性アルミナ複合体担体となる。焼成温度は、800〜9
50℃、好ましくは850〜930℃、より好ましくは
870〜900℃である。焼成時間は、通常、3〜20
時間である。焼成中には、水、炭酸ガス等が発生するた
め、排気することが好ましい。なお、50g前後の少量
の担体基材を焼成するときには、排気は必ずしも必要で
はないが、それを超える場合には、排気することが必要
となる。
化、2族,3族,ランタノイド金属炭酸塩の脱炭酸・酸
化、およびオキシ酸の脱炭酸・熱分解が起こり、炭酸ガ
ス、水蒸気が発生する。これらの気体が担体から放出さ
れる際に、担体の多孔性が高まる。さらに、焼成の間に
担体原料が酸化され、多孔質のアルミナと2族,3族,
ランタノイド金属酸化物との複合体(すなわち、本発明
の触媒の担体)が形成される。
化物の含有量は、触媒基準で3〜30質量%、好ましく
は5〜25質量%、より好ましくは7〜20質量%が適
している。3質量%未満では、耐硫黄性に関して効果が
少なくなり、従って炭素析出を起こし易くなり、長期間
連続して安定な触媒活性を持続することができなくなる
虞がある。すなわち、3質量%以上であれば、水蒸気改
質原料中の硫黄化合物は担体に吸着・吸収されるため、
活性成分であるルテニウムの被毒が起こり難くなり、触
媒寿命が長くなる。一方、30質量%を超過すると、相
対的にアルミナの含有量が低下するため、表面積の減
少、機械的強度の低下の外、触媒の原料コストが上昇す
る。
量%、好ましくは3〜50質量%、より好ましくは7〜
50質量%が適している。1質量%未満では、担体の多
孔質化が充分でなくなり、ルテニウムの分散性を向上さ
せる効果が乏しくなるばかりか、触媒表面での2族,3
族,ランタノイド金属酸化物の露出が少なくなり、硫黄
化合物が担体に充分吸着・吸収されなくなるため、耐硫
黄被毒性、ひいては耐炭素析出性が損なわれる傾向とな
る。逆に、70質量%を超過する場合には、マクロ孔の
存在が顕著になり、機械的強度が充分に保てなくなった
り、焼成の際にオキシ酸が充分に分解せず、カーボン塊
が生じる可能性が高くなる。
含浸法等の公知の方法でよい。このときのルテニウム
は、三塩化ルテニウム無水物、三塩化ルテニウム水和
物、硝酸ルテニウム等を前駆体として用いることができ
るが、溶解性、取扱いの容易さから三塩化ルテニウム一
水和物を用いるのが特に好ましい。
である。0.5質量%未満では、分散性は向上するが、
活性点の数が少なくなり過ぎ、5質量%を超過しても、
それに見合う活性向上は得られない。これは、ルテニウ
ムが多くなり過ぎて分散性の低下が著しくなり、担持ル
テニウムのうち活性点になり得ないものの割合が増加す
るためと考えられる。
合、セリウムとルテニウムの原子比(以下、「Ce/R
u比」と記すこともある)は、10未満好ましくは2〜
9.9とすることが好ましい。これは、Ce/Ru比が
2未満であると、水蒸気改質(水素製造)原料中に含ま
れる硫黄分の担体での吸着・吸収が不充分となり、残存
硫黄分によるルテニウムの被毒が起こるのみならず、触
媒上に炭素析出が起こることがある。逆に、Ce/Ru
比が10以上であると、セリウムに対するルテニウム量
が少なくなり過ぎる結果、充分に安定した触媒活性を得
られなくなる虞がある。
を挙げて説明する。先ず、担体を秤量し、ビュレットか
ら純水を滴下し、担体内部まで充分含水させ、担体の飽
和含水量を計測する。この操作では、担体内部まで充分
含水させることが重要である。次に、計測した飽和含水
量と同量の純水に所定量のルテニウムが含有するよう
に、塩化ルテニウム一水和物の水溶液を調製し、これを
担体にその飽和含水量分だけ吸収させる。その後、担体
に5〜10Nアンモニア水を担持ルテニウム濃度に対し
て大過剰量になるよう滴下し、下式に示すように、ルテ
ニウム塩化物を水酸化物に変換させて、ルテニウムを不
溶・固定化させる。
3NH4Cl
ンは水溶性の塩化アンモニウムの形になるため、洗浄の
過程で脱塩素を効果的に行うことができる。洗浄は、純
水をブフナー漏斗上の試料に充分加えて行う。洗浄液の
一部に希硝酸銀水溶液を滴下し、塩化銀の白濁が生じな
くなるまで、洗浄を行えば良い。
窒素ガス等の不活性ガス流通下、減圧若しくは常圧で乾
燥する。乾燥温度は、200℃未満、好ましくは150
℃未満、より好ましくは100℃以下である。特に、常
圧乾燥では、100℃以下、好ましくは50℃以下であ
る。
の一部が酸化されるため、還元処理の際に酸化状態が均
一にならない虞があり、ルテニウムの分散性にも悪影響
を与えることが懸念される。つまり、酸化物の生成を極
力避けることが望ましい。この点では、乾燥温度は低い
ほど良いが、乾燥時間が非常に長くなるため現実的では
なく、通常、下限は室温程度である。
うにアンモニア水を用いることができるが、この他にも
炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等の水溶液を用いることができる。
ただし、これらアルカリ塩の場合、アルカリ金属カチオ
ンが残存する虞があるので、取扱いの容易さからアンモ
ニア水が好ましい。
生じるが、水蒸気改質反応中の熱履歴を極力抑え、安定
した触媒活性を保持させるためには600〜950℃で
行うことが好ましい。この観点から、なるべく反応温度
領域付近で還元させることが理にかなっており、700
〜900℃で行うのが好ましい。また、触媒調製後、何
らかの理由で、担持ルテニウムが酸化されるような場合
には、酸化ルテニウムは還元され難いことから、800
〜900℃で還元を行うのが最も好ましい。
ニウム金属の凝集による金属表面積の減少の外、担体の
細孔の閉塞、あるいはアルミナのα相への転移が起こり
始めるため、反応活性は著しく低下する。
混合ガス、一酸化炭素等を用いることができるが、中で
も純水素ガス、水素・水蒸気混合ガスを用いるのがよ
く、特に純水素ガスを用いるのがよい。
は、水素製造を目的とした上記の反応温度領域であって
も、担持ルテニウムの分散性が60%以上と極めて優れ
た値を示す。これは、触媒表面上のルテニウム金属活性
点が多いだけでなく、複合体担体も充分触媒表面に露出
していることを意味する。従って、水蒸気改質原料中に
含まれる硫黄分は、効果的に担体側に吸収・吸着され
る。仮に、一部のルテニウムが被毒された場合でも、活
性点が多いため、触媒性能は損なわれ難い。
域、特に800℃以上の領域では、触媒の焼結(シンタ
リング)が著しくなる。このシンタリングは、少なくと
も担体自体のシンタリングおよび担持金属のシンタリン
グの2種である。前者の担体自体のシンタリングが生じ
ると、担体の多孔性が失われる等の担体側の要因によっ
て活性金属が凝縮したり、担体が触媒表面に露出しなく
なることがある。後者の担持金属のシンタリングは、担
持金属が溶融することによって生じ、これは融点の低い
金属でより顕著となる。これらから、予め、強度を損な
わない範囲で担体の多孔性を高めておくこと、反応温度
に比べて融点の高い活性金属を選んでおくことが触媒の
シンタリングを防止する上で重要であると言える。ルテ
ニウムの融点は約2450℃と高いことから、担体を多
孔質にすれば、高温領域でもルテニウム分散性の低下を
防ぐことができることになる。本発明の触媒は、前述の
特定の手法により、強度を損なわない範囲内で高多孔性
の活性アルミナ複合体を得、これを担体とするため、水
素製造を目的とした上記温度領域であっても、担持ルテ
ニウムの分散性が60%以上と極めて高い値を示す。な
お、ルテニウムの分散性は、下式により求められる。
ル数)×100
択的に吸着する性質を利用し、触媒中に含まれるRuの
内、実際の触媒反応に関与できる活性点(Ru)の割合
を百分率で示したものである。従って、シンタリング等
によって触媒内部(バルク)に隠れたRuや、金属の凝
縮により表面に露出できないRuがあれば、COの吸着
は生じず、分散性の数値は低くなる。
60%以上が反応に寄与できる活性点になっている。こ
れは、触媒表面上に数多くの活性点が存在しているこ
と、また担体の多孔性も充分高いことを意味しており、
活性点が多数存在していることを示すと共に、複合体担
体が充分触媒表面に露出していることを示している。従
って、本発明の触媒によれば、原料中に含まれる硫黄分
は効果的に担体側に吸収・吸着されるために活性点であ
るルテニウムの被毒は起こり難い。仮に一部のルテニウ
ムが被毒された場合でも、活性点が多数存在しているた
め、触媒性能は損なわれ難い。逆に、ルテニウムの分散
性が60%未満であると、活性点数が少ないため、見か
けの反応速度は低下する。従って、原料供給量を減らす
か、反応温度を高くするか、あるいは原料供給量を減ら
しかつ反応温度を高くする等の対策が必要となるが、い
ずれの対策も実用的ではない。
度を有することは勿論のこと、耐硫黄性にも優れ、平衡
転化率に近い良好な反応成績を示す。従って、硫黄化合
物の完全除去が難しい灯油等の液状炭化水素の水蒸気改
質に関し、実用性の高い触媒である。
を水蒸気改質させ、水素含有気体を製造するには、硫黄
含有量が0.2ppm以下、かつ芳香族化合物含有量が
30容量%以下であり、平均炭素数6以上の液状炭化水
素を原料として用いる。
には、硫黄化合物による触媒被毒が起こり易くなり、一
旦硫黄被毒が起こると、それが引き金となって炭素析出
が顕著になって、差圧の上昇や触媒床の閉塞等による運
転上の問題が起こるようになる。
る触媒性能への悪影響はないが、反応器出口での水素含
有量が、原料中の芳香族化合物含有量の増加と共に減少
する。これは、原料液状炭化水素のH/C原子比が小さ
く、水素源が相対的に少なくなるためである。従って、
実用上、芳香族化合物含有量の上限を30容量%とする
ものである。
くなる。つまり、炭素数6以上の安価な液状炭化水素、
具体的には、灯油や灯油相当の鉱油を原料として用いる
ことが、プロセス全体の経済性を高める上で重要であ
る。
5h−1以下、反応圧力2気圧以上とする。S/C比が
3未満では、炭素析出が著しくなり、差圧の上昇、触媒
床の閉塞が生じ連続運転が厳しくなる。S/C比が高い
場合には特に問題はないが、10を超えると、水蒸気原
単位が上昇し、運転コストが高騰する。
活は起こらないものの、触媒と原料が充分接触しない虞
がある。すなわち、触媒の活性点での反応頻度(tur
nover frequency:TOF)を上回る原
料が供給されてしまうためである。
はない。一定量の触媒層に単位時間当たり供給できる原
料量は、圧力に依存し、圧力2気圧未満では原料供給に
制約が生ずる。なお、圧力が極端に高い場合には、高価
な耐高圧・高温性を有する材料を用いた設備が必要とな
るため、通常、50気圧程度が上限となる。
50〜900℃とすることが好ましい。反応温度が下が
ると、化学平衡上生成する水素分が減少するため、75
0℃未満では水素収率が小さくなる。一方、900℃を
超えると、触媒の熱劣化が懸念されるだけでなく、反応
器等の材質として耐熱性に優れた材料を採用する必要が
生じる。
反応器をそのまま使用して実施できる。
実験室規模の固定床流通式装置を用い、生成物の分析に
は、活性炭(GL−サイエンス社製)を充填した分離カ
ラム(GLサイエンス社製)を取り付けた熱伝導度型検
出器(TCD)付きのガスクロマトグラフ(GC−8
A、島津製作所製)を使用した。
を内蔵した自動ガス吸着装置(R−6015型、大倉理
研製)を用いて測定した。
導度法で測定し、触媒への析出炭素量は、炭素分析装置
(Model EMIA−110,堀場製作所製)で測
定して、標準炭素鋼((社)日本鉄鋼協会、標準炭素
鋼、C:0.38wt%)で校正した。原料灯油の平均
分子式は、CHN法で得られた水素、炭素含有量を基
に、C6H14とした。
化学製)粉末17.5g、水酸化アルミニウム無水物
(関東化学製)61.2g、および酒石酸(和光純薬工
業製)粉末5.5gをメノウ乳鉢にて充分混合した。こ
の粉末(200メッシュ通過)を打錠成型器にて円柱状
(pellet)に成型し、マッフル炉を用い空気中9
00℃で3時間焼成して担体ペレットを得た。なお、焼
成中に発生したガスは、マッフル炉に排気管を設け、水
流ポンプを使用してドラフトチャンバー内に排気した。
製、純度44〜45%)1gを水に溶解して25ミリリ
ットル(以下、「mL」と記し、リットルを「L」と記
す)とし、この水溶液中に上記の担体ペレット25gを
1時間浸漬した。
去の後、ロータリーエバポレーターによる約2.7kP
a(20torr)程度の真空下で、赤外線式ホットプ
レートにより40〜45℃に加温しながら、水分を除去
した。このペレットを、約1Lの7〜10Nアンモニア
水中に移して30℃に保ちつつ2時間スターラーにてゆ
っくり撹拌し、化1に示したように、ルテニウムを水酸
化物にすることで不溶・固定化して、触媒を得た。触媒
は、ブフナー漏斗を用いてアンモニア水中から回収し
た。
た。洗浄は、濾液の一部に希硝酸銀水溶液を滴下し、塩
化銀の白濁が生じなくなるまで行った。洗浄した触媒
は、真空乾燥器中40〜45℃で8〜10時間乾燥し、
ルテニウム1.5質量%、酸化セリウム20.2質量
%、残りアルミナからなるCe/Ru原子比7.9の触
媒Aを調製した。
常の加圧流通系反応装置により、先ず、圧力0.78M
Pa(8kg/cm2G)、還元温度800℃、GHS
V:900h−1で、8時間、マスフローコントローラ
ーで流量調節した水素で還元した。水素還元後のCO吸
着量を自動ガス吸着装置で測定したところ、2.5mL
/g(STP)であり、Ru分散性は数3の式を用いて
計算した結果、75.2%であった。触媒Aの以上の性
状を表1にまとめて示した。
脱硫した脱硫白灯油(硫黄分約0.2ppm,芳香族化
合物分20容量%)を、灯油送液ポンプで、LHSV:
2h−1、S/C比:3で通油し、純水を水ポンプで給
水した。なお、耐硫黄被毒性を評価する意味で、硫化水
素を反応系内に導入し、その濃度は8ppmに調節し
た。反応圧力は0.78MPa、反応温度は800℃と
した。結果は表2に示す通りであった。
工業)粉末41.8g、水酸化アルミニウム無水物6
1.1g、および酒石酸5.5gを用いて実施例1と同
様にして、ルテニウム1.5質量%、酸化マグネシウム
21.2質量%、残りアルミナからなるMg/Ru原子
比35.4の触媒Bを調製した。触媒Bについて、実施
例1と同様にして測定したCO吸着量は2.19mL/
g(STP)で、Ru分散性は66.0%であった。触
媒Bの性状を表1にまとめて示した。触媒Bを用い実施
例1と同じ条件で反応を行った。結果は表2に示す通り
であった。
(和光純薬工業)粉末34.9g、水酸化アルミニウム
無水物61.2g、および酒石酸5.6gを用いて実施
例1と同様にして、ルテニウム1.5質量%、酸化マグ
ネシウム20.5質量%、残りアルミナからなるY/R
u原子比12.1の触媒Cを調製した。触媒Cについ
て、実施例1と同様にして測定したCO吸着量は2.4
1mL/g(STP)で、Ru分散性は72.5%であ
った。触媒Cの性状を表1にまとめて示した。触媒Cを
用い実施例1と同じ条件で反応を行った。結果は表2に
示す通りであった。
7.7g、水酸化アルミニウム無水物60.9g、およ
び酒石酸2.6gを用いて実施例1と同様にして、担体
ペレットを得た。三塩化ルテニウム3gを水に溶解して
25mLとし、この水溶液中に上記の担体ペレット25
gを1時間浸漬した以外は実施例1と同様にして、ルテ
ニウム5質量%、酸化セリウム20質量%、残りアルミ
ナからなるCe/Ru原子比2.4の触媒Dを調製し
た。触媒Dの性状を表1にまとめて示した。触媒Dにつ
いて、実施例1と同様にして測定したCO吸着量は6.
90mL/g(STP)で、Ru分散性は62.3%で
あった。触媒Dを用い実施例1と同じ条件で反応を行っ
た。結果は表2に示す通りであった。
4.4g、水酸化アルミニウム無水物72.7g、およ
び酒石酸26.9gを用いて実施例1と同様にして、ル
テニウム0.5質量%、酸化セリウム5質量%、残りア
ルミナからなるCe/Ru原子比5.9の触媒Eを調製
した。触媒Eについて、実施例1と同様にして測定した
CO吸着量は0.94mL/g(STP)で、Ru分散
性は85.1%であった。触媒Eの性状を表1にまとめ
て示した。触媒Eを用い実施例1と同じ条件で反応を行
った。結果は表2に示す通りであった。
g、水酸化アルミニウム146.1g、および酒石酸
5.3gをメノウ乳鉢にて充分混合した。この粉末(5
0メッシュ通過)を打錠成型器にて円柱状(pelle
t)に成型し、マッフル炉を用い空気中800℃で3時
間焼成して担体ペレットを得た。なお、焼成中に発生し
たガスは、実施例1と同様にして排気した。ルテニウム
の担持は実施例1と同様にして行い、ルテニウム1.5
質量%、酸化セリウム3.0質量%、残りアルミナから
なるCe/Ru原子比1.2の触媒Fを調製した。触媒
Fについて、還元温度を600℃とした以外は実施例1
と同様にして測定したCO吸着量は2.7mL/g(S
TP)で、Ru分散性は80.3%であった。触媒Fの
性状を表1にまとめて示した。触媒Fを用い、還元温度
を600℃とした以外は実施例1と同じ条件で反応を行
った。結果は表2に示す通りであった。
8g、水酸化アルミニウム112.5g、および酒石酸
3.0gをメノウ乳鉢にて充分混合した。この粉末(1
00メッシュ通過)を打錠成型器にて円柱状(pell
et)に成型し、マッフル炉を用い空気中850℃で3
時間焼成して担体ペレットを得た。なお、焼成中に発生
したガスは、実施例1と同様にして排気した。ルテニウ
ムの担持は実施例1と同様にして行い、ルテニウム1.
5質量%、酸化セリウム25.0質量%、残りアルミナ
からなるCe/Ru原子比9.8の触媒Gを調製した。
触媒Gについて、還元温度を700℃とした以外は実施
例1と同様にして測定したCO吸着量は2.4mL/g
(STP)で、Ru分散性は71.5%であった。触媒
Gの性状を表1にまとめて示した。触媒Gを用い、還元
温度を700℃とし、S/C比を10とした以外は実施
例1と同じ条件で反応を行った。結果は表2に示す通り
であった。
3g、水酸化アルミニウム49.7g、および酒石酸
3.6gをメノウ乳鉢にて充分混合した。この粉末(1
00メッシュ通過)を打錠成型器にて円柱状(pell
et)に成型し、マッフル炉を用い空気中870℃で3
時間焼成して担体ペレットを得た。なお、焼成中に発生
したガスは、実施例1と同様にして排気した。ルテニウ
ムの担持は実施例1と同様にして行い、ルテニウム1.
5質量%、酸化セリウム30.0質量%、残りアルミナ
からなるCe/Ru原子比3.5の触媒Hを調製した。
触媒Hについて、還元温度を900℃とした以外は実施
例1と同様にして測定したCO吸着量は6.8mL/g
(STP)で、Ru分散性は61.5%であった。触媒
Hの性状を表1にまとめて示した。触媒Hを用い、還元
温度を900℃とし、S/C比を10とした以外は実施
例1と同じ条件で反応を行った。結果は表2に示す通り
であった。
g、水酸化アルミニウム70.0g、および酒石酸11
4.7gをメノウ乳鉢にて充分混合した。この粉末(2
00メッシュ通過)を打錠成型器にて円柱状(pell
et)に成型し、マッフル炉を用い空気中930℃で3
時間焼成して担体ペレットを得た。なお、焼成中に発生
したガスは、実施例1と同様にして排気した。ルテニウ
ムの担持は実施例1と同様にして行い、ルテニウム1.
5質量%、酸化セリウム7.0質量%、残りアルミナか
らなるCe/Ru原子比2.7の触媒Iを調製した。触
媒Iについて、還元温度を950℃とした以外は実施例
1と同様にして測定したCO吸着量は2.7mL/g
(STP)で、Ru分散性は80.1%であった。触媒
Iの性状を表1にまとめて示した。触媒Iを用い、還元
温度を950℃とした以外は実施例1と同じ条件で反応
を行った。結果は表2に示す通りであった。
7.6g、水酸化アルミニウム60.1g、および酒石
酸49.3gをメノウ乳鉢にて充分混合した以外は実施
例1と同様にして、ルテニウム1.5質量%、酸化セリ
ウム20.0質量%、残りアルミナからなるCe/Ru
原子比7.9の触媒Jを調製した。触媒Jについて、実
施例1と同様にして測定したCO吸着量は2.5mL/
g(STP)で、Ru分散性は75.5%であった。触
媒Jの性状を表1にまとめて示した。触媒Jを用い、実
施例1と同じ条件で反応を行った。結果は表2に示す通
りであった。
56H−1,日産ガードラー社製触媒、ニッケル:17
〜19質量%、K2O:0.4質量%、残りアルミナ)
を触媒Kとして、実施例1と同様の反応条件下で水蒸気
改質反応を行った。結果は表2に示す通りであった。な
お、触媒Kの触媒組成は同社カタログ記載の数値であ
る。
(アルミニウムオキシド、Type1,メルク社製)を
打錠成型し、マッフル炉にて900℃で3時間焼成して
担体を調製した。次に、実施例1と同様な方法で触媒を
調製し、ルテニウム1.5質量%、残りアルミナからな
るCO吸着量:1.6ml/g(STP)の触媒Lを調
製した。このときのRu分散性は51.6%であった。
触媒Lの性状を表1にまとめて示した。触媒Lを用い、
実施例1と同様にして水蒸気改質反応を行った。結果は
表2に示す通りであった。
ら求め、灯油の平均分子式はC6H14とした。
/供給灯油中の炭素原子数)×100
安価な液状炭化水素を原料とする水蒸気改質反応による
水素製造において、従来から広く用いられている担持ニ
ッケル系触媒(触媒K、比較例1)に対し、従来の一般
的な反応条件と比べて原料炭化水素の炭素数が高く、S
/Cが低い本実施例の反応条件は、過酷であるため、炭
素析出等による触媒性能の劣化が著しい。
ウム系触媒であっても、2族金属、3族金属、ランタニ
ド金属の酸化物を添加しない触媒(触媒L,比較例2)
を用いた場合には、原料液状炭化水素中に含まれる硫黄
化合物によって触媒被毒が起こり、転化率が低下するだ
けでなく、硫黄による触媒被毒が引き金となって、炭素
析出も起こり易いことが分かる。
は、灯油等の安価な液状炭化水素を原料とした場合で
も、充分高い触媒活性(ほぼ平衡転化率)が得られる
外、原料に含まれる硫黄化合物による触媒被毒や触媒上
への炭素析出を抑制する。また、ルテニウムの高分散担
持技術によって、充分な活性点を有するため、長期間安
定した触媒性能を保持できる。
等の液状炭化水素を原料にして、低S/C比の条件で、
長期間に亘って安定した水蒸気改質反応を行わせること
ができる。従って、本発明にれば、CO,CO2等を一
部含有する水素ガスを収率良く、安価に製造することが
できる。
Claims (4)
- 【請求項1】 (a)水酸化アルミニウム、(b)周期
表II族金属、III族金属およびランタノイド金属よ
りなる群のうちの少なくとも1種の炭酸塩、および
(c)オキシ酸を原料として成型した担体基材を800
〜950℃で焼成して得た活性アルミナ複合体担体に、
ルテニウムを0.5〜5質量%担持し、600〜950
℃で還元処理してなり、ルテニウム分散性が60%以上
であることを特徴とする高分散型水蒸気改質触媒。 - 【請求項2】 周期表II族金属、III族金属、およ
びランタノイド金属よりなる群のうちの少なくとも1種
の金属を、触媒基準、酸化物換算で3〜30質量%含有
することを特徴とする請求項1記載の高分散型水蒸気改
質触媒。 - 【請求項3】 周期表II族金属、III族金属、およ
びランタノイド金属よりなる群のうちの少なくとも1種
の金属がセリウムであり、ルテニウムをセリウムとルテ
ニウムの原子比が10未満となるように、0.5〜5質
量%担持することを特徴とする請求項1,2記載の高分
散型水蒸気改質触媒。 - 【請求項4】 硫黄含有量が0.2ppm以下、芳香族
化合物含有量が30容量%以下、炭素数6以上の液状炭
化水素からなる原料と水蒸気とを請求項1〜3に記載の
高分散型水蒸気改質触媒に接触させ、次式で表される水
蒸気/炭素比を3〜10、LHSVを5h−1以下、反
応圧力を2気圧以上に保つことを特徴とする水素製造方
法。 【数1】S/C比=(反応器に供給される水蒸気のモル
数)/{反応器に供給される炭化水素(CnHm)のモ
ル数×n}
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JP34989495A JP3717219B2 (ja) | 1995-12-21 | 1995-12-21 | 高分散型水蒸気改質触媒の製造方法および水素製造方法 |
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-
1995
- 1995-12-21 JP JP34989495A patent/JP3717219B2/ja not_active Expired - Fee Related
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