JP4358405B2 - 炭化水素の改質用触媒及び水蒸気改質方法 - Google Patents

炭化水素の改質用触媒及び水蒸気改質方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化水素の改質用触媒に関し、さらに詳しくは、ルテニウムを活性成分とし、炭化水素、特に灯油の改質活性を効率的に向上せしめる改質用触媒、及び該触媒を用いた水蒸気改質方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境問題から新エネルギー技術が脚光を浴びており、この新エネルギー技術の一つとして燃料電池が注目されている。この燃料電池は、水素と酸素を電気化学的に反応させることにより、化学エネルギーを電気エネルギーに変換するものであって、エネルギーの利用効率が高いという特徴を有しており、民生用、産業用あるいは自動車用などとして、実用化研究が積極的になされている。
この燃料電池には、使用する電解質の種類に応じて、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型、固体高分子型などのタイプが知られている。一方、水素源としては、メタノール、メタンを主体とする液化天然ガス、この天然ガスを主成分とする都市ガス、天然ガスを原料とする合成液体燃料、さらには石油系のLPG、ナフサや灯油などの石油系炭化水素の使用が研究されている。
【0003】
燃料電池を民生用や自動車用などに利用する場合、上記石油系炭化水素、特に灯油は常温常圧で液状であって、保管及び取扱いが容易である上、ガソリンスタンドや販売店など、供給システムが整備されていることから、水素源として有利である。この石油系炭化水素油を用いて水素を製造する場合、一般に、該炭化水素油を、改質触媒の存在下に水蒸気改質又は部分酸化改質処理する方法が用いられる。このような改質処理においては、改質触媒として、担体にルテニウムを活性成分として担持したものが検討されており、ルテニウム系改質触媒は、例えば炭化水素の水蒸気改質反応に用いた場合、比較的高活性でかつ低スチーム/カーボン比の運転条件下でも炭素の析出を抑制するなどの利点を有し、近年、長寿命の改質用触媒を必要とする燃料電池に適用すべく検討されている。
このようなルテニウムを活性成分として用いた改質触媒として、例えば、特開平5−220397号公報には、アルカリ土類金属アルミネートを含む酸化アルミニウムにジルコニアゾルを前駆体とする酸化ジルコニウムとルテニウム成分を担持してなる炭化水素の水蒸気改質触媒が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のルテニウム系改質触媒は担持ルテニウム当たりの触媒活性が実用的に十分でなく、反応の際、経時により触媒性能が劣化し活性が劣化するという欠点を有していた。このため、更に高活性で、かつ触媒性能の劣化を抑制しうる改質触媒が望まれていた。
本発明は、このような状況下でなされたものであり、担持ルテニウム当たりの触媒活性が著しく優れ、かつ焼成や反応時の高温下においても劣化を抑制し、高活性を維持することができる炭化水素の改質触媒、及び該改質触媒を用い燃料電池用水素を効率よく得ることのできる炭化水素の水蒸気改質方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた。その結果、ルテニウム触媒を調製するにあたり、ルテニウム成分、ジルコニウム成分に加えアルカリ金属成分を担持することにより、触媒活性を高めることができ、しかも、高温下でも触媒性能の劣化を十分に抑制することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、アルミナ担体に、少なくともルテニウム成分、ジルコニウム成分及びアルカリ金属成分を担持してなることを特徴とする炭化水素の改質用触媒、及び該触媒を用いた水蒸気改質方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の改質用触媒において、アルミナ担体に担持される各金属成分量は、ルテニウム成分をルテニウム原子換算で0.05〜2重量%、好ましくは0.05〜1重量%、更に好ましくは0.1〜1重量%、ジルコニウム成分をZrO2 換算で0.05〜20重量%、好ましくは0.05〜15重量%、更に好ましくは1.0〜15重量%及びアルカリ金属成分をアルカリ金属モル数/ZrO2 モル数の比で0.01〜10、好ましくは0.05〜5、更に好ましくは0.1〜2である。
ルテニウム成分の担持量が0.05重量%未満であると、触媒活性が不十分で、十分な改質効果が得られない場合があり、2重量%超であると、担持量の増加に見合った効果が得られず不経済である。
ジルコニウム成分の担持量が0.05重量%未満であると、触媒活性が不十分で、十分な改質効果が得られない場合があり、20重量%超であると、担持量の増加に見合った効果が得られず不経済である。
アルカリ金属モル数/ZrO2 モル数の比が0.01未満であると、触媒活性が不十分で、十分な改質効果、劣化抑制効果が十分に得られない場合があり、10超であると、担持量の増加に見合った効果が得られず不経済である。
【0007】
更に、本発明においては、担体にアルカリ土類金属成分及び/又は希土類元素成分を担持してなると好ましく、アルミナ担体に担持される成分量としては、酸化物(例えば、BeO、MgO、CaO、SrO、BaO、RaO、SrO、Y2 3 、La2 3 、CeO2 、Pr6 11、Nd2 3 、Pm2 3 、Sm2 3 、Eu2 3 、Gd2 3 、Tb2 3 、Dy2 3 、Ho2 3 、Er2 3 、Tm2 3 、Yb2 3 、Lu2 3 など)に換算して、0.05〜5重量%、好ましくは0.05〜2重量%、更に好ましくは0.1〜2重量%である。
更に、担体にコバルト成分及び/又はニッケル成分を担持することが好ましく、アルミナ担体に担持されるこれらの成分量としては、コバルト原子及び/又はニッケル原子に換算して、0.05〜5重量%、好ましくは0.05〜2重量%、更に好ましくは0.1〜2重量%である。
【0008】
本発明で用いる担体は、アルミナ担体であり、特にα−アルミナ担体を用いるとルテニウム成分、ジルコニウム成分及びアルカリ金属が担体中に固定化されやすい。これは、各成分がアルミナの表面水酸基と反応してアルミナと結合するためと考えられる。
なお、担体は、添加物の添加や予備処理又は調製法の選定等によって、組成や物性が調整あるいは制御されたものを使用することができる。例えば、酸処理、塩基処理、イオン交換処理等の化学的処理を行って酸性度の調整、加熱や焼成等により水分やOH含量の調整、さらには、各種手段により細孔径や細孔径分布の制御、表面積の制御を行うことにより、触媒担体としての組成や特性が調整されていてもよい。また、担体は、予め適当な金属成分等を含有もしくは担持してあるもの、予め乾燥や焼成が施されているもの、未焼成、未乾燥のもの、加水分解等によって調製したゾル状やスラリー状のものでもよい。
担体の形状や大きさは、特に制限はなく、造粒や成形を施したものでもよく、例えば粉末状、ビーズ状、ペレット状、顆粒状、モノリス等の構造体にコーティングしたもの、微粒子状、超微粒子状のもの等を適宜使用することができる。
【0009】
本発明で用いるルテニウム成分源であるルテニウム化合物としては、例えば、三塩化ルテニウム等の各種のハロゲン化ルテニウム、ヘキサクロロルテニウム酸カリウム等の各種のハロゲン化ルテニウム酸塩、テトラオクソルテニウム酸カリウム等の各種のルテニウム酸塩、四酸化ルテニウム、ヘキサアンミンルテニウム三塩化物等の各種のアンミン錯塩、ヘキサシアノルテニウム酸カリウム等のシアノ錯塩などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、ある種の溶媒に溶解性を示すものや、酸や酸性化合物等の添加あるいは共存によって十分に溶解できるものであれば各種のものが使用可能である。例えば三酸化二ルテニウム等の酸化ルテニウム、水酸化ルテニウム、又はオキシハロゲン化物などのpHが7付近の水には不溶性又は溶解しにくいものでも、適宜塩酸等の酸を添加し溶解して使用することができる。
これら各種のルテニウム化合物の中でも、工業的にも広く利用され、入手が容易であることから、特に塩化ルテニウムが好適に使用される。なお、これらのルテニウム化合物は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0010】
本発明で用いるジルコニウム成分源であるジルコニウム化合物についても同様に、ある種の溶媒に溶解性を示すものや、塩酸等の酸や酸性化合物等を添加あるいは共存によって十分に溶解できるものであれば各種のものが使用可能である。例えば、四塩化ジルコニウム等の各種のハロゲン化物もしくはこれらの部分加水分解生成物、塩化ジルコニル(オキシ塩化ジルコニウム)等の各種のオキシハロゲン化物、硫酸ジルコニル、硝酸ジルコニウム、硝酸ジルコニル等の各種の酸素酸塩、テトラオクソジルコニウム酸カリウム、ヘキサフルオロジルコニウム酸ナトリウム等の各種のジルコニウム酸塩、酢酸ジルコニウム、酢酸ジルコニル、蓚酸ジルコニル、テトラオキサラトジルコニウム酸カリウム等の各種の有機酸塩もしくは有機系の配位化合物等、更には、ジルコニウムのアルコキシド、水酸化物、各種の錯塩などが挙げられる。
これら各種のジルコニウム化合物のなかでも、特に、ジルコニウムのオキシ塩化物が好ましく、例えば、ZrOCl2 ・nH2 OやZrO(OH)Cl・nH2 Oで表される水和物や、溶液の状態で市販されているものなどが、ルテニウムと錯体様化合物を生成しやすいことから、好適に用いられる。なお、これらのジルコニウム化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0011】
本発明で用いるアルカリ金属成分源であるアルカリ金属化合物についても同様に、ある種の溶媒に溶解性を示すものや、塩酸等の酸や酸性化合物等を添加あるいは共存によって十分に溶解できるものであれば各種のものが使用可能である。例えば、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸ルビジウム、硝酸セシウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化ルビジウム、塩化セシウム等が挙げられる。
これら各種のアルカリ金属化合物のなかでも、特に、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸ルビジウム、硝酸セシウムが好ましく、これらのアルカリ金属化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0012】
アルカリ土類金属源及び希土類元素源であるアルカリ土類金属化合物及び希土類元素化合物についても同様に、ある種の溶媒に溶解性を示すものや、塩酸等の酸や酸性化合物等を添加あるいは共存によって十分に溶解できるものであれば各種のものが使用可能であり、通常は溶解性の高い硝酸塩、塩化物等の化合物が好適に用いられる。前記アルカリ土類金属化合物としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム及びラジウムの化合物が挙げられるが、なかでもマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムの化合物が好ましく、特に、ジルコニウム、アルミナとの反応性の高いマグネシウム、カルシウムの化合物が好適に用いられる。具体的には、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸バリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウムなどを例示することができる。
【0013】
また、前記希土類元素化合物としては、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、カドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムの化合物が挙げられるが、なかでもイットリウム、ランタン及びセリウムの化合物が好ましく、特に、ジルコニウム、アルミナとの反応性の高いイットリウム及びランタンの化合物が好適に用いられる。具体的には、硝酸イットリウム、硝酸ランタン、塩化イットリウム、塩化ランタンなどを例示することができる。
これら各種のアルカリ土類金属化合物及び希土類元素化合物のなかでも、硝酸マグネシウム、硝酸イットリウム、硝酸ランタン及びこれらの各種含水塩が特に好適に用いられる。なお、これらのアルカリ土類金属化合物及び希土類元素化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0014】
コバルト源及びニッケル源であるコバルト化合物及びニッケル化合物についても同様に、ある種の溶媒に溶解性を示すものや、塩酸等の酸や酸性化合物等を添加あるいは共存によって十分に溶解できるものであれば各種のものが使用可能であり、通常は溶解性の高い硝酸塩、塩化物等の化合物が好適に用いられる。例えば、硝酸ニッケル(II)、塩基性硝酸ニッケル、硝酸第一コバルト、塩基性硝酸コバルト、二塩化ニッケル、二塩化コバルト、これらの各種含水塩などを例示することができる。なかでも、硝酸ニッケル(II)、硝酸第一コバルト等が特に好適に用いられる。なお、これらのコバルト化合物及びニッケル化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0015】
次に、本発明の改質用触媒の製造方法について以下に述べる。
アルミナ担体への各種金属成分の担持方法としては、例えば、アルミナ担体に、少なくとも1種又は2種以上のルテニウム化合物、ジルコニウム化合物及びアルカリ金属化合物と、必要に応じ、1種又は2種以上のアルカリ土類金属及び/又は希土類化合物と、さらに必要に応じ1種又は2種以上のコバルト化合物及び/又はニッケル化合物とを溶解含有する溶液を接触含浸、乾燥、必要に応じ焼成させることによって担持させることができる。
また、本発明においては、アルカリ金属化合物を除く金属化合物を含む上記溶液に担体に担持した後に、アルカリ金属溶液に含浸することによりアルカリ金属を担体に担持することもできる。
このような方法によって、その担体の表面近傍に上記各種化合物を良好な分散性で、かつむらのない状態で担持することができ、また、その後、通常行なわれるような高温での焼成や還元等の前処理を行なっても、各成分の高分散状態を十分安定に維持することができ、本発明の改質用触媒を容易に得ることができる。
【0016】
この担持に用いる溶液は、ルテニウム化合物、ジルコニウム化合物及びアルカリ金属化合物、必要に応じ、アルカリ土類金属、希土類化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物を含有しているが、酸性、好ましくはpHが3以下、さらに好ましくはpH1.5以下に調整することである。pHが3を超えるとそれぞれの化合物が沈殿したり、ゲル状に凝集したりする傾向があるため、高分散担持がしにくくなる。pHが3以下であると、ルテニウム化合物とジルコニウム化合物等とが互いに反応し、錯体様の化合物を形成することによって優れた特性を発揮するものと考えられる。
この担持に用いる溶液の溶媒としては、例えば、水又は水を主成分とする水系溶媒やアルコール、エーテル等の有機溶媒であって、少なくとも、上記各種化合物が溶解されるようなものであれば特に制限はない。中でも、溶解性の高い水又は水を主成分とする水系溶媒を好適に用いることができる。
【0017】
上記溶液と担体の接触による含浸担持操作は、常法に従って行うことができ、例えば、常用される各種の含浸法(加熱含浸法、常温含浸法、真空含浸法、常圧含浸法、含浸乾固法、ポアフィリング法等、あるいはこれらの任意の組み合わせ法等)、浸漬法、軽度浸潤法、湿式吸着法、湿式混練法、スプレー法、塗布法など、あるいはこれらの組み合わせ法など、溶液と担体とを接触させて担持させる方式であればどのような方式によってもよい。また、この含浸担持、乾燥、焼成の一連の操作は、必要に応じて2回以上にわけて複数回繰り返してもよい。
【0018】
担体と溶液の量比は、目標とする活性金属成分の担持率、用いる水溶液中の金属化合物の濃度、含浸担持方式の種類、用いる担体の細孔容積や比表面積などによって異なるので一律に定めることができないが、少なくとも、担持しようとする担体を十分に濡らす量の溶液を使用し、一方、担体に対する溶液の使用量の上限については、特に制限はないが、通常は、使用する担体の乾燥重量100g当り、溶液の使用量を100ml以下の範囲に選定し、好ましくは、溶液を担体に固有の吸水量に近くなるまで減じ、更に好ましくは吸水量と一致する体積の溶液を用いる。
この接触操作は、従来の場合と同様に、大気圧下あるいは減圧下で好適に行うことができ、その際の操作温度としても特に制限はなく、室温あるいは室温付近でも行うことができ、必要に応じて加熱あるいは加温し、例えば室温〜80℃程度の温度でも好適に行うことができる。
【0019】
以上の様にして、ルテニウムをはじめとする各成分を担体にむらなく均一性よく担持することができる。なお、上記に示した含浸担持方式の特徴からもわかるように、場合に応じて、用いた溶液中に含まれる全ての成分を担持せしめてもよいし、例えば、接触後任意の時点で余分な溶液を除去するなどして、用いた溶液中の成分の一部のみを担持してもよい。
上記溶液と担体との接触後の乾燥は、特に限定されないが、通常、50〜150℃、好ましくは100〜120℃の範囲で1〜6時間行う。室温での風乾では、一昼夜(24時間)程度行う。但し、含浸担持方式によっては、多くの水分が蒸発した乾燥状態のものが得られるので、そのような場合には、必ずしも乾燥操作を施さなくてもよい。
【0020】
乾燥後の焼成は行わなくてもよいが、行う場合は常法に従って行うことができ、通常は空気中もしくは空気気流中で400〜800℃、好ましくは450〜800℃、更に好ましくは450〜600℃の温度範囲で行われる。なお、空気の他に、純酸素や酸素富化空気などの酸素含有ガスを代用又は併用してもよい。焼成時間は、通常1〜24時間程度で十分である。
なお、必要に応じ、焼成前の適当な時点で担持組成物を所定の形状及び大きさに成形してもよい。成形は、常法に従って行うことができ、必要に応じて、適当なバインダー成分を添加してもよい。
焼成によって得られる担体中のルテニウム成分、ジルコニウム成分及びアルカリ金属成分、必要に応じて添加されるアルカリ土類金属成分、希土類成分、コバルト成分及びニッケル成分は、通常、酸化物もしくは複合酸化物の形態で高分散状態で担持されている。
【0021】
このようにして得られた触媒は、そのまま、所定の触媒反応の触媒又は触媒成分として利用することもできるが、必要に応じて、種々の適当な前処理を行って活性化してから触媒反応に用いてもよい。例えば、水素等の還元剤によって適度に還元して、ルテニウム成分等を高分散状態の金属状ルテニウムにして反応に供してもよい。なお、水素還元による分散金属化処理は、500〜850℃でH2 の消費が認められなくなるまで還元することが好ましい。
また、この触媒は、炭化水素等の水蒸気改質反応以外にも、一般にルテニウム系触媒が有効となるあらゆる反応に対して適用することができる。例えば、カルボニル化合物、芳香族化合物、オレフィン類やジエン類等の不飽和化合物の選択的水素化反応、アンモニア合成反応、FT合成反応、COやCO2 のメタン化反応、COやCO2 のアルコールあるいは他の含酸素化合物への選択的水素化反応、メタノールのCOと水素によるエタノールへのホモロゲーション、オレフィンのヒドロカルボニル化反応、ニトロ化合物のアミンへの選択的水素化反応、炭化水素類の水素化分解反応、芳香族アミンの選択性水素化反応等の様々な水素化反応、NOx の還元浄化反応、低温での完全酸化反応、部分酸化反応、水の光分解反応等の多種多様な反応を挙げることができる。
【0022】
次に、本発明の触媒を用いた炭化水素の水蒸気改質方法について以下に述べる。
本発明において用いる原料炭化水素としては、特に制限はなく、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナ、デカン等の炭素数が1〜16程度の直鎖状若しくは分岐状の飽和脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン等の脂環族飽和炭化水素、単環及び多環芳香族炭化水素等、各種の炭化水素が用いられる。これらの各種炭化水素は2種以上の混合物であってもよい。沸点範囲が250℃以下の都市ガス、LPG、ナフサ、ガソリン、灯油等の各種の炭化水素も挙げられる。また、一般に、これらの原料炭化水素中に硫黄分が存在する場合は、脱硫工程を通して、通常、硫黄分が1ppm程度になるまで脱硫を行うことが望ましい。原料炭化水素中の硫黄分が1ppm程度より多くなると、触媒が失活する原因となることがあるからである。脱硫方法は特に限定されないが、水添脱硫、吸着脱硫などが行われる。
【0023】
炭化水素と水蒸気を反応させる場合、通常、スチーム/カーボン比が1.5〜5、好ましくは1.5〜3、更に好ましくは2〜3となるように炭化水素量と水蒸気量とを決定することが好ましい。このようなスチーム/カーボン比とすることにより、水素含有量の多い生成ガスを効率よく得ることができる。なお、本発明の水蒸気改質方法においては、このスチーム/カーボン比を3以下にしても炭素析出が抑えられるので、排熱の有効利用を図ることができる。
反応温度は、通常、400〜900℃、好ましくは600〜900℃、更に好ましくは650〜800℃である。反応圧力は、通常、0〜30kg/cm2 G、好ましくは0〜10kg/cm2 Gである。
【0024】
反応方式としては、連続流通式、回分式等のいずれの方式であってもよいが、連続流通式が好適である。連続流通式の場合、炭化水素及び水蒸気の混合ガスのガス空間速度(GHSV)は、通常、1,000〜40,000h-1、好ましくは2,000〜40,000h-1、更に好ましくは2,000〜20,000h-1である。
反応形式としては、特に制限はなく、固定床式、移動床式、流動床式などを挙げることができる。反応器の形式としても特に制限はなく、例えば、管型反応器等を用いることができる。
上記のような条件下で炭化水素と水蒸気とを反応させることにより、水素、メタン、一酸化炭素等の混合物が得られる。得られた混合物はそのまま種々の用途に供することができるし、また各ガス成分に分離してそれぞれを各用途に提供することができる。本発明の水蒸気改質方法は、特に、燃料電池の水素製造プロセスに好適に採用される。
【0025】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例で得られた改質触媒の改質反応の活性(C1転化率)は、下記の方法により測定・評価した。
<C1転化率の測定>
各触媒1.5ccを3.5ccの炭化ケイ素で希釈して、内径20mmの石英反応管に充填した。反応管内で触媒を水素気流中で、600℃で1時間水素による還元処理を行なった後、硫黄濃度0.1重量ppm以下まで脱硫した市販のJIS1号灯油を原料油として用い、LHSV:9.2h-1、スチーム/カーボン比(S/C)=1.5の条件でJIS1号灯油及び水蒸気を導入し、650℃で水蒸気改質反応を実施した。1時間後と5時間後に、得られたガスをそれぞれサンプリングしてガスクロマトグラフィーにてその濃度を測定した。この結果をもとに、C1の転化率を下式により求めた。結果を第1表に示す。
C1転化率(%)=(A/B)×100
〔上記式において、A=COモル流量+CO2 モル流量+CH4 モル流量(いずれも反応器出口における流量)、B=反応器入口側の灯油の炭素モル流量である。〕
【0026】
比較例1
ジルコニウムのオキシ塩化物(ZrO(OH)Cl)の水溶液(ZrO2 として35%、第一稀元素工業社製:ZC−2)7.14g、三塩化ルテニウム(RuCl3 ・nH2 O:Ru38%含有)0.66g、硝酸マグネシウム(Mg(NO3 2 ・6H2 O)6.36g、及び硝酸コバルト(Co(NO3 3 ・6H2 O)2.47gを溶解し、水を加えて10ccの水溶液とし、1時間以上スターラーにて攪拌して含浸液とした。
この含浸液10ccを用いて、α−アルミナ成形体担体(3mm径の球形)50gにポアフィリング法にて含浸担持した。担持後、120℃で5時間乾燥し、更に500℃で1時間空気中で焼成を行い触媒を得た。
得られた触媒の組成分析によるルテニウム、ジルコニウム、マグネシウム及びコバルトの含有量は、Ru:0.5重量%、ZrO2 :5.0重量%、MgO:2.0重量%、Co:1.0重量%であった。
【0027】
実施例1
硝酸リチウム(LiNO3 )0.69gを4ccの水に溶解し、この溶液を用いて、比較例1で得られた触媒20gにポアフィリング法にて含浸担持した。担持後、120℃で5時間乾燥し、更に600℃で2時間空気中で焼成を行い、更にLiを担持した改質用触媒を得た。
得られた触媒の組成分析によるリチウムの含有量は、モル比でLi/ZrO2 =1.25であった。
【0028】
実施例2
硝酸ナトリウム(NaNO3 )0.85gを4ccの水に溶解し、この溶液を用いて、比較例1で得られた触媒20gにポアフィリング法にて含浸担持した。担持後、120℃で5時間乾燥し、更に600℃で2時間空気中で焼成を行いNaを担持した改質用触媒を得た。
得られた触媒の組成分析によるナトリウムの含有量は、モル比でNa/ZrO2 =1.25であった。
【0029】
【表1】
Figure 0004358405
第1表に示したように、実施例1及び2の改質用触媒を用いた改質反応は、比較例1の触媒を用いた場合より、C1転化率が高く、時間が経過しても活性が劣化することなく高転化率が維持された。
【0030】
【発明の効果】
本発明により、担持ルテニウム当たりの触媒活性が著しく優れ、かつ焼成や反応時の高温下においても劣化を抑制し、高活性を維持することができる炭化水素の改質触媒、及び該改質触媒を用い燃料電池用水素を効率よく得ることのできる炭化水素の水蒸気改質方法を提供することができる。

Claims (2)

  1. アルミナ担体に、ルテニウム成分、ジルコニウム成分、アルカリ金属成分、アルカリ土類金属成分及び/又は希土類元素成分、並びに、コバルト成分及び/又はニッケル成分を担持してなることを特徴とする炭化水素の改質用触媒。
  2. 請求項1に記載の触媒を用いた炭化水素の水蒸気改質方法。
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