JP2001276624A - 炭化水素の改質用触媒及び水蒸気改質方法 - Google Patents

炭化水素の改質用触媒及び水蒸気改質方法

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JP2001276624A JP2000094021A JP2000094021A JP2001276624A JP 2001276624 A JP2001276624 A JP 2001276624A JP 2000094021 A JP2000094021 A JP 2000094021A JP 2000094021 A JP2000094021 A JP 2000094021A JP 2001276624 A JP2001276624 A JP 2001276624A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒活性が著しく優れ、かつ焼成や反応時の
高温下においても劣化を抑制し、高活性を維持すること
ができる炭化水素の改質触媒、及び該改質触媒を用い燃
料電池用水素を効率よく得ることのできる炭化水素の水
蒸気改質方法を提供する。 【解決手段】 アルミナ担体に、少なくともルテニウム
成分、ジルコニウム成分及びアルカリ金属成分を担持し
てなることを特徴とする炭化水素の改質用触媒、及び該
触媒を用いた水蒸気改質方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化水素の改質用
触媒に関し、さらに詳しくは、ルテニウムを活性成分と
し、炭化水素、特に灯油の改質活性を効率的に向上せし
める改質用触媒、及び該触媒を用いた水蒸気改質方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題から新エネルギー技術が
脚光を浴びており、この新エネルギー技術の一つとして
燃料電池が注目されている。この燃料電池は、水素と酸
素を電気化学的に反応させることにより、化学エネルギ
ーを電気エネルギーに変換するものであって、エネルギ
ーの利用効率が高いという特徴を有しており、民生用、
産業用あるいは自動車用などとして、実用化研究が積極
的になされている。この燃料電池には、使用する電解質
の種類に応じて、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物
型、固体高分子型などのタイプが知られている。一方、
水素源としては、メタノール、メタンを主体とする液化
天然ガス、この天然ガスを主成分とする都市ガス、天然
ガスを原料とする合成液体燃料、さらには石油系のLP
G、ナフサや灯油などの石油系炭化水素の使用が研究さ
れている。
【0003】燃料電池を民生用や自動車用などに利用す
る場合、上記石油系炭化水素、特に灯油は常温常圧で液
状であって、保管及び取扱いが容易である上、ガソリン
スタンドや販売店など、供給システムが整備されている
ことから、水素源として有利である。この石油系炭化水
素油を用いて水素を製造する場合、一般に、該炭化水素
油を、改質触媒の存在下に水蒸気改質又は部分酸化改質
処理する方法が用いられる。このような改質処理におい
ては、改質触媒として、担体にルテニウムを活性成分と
して担持したものが検討されており、ルテニウム系改質
触媒は、例えば炭化水素の水蒸気改質反応に用いた場
合、比較的高活性でかつ低スチーム/カーボン比の運転
条件下でも炭素の析出を抑制するなどの利点を有し、近
年、長寿命の改質用触媒を必要とする燃料電池に適用す
べく検討されている。このようなルテニウムを活性成分
として用いた改質触媒として、例えば、特開平5−22
0397号公報には、アルカリ土類金属アルミネートを
含む酸化アルミニウムにジルコニアゾルを前駆体とする
酸化ジルコニウムとルテニウム成分を担持してなる炭化
水素の水蒸気改質触媒が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ルテニウム系改質触媒は担持ルテニウム当たりの触媒活
性が実用的に十分でなく、反応の際、経時により触媒性
能が劣化し活性が劣化するという欠点を有していた。こ
のため、更に高活性で、かつ触媒性能の劣化を抑制しう
る改質触媒が望まれていた。本発明は、このような状況
下でなされたものであり、担持ルテニウム当たりの触媒
活性が著しく優れ、かつ焼成や反応時の高温下において
も劣化を抑制し、高活性を維持することができる炭化水
素の改質触媒、及び該改質触媒を用い燃料電池用水素を
効率よく得ることのできる炭化水素の水蒸気改質方法を
提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた。その結果、ルテニ
ウム触媒を調製するにあたり、ルテニウム成分、ジルコ
ニウム成分に加えアルカリ金属成分を担持することによ
り、触媒活性を高めることができ、しかも、高温下でも
触媒性能の劣化を十分に抑制することができることを見
出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は、アルミナ担体に、少なくともルテニウム成分、ジル
コニウム成分及びアルカリ金属成分を担持してなること
を特徴とする炭化水素の改質用触媒、及び該触媒を用い
た水蒸気改質方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の改質用触媒において、ア
ルミナ担体に担持される各金属成分量は、ルテニウム成
分をルテニウム原子換算で0.05〜2重量%、好まし
くは0.05〜1重量%、更に好ましくは0.1〜1重
量%、ジルコニウム成分をZrO2 換算で0.05〜2
0重量%、好ましくは0.05〜15重量%、更に好ま
しくは1.0〜15重量%及びアルカリ金属成分をアル
カリ金属モル数/ZrO2 モル数の比で0.01〜1
0、好ましくは0.05〜5、更に好ましくは0.1〜
2である。ルテニウム成分の担持量が0.05重量%未
満であると、触媒活性が不十分で、十分な改質効果が得
られない場合があり、2重量%超であると、担持量の増
加に見合った効果が得られず不経済である。ジルコニウ
ム成分の担持量が0.05重量%未満であると、触媒活
性が不十分で、十分な改質効果が得られない場合があ
り、20重量%超であると、担持量の増加に見合った効
果が得られず不経済である。アルカリ金属モル数/Zr
2 モル数の比が0.01未満であると、触媒活性が不
十分で、十分な改質効果、劣化抑制効果が十分に得られ
ない場合があり、10超であると、担持量の増加に見合
った効果が得られず不経済である。
【0007】更に、本発明においては、担体にアルカリ
土類金属成分及び/又は希土類元素成分を担持してなる
と好ましく、アルミナ担体に担持される成分量として
は、酸化物(例えば、BeO、MgO、CaO、Sr
O、BaO、RaO、SrO、Y 2 3 、La2 3
CeO2 、Pr6 11、Nd2 3 、Pm2 3 、Sm
23 、Eu2 3 、Gd2 3 、Tb2 3 、Dy2
3 、Ho2 3 、Er23 、Tm2 3 、Yb2
3 、Lu2 3 など)に換算して、0.05〜5重量
%、好ましくは0.05〜2重量%、更に好ましくは
0.1〜2重量%である。更に、担体にコバルト成分及
び/又はニッケル成分を担持することが好ましく、アル
ミナ担体に担持されるこれらの成分量としては、コバル
ト原子及び/又はニッケル原子に換算して、0.05〜
5重量%、好ましくは0.05〜2重量%、更に好まし
くは0.1〜2重量%である。
【0008】本発明で用いる担体は、アルミナ担体であ
り、特にα−アルミナ担体を用いるとルテニウム成分、
ジルコニウム成分及びアルカリ金属が担体中に固定化さ
れやすい。これは、各成分がアルミナの表面水酸基と反
応してアルミナと結合するためと考えられる。なお、担
体は、添加物の添加や予備処理又は調製法の選定等によ
って、組成や物性が調整あるいは制御されたものを使用
することができる。例えば、酸処理、塩基処理、イオン
交換処理等の化学的処理を行って酸性度の調整、加熱や
焼成等により水分やOH含量の調整、さらには、各種手
段により細孔径や細孔径分布の制御、表面積の制御を行
うことにより、触媒担体としての組成や特性が調整され
ていてもよい。また、担体は、予め適当な金属成分等を
含有もしくは担持してあるもの、予め乾燥や焼成が施さ
れているもの、未焼成、未乾燥のもの、加水分解等によ
って調製したゾル状やスラリー状のものでもよい。担体
の形状や大きさは、特に制限はなく、造粒や成形を施し
たものでもよく、例えば粉末状、ビーズ状、ペレット
状、顆粒状、モノリス等の構造体にコーティングしたも
の、微粒子状、超微粒子状のもの等を適宜使用すること
ができる。
【0009】本発明で用いるルテニウム成分源であるル
テニウム化合物としては、例えば、三塩化ルテニウム等
の各種のハロゲン化ルテニウム、ヘキサクロロルテニウ
ム酸カリウム等の各種のハロゲン化ルテニウム酸塩、テ
トラオクソルテニウム酸カリウム等の各種のルテニウム
酸塩、四酸化ルテニウム、ヘキサアンミンルテニウム三
塩化物等の各種のアンミン錯塩、ヘキサシアノルテニウ
ム酸カリウム等のシアノ錯塩などが挙げられるが、これ
らに限定されるものではなく、ある種の溶媒に溶解性を
示すものや、酸や酸性化合物等の添加あるいは共存によ
って十分に溶解できるものであれば各種のものが使用可
能である。例えば三酸化二ルテニウム等の酸化ルテニウ
ム、水酸化ルテニウム、又はオキシハロゲン化物などの
pHが7付近の水には不溶性又は溶解しにくいもので
も、適宜塩酸等の酸を添加し溶解して使用することがで
きる。これら各種のルテニウム化合物の中でも、工業的
にも広く利用され、入手が容易であることから、特に塩
化ルテニウムが好適に使用される。なお、これらのルテ
ニウム化合物は、1種単独で用いても、2種以上を併用
してもよい。
【0010】本発明で用いるジルコニウム成分源である
ジルコニウム化合物についても同様に、ある種の溶媒に
溶解性を示すものや、塩酸等の酸や酸性化合物等を添加
あるいは共存によって十分に溶解できるものであれば各
種のものが使用可能である。例えば、四塩化ジルコニウ
ム等の各種のハロゲン化物もしくはこれらの部分加水分
解生成物、塩化ジルコニル(オキシ塩化ジルコニウム)
等の各種のオキシハロゲン化物、硫酸ジルコニル、硝酸
ジルコニウム、硝酸ジルコニル等の各種の酸素酸塩、テ
トラオクソジルコニウム酸カリウム、ヘキサフルオロジ
ルコニウム酸ナトリウム等の各種のジルコニウム酸塩、
酢酸ジルコニウム、酢酸ジルコニル、蓚酸ジルコニル、
テトラオキサラトジルコニウム酸カリウム等の各種の有
機酸塩もしくは有機系の配位化合物等、更には、ジルコ
ニウムのアルコキシド、水酸化物、各種の錯塩などが挙
げられる。これら各種のジルコニウム化合物のなかで
も、特に、ジルコニウムのオキシ塩化物が好ましく、例
えば、ZrOCl2 ・nH2 OやZrO(OH)Cl・
nH 2 Oで表される水和物や、溶液の状態で市販されて
いるものなどが、ルテニウムと錯体様化合物を生成しや
すいことから、好適に用いられる。なお、これらのジル
コニウム化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以
上を併用してもよい。
【0011】本発明で用いるアルカリ金属成分源である
アルカリ金属化合物についても同様に、ある種の溶媒に
溶解性を示すものや、塩酸等の酸や酸性化合物等を添加
あるいは共存によって十分に溶解できるものであれば各
種のものが使用可能である。例えば、硝酸リチウム、硝
酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸ルビジウム、硝酸セ
シウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウ
ム、塩化ルビジウム、塩化セシウム等が挙げられる。こ
れら各種のアルカリ金属化合物のなかでも、特に、硝酸
リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸ルビジ
ウム、硝酸セシウムが好ましく、これらのアルカリ金属
化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用
してもよい。
【0012】アルカリ土類金属源及び希土類元素源であ
るアルカリ土類金属化合物及び希土類元素化合物につい
ても同様に、ある種の溶媒に溶解性を示すものや、塩酸
等の酸や酸性化合物等を添加あるいは共存によって十分
に溶解できるものであれば各種のものが使用可能であ
り、通常は溶解性の高い硝酸塩、塩化物等の化合物が好
適に用いられる。前記アルカリ土類金属化合物として
は、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロン
チウム、バリウム及びラジウムの化合物が挙げられる
が、なかでもマグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム及びバリウムの化合物が好ましく、特に、ジルコニウ
ム、アルミナとの反応性の高いマグネシウム、カルシウ
ムの化合物が好適に用いられる。具体的には、硝酸マグ
ネシウム、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸
バリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ス
トロンチウム、塩化バリウムなどを例示することができ
る。
【0013】また、前記希土類元素化合物としては、ス
カンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラ
セオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユー
ロピウム、カドリニウム、テルビウム、ジスプロシウ
ム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウ
ム及びルテチウムの化合物が挙げられるが、なかでもイ
ットリウム、ランタン及びセリウムの化合物が好まし
く、特に、ジルコニウム、アルミナとの反応性の高いイ
ットリウム及びランタンの化合物が好適に用いられる。
具体的には、硝酸イットリウム、硝酸ランタン、塩化イ
ットリウム、塩化ランタンなどを例示することができ
る。これら各種のアルカリ土類金属化合物及び希土類元
素化合物のなかでも、硝酸マグネシウム、硝酸イットリ
ウム、硝酸ランタン及びこれらの各種含水塩が特に好適
に用いられる。なお、これらのアルカリ土類金属化合物
及び希土類元素化合物は、1種単独で用いてもよいし、
2種以上を併用してもよい。
【0014】コバルト源及びニッケル源であるコバルト
化合物及びニッケル化合物についても同様に、ある種の
溶媒に溶解性を示すものや、塩酸等の酸や酸性化合物等
を添加あるいは共存によって十分に溶解できるものであ
れば各種のものが使用可能であり、通常は溶解性の高い
硝酸塩、塩化物等の化合物が好適に用いられる。例え
ば、硝酸ニッケル(II)、塩基性硝酸ニッケル、硝酸
第一コバルト、塩基性硝酸コバルト、二塩化ニッケル、
二塩化コバルト、これらの各種含水塩などを例示するこ
とができる。なかでも、硝酸ニッケル(II)、硝酸第
一コバルト等が特に好適に用いられる。なお、これらの
コバルト化合物及びニッケル化合物は1種単独で用いて
もよいし、2種以上を併用してもよい。
【0015】次に、本発明の改質用触媒の製造方法につ
いて以下に述べる。アルミナ担体への各種金属成分の担
持方法としては、例えば、アルミナ担体に、少なくとも
1種又は2種以上のルテニウム化合物、ジルコニウム化
合物及びアルカリ金属化合物と、必要に応じ、1種又は
2種以上のアルカリ土類金属及び/又は希土類化合物
と、さらに必要に応じ1種又は2種以上のコバルト化合
物及び/又はニッケル化合物とを溶解含有する溶液を接
触含浸、乾燥、必要に応じ焼成させることによって担持
させることができる。また、本発明においては、アルカ
リ金属化合物を除く金属化合物を含む上記溶液に担体に
担持した後に、アルカリ金属溶液に含浸することにより
アルカリ金属を担体に担持することもできる。このよう
な方法によって、その担体の表面近傍に上記各種化合物
を良好な分散性で、かつむらのない状態で担持すること
ができ、また、その後、通常行なわれるような高温での
焼成や還元等の前処理を行なっても、各成分の高分散状
態を十分安定に維持することができ、本発明の改質用触
媒を容易に得ることができる。
【0016】この担持に用いる溶液は、ルテニウム化合
物、ジルコニウム化合物及びアルカリ金属化合物、必要
に応じ、アルカリ土類金属、希土類化合物、コバルト化
合物、ニッケル化合物を含有しているが、酸性、好まし
くはpHが3以下、さらに好ましくはpH1.5以下に
調整することである。pHが3を超えるとそれぞれの化
合物が沈殿したり、ゲル状に凝集したりする傾向がある
ため、高分散担持がしにくくなる。pHが3以下である
と、ルテニウム化合物とジルコニウム化合物等とが互い
に反応し、錯体様の化合物を形成することによって優れ
た特性を発揮するものと考えられる。この担持に用いる
溶液の溶媒としては、例えば、水又は水を主成分とする
水系溶媒やアルコール、エーテル等の有機溶媒であっ
て、少なくとも、上記各種化合物が溶解されるようなも
のであれば特に制限はない。中でも、溶解性の高い水又
は水を主成分とする水系溶媒を好適に用いることができ
る。
【0017】上記溶液と担体の接触による含浸担持操作
は、常法に従って行うことができ、例えば、常用される
各種の含浸法(加熱含浸法、常温含浸法、真空含浸法、
常圧含浸法、含浸乾固法、ポアフィリング法等、あるい
はこれらの任意の組み合わせ法等)、浸漬法、軽度浸潤
法、湿式吸着法、湿式混練法、スプレー法、塗布法な
ど、あるいはこれらの組み合わせ法など、溶液と担体と
を接触させて担持させる方式であればどのような方式に
よってもよい。また、この含浸担持、乾燥、焼成の一連
の操作は、必要に応じて2回以上にわけて複数回繰り返
してもよい。
【0018】担体と溶液の量比は、目標とする活性金属
成分の担持率、用いる水溶液中の金属化合物の濃度、含
浸担持方式の種類、用いる担体の細孔容積や比表面積な
どによって異なるので一律に定めることができないが、
少なくとも、担持しようとする担体を十分に濡らす量の
溶液を使用し、一方、担体に対する溶液の使用量の上限
については、特に制限はないが、通常は、使用する担体
の乾燥重量100g当り、溶液の使用量を100ml以
下の範囲に選定し、好ましくは、溶液を担体に固有の吸
水量に近くなるまで減じ、更に好ましくは吸水量と一致
する体積の溶液を用いる。この接触操作は、従来の場合
と同様に、大気圧下あるいは減圧下で好適に行うことが
でき、その際の操作温度としても特に制限はなく、室温
あるいは室温付近でも行うことができ、必要に応じて加
熱あるいは加温し、例えば室温〜80℃程度の温度でも
好適に行うことができる。
【0019】以上の様にして、ルテニウムをはじめとす
る各成分を担体にむらなく均一性よく担持することがで
きる。なお、上記に示した含浸担持方式の特徴からもわ
かるように、場合に応じて、用いた溶液中に含まれる全
ての成分を担持せしめてもよいし、例えば、接触後任意
の時点で余分な溶液を除去するなどして、用いた溶液中
の成分の一部のみを担持してもよい。上記溶液と担体と
の接触後の乾燥は、特に限定されないが、通常、50〜
150℃、好ましくは100〜120℃の範囲で1〜6
時間行う。室温での風乾では、一昼夜(24時間)程度
行う。但し、含浸担持方式によっては、多くの水分が蒸
発した乾燥状態のものが得られるので、そのような場合
には、必ずしも乾燥操作を施さなくてもよい。
【0020】乾燥後の焼成は行わなくてもよいが、行う
場合は常法に従って行うことができ、通常は空気中もし
くは空気気流中で400〜800℃、好ましくは450
〜800℃、更に好ましくは450〜600℃の温度範
囲で行われる。なお、空気の他に、純酸素や酸素富化空
気などの酸素含有ガスを代用又は併用してもよい。焼成
時間は、通常1〜24時間程度で十分である。なお、必
要に応じ、焼成前の適当な時点で担持組成物を所定の形
状及び大きさに成形してもよい。成形は、常法に従って
行うことができ、必要に応じて、適当なバインダー成分
を添加してもよい。焼成によって得られる担体中のルテ
ニウム成分、ジルコニウム成分及びアルカリ金属成分、
必要に応じて添加されるアルカリ土類金属成分、希土類
成分、コバルト成分及びニッケル成分は、通常、酸化物
もしくは複合酸化物の形態で高分散状態で担持されてい
る。
【0021】このようにして得られた触媒は、そのま
ま、所定の触媒反応の触媒又は触媒成分として利用する
こともできるが、必要に応じて、種々の適当な前処理を
行って活性化してから触媒反応に用いてもよい。例え
ば、水素等の還元剤によって適度に還元して、ルテニウ
ム成分等を高分散状態の金属状ルテニウムにして反応に
供してもよい。なお、水素還元による分散金属化処理
は、500〜850℃でH2の消費が認められなくなる
まで還元することが好ましい。また、この触媒は、炭化
水素等の水蒸気改質反応以外にも、一般にルテニウム系
触媒が有効となるあらゆる反応に対して適用することが
できる。例えば、カルボニル化合物、芳香族化合物、オ
レフィン類やジエン類等の不飽和化合物の選択的水素化
反応、アンモニア合成反応、FT合成反応、COやCO
2 のメタン化反応、COやCO2 のアルコールあるいは
他の含酸素化合物への選択的水素化反応、メタノールの
COと水素によるエタノールへのホモロゲーション、オ
レフィンのヒドロカルボニル化反応、ニトロ化合物のア
ミンへの選択的水素化反応、炭化水素類の水素化分解反
応、芳香族アミンの選択性水素化反応等の様々な水素化
反応、NOx の還元浄化反応、低温での完全酸化反応、
部分酸化反応、水の光分解反応等の多種多様な反応を挙
げることができる。
【0022】次に、本発明の触媒を用いた炭化水素の水
蒸気改質方法について以下に述べる。本発明において用
いる原料炭化水素としては、特に制限はなく、例えば、
メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、ノナ、デカン等の炭素数が1
〜16程度の直鎖状若しくは分岐状の飽和脂肪族炭化水
素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロオ
クタン等の脂環族飽和炭化水素、単環及び多環芳香族炭
化水素等、各種の炭化水素が用いられる。これらの各種
炭化水素は2種以上の混合物であってもよい。沸点範囲
が250℃以下の都市ガス、LPG、ナフサ、ガソリ
ン、灯油等の各種の炭化水素も挙げられる。また、一般
に、これらの原料炭化水素中に硫黄分が存在する場合
は、脱硫工程を通して、通常、硫黄分が1ppm程度に
なるまで脱硫を行うことが望ましい。原料炭化水素中の
硫黄分が1ppm程度より多くなると、触媒が失活する
原因となることがあるからである。脱硫方法は特に限定
されないが、水添脱硫、吸着脱硫などが行われる。
【0023】炭化水素と水蒸気を反応させる場合、通
常、スチーム/カーボン比が1.5〜5、好ましくは
1.5〜3、更に好ましくは2〜3となるように炭化水
素量と水蒸気量とを決定することが好ましい。このよう
なスチーム/カーボン比とすることにより、水素含有量
の多い生成ガスを効率よく得ることができる。なお、本
発明の水蒸気改質方法においては、このスチーム/カー
ボン比を3以下にしても炭素析出が抑えられるので、排
熱の有効利用を図ることができる。反応温度は、通常、
400〜900℃、好ましくは600〜900℃、更に
好ましくは650〜800℃である。反応圧力は、通
常、0〜30kg/cm2 G、好ましくは0〜10kg
/cm2 Gである。
【0024】反応方式としては、連続流通式、回分式等
のいずれの方式であってもよいが、連続流通式が好適で
ある。連続流通式の場合、炭化水素及び水蒸気の混合ガ
スのガス空間速度(GHSV)は、通常、1,000〜
40,000h-1、好ましくは2,000〜40,00
0h-1、更に好ましくは2,000〜20,000h -1
である。反応形式としては、特に制限はなく、固定床
式、移動床式、流動床式などを挙げることができる。反
応器の形式としても特に制限はなく、例えば、管型反応
器等を用いることができる。上記のような条件下で炭化
水素と水蒸気とを反応させることにより、水素、メタ
ン、一酸化炭素等の混合物が得られる。得られた混合物
はそのまま種々の用途に供することができるし、また各
ガス成分に分離してそれぞれを各用途に提供することが
できる。本発明の水蒸気改質方法は、特に、燃料電池の
水素製造プロセスに好適に採用される。
【0025】
〔上記式において、A=COモル流量+CO2 モル流量+CH4 モル流量(いずれも反応器出口における流量)、B=反応器入口側の灯油の炭素モル流量である。〕
【0026】比較例1 ジルコニウムのオキシ塩化物(ZrO(OH)Cl)の
水溶液(ZrO2 として35%、第一稀元素工業社製:
ZC−2)7.14g、三塩化ルテニウム(RuCl3
・nH2 O:Ru38%含有)0.66g、硝酸マグネ
シウム(Mg(NO3 2 ・6H2 O)6.36g、及
び硝酸コバルト(Co(NO3 3 ・6H2 O)2.4
7gを溶解し、水を加えて10ccの水溶液とし、1時
間以上スターラーにて攪拌して含浸液とした。この含浸
液10ccを用いて、α−アルミナ成形体担体(3mm
径の球形)50gにポアフィリング法にて含浸担持し
た。担持後、120℃で5時間乾燥し、更に500℃で
1時間空気中で焼成を行い触媒を得た。得られた触媒の
組成分析によるルテニウム、ジルコニウム、マグネシウ
ム及びコバルトの含有量は、Ru:0.5重量%、Zr
2 :5.0重量%、MgO:2.0重量%、Co:
1.0重量%であった。
【0027】実施例1 硝酸リチウム(LiNO3 )0.69gを4ccの水に
溶解し、この溶液を用いて、比較例1で得られた触媒2
0gにポアフィリング法にて含浸担持した。担持後、1
20℃で5時間乾燥し、更に600℃で2時間空気中で
焼成を行い、更にLiを担持した改質用触媒を得た。得
られた触媒の組成分析によるリチウムの含有量は、モル
比でLi/ZrO2=1.25であった。
【0028】実施例2 硝酸ナトリウム(NaNO3 )0.85gを4ccの水
に溶解し、この溶液を用いて、比較例1で得られた触媒
20gにポアフィリング法にて含浸担持した。担持後、
120℃で5時間乾燥し、更に600℃で2時間空気中
で焼成を行いNaを担持した改質用触媒を得た。得られ
た触媒の組成分析によるナトリウムの含有量は、モル比
でNa/ZrO 2 =1.25であった。
【0029】
【表1】 第1表に示したように、実施例1及び2の改質用触媒を
用いた改質反応は、比較例1の触媒を用いた場合より、
C1転化率が高く、時間が経過しても活性が劣化するこ
となく高転化率が維持された。
【0030】
【発明の効果】本発明により、担持ルテニウム当たりの
触媒活性が著しく優れ、かつ焼成や反応時の高温下にお
いても劣化を抑制し、高活性を維持することができる炭
化水素の改質触媒、及び該改質触媒を用い燃料電池用水
素を効率よく得ることのできる炭化水素の水蒸気改質方
法を提供することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G040 EA03 EA06 EC01 EC02 EC03 EC05 4G069 AA03 BA01A BA01B BA05A BA05B BB04B BB06B BC01A BC02B BC04B BC08A BC10B BC38A BC51A BC51B BC67A BC67B BC68A BC70A BC70B CC17

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナ担体に、少なくともルテニウム
    成分、ジルコニウム成分及びアルカリ金属成分を担持し
    てなることを特徴とする炭化水素の改質用触媒。
  2. 【請求項2】 更に、アルカリ土類金属成分及び/又は
    希土類元素成分を担持してなる請求項1記載の触媒。
  3. 【請求項3】 更に、コバルト成分及び/又はニッケル
    成分を担持してなる請求項1又は2に記載の触媒。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の触媒を
    用いた炭化水素の水蒸気改質方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006142240A (ja) * 2004-11-22 2006-06-08 Idemitsu Kosan Co Ltd Co除去触媒とその製造方法
KR100891903B1 (ko) * 2007-10-12 2009-04-03 고려대학교 산학협력단 알루미나-지르코니아 복합산화물 담체에 담지된액화천연가스의 수증기 개질반응용 니켈 촉매 및 그제조방법
KR101164024B1 (ko) 2009-12-24 2012-07-18 한국화학연구원 메탄의 이산화탄소 개질용 코발트계 촉매 및 이를 이용한 합성가스의 제조방법

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