JPWO2005093394A1 - プラズマ発生装置 - Google Patents

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Abstract

絶縁性材料で形成された流路に該流路の断面積よりも著しく小さい断面積を有する狭小部を設け、該流路および狭小部に導電性液体を満たした後、前記狭小部に電界が通過するように該狭小部に電界を印加し、前記狭小部でプラズマを発生させるプラズマの発生方法および元素分析方法。絶縁性材料で形成された流路に該流路の断面積よりも著しく小さい断面積を有する狭小部が配設され、前記狭小部に電界が通過するように該狭小部に電界を印加するための手段が配設されてなるプラズマの発生装置および前記プラズマの発生装置を有する発光分光分析装置。

Description

本発明は、プラズマ発生装置に関する。さらに詳しくは、溶液中に含まれている元素からの発光スペクトルにより、溶液に含まれている元素の同定と定量を行うためのプラズマの発生方法、発光分光分析方法、ならびにプラズマの発生装置およびそれが用いられた発光分光分析装置に関する。本発明のプラズマの発生方法およびプラズマの発生装置は、微小流体力学やμTAS(micro total analysis systems)、Lab on a chipといわれる分野に好適に使用することができる。本発明によれば、特に必要な機能および構造の一部を1つの板状のチップに集積させることができる。本発明のプラズマ発生装置は、必要な検体が微量でよく、携帯性、即時性、保守容易、安価などの特徴を有する。
溶液に含まれている元素分析には、誘導結合式プラズマ発光分析装置(ICP発光分析装置)が広く用いられている。誘導結合式プラズマは、その発生の際に、プラズマに露出した電極を用いる必要がなく、電極からの不純物の混入が少ないという利点がある。一方、ICP発光分析装置以外のプラズマの発生装置には、電極などからの不純物の混入があるため、高感度の元素分析には適していない。
近年、半導体プロセスを応用して、ウエハ上に小さな流路や反応容器、分析機器などを作りこみ、1つのチップの上で血液検査などに必要な一通りの化学実験を完遂させようという微小流体デバイス、μTASやLab on a chipと呼ばれる研究分野が急速に発展している。この分野では、高感度の元素分析のために、微小なプラズマを発生させ、そこに霧状の溶液を導入し、元素分析を行う方法が開発されている。
微小なプラズマとしては、直流プラズマ、容量結合式プラズマ、誘導結合式プラズマなどを微小化させたものが知られており、例えば、発光分光分析を行うためのマイクロ化学分析システム(例えば、特許文献1参照)などが提案されている。
しかし、これらのプラズマ発生方法で安定なプラズマを発生させるには、プラズマの発生の際に、減圧を必要とするか、ヘリウムなどのプラズマを維持しやすいガスを用いるか、または高周波を必要とするという欠点を持つ。また、プラズマを維持しながら装置への熱によるダメージを避けるためには、ある程度のガス流量が必要であるため、大きなボンベが必要であるなどの使用性に劣るという欠点があるのみならず、プラズマの発生に大きな電力を必要とするという欠点がある。さらに、検体をプラズマに導入する際には、検体をガス化させる必要があるため、検体を霧状に噴霧するための霧化器が必要となる。また、霧化器の小型化が困難なため、かなりの流量の霧化ガスを必要とし、これがプラズマに導入された際、プラズマを乱すため、これを許容するために、プラズマの大きさはある程度大きいことが必要となる。したがって、霧化器を用いた発光分析装置を小型化することは困難であり、従来、性能のよいものが得られていなかった。
他のプラズマを発生させる方法として、溶液に電極を挿入し、溶液に直接電流を流すことにより、プラズマを発生させる方法が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
この方法の利点は、溶液中でプラズマが発生し、溶液の蒸発が検体のガス化の働きを担うことから、霧化器を必要としないことである。しかし、プラズマの発生原理上、気−液界面や溶液中や気体中よりも、固体電極表面と気体との界面のほうがプラズマの発生および維持効率が高いため、従来の方法では、必ず固体電極がプラズマと接触することから、固体電極に含まれている不純物が蒸発し、その不純物が混入するのを回避することが困難であるという欠点がある。
特開2002−257785号公報 安住和久,瀬尾眞浩,水野忠彦;「各種金属電極からの電解発光スペクトルの解析」,Electrochemistry,Vol.67.No.4,1999,pp.349−354インターネット<URL:1111641682281_0.html>
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、導電性液体に含まれている元素の発光分析を行う際に、不純物の混入量が少なく、簡易にプラズマを発生させることができるプラズマの発生方法、発生したプラズマを用いて容易に元素分析をすることができる元素分析方法、プラズマの発生装置およびそれが用いられた発光分光分析装置を提供することにある。
すなわち、本発明の要旨は、
(1)絶縁性材料で形成された流路に該流路の断面積よりも著しく小さい断面積を有する狭小部を設け、該流路および狭小部に導電性液体を満たした後、前記狭小部に電界が通過するように該狭小部に電界を印加し、前記狭小部でプラズマを発生させるプラズマの発生方法、
(2)絶縁性材料で形成された流路に該流路の断面積よりも著しく小さい断面積を有する狭小部を設け、該流路および狭小部に、元素の同定または定量を行うための導電性液体を満たした後、前記狭小部に電界が通過するように該狭小部に電界を印加し、前記狭小部でプラズマを発生させ、発生したプラズマから生じる光を分光する元素分析方法、
(3)導電性液体中でプラズマを発生させる装置であって、絶縁性材料で形成された流路に該流路の断面積よりも著しく小さい断面積を有する狭小部が配設され、前記狭小部に電界が通過するように該狭小部に電界を印加するための手段が配設されてなるプラズマの発生装置、ならびに
(4)前記プラズマの発生装置を有する発光分光分析装置
に関する。
本発明によれば、導電性液体中に含まれている元素の発光分析を行う際に、不純物の混入量が少なく、簡易にプラズマを発生させることができるという効果を奏する。
本発明のプラズマの発生装置および発光分光分析装置は、また、ICP発光分析と同等の性能を持ちながら、装置の小型化、消費ガス、消費電力の劇的減少、装置コストの低減を実現するものである。したがって、本発明のプラズマの発生装置および発光分光分析装置は、従来の大型で大量のガスや電力を消費するICP発光分析装置に代わり、バッテリー(電池)および分光器を含めても手のひらに乗る程度の大きさにまで小型化することができるものである。
近年、環境の悪化により、土壌や水質の汚染、食物の汚染が問題となってきているが、本発明のプラズマの発生装置および発光分光分析装置は、手軽にその場で汚染状況を分析することができるツールとして利用することが期待される。
また、μTASやLab on a chipなどの微小流体技術において、微量試料の高感度分析が切望されているが、本発明は、これに解を与えるものとしても期待される。また、本発明は、電極の腐食のない、簡易なプラズマの発生を実現するので、様々なマイクロプラズマの用途にも利用することが期待される。
本発明のプラズマの発生方法の概略説明図である。 本発明のプラズマの発生装置の一実施態様を示す概略説明図である。 本発明の図2に示されたプラズマの発生装置における流路パターン1の概略平面図である。 本発明の図2に示されたプラズマの発生装置における流路パターン2の概略平面図である。 本発明において、プラズマが安定して発生する流路パターンの一実施態様を示す概略平面図である。 本発明において、マイクロプラズマが発生しているときの写真である。 本発明のプラズマの発生装置を用いてリン酸バッファーの元素分析を行なったときの発光スペクトルを示すグラフである。 本発明のプラズマの発生装置を用いて塩化カリウム水溶液の元素分析を行なったときの発光スペクトルを示すグラフである。 本発明により連続的にプラズマを発生させた場合およびパルス幅を有するプラズマを発生させた場合におけるプラズマ発光の安定性の測定結果を示すグラフである。 本発明によりプラズマを発生させたときの検量線とばらつきを示すグラフである。 本発明のプラズマの発生装置が用いられた発光分光分析装置の一実施態様を示す概略説明図である。 本発明によりプラズマを発生させたときのプラズマ発光強度の時間遷移、および発光スペクトルの波長と光強度との関係を示すグラフである。
符号の説明
101 流路
102 溶液リザーバ
103 狭小部
104 電極
105 導電性液体
106 プラズマ
201 石英ガラス
202 チップ
203 プラズマからの光
204 光ファイバー
301 電源
302 フォトセンサユニット
303 スイッチ
304 分光器
305 コンピュータ
本発明のプラズマの発生方法によれば、絶縁性材料で形成された流路に該流路の断面積よりも著しく小さい断面積を有する狭小部を設け、該流路および狭小部に導電性液体を満たした後、前記狭小部に電界が通過するように該狭小部に電界を印加することにより、前記狭小部でプラズマを発生させることができる。
また、本発明の元素分析方法によれば、絶縁性材料で形成された流路に該流路の断面積よりも著しく小さい断面積を有する狭小部を設け、該流路および狭小部に、元素の同定または定量を行うための導電性液体試料を満たした後、前記狭小部に電界が通過するように該狭小部に電界を印加し、前記狭小部でプラズマを発生させ、発生したプラズマから生じる光を分光することにより、元素分析を行うことができる。
絶縁性材料で形成された流路は、絶縁性の材料に微細な流路を設けることにより、形成される。絶縁性材料としては、例えば、ガラス、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ポリジメチルシロキサンなどのシリコーン、フッ素樹脂、セラミックスなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
流路は、例えば、絶縁性材料からなる板状のチップやプレート上に、リソグラフィ技術を用いて形成させることができる。
また、狭小部は、例えば、大量生産が可能な射出成形法などにより、流路に着脱可能に配設しうる形状を有する成形体をカートリッジとして構成させた場合には、使用後に新しいものと適宜交換することができる。特に、高感度で導電性液体中に含まれている元素の分析を行う場合には、先に元素分析のために用いられた導電性液体の使用による機器の汚染を排除することが重要であるが、導電性液体を入れる容器や、狭小部および流路を交換可能で安価な消耗品として樹脂成形体で着脱可能に構成させた場合、新しいものと交換することにより、系内の汚染による問題の発生を防止することができるので、高感度での元素分析に適している。前記樹脂としては、例えば、熱可塑性を有し、紫外線透過性に優れた樹脂を好適に用いることができる。
流路には、該流路の断面積よりも著しく小さい断面積を有する狭小部が設けられる。ここで、流路または狭小部の断面積とは、流路に対する断面の断面積、すなわち流路または狭小部における電界の方向に対して垂直方向における流路または狭小部の断面積を意味する。
狭小部に至る流路の幅方向の長さは、測定に必要な溶液の体積がなるべく小さく、かつ狭小部へ十分な容易さで導電性液体および/または電界を伝えるとともに、狭小部の断面積と比べて十分に広い流路の断面積を確保する観点から、好ましくは2μm〜30mm、より好ましくは300μm〜5mm、さらに好ましくは500μm〜1mmである。
前記幅とは、流路断面内における、流路の大きさを意味するが、特に流路及び狭小部が図2に示されるように、流路101および狭小部103が平面的に構成される場合には、さらにその平面と流路断面の交わる方向の大きさを意味する。
また、図2に示されるように、特に流路101および狭小部103が平面的に構成される場合には、流路断面内における前記幅に垂直な方向の大きさである流路の厚さ方向の長さは、測定に必要な溶液の体積をなるべく小さくし、狭小部に十分な容易さで導電性液体及び電界を伝え、狭小部の断面積と比べて十分に広い流路断面積を確保する観点から、好ましくは0.5μm〜1mm、より好ましくは10μm〜300μm、さらに好ましくは50μm〜200μmである。前記流路断面は、流路内の電界の方向に対して、垂直な面内における流路の断面である。
また、狭小部の電界の方向の長さは、プラズマを容易に発生させ、プラズマの発生場所を安定化させ、プラズマからの十分な発光量を得るために、好ましくは2μm〜3mm、より好ましくは50μm〜1mmである。狭小部の厚さ方向の長さおよび幅方向の長さは、それぞれ、流路部の断面積よりも十分に小さくし、プラズマを容易に発生させ、プラズマの発生場所を安定化し、およびプラズマからの十分な発光量を得る観点から、好ましくは0.5μm〜1mm、より好ましくは10μm〜300μm、さらに好ましくは50μm〜200μmである。
前記幅方向の長さとは、前記電界の方向の長さに垂直な狭小部断面内における流路の大きさを意味するが、図2に示されるように、特に流路101および狭小部103が平面的に構成される場合には、さらにその平面と前記狭小部断面の交わる方向の大きさを意味する。また、同様に、前記厚さ方向の長さとは、前記狭小部断面内における、前記幅方向の長さに垂直な方向の大きさを意味する。
狭小部の断面積は、該流路の断面積よりも著しく小さいが、流路の断面積と狭小部の断面積との比(流路の断面積/狭小部の断面積)の値は、プラズマを効率よく発生させる観点から、例えば、図5に示されるように、好ましくは3以上、より好ましくは10以上、さらに好ましくは30以上、より一層好ましくは100以上である。なお、前記流路の断面積と狭小部の断面積との比(流路の断面積/狭小部の断面積)の値の上限値には特に限定がなく、本発明は、かかる上限値によって限定されるものではないが、通常、好ましくは10000以下、より好ましくは8000以下、さらに好ましくは5000以下である。
なお、流路の断面形状および狭小部の断面形状には、特に限定がない。その断面形状の例としては、長方形、正方形、三角形、円形、楕円形などが挙げられる。
流路に設けられる狭小部の位置は、特に限定がない。例えば、狭小部は、流路の中央付近に設けることができる。狭小部は、流路の断面積が急に減少する部分を設けることにより、形成させることができる。流路と狭小部との接続部において、流路と狭小部とが流路の軸方向に対して10〜90度の角度、好ましくは10〜80度の角度で接続されていることが、溶液を気泡の混入などがなく、円滑に導電性液体を導入する観点および電界を適切に集中させる観点から、望ましい。
流路および狭小部に導電性液体を満たす。導電性液体として、分析される液体試料が用いられる。導電性液体に用いられる電解質としては、例えば、硝酸、酢酸、塩酸などが挙げられるが、これらのなかでは、分析に障害を発生させがたいことから、硝酸が好ましい。試料は、硝酸など分析に支障を生じない元素からなる電解質で導電性を付与することが好ましい。
次に、前記狭小部に電界が通過するように、例えば、狭小部に沿って電界を印加するなどの方法により、該狭小部に電界を印加する。これにより、前記狭小部で気泡が生じ、生じた気泡中にプラズマを発生させることができる。
電流は、例えば、流路に挿入した電極から流すことができる。また、電流として、誘導電流を利用することもできる。電極として、固体電極を用いることができ、一対の電極は、狭小部が挟まれるように流路内に配置することができる。このように電極を配設し、両電極間に電界を印加すると導電性液体が加熱されるので、気泡を生じさせることができる。
電圧および電流は、流路の長さ、電解液の種類などによって異なるので一概には決定することができないが、通常、電圧は、好ましくは30〜5000V、より好ましくは100〜1500Vであり、電流は、好ましくは0.1〜1000mA、より好ましくは2〜100mAであることが望ましい。
また、狭小部における電界の強さは、前記と同様に、流路の長さ、電解液の種類などによって異なり、さらに気泡およびプラズマの発生とともに変化するが、気泡の発生前では、気泡およびプラズマを安定かつ迅速に発生せしめ、溶液中の成分元素から効率よく発光させ、流路や狭小部の構成材料に必要以上のダメージを与えない観点から、好ましくは0.01〜100MV/m、より好ましくは1〜10MV/mである。
以上のようにして、狭小部に電界を印加したとき、狭小部に電界が集中し、導電性液体が沸騰するため、気化して気泡が生じるが、そのとき、プラズマが発生する。
導電性液体に電極が挿入されている部分では、十分に電界が弱く、また電流密度が低いため、プラズマは発生しない。気泡内で発生したプラズマは、電極と直接接触せず、プラズマと接して電界を与える電極としての役割は、導電性を有し測定対象である導電性液体そのものが担う。従って、電極の蒸発などによる余分な不純物の混入が非常に少ない。このプラズマの発光スペクトルの定量から、極めて簡単に、導電性液体に極微量で含まれている元素を高感度で元素分析することができる。
また、プラズマが近接する流路壁面は、流路及び狭小部のサイズが微小であるため、周囲から強力に冷却されており、流路壁面からの不純物の混入も抑えられている。また、流路壁面が十分に冷却されている場合は、導電性液体がその表面を覆うことで、さらに流路壁面からの不純物の混入を抑えられる。
ここで、プラズマを発生させる電界をパルス状に印加、すなわち電解を印加した後、短時間で強制的に電界の印加を止め、電界の印加1回あたりの印加時間が短時間となるように制御することにより、発生したプラズマの大きさ及び状態を制御することができ、プラズマ発生状態の再現性や、元素分析の精度を向上させることができる。前記短時間とは、通常、1μs〜500ms、好ましくは20μs〜5msである。また、プラズマの発生に必要な電界などの条件やプラズマの発生状態は、導電性液体の電気伝導度に依存するが、導電性液体の分析に関係のない所定の電解質をあらかじめ導電性液体に添加し、導電性液体の電気伝導度を調整することにより、プラズマを最も安定に発生させる電圧などの条件および原子発光の条件を一定にすることができる。
また、プラズマの発光スペクトルにおいて、添加した電解質に由来の発光の強度と、導電性液体に含まれている測定したい元素に由来の発光の強度とを対比することにより、より正確な元素の定量が可能となる。より一層精度の高い元素の定量は、元素の定量を繰り返して積算し、プラズマの発生の総時間を長くすることにより行うことができる。このとき、流路および狭小部中の導電性液体を移動させながらプラズマを発生させた場合、狭小部に常に新しい導電性液体が存在するので、より精度が高められる。
本発明のプラズマの発生装置は、導電性液体中でプラズマを発生させる装置であり、絶縁性材料で形成された流路に該流路の断面積よりも著しく小さい断面積を有する狭小部が配設され、該狭小部に電界が通過するように該狭小部に電界を印加するための手段が配設されている。また、本発明の発光分光分析装置は、前記プラズマの発生装置を有する。本発明のプラズマの発生装置および該プラズマの発生装置を有する発光分光分析装置は、以下の実施例に基づいて、詳細に説明する。
本発明のプラズマの発生装置および該プラズマの発生装置を有する発光分光分析装置を用いれば、不純物の混入量の低減が図られ、例えば、元素の定性分析や定量分析を容易に行うことができる。
プラズマをパルス状に発生させる際には、そのタイミングに同期させて、光信号の取り込みのタイミング、および時間幅を制御し、元素分析において、信号成分が多くなり、雑音成分やばらつき成分が少なくなるように調整することにより、分析の精度および感度を向上させることができる。
また、本発明によって発生したプラズマは、液体の元素分析で現在主流のICP発光分析のプラズマ発生部分を改良したものと位置づけることができるが、同様に液体の元素分析法であり、検出方法が異なるICP質量分析のプラズマ発生方法に本発明を応用し、本発明によるプラズマを用いた質量分析を行うこともできる。
また、本発明によって発生したプラズマは、微小なプラズマの一種であるから、他の微小なプラズマの応用である、光源、化学反応、物質の加工、物質の分解などにも利用することができる。
また、本発明のプラズマの発生装置は、μTASの新たな要素技術と位置づけることができ、μTASの既存要素技術と組み合わせて高感度元素分析器を組み込んだ様々なシステムが考えられる。また、本発明の発光分光分析装置は、液送り機構、2液混合機構、加熱機構などと組み合わせることにより、有機物試料から有機成分を除く前処理や、電気伝導度の調整などの調整処理を組み込んだ測定システムを1チップ内で構成することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
本発明のプラズマの発生方法の一実施態様を図1に示す。図1には、本発明によるプラズマを発生させる基本的な形態が示されている。
流路101の壁面は、絶縁性材料で形成されている。流路101は、導電性液体105を閉じ込めると同時に、電流の流れる通路を決定する。溶液リザーバ102は、流路101と接続されており、導電性液体105が溶液リザーバ102内で個々に貯められ、流路101に導入される。狭小部103は、流路101と接続されており、その断面積は、他の部分(流路101および溶液リザーバ102)よりも小さくなっている。したがって、狭小部103では、電流と電界の集中が起こり、他の部分よりも温度が高くなり、沸騰やプラズマの発生が起こりやすくなっている。この狭小部103の大きさおよび狭小部103にいたる流路101の形状が、プラズマの安定化に重要である。
電極104に用いられる材料としては、電流を流すことによって腐食が生じにくい白金などの貴金属やカーボンなどが好適である。
導電性液体105は、測定対象の元素を含み、かつ導電性を有している必要がある。導電性液体105に導電性を付与するために、通常、電解質(支持塩)が用いられるが、金属塩は、強い発光を出すので、あまりよくない。電解質のなかでは、硝酸は、その構成元素が大気中に含まれているものと水に含まれているものであるとともに、金属を良く溶かす性質を有するので適当である。なお、導電性液体105の液温は、特に限定されないが、通常、15〜40℃、好ましくは20〜25℃程度であることが望ましい。
電極104、104間に電界を印加することにより、狭小部103では電流と電界の集中が生じることから、気泡が生じ、生じた気泡中にプラズマ106が発生する。このプラズマ106からの光を分光することにより、導電性液体105の元素分析を容易に行うことができる。
実施例2
本発明のプラズマの発生装置の一実施態様を図2に示す。図2において、その上部の図は、本発明のプラズマの発生装置の一実施態様を示す概略平面図である。なお、電極の記載は、省略されている。図2において、その下部の図は、前記上部の図に示されたプラズマの発生装置の流路101の中央部分における概略断面図である。図2に示されたプラズマの発生装置を用いた場合には、液体の中で気泡を発生させ、その中でプラズマを発生させて元素分析を行うことができる。
石英ガラス201上には、ポリジメチルシロキサン(以下、PDMSという)などの絶縁性材料で作製され、狭小部103がパターニングされているシート状のチップ202が載置されている。チップ202は、フォトリソグラフィーにより、レジスト材の流路パターンを型取りすることによって製造されている。チップ202は、石英ガラス201上に置くことにより、自然に密着し、微小流路を形成する。チップ202には、流路101の端にあたる部分にパンチなどの窄孔用機器を用いて孔を開けることにより、溶液リザーバ102が形成されている。
流路101の平面形状について種々の試みにより、最もプラズマが安定する条件が求められる。図2に示された平面に垂直な方向の流路101の高さは、約70μmである。
導電性液体105として、生物の分野でよく用いられる、生理的条件のリン酸バッファーを1/20(容量比)に薄めたものを用いた。電極104として、直径が0.5mmの白金線を用いた。電極104に300〜1500Vの電圧を印加すると、狭小部103にプラズマ106が発生した。プラズマ106からの光203を光ファイバー204に導入し、オーシャンオプティクス社製の分光器(品番:USB2000)でスペクトルを測定することにより、発光分光分析を行うことができた。
実施例3
図3および図4は、それぞれ、流路パターン1および流路パターン2の平面図である。これらの流路パターンは、いずれも、安定なプラズマを発生させることができる流路パターンを検討する際に用いたものである。図3および図4において、白抜きの部分が流路パターンであり、左右の円状の部分はリザーバの形状を示している。リザーバとリザーバの中心距離は6mmである。合計24種類の流路パターンについて検討した結果、最もプラズマが安定して発生した流路パターンを図5に示す。
図5は、流路パターンの概略平面図である。図5において、リザーバの幅は、3mmであり、リザーバの端部とリザーバの端部との間の距離は3mmである。また、狭小部の長さは1mmであり、幅は100μmである。狭小部には、中心距離が0.23mmとなるように半径50μmの半円形状の凸部が設けられている。
図5に示される流路パターンのものを用い、導電性液体として、リン酸バッファーを1/20(容量比)に薄めたもの(液温:25℃)を用いた。電極として、白金電極を用い、電極間に700Vの電圧を印加することにより、電界を発生させた。そのときの電流は、約400μAであった。プラズマは、狭小部でのみ発生し、白金電極の周りでは発生しなかった。プラズマは、電界を印加している時間10秒の間、連続的に発生した。そのときに発生したマイクロプラズマの写真を図6に示す。図6において、狭小部の明るい部分が発生したプラズマである。
次に、図6に示されるプラズマから得られたときの発光スペクトルを調べた。その結果を図7に示す。
図7に示されるように、波長589nmでナトリウム原子に由来する鋭いピークのみが認められ、他の原子に由来するピークは非常に少なかった。また、このピークの強度と、導電性液体に含まれているナトリウム濃度から、検出限界を見積もると、この系で、およそ10ppmであることがわかった。この検出限界は、使用した分光器のノイズレベルに起因するものであり、本発明のプラズマの発生方法における本質的な検出限界を意味するものではない。本発明のプラズマの発生方法における本質的な検出限界は、この値よりもはるかに小さい値であると考えられる。
実施例4
実施例3において、リン酸バッファーの代わりに濃度0.01モル/リットル(以下、Mという)の塩化カリウム水溶液(液温:25℃)を用いた以外は、実施例3と同様にして発光スペクトルを調べた。その結果を図8に示す。
図8に示された発光スペクトルの測定結果から、カリウム原子に由来の波長766nmおよび770nmにおける鋭いピークのほかに、ナトリウム原子に由来の波長589nmにおけるピークが認められる。ナトリウム原子に由来のピークは、直前のリン酸バッファーを用いた実験のときに流路内に付着していたナトリウム原子に基づく発光によるもので、系内の洗浄が不十分であったことを示している。特に、ナトリウムは、炎色反応の実験などでも洗浄が困難なことは周知の通りであることから、今回の実験で洗浄残りに起因する発光があっても妥当な結果であり、本質的な問題ではないと考えられる。また、図8に示された結果から、他の原子に由来のピークが非常に少ないことがわかる。
次に、このピークの強度と、導電性液体に含まれているナトリウムの濃度から、検出限界を見積もった。その結果、この系での検出限界は、およそ5ppmであった。この検出限界は、使用した分光器のノイズレベルに起因するものであり、本発明のプラズマの発生方法における本質的な検出限界は、この値よりもはるかに小さい値であると考えられる。
実施例5
図5に示される流路パターンのものを用い、導電性液体として0.1M塩化ナトリウム水溶液(液温:25℃)を用いた。
電極として、直径が0.5mmの白金線を用いた。前記塩化ナトリウム水溶液に電極を浸漬し、電極に電圧500Vを連続的に印加したときに発生したプラズマから、ナトリウム原子に由来の発光強度のばらつきと、電極に電圧500Vを250msの時間のパルスで印加したときの発光強度のばらつきを調べた。その結果を図9に示す。図9において、プロットを正方形で示したグラフは、250msの時間のパルスで電圧を印加したときの発光強度のばらつきを示し、プロットを円で示したグラフは、電圧を連続的に印加したときの発光強度のばらつきを示す。
図9に示された結果から明らかなように、電界をパルスで印加した場合と対比して、連続的に電界を印加した場合のほうが発光強度のばらつきが大きいことがわかる。これは、連続的に電界を印加した場合には、発生したプラズマが、流路の狭くなった部分における容積以上に大きく発達したため、プラズマの形や明るさが激しく変化しているからである。一方、電界をパルス状に印加した場合は、プラズマが大きく発達して不安定になる前に、発光が終了し、常に同じ状態にあるプラズマからの発光のみで発光強度を計測することができることに基づくものと考えられる。
以上のことから、電界をパルスで印加する方法は、プラズマの温度の安定化にもつながるので、導電性液体に含まれている原子の定量に非常に有用であることがわかる。
なお、プラズマの安定化に有効なパルス幅、すなわち電界を印加する時間は、電界の印加1回あたり、好ましくは500ms以下、より好ましくは1μs〜500ms、さらに好ましくは1μs〜100ms、より一層好ましくは1〜100msである。
実施例6
図5に示される流路パターンのものを用い、導電性液体として0.01M塩化ナトリウム水溶液、0.05M塩化ナトリウム水溶液または0.1M塩化ナトリウム水溶液を用いた(各液温:25℃)。
電極として、直径が0.5mmの白金線を用いた。前記塩化ナトリウム水溶液に電極を浸漬し、電極に表1〜3に示す電界を20ms、50ms、100ms、200msまたは500msの時間のパルス幅で印加したときのプラズマの発生を調べた。その結果を表1〜3に示す。
なお、表1は、0.01M塩化ナトリウム水溶液を用いたときの結果が示されており、電気伝導度は、1.09mS/cmであった。表2は、0.05M塩化ナトリウム水溶液を用いたときの結果が示されており、電気伝導度は、4.9mS/cmであった。また、表3は、0.1M塩化ナトリウム水溶液を用いたときの結果が示されており、電気伝導度は、8.6mS/cmであった。
また、各表において、○印はプラズマが発生したことを示し、×印はプラズマが発生していないことを示している。
表1〜3に示された結果から明らかなように、プラズマの発生の状況は、導電性液体の電気伝導度に依存する。プラズマの発生の状況が変化すると、プラズマ温度なども異なると考えられ、測定した元素の濃度が同じ検体に対しても異なる発光強度を与えると考えられる。そのため、電気伝導度が異なる検体の精度のよい測定には、電界の強さなどのプラズマの発生条件をそのつど調整するか、あるいは異なる電気伝導度に対する検量線をそのつど作成するか、あるいはその両方を行う必要がある。
また、予想される大部分の検体(導電性液体)は、電解質濃度が非常に低いため、プラズマの発生には大きな電界が必要となる。
ここで、測定を妨害しない電解質をあらかじめ検体に加えておき、電気伝導度が高くなるように調整することができる。これにより、検体の電気伝導度を、プラズマの発生および測定に都合のよい電気伝導度に調整することにより、精度のよい測定をすることができる。また、電気伝導度の調整により、毎回同じ電気伝導度を持つように検体の電気伝導度を調整することで、測定時の電界などのプラズマの発生条件を、ほぼ同じ値にそろえることができる。これにより、測定装置の設計が簡単になり、プラズマの発生条件の調整が簡単になり、また再現性や測定精度も高くなる。なお、前記測定を妨害しない電解質とは、測定する元素とは異なる種類の元素のみからなり、検体と特別な反応を起こして沈殿を生じさせたりすることもなく、また発光スペクトルを測定する際に測定したい元素とは波長が重ならないなど、測定したい元素の測定を妨害しない電解質を指す。
例えば、プラズマの発生と測定に都合のよい電気伝導度が8.6mS/cmであり、電気伝導度がこの値以下の検体を用い、かつナトリウムと塩素を測定対象に含まず、ナトリウムと塩素が測定を特に妨害しない場合には、塩化ナトリウムを添加することによって電気伝導度を8.6mS/cmに調整し、毎回ほぼ同じプラズマの発生条件で、精度のよい定量的な測定を容易に行うことができる。
大部分の検体は、電気伝導度がプラズマの発生と測定に都合のよい値よりも2桁以上も小さいと予想される。その場合、特に検体の電気伝導度や濃度を測定することなしに、一定量の検体に対し、毎回一定量の電解質を加えるだけで電気伝導度の調整を行うことできる。
また、検体中のナトリウム濃度や塩素濃度を測定する場合、これらを含まない電解質を用いることが必要になる。電解質としては、多くの金属を溶かし、大気や水などに含まれている元素以外の元素を含まないことから、硝酸が好ましい。
実施例7
実施例6と同様の方法によって発生させたプラズマを用いて、導電性液体として、0.01M塩化カリウム水溶液、0.05M塩化カリウム水溶液または0.1M塩化カリウム水溶液を用いて、その濃度に対する発光の強さを調べた(各液温:25℃)。その結果を図10に示す。図10は、プラズマを発生させたときの検量線とばらつきを示すグラフである。
なお、各導電性液体には、いずれも、0.1M塩化ナトリウムが含まれており、印加電圧は500V、パルス幅は250msである。
図10(a)は、縦軸がカリウムの発光強度(K強度)であり、1回の測定において3つのパルスを発生させ、その発光強度の平均値を1回の測定データとし、各濃度につき10回の測定データから求めた検量線である。
図10(a)に示されているように、検量線には、およそ50%のばらつきが認められる。これは、プラズマの発生位置と光ファイバーの位置関係の変化、パルス電源における電圧と印加時間のばらつき、プラズマの発生状態のばらつきなどに起因するものと考えられる。これらのばらつきのいくつかは、測定される元素と異なり、濃度が判っている元素を検体に混入しておき、それを標準としてその発光強度との比をとることにより、ある程度補正することができる。電気伝導度を調整するために加えた塩化ナトリウムなどをこの目的のために利用することができる。
図10(b)は、このように、カリウムの発光強度と同時に測定したナトリウムの発光強度で除した比の値(K/Na強度)を縦軸に用いて、前記と同様にして、1回の測定において3つのパルスを発生させ、その発光強度の平均値を1回の測定データとし、各濃度につき10回の測定データから求めた検量線である。
図10(b)に示されているように、検量線におけるばらつきは、5%以内になった。さらに、3つのパルスの間に検体(導電性液体)を移動させることにより、プラズマ発生部に常に新しい検体が流入するようにして同様の測定を行ったところ、ばらつきは1%以内になった。このことから、電界を複数回印加し、電界を印加した後、次の電界を印加する間に導電性液体を移動させることにより、発光強度にばらつきが生じるのを抑制することができることがわかる。
実施例8
本発明のプラズマの発生装置が用いられた発光分光分析装置の一実施態様を図11に示す。図11に示された装置は、フォトセンサを用いてプラズマ発光を検出し、電力供給を制御する発光分光分析装置である。
チップ202は、絶縁性材料で形成されており、流路101には、該流路の断面積よりも著しく小さい断面積を有する狭小部103が設けられている。狭小部103に電界が通過するように該狭小部103に電界を印加するための手段として、流路に電極104が挿入され、電極104は、電源301と接続されている。
プラズマにより発生する光は、チップ202の下部に配設されたフォトセンサユニット302に内蔵されているフォトセンサ(図示せず)で捉えられる。フォトセンサユニット302は、フォトセンサで捉えられた発光強度に基づいて、スイッチ303による電界の接続および切断を制御し、プラズマの発生から指定時間の後に電界の印加を止めることにより、発光強度、発光時間および発光回数を制御することができる。
なお、受光部には、鏡面などの反射板を配設することにより、受光部における集光量を増加させてもよい。また、発光箇所と受光箇所との間に集光レンズを配設し、効率よく集光することができるようにしてもよい。
この装置を用いた場合には、プラズマにより発光する光をフォトセンサで捉え、一定以上の発光強度に到達した時点で、プラズマが発生したことを認識し、プラズマの発生から指定時間の後に電界の印加を止めることにより、発光強度、発光時間および発光回数を制御することができる。
電界の印加を続けると、断続的な発光が行われるが、狭小部や狭小部周辺に発生する気泡に影響されてプラズマの発生位置が安定しがたくなるとともに、プラズマの大きさも安定しがたくなる。そこで、図11に示されるように、プラズマの発生を機に電界を制御することにより、プラズマの発生位置やプラズマの大きさを安定させることができる。
実施例9
図5に示される流路パターンのものを用い、導電性液体として0.1M塩化ナトリウム水溶液(液温:25℃)を用いた。電極として、直径が0.5mmの白金線を用いた。前記塩化ナトリウム水溶液に電極を浸漬し、電極に電圧500Vを連続的に印加した。
図12に、プラズマ発光中の発光強度の時間遷移を示す。図12(a)は、発光強度の時間遷移を示すグラフである。図12(b)は、図12(a)における時間区間Iの発光スペクトルを示すグラフである、図12(c)は、図12(a)における時間区間IIのペクトルを示すグラフである。
図12に示された結果から、1回のプラズマ発光を、時間を区切って比較することにより、発光開始からの時間区間によって異なっているスペクトルの特性の違いを捉えることができることがわかる。したがって、測定の対象としたい波長がピークとなっている時間区間のデータを用いることにより、高感度で発光スペクトルを測定することができる。また、他の時間区間との差を求めた場合には、バックグラウンドによる影響を取り除くことも可能となるので、さらに高感度での発光スペクトルの測定が可能となる。
本発明によれば、溶液中に含まれている元素を分析するために、プラズマ中に溶液を導入し、元素からの発光スペクトルから溶液に含まれている元素の同定と定量を行うことができる。したがって、本発明のプラズマ方法、元素分析方法、プラズマの発生装置および該プラズマの発生装置を有する発光分光分析装置は、いずれも、微小流体力学やμTAS、Lab on a chipといわれる分野に好適に使用することができる。

Claims (19)

  1. 絶縁性材料で形成された流路に該流路の断面積よりも著しく小さい断面積を有する狭小部を設け、該流路および狭小部に導電性液体を満たした後、前記狭小部に電界が通過するように該狭小部に電界を印加し、前記狭小部でプラズマを発生させるプラズマの発生方法。
  2. 狭小部に電界を印加し、狭小部で気泡を生じさせ、生じた気泡中にプラズマを発生させる請求項1記載のプラズマの発生方法。
  3. 流路の厚さ方向の長さおよび幅方向の長さがそれぞれ2μm〜30mmであり、狭小部の電界の方向の長さが2μm〜3mmであり、かつ狭小部の厚さ方向の長さおよび幅方向の長さがそれぞれ0.5μm〜1mmであり、かつ流路の断面積よりも著しく小さい断面積を有する狭小部を有する請求項1記載のプラズマの発生方法。
  4. 流路の断面積と狭小部の断面積との比(流路の断面積/狭小部の断面積)の値が3以上である請求項1記載のプラズマの発生方法。
  5. 電界を印加する時間が電界の印加1回あたり1μs〜500msである請求項1記載のプラズマの発生方法。
  6. 電界を複数回印加する際に、電界を印加した後、次の電界を印加する間に導電性液体を移動させる請求項1記載のプラズマの発生方法。
  7. 絶縁性材料で形成された流路に該流路の断面積よりも著しく小さい断面積を有する狭小部を設け、該流路および狭小部に、元素の同定または定量を行うための導電性液体を満たした後、前記狭小部に電界が通過するように該狭小部に電界を印加し、前記狭小部でプラズマを発生させ、発生したプラズマから生じる光を分光する元素分析方法。
  8. 狭小部に電界を印加し、狭小部で気泡を生じさせ、生じた気泡中にプラズマを発生させる請求項7記載の元素分析方法。
  9. 流路の厚さ方向の長さおよび幅方向の長さがそれぞれ2μm〜30mmであり、狭小部における電界の方向の長さが2μm〜3mmであり、かつ狭小部の厚さ方向の長さおよび幅方向の長さがそれぞれ0.5μm〜1mmであり、かつ流路の断面積よりも著しく小さい断面積を有する狭小部を有する請求項7記載の元素分析方法。
  10. 流路の断面積と狭小部の断面積との比(流路の断面積/狭小部の断面積)の値が3以上である請求項7記載の元素分析方法。
  11. 電界を印加する時間が電界の印加1回あたり1μs〜500msである請求項7記載の元素分析方法。
  12. 電界を複数回印加する際に、電界を印加した後、次の電界を印加する間に導電性液体を移動させる請求項7記載のプラズマの発生方法。
  13. 導電性液体にあらかじめ所定の電解質を添加し、該導電性液体の電気伝導度を調整する請求項7記載の元素分析方法。
  14. 導電性液体中でプラズマを発生させる装置であって、絶縁性材料で形成された流路に該流路の断面積よりも著しく小さい断面積を有する狭小部が配設され、該狭小部に電界が通過するように該狭小部に電界を印加するための手段が配設されてなるプラズマの発生装置。
  15. 狭小部が挟まれるように流路内に一対の電極が配置されている請求項14記載のプラズマの発生装置。
  16. 流路の厚さ方向の長さおよび幅方向の長さがそれぞれ2μm〜30mmであり、狭小部における電界の方向の長さが2μm〜3mmであり、かつ狭小部の厚さ方向の長さおよび幅方向の長さがそれぞれ0.5μm〜1mmであり、かつ流路の断面積よりも著しく小さい断面積を有する狭小部を有する請求項14記載のプラズマの発生装置。
  17. 流路の断面積と狭小部の断面積との比(流路の断面積/狭小部の断面積)の値が3以上である請求項14記載のプラズマの発生装置。
  18. 狭小部が着脱可能に配設されてなる請求項14記載のプラズマの発生装置。
  19. 請求項14記載のプラズマの発生装置を有する発光分光分析装置。
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