JP6480211B2 - プラズマ発生用チップ、プラズマ発生装置およびプラズマ分光分析方法 - Google Patents

プラズマ発生用チップ、プラズマ発生装置およびプラズマ分光分析方法 Download PDF

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Description

本発明は、プラズマ発生用チップ、プラズマ発生装置およびプラズマ分光分析方法に関する。
特許文献1および2には、元素分析の装置として、プラズマ発生装置が開示されている。前記プラズマ発生装置は、狭小部を備える流路で気泡を発生させ、さらに、前記気泡中にプラズマを発生させ、その発光を計測する装置である。特許文献1では、前記狭小部におけるプラズマを計測し、特許文献2では、前記狭小部以外の領域におけるプラズマを計測する。しかし、いずれの装置においても、発生した気泡が前記狭小部に滞留することで、プラズマの発光強度に影響を与え、プラズマ発光の再現性が低いという問題があった。
この問題を解消するため、特許文献3には、前記流路中の溶液を移動させることによって、前記気泡を除去することで、前記気泡の滞留を回避する方法が開示されている。しかしながら、前記溶液を移動させるためには、シリンジポンプ等の排出手段が必要であり、プラズマ発生装置が大型化するという問題があった。
特許3932368号公報 特開2012−185064号公報 特開2011−180045号公報
そこで、本発明は、例えば、気泡除去用の排出手段が不要であり、且つ、プラズマ発光の再現性が高い、プラズマ発生用チップ、プラズマ発生装置およびプラズマ分光分析方法の提供を目的とする。
前記本発明の課題を解決するために、本発明のプラズマ発生用チップは、
流路を含み、
前記流路は、第1領域と狭小部と第2領域とを有し、前記狭小部は、前記第1領域の断面および前記第2領域と連通し、且つ、前記第1領域および前記第2領域の断面よりも小さい断面積を有し、
下記条件(1)および(2)の少なくとも一方を満たすことを特徴とする。
条件(1):前記第1領域の内壁および前記第2領域の内壁の少なくとも一方が、溝部を有する
条件(2):陰極を有し、前記陰極が、前記第1領域の内壁に固定化されている
本発明のプラズマ分析装置は、前記本発明のプラズマ発生用チップを備えることを特徴とする。
本発明のプラズマ分光分析方法は、
導電性溶液が供給された流路に電界を発生させる工程、および、
電界の発生により、前記流路内で発生したプラズマの発光を検出する検出工程を含み、
前記流路は、第1領域と狭小部と第2領域とを有し、
前記狭小部は、前記第1領域および前記第2領域と連通し、且つ、前記第1領域の断面および前記第2領域の断面よりも小さい断面積を有し、
下記条件(1)および(2)の少なくとも一方を満たすことを特徴とする。
条件(1):前記第1領域の内壁および前記第2領域の内壁の少なくとも一方が、溝部を有し、陽極と陰極との間に前記狭小部が位置するように、前記陽極と前記陰極とが配置されている
条件(2):陽極と陰極との間に前記狭小部が位置するように、前記陽極と前記陰極とが配置されており、前記陰極は、前記第1領域の内壁に固定化されている
本発明者らは、鋭意研究の結果、以下のような知見から本発明を確立するに至った。なお、本発明は、これらの記載に制限されるものではない。本発明者らは、従来のプラズマ発生装置における低い再現性について、以下の知見を得た。すなわち、プラズマは、気体(気泡)と液体(導電性溶液)との界面(以下、「気液界面」という)で発生することから、電極間における前記気液界面の形成が重要となる。しかしながら、従来のプラズマ発生装置では、流路内に生じた気泡の滞留によって、流路内における気液界面の形成を一定に維持することが困難であることがわかった。そして、これに伴って、電極間の液体抵抗値が変動して、流路における電子印加量が不安定となるために、プラズマ発光の再現性が低くなるとの知見を得た。そこで、本発明者らは、条件(1)に示すように、前記第1領域の内壁および前記第2領域の内壁の少なくとも一方に溝部を形成すること、または、前記条件(2)に示すように、陰極を前記第1領域内の内壁に固定化することによって、前記電極間の液体抵抗値の変化による影響を回避し、前記流路における前記電子印加量を安定化し、気液界面の位置をコントロールすることを可能とした。具体的には、前記気液界面を、前記狭小部で形成させ、前記狭小部に存在させることを可能とした。これによって、プラズマ発光の高い再現性を実現し、本発明を確立するに至った。
本発明のプラズマ発生用チップによれば、例えば、気泡除去用の排出手段を使用することなく、プラズマ発光の優れた再現性を実現できる。このため、本発明によれば、例えば、プラズマ発生を利用した元素等の分析において、極めて有用である。
本発明の第1のプラズマ発生用チップの一例を示す概略図であり、(A)は、上面図、(B)は、(A)のI−I方向の断面図、(C)は、(B)のII−II方向の断面図、(D)は、(B)の破線領域(X)の拡大図、(E)は、(B)のIII−III方向の断面図である。 本発明の第1のプラズマ発生用チップの一例を示す断面図である。 本発明の第2のプラズマ発生用チップの一例を示す断面図である。 本発明の第2のプラズマ発生用チップの一例を示す断面図である。 本発明の第2のプラズマ発生用チップの一例を示す断面図である。 本発明の実施例1Aにおける、プラズマ発光のカウント値とサンプリング数とを示すグラフである。 本発明の実施例2Aにおける、プラズマ発光のカウント値とサンプリング数とを示すグラフである。 本発明の実施例2Aにおける、プラズマ発光のカウント値のC.V.を示すグラフである。
本発明のプラズマ発生用チップ、プラズマ発生装置およびプラズマ分光分析方法は、それぞれ、前記第1領域の内壁および前記第2領域の内壁の少なくとも一方が溝部を有する第1形態と、陰極が、前記第1領域の内壁に固定化されている第2形態とがある。そこで、以下、第1形態と第2形態のそれぞれについて説明する。なお、特に示さない限り、前記第1形態の記載は、前記第2形態に援用でき、前記第2形態の記載は、前記第1形態に援用でき、また、本発明は、前記第1形態および前記第2形態の両方を満たす形態であってもよい。
1.本発明の第1形態
(1)プラズマ発生用チップ
本発明の第1のプラズマ発生用チップは、前述のように、流路を含み、前記流路は、第1領域と狭小部と第2領域とを有し、前記狭小部は、前記第1領域および前記第2領域と連通し、且つ、前記第1領域の断面および前記第2領域の断面よりも小さい断面積を有し、下記条件(1)を満たすことを特徴とする。
条件(1):前記第1領域の内壁および前記第2領域の内壁の少なくとも一方が、溝部を有する
本発明の第1のプラズマ発生用チップは、前記第1領域の内壁および前記第2領域の内壁の少なくとも一方が溝部を有することで、プラズマ発光の高い再現性を可能とする。本発明のプラズマ発生用チップは、前述のように、前記流路において、前記第1領域の内壁および前記第2領域の内壁の少なくとも一方に前記溝部を有するため、前記流路内に気泡の滞留が生じても、前記溝部には導電性液体が存在する。前記溝部の導電性液体の存在によって、例えば、電極間の液体抵抗値の変動を抑制し、前記流路の電子印加量が安定化され、その結果、気液界面の形成を一定に保持できると推測される。なお、本発明は、この推測には制限されない。
本発明の第1のプラズマ発生用チップにおいて、例えば、前記第1領域の内壁のみが前記溝部を有してもよいし、前記第2領域の内壁のみが前記溝部を有してもよいし、前記第1領域の内壁および前記第2領域の内壁の両方が、前記溝部を有してもよい。
本発明のプラズマ発生用チップにおいて、前記流路は、前述のように、前記第1領域、前記狭小部および前記第2領域を有し、これらは、それぞれ、内部が空隙(中空)であり、この順序で内部が連通している。本発明のプラズマ発生用チップにおいて、前記第1領域から前記第2領域に向かう方向を「長手方向」、「軸方向」または「電界方向」といい、前記狭小部を中心として、前記第1領域側を上流、前記第2領域側を下流という。また、前記長手方向に対する垂直方向であり、且つ、平面方向を「幅方向」といい、長手方向に対する垂直方向であり、且つ、前記チップの上下方向を「高さ方向」または「深さ方向」という。また、前記長手方向の距離を「長さ」、前記幅方向の距離を「幅」、前記高さ方向の距離を「高さ」という。そして、前記流路における「断面積」とは、特に示さない限り、幅方向(前記長手方向に対する垂直方向)における、前記流路内部の空隙の断面積を意味する。
前記流路の形状は、特に制限されず、その断面の形状は、円、真円、楕円等の円形;半円形;三角形、四角形、正方形および長方形等の多角形等があげられる。前記流路において、前記第1領域、前記狭小部および前記第2領域は、例えば、それぞれ、異なる断面形状でもよい。
本発明のプラズマ発生用チップにおいて、前記狭小部は、前記第1領域および前記第2領域よりも小さい断面積の領域であり、好ましくは、前記第1領域および前記第2領域よりも著しく小さい断面積の領域である。前記狭小部は、具体的には、前記流路において、最も小さい断面積の部位を中心とする領域が好ましい。前記狭小部は、その全長において、例えば、ほぼ一定の断面積を有していることが好ましい。「前記狭小部がほぼ一定の断面積を有する」とは、例えば、完全に一定の断面積の領域の他に、前記最も小さい断面積の部位を中心として、長手方向の上流および下流に向かって、徐々に断面積が大きくなっている領域の意味も含む。前記断面積は、例えば、連続的に大きくなってもよいし、不連続的に大きくなってもよい。この場合、前記狭小部は、前記最も小さい断面積を1として、例えば、50,000倍以下、1000倍以下、500倍以下、100倍以下の断面積を有する連続領域である。
前記狭小部の断面積は、例えば、前記第1領域および前記第2領域に対して、幅を狭くすることで設定されてもよいし、高さを低くすることで設定されてもよいし、両方によって設定されてもよい。
本発明のプラズマ発生用チップにおいて、前記第1領域の形状は、特に制限されず、前記狭小部よりも大きい断面積の領域であればよい。前記第1領域は、ぞれぞれ、例えば、全長において、ほぼ一定の断面積を有してもよいし、異なる断面積を有してもよい。
前者の場合、「ほぼ一定の断面積を有する」とは、完全に一定の断面積の領域の他に、例えば、前記長手方向の下流側末端(前記狭小部側の末端)から上流側の末端に向かって、徐々に断面積が大きくなっている領域の意味も含む。前記断面積は、例えば、連続的に大きくなってもよいし、不連続的に大きくなってもよい。この場合、前記第1領域は、例えば、全長の平均断面積を1として、例えば、5000倍以下、1000倍以下、500倍以下の断面積を有する連続領域である。この場合、前記流路において、前記狭小部と前記1領域との境界は、例えば、長手方向、幅方向および高さ方向の少なくともいずれかに対して約90度の角度で、断面積が変化しているともいえる。
後者の場合、前記第1領域は、例えば、前記長手方向の下流側末端から上流側末端まで、連続的または不連続的に断面積が大きくなっている形態、つまり、前記第1領域の断面積が、全長において徐々に大きくなっている形態があげられる。前記断面積の変動は、例えば、幅の変動で設定されてもよいし、高さの変動で設定されてもよいし、両方によって設定されてもよい。この場合、前記第1領域は、幅および高さの一方または両方が、下流側末端から上流側末端に向かってテーパー状に広がったテーパー部の形態でもよい。
また、後者の場合、前記第1領域は、例えば、前記長手方向の下流側末端から上流側の所定部位まで、連続的または不連続的に断面積が大きくなり、且つ、前記所定部位から上流側末端まで、ほぼ一定の断面積を有している形態があげられる。前記断面積の変動は、例えば、幅の変動で設定されてもよいし、高さの変動で設定されてもよい。この場合、前記第1領域は、幅および高さの一方または両方が、下流側末端から前記所定部位に向かってテーパー状に広がったテーパー部と、前記所定部位から前記上流側末端まで一定である非テーパー部とを有する形態でもよい。
前記第1領域が、その高さが下流側から上流側に向かってテーパー状に広がる前記テーパー部を有する場合、前記テーパー部の広がりの角度は、長手方向に対して、例えば、10〜90度、10〜80度、10〜45度である。また、前記第1領域が、その幅が下流側から上流側に向かってテーパー状に広がる前記テーパー部を有する場合、前記テーパー部の広がりの角度は、長手方向に対して、例えば、10〜90度、10〜80度、10〜45度である。
本発明のプラズマ発生用チップにおいて、前記第2領域の形状は、特に制限されず、前記狭小部よりも大きい断面積の領域であればよい。前記第2領域については、例えば、前記第1領域の説明において、「第1領域」を「第2領域」に、「上流」を「下流」に、「下流」を「上流」に、それぞれ読み替えて援用できる。前記第1領域と前記第2領域とは、例えば、対称の形状をとり、且つ、同一条件でも異なる条件でもよく、また、非対称の形状であってもよい。
前記第1領域の断面積および前記第2領域の断面積は、例えば、前記狭小部における前記最も小さい断面積を1とした場合、例えば、1倍を超え、3倍以上、10倍以上、30倍以上、100倍以上であり、他方、上限は、特に制限されず、例えば、10,000倍以下、8000倍以下、5000倍以下である。
本発明のプラズマ発生用チップにおいて、各部位の幅および高さは、特に制限されない。前記流路の長さ、すなわち、前記第1領域の上流側末端から第2領域の下流側末端までの長さを1とした場合、前記狭小部の長さは、例えば、1分の1〜10,000分の1、1分の1〜1000分の1、10分の1〜100分の1である。
前記第1領域の上流側の末端から前記第2領域の下流側末端までの長さは、例えば、1〜50mm、1〜10mm、3〜7mmであり、前記狭小部の長さは、例えば、1〜1000μm、1〜600μm、1〜400μmである。
前記第1領域および前記第2領域は、それぞれ、幅が、例えば、2μm〜30mm、300μm〜5mm、500μm〜1mmであり、高さが、例えば、0.5μm〜1mm、10μm〜300μm、50μm〜200μmである。前記狭小部は、幅が、例えば、0.5μm〜1mm、10μm〜300μm、50μm〜200μmである。高さが、例えば、0.5μm〜1mm、10μm〜300μm、50μm〜200μmである。
前記第1のプラズマ発生用チップにおいて、前記溝部の形成部位は、前述のように、前記第1領域の内壁および前記第2領域の内壁の少なくとも一方であればよい。前記溝部は、前記第1領域の内壁または前記第2領域の内壁における凹部ということもできる。前記第1のプラズマ発生用チップは、例えば、前記第1領域の内壁または前記第2領域の内壁に、前記長手方向に沿って前記溝部を有することが好ましい。前記溝部は、例えば、前記第1領域または前記第2領域において、それぞれの上面の内壁、下面の内壁および側面の内壁のいずれに形成されてもよく、1カ所でもよいし、複数カ所に形成されてもよい。
前記溝部の長さは、特に制限されず、例えば、前記第1領域において、全長にわたって形成されてもよいし、部分的に形成されてもよい。前記溝部の大きさは、特に制限されず、例えば、導電性溶液を保持でき、且つ、電圧印加により発生する気泡が入らない大きさであることが好ましい。前記第1領域が前記溝部を有する場合、前記溝部は、例えば、前記狭小部の前記第1領域側端部から近い箇所に形成されていることが好ましい。前記第2領域が前記溝部を有する場合、前記溝部は、例えば、前記狭小部の前記第2領域側端部から近い箇所に形成されていることが好ましい。
具体例として、前記第1領域が前記溝部を有する場合、前記溝部は、例えば、以下の条件があげられる。前記長手方向において、前記狭小部の上流側端部(第1領域側の端部)と、前記溝部の下流側端部(狭小部側の端部)との距離は、例えば、0〜50mm、1〜10mm、3〜7mmである。前記溝部は、深さが、例えば、0.1〜10mm、0.1〜5mm、0.5〜1mmであり、幅が、例えば、0〜10mm、0〜1mmであり、長さが、例えば、0〜50mm、0〜5mmである。
具体例として、前記第2領域が前記溝部を有する場合、前記溝部は、例えば、以下の条件があげられる。前記長手方向において、前記狭小部の下流側端部(第2領域側の端部)と、前記溝部の上流側端部(狭小部側の端部)との距離は、例えば、0〜50mm、1〜10mm、3〜7mmである。前記溝部は、深さが、例えば、0.1〜10mm、0.1〜5mm、0.5〜1mmであり、幅が、例えば、0〜10mm、0〜1mmであり、長さが、例えば、0〜50mm、0〜5mmである。
前記溝部の形状は、特に制限されず、例えば、幅方向の断面が、円、真円、楕円等の円形;半円形;三角形、四角形、正方形および長方形等の多角形等があげられる。
本発明のプラズマ発生用チップは、例えば、前記チップ自体が電極を備えてもよいし、前記チップをセットする装置が電極を備えてもよい。本発明のプラズマ発生用チップは、例えば、使用時において、一対の電極の間、すなわち、陰極と陽極との間に前記狭小部が位置するように、前記陰極と前記陽極とが配置されていればよい。具体的には、例えば、前記チップ自体が、陽極および陰極からなる一対の電極を備えてもよいし、前記チップ自体が陰極を備え、且つ、前記チップをセットする装置が陽極を備えてもよいし、または、前記チップ自体が陽極を備え、且つ、前記チップをセットする装置が陰極を備えてもよい。前記装置が電極を備える場合、前記電極は、例えば、前記チップへの挿入が可能な個体電極が好ましく、具体例として、棒電極等があげられる。
本発明のプラズマ発生用チップにおいて、前記陰極は、前記狭小部を中心として、上流側に配置されていることが好ましく、より好ましくは、前記第1領域内に配置されている。前記第1領域が前記溝部を有する場合、前記陰極は、前記第1領域の前記溝部内に配置されていることが好ましい。
前記チップ自体が前記陰極を備える場合、前記陰極は、例えば、前記第1領域の内壁に固定化されていることが好ましく、より好ましくは、前記第1領域の前記溝部の内壁に固定化されていることが好ましい。前記第1領域の前記溝部の内壁に前記陰極が固定化されている場合、前記溝部は、前記電極を有する状態でも、前記第1領域の他の内壁に対して、凹部を形成していることが好ましい。前記陰極が前記第1領域の内壁に固定化されることで、例えば、後述する第2形態に示すように、さらに、プラズマ発光の優れた再現性を実現できる。
前記陰極が固定化された電極の場合、例えば、前記第1領域の内壁に、導電材料をコーティングして形成された電極でもよいし、前記第1領域の内壁に、導電材料を埋め込んで形成された電極でもよい。
前記第1領域において、前記陰極の固定化部位は、特に制限されず、前記固定化部位の下流側の末端(狭小部側の末端)が、前記狭小部に近い部位であることが好ましい。前記第1領域における前記固定化部位の下流側の末端と、前記狭小部の上流側の末端(第1領域側の末端)との距離は、例えば、以下の例示があげられる。前記距離は、長手方向において、下限が、例えば、0mm以上、0.5mm以上であり、上限が、例えば、5mm以下、3mm以下、2mm以下、1mm以下であり、その範囲は、例えば、0〜5mm、0〜3mm、0〜2mm、0〜1mm、0.5〜5mm、0.5〜3mm、0.5〜2mm、0.5〜1mmである。前記固定化部位の上流側の末端は、特に制限されず、例えば、前記第1領域の上流側末端でもよい。前記陰極は、例えば、前記第1領域の内壁全面に固定化されてもよい。
本発明のプラズマ発生用チップにおいて、前記陽極は、前記狭小部を中心として、下流側に配置されていることが好ましく、より好ましくは、第2領域内に配置されている。前記チップ自体が前記陽極を備える場合、前記陽極は、例えば、前記第2領域の内壁に固定化されていることが好ましい。前記第2領域が前記溝部を有する場合、前記陽極は、例えば、前記第2領域の前記溝部内に配置されてもよい。前記第2領域において、前記陽極の固定化部位の上流側の末端と、前記狭小部の下流側の末端(第2領域側の末端)との距離は、例えば、長手方向において、0mm以上または0.2mm以上が好ましい。
前記陽極が固定化された電極の場合、前記陰極と同様に、例えば、前記第2領域の内壁に、導電材料をコーティングして形成された電極でもよいし、前記第2領域の内壁に、導電材料を埋め込んで形成された電極でもよい。前記陽極の固定化部位は、特に制限されず、例えば、前記陰極の説明において、「第1領域」を「第2領域」に、「上流側」を「下流側」に、「下流側」を「上流側」に、それぞれ読み替えて援用できる。
前記電極の材料は、特に制限されず、固形の導電材料であればよく、例えば、白金、金、炭素、亜鉛、真鍮、銅、ステンレス、鉄等があげられる。前記陰極は、例えば、炭素が好ましく、前記陽極は、例えば、炭素が好ましい。
前記導電材料のコーティングにより電極を形成する方法は、特に制限されず、スパッタリング等の従来公知の方法が採用できる。
本発明のプラズマ発生用チップは、さらに、導電性溶液を貯留する第1リザーバーおよび第2リザーバーを有することが好ましい。この場合、例えば、前記第1領域は、一端が前記狭小部と連通し、他端が前記第1リザーバーと連通し、前記第2領域は、一端が前記狭小部と連通し、他端が前記第2リザーバーと連通する。本発明のプラズマ発生用チップにおいて、前記陰極は、例えば、前記第1リザーバー内に配置されてもよいし、前記陽極は、例えば、前記第2リザーバー内に配置されてもよい。この場合も、前述のように、前記チップ自体が電極を備えてもよいし、前記チップをセットする装置が電極を備えてもよい。
前記陰極および前記陽極が、前述のような固定化された電極の場合、例えば、前記陰極は、前記第1リザーバーの内壁全面に、固定化されよく、前記陽極は、前記第2リザーバーの内壁全面に、固定化されてもよい。
前記第1リザーバーおよび前記第1リザーバーの形状および大きさは、特に制限されず、導電性溶液を貯留できればよい。前記第1リザーバーおよび前記第2リザーバーの形状は、特に制限されず、例えば、三角柱状、四角柱状等の多角柱状、真円柱状、楕円柱状等の円柱状、錐体状等があげられる。
具体例として、前記第1リザーバーおよび前記第2リザーバーは、それぞれ、直径が、例えば、1〜10mm、1〜6mm、2〜4mmであり、高さが、例えば、1〜20mm、1〜10mm、1〜6mmであり、容積は、例えば、1〜1000μL、30〜150μL、60〜110μLである。
本発明のプラズマ発生用チップの材料は、特に制限されず、例えば、電極を除き、前記チップの内壁が絶縁性材料で形成されていることが好ましく、より好ましくは、電極を除き、前記チップ全体が絶縁材料から形成されていることが好ましい。本発明のプラズマ発生用チップの製造方法は、特に制限されず、例えば、射出成型等により、前記流路等を有する成型体を製造してもよいし、プレート等の基材に流路等を形成してもよい。前記流路等の形成方法は、特に制限されず、例えば、リソグラフィ、切削加工等があげられる。
前記絶縁性材料は、特に制限されず、例えば、樹脂、シリコーン、ガラス、紙、セラミックス、ゴム等があげられる。前記樹脂は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリレート、ポリアミド、飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂ガラスエポキシ等のエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂等があげられる。前記シリコーンは、例えば、ポリジメチルシロキサン等があげられる。
本発明のプラズマ発生用チップの用途は、特に制限されず、例えば、前記流路に導電性溶液を供給し、前記流路に電界を発生させ、前記流路内でプラズマを発生させることができる。そして、前記プラズマによる発光を検出することで、例えば、前記導電性溶液に含まれる検体を分析できる。このように、本発明のプラズマ発生用チップを用いて分析を行う場合、本発明のプラズマ発生用チップは、プラズマ発光分析用チップということもできる。前記電界の発生は、例えば、電極系への電圧印加により行うことが好ましく、この他に、例えば、マイクロウェーブ等で電界を発生させてもよい。
(2)プラズマ発生装置
本発明の第1のプラズマ発生装置は、前述のように、前記本発明の第1のプラズマ発生用チップを備えることを特徴とする。本発明の第1のプラズマ発生装置は、前記第1のプラズマ発生用チップを備えることが特徴であって、その他の構成および条件は、特に制限されない。本発明の第1のプラズマ発生装置は、特に示さない限り、前記本発明の第1のプラズマ発生用チップの記載を援用できる。本発明のプラズマ発生装置は、例えば、さらに、電圧印加手段を備えることが好ましい。
本発明のプラズマ発生装置は、例えば、プラズマを発生させ、前記プラズマによる発光を検出することで、検体を分析できる。このため、本発明のプラズマ発生装置は、例えば、プラズマ分光分析装置ということもできる。
本発明のプラズマ発生装置は、例えば、さらに、前記プラズマ発生用チップにおいて発生したプラズマ発光を検出する検出手段を備えることが好ましい。前記検出手段は、例えば、前記本発明のプラズマ発生チップの前記流路の前記狭小部において発生したプラズマ発光を検出する手段でもよいし、前記狭小部以外において発生したプラズマ発光を検出する手段でもよい。
前記検出手段の検出対象領域は、特に制限されず、例えば、前記本発明のプラズマ発生チップにおいて、前記狭小部のみでもよいし、前記狭小部を含む領域(前記狭小部とそれ以外の領域の両方を含む領域)でもよいし、前記狭小部以外の領域のみでもよい。また、前記検出対象領域の中心は、特に制限されず、例えば、前記本発明のプラズマ発生用チップにおいて、前記狭小部の中心を中心点として設定してもよいし、前記狭小部の中心から長手方向の上流または下流に移動した部位を中止点として設定してもよい。具体例として、前記検出対象領域は、例えば、前記狭小部の中心を中心点とし且つ前記狭小部のみであることが好ましく、また、前記狭小部の中心以外を中心点とし且つ前記狭小部以外の領域のみであることが好ましい。
(3)プラズマ分光分析方法
本発明の第1のプラズマ分光分析方法は、前述のように、
導電性溶液が供給された流路に電界を発生させる工程、および
電界の発生により前記流路内で発生したプラズマの発光を検出する検出工程を含み、
前記流路は、第1領域と狭小部と第2領域とを有し、
前記狭小部は、前記第1領域および前記第2領域と連通し、且つ、前記第1領域の断面および前記第2領域の断面よりも小さい断面積を有し、
下記条件(1)を満たすことを特徴とする。
条件(1):前記第1領域の内壁および第2領域の内壁の少なくとも一方が、溝部を有し、陽極と陰極との間に前記狭小部が位置するように、前記陽極と前記陰極とが配置されている
本発明のプラズマ分光分析方法は、例えば、前記本発明の第1のプラズマ発生用チップまたは前記本発明の第1のプラズマ発生装置を使用できる。本発明のプラズマ分光分析方法は、特に示さない限り、前記本発明のプラズマ発生用チップおよび前記本発明のプラズマ発生装置の記載を援用できる。前記電界の発生は、例えば、電極系への電圧印加により行うことが好ましく、この他に、例えば、マイクロウェーブ等で電界を発生させてもよい。
本発明のプラズマ分光分析方法は、さらに、前記流路に前記導電性溶液を供給する工程を含んでもよい。前記導電性溶液は、例えば、液体サンプルがあげられ、さらに、導電性を付与するための電解質を含んでもよい。前記電解質は、例えば、硝酸、酢酸、塩酸、水酸化リチウム、塩化カリウム等があげられ、中でも、分析への影響を十分に回避できることから、硝酸が好ましい。
前記液体サンプルにおける前記電解質の濃度は、特に制限されない。
前記液体サンプルは、例えば、液体の検体そのものでもよいし、固体の検体を含むものでもよい。前記検体は、例えば、生体由来の検体、環境由来の検体、金属、化学物質、医薬品等があげられる。前記生体由来の検体は、特に制限されず、尿、血液、毛髪、臍帯等があげられる。前記血液検体は、例えば、赤血球、全血、血清、血漿等があげられる。前前記生体は、例えば、ヒト、非ヒト動物、植物等があげられ、前記非ヒト動物は、例えば、ヒトを除く哺乳類、魚介類等があげられる。前記環境由来の検体は、特に制限されず、例えば、食品、水、土壌、大気、空気等があげられる。前記金属は、例えば、Bi(ビスマス)、Hg(水銀)、Cd(カドミウム)、Pd(パラジウム)、Zn(亜鉛)、Tl(タリウム)、Ag(銀)、Pb(鉛)等の重金属等があげられる。前記化学物質は、例えば、試薬、農薬または化粧品等があげられる。前記食品は、例えば、生鮮食品または加工食品等があげられる。前記水は、例えば、飲料水、地下水、河川水、海水、生活排水等があげられる。
分析対象物が金属の場合、前記液体サンプルは、例えば、前記検体中の金属を分離するための試薬を含んでもよい。前記試薬は、例えば、キレート剤、酸またはアルカリ等があげられ、具体例として、ジチゾン、チオプロニン、メソ−2,3−ジメルカプトコハク酸(DMSA)水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、1,2−ジメルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム(DMPS)、硝酸、コハク酸、グリシン、システイン等があげられる。
本発明のプラズマ分光分析方法において、前記電極系を形成する前記陰極および前記陽極は、それぞれ、全体または部分的に、前記導電性溶液に接触するように、配置されることが好ましい。また、前記陰極は、前記狭小部の上流側、前記陽極は、前記狭小部の下流側に配置することが好ましい。
前記電圧印加工程において、例えば、前記一対の電極への電圧印加により、前記導電性溶液が供給された流路に電界を発生させると、前記狭小部において気泡が発生し、生じた気泡中に、プラズマが発生する。
前記電極系への電圧の印加は、電圧印加手段により行うことができる。電圧印加手段は、特に制限されず、例えば、前記電極間に電圧を印加できればよく、公知の手段として電圧器等が使用できる。前記電極間に印加する電圧は、特に制限されず、例えば、発生させる気泡の大きさ、発生させるプラズマの大きさおよび状態、前記導電性溶液の種類、前記流路および前記狭小部の長さおよび大きさ等によって、適宜設定できる。前記電圧は、例えば、30〜5000V、100〜1500Vに設定でき、前記電極間の電流は、例えば、0.1〜1000mA、2〜100mAに設定できる。
前記流路における電界の強さは、特に制限されず、例えば、前記導電性溶液の種類、前記流路および前記狭小部の長さおよび大きさ等によって、適宜設定できる。前記電界の強さは、例えば、0.01〜100MV/m、1〜10MV/mに設定できる。
前記電極間への電圧の印加は、例えば、連続的でもよいし、非連続的でもよい。電圧の印加時間は、連続的な印加の場合、1回当たり、例えば、1〜1000msである。また、非連続的な印加の場合、電圧の印加の回数は、1秒あたり、例えば、1〜1000回、10〜50回であり、印加時間は、1回あたり、例えば、1μs〜500ms、20μs〜5msである。
前記検出工程では、前記電圧印加工程において前記流路内に発生したプラズマについて、発光を検出する。前記検出工程において、前記流路における検出対象領域は、特に制限されず、前述の通りであり、例えば、前記狭小部で発生したプラズマの発光を検出することが好ましい。
(4)実施形態
本発明の第1形態について、図面を参照し、例をあげて詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の例に限定されない。なお、各図において、同一部分には、同一符号を付しており、特に示さない限り、各形態の記載を援用できる。また、図面は、説明の便宜上、各部の構造は適宜簡略化して示す場合があり、各部の大きさ、その比率等は、実際とは異なり、模式的に示す場合がある。
本発明の第1のプラズマ発生用チップの一例として、前記第1領域に前記溝部が形成された形態を、図1の概略図に示す。図1において、(A)は、プラズマ発生用チップ101の上面図であり、(B)は、(A)のI−I方向の断面図であり、(C)は、(B)のII−II方向の断面図であり、(D)は、(B)の破線領域(X)の拡大図であり、(E)は、(B)のIII−III方向の断面図である。
図1に示すように、プラズマ発生用チップ101は、流路、第1リザーバー11aおよび第2リザーバー11bが形成された基材10を含む。図1において、第1リザーバー11aと第2リザーバー11bとを結ぶ方向、つまり、図1(A)における横方向が、チップ101の長手方向であり、第1リザーバー11a側が上流側、第2リザーバー11b側が、下流側である。また、図1において、チップ101の上面における前記長手方向に垂直な方向、つまり、図1(A)における縦方向が、チップ101の幅方向である。また、図1において、チップ101の断面における前記長手方向に垂直な方向、つまり、図1(B)における縦方向が、チップ101の高さ方向である。基材10は、流路として、内部が連通した、第1領域12a、狭小部13および第2領域12bを、この順序で有しており、第1領域12aの上流側末端は、第1リザーバー11aの一端と連通し、第2領域12bの下流側末端は、第2リザーバー11bの一端と連通している。第1リザーバー11aおよび第2リザーバー11bは、それぞれ、基材10の高さ方向に設けられた円柱状の凹部であり、基材10の上面において、開口している。
狭小部13は、図1(A)および(C)の平面図に示すように、第1領域12aおよび第2領域12bよりも、幅が狭く、図1(B)および(D)の長手方向の断面図に示すように、第1領域12aおよび第2領域12bよりも、高さが低いことから、その断面積は、第1領域12aおよび第2領域12bよりも小さい。
具体的に、図1(A)および(C)の平面図に示すように、狭小部13は、ほぼ一定の幅が維持されている。また、図1(A)および(C)の平面図に示すように、第1領域12aの幅は、狭小部13との接続部を始点として、上流側に向かってテーパー状に広がり、一定の幅に達した部位から、上流側に向かって、その一定幅が維持されており、第2領域12bの幅も同様に、狭小部13との接続部を始点として、下流側に向かってテーパー状に広がり、一定の幅に達した部位から、下流側に向かって、その一定の幅が維持されている。また、図1(B)の断面図に示すように、狭小部13の高さは、ほぼ一定の高さに維持されている。第1領域12aは、高さが広がるテーパー部と、高さが一定の非テーパー部とを有する。具体的には、第1領域12aの高さは、第1領域12aの上面が、狭小部13との接続部を始点として、所定の位置までテーパー状に広がることで、徐々に高くなり、前記所定の位置から、第1リザーバー11aとの接続部まで、一定の高さが維持されている。そして、第1領域12aにおいて、一定の高さが維持されている部位の上面は、長手方向に沿って、溝部14を有している。また、第2領域12bは、テーパー部を有しており、第2領域12bの高さは、第2領域12bの上面が、狭小部13との接続部を始点として、第2リザーバー11bとの接続部まで、テーパー状に広がることで、徐々に高くなっている。
第1領域12aのテーパー部の角度は、前述の例示があげられる。第1領域12aにおける前記テーパー部の長さは、例えば、0μmまたは0μmを超え〜5000μm、0μmまたは0μmを超え〜3000μm、300〜1300μmであり、第1領域12aにおける前記非テーパー部の長さは、例えば、0または0を超え〜5mm、0μmまたは0μmを超え〜4mm、0μmまたは0μmを超え〜3mmであり、前記非テーパー部の高さは、例えば、0mmまたは0mmを超え〜5mm、0mmまたは0mmを超え〜1mm、0mmまたは0mmを超え〜0.8mmである。
溝部14の幅は、例えば、0μmを超え〜1000μm、0μmを超え〜500μm、0μmを超え〜300μmであり、溝部14の深さは、例えば、0μmを超え〜5000μm、0μmを超え〜3000μm、0μmを超え〜1000μmである。
プラズマ発生用チップ101は、例えば、電圧印加手段および検出手段を備えるプラズマ発生装置にセットすることで使用できる。この際、電圧を印加する電極系は、前記プラズマ発生装置が備えてもよいし、プラズマ発生用チップ101が備えてもよい。前者の場合、前記プラズマ発生装置における陰極および陽極を、プラズマ発生用チップ101の適用箇所に挿入すればよい。具体例として、前記陰極は、その先端を、例えば、プラズマ発生用チップ101の狭小部13よりも上流側、好ましくは第1領域12a内に挿入することが好ましく、前記陽極は、その先端を、例えば、プラズマ発生用チップ101の狭小部13よりも下流側、好ましくは第2領域12b内に挿入することが好ましい。
そして、前記プラズマ発生装置の前記電圧印加手段により前記電極系に電圧を印加することにより、プラズマ発生用チップ101に電界を発生させ、気泡を発生させ、気泡からプラズマを発生させる。そして、発生したプラズマの発光を、前記プラズマ発生装置の前記検出手段により検出する。
本発明の第1のプラズマ発生用チップの他の例を、図2の概略図に示す。図2は、図1(B)と同じ方向(I−I方向)の断面図であり、特に示さない限りは、図1(B)と同様である。
図2に示すように、プラズマ発生用チップ102は、第1領域12aの溝部14の内部(内壁)に、陰極15が固定化されている形態である。具体的には、陰極15は、第1領域12aの溝部14の内壁から第1リザーバー11aの内壁にかけて、連続した形状で固定化されている。
陰極15は、その幅が、例えば、0mmを超え〜5mm、0mmを超え〜3mm、0mmを超え〜1mmであり、その厚みが、例えば、0を超え〜1000μm、0を超え〜100μm、0を超え〜40μmである。陰極15の先端の位置は、第1領域12aの下流側の末端(狭小部13側末端)から、例えば、0mmまたは0mmを超え〜5mm、0mmまたは0mmを超え〜3mm、0mmまたは0mmを超え〜2mm、0mmまたは0mmを超え〜1mmである。
プラズマ発生用チップ102は、例えば、さらに、陽極を備えてもよい。前記陽極は、例えば、その先端が、第2領域12bの内部に配置されていることが好ましく、より好ましくは、第2領域12bの内壁に固定化されていることが好ましく、さらに好ましくは、第2領域12bから第2リザーバー11bの内壁にかけて、連続した形状で固定化されている。
具体例として、前記第1領域に前記溝部が形成された例を示したが、これには制限されず、前述のように、前記第1領域に代えて、前記第2領域に前記溝部が形成されてもよいし、前記第1領域と前記第2領域の両方に、前記溝部が形成されてもよい。前記第2領域における前記溝部は、例えば、前記第1領域における溝部の記載について、例えば、第1領域を第2領域、上流側を下流側、下流側を上流側と読み替えて、援用できる。
2.本発明の第2形態
(1)プラズマ発生用チップ
本発明の第2のプラズマ発生用チップは、前述のように、流路を含み、前記流路は、第1領域と狭小部と第2領域とを有し、前記狭小部は、前記第1領域および前記第2領域と連通し、且つ、前記第1領域の断面および前記第2領域の断面よりも小さい断面積を有し、下記条件(2)を満たすことを特徴とする。
条件(2):陰極を有し、前記陰極が、前記第1領域の内壁に固定化されている
本発明のプラズマ発生用チップは、前記陰極が前記第1領域の内壁に固定化されることで、プラズマ発光の高い再現性を可能とする。従来のチップは、流路の両端に連通されたリザーバー内に、棒電極等の固体電極を挿入し、電圧を印加してプラズマを発生させる(特許文献1〜3)。しかしながら、本発明者らは、陰極および陽極が前記両端のリザーバー内に挿入されているため、前述のように前記流路内における気泡の滞留が生じると、前記電極間の液体抵抗値が変動し、前記流路の電子印加量が不安定になるとの知見を得た。これに対して、本発明のプラズマ発生用チップは、前記陰極が第1領域の内壁に固定化されている、つまり、前記陰極が、リザーバー内に挿入される電極と比較して、より狭小部に近い位置に固定化されている。このため、例えば、前記流路全体における抵抗値の変化による影響を排除し、前記電極間における前記電子印加量を安定化して、その結果、気液界面の形成を一定に保持できると推測される。なお、本発明は、この推測には制限されない。
本発明のプラズマ発生用チップは、前述の本発明の第1のプラズマ発生用チップにおける前記条件(1)に代えて、前記条件(2)を満たすことが特徴であり、それ以外は、全て、前記本発明の第1のプラズマ発生用チップの説明を援用できる。本発明のプラズマ発生用チップは、例えば、前記条件(2)の他に、前記条件(1)を満たしてもよい。
本発明の第2のプラズマ発生用チップは、具体的には、陰極を有し、前記陰極が、前記第1領域の内壁に固定化されていることを特徴とし、前記本発明の第1のプラズマ発生用チップにおける、前記第1領域の内壁および前記第2領域の内壁における溝部は、それぞれ、有してもよいし、有していなくてもよい。
(2)プラズマ発生装置
本発明の第2のプラズマ発生装置は、前述のように、前記本発明の第2のプラズマ発生用チップを備えることを特徴とする。本発明の第2のプラズマ発生装置は、前記第2のプラズマ発生用チップを備えることが特徴であって、その他の構成および条件は、特に制限されない。本発明の第2のプラズマ発生装置は、特に示さない限り、前記本発明の第2のプラズマ発生用チップおよび前記本発明の第1形態の記載を援用できる。
本発明のプラズマ発生装置は、例えば、さらに、前記電圧印加手段、前記検出手段等を備えることが好ましい。
(3)プラズマ分光分析方法
本発明の第2のプラズマ分光分析方法は、前述のように、導電性溶液が供給された流路に電界を発生させる工程、および
電界の発生により前記流路内で発生したプラズマの発光を検出する検出工程を含み、
前記流路は、第1領域と狭小部と第2領域とを有し、
前記狭小部は、前記第1領域および前記第2領域と連通し、且つ、前記第1領域の断面および前記第2領域の断面よりも小さい断面積を有し、
下記条件(2)を満たすことを特徴とする。
条件(2):陽極と陰極との間に前記狭小部が位置するように、前記陽極と前記陰極とが配置されており、前記陰極は、前記第1領域の内壁に固定化されている
本発明のプラズマ分光分析方法は、例えば、前記本発明の第2のプラズマ発生用チップまたは前記本発明の第2のプラズマ発生装置を使用できる。本発明のプラズマ分光分析方法は、特に示さない限り、前記本発明の第2のプラズマ発生用チップ、前記本発明の第2のプラズマ発生装置および前記本発明の第1形態の記載を援用できる。前記電界の発生は、例えば、電極系への電圧印加により行うことが好ましく、この他に、例えば、マイクロウェーブ等で電界を発生させてもよい。
(4)実施形態
本発明の第2形態について、図面を参照し、例をあげて詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の例に限定されない。なお、各図において、同一部分には、同一符号を付しており、特に示さない限り、前記第1形態の記載の援用できる。また、図面は、説明の便宜上、各部の構造は適宜簡略化して示す場合があり、各部の大きさ、その比率等は、実際とは異なり、模式的に示す場合がある。
本発明の第2のプラズマ発生用チップの一例を、図3の概略図に示す。図3は、図1(B)と同じ方向(I−I方向)の断面図である。図3に示すように、プラズマ発生用チップ201は、第1領域12aの溝部を有さず、第1領域12aの内壁に、陰極15が固定化されている以外は、図2のプラズマ発生用チップ102と同様である。具体的には、第1領域12aは、テーパー部と非テーパー部とを有し、第1領域12aの高さは、第1領域12aの上面が、狭小部13との接続部を始点として、所定の位置までテーパー状に広がることで、徐々に高くなり、前記所定の位置から、第1リザーバー11aとの接続部まで、一定の高さが維持されている。そして、陰極15は、第1領域12aの非テーパー部の内壁から第1リザーバー11aの内壁にかけて、連続した形状で固定化されている。
本発明の第2のプラズマ発生用チップの他の例を、図4の概略図に示す。図4は、図1(B)と同じ方向(I−I方向)の断面図である。図4に示すように、プラズマ発生用チップ202は、第1領域12aの溝部を有さず、第1領域12aの内壁に、陰極15が固定化されている。具体的には、陰極15は、第1領域12aの内壁から第1リザーバー11aの内壁にかけて、連続した形状で固定化されている。
本発明の第2のプラズマ発生用チップの他の例を、図5の概略図に示す。図5は、図1(B)と同じ方向(I−I方向)の断面図である。図5に示すように、プラズマ発生用チップ203は、第1リザーバー11aの内壁および第1領域12aの内壁に、陰極15が固定化されており、第2リザーバー11bの内壁および第2領域12bの内壁に、陽極16が固定化されている以外は、図3のプラズマ発生用チップ201と同じである。
つぎに、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は、下記の実施例により制限されない。
[実施例1A]
本発明の第1のプラズマ発生用チップを用いて、プラズマ発光の再現性を確認した。
(1)プラズマ発生用チップ
図1に示すプラズマ発生用チップ101を作製した。具体的には、下基板として、石英ガラスのプレート、上基板として、ポリブチレンテレフタレート(PBT、ジュラネックス(登録商標)2002、Polyplastic社製)製プレートを準備した。前記上基板に、成形法により、図1に示す空隙を形成した。そして、前記上基板と前記下基板とを、紫外線硬化型接着剤で接合し、プラズマ発生用チップ101を作製した。
プラズマ発生用チップ101の各部位の大きさは、以下の通りに設定した。
・狭小部13
長さ:600μm
幅 :220μm
高さ:30μm
・第1領域12a
長さ:2.5mm
幅 :1mm
テーパー部の角度 :45度
・溝14
長さ:3mm
幅 :300μm
深さ:1000μm
・非テーパー部
長さ:2.2mm
高さ:2mm
・第2領域12b
長さ:2.5mm
幅 :1mm
テーパー部の角度 :45度
・第1リザーバー11aおよび第2リザーバー11b
直径:3.2mm
高さ:6mm
・チップ101
全長:35mm
全幅:12mm
高さ:6mm
(2)プラズマ発光の測定
チオプロニンを終濃度500mmol/Lとなるように、硝酸に溶解して、チオプロニン試料を調製した。これを導電性溶液とした。
プラズマ発生用チップ101の第1リザーバー11a内に陰極を挿入し、第2リザーバー11b内に陽極を挿入した。前記陰極および前記陽極は、それぞれ、炭素電極棒(DPP CRP マイクロカーボンロッド、直径0.28mm、Sano Factory社製)を使用した。つぎに、前記導電性溶液80μLを、プラズマ発生用チップ101の第1リザーバー11aに入れ、第2リザーバー11bに導出させることで、第1領域12a、狭小部13および第2領域12bに、前記導電性溶液を導入した。
そして、前記陰極と前記陽極の間に電圧を印加して、プラズマ発生用チップ101の狭小部13におけるプラズマ発光の発光スペクトルを分析した。発光の検出は、CCDを使用した。電圧の印加条件およびプラズマ発光の分析条件は、以下の通りとした。露光時間は、発光検出に使用するCCDをONにする時間である。発光を検出するCCD−ONと発光を検出しないCCD−OFFとを1周期とし、160周期(160回)を繰り返し行った。1周期のCCD−ONの間に、閉回路(電圧印加)と開回路(電圧未印加)を繰り返し、閉回路1回と開回路1回とを1セットした場合において、1セットの時間をSW(スイッチング)時間といい、前記1セットにおける閉回路の時間の割合(%)をDutyという。
(印加条件)
印加電圧: 750V
印加電流: 750mA
印加時間: 350ms
SW時間: 50μs
Duty: 16%
印加回数: 5000ms間隔で160回
(分析条件)
分析領域: 狭小部の中心を中心点とする直径400μmの領域
光ファイバー: 直径400μm 単芯
分光器: VS−140−1G、堀場製作所製
5000ms間隔で160回の印加を行い、160回の発光について分析を行った結果を、図6に示す。図6は、プラズマ発光のカウント値を示すグラフである。図6において、横軸は、サンプリング数を示し、縦軸は、プラズマ発光のカウント値を示す。
図6に示すように、実施例のプラズマ発生用チップ101によれば、サンプリング数の間でカウント値の変動が少なく、水銀の元素発光スペクトル波長253.97nmにおける前記カウント値のC.V.値は、8.2%であった。また、いずれのサンプリング数においても、電極間における液体抵抗値は、18kΩであり、変動が見られなかった。このことから、本発明の第1のプラズマ発生用チップによれば、電極間の液体抵抗値の変化が抑えられ、流路における電子印加量が安定化できるため、プラズマ発光の高い再現性を実現できることがわかった。
[実施例2A]
本発明の第2のプラズマ発生用チップを用いて、プラズマ発光の再現性を確認した。
(1)プラズマ発生用チップ
図5に示すプラズマ発生用チップ203を作製した。具体的には、前記実施例1Aと同じ下基板と上基板を準備し、前記上基板に、同様にして、図5に示す空隙を形成した。前記上記版と前記下基板の内壁に、スパッタリングにより金をコーティングし、厚み100nmの陰極15および陽極16を形成した。そして、前記上基板と前記下基板とを、紫外線硬化型接着剤で接合し、プラズマ発生用チップ203を作製した。プラズマ発生用チップ203において、陰極15は、第1リザーバー11aの内側壁全面と、第1領域12aの非テーパー部の上面に形成し、陽極は、第1リザーバー11aの内壁全面に形成した。
プラズマ発生用チップ203の各部位の大きさは、前記実施例1Aと同じとした。
(2)プラズマ発光の測定
プラズマ発生用チップ203の陰極15および陽極16間への印加を40回行った以外は、前記実施例1Aと同様にして、狭小部におけるプラズマ発光の発光スペクトルを分析した。
比較例として、陰極15および陽極16を形成せず、陰極および陽極として、第1リザーバー11aおよび第2リザーバー11bに、白金電極棒(Pt(wire)φ0.5mm、ニラコ社製)を挿入した以外は、実施例2Aと同様にして、プラズマ発光の分析を行った。
これらの結果を図7および8に示す。図7は、プラズマ発光のカウント値を示すグラフであり、横軸は、サンプリング数を示し、縦軸は、プラズマ発光のカウント値を示し、四角(■)は、実施例の結果を示し、菱形(◆)は、比較例の結果を示す。また、図8は、プラズマ発光のカウント値のC.V.値を示すグラフであり、横軸は、サンプルの種類を示し、縦軸は、プラズマ発光のカウント値のC.V.値を示す。
図7に示すように、実施例のプラズマ発生用チップ203によれば、比較例のプラズマ発生用チップと比較して、サンプリング数の間でカウント値の変動が少なく、さらに、プラズマ発光のカウント値が高かった。そして、図8に示すように、実施例のプラズマ発生用チップ203によれば、比較例のプラズマ発生用チップと比較して、C.V.値を1/5まで低減できた。これは、実施例のプラズマ発生用チップ203において、電極間の液体抵抗値の変化が抑えられ、流路における電子印加量が安定化できたことを示すといえる。このことから、本発明の第2のプラズマ発生用チップによれば、電極間の液体抵抗値の変化が抑えられ、流路における前記電子印加量が安定化できるため、プラズマ発光の高い再現性を実現できることがわかった。
以上、実施形態および実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
この出願は、2014年2月28日に出願された日本出願特願2014−39506を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。
本発明のプラズマ発生用チップによれば、例えば、気泡除去用の排出手段を使用することなく、プラズマ発光の優れた再現性を実現できる。このため、本発明によれば、例えば、プラズマ発生を利用した、元素等の分析において、極めて有用である。
10 基板
11a 第1リザーバー
11b 第2リザーバー
12a 第1領域
12b 第2領域
13 狭小部
14 溝部
15 陰極
101、102、201、202、203 プラズマ発生用チップ

Claims (23)

  1. 流路を含み、
    前記流路は、導電性溶液を貯留する第1リザーバーおよび第2リザーバー、狭小部、前記第1リザーバーと前記狭小部とを接続する第1領域、並びに前記第2リザーバーと前記狭小部とを接続する第2領域有し、
    前記狭小部は、前記第1領域および前記第2領域と連通し、
    前記第1領域は、前記狭小部との接続部の断面積が、前記第1リザーバーとの接続部の断面積よりも小さくなるように形成されており
    前記第2領域は、前記狭小部との接続部の断面積が、前記第2リザーバーとの接続部の断面積よりも小さくなるように形成されており、
    下記条件(1)および(2)の少なくとも一方を満たすことを特徴とするプラズマ発生用チップ。
    条件(1):前記第1領域の内壁および前記第2領域の内壁の少なくとも一方に、溝部を有する
    条件(2):陰極を有し、前記陰極が、前記第1領域の内壁に固定化されている
  2. 前記条件(1)において、前記第1領域から前記第2領域に向かう方向を長手方向として、前記第1領域の内壁に、前記長手方向に沿って前記溝部を有する、請求項1記載のプラズマ発生用チップ。
  3. 前記条件(1)において、さらに、陰極を有する、請求項1または2記載のプラズマ発生用チップ。
  4. 前記陰極が、前記第1領域内に配置されている、請求項3記載のプラズマ発生用チップ。
  5. 前記陰極が、前記第1領域の前記溝部内に配置されている、請求項3または4記載のプラズマ発生用チップ。
  6. 前記陰極が、前記第1領域の内壁に固定化されている、請求項3から5のいずれか一項に記載のプラズマ発生用チップ。
  7. 前記陰極が、前記第1領域の内壁に、導電材料をコーティングして形成された電極である、請求項1および3から6のいずれか一項に記載のプラズマ発生用チップ。
  8. 前記陰極が、前記第1領域の内壁に、導電材料を埋め込んで形成された電極である、請求項1および3から6のいずれか一項に記載のプラズマ発生用チップ。
  9. 前記陰極が固定化される前記流路の内壁が、前記流路の前記溝部の内壁である、請求項7または8記載のプラズマ発生用チップ。
  10. さらに、陽極を備え、
    前記陽極が、前記狭小部を挟んで、前記陰極の反対方向に配置されている、請求項1から9のいずれか一項に記載のプラズマ発生用チップ。
  11. 前記陽極が、前記第2領域内に配置されている、請求項10記載のプラズマ発生用チップ
  12. 前記陽極が、前記第2領域の内壁に固定化されている、請求項10または11記載のプラズマ発生用チップ。
  13. 前記陽極が、前記第2領域の内壁に、導電材料をコーティングして形成された電極である、請求項10から12のいずれか一項に記載のプラズマ発生用チップ。
  14. 前記陽極が、前記第2領域の内壁に、導電材料を埋め込んで形成された電極である、請求項10から12のいずれか一項に記載のプラズマ発生用チップ。
  15. さらに、導電性溶液を貯留する第1リザーバーおよび第2リザーバーを有し、
    前記第1領域は、一端が前記狭小部と連通し、他端が前記第1リザーバーと連通し、
    前記第2領域は、一端が前記狭小部と連通し、他端が前記第2リザーバーと連通している、請求項1から14のいずれか一項に記載のプラズマ発生用チップ。
  16. 請求項1から15のいずれか一項に記載のプラズマ発生用チップを備えることを特徴とするプラズマ発生装置。
  17. さらに、前記プラズマ発生用チップにおいて発生したプラズマ発光を検出する検出手段を備える、請求項16記載のプラズマ発生装置。
  18. 前記検出手段が、前記プラズマ発生チップの前記流路の前記狭小部において発生したプラズマ発光を検出する手段である、請求項17記載のプラズマ発生装置。
  19. さらに、電圧印加手段を備える、請求項16から18のいずれか一項に記載のプラズマ発生装置。
  20. 導電性溶液が供給された流路に電界を発生させる工程、および、
    電界の発生により前記流路内で発生したプラズマの発光を検出する検出工程を含み、
    前記流路は、導電性溶液を貯留する第1リザーバーおよび第2リザーバー、狭小部、前記第1リザーバーと前記狭小部とを接続する第1領域、並びに前記第2リザーバーと前記狭小部とを接続する第2領域有し、
    前記狭小部は、前記第1領域および前記第2領域と連通し、
    前記第1領域は、前記狭小部との接続部の断面積が、前記第1リザーバーとの接続部の断面積よりも小さくなるように形成されており、
    前記第2領域は、前記狭小部との接続部の断面積が、前記第2リザーバーとの接続部の断面積よりも小さくなるように形成されており、
    下記条件(1)および(2)の少なくとも一方を満たすことを特徴とするプラズマ分光分析方法。
    条件(1):前記第1領域の内壁および前記第2領域の内壁の少なくとも一方が、溝部を有し、陽極と陰極との間に前記狭小部が位置するように、前記陽極と前記陰極とが配置されている
    条件(2):陽極と陰極との間に前記狭小部が位置するように、前記陽極と前記陰極とが配置されており、前記陰極は、前記第1領域の内壁に固定化されている
  21. 前記条件(1)において、前記第1領域から前記第2領域に向かう方向を長手方向として、前記第1領域の内壁に、前記長手方向に沿って前記溝部を有する、請求項20記載のプラズマ分光分析方法。
  22. 前記検出工程において、前記狭小部で発生したプラズマの発光を検出する、請求項20または21記載のプラズマ分光分析方法。
  23. 請求項1から15のいずれか一項に記載のプラズマ発生用チップを使用する、請求項20から22のいずれか一項に記載のプラズマ分光分析方法。
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